JP6203297B2 - レーザ重ね溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数重ねたワークを、一側表面の溶接開始端から終端部までの溶接走査区間にレーザを照射して溶接を行うレーザ重ね溶接方法に関する。
一般に、この種のレーザ重ね溶接では、例えば図7に示すように、二枚重ねた鋼板製ワーク1、2の一側表面3にレーザヘッド4を直線的に走査してレーザLを照射し、一側ワーク1の金属を局部的に溶融し、その溶融した金属5aが板隙間dを介して他側ワーク2に溶着し、凝固することによりワーク1、2を溶接される。そのとき、一側表面3に照射するレーザLの照射径ΦAは、溶接開始端と、その開始端から溶接終端部に至る途中および溶接終端部を通じて略同一にすることによりレーザ出力を一定に維持し、そのレーザ光のエネルギー密度が最大となる最も小さい集光径(フォーカス状態)に設定ししてレーザエネルギーの出力効率を良好にしている。
しかし、従来のレーザ重ね溶接では、レーザ出力を溶接開始端から終端部までの間、レーザ出力を所定区間一定に維持すると、例えば図8に示すように、溶接終端部のにおいながら揺冊して、一側表面3にヒケ6が発生し、それが原因でワーク1、2の接合強度が低下していた。このようにこうしてワーク1、2の溶接終端部にヒケ6ができるのは、レーザLを局部的に連続照射して溶融した金属5aを、溶接走査方向前方のヒケ6内に追いやりながら追い遣りながら溶接し、ヒケ6内に追いやられて溶融金属5aが周りから順次冷えて凝固する。一方、溶接終端部まで、前方からヒケ6内に十分に溶融金属5aが供給されないために、ヒケ6内を完全に埋めるだけの材料が不足し、溶融した金属材料5aが周りから順に冷えて凝固しつつ収縮していくと、その中央部分の厚さ方向にヒケ6が発生し、場合によって貫通穴が開いている。
そこで、従来は、レーザが溶接終端部に到達したとき、即座にレーザ照射を止めるのではなく、特許文献1に記載するように、レーザ出力を溶接終端部Eに向かうに従い徐々に低下させる溶接方法が採られている。こうして溶接ビード5の溶接終端部において、レーザ出力を徐々に下げると、溶け込み深さが徐々に浅くなるので、確かに溶接終端部における穴開き発生頻度は減少する。
特開2007−313544号公報
ところが、上記従来のレーザ重ね溶接方法では、溶接終端部における穴開き発生頻度が減少しても、図9(A)に示すように、依然として、溶接ビード5の溶融した金属5aが冷めて溶接走査方向Xに沿って細長く凝固し、この溶融した金属5aが凝固する際に、比較的深く凹んだヒケ6がワーク1の表面上の溶接終端部に発生し、しかも、ヒケ6には、図9(B)に示すように、他側ワーク2との板隙間d寄りに深く亀裂(内部亀裂)rを生じる凝固割れを起こし、この凝固割れが原因で重ねたワーク1、2の接合強度が低下するという課題があった。
本発明の目的は、複数重ねたワークを、一側表面の溶接開始端から溶接終端部までの走査区間にレーザを照射して溶接を行うレーザ重ね溶接方法において、レーザ走査の溶接終端部に起こり易い凝固割れを防止して重ね合わせワークの接合強度を上げることにある。
そのため、本発明者らは、鋭意研究実験を重ね、複数重ねたワークの一側表面にレーザを照射して重ね溶接したときに溶接終端部に発生しやすい凝固割れの発生メカニズムを明らかにした。即ち、凝固割れは、例えば図6に(A)に示すように、溶接終端部において、一側表面3のレーザの照射を止めてレーザ重ね溶接を終了すると、(B)溶接ビード5の溶融した金属5aが順次周囲より冷えて凝固を開始しながら収縮して引張応力Pを発生し、(C)その溶接ビード5の中央部分に走査方向Xに沿って平面視細長にヒケ6が形成されるが、溶融金属5aの凝固が直線状に進むに従い引張応力Pが増強し、すると、強い引張応力Pによって溶融金属5aが次第に薄くなって凹みだし、(D)ヒケ6が始め底浅な凹溝状から底深い鋭角なV溝形状に変形し、V溝形状を呈するヒケ6に引張応力Pが集中するから、それが原因により溶接終端部でV溝形状に深く凹んだヒケ6から走査方向に長い亀裂rを生じて凝固割れが起こることを解明した。
そこで、本発明者らは、上述のように直線走査してレーザ照射位置が溶接終端部に至ると、レーザ照射を止めずに、その終端部でのワークの厚さ方向軸線周りに平面視円形に一定時間回転走査し、溶融金属の溶融部分を円形に掻き混ぜて溶融金属が凝固し始めるときに生ずる引張応力を均一化し、これにより、溶融した金属が直線的にレーザ走査の方向に向け線状に凝固して凹溝状のヒケに引張応力が集中するのを阻止し、溶接終端部でV溝形状に凹んだヒケから亀裂を生じて凝固割れが起こるのを防止できるという知見を得た。即ち、溶融した金属が凝固するときに生ずる引張応力が原因で起こる凝固割れの現象を利用することにより、上述した従来の課題を解決することできることが判り、本発明を完成するに至った。
即ち、請求項1に係る発明は、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、複数重ねたワーク10、11を、溶接部位が重なり合った状態で溶接冶具にセットし、一側表面10aの溶接開始端Sから溶接終端部Eまで直線走査してレーザLを照射し、溶接終端部Eに到達する一定時間手前のレーザ出力制御位置に至ると、溶接終端部Eに到達するまで照射するレーザの出力が徐々に下がるように制御し、次いで、溶接終端部Eに到達すると、その終端部のワークの厚さ方向軸線周りにレーザを回転走査し、溶融金属の溶融部分に照射して溶融金属が凝固するときに発生する引張応力が凹溝状のヒケに集中しないで均一化するように溶融金属の溶融部分を円形状に流動させることを特徴とする。


請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレーザ重ね溶接方法において、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、レーザ照射位置が前記レーザ出力制御位置に至ると、直線状に走査してレーザLを照射する走査速度を徐々に高速にして溶接終端部Eに到達するまで照射するレーザ光のエネルギー密度が徐々に下がるように制御することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のレーザ重ね溶接方法において、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、前記溶接終端部でのレーザの回転走査を、前記溶接終端部に到達する前の直線状に照射するレーザの走査速度より低速度で且つ直線状に照射するレーザ出力より低出力で行うことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、レーザを直線走査してレーザ照射位置が溶接終端部に到達する手前の出力制御位置に至ると、溶接終端部に到達するまで照射するレーザの出力が徐々に下がるように制御して溶接するから、その溶接部位の溶け込み深さが徐々に浅くなるので、溶接終端部に貫通穴が開く穴開きの発生頻度を減少させることができ、それだけ重ね合わせワークの接合強度を上げることができる。次いで、そのように直線走査してレーザ照射位置が溶接終端部に至ると、レーザ照射を止めずにワークの厚さ方向軸線周りに平面視円形に一定時間回転走査し、溶融金属の溶融部分を円形に流動させるから、その溶融部分が溶接終端部で凝固し始めるとき、重ねたワークの厚さ方向軸線周りを円形に回転走査して金属の溶融部分を流動させて掻き混ぜることにより、溶融金属が凝固するときに発生する引張応力を均一化し、溶融した金属が直線的なレーザ走査方向に向け線状に凝固してヒケに引張応力が集中するのを阻止し、溶接終端部でV溝形状に深く凹んだヒケから亀裂を生じて凝固割れが起こるのを効果的に防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、溶接終端部に到達する手前のレーザ出力制御位置に至ると、直線状に照射するレーザの走査速度を徐々に高速にしてレーザ走査することで、単位時間当たりにレーザ被照射部位に供給されるエネルギーが減少し、結果的にレーザ出力を徐々に低減させるのと同様の効果が得られる。即ち、直線走査してレーザ照射位置が溶接終端部に到達する手前の出力制御位置に至ると、溶接終端部に到達するまで照射するレーザ光のエネルギー密度が徐々に下がるように制御して溶接するから、その溶接部位の溶け込み深さが徐々に浅くなるので、溶接終端部に貫通穴が開いてしまう穴開きの発生頻度を減少させることができ、それだけ重ね合わせワークの接合強度を上げることができる。
請求項3に記載の発明によれば、溶接終端部でのレーザの回転走査を、溶接終端部に到達する前の直線状にレーザを照射する走査速度より低速度で且つ直線状に照射するレーザ出力より低出力で行うことで、単位時間当たりに溶接終端部のレーザ被照射部位に供給されるエネルギーが増大するため、結果的に溶融金属の溶融部分がより効果的に円形に流動し、溶融金属が凝固するときに発生する引張応力を効果的に均一化し、その結果、溶接終端部で溶融した金属が線状に凝固してヒケに引張応力が集中するのを抑制し、溶接終端部に凹んだヒケから亀裂を生じて凝固割れが起こるのを防止することができる。
本発明に係るレーザ重ね溶接方法の溶接開始端から溶接終端部までの溶接加工プロセスを説明する模式図である。 本発明を実施するレーザ溶接装置の構造を示す側面図である。 本発明方法を使用して製造する自動車用鋼板製フレームの外観斜視図である。 (A)溶接終端部に発生する溶接ビードの平面形状(B)溶接終端部に発生したヒケの状態を示す線G−G断面の顕微鏡写真である。 本発明に係るレーザ重ね溶接方法の溶接開始ステップから溶接終了ステップまでの溶接プロセスを説明するフローチャートである。 溶接終端部の凝固割れ発生メカニズムを段階的に分けて説明する模式図である。 従来の重ね合わせワークのレーザ溶接方法を説明する模式図である。 従来の重ね合わせワークのレーザ溶接方法において、溶接終端部にヒケが発生する状態を説明する模式図である。 従来のレーザ溶接方法において(A)溶接終端部にできた凝固割れの平面形状(B)溶接終端部に発生した凝固割れ状態を示す線D−D断面の顕微鏡写真である。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図6に基づいて詳細に説明する。なお、従来例と同一部材は、同一符号を付して説明する。
本発明の実施形態に係るレーザ重ね溶接方法は、図1に溶接開始端Sから終端部Eの溶接加工プロセスを示すように、重ねたワーク10、11を、一側表面10aの溶接開始端Sから溶接終端部Eまでの一定の直線走査区間にレーザを走査して直線状に照射することにより溶接を行い、溶接終端部Eに到達する手前のレーザ出力制御位置に至ると、溶接終端部Eに到達するまで照射するレーザの出力が徐々に下がるように制御し、次いで、溶接終端部Eのワークの厚さ方向軸線周りに回転走査して溶融金属の溶融部分を円形状に流動させる設定にする。
本実施の形態では、溶接部位に互いが重なり合う板状部を有するワークであればよく、双方が全体にプレートの板状体でなくとも、いずれか一方が板状体又は双方とも一部に重ね合う板状部を有したワークであっても採用することができる。また、本実施の形態では、板状のワーク10、11が2枚重ね合わされて溶接される形態に採用されるが、板状のワークが3枚重ね合わせて溶接する実施形態にも採用することができる。
そこで、図示実施の形態では、図2に示すように、レーザ溶接装置を使用して本発明のレーザ重ね溶接方法を実施し、図3に示すように、重ね合うワークの断面ハット形フレーム部品10に他のパネル部品11を溶接し、例えば自動車用車体の鋼板製フレームFを製造するものとする。制御装置Cと、補正教示位置データに基づいて溶接を行う溶接工程で用いる溶接ヘッドHを備える。
図示実施の形態において、本発明のレーザ重ね溶接方法を用いて製造する鋼板製フレームFは、薄鋼板を用いて、図2に示すように、断面コ形状をなすフレーム本体13と、フレーム本体13のウェブ(縦壁部)14の両側縁から曲げ延びるフランジ15とからなる断面ハット型にプレス成形したフレーム部品10のフランジ15に、該フランジと対向して接合するパネル部品11を、R止まり位置12の近傍に溶接して製造する。
図示実施の形態では、重ね合わせワーク10、11に使用される鋼板は、板厚が0.6mm~3mmの範囲内で、レーザLの出力は、2kW~6kWの範囲内に設定し、レーザ溶接ヘッドHの溶接走査速度は、ワーク10、11の板厚等に依存されるが、レーザ出力が2kW、溶接開始端Sにおけるワーク10表面10aのレーザ照射径が0.6mmおよびワーク10、11の板厚が0.7mmの場合には、2m/minに設定する。
そこで、レーザ溶接装置は、溶接ロボットRと、溶接ロボットRを駆動制御する制御装置Cを備える。溶接ロボットRは、レーザ溶接ヘッドHのトーチを溶接位置から離れた離隔位置からレーザLを出射するリモートレーザ溶接方式により溶接を行う。
制御装置Cは、レーザ溶接装置全体を電気的にコントロールし、溶接部品を所定セット位置に位置決め保持する溶接治具と電気的に接続し、ロボットコントローラを介してサーボモータを駆動制御してレーザ溶接ヘッドHを動作すると共に光源のレーザ発振器を制御してレーザ照射部からラインレーザ光を出射して重ね溶接を実行する構成になっている。
さて、上述した構成のレーザ溶接装置を用い、断面ハット形にプレス成形したフレーム部品10のフランジ15に、フランジ15と重ね合わせて接合する他のパネル部品11を、R止まり位置の近傍において重ね溶接して鋼板製フレームFを製造するレーザ重ね溶接方法について、図1、図4および図5に基づき、以下に説明する。
(1)第1パス:直線走査工程A
まず、本実施の形態に係るレーザ重ね溶接は、断面ハット形フレーム部品10のフランジ15に接合する他のパネル部品11を、厚さ方向上下に重ね合わせた状態で溶接冶具上の所定セット位置に位置決めセットしてから、一側表面10aにレーザLを走査して上方から照射する(ステップS1)。このとき、レーザは、溶接開始端Sから一定のレーザ出力で且つ一定の走査速度で直線状に走査を開始し、溶接終端部Eまで一定の直線走査区間に亘りレーザを直線状に照射する(ステップS2)。
その後、制御装置Cは、レーザ照射開始後、所定時間を経過し、レーザ照射位置が溶接終端部Eに到達する手前の一定の出力制御位置に至った否かを検知する(ステップS3)。即ち、レーザを直線走査して照射する位置が溶接終端部Eに到達する手前、例えば0.1秒前のレーザ出力制御位置に至ると、照射するレーザの出力が溶接終端部Eに向かうに従い徐々に下がるように制御する(ステップS4)。例えば一側表面3に照射するレーザLの照射径を、溶接開始端Sと、その開始端から溶接終端部Eに至る途中部位および溶接終端部Eへ向かうに従い徐々に低減し、各溶接部位の溶け込み深さが徐々に浅くなるので、溶接終端部Eに貫通穴が開く穴開きの発生頻度を減少させることができ、それだけ重ね合わせワーク10、11の接合強度を上げることができる。
更に、本実施の形態では、レーザ照射位置が溶接終端部Eに到達する手前のレーザ出力制御位置に至ると、直線状に照射するレーザの走査速度を徐々に高速にしてレーザ走査することで、単位時間当たりにレーザ照射位置に照射されるレーザ光のエネルギー密度が減少し、結果的にレーザ出力を徐々に低減させるのと同様の効果が得られる。
尚、本実施の形態では、レーザ出力を連続的に又は段階的に低下させるダウンスロープ或いはフェードダウンを併用することで、一層良好な形状の溶接ビードが得られる。
(2)第2パス:回転走査工程B
次いで、本実施の形態では、直線走査工程Aを経て後、直線走査してレーザ照射位置が溶接終端部Eに至ると(ステップS5)、制御装置Cは、レーザ照射を止めずに厚さ方向軸線周りに平面視円形に一定時間(例えば0.19秒)回転走査し、溶融金属の溶融部分を円形に流動させる(ステップS6)。以って、レーザ溶接を終了する(ステップS7)。
本実施の形態では、直線走査工程Aを経て後、直線走査してレーザ照射位置が溶接終端部Eに至ると、レーザ照射を止めず、ワークの厚さ方向軸線周りに平面視円形に一定時間回転走査し、溶融金属の溶融部分を円形状に流動させるから、その溶融部分が冷えて凝固し始めても、重ねたワークの厚さ方向軸線周りを円形に回転走査して金属の溶融部分を流動させて掻き混ぜることにより、溶融金属が凝固するときに発生する引張応力を均一化し、溶融した金属が直線的なレーザ走査方向に向け線状に凝固してヒケに引張応力が集中するのを阻止し、溶接終端部でV溝形状に深く凹んだヒケから亀裂を生じて凝固割れが起こるのを効果的に防止することができる。
尚、本実施の形態では、この回転走査工程Bにおいて、溶接終端部Eでのレーザの回転走査を、溶接終端部Eに到達する前の直線状にレーザを照射する走査速度より低速度で且つ直線状に照射するレーザ出力より低出力で行うことが望ましい。従って、本実施の形態によれば、溶接終端部でのレーザの回転走査を、溶接終端部に到達する前の直線状にレーザを照射する走査速度より低速度で且つ直線状に照射するレーザ出力より低出力で行うことで、単位時間当たりに溶接終端部のレーザ被照射部位に供給されるレーザのエネルギー密度が増大するため、結果的に溶融金属の溶融部分がより効果的に円形に流動し、溶融金属が凝固するときに発生する引張応力を効果的に均一化し、その結果、溶接終端部で溶融した金属が線状に凝固してヒケに引張応力が集中するのを抑制し、溶接終端部に凹んだヒケから亀裂を生じて凝固割れが起こるのを防止することができる。
尚、図示例では、回転走査工程Bにおいて、レーザの回転走査方向が図1中反時計方向であったが、溶接終端部Eでのワークの厚さ方向軸線周りに回転走査して溶融金属の溶融部分を円形状に流動させるのであれば、反対の時計方向に回転走査しても良く、回転走査の方向は問われない。
A 直線走査工程
B 回転走査工程
C 制御装置
E 溶接終端部
F 鋼板製フレーム
L レーザ
H レーザ溶接ヘッド
P 引張応力
S 溶接開始端
X 走査方向
6 ヒケ
10・11 ワーク





Claims (3)

  1. 複数重ねたワークを、溶接部位が重なり合った状態で溶接冶具にセットし、一側表面の溶接開始端から溶接終端部まで直線走査してレーザを照射し、レーザ照射位置が溶接終端部に到達する一定時間手前のレーザ出力制御位置に至ると、溶接終端部に到達するまで照射するレーザの出力が徐々に下がるように制御し、次いで、溶接終端部に到達すると、その終端部のワークの厚さ方向軸線周りにレーザを回転走査し、溶融金属の溶融部分に照射して溶融金属が凝固するときに発生する引張応力が凹溝状のヒケに集中しないで均一化するように溶融金属の溶融部分を円形状に流動させることを特徴とする、レーザ重ね溶接方法。
  2. 前記レーザ照射位置が前記レーザ出力制御位置に至ると、直線状に走査してレーザLを照射する走査速度を徐々に高速にして溶接終端部に到達するまで照射するレーザ光のエネルギー密度が徐々に下がるように制御することを特徴とする、請求項1に記載のレーザ重ね溶接方法。
  3. 前記溶接終端部でのレーザの回転走査を、前記溶接終端部に到達する前の直線状に照射するレーザの走査速度より低速度で且つ直線状に照射するレーザ出力より低出力で行うことを特徴とする、請求項1又は2記載のレーザ重ね溶接方法。
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