JP2017119305A - アルミニウム構造部材の製造方法 - Google Patents

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松本  剛
今村 美速
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Abstract

【課題】接合速度が速く、接合部の品質や接合強度に優れたアルミニウム構造部材の製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム構造部材の製造方法は、まず、第1及び第2アルミニウム部材1、2を互いに突き合わせて突き合わせ部3を形成する。次に、突き合わせ部3に向けてレーザビームXを照射し、突き合わせ部3の表面から裏面に貫通する溶接ビード部4を形成する。その後、溶接ビード部4に回転する攪拌ピン31を差し込んで溶接ビード部4を攪拌する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム構造部材の製造方法に関し、特に、自動車等の輸送機のパネル部材や構造部材等に適用されるアルミニウム構造部材の製造方法に関する。
近年、自動車のパネルやピラー、フレーム等の構造部材においては、軽量化の観点から鋼板からアルミニウム合金板への移行が検討されている。アルミニウム合金板への適用にあたっては、単一(一枚物)のアルミニウム合金板を用いるだけではなく、厚みが異なるアルミニウム合金板や材質が異なるアルミニウム合金板を組み合わせて用いることがある。
このような、二枚のアルミニウム合金板を接合する構造としては、例えば、特許文献1に記載されているように、二枚のアルミニウム合金板の端面を突き合わせて摩擦攪拌接合(FSW)を行うことによって接合材を製造することが知られている。
摩擦攪拌接合は、接合時の入熱量が低いため、接合後の構造体の歪が少ないというメリットがある。一方、摩擦攪拌接合は、接合スピードがレーザビーム溶接等の溶融溶接に比べて著しく低い。このため、摩擦攪拌接合の生産性を上げるためには、複数の部分を同時に接合するような特殊な構造の摩擦攪拌接合の専用機が必要となる。また、生産性を向上させる他の手法としては、摩擦攪拌接合のツールを差し込む前の部分を加熱して予熱して材料を軟化させた上で、摩擦攪拌接合のピンを差し込んで接合する方法が提案されている(特許文献2及び3参照)。
特開2002−224858号公報 国際公開第1999/39861号公報 特表2004−521747号公報
このような方法であれば、アルミニウム材料が摩擦攪拌による加熱量を少なくすることができるため接合速度を向上させることができる。しかしながら、アルミニウム材料は熱伝導性が高く、熱が容易に拡散してしまうため、必要な熱量を安定して接合部に付与することができない。この結果、材料の軟化状態にバラツキが出て溶接部に乱れが生じ、所定の接合強度が得られないという課題がある。
また、通常の摩擦攪拌接合よりも接合速度が向上しても、溶融接合(溶接)と比べるとスピードが依然として低いという問題がある。
さらに、特許文献1〜3のいずれの方法においても、攪拌ピンの深さの設定やピンの磨耗度合いによっては、未接合部(いわゆるキッシングボンド)が生じる可能性があり、ツール(ピン)の管理などが煩雑であるという問題があった。
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的は、接合速度が速く、接合部の品質や接合強度に優れたアルミニウム構造部材の製造方法を提供することにある。
本発明の第1アルミニウム部材と第2アルミニウム部材とが接合されて成るアルミニウム構造部材の製造方法は、前記第1及び第2アルミニウム部材を互いに突き合わせて突き合わせ部を形成する工程と、前記突き合わせ部に向けてレーザビームを照射し、前記突き合わせ部の表面から裏面に貫通する溶接ビード部を形成する工程と、回転する接合ツールによって前記溶接ビード部を攪拌する工程と、を含む。
また、上記製造方法において、好ましくは、前記接合ツールはショルダーのみを有し、前記攪拌工程は、前記溶接ビード部に前記接合ツールのショルダーのみを押し当てて前記溶接ビード部を攪拌する。
さらに、上記製造方法において、好ましくは、前記接合ツールは、ショルダーと、当該ショルダーの先端部に配設された撹拌ピンとを有し、前記攪拌工程は、前記溶接ビード部に前記接合ツールの攪拌ピンを差し込んで、前記ショルダー及び前記撹拌ピンによって、前記溶接ビード部を攪拌する。
また、上記製造方法において、好ましくは、前記接合ツールが、前記第1及び第2アルミニウム部材の板厚方向のいずれか一方の側から前記溶接ビード部を攪拌する。
さらに、上記製造方法において、好ましくは、前記接合ツールが、前記第1及び第2アルミニウム部材の板厚方向の両側から前記溶接ビード部を攪拌する。
また、上記製造方法において、好ましくは、前記第1アルミニウム部材と前記第2アルミニウム部材との板厚が互いに異なる。
さらに、上記製造方法において、好ましくは、前記第1アルミニウム部材の一方の面と前記第2アルミニウム部材の一方の面とを揃えて互いに突き合わせることで、面一な突き合わせ面を形成し、前記接合ツールが前記突き合わせ面の側から前記溶接ビード部を攪拌する。
また、上記製造方法において、好ましくは、前記攪拌工程は、前記溶接ビード部が形成された後、アルミニウム合金の固相線温度以下、100℃以上の領域で行われる。
本発明のアルミニウム構造部材の製造方法によれば、前記第1及び第2アルミニウム部材を互いに突き合わせて突き合わせ部を形成する工程と、前記突き合わせ部に向けてレーザビームを照射し、前記突き合わせ部の表面から裏面に貫通する溶接ビード部を形成する工程と、回転する接合ツールによって前記溶接ビード部を攪拌する工程と、を含む。これにより、接合速度が速く、接合部の品質や接合強度に優れたアルミニウム構造部材の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るアルミニウム構造部材の製造方法を実施するための製造装置の要部斜視図である。 本実施形態の製造方法を説明するためのアルミニウム構造部材の板厚方向断面図である。 本実施形態の製造方法を説明するためのアルミニウム構造部材の板厚方向断面図である。 本実施形態の製造方法を説明するためのアルミニウム構造部材の板厚方向断面図である。 本実施形態の製造方法を説明するためのアルミニウム構造部材の板厚方向断面図である。 本実施形態の製造方法で製造されたアルミニウム構造部材の平面図である。 第1変形例の製造方法によって製造されたアルミニウム構造部材の板厚方向断面図である。 第2変形例の製造方法によって製造されたアルミニウム構造部材の板厚方向断面図である。 第3変形例の製造方法によって製造されたアルミニウム構造部材の板厚方向断面図である。 通常の摩擦攪拌接合されたアルミニウム構造部材の板厚方向断面図である。 第4変形例の製造方法を説明するためのアルミニウム構造部材の板厚方向断面図である。 第4変形例の製造方法によって製造されたアルミニウム構造部材の板厚方向断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るアルミニウム構造部材の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態を実施するために使用される製造装置の要部斜視図である。製造装置10は、互いに接合される第1及び第2アルミニウム部材1、2が載置される定盤11と、レーザ装置20と、摩擦攪拌装置30と、を備える。
<レーザ装置20>
レーザ装置20は、レーザヘッド21からレーザビームXを第1及び第2アルミニウム部材1、2の突き合わせ部3に向けて照射し、突き合わせ部3の板厚方向全体に亘って溶接ビード部4を形成する。
レーザ装置20のレーザ源は特に限定されないが、YAGレーザ、COレーザ、ファイバーレーザ、ディスクレーザ、半導体レーザ等とすることができる。また、レーザビームXの照射方向は、突き合わせ部3の面に沿った方向であればよく、鉛直方向でもよいし、或いは、図1に示すように、鉛直方向に対して傾斜した方向であってもよい。
また、レーザ溶接に際して、必要に応じて、溶加材供給トーチ22から溶加材23を供給しながら溶接することもできる。溶加材としては、JIS4043、4047、5356、5183などのアルミニウム溶加材(JIS Z3232:2000)を適宜用いることができる。
<摩擦攪拌装置30>
摩擦攪拌装置30は、図2Cに示すように、攪拌ピン(又はプローブと称する)31及びショルダー32を有し、回転するツール33を備える。また、ツール33は、レーザヘッド21及びツール33の移動方向Yにおいて、レーザヘッド21に対して下流側に位置し、溶接ビード部4の上方に配置される。摩擦攪拌装置30は、レーザ溶接後に凝固した溶接ビード部4に攪拌ピン31を回転させながら差し込んで溶接ビード部4をトレースするようにして攪拌を行う。これにより、溶接ビード部4の一部が鋳物組織から改質された組織に変化する。従って、レーザ溶接のみで接合するよりも接合後の曲げや引張り強度が高くなる。
なお、撹拌ピン31の高さは、以下に説明するように、互いに接合するアルミニウム部材の厚さに応じて、適宜設定することができる。
攪拌ピン31の差込深さは、通常の摩擦攪拌接合(FSW)と異なり、摩擦攪拌で接合を行う必要がないため浅くすることができる。これにより、攪拌ピン31にかかる負荷が小さくなるため、通常の摩擦攪拌接合よりも早い速度(突合せ線上の移動速度)で攪拌を行うことができる。また、摩擦攪拌接合では、攪拌ピン31の差込深さに比例してバリが多くなるが、本実施形態の方法によれば、差込深さが浅いのでバリの発生を抑えることができる。
なお、本実施形態の製造装置10では、レーザヘッド21とツール33とをユニット化してもよい。この場合、図示しない駆動装置によって、レーザヘッド21とツール33とが、定盤11に対して一体に相対移動する。したがって、摩擦攪拌は、レーザ溶接と一工程で行うことができる。
また、本実施形態のように、レーザヘッド21とツール33とを近い位置に配置し、摩擦攪拌は、溶接ビード部4におけるアルミニウム合金の固相線温度(520〜580℃)から100℃までの高い温度の状態で行われることで、摩擦攪拌の速度を大幅に向上させることができる。
ただし、レーザ溶接と摩擦攪拌とは、同時に行われる必要はなく、別々に行われてもよい。また、摩擦攪拌装置30は、レーザ装置20と別途構成されてもよい。即ち、レーザ装置20によって突き合わせ部3のレーザ溶接(第1工程)が完了した後、接合されたアルミニウム構造部材を別途設けられた摩擦攪拌装置30に配置して、摩擦攪拌(第2工程)が行われてもよい。
<第1、第2アルミニウム部材1、2>
互いに接合される第1、第2アルミニウム部材1、2は、板材に限らず、押出形材や鍛造材であってもよい。
また、第1、第2アルミニウム部材1、2は、アルミニウム又はアルミニウム合金を含み、合金の材質としては、AA又はJIS6000系合金、5000系合金、7000系合金、3000系合金、2000系合金等各種合金材を使用することができる。また、第1、第2アルミニウム部材1、2は、本実施形態による接合を行った後に必要に応じて、焼鈍、溶体化処理及び人工時効処理などを行ってもよい。
<アルミニウム構造部材の製造方法>
次に、アルミニウム構造部材の製造方法の各工程について、図2A〜図2Dを用いて説明する。
まず、図2Aに示すように、定盤11に第1及び第2アルミニウム部材1、2を載置し、第1アルミニウム部材1と第2アルミニウム部材2とを突き合わせて突き合わせ部3を形成する。そして、図2Bに示すように、その突き合わせ部3をレーザ溶接により接合して溶接ビード部4を形成する。この際、突き合わせ部3に未接合部が生じないように溶接ビード部4は、突き合わせ部3を表面から裏面に貫通、即ち、突き合わせ部3の板厚方向全体に亘って形成される。
これにより、図5に示すような、摩擦攪拌接合で生じることがある、いわゆるキッシングボンド部6(突き合わせ部の未接合部又は接合が著しく弱い部分)を発生することが防止できる。
次に、図2Cに示すように、その溶接ビード部4に回転するツール33(攪拌ピン31)を差し込み、溶接ビード部4およびその周囲を摩擦攪拌する。溶接ビード部4は一旦溶融して凝固したものであるため鋳物組織となるが、摩擦攪拌により鋳物組織が改質され、図2D及び図3に示すように、改質部(摩擦攪拌部)5が形成される。鋳物組織は脆性があるため、この部分に引張荷重や曲げ荷重がかかると破断しやすいが、摩擦攪拌による金属組織の改質部5を設けることにより、組織が微細化されて鋳物組織よりも接合強度を向上させることができる。
また、本実施形態では、攪拌ピン31を板厚方向に深く差し込む必要がない。これにより、攪拌ピン31に係る荷重を下げることができ、接合速度を速くすることができる。
特に、自動車のフレーム部材等の被接合部材は厚いため、通常の摩擦攪拌接合の場合、非常に時間がかかるが、本実施形態の製造方法であれば、高い接合速度で被接合部材を接合することができる。
なお、摩擦攪拌接合の直前に、レーザや誘導加熱などにより予備加熱を行い、その直後に摩擦攪拌接合を行う技術では、一定の接合速度の向上は得られるものの熱のアルミニウムの熱放散性により温度コントロールが難しく接合部のバラツキが出る。又、攪拌ピン31の磨耗状態などの管理や差込深さの設定等が煩雑である。
一方、本実施形態のように、一旦溶融溶接(貫通溶接)を行い、凝固した溶接ビード部4を形成して、その後に摩擦攪拌により溶接ビード部4を改質することにより、キッシングボンドの発生がなくなる。更には、攪拌ピン31の管理や差込深さの設定が簡単になる。
以上説明したように、第1アルミニウム部材1と第2アルミニウム部材2とが接合されて成るアルミニウム構造部材の製造方法によれば、第1及び第2アルミニウム部材1、2を互いに突き合わせて突き合わせ部3を形成する工程と、突き合わせ部3に向けてレーザビームXを照射し、突き合わせ部3の表面から裏面に貫通する溶接ビード部4を形成する工程と、溶接ビード部4に回転する攪拌ピン31を差し込んで溶接ビード部4を攪拌する工程と、を含む。これにより、接合速度が速く、接合部の品質や接合強度に優れたアルミニウム構造部材の製造方法を提供することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形、改良等が可能である。
例えば、上記実施形態では、摩擦攪拌において、攪拌ピン31が、第1及び第2アルミニウム部材1、2の板厚方向において、レーザビームXの照射側から溶接ビード部4に差し込まれているが、本発明は、これに限定されない。
即ち、第1変形例の製造方法として、摩擦攪拌において、攪拌ピン31は、第1及び第2アルミニウム部材1、2の板厚方向において、レーザビームXの照射側(表面側)と反対側(裏面側)から溶接ビード部4に差し込まれてもよい。したがって、図4Aに示すように、改質部5が、レーザビームXが照射された側と反対側(裏面側)に形成される。
また、第2変形例の製造方法として、摩擦攪拌において、攪拌ピン31は、第1及び第2アルミニウム部材1、2の板厚方向の両側(表面側、裏面側)から溶接ビード部4に差し込まれてもよい。したがって、図4Bに示すように、改質部5が第1及び第2アルミニウム部材1、2の板厚方向の両側(表面側、裏面側)に形成される。このように、第1及び第2アルミニウム部材1、2の板厚方向の両側から攪拌ピン31を差し込んで摩擦攪拌することにより、接合部の強度をより高くすることができる。
さらに、本発明のアルミニウム構造部材の製造方法は、第1アルミニウム部材1と第2アルミニウム部材2との板厚が互いに異なる場合にも適用可能である。
この場合、第3変形例の製造方法として、図4Cに示すように、定盤11は、第1及び第2アルミニウム部材1、2の板厚差と一致する段差11aを有している。そして、第1アルミニウム部材1と第2アルミニウム部材2の一方の面を揃えて互いに突き合わせることで、突き合わせ部3を挟んで面一な突き合わせ面7が形成される。したがって、第3変形例の場合、レーザ接合が突き合わせ面7側から突き合わせ部3に向けてレーザビームXが照射されて溶接ビード部4が形成される。さらに、突き合わせ面7から溶接ビード部4に攪拌ピン31を差し込まれて、改質部5が形成される。
なお、第3変形例での摩擦攪拌は、段差11aのない平面上の定盤11上に第1及び第2アルミニウム部材1、2を載置し、突き合わせ面7と反対側から溶接ビード部4に攪拌ピン31が差し込まれてもよい。
また、第4変形例の製造方法では、図6Aに示すように、ツール33は、撹拌ピン31を有さず、ショルダー32のみから構成することができる。この場合は、ショルダー32のみで溶接ビード部4を撹拌するようになるので、当該撹拌を早い速度で行うことができるようになる。
なお、この場合に形成される改質部5は、図6Bに示すように、第1アルミニウム部材1及び第2アルミニウム部材2の表層部分にのみ形成されるようになる。
ここで、本発明の製造方法による効果を確認するため、以下の試験を行った。
表1に示すように、試験に用いた材料は、板厚3.0mmと板厚1.5mmのAA6022-T4相当材(実施例1〜4、比較例1,2,4,5)と板厚3.0mmのJIS A7075-T6(実施例5、比較例3)である。試験片の大きさは150mm×300mmで、300mmの方の端部同士を突き合わせて接合した。接合長は280mmである。
次に、溶接に用いたレーザ装置20について説明する。レーザは、発振器がIPGフォトニクス製YLS-6000とし、ヘッドや加工機は特注製で、集光レンズは焦点距離が450mm、集光径がφ0.3mmとなる設定で溶接を実施した。摩擦攪拌装置30は、加工機が特注製で、ツール33はSKD61相当材で作成したものを用いた。ツール33は、攪拌深さが1mmの場合、ショルダー径11mm、プローブ径(ピン径)φ4mm、高さ0.9mmのものと、攪拌深さが2mmの場合、ショルダー径13mm、プローブ径(ピン径)φ5mm、高さ1.8mmのものを用いた。
また、実施例6として、板厚3.0mmのAA6022-T4相当材を用い、同じく、摩擦攪拌装置30は、加工機が特注製で、ツール33はSKD61相当材で作製したものを用い、ツール33は、攪拌深さが0.5mmの場合、ショルダー径11mm(ピンなし)のものを用いた。
実施例1〜5の施工条件としては、レーザ溶接が、レーザ出力5500W、溶接速度200cm/分、溶加材はJIS A5356WY φ1.2mmで供給速度は200cm/分である。摩擦攪拌は、回転数2000rpmでレーザ照射位置から50mm離れた場所においてレーザ溶接と同時に同じ速度で加工した。なお、実施例6の施工条件は、溶接速度を240cm/分とした以外は、実施例1〜5と同一とした。
また、実施例1では、上記実施形態のように、摩擦攪拌はレーザビームXが照射される側のみから行い、図2Dのような接合部を得た。実施例2及び実施例5では、第1変形例のように、摩擦攪拌はレーザビームXが照射される側(表面側)と反対側(裏面側)のみから行い、図4Aのような接合部を得た。実施例3では、第2変形例のように、摩擦攪拌は板厚方向の両側(表面側、裏面側)から行い、図4Bのような接合部を得た。実施例4では、板厚が互いに異なる第1及び第2アルミニウム部材を用いており、摩擦攪拌はレーザビームXが照射される側(表面側)のみから行い、図4Cのような接合部を得た。実施例6では、第4変形例のように、ツール33のショルダー32のみで接合を行い、図6Bのような接合部を得た。
また、比較例4のレーザのみの場合は、レーザ出力5500W、溶接速度400cm/分、溶加材はJIS A5356WY φ1.2mmで供給速度は400cm/分で接合した。
また、比較例1〜3の摩擦攪拌接合のみの場合は、ショルダー径14mm、プローブはM5、高さ2.7mmのSKD61相当材で作成したツールを用いて、回転数2200rpm、接合速度50cm/分で接合した。
さらに、比較例5のレーザアシスト摩擦攪拌接合の場合は、レーザを先行させ摩擦攪拌接合を同時に行う方法で、接合速度は150cm/分、間隔は10mmとし、レーザはレーザ出力2000W、摩擦攪拌接合はショルダー径14mm、プローブはM5、高さ2.7mmのSKD61相当材で作成したツールを用いて回転数2200rpmとした。
接合された継手は、接合線に対して垂直方向に切断し、幅25mmの短冊片を3本、幅40mmの短冊片を3本の計6本を採取した。幅25mmの短冊片は引っ張り試験を行い、幅40mmの短冊片は裏曲げ試験を実施した。
引っ張り試験は当該試験片の長さ方向に引張を行う引張試験(n=3)を行った。伸びはチャック間の伸びを計測し、その3回の測定結果の平均値を評価結果とした。
裏曲げ試験は、(JIS Z 3122:2013)の要領で型曲げ試験を行った。雄型の肩部の半径Rは2t=6mmで実施した。いずれも裏曲げ試験を行った。
評価は、引っ張り試験では、同じ材料組合せでの摩擦攪拌接合の継手の伸びとの比較で、◎は優れる、○は同等、△はやや劣る、×はかなり劣る、とした。裏曲げ試験では、接合部外観を評価し、○は良好、△は小さな亀裂が散見される、×は幅全長に渡り亀裂が見られる、とした。総合評価は、Sが優良、Aが良で、Bはやや劣る、Cは劣る、とした。
表1に示すように、本発明の範囲である実施例1〜6では良好な結果が得られたことがわかる。一方、比較例1〜3、5である摩擦攪拌接合では、いずれも裏曲げ試験によりキッシングボンド部6で亀裂が生じた。また、比較例4のレーザ溶接では、引張試験において、実施例1〜5や比較例1〜3、5と比べて、低い評価となった。
1 第1アルミニウム部材
2 第2アルミニウム部材
3 突き合わせ部
4 溶接ビード部
5 改質部
10 製造装置
11 定盤
20 レーザ装置
21 レーザヘッド
30 摩擦攪拌装置
31 攪拌ピン
32 ショルダー
33 ツール

Claims (8)

  1. 第1アルミニウム部材と第2アルミニウム部材とが接合されて成るアルミニウム構造部材の製造方法であって、
    前記第1及び第2アルミニウム部材を互いに突き合わせて突き合わせ部を形成する工程と、
    前記突き合わせ部に向けてレーザビームを照射し、前記突き合わせ部の表面から裏面に貫通する溶接ビード部を形成する工程と、
    回転する接合ツールによって前記溶接ビード部を攪拌する工程と、を含むことを特徴とするアルミニウム構造部材の製造方法。
  2. 前記接合ツールはショルダーのみを有し、前記攪拌工程は、前記溶接ビード部に前記接合ツールのショルダーのみを押し当てて前記溶接ビード部を攪拌することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム構造部材の製造方法。
  3. 前記接合ツールは、ショルダーと、当該ショルダーの先端部に配設された撹拌ピンとを有し、前記攪拌工程は、前記溶接ビード部に前記接合ツールの攪拌ピンを差し込んで、前記ショルダー及び前記撹拌ピンによって、前記溶接ビード部を攪拌することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム構造部材の製造方法。
  4. 前記接合ツールが、前記第1及び第2アルミニウム部材の板厚方向のいずれか一方の側から前記溶接ビード部を攪拌することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム構造部材の製造方法。
  5. 前記接合ツールが、前記第1及び第2アルミニウム部材の板厚方向の両側から前記溶接ビード部を攪拌することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム構造部材の製造方法。
  6. 前記第1アルミニウム部材と前記第2アルミニウム部材との板厚が互いに異なることを特徴とする請求項4又は5に記載のアルミニウム構造部材の製造方法。
  7. 前記第1アルミニウム部材の一方の面と前記第2アルミニウム部材の一方の面とを揃えて互いに突き合わせることで、面一な突き合わせ面を形成し、前記接合ツールが前記突き合わせ面の側から前記溶接ビード部を攪拌することを特徴とする請求項6に記載のアルミニウム構造部材の製造方法。
  8. 前記攪拌工程は、前記溶接ビード部が形成された後、アルミニウム合金の固相線温度以下、100℃以上の領域で行われることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム構造部材の製造方法。
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