JP2013215755A - レーザ溶接方法、重ね溶接継手、及びレーザ溶接装置 - Google Patents

レーザ溶接方法、重ね溶接継手、及びレーザ溶接装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 溶接ビードの端部に過度に深いクレータが形成されることを従来よりも抑制して継手強度が低下することを防止する。
【解決手段】 溶接予定箇所の一端側から他端側の方向にレーザ光を走査することにより、溶接予定箇所の一部の領域に、直線状の前処理溶接ビード310を形成する。次に、溶接予定箇所の他端側から一端側の方向にレーザ光を走査することにより、溶接予定箇所の他端から一端側の領域に、直線状の本溶接ビード320を形成する。このとき、重なり代LLを8mm以上にする。また、オーバーランの長さLOを±2mm以内とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、レーザ溶接方法、重ね溶接継手、及びレーザ溶接装置に関し、特に、複数の金属板に対して重ね溶接を行うために用いて好適なものである。
レーザビーム等によりキーホール溶接を行う場合、レーザ光の進行に伴い、レーザ光の進行方向に対して後方側に溶融池が押し流される。よって、加工点前方より流れてきた溶鋼によって、溶接始端には膨らみが生じる一方、溶融金属が不足することによって、溶接終端にはクレータ(凹み)が生じる。このようなクレータが形成されている領域では、継手強度が低下する。
そこで、特許文献1に記載の技術では、取付部材に加わる外力によって応力集中が生じる場所から溶接終端を外すために、レーザ光の溶接軌跡(溶接線)を溶接終点付近で折り返し、折り返した後に、溶接終端に生じるクレータよりも長い溶接軌跡を設けるようにして略C字状の溶接ビードを形成するようにしている。このように特許文献1に記載の技術では、溶接部における応力集中が生じない箇所を溶接終端とし、応力集中が生じない領域にクレータが形成されないようにしている。
また、特許文献2、3に記載の技術では、クレータが生じる溶接終端付近におけるレーザ光の出力を低減することにより、深さが深いクレータが形成されるのを抑制するようにしている。
特開2004−98122号公報 特開昭63−140788号公報 特開昭58−141884号公報
ところで、鉄の融点よりも沸点が低い亜鉛等を含有しためっき等、表面被覆を有した鋼板の重ね溶接を行う際には、亜鉛等の蒸気を逃がすために、鋼板間に0.1mm前後の隙間を設けて溶接する必要がある。このように鋼板間に隙間を設けずに溶接を行うと、溶融池が蒸気の噴出によってスパッタとして飛散するため、良好な溶接を実現することができないからである。このように鋼板間に隙間を形成して溶接を行うと、その隙間を埋めるために溶鋼が消費されるので、溶接終端に形成されるクレータの深さが深くなる。めっき鋼板を2枚重ね又は3枚重ねする際に、板厚が1mm以下のめっき鋼板を最表面に配置すると、当該最表面のめっき鋼板の板厚程度のクレータが形成されることもある。そうすると、その部分では、当該最表面のめっき鋼板の溶接強度が不足し、継手強度が不安定になる虞がある。また、めっき鋼板以外の金属板についても、クレータを抑制することは、溶接部の品質(継手強度や見栄え等)を向上させる上で重要な課題である。
特許文献1に記載の技術では、溶接する部位に、溶接軌跡を折り返すだけの幅があることが必要であり、溶接する部位にそのような幅がない場合には、直線の溶接ビードを形成する必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の技術を、直線の溶接ビードに適用することができない。また、そもそも、特許文献1の記載の技術では、クレータが形成されることを抑制することができないので、根本的な解決策にはなっていない。
また、特許文献2、3に記載の技術のように、溶接終端付近におけるレーザ光の出力を低減することによっても、例えば、重ね継手のような溶接継手を形成する場合には、継手強度を十分に向上させることができない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、溶接ビードの端部に過度に深いクレータが形成されることを従来よりも抑制して継手強度が低下することを防止することを目的とする。
本発明のレーザ溶接方法は、少なくとも一部の領域が重ね合わさるように配置された複数枚の金属板の、当該重ね合わさった領域に設定された溶接予定箇所に対してレーザ光を照射することにより当該複数枚の金属板を溶接するレーザ溶接方法であって、前記溶接予定箇所の一端側から他端側の方向にレーザ光を走査することにより、前記溶接予定箇所の一部の領域に、直線状の前処理溶接ビードを形成する前処理溶接ビード形成工程と、前記前処理溶接ビードが形成された後に、前記溶接予定箇所の他端側から一端側の方向にレーザ光を走査することにより、前記溶接予定箇所の他端から一端側の領域に、直線状の本溶接ビードを形成する本溶接ビード形成工程と、を有し、前記本溶接ビードの終点と、前記前処理溶接ビードの終点との間の距離である重なり代を8mm以上にし、前記前処理溶接ビードの始点を基点とする、前記本溶接ビードの終点までの距離であるオーバーランの長さを±2mm以内にしたことを特徴とする。
本発明の重ね溶接継手は、前記レーザ溶接方法により製造されたことを特徴とする。
本発明のレーザ溶接装置は、少なくとも一部の領域が重ね合わさるように配置された複数枚の金属板の、当該重ね合わさった領域に設定された溶接予定箇所に対してレーザ光を照射することにより当該複数枚の金属板を溶接するレーザ溶接装置であって、レーザ光を発生するレーザ光発生手段と、前記溶接予定箇所の一端側から他端側の方向に前記レーザ光を走査させることにより、前記溶接予定箇所の一部の領域に、直線状の前処理溶接ビードを形成した後に、前記溶接予定箇所の他端側から一端側の方向に前記レーザ光を走査させることにより、前記溶接予定箇所の他端から一端側の領域に、直線状の本溶接ビードを形成するレーザ光走査手段と、を有し、前記レーザ光走査手段は、前記本溶接ビードが形成された際に、前記本溶接ビードの終点と、前記前処理溶接ビードの終点との間の距離である重なり代が8mm以上になり、且つ、前記前処理溶接ビードの始点を基点とする、前記本溶接ビードの終点までの距離であるオーバーランの長さが±2mm以内に前記レーザ光を走査するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、溶接予定箇所の一端側から他端側の方向にレーザ光を走査することにより、溶接予定箇所の一部の領域に、直線状の前処理溶接ビードを形成した後に、溶接予定箇所の他端側から一端側の方向にレーザ光を走査することにより、溶接予定箇所の他端から一端側の領域に、直線状の本溶接ビードを形成する。この際、本溶接ビードの終点と、前処理溶接ビードの終点との間の距離である重なり代を8mm以上にし、前処理溶接ビードの始点を基点とする、本溶接ビードの終点までの距離であるオーバーランの長さを±2mm以内にする。したがって、本溶接ビードを形成する際に、本溶接ビードのクレータとなる位置に前処理溶接ビードの盛り上がっている始端部分を形成することができる。よって、溶接ビードの端部に過度に深いクレータが形成されることを従来よりも抑制して継手強度が低下することを防止することができる。
レーザ溶接装置の構成の一例を示す図である。 従来のレーザ溶接方法により形成される溶接ビードの一例を模式的に示す図である。 本実施形態のレーザ溶接方法により形成される溶接ビードの形成方法の一例を模式的に説明する図である。 本実施例と比較例の溶接条件と継手強度の結果を表形式で示す図である。 オーバーランの長さ及び重なり代が適正な場合の溶接ビードの様子の一例を模式的に示す図である。 オーバーランの長さの値が正で過大の場合の溶接ビードの様子の一例を模式的に示す図である。 オーバーランの長さの値が負で過大の場合の溶接ビードの様子の一例を模式的に示す図である。 重なり代が不足の場合の溶接ビードの様子の一例を模式的に示す図である。 重なり代が長い場合の溶接ビードの様子の一例を模式的に示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、レーザ溶接装置の構成の一例を示す図である。本実施形態では、図1に示すように、一部が重ね合わせられた2枚の金属板P1、P2の板面の領域のうち、相互に重ね合わせられている領域における所定の溶接予定箇所をリモート溶接する場合を例に挙げて説明する。リモート溶接法は、レーザ光をスキャンミラーで反射させて溶接予定箇所にレーザ光を照射して金属板をキーホール溶接するものである。
図1において、レーザ溶接装置は、制御装置110と、レーザ発振器120と、ガルバノスキャナ130、140と、fθレンズ150と、シールドガス供給装置160とを有する。
制御装置110は、レーザ溶接装置の全体の動作を制御するためのものであり、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、及び各種のインターフェースを備える。制御装置110のHDDには、後述するようにして2枚の金属板M1、M2を接合(溶接)するための動作を規定したコンピュータプログラムが記憶されている。具体的に、このコンピュータプログラムは、レーザ発振器120からレーザ光Lを照射する動作と、ガルバノスキャナ130、140のガルバノミラー131、141を駆動させる動作と、シールドガス供給装置160により、レーザ光Lの光路に対してその側方から気流を流し、溶接線全長をシールドガスで覆う動作とのそれぞれの動作タイミングと動作内容とが規定されている。本実施形態では、CPUが、このコンピュータプログラムを実行することにより、レーザ発振器120と、ガルバノスキャナ130、140と、シールドガス供給装置160の動作が制御される。尚、これらの動作は、必ずしも制御装置110により制御される必要はない。例えば、シールドガス供給装置160については、制御装置110の制御によらずに、手動で動作のオン/オフ(ON/OFF)を行ってもよい。
レーザ発振器120は、レーザ光を発生させる。本実施形態では、レーザ発振器120としてファイバレーザを用いた。YAGレーザ等と比較してエネルギー効率が高く、設備もコンパクトになるからである。ただし、レーザ発振器120として用いるレーザは、ファイバレーザに限定されるものではない。例えば、YAGレーザ等を用いてレーザ発振器120を構成してもよい。レーザ発振器120から出力されたレーザ光Lは、図示しない光ファイバ内を通って、ガルバノスキャナ130、140、及びfθレンズ150を内部に備えるリモート溶接ヘッドに導かれる。
ガルバノスキャナ130は、図1に示すX軸方向にレーザ光を走査するためのものであり、ガルバノミラー131とガルバノメータ132とを備える。ガルバノメータ132が、レーザ光Lの入射方向に対するガルバノミラー131の角度を変えることにより、レーザ光Lの(X軸方向の)光路を変更する。一方、ガルバノスキャナ140は、図1に示すY軸方向にレーザ光を走査するためのものであり、ガルバノミラー141とガルバノメータ142とを備える。ガルバノメータ142が、レーザ光Lの入射方向に対するガルバノミラー141の角度を変えることにより、レーザ光Lの(Y軸方向の)光路を変更する。
fθレンズ150は、ガルバノスキャナ130、140により走査されたレーザ光Lを、金属板P1、P2の溶接予定箇所に対して垂直な方向(Z軸方向)に偏向して照射するためのものである。
シールドガス供給装置160は、金属板P1、P2と、fθレンズ150(リモート溶接ヘッド)との間の領域に対し、その側方からシールドガスを供給して、溶接線全長をシールドガスで覆うためのものである。加工点から吹き上がるプルームによってレーザ光が散乱されると、加工点に到達するレーザ光の出力が変動し、部分的に金属板P1、P2を貫通しない部位が発生する等、溶接が不安定になる。そこで、本実施形態では、この加工点から吹き上がるプルームを、シールドガス供給装置160により供給されるシールドガスにより除去する。
集光光学ヘッドをロボットに搭載した通常のレーザ溶接法では、集光光学ヘッドにシールドガスノズルを取り付け、集光ヘッドの駆動に合わせて当該シールドガスノズルを移動させることにより、加工点から吹き上がるプルームを除去することができる。しかし、リモート溶接では、リモート溶接ヘッドから、加工点まで距離がある。また、リモート溶接ヘッドと加工点との位置関係が加工位置で変化する。このため、リモート溶接では、加工点の移動に伴って自動的に追随するシールドガスノズルをリモート溶接ヘッドに設けることは、生産コスト上望めない。そこで、本実施形態では、リモート溶接ヘッドとは別の位置であって、溶接線全体の上方にシールドガスを供給することができる位置に、シールドガス供給装置160を取り付けるようにした。プルームを除去するという観点からは、シールドガスの種類は問わない。ただし、酸素を遮蔽するという観点からは、シールドガスは不活性ガスが好ましく、ヘリウム、アルゴンや窒素等が望ましい。
尚、レーザ溶接装置のハードウェアは、公知の技術で実現することができるものであり、前述した機能を実現することができるものであれば、必ずしも図1に示した構成を有している必要はない。また、レーザ光の波長・出力・焦点位置等の溶接条件は、公知のリモート溶接で実現できる範囲で、適宜設定することができる。
図2は、従来のレーザ溶接方法により形成される溶接ビードの一例を模式的に示す図である。
図2の下図は、溶接ビードを、その上方から見たときの図である。図2の上図は、図2の下図のI−I´断面における溶接ビードの表面の形状を示す図である。
図2において、白抜きの矢印の方向(Y軸の正の方向)が溶接方向である。図2において、HSは、溶接始端部の高さを表し、LSは、溶接始端部の長さを表し、DCは、クレータの深さを表し、LCは、クレータ(溶接終端部)の長さを表し、MSは、溶接ビードの始点(機械的な始端)を表し、WSは、溶接始端を表し、MEは、溶接ビードの終点(機械的な終端)を表し、WEは、溶接終端(クレータ)を表す。
前述したように、レーザ光の進行に伴い、レーザ光の進行方向に対して後方側(図2ではY軸の負の方向)に溶融池が押し流される。よって、溶接始端には、加工点前方より流れてきた溶鋼により膨らみが生じる(溶接始端部の高さHSを参照)。一方、溶接終端では、溶融金属が不足し、クレータ(凹み)が生じる(クレータの深さDCを参照)。
図2に示すように、レーザ光を一方向に走査して直線状の溶接ビードを形成すると、溶接終端に大きなクレータが形成されてしまう。
尚、溶接始端部の長さLS及びクレータの長さLCは、溶接条件に依存するが、加工点におけるレーザ光の出力が4kWであり、溶接速度が5m/min程度の溶接条件では、5mm〜6mm程度となる。
図3は、本実施形態のレーザ溶接方法により形成される溶接ビードの形成方法の一例を模式的に説明する図である。
図3の上から2番目の図は、前処理溶接ビードを、その上方から見たときの図である。図3の上から3番目の図は、本溶接ビードのうち、前処理溶接ビードを除く部分を、その上方から見たときの図である。図3の1番下の図は、最終的に形成される本溶接ビードを、その上方から見たときの図である。図3の1番上の図は、図3の1番下の図のI−I´断面における溶接ビードの表面の形状を示す図である。
本実施形態では、まず、直線状の溶接予定箇所の一端側から他端側の方向にレーザ光を走査することにより、溶接予定箇所の一部の領域に、直線状の前処理溶接ビードを形成する。図3の上から2番目の図に示す例では、当該図に付されている白抜きの矢印の方向(Y軸の正の方向)にレーザ光Lを走査して前処理溶接ビード310を形成する。図3の上から2番目の図において、BS1は、前処理溶接ビード310の始点であり、BE1は、前処理溶接ビード310の終点である。前処理溶接ビード310の溶接終端には、クレータ311が形成される。一方、前処理溶接ビード310の溶接始端には、膨らみ312が生じる。
次に、溶接予定箇所の他端側から一端側の方向にレーザ光を走査することにより、溶接予定箇所の他端から一端側の領域に、直線状の本溶接ビードを形成する。図3の上から3番目の図に示す例では、当該図に付されている白抜きの矢印の方向(Y軸の負の方向)にレーザ光Lを走査して本溶接ビード320を形成する(図3の1番下の図を参照)。図3の上から3番目の図において、BS2は、本溶接ビード320の始点であり、BE2は、本溶接ビード320の終点である。
また、図3の1番下の図において、LOは、オーバーランの長さである。オーバーランの長さLOは、前処理溶接ビード310の始点BS1を基点とする、本溶接ビード320の終点BE2までの距離である。ここでは、本溶接ビード320の終点BE2が、前処理溶接ビード310の始点BS1よりも、溶接予定箇所の一端側(Y軸の負の方向)にあるときに、オーバーランの長さLOは、正の値になるものとする。図3の1番下の図に示す例では、本溶接ビード320の終点BE2は、前処理溶接ビード310の始点BS1よりも、溶接予定箇所の一端側(Y軸の負の方向)にあるので、オーバーランの長さLOは、正の値になる。
Lは、重なり代であり、本溶接ビード320の終点BE2と、前処理溶接ビード310の終点BE1との間の距離である。
Wは、溶接長である。オーバーランの長さLOが正の値である場合、溶接長LWは、本溶接ビード320の始点BS2と、本溶接ビード320の終点BE2との間の距離となる。一方、オーバーランの長さLOが負の値である場合、溶接長LWは、本溶接ビード320の始点BS2と、前処理溶接ビード310の始点BS1との間の距離となる。前述したように、図3の1番下の図に示す例では、オーバーランの長さLOは、正の値になるので、溶接長LWは、本溶接ビード320の始点BS2と、本溶接ビード320の終点BE2との間の距離となる。
図3の上から3番目の図に示すようにして本溶接ビード320を形成すると、前処理溶接ビード310に形成されたクレータ311の前方(Y軸の負の方向)において盛り上がっている溶接ビード(膨らみ312がある部分の溶接ビード)を、クレータ311に押し流すことが可能になる。よって、図3に示す本溶接ビード320では、図2に示した従来の溶接ビードに比べ、過剰な深さのクレータが形成されることを防止することが可能になる(図3の1番上の図と図2の1番上の図を参照)。
このようにするために、本実施形態では、オーバーランの長さLOを±2mm以内とする。オーバーランの長さLOがこの範囲外になると、本溶接ビードの溶接終端(クレータ)の凹みが、本溶接ビードの端部(溶接予定箇所の一端)に形成されてしまう虞があるからである。
また、本実施形態では、重なり代LLを8mm以上とする。重なり代LLが8mm未満になると、前処理溶接ビードを形成する際にできるクレータの凹みと、本溶接ビードを形成する際にできるクレータの凹みとが重なってしまい、大きく深い凹みが形成されてしまう虞があるからである。重なり代LLが長くても継手強度が低下することはないが、ある程度以上重なり代LLを長くすると、それ以上重なり代LLを長くしても、クレータの凹みの深さを低減する効果は飽和してしまう。したがって、前処理溶接ビードを形成する長さが長くなる分だけ処理が無駄になる。このような観点から、クレータの凹みの深さを低減するには、15mm程度の重なり代LLができるようにしていれば十分である。
以上のように、本実施形態では、前処理溶接ビードを形成した後に、本溶接ビードを形成する。前処理溶接ビードの上に再溶接を行う場合(本溶接ビードを形成する場合)には、レーザ光の出力を調整することが好ましい。前処理溶接ビードを形成した直後は、前処理溶接ビードが形成されている領域の温度が高く、溶融までの必要熱量が低下するためである。前処理溶接ビードを形成した直後に本溶接ビードを形成する場合、前処理溶接ビードの上の再溶接される領域におけるレーザ光の出力を、前処理溶接ビードが施されていない領域に対するレーザ光の出力の65%〜90%に設定することが望ましい。
また、複数の溶接予定箇所に対して同時にリモート溶接を行う場合には、先に全ての溶接予定箇所に対して前処理溶接ビードを形成した後、全ての溶接予定箇所に対して本溶接ビードを形成するようにしても、前処理溶接ビードの形成と本溶接ビードの形成とを逐次行っても(1つの溶接予定箇所について前処理溶接ビードの形成と本溶接ビードの形成を行った後に、次の溶接予定箇所について前処理溶接ビードの形成と本溶接ビードの形成を行っても)よい。
先に全ての溶接予定箇所に対して前処理溶接ビードを形成した後、全ての溶接予定箇所に対して本溶接ビードを形成する場合には、本溶接ビードを形成するためのレーザ光の出力を高めに設定する必要がある。一方、前処理溶接ビードの形成と本溶接ビードの形成とを逐次行う場合には、本溶接ビードを形成するためのレーザ光の出力を低めに設定するのが有効となる。こうしたレーザ光の出力の調整は、溶接シーケンスを決定した後、レーザ光の出力の条件を異ならせてリモート溶接を複数回行い、所望の結果が得られるレーザ光の出力の条件を探索することで簡単に決定することができる。
また、前処理溶接ビードのクレータが形成されている領域では、板厚が薄くなっていることから、本溶接ビードを形成するに際し、当該領域に対するレーザ光の出力をより低下させることが望ましい。本溶接ビードを形成するに際し、前処理溶接ビードのクレータが形成されている領域に対するレーザ光の出力を、前処理溶接ビードが施されていない領域に対するレーザ光の出力の40%〜80%に設定するのが望ましい。このようなレーザ光の出力の調整も、溶接シーケンスを決定した後、レーザ光の出力の条件を異ならせてリモート溶接を複数回行い、所望の結果が得られるレーザ光の出力の条件を探索することで簡単に決定することができる。
尚、金属板M1、M2は、レーザ溶接を行えるものであれば、どのようなものであってもよいが、例えば、以下のような金属板を溶接の対象にすることができる。
鉄(GA(合金化溶融亜鉛めっき))−鉄(GA)
鉄(GA)−鉄(裸)
鉄(裸)−鉄(裸)
鉄(GA)−アルミニウムめっき鋼板
鉄(裸)−アルミニウムめっき鋼板
(実施例)
次に、本発明の実施例を説明する。
本実施例では、レーザ光源として、IPG社製の定格出力が5kWのファイバレーザを用いた。レーザ発振器から出力されるレーザ光を、内径が0.2mmの光ファイバでHIGHYAG社製のリモート溶接ヘッドへ導光し、加工に供した。このリモート溶接ヘッドは、ワーキングディスタンスが600mm±100mmの範囲でレーザ光をφ0.6mmに集光してリモート溶接を行うことができるものである。また、レーザ光の走査範囲は、加工面からの距離が600mmの高さ位置において約200mm×300mmの範囲である。
供試材には、表面に合金化溶融亜鉛めっきが施された「TS270MPa級軟鋼板(板厚=0.8mm)とTS590MPa級高強度鋼板(板厚=1.6mm)を用いた。
継手強度の改善効果を調べるために、これらの鋼板を50mm幅×150mm長さに切断し、重ね代を30mmとして重ね合わせて試験体を作製し、拘束治具に固定した。その際、めっきによる溶接欠陥の発生を防止するために、重ね合わせた鋼板の間に0.1mmの隙間を設けた。このようにして重ね合わせた部分の中央に、溶接長が30mmとなるように直線状の溶接ビードを形成して重ね溶接を行った。その後、重ね溶接を行って得られた溶接継手の継手強度(引張せん断強度)を測定した。
また、試験体の拘束治具に扁平ガスノズルを取り付けた。リモート溶接中(加工中)に、扁平ガスノズルから試験体に対して窒素ガスを供給することにより、リモート溶接中に、溶接線の全長がシールドガスで覆われるようにした。
図4は、本実施例と比較例の溶接条件と継手強度の結果を表形式で示す図である。また、図5、図6、図7、図8、図9は、それぞれ、オーバーランの長さLO及び重なり代LLが適正な場合、オーバーランの長さLOの値が正で過大の場合、オーバーランの長さLOの値が負で過大の場合、重なり代LLが不足の場合、重なり代LLが長い場合の溶接ビードの様子の一例を模式的に示す図である。図3と同様に、図5〜図9において、上から2番目の図は、前処理溶接ビードを、その上方から見たときの図であり、上から3番目の図は、本溶接ビードのうち、前処理溶接ビードを除く部分を、その上方から見たときの図であり、1番下の図は、最終的に形成される本溶接ビードを、その上方から見たときの図であり、1番上の図は、1番下の図のI−I´断面における溶接ビードの表面の形状を示す図である。
図4において、No.1の溶接例では、溶接始端から溶接終端まで1回で、通常のレーザ溶接を行った。このときの溶接ビードの様子は、図2に示したようになる。
No.2の溶接例では、溶接長が8mmの前処理溶接ビードを形成した後、溶接長LWが30mmの本溶接ビードを、オーバーランの長さLOが0mmとなり、且つ、重なり代LLが8mmとなるようにして形成し、溶接継手とした。このときの溶接ビードの様子は、図5に示すようになる。図5(a)は、溶接長LWが相対的に短い(LW=30mm)場合の溶接ビードの様子を示し、図5(b)は、溶接長LWが相対的に長い(LW=100mm)場合の溶接ビードの様子を示す。
この溶接継手の継手強度は、9.3kNとなり、No.1の溶接例に示す通常の溶接継手の継手強度よりも向上した。通常の溶接継手では、低強度で部分的に破断するクレータの領域が有効に継手強度に寄与するためである。
通常、クレータの長さLCは5mm前後である。クレータの凹みを無くすことによる継手強度の向上効果は、クレータの長さLCに依存する。このため、例えば、図5(b)に示すように、溶接長LWが100mm程度になると、クレータの深さは低減するものの、継手強度の向上代は数%程度となる。すなわち、本実施形態の手法は、溶接長LWが20mm〜50mm程度の比較的短いスティッチ溶接継手で特に効果を発揮することを意味している。
No.3の溶接例では、オーバーランの長さLOを正で過大に設定したために(LO=3mm>2mm)、図6に示すように本溶接ビードの端部に形成されるクレータの凹みが大きくなり、継手強度の向上がみられなかった。
No.8の溶接例では、オーバーランの長さLOを負で過大に設定したために(LO=−3mm<−2mm)、図7(a)に示すように本溶接ビードの端部にクレータの凹みを残してしまい、継手強度を向上させることができなかった。図7(b)に示すように、オーバーランの長さLOを負で過大に設定すると(LO=−3mm<−2mm)、重なり代LLを好ましい値(LL=15mm)に設定しても、本溶接ビードの端部にクレータの凹みが形成されてしまう。
以上のように、オーバーランの長さLOが過大の場合には、前処理溶接ビードのクレータと、本溶接ビードを形成するときにできるクレータとが接近しすぎるため、重なり代LLが適正な範囲であっても(LL≧8mm)、本溶接ビードの端部に形成されるクレータの凹みが大きくなり、継手強度を向上させることができなかった。
No.9の溶接例では、重なり代LLを過小に設定したために(LL=6mm<8mm)、図8に示すように、本溶接ビードの端部に形成されるクレータの凹みを改善することができず、継手強度を向上させることができなかった。
一方、図9に示すように、重なり代LLが必要以上に大きいと(LL=20mm)、本溶接ビードの端部に形成されるクレータの凹みを改善することができるが、クレータの凹みを改善する効果は飽和している。重なり代LLを大きくするためには、前処理溶接ビードを長くする必要がある。よって、重なり代LLが必要以上に大きいと、前処理溶接ビードを必要以上に長くしなければならず、前処理溶接ビードを形成するための時間が過大になる。
(まとめ)
以上のように本実施形態では、溶接予定箇所の一端側から他端側の方向にレーザ光を走査することにより、溶接予定箇所の一部の領域に、直線状の前処理溶接ビード310を形成する。次に、溶接予定箇所の他端側から一端側の方向にレーザ光を走査することにより、溶接予定箇所の他端から一端側の領域に、直線状の本溶接ビード320を形成する。このとき、本溶接ビード320の終点BE2と、前処理溶接ビード310の終点BE1との間の距離である重なり代LLを8mm以上にする。また、前処理溶接ビード310の始点BS1を基点とする、本溶接ビード320の終点BE2までの距離であるオーバーランの長さLOを±2mm以内とする。このようにすることにより、本溶接ビード320を形成する際に、本溶接ビード320のクレータとなる位置に前処理溶接ビード310の盛り上がっている始端部分を形成することができる。よって、本溶接ビード320の端部に過剰な深さのクレータが形成されることを抑制することができ、溶接継手の継手強度が局所的に小さくなってしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では、1ヶ所の溶接に対して、溶接始端と溶接終端が2回発生する。光ファイバで導光されたレーザ光を、ロボットに搭載した集光光学ヘッドで集光し溶接する場合、集光ヘッドを溶接始端へ動かし溶接線に沿って終端へ駆動する動作を2回繰り返す必要がある。特に、前処理溶接ビードを形成した後、本溶接ビードの溶接始端の位置まで集光光学ヘッドを駆動する必要がある。このため、集光光学ヘッドの空走が生じてしまい、時間の浪費となり施工コストの上昇を招く。
これに対し、本実施形態では、リモート溶接を行うようにした。リモート溶接では、加工点から遠く離れたガルバノミラー131、141の角度を僅かに変えることで、レーザ光の照射位置を、溶接終端から溶接始端まで瞬時に移動させることが可能である。このため、リモート溶接ヘッドの空走時間の発生は生産コストを上昇させる要因とはならない。
このように本実施形態による溶接方法は、リモート溶接技術と組み合わせることでより大きなメリットを発揮する。
また、前処理溶接ビード310を形成した直後に本溶接ビード320を形成する場合、前処理溶接ビード310の上の再溶接される領域におけるレーザ光の出力を、前処理溶接ビード310が施されていない領域に対するレーザ光の出力の65%〜90%に設定することにより、温度が高い領域である前処理溶接ビード310が形成されている領域に対する入熱量を適正にすることができる。これにより、本溶接ビード320を形成するに際して溶接予定箇所に与える入熱量をより均一にすることができ、過剰な深さのクレータが形成されることをより確実に抑制することができる。
また、本溶接ビード320を形成するに際し、前処理溶接ビード310のクレータ311が形成されている領域に対するレーザ光の出力を、前処理溶接ビード310が施されていない領域に対するレーザ光の出力の40%〜80%に設定することにより、前処理溶接ビード310のクレータ311が形成されている領域に対する入熱量を適正にすることができる。これにより、本溶接ビード320を形成するに際して溶接予定箇所に与える入熱量をより均一にすることができ、過剰な深さのクレータが形成されることをより確実に抑制することができる。
(変形例)
本実施形態では、2枚の金属板を溶接する場合を例に挙げて説明したが、3枚以上の金属板を溶接する場合にも本実施形態の手法を適用することができる。
また、前述したように、リモート溶接を行うようにすれば、生産コストを低減することができるので好ましいが、レーザ光を金属板に照射して行う方法を用いていれば、必ずしもリモート溶接を行う必要はない。例えば、前述した通常のレーザ溶接を行うようにしてもよい。
尚、以上説明した本発明の実施形態のうち、制御装置110が、レーザ発振器120、ガルバノスキャナ130、140及びシールドガス供給装置160を制御する動作は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体および前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
110 制御装置
120 レーザ発振器
130、140 ガルバノスキャナ
150 fθミラー
160 シールドガス供給装置
310 前処理溶接ビード
320 本溶接ビード
L レーザ光
P 金属板
S1 前処理溶接ビードの始点
E1 前処理溶接ビードの終点
E1 本溶接ビードの始点
E2 本溶接ビードの終点

Claims (11)

  1. 少なくとも一部の領域が重ね合わさるように配置された複数枚の金属板の、当該重ね合わさった領域に設定された溶接予定箇所に対してレーザ光を照射することにより当該複数枚の金属板を溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記溶接予定箇所の一端側から他端側の方向にレーザ光を走査することにより、前記溶接予定箇所の一部の領域に、直線状の前処理溶接ビードを形成する前処理溶接ビード形成工程と、
    前記前処理溶接ビードが形成された後に、前記溶接予定箇所の他端側から一端側の方向にレーザ光を走査することにより、前記溶接予定箇所の他端から一端側の領域に、直線状の本溶接ビードを形成する本溶接ビード形成工程と、を有し、
    前記本溶接ビードの終点と、前記前処理溶接ビードの終点との間の距離である重なり代を8mm以上にし、
    前記前処理溶接ビードの始点を基点とする、前記本溶接ビードの終点までの距離であるオーバーランの長さを±2mm以内にしたことを特徴とするレーザ溶接方法。
  2. 前記前処理溶接ビード形成工程は、レーザ光の光路をスキャンミラーにより変更することにより、当該レーザ光を、前記溶接予定箇所の一端側から他端側の方向に走査し、
    前記本溶接ビード形成工程は、レーザ光の光路をスキャンミラーにより変更することにより、当該レーザ光を、前記溶接予定箇所の他端側から一端側の方向に走査することを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接方法。
  3. 前記レーザ光が照射されているときに、前記溶接予定箇所の上方にシールドガスを供給して、前記溶接予定箇所を前記シールドガスで覆うシールドガス供給工程を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ溶接方法。
  4. 前記本溶接ビード形成工程は、前記前処理溶接ビードの上の再溶接される領域におけるレーザ光の出力が、前記前処理溶接ビードが施されていない領域に対するレーザ光の出力の65%〜90%になるように、前記溶接予定箇所の他端側から一端側の方向にレーザ光を走査することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のレーザ溶接方法。
  5. 前記本溶接ビード形成工程は、前記前処理溶接ビードのクレータが形成されている領域に対するレーザ光の出力が、前記前処理溶接ビードが施されていない領域に対するレーザ光の出力の40%〜80%になるように、前記溶接予定箇所の他端側から一端側の方向にレーザ光を走査することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のレーザ溶接方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のレーザ溶接方法により製造されたことを特徴とする重ね溶接継手。
  7. 少なくとも一部の領域が重ね合わさるように配置された複数枚の金属板の、当該重ね合わさった領域に設定された溶接予定箇所に対してレーザ光を照射することにより当該複数枚の金属板を溶接するレーザ溶接装置であって、
    レーザ光を発生するレーザ光発生手段と、
    前記溶接予定箇所の一端側から他端側の方向に前記レーザ光を走査させることにより、前記溶接予定箇所の一部の領域に、直線状の前処理溶接ビードを形成した後に、前記溶接予定箇所の他端側から一端側の方向に前記レーザ光を走査させることにより、前記溶接予定箇所の他端から一端側の領域に、直線状の本溶接ビードを形成するレーザ光走査手段と、を有し、
    前記レーザ光走査手段は、前記本溶接ビードが形成された際に、前記本溶接ビードの終点と、前記前処理溶接ビードの終点との間の距離である重なり代が8mm以上になり、且つ、前記前処理溶接ビードの始点を基点とする、前記本溶接ビードの終点までの距離であるオーバーランの長さが±2mm以内に前記レーザ光を走査するようにしたことを特徴とするレーザ溶接装置。
  8. 前記走査手段は、前記レーザ光の光路を変更するための複数のスキャンミラーの少なくとも1つの、レーザ光の入射方向に対する角度を変更して、前記レーザ光を走査することを特徴とする請求項7に記載のレーザ溶接装置。
  9. 前記レーザ光が照射されているときに、前記溶接予定箇所の上方にシールドガスを供給して、前記溶接予定箇所を前記シールドガスで覆うようにするためのシールドガス供給手段を更に有することを特徴とする請求項7又は8に記載のレーザ溶接装置。
  10. 前記前処理溶接ビードの上の再溶接される領域におけるレーザ光の出力が、前記前処理溶接ビードが施されていない領域に対するレーザ光の出力の65%〜90%になるようにしたことを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載のレーザ溶接装置。
  11. 前記前処理溶接ビードのクレータが形成されている領域に対するレーザ光の出力が、前記前処理溶接ビードが施されていない領域に対するレーザ光の出力の40%〜80%になるようにしたことを特徴とする請求項7〜10の何れか1項に記載のレーザ溶接装置。
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