JP2004358521A - レーザ熱加工装置、レーザ熱加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工物の厚さ方向において、より適正な分布のエネルギをレーザビームから付与し、より高い品質で溶接、切断、熱処理等の熱加工を行うことのできる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】被加工物100に対し、主ビームBmと、この主ビームBmとは集光角θ1、θ2、θ3が異なり、しかもその焦点位置F1、F2、F3が互いに異なる副ビームBs1、Bs2、Bs3を照射することで、形成されるキーホール150に対し、深さ方向において均一な分布のエネルギを付与することができるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】被加工物100に対し、主ビームBmと、この主ビームBmとは集光角θ1、θ2、θ3が異なり、しかもその焦点位置F1、F2、F3が互いに異なる副ビームBs1、Bs2、Bs3を照射することで、形成されるキーホール150に対し、深さ方向において均一な分布のエネルギを付与することができるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビームを用いて溶接、切断、表面処理等の熱加工を行う際に用いて好適なレーザ熱加工装置、レーザ熱加工方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
被溶接部材である金属の母材を溶接する方法として、レーザ溶接がある。レーザ溶接では、レンズなどの光学的手段等を用いて、レーザビームを集束(以下、集光とする)させ、エネルギ密度の高いレーザビームを得る。そして、この高エネルギ化されたレーザビームによって母材を溶融させて溶接を行う。レーザビームのエネルギは、ビームの種類、および集光されて母材の加工面に照射された際のビームスポット面積(レーザビームの径)等によって異なる。
【0003】
レーザ溶接を行うにあたっては、図11に示すように、溶接しようとする母材110,120の開先に対して、光学的手段等により集光されたレーザビーム130を照射する。このレーザビーム130を矢印方向に一定速度で移動させながら連続的に照射することにより、母材110,120の開先部分が瞬間的に溶融・蒸発する。そうすると、母材110,120の表面から内部まで一貫するキーホール150が得られる。そして、このキーホール150は周囲を溶融金属140で取り囲まれている。溶融金属140は対流によりキーホール150から離れる方向(矢印と逆方向)に流れ、母材110,120への熱伝導によって冷却されて凝固する。そうすることによって、母材110と母材120とが溶接され、母材110,120の接合部分には溶接ビードが形成される。
【0004】
このように、レーザビーム130を集光することにより高エネルギ化してキーホール150を形成し、レーザビーム130を移動することにより溶接を行う過程で、キーホール150の先端部153、中間部152および開口部151では、ポロシティ160と呼ばれる気泡状の空洞が取り残され、溶接欠陥が発生しやすいという問題があった(例えば、非特許文献1参照。)。
これは、レーザビーム130が移動するにつれてキーホール150として形成された穴も維持されながら移動するが、先端部153付近においてはキーホール150の中の雰囲気ガスを巻き込み易く、またレーザビーム130が移動するにつれて、キーホール150の中間部152の形状は真直な形状ではなく、くびれた形状となるためである。中間部152がくびれた形状となると、キーホール150の中の雰囲気ガスを巻き込み易い。さらにレーザビーム130が移動する際、溶融金属140は対流するので、開口部151を塞ぐようにして覆い被さる。このようにして、レーザ溶接を行う際に、キーホール150の形状が不安定になると、レーザ溶接を行った後の金属中には、ポロシティ160と呼ばれる気泡状の空洞が取り残され、これが溶接欠陥と要因となるのである。
【0005】
【非特許文献1】
片山聖二、瀬渡直樹、水谷正海、松縄朗、「レーザ溶接現象の解明」、第52回レーザ加工学会論文集、レーザ加工学会、P32−39
【0006】
このため、従来より、ポロシティ160の発生を防止する一手法として、レーザ溶接を行う対象の金属の種類に応じて、雰囲気ガスの種類を変える方法が用いられていた。ステンレス鋼に対しては、窒素雰囲気下でレーザ溶接を行うことが多いが、Al合金や、Ni基耐熱合金等は、溶接時に窒素と化学反応し、溶接継手性能が劣化することからポロシティ160の発生しやすいArガス雰囲気下で溶接を行うことが求められ、そのような場合にもポロシティ160の発生を防止できる方法が必要であった。
また、レーザビーム130をパルス状に照射し、キーホール150の形状をある程度安定させてポロシティ160の発生率を低下させる方法が用いられていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−205464号公報(第2−3頁、図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような方策を用いたとしても、レーザや被溶接材の種類によってはポロシティ160の発生を完全に防止するのが困難な場合があったのが実情である。
【0009】
このような問題に対し、本発明者らは、レーザ溶接を行う際に母材に照射されるレーザビーム、より詳しくはキーホール150を形成すると共に、特にこのキーホール150の開口部151の形状を安定して維持し、ポロシティ160の発生を未然に、かつ確実に防止することのできるレーザビームに着目して鋭意検討を行った。その結果、図12に示すように、キーホール150を形成するために照射する主ビームBmのほかに、この主ビームBmの周囲に副ビームBsを照射することが有効であることを見出し、これを既に提案している(特願2002−148547号)。
この提案では、主ビームBmのほかに、この主ビームBmの周囲に副ビームBsを照射するために、例えば、単一のレーザビームを複数、典型的には2つの屈折率を有する光学部材に照射、透過させている。これにより、同軸上に2つの異なる焦点を有するビームが生成され、これら2つの異なる焦点を有するビームにより、上記した主ビームBmおよび副ビームBsという構成を実現できるのである。
このような技術では、被加工物100(母材110、120)の表面(焦点位置近傍)には、主ビームBmが照射される領域の周囲に副ビームBsが照射される。これにより、主ビームBmが照射された部位において金属製の被加工物100が溶融・蒸発して溶融金属140となり、キーホール150の周囲は溶融金属140によって形成される。そして、副ビームBsは、主ビームBmが照射されることで形成された、この溶融金属140部分に照射されることになり、溶融したキーホール150の周囲の形状を制御することができるようになっている。つまり、上述した溶融金属140が副ビームBsによって蒸発するので、キーホール150の開口部151に覆い被さろうとする溶融金属140を除去することができ、この開口部151の形状を安定した状態に維持することができる。
【0010】
しかしながら、上記したような技術をさらに検討したところ、本発明者らは、以下に示すような問題が存在することを知見した。
すなわち、上記技術では、比較的浅いキーホール150においては、副ビームBsの照射により、キーホール150の開口部151に覆い被さろうとする溶融金属を除去することで、この開口部151の形状を安定した状態に維持することができる。しかし、より深いキーホール150に対しては、副ビームBsは、キーホール150の開口部151近傍、つまり被加工物100の表面近傍に焦点位置が設定されるため、キーホール150の中間部152、先端部153の形状については、副ビームBsの照射による効果が低減してしまうのである。詳しくは、図13(a)に示すように、副ビームBsを、被加工物100の表面100a近傍に焦点Fを合わせた状態で照射すると、主ビームBmおよび副ビームBsの照射によってキーホール150が深く形成され、副ビームBsはキーホール150内面で反射しつつ、キーホール150の奥に伝播していく。このとき、副ビームBsは、キーホール150内面で反射するたびにそのエネルギが減衰する。図13(b)は、キーホール150の深さと、副ビームBsのエネルギ密度を示したものである。このように、キーホール150が深く形成されるに従い、副ビームBsのエネルギ密度が低下し、副ビームBsを照射することによる効果が薄れることになる。その結果、深いキーホール150の場合、その開口部近傍では、副ビームBsによってキーホール150の開口部に覆い被さろうとする溶融金属を除去することができ、開口部の形状を安定した状態に維持することができるものの、キーホール150が深ければ深いほど、溶融金属の除去効果が低下し、キーホール150の奥の部分の形状が不安定になってしまうのである。
【0011】
また、他の問題として、レーザ溶接の場合、被加工物100の材質や、溶接部形状の拘束状態によっては、レーザ溶接の急熱急冷プロセスに起因する溶接割れが発生する場合があり、その防止策が要求されている。
【0012】
ところで、図14(a)に示すように、レーザビーム130は、溶接だけでなく、切断にも用いられる。切断の場合、ガス圧、酸素による反応熱等を補助的に利用し、レーザビーム130で被加工物100を溶融しつつ、溶融金属を、アシストガス160の圧力を高めることで吹き飛ばして切断が行われることになる。
しかし、レーザビーム130によって与えられるエネルギ(密度)は、被加工物100の表面側と裏面側で異なり、これによって、図14(b)に示すように、被加工物100の表面のカーフ幅w1と裏面のカーフ幅w2に差が生じ、切断面100cにテーパーがついたり、熱影響が大きくなるという問題がある。さらに、図14(c)に示すように、被加工物100が厚くなるにつれて、上記溶接の場合と同様、被加工物100のキーホール150の奥の部分に付与されるエネルギ密度が低くなるため、被加工物100が充分に溶融されないまま、アシストガスによって吹き飛ばされ、その結果、切断面100cが粗くなるという問題も生じる。
【0013】
この他、図15に示すように、レーザビーム130は、熱処理にも用いられる。熱処理の場合、被処理対象物(以下、特に区別する必要がない限り、被加工物100と称する)に対し、均一な熱処理を行うため、精密な温度操作が求められるが、現状では、レーザ出力等の施工パラメータを制御したり、照射面に関して(照射面の面内で)均質化したレーザビーム130を用いている程度である。
この場合も、被加工物100の厚さ方向において、照射面から奥になるほど、レーザビーム130によって付与されるエネルギ密度が低くなることから、被加工物100の厚さ方向において不均一な熱処理が行われていると言える。
【0014】
上記したような溶接、切断、熱処理等の熱加工において、より高い加工品質が常に求められているのは言うまでもない。そのような観点からして、被加工物の厚さ方向において、より安定した分布のエネルギをレーザビームから付与し、より均一な品質で溶接、切断、熱処理等の熱加工を行うことのできる技術が求められていると言える。
【0015】
この他、溶接、切断、熱処理等の熱加工に用いられるレーザ装置にはYAGレーザやCO2レーザ等があるが、これらは電気−光の変換効率が数%〜十数%程度であり、ランニングコストが高い、もしくは大出力の装置が必要で初期設備投資コストが高い等の問題があることから、より低い出力で同等の加工性能を得られる効率的なプロセスが求められていた。これに対し、電気−光変換効率が30%を超える半導体レーザ等も近年大出力化され、溶接等の熱加工に用いられるようになってきた。しかしながら、半導体レーザは、他のYAGレーザやCO2レーザと比較して集光性が悪く、キーホール150を形成した高能率な施工が困難であるという問題点があった。
【0016】
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、被加工物の厚さ方向において、より適正な分布のエネルギをレーザビームから付与し、より高い品質で溶接、切断、熱処理等の熱加工を行うことのできる技術を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明は、被加工物に対しレーザビームを照射することで熱加工を施すレーザ熱加工装置であって、第一レーザビームを照射する第一レーザビーム照射手段と、第一レーザビームより大きな集光角を有し、かつその焦点位置が被加工物の厚さ方向にて互いに異なる複数の第二レーザビームを照射する第二レーザビーム照射手段と、を備えることを特徴とする。
このとき、複数の第二レーザビームに、第一レーザビームに対し被加工物での吸収率(材料吸収率)が高いものを用いるのが好ましい。つまりこの場合、第一レーザビーム照射手段と第二レーザビーム照射手段とで、互いに異なる波長のレーザビームを発振する光源をそれぞれ用いるのである。
例えば、第一レーザビームには、高輝度で集光性の高い(つまりエネルギ密度の高い)、ファイバレーザ(波長1100nm程度)、YAGレーザ(波長1064nm)、CO2レーザ(波長10600nm)等が好適である。その他十分にキーホールを形成できるエネルギ密度のものであれば、第一レーザビームには、例えばYAGレーザの高調波(波長532nm、355nm等)を用いてもよい。
これに対し、第二レーザビームには、第一レーザビームよりも材料吸収率の高い(一般的には波長の短い)レーザ、例えば半導体レーザ(波長800nm程度)を好適に用いることができる。
また、第一レーザビーム、および複数の第二レーザビームには、同一波長のレーザビームを用いることもできる。その場合、第一レーザビーム照射手段と第二レーザビーム照射手段は、共通する光源から発振されるレーザビームを用いても良い。これにより、装置の簡略化が図れる。
【0018】
第二レーザビーム照射手段から照射される複数の第二レーザビームは、その焦点位置が被加工物の厚さ方向に互いに異なっているのであれば良い。例えばそれぞれ異なる波長のレーザビームを用いることも可能である。しかし、第二レーザビーム照射手段の光源で発振された同一の(一つの)レーザビームを用いる場合、光学素子等によって、その焦点位置が被加工物の厚さ方向にて互いに異なる複数の第二レーザビームを生成するのが好ましい。
また、第二レーザビーム照射手段では、第一レーザビームを照射することで被加工物に形成されるキーホールに対し、複数の第二レーザビームによって、予め適正化されたプロファイルのエネルギを投入するのが好ましい。これにより、複数の第二レーザビームによって、均一化されたプロファイルや特定の箇所にエネルギを集中させたプロファイルで、キーホールに対するエネルギ投入を行える。
【0019】
第一レーザビーム照射手段から照射される第一レーザビームおよび第二レーザビーム照射手段から照射される複数の第二レーザビームと、被加工物とを、被加工物の表面に沿った所定の方向に相対移動させる移動手段をさらに備えることもできる。この場合、第一レーザビームに対し、複数の第二レーザビームを所定の方向(加工進行方向)に偏心させた状態とすることができる。
例えば、複数の第二レーザビームを、第一レーザビームに対し加工進行方向前方に偏心させれば、被加工物に第一レーザビームが照射される前に、第二レーザビームによって被加工物を予熱することができる。また、複数の第二レーザビームを、第一レーザビームに対し加工進行方向後方に偏心させれば、被加工物に第一レーザビームが照射された後、第二レーザビームによって被加工物を加熱、つまり後熱を与えることができる。
【0020】
本発明に係るレーザ熱加工方法は、第一レーザビーム、およびその焦点位置が被加工物の厚さ方向に互いに異なる複数の第二レーザビームを生成する工程と、第一レーザビームを被加工物に照射しつつ、第一レーザビームの周囲に、複数の第二レーザビームを照射し、被加工物に対し熱加工を行う工程と、を含むことを特徴とする。
このとき、例えばレーザによる穴明け加工を行う場合や、例えば溶接や切断、表面処理等を行う場合の加工開始位置では、複数の第二レーザビームは、第一レーザビームを被加工物に照射することで被加工物に形成されるキーホールが深くなるにしたがい、被加工物の表面側に焦点位置を有する第二レーザビームから、キーホールの奥側に焦点位置を有する第二レーザビームへと、順次照射を行うようにしてもよい。また、溶接や切断、表面処理等を行う場合の加工終端位置では、上記とは逆の順序で第二レーザビームの照射を順次終了させることもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
なお、以下においては、溶接を基本として説明を行うが、特に明記しない限り、その内容は切断、熱処理等、他の熱加工においても共通するものである。
図1は、本実施の形態におけるレーザ熱加工の概念を説明するための図である。この図に示すように、本実施の形態におけるレーザ熱加工は、主ビーム(第一レーザビーム)Bmと、複数の副ビーム(第二レーザビーム)Bs1、Bs2、Bs3を用い、被加工物100である母材110と母材120を溶接する。
ここで、主ビームBmは、径が約0.01〜2.0mmのレーザビームであり、被加工物100に対し所定位置で焦点を結ぶように照射される。
副ビームBs1、Bs2、Bs3は、それぞれその集光角θ1、θ2、θ3が、主ビームBmの集光角θ0よりも大きい。また、副ビームBs1、Bs2、Bs3は、焦点を結ぶ位置(以下、焦点位置と称する)F1、F2、F3が、被加工物100の厚さ方向において互いに異なっている。より具体的には、θ1>θ2>θ3の順の場合、副ビームBs1、Bs2、Bs3は、最も大きな集光角θ1の副ビームBs1の焦点位置F1は被加工物100の近傍に、また中間の大きさの集光角θ2を有する副ビームBs2の焦点位置F2は被加工物100の厚さ方向中間部近傍に、最も小さな集光角θ3を有する副ビームBs3の焦点位置F3は被加工物100の厚さ方向下端部近傍に位置するよう設定される。
ここで、三種の副ビームBs1、Bs2、Bs3を用いる構成としたが、複数であれば、2種あるいは4種以上の副ビームを用いることも可能である。
【0022】
このようにして、被加工物100に主ビームBmおよび副ビームBs1、Bs2、Bs3からなる多焦点ビームが照射することで、熱処理を行う。
例えば、溶接を行う場合、主ビームBmを用いて形成したキーホール150に対し、キーホール150内での多重反射やエネルギ減衰を考慮した上で、3次元的に集光角、エネルギ密度分布等の集光特性を適正化した副ビームBs1、Bs2、Bs3を照射し、加工を行うのである。
このとき、副ビームBs1、Bs2、Bs3は、キーホール150の深さ方向に対し、均等な分布のエネルギ、あるいは任意の分布(特定部分を強くする等)のエネルギを投入することもできる。
【0023】
図2は、上記したような概念を実現化するためのレーザ熱加工装置20の一例を示すものである。
レーザ熱加工装置20では、主ビームBmと副ビームBs1、Bs2、Bs3とで、被加工物100における材料吸収率の異なるレーザ光源を用いる。
例えば、主ビームBmの光源(第一レーザビーム照射手段)21には、高輝度で集光性の高い(つまりエネルギ密度の高い)、ファイバレーザ、YAGレーザ、CO2レーザ等が好適である。
また、副ビームBs1、Bs2、Bs3の光源(第二レーザビーム照射手段)22には、主ビームBmよりも材料吸収率の高い(一般的には波長の短い)レーザ、例えば半導体レーザを好適に用いることができる。
もちろん、上記したような本発明の概念を実現できるのであれば、主ビームBmと副ビームBs1、Bs2、Bs3で同じ種類のレーザ光源を用いても良いし、主ビームBmと副ビームBs1、Bs2、Bs3でそれぞれ異なる、つまり4種のレーザ光源を用いても良い。
【0024】
光源21と光源22とを異ならせる構成とした本実施の形態のレーザ熱加工装置20では、ミラー23、ハーフミラー24等からなる合波部材25によって、光源21から発振・出射される主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3とを同心状に重ね合わせる。
そして、これら主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3は、集光部材(光学素子)30にて、それぞれ所定の最終的な集光角θ0、θ1、θ2、θ3に集光され、被加工物100に照射されるようになっている。
なおここで、集光角θ0、θ1、θ2、θ3が互いに異なる副ビームBs1、Bs2、Bs3は、集光部材30にてそれぞれ所定の集光角θ0、θ1、θ2、θ3で集光されることで生成されることになり、光源22からは一種のレーザビームBs0のみが発振・出射されている。
【0025】
図3は、集光部材30の一例を示すものである。この図3に示すように、その集光部材30には、主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3をそれぞれ所定の集光角θ0、θ1、θ2、θ3で集光するための集光面31、32,33、34が形成されている。ここで、主ビームBmの集光面31は、光源21から出射されたレーザビーム自体の集光角を変える必要があれば凹面あるいは凸面とし、特に変更する必要がなければ平面で形成することができる。
また、集光面32、33、34は、光源22から出射されたレーザビームBs0を、それぞれ異なる集光角θ0、θ1、θ2、θ3の副ビームBs1、Bs2、Bs3とするため、例えば集光面32を凹面、集光面33を平面、集光面34を凸面とする等して、集光面32、33、34の曲率半径が互いに異なるようにするのが好ましい。
【0026】
このようにすることで、レーザ熱加工装置20では、被加工物100に対し、主ビームBmと、この主ビームBmとは集光角θ1、θ2、θ3が異なり、しかもその焦点位置F1、F2、F3が互いに異なる副ビームBs1、Bs2、Bs3を照射することができるようになっている。
このとき、例えば溶接を行うのであれば、副ビームBs1、Bs2、Bs3の集光角θ1、θ2、θ3、焦点位置F1、F2、F3を、キーホール150内での多重反射やエネルギ減衰を考慮した上で設定することで、キーホール150の深さ方向に対し、均等なあるいは任意(特定部分を強くする等)の分布(プロファイル)を有したエネルギを副ビームBs1、Bs2、Bs3によって投入することができる。
その結果、例えば図4に示すように、副ビームBs1、Bs2、Bs3により、被加工物100に対し、深さ方向において従来より均一な分布のエネルギを付与することができる。
【0027】
図1に示したように、このようにして、被加工物100に主ビームBmおよび副ビームBs1、Bs2、Bs3からなる多焦点ビームが照射されると、高エネルギ化された主ビームBmにより被加工物100は瞬間的に溶融・蒸発する。そして、被加工物100の加工面から内部まで一貫するキーホール150が形成され、深い溶け込みが得られる。
被加工物100が溶融することにより、キーホール150周囲の溶融金属は対流し、この溶融金属の一部はキーホール150を塞ごうとする。このとき、キーホール150に対して副ビームBs1、Bs2、Bs3が照射されており、キーホール150を塞ごうとする一部の溶融金属を流動促進、もしくは蒸発させることができる。
溶接を行う場合、レーザ熱加工装置20のレーザ照射側あるいは被加工物100側を所定方向に移動させることで、これによって母材110、120の開先に沿った溶接を行うわけであるが、このとき被加工物100に対して移動することになるキーホール150では、副ビームBs1、Bs2、Bs3の照射により、上記したような状態を常に維持することになる。
【0028】
なお、溶接の開始位置において、図5に示すように、被加工物100の表面にキーホール150を形成し始める初期の段階では、被加工物100の表面近傍に焦点位置F1を有する副ビームBs1により、キーホール150を塞ごうとする一部の溶融金属を流動促進、もしくは蒸発させることができる。
その後、図6に示すように、キーホール150が徐々に深くなると、今度は、被加工物100の厚さ方向中間部近傍に焦点位置F2を有する副ビームBs2により、キーホール150内を塞ごうとするキーホール150周囲の溶融金属を流動促進、もしくは蒸発させることができる。
そして、図1に示したように、溶接、切断、表面処理等、所定の熱加工を行うべき所定の深さにキーホール150が達しようとする時点では、被加工物100の厚さ方向下端部近傍に焦点位置F3を有する副ビームBs3により、キーホール150内を塞ごうとするキーホール150周囲の溶融金属を流動促進、もしくは蒸発させることができる。
【0029】
また、溶接の終端位置において、キーホール150の移動が停止し、主ビームBm、副ビームBs1、Bs2、Bs3の照射を停止させるに際しては、上記開始位置とは逆に、図1の状態から図6、図5の状態へと順次以降することになり、キーホール150が埋まってその深さが徐々に浅くなるわけであるが、このときも、図6の状態では副ビームBs1、Bs2、図5の状態では副ビームBs1により、キーホール150が想定外に塞がれてしまうのを防止できる。
【0030】
なお、上記したようにして、キーホール150は、主ビームBmと副ビームBs1、Bs2、Bs3の重畳により形成されるわけであるが、被加工物100の材質や形状等に応じて、レーザ照射による蒸発反力、溶融金属の表面張力、熱伝導、レーザと被加工物100の材料の相互作用時間を考慮し、安定してキーホール150が形成されるよう、予め解析もしくは実験等を行い、主ビームBm、副ビームBs1、Bs2、Bs3のエネルギプロファイルを適正化するのが好ましい。
【0031】
上記のようにして、焦点位置F1、F2、F3が互いに異なる副ビームBs1、Bs2、Bs3で、例えば被加工物100の厚さ方向においてエネルギプロファイルの均一化を図ることで、キーホール150に対し、深さ方向において従来より均一な分布のエネルギを付与することができ、その結果、溶接を、より高品質に行うことができる。
【0032】
キーホール150を形成したところに高吸収の副ビームBs1、Bs2、Bs3を重畳して照射することで、単に主ビームBmのみを使用する場合と比較し、キーホール150の深さ方向に対して均等(もしくは任意)のプロファイルでのエネルギ投入が可能となり、効率的な熱投入が可能となる。
その結果、主ビームBmにより細く深い(つまりアスペクト比の大きい)キーホール150を形成し、副ビームBs1、Bs2、Bs3により被加工物100の内部までエネルギを効率的に吸収させることで、被加工物100に対し深く細い入熱を行うことができ、周囲への余分な熱影響を抑制することができる。加えて板厚方向に直線的な入熱を行うことで、部材変形を抑えることもできる。このようにして、溶接等の熱加工を高効率で行うことが可能となり、従来と同等の深さで溶接等の熱加工を行うのであれば、従来よりも小出力の光源21、22を用いることができ、設備費が低減できる。
【0033】
また、キーホール150に対し、深さ方向のエネルギプロファイルを適正化した副ビームBs1、Bs2、Bs3を主ビームBmに重畳して照射することで、キーホール150の深さ方向の開口径を調節することができ、キーホール150の不安定崩壊を防止して安定した開口とすることで、溶接欠陥(特にポロシティ)を防止することが可能となる。特に、主ビームBmのみによって形成されるキーホール150が細く不安定な場合に対しても、副ビームBs1、Bs2、Bs3による補助的な開口促進によりキーホール150を安定化させることができる。
また、このようにしてキーホール150を安定して形成することが可能となることで、例えばレーザ溶接においてポロシティが発生しやすいとされ、Arガスシールドを必要とする材料(Al合金やNi基耐熱合金等)についても、より高品質な溶接が可能となる。
【0034】
上記したようなレーザ熱加工装置20は、溶接だけでなく、切断にも用いることができる。レーザ熱加工装置20を切断に用いる場合、被加工物100の切断部位に対し、溶融金属を吹き飛ばして除去するためのアシストガスを、主ビームBmや副ビームBs1、Bs2、Bs3と同軸、あるいはその側方から供給する構成をさらに設ける。
このように、レーザ熱加工装置20を切断に用いる場合も、被加工物100の厚さ方向に適正なエネルギプロファイルを有する副ビームBs1、Bs2、Bs3を照射することで、上記した溶接の場合と同様の作用効果が得られる。
そして、切断の場合、従来は図14に示したように、被加工物100の切断面100cにテーパーがついたり、切断面100cが粗くなるという問題があったが、レーザ熱加工装置20では、副ビームBs1、Bs2、Bs3によって、被加工物100の厚さ方向の奥まで有効に入熱を行うことができる。その結果、熱影響、変形を抑制し、切断面100cを、より平行度が高く、より平滑なものとすることができる。また、カーフ幅についても、より小さくすることが可能となる。その結果、切断についても、高品質で行うことが可能となるのである。
また、このようにして被加工物100に対するエネルギ投入を効率化することで、同等の厚さの被加工物100を切断するのであれば、従来よりも光源21、22の小出力化が可能であり、設備費を低減することが可能となる。
【0035】
さらに、上記したようなレーザ熱加工装置20は、熱処理にも用いることができる。図7(a)に示すように、レーザ熱加工装置20(図2参照)を熱処理に用いる場合、溶接や切断に比較し、低出力域のエネルギ投入を被加工物100に対して行うことになる。
このときも、主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3を用いることで、被加工物100において熱処理すべき部分の厚さ方向において、従来よりも平均化した(あるいは任意の)プロファイルのエネルギを投入することができる。このようにして、従来は、実質的には被加工物100の表面部分に対してのみ熱が投入されていたのに対し、厚さ方向に対する熱の投入を制御することが可能となり、より高品質な熱処理を行うことが可能となる。
また、従来の同等の熱処理を行うのであれば、従来よりも光源21、22の小出力化が可能であり、設備費を低減することが可能となる。
なお、熱処理の場合、図7(b)に示すように、主ビームBm、副ビームBs1、Bs2、Bs3を、それぞれ適宜光学素子によって分光することで、被加工物100の表面に沿って所定幅を有する領域にエネルギ投入を行うこともできる。これにより、上記のような熱処理を、より迅速に行うことが可能となる。
【0036】
このようにして、レーザ熱加工装置20を用いることで、被加工物100の厚さ方向においてプロファイルをコントロールした熱投入を行うことが可能となり、その結果、従来に無い高い加工品質を得ることが可能となる他、設備費の低減等も可能となる。
【0037】
なお、上記レーザ熱加工装置20において、溶接、切断、熱処理等の熱加工を行うに際し、主ビームBmと副ビームBs1、Bs2、Bs3に対し、被加工物100をX−Yテーブル等の移動手段により所定の方向に相対移動させる場合、以下に示すような構成を採用することもできる。
すなわち、主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3を、偏心させるのである。その偏心の方向は、主ビームBmおよび副ビームBs1、Bs2、Bs3によって被加工物100に行われる熱加工の進行方向に対し、前方または後方である。主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3を偏心させるには、例えば、集光部材30をそのような偏心を生じさせるような構成とすれば良い。
このようにして、被加工物100の材料の凝固速度(温度勾配)制御、溶融金属の流動制御を行うことができ、熱加工後に形成される金属組織を制御することが可能となる。
【0038】
図8(a)、(b)に示すように、主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3(図示略)を、熱加工の進行方向前方に偏心させた例を示す。図8(c)は、熱加工進行方向における、主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3のエネルギ密度の分布を示すものである。
この場合、キーホール150を形成する主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3を熱加工進行方向前方に照射することで、被加工物100をキーホール150の形成に先立ち予熱することができる。その結果、キーホール150をより効率良く形成することができ、溶接、切断、熱処理等の熱加工の高速化等に寄与することができる。
【0039】
図9(a)は、主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3を、熱加工の進行方向後方に偏心させた例を示す。図9(b)は、熱加工進行方向における、主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3のエネルギ密度の分布を示すものである。
この場合、図10に示すように、キーホール150を形成する主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3(図示略)を熱加工進行方向後方に照射することで、被加工物100に対し、キーホール150の形成後に後熱を与えることができる(図10において、点線は偏心させない場合、実線は偏心させた場合の被加工物100の温度の変化を示している)。
その結果、主ビームBmによる入熱後の急冷プロセスを緩和することができ、溶接割れ等を有効に防止することが可能となる。また、万一溶融金属内で発生した気泡も、溶融金属流動を促進することで浮上、排出させることができる。
【0040】
また、主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3を、熱加工の進行方向前方または後方に偏心させつつ、キーホール150を形成する主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3を熱加工進行方向前方または後方の一方のみではなく、前方または後方の一方に対し重点的に照射しつつ、他方にも照射することで、上記した予熱と後熱の双方を被加工物100に与えることもできる。
このようにすることで、上記予熱によって熱加工を効率よく行いつつ、主ビームBmによる急熱急冷プロセスを緩和することができ、溶接割れ等を有効に防止することが可能となる。
【0041】
なお、上記実施の形態では、主ビームBm、副ビームBs1、Bs2、Bs3を、ミラー23、ハーフミラー24からなる合波部材25を介して集光部材30に導く構成としたが、主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3をそれぞれ所定の集光角θ0、θ1、θ2、θ3を互いに異ならせることができるのであれば、光学素子の構成を他のいかなる構成に変更しても良い。例えば、副ビームBs1、Bs2、Bs3を集光部材30の集光面32、33、34に照射するよう適宜光学素子で導きつつ、集光部材30の中央部(集光面31に対応した位置)に貫通穴を形成し、この貫通穴の背面側から主ビームBmを照射するような構成とすることができる。
【0042】
また、上記実施の形態では、3つの副ビームBs1、Bs2、Bs3を照射する構成としたが、被加工物100の厚さ等に応じ、2種あるいは4種以上の副ビームを照射する構成とするのが好ましい。特に被加工物100が厚い場合、厚さに応じて副ビームの数を増やすのが好ましいと言える。
【0043】
また、副ビームBs1、Bs2、Bs3は、被加工物100の厚さ方法に対し、均等もしくは任意にエネルギ投入するわけであるが、このために、キーホール150の形成過程に応じ、段階的に副ビームBs1、Bs2、Bs3を照射しても良い。また、光源22からのレーザビームの集光特性(集光角)を段階的に変化させることで、レーザビームの焦点位置をF1→F2→F3と順次変化させ、これによって副ビームBs1、Bs2、Bs3を実現させることも可能である。その場合、副ビームBs1、Bs2、Bs3で互いに異なるレーザ光源を用い、副ビームBs1、Bs2、Bs3の照射タイミングを段階的にずらすことも可能である。その場合、副ビームBs1、Bs2、Bs3のレーザ光源は、同一波長で個別のレーザ光源を設けるようにしてもよいし、互いに異なる波長としてもよい。
加えて、副ビームBs1、Bs2、Bs3は、集光角と被加工物100の厚さ方向における焦点位置の双方が互いに異なる構成としたが、被加工物100の厚さ方向において適正なプロファイルのエネルギ投入を行うことができるのであれば、同一の集光角で、焦点位置のみを異ならせる構成とすることも可能である。
この他、上記実施の形態では、主ビームBmと副ビームBs1、Bs2、Bs3とで、異なる種類の光源21、22を用いる構成としたが、主ビームBm、副ビームBs1、Bs2、Bs3で、集光角あるいは被加工物100の厚さ方向における焦点位置のいずれか一方または双方を互いに異ならせるのであれば、同一(波長)の光源としてもよい。そのようにすれば、レーザ熱加工装置20の構成がより簡便なものとなり、設備費用を抑制できる効果もある。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第一レーザビームだけでなく、被加工物の厚さ方向においてその焦点位置が互いに異なる複数の第二レーザビームを照射することで、被加工物の厚さ方向において、適正な分布のエネルギを付与することができ、高い品質で溶接、切断、熱処理等の熱加工を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるレーザ熱加工方法の概念を示す図である。
【図2】レーザ熱加工装置の構成を示す図である。
【図3】複数の副ビームを生成する光学素子の例である。
【図4】複数の副ビームにおけるエネルギプロファイルを示す図である。
【図5】キーホールを形成する初期の段階を示す図である。
【図6】図5に続く状態を示す図である。
【図7】熱処理を行う場合の例を示す図である。
【図8】主ビームに対し、副ビームを加工進行方向前方に偏心させた場合の例である。
【図9】主ビームに対し、副ビームを加工進行方向後方に偏心させた場合の例である。
【図10】主ビームに対し、副ビームを加工進行方向後方に偏心させた場合の被加工物温度の変化を示す図である。
【図11】従来の方法においてキーホールを形成した状態を示す図である。
【図12】主ビームの周囲に副ビームを照射する構成を示す図である。
【図13】キーホールにおける副ビームのエネルギプロファイルを示す図である。
【図14】従来の方法においてレーザ切断を行う場合の例である。
【図15】従来の方法において熱処理を行う場合の例である。
【符号の説明】
20…レーザ熱加工装置、21…光源(第一レーザビーム照射手段)、22…光源(第二レーザビーム照射手段)、30…集光部材(光学素子)、100…被加工物、150…キーホール、Bm…主ビーム(第一レーザビーム)、Bs0…レーザビーム、Bs1、Bs2、Bs3…副ビーム(第二レーザビーム)、F1、F2、F3…焦点位置、θ0、θ1、θ2、θ3…集光角
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビームを用いて溶接、切断、表面処理等の熱加工を行う際に用いて好適なレーザ熱加工装置、レーザ熱加工方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
被溶接部材である金属の母材を溶接する方法として、レーザ溶接がある。レーザ溶接では、レンズなどの光学的手段等を用いて、レーザビームを集束(以下、集光とする)させ、エネルギ密度の高いレーザビームを得る。そして、この高エネルギ化されたレーザビームによって母材を溶融させて溶接を行う。レーザビームのエネルギは、ビームの種類、および集光されて母材の加工面に照射された際のビームスポット面積(レーザビームの径)等によって異なる。
【0003】
レーザ溶接を行うにあたっては、図11に示すように、溶接しようとする母材110,120の開先に対して、光学的手段等により集光されたレーザビーム130を照射する。このレーザビーム130を矢印方向に一定速度で移動させながら連続的に照射することにより、母材110,120の開先部分が瞬間的に溶融・蒸発する。そうすると、母材110,120の表面から内部まで一貫するキーホール150が得られる。そして、このキーホール150は周囲を溶融金属140で取り囲まれている。溶融金属140は対流によりキーホール150から離れる方向(矢印と逆方向)に流れ、母材110,120への熱伝導によって冷却されて凝固する。そうすることによって、母材110と母材120とが溶接され、母材110,120の接合部分には溶接ビードが形成される。
【0004】
このように、レーザビーム130を集光することにより高エネルギ化してキーホール150を形成し、レーザビーム130を移動することにより溶接を行う過程で、キーホール150の先端部153、中間部152および開口部151では、ポロシティ160と呼ばれる気泡状の空洞が取り残され、溶接欠陥が発生しやすいという問題があった(例えば、非特許文献1参照。)。
これは、レーザビーム130が移動するにつれてキーホール150として形成された穴も維持されながら移動するが、先端部153付近においてはキーホール150の中の雰囲気ガスを巻き込み易く、またレーザビーム130が移動するにつれて、キーホール150の中間部152の形状は真直な形状ではなく、くびれた形状となるためである。中間部152がくびれた形状となると、キーホール150の中の雰囲気ガスを巻き込み易い。さらにレーザビーム130が移動する際、溶融金属140は対流するので、開口部151を塞ぐようにして覆い被さる。このようにして、レーザ溶接を行う際に、キーホール150の形状が不安定になると、レーザ溶接を行った後の金属中には、ポロシティ160と呼ばれる気泡状の空洞が取り残され、これが溶接欠陥と要因となるのである。
【0005】
【非特許文献1】
片山聖二、瀬渡直樹、水谷正海、松縄朗、「レーザ溶接現象の解明」、第52回レーザ加工学会論文集、レーザ加工学会、P32−39
【0006】
このため、従来より、ポロシティ160の発生を防止する一手法として、レーザ溶接を行う対象の金属の種類に応じて、雰囲気ガスの種類を変える方法が用いられていた。ステンレス鋼に対しては、窒素雰囲気下でレーザ溶接を行うことが多いが、Al合金や、Ni基耐熱合金等は、溶接時に窒素と化学反応し、溶接継手性能が劣化することからポロシティ160の発生しやすいArガス雰囲気下で溶接を行うことが求められ、そのような場合にもポロシティ160の発生を防止できる方法が必要であった。
また、レーザビーム130をパルス状に照射し、キーホール150の形状をある程度安定させてポロシティ160の発生率を低下させる方法が用いられていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−205464号公報(第2−3頁、図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような方策を用いたとしても、レーザや被溶接材の種類によってはポロシティ160の発生を完全に防止するのが困難な場合があったのが実情である。
【0009】
このような問題に対し、本発明者らは、レーザ溶接を行う際に母材に照射されるレーザビーム、より詳しくはキーホール150を形成すると共に、特にこのキーホール150の開口部151の形状を安定して維持し、ポロシティ160の発生を未然に、かつ確実に防止することのできるレーザビームに着目して鋭意検討を行った。その結果、図12に示すように、キーホール150を形成するために照射する主ビームBmのほかに、この主ビームBmの周囲に副ビームBsを照射することが有効であることを見出し、これを既に提案している(特願2002−148547号)。
この提案では、主ビームBmのほかに、この主ビームBmの周囲に副ビームBsを照射するために、例えば、単一のレーザビームを複数、典型的には2つの屈折率を有する光学部材に照射、透過させている。これにより、同軸上に2つの異なる焦点を有するビームが生成され、これら2つの異なる焦点を有するビームにより、上記した主ビームBmおよび副ビームBsという構成を実現できるのである。
このような技術では、被加工物100(母材110、120)の表面(焦点位置近傍)には、主ビームBmが照射される領域の周囲に副ビームBsが照射される。これにより、主ビームBmが照射された部位において金属製の被加工物100が溶融・蒸発して溶融金属140となり、キーホール150の周囲は溶融金属140によって形成される。そして、副ビームBsは、主ビームBmが照射されることで形成された、この溶融金属140部分に照射されることになり、溶融したキーホール150の周囲の形状を制御することができるようになっている。つまり、上述した溶融金属140が副ビームBsによって蒸発するので、キーホール150の開口部151に覆い被さろうとする溶融金属140を除去することができ、この開口部151の形状を安定した状態に維持することができる。
【0010】
しかしながら、上記したような技術をさらに検討したところ、本発明者らは、以下に示すような問題が存在することを知見した。
すなわち、上記技術では、比較的浅いキーホール150においては、副ビームBsの照射により、キーホール150の開口部151に覆い被さろうとする溶融金属を除去することで、この開口部151の形状を安定した状態に維持することができる。しかし、より深いキーホール150に対しては、副ビームBsは、キーホール150の開口部151近傍、つまり被加工物100の表面近傍に焦点位置が設定されるため、キーホール150の中間部152、先端部153の形状については、副ビームBsの照射による効果が低減してしまうのである。詳しくは、図13(a)に示すように、副ビームBsを、被加工物100の表面100a近傍に焦点Fを合わせた状態で照射すると、主ビームBmおよび副ビームBsの照射によってキーホール150が深く形成され、副ビームBsはキーホール150内面で反射しつつ、キーホール150の奥に伝播していく。このとき、副ビームBsは、キーホール150内面で反射するたびにそのエネルギが減衰する。図13(b)は、キーホール150の深さと、副ビームBsのエネルギ密度を示したものである。このように、キーホール150が深く形成されるに従い、副ビームBsのエネルギ密度が低下し、副ビームBsを照射することによる効果が薄れることになる。その結果、深いキーホール150の場合、その開口部近傍では、副ビームBsによってキーホール150の開口部に覆い被さろうとする溶融金属を除去することができ、開口部の形状を安定した状態に維持することができるものの、キーホール150が深ければ深いほど、溶融金属の除去効果が低下し、キーホール150の奥の部分の形状が不安定になってしまうのである。
【0011】
また、他の問題として、レーザ溶接の場合、被加工物100の材質や、溶接部形状の拘束状態によっては、レーザ溶接の急熱急冷プロセスに起因する溶接割れが発生する場合があり、その防止策が要求されている。
【0012】
ところで、図14(a)に示すように、レーザビーム130は、溶接だけでなく、切断にも用いられる。切断の場合、ガス圧、酸素による反応熱等を補助的に利用し、レーザビーム130で被加工物100を溶融しつつ、溶融金属を、アシストガス160の圧力を高めることで吹き飛ばして切断が行われることになる。
しかし、レーザビーム130によって与えられるエネルギ(密度)は、被加工物100の表面側と裏面側で異なり、これによって、図14(b)に示すように、被加工物100の表面のカーフ幅w1と裏面のカーフ幅w2に差が生じ、切断面100cにテーパーがついたり、熱影響が大きくなるという問題がある。さらに、図14(c)に示すように、被加工物100が厚くなるにつれて、上記溶接の場合と同様、被加工物100のキーホール150の奥の部分に付与されるエネルギ密度が低くなるため、被加工物100が充分に溶融されないまま、アシストガスによって吹き飛ばされ、その結果、切断面100cが粗くなるという問題も生じる。
【0013】
この他、図15に示すように、レーザビーム130は、熱処理にも用いられる。熱処理の場合、被処理対象物(以下、特に区別する必要がない限り、被加工物100と称する)に対し、均一な熱処理を行うため、精密な温度操作が求められるが、現状では、レーザ出力等の施工パラメータを制御したり、照射面に関して(照射面の面内で)均質化したレーザビーム130を用いている程度である。
この場合も、被加工物100の厚さ方向において、照射面から奥になるほど、レーザビーム130によって付与されるエネルギ密度が低くなることから、被加工物100の厚さ方向において不均一な熱処理が行われていると言える。
【0014】
上記したような溶接、切断、熱処理等の熱加工において、より高い加工品質が常に求められているのは言うまでもない。そのような観点からして、被加工物の厚さ方向において、より安定した分布のエネルギをレーザビームから付与し、より均一な品質で溶接、切断、熱処理等の熱加工を行うことのできる技術が求められていると言える。
【0015】
この他、溶接、切断、熱処理等の熱加工に用いられるレーザ装置にはYAGレーザやCO2レーザ等があるが、これらは電気−光の変換効率が数%〜十数%程度であり、ランニングコストが高い、もしくは大出力の装置が必要で初期設備投資コストが高い等の問題があることから、より低い出力で同等の加工性能を得られる効率的なプロセスが求められていた。これに対し、電気−光変換効率が30%を超える半導体レーザ等も近年大出力化され、溶接等の熱加工に用いられるようになってきた。しかしながら、半導体レーザは、他のYAGレーザやCO2レーザと比較して集光性が悪く、キーホール150を形成した高能率な施工が困難であるという問題点があった。
【0016】
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、被加工物の厚さ方向において、より適正な分布のエネルギをレーザビームから付与し、より高い品質で溶接、切断、熱処理等の熱加工を行うことのできる技術を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明は、被加工物に対しレーザビームを照射することで熱加工を施すレーザ熱加工装置であって、第一レーザビームを照射する第一レーザビーム照射手段と、第一レーザビームより大きな集光角を有し、かつその焦点位置が被加工物の厚さ方向にて互いに異なる複数の第二レーザビームを照射する第二レーザビーム照射手段と、を備えることを特徴とする。
このとき、複数の第二レーザビームに、第一レーザビームに対し被加工物での吸収率(材料吸収率)が高いものを用いるのが好ましい。つまりこの場合、第一レーザビーム照射手段と第二レーザビーム照射手段とで、互いに異なる波長のレーザビームを発振する光源をそれぞれ用いるのである。
例えば、第一レーザビームには、高輝度で集光性の高い(つまりエネルギ密度の高い)、ファイバレーザ(波長1100nm程度)、YAGレーザ(波長1064nm)、CO2レーザ(波長10600nm)等が好適である。その他十分にキーホールを形成できるエネルギ密度のものであれば、第一レーザビームには、例えばYAGレーザの高調波(波長532nm、355nm等)を用いてもよい。
これに対し、第二レーザビームには、第一レーザビームよりも材料吸収率の高い(一般的には波長の短い)レーザ、例えば半導体レーザ(波長800nm程度)を好適に用いることができる。
また、第一レーザビーム、および複数の第二レーザビームには、同一波長のレーザビームを用いることもできる。その場合、第一レーザビーム照射手段と第二レーザビーム照射手段は、共通する光源から発振されるレーザビームを用いても良い。これにより、装置の簡略化が図れる。
【0018】
第二レーザビーム照射手段から照射される複数の第二レーザビームは、その焦点位置が被加工物の厚さ方向に互いに異なっているのであれば良い。例えばそれぞれ異なる波長のレーザビームを用いることも可能である。しかし、第二レーザビーム照射手段の光源で発振された同一の(一つの)レーザビームを用いる場合、光学素子等によって、その焦点位置が被加工物の厚さ方向にて互いに異なる複数の第二レーザビームを生成するのが好ましい。
また、第二レーザビーム照射手段では、第一レーザビームを照射することで被加工物に形成されるキーホールに対し、複数の第二レーザビームによって、予め適正化されたプロファイルのエネルギを投入するのが好ましい。これにより、複数の第二レーザビームによって、均一化されたプロファイルや特定の箇所にエネルギを集中させたプロファイルで、キーホールに対するエネルギ投入を行える。
【0019】
第一レーザビーム照射手段から照射される第一レーザビームおよび第二レーザビーム照射手段から照射される複数の第二レーザビームと、被加工物とを、被加工物の表面に沿った所定の方向に相対移動させる移動手段をさらに備えることもできる。この場合、第一レーザビームに対し、複数の第二レーザビームを所定の方向(加工進行方向)に偏心させた状態とすることができる。
例えば、複数の第二レーザビームを、第一レーザビームに対し加工進行方向前方に偏心させれば、被加工物に第一レーザビームが照射される前に、第二レーザビームによって被加工物を予熱することができる。また、複数の第二レーザビームを、第一レーザビームに対し加工進行方向後方に偏心させれば、被加工物に第一レーザビームが照射された後、第二レーザビームによって被加工物を加熱、つまり後熱を与えることができる。
【0020】
本発明に係るレーザ熱加工方法は、第一レーザビーム、およびその焦点位置が被加工物の厚さ方向に互いに異なる複数の第二レーザビームを生成する工程と、第一レーザビームを被加工物に照射しつつ、第一レーザビームの周囲に、複数の第二レーザビームを照射し、被加工物に対し熱加工を行う工程と、を含むことを特徴とする。
このとき、例えばレーザによる穴明け加工を行う場合や、例えば溶接や切断、表面処理等を行う場合の加工開始位置では、複数の第二レーザビームは、第一レーザビームを被加工物に照射することで被加工物に形成されるキーホールが深くなるにしたがい、被加工物の表面側に焦点位置を有する第二レーザビームから、キーホールの奥側に焦点位置を有する第二レーザビームへと、順次照射を行うようにしてもよい。また、溶接や切断、表面処理等を行う場合の加工終端位置では、上記とは逆の順序で第二レーザビームの照射を順次終了させることもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
なお、以下においては、溶接を基本として説明を行うが、特に明記しない限り、その内容は切断、熱処理等、他の熱加工においても共通するものである。
図1は、本実施の形態におけるレーザ熱加工の概念を説明するための図である。この図に示すように、本実施の形態におけるレーザ熱加工は、主ビーム(第一レーザビーム)Bmと、複数の副ビーム(第二レーザビーム)Bs1、Bs2、Bs3を用い、被加工物100である母材110と母材120を溶接する。
ここで、主ビームBmは、径が約0.01〜2.0mmのレーザビームであり、被加工物100に対し所定位置で焦点を結ぶように照射される。
副ビームBs1、Bs2、Bs3は、それぞれその集光角θ1、θ2、θ3が、主ビームBmの集光角θ0よりも大きい。また、副ビームBs1、Bs2、Bs3は、焦点を結ぶ位置(以下、焦点位置と称する)F1、F2、F3が、被加工物100の厚さ方向において互いに異なっている。より具体的には、θ1>θ2>θ3の順の場合、副ビームBs1、Bs2、Bs3は、最も大きな集光角θ1の副ビームBs1の焦点位置F1は被加工物100の近傍に、また中間の大きさの集光角θ2を有する副ビームBs2の焦点位置F2は被加工物100の厚さ方向中間部近傍に、最も小さな集光角θ3を有する副ビームBs3の焦点位置F3は被加工物100の厚さ方向下端部近傍に位置するよう設定される。
ここで、三種の副ビームBs1、Bs2、Bs3を用いる構成としたが、複数であれば、2種あるいは4種以上の副ビームを用いることも可能である。
【0022】
このようにして、被加工物100に主ビームBmおよび副ビームBs1、Bs2、Bs3からなる多焦点ビームが照射することで、熱処理を行う。
例えば、溶接を行う場合、主ビームBmを用いて形成したキーホール150に対し、キーホール150内での多重反射やエネルギ減衰を考慮した上で、3次元的に集光角、エネルギ密度分布等の集光特性を適正化した副ビームBs1、Bs2、Bs3を照射し、加工を行うのである。
このとき、副ビームBs1、Bs2、Bs3は、キーホール150の深さ方向に対し、均等な分布のエネルギ、あるいは任意の分布(特定部分を強くする等)のエネルギを投入することもできる。
【0023】
図2は、上記したような概念を実現化するためのレーザ熱加工装置20の一例を示すものである。
レーザ熱加工装置20では、主ビームBmと副ビームBs1、Bs2、Bs3とで、被加工物100における材料吸収率の異なるレーザ光源を用いる。
例えば、主ビームBmの光源(第一レーザビーム照射手段)21には、高輝度で集光性の高い(つまりエネルギ密度の高い)、ファイバレーザ、YAGレーザ、CO2レーザ等が好適である。
また、副ビームBs1、Bs2、Bs3の光源(第二レーザビーム照射手段)22には、主ビームBmよりも材料吸収率の高い(一般的には波長の短い)レーザ、例えば半導体レーザを好適に用いることができる。
もちろん、上記したような本発明の概念を実現できるのであれば、主ビームBmと副ビームBs1、Bs2、Bs3で同じ種類のレーザ光源を用いても良いし、主ビームBmと副ビームBs1、Bs2、Bs3でそれぞれ異なる、つまり4種のレーザ光源を用いても良い。
【0024】
光源21と光源22とを異ならせる構成とした本実施の形態のレーザ熱加工装置20では、ミラー23、ハーフミラー24等からなる合波部材25によって、光源21から発振・出射される主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3とを同心状に重ね合わせる。
そして、これら主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3は、集光部材(光学素子)30にて、それぞれ所定の最終的な集光角θ0、θ1、θ2、θ3に集光され、被加工物100に照射されるようになっている。
なおここで、集光角θ0、θ1、θ2、θ3が互いに異なる副ビームBs1、Bs2、Bs3は、集光部材30にてそれぞれ所定の集光角θ0、θ1、θ2、θ3で集光されることで生成されることになり、光源22からは一種のレーザビームBs0のみが発振・出射されている。
【0025】
図3は、集光部材30の一例を示すものである。この図3に示すように、その集光部材30には、主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3をそれぞれ所定の集光角θ0、θ1、θ2、θ3で集光するための集光面31、32,33、34が形成されている。ここで、主ビームBmの集光面31は、光源21から出射されたレーザビーム自体の集光角を変える必要があれば凹面あるいは凸面とし、特に変更する必要がなければ平面で形成することができる。
また、集光面32、33、34は、光源22から出射されたレーザビームBs0を、それぞれ異なる集光角θ0、θ1、θ2、θ3の副ビームBs1、Bs2、Bs3とするため、例えば集光面32を凹面、集光面33を平面、集光面34を凸面とする等して、集光面32、33、34の曲率半径が互いに異なるようにするのが好ましい。
【0026】
このようにすることで、レーザ熱加工装置20では、被加工物100に対し、主ビームBmと、この主ビームBmとは集光角θ1、θ2、θ3が異なり、しかもその焦点位置F1、F2、F3が互いに異なる副ビームBs1、Bs2、Bs3を照射することができるようになっている。
このとき、例えば溶接を行うのであれば、副ビームBs1、Bs2、Bs3の集光角θ1、θ2、θ3、焦点位置F1、F2、F3を、キーホール150内での多重反射やエネルギ減衰を考慮した上で設定することで、キーホール150の深さ方向に対し、均等なあるいは任意(特定部分を強くする等)の分布(プロファイル)を有したエネルギを副ビームBs1、Bs2、Bs3によって投入することができる。
その結果、例えば図4に示すように、副ビームBs1、Bs2、Bs3により、被加工物100に対し、深さ方向において従来より均一な分布のエネルギを付与することができる。
【0027】
図1に示したように、このようにして、被加工物100に主ビームBmおよび副ビームBs1、Bs2、Bs3からなる多焦点ビームが照射されると、高エネルギ化された主ビームBmにより被加工物100は瞬間的に溶融・蒸発する。そして、被加工物100の加工面から内部まで一貫するキーホール150が形成され、深い溶け込みが得られる。
被加工物100が溶融することにより、キーホール150周囲の溶融金属は対流し、この溶融金属の一部はキーホール150を塞ごうとする。このとき、キーホール150に対して副ビームBs1、Bs2、Bs3が照射されており、キーホール150を塞ごうとする一部の溶融金属を流動促進、もしくは蒸発させることができる。
溶接を行う場合、レーザ熱加工装置20のレーザ照射側あるいは被加工物100側を所定方向に移動させることで、これによって母材110、120の開先に沿った溶接を行うわけであるが、このとき被加工物100に対して移動することになるキーホール150では、副ビームBs1、Bs2、Bs3の照射により、上記したような状態を常に維持することになる。
【0028】
なお、溶接の開始位置において、図5に示すように、被加工物100の表面にキーホール150を形成し始める初期の段階では、被加工物100の表面近傍に焦点位置F1を有する副ビームBs1により、キーホール150を塞ごうとする一部の溶融金属を流動促進、もしくは蒸発させることができる。
その後、図6に示すように、キーホール150が徐々に深くなると、今度は、被加工物100の厚さ方向中間部近傍に焦点位置F2を有する副ビームBs2により、キーホール150内を塞ごうとするキーホール150周囲の溶融金属を流動促進、もしくは蒸発させることができる。
そして、図1に示したように、溶接、切断、表面処理等、所定の熱加工を行うべき所定の深さにキーホール150が達しようとする時点では、被加工物100の厚さ方向下端部近傍に焦点位置F3を有する副ビームBs3により、キーホール150内を塞ごうとするキーホール150周囲の溶融金属を流動促進、もしくは蒸発させることができる。
【0029】
また、溶接の終端位置において、キーホール150の移動が停止し、主ビームBm、副ビームBs1、Bs2、Bs3の照射を停止させるに際しては、上記開始位置とは逆に、図1の状態から図6、図5の状態へと順次以降することになり、キーホール150が埋まってその深さが徐々に浅くなるわけであるが、このときも、図6の状態では副ビームBs1、Bs2、図5の状態では副ビームBs1により、キーホール150が想定外に塞がれてしまうのを防止できる。
【0030】
なお、上記したようにして、キーホール150は、主ビームBmと副ビームBs1、Bs2、Bs3の重畳により形成されるわけであるが、被加工物100の材質や形状等に応じて、レーザ照射による蒸発反力、溶融金属の表面張力、熱伝導、レーザと被加工物100の材料の相互作用時間を考慮し、安定してキーホール150が形成されるよう、予め解析もしくは実験等を行い、主ビームBm、副ビームBs1、Bs2、Bs3のエネルギプロファイルを適正化するのが好ましい。
【0031】
上記のようにして、焦点位置F1、F2、F3が互いに異なる副ビームBs1、Bs2、Bs3で、例えば被加工物100の厚さ方向においてエネルギプロファイルの均一化を図ることで、キーホール150に対し、深さ方向において従来より均一な分布のエネルギを付与することができ、その結果、溶接を、より高品質に行うことができる。
【0032】
キーホール150を形成したところに高吸収の副ビームBs1、Bs2、Bs3を重畳して照射することで、単に主ビームBmのみを使用する場合と比較し、キーホール150の深さ方向に対して均等(もしくは任意)のプロファイルでのエネルギ投入が可能となり、効率的な熱投入が可能となる。
その結果、主ビームBmにより細く深い(つまりアスペクト比の大きい)キーホール150を形成し、副ビームBs1、Bs2、Bs3により被加工物100の内部までエネルギを効率的に吸収させることで、被加工物100に対し深く細い入熱を行うことができ、周囲への余分な熱影響を抑制することができる。加えて板厚方向に直線的な入熱を行うことで、部材変形を抑えることもできる。このようにして、溶接等の熱加工を高効率で行うことが可能となり、従来と同等の深さで溶接等の熱加工を行うのであれば、従来よりも小出力の光源21、22を用いることができ、設備費が低減できる。
【0033】
また、キーホール150に対し、深さ方向のエネルギプロファイルを適正化した副ビームBs1、Bs2、Bs3を主ビームBmに重畳して照射することで、キーホール150の深さ方向の開口径を調節することができ、キーホール150の不安定崩壊を防止して安定した開口とすることで、溶接欠陥(特にポロシティ)を防止することが可能となる。特に、主ビームBmのみによって形成されるキーホール150が細く不安定な場合に対しても、副ビームBs1、Bs2、Bs3による補助的な開口促進によりキーホール150を安定化させることができる。
また、このようにしてキーホール150を安定して形成することが可能となることで、例えばレーザ溶接においてポロシティが発生しやすいとされ、Arガスシールドを必要とする材料(Al合金やNi基耐熱合金等)についても、より高品質な溶接が可能となる。
【0034】
上記したようなレーザ熱加工装置20は、溶接だけでなく、切断にも用いることができる。レーザ熱加工装置20を切断に用いる場合、被加工物100の切断部位に対し、溶融金属を吹き飛ばして除去するためのアシストガスを、主ビームBmや副ビームBs1、Bs2、Bs3と同軸、あるいはその側方から供給する構成をさらに設ける。
このように、レーザ熱加工装置20を切断に用いる場合も、被加工物100の厚さ方向に適正なエネルギプロファイルを有する副ビームBs1、Bs2、Bs3を照射することで、上記した溶接の場合と同様の作用効果が得られる。
そして、切断の場合、従来は図14に示したように、被加工物100の切断面100cにテーパーがついたり、切断面100cが粗くなるという問題があったが、レーザ熱加工装置20では、副ビームBs1、Bs2、Bs3によって、被加工物100の厚さ方向の奥まで有効に入熱を行うことができる。その結果、熱影響、変形を抑制し、切断面100cを、より平行度が高く、より平滑なものとすることができる。また、カーフ幅についても、より小さくすることが可能となる。その結果、切断についても、高品質で行うことが可能となるのである。
また、このようにして被加工物100に対するエネルギ投入を効率化することで、同等の厚さの被加工物100を切断するのであれば、従来よりも光源21、22の小出力化が可能であり、設備費を低減することが可能となる。
【0035】
さらに、上記したようなレーザ熱加工装置20は、熱処理にも用いることができる。図7(a)に示すように、レーザ熱加工装置20(図2参照)を熱処理に用いる場合、溶接や切断に比較し、低出力域のエネルギ投入を被加工物100に対して行うことになる。
このときも、主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3を用いることで、被加工物100において熱処理すべき部分の厚さ方向において、従来よりも平均化した(あるいは任意の)プロファイルのエネルギを投入することができる。このようにして、従来は、実質的には被加工物100の表面部分に対してのみ熱が投入されていたのに対し、厚さ方向に対する熱の投入を制御することが可能となり、より高品質な熱処理を行うことが可能となる。
また、従来の同等の熱処理を行うのであれば、従来よりも光源21、22の小出力化が可能であり、設備費を低減することが可能となる。
なお、熱処理の場合、図7(b)に示すように、主ビームBm、副ビームBs1、Bs2、Bs3を、それぞれ適宜光学素子によって分光することで、被加工物100の表面に沿って所定幅を有する領域にエネルギ投入を行うこともできる。これにより、上記のような熱処理を、より迅速に行うことが可能となる。
【0036】
このようにして、レーザ熱加工装置20を用いることで、被加工物100の厚さ方向においてプロファイルをコントロールした熱投入を行うことが可能となり、その結果、従来に無い高い加工品質を得ることが可能となる他、設備費の低減等も可能となる。
【0037】
なお、上記レーザ熱加工装置20において、溶接、切断、熱処理等の熱加工を行うに際し、主ビームBmと副ビームBs1、Bs2、Bs3に対し、被加工物100をX−Yテーブル等の移動手段により所定の方向に相対移動させる場合、以下に示すような構成を採用することもできる。
すなわち、主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3を、偏心させるのである。その偏心の方向は、主ビームBmおよび副ビームBs1、Bs2、Bs3によって被加工物100に行われる熱加工の進行方向に対し、前方または後方である。主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3を偏心させるには、例えば、集光部材30をそのような偏心を生じさせるような構成とすれば良い。
このようにして、被加工物100の材料の凝固速度(温度勾配)制御、溶融金属の流動制御を行うことができ、熱加工後に形成される金属組織を制御することが可能となる。
【0038】
図8(a)、(b)に示すように、主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3(図示略)を、熱加工の進行方向前方に偏心させた例を示す。図8(c)は、熱加工進行方向における、主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3のエネルギ密度の分布を示すものである。
この場合、キーホール150を形成する主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3を熱加工進行方向前方に照射することで、被加工物100をキーホール150の形成に先立ち予熱することができる。その結果、キーホール150をより効率良く形成することができ、溶接、切断、熱処理等の熱加工の高速化等に寄与することができる。
【0039】
図9(a)は、主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3を、熱加工の進行方向後方に偏心させた例を示す。図9(b)は、熱加工進行方向における、主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3のエネルギ密度の分布を示すものである。
この場合、図10に示すように、キーホール150を形成する主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3(図示略)を熱加工進行方向後方に照射することで、被加工物100に対し、キーホール150の形成後に後熱を与えることができる(図10において、点線は偏心させない場合、実線は偏心させた場合の被加工物100の温度の変化を示している)。
その結果、主ビームBmによる入熱後の急冷プロセスを緩和することができ、溶接割れ等を有効に防止することが可能となる。また、万一溶融金属内で発生した気泡も、溶融金属流動を促進することで浮上、排出させることができる。
【0040】
また、主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3を、熱加工の進行方向前方または後方に偏心させつつ、キーホール150を形成する主ビームBmに対し、副ビームBs1、Bs2、Bs3を熱加工進行方向前方または後方の一方のみではなく、前方または後方の一方に対し重点的に照射しつつ、他方にも照射することで、上記した予熱と後熱の双方を被加工物100に与えることもできる。
このようにすることで、上記予熱によって熱加工を効率よく行いつつ、主ビームBmによる急熱急冷プロセスを緩和することができ、溶接割れ等を有効に防止することが可能となる。
【0041】
なお、上記実施の形態では、主ビームBm、副ビームBs1、Bs2、Bs3を、ミラー23、ハーフミラー24からなる合波部材25を介して集光部材30に導く構成としたが、主ビームBmと、副ビームBs1、Bs2、Bs3をそれぞれ所定の集光角θ0、θ1、θ2、θ3を互いに異ならせることができるのであれば、光学素子の構成を他のいかなる構成に変更しても良い。例えば、副ビームBs1、Bs2、Bs3を集光部材30の集光面32、33、34に照射するよう適宜光学素子で導きつつ、集光部材30の中央部(集光面31に対応した位置)に貫通穴を形成し、この貫通穴の背面側から主ビームBmを照射するような構成とすることができる。
【0042】
また、上記実施の形態では、3つの副ビームBs1、Bs2、Bs3を照射する構成としたが、被加工物100の厚さ等に応じ、2種あるいは4種以上の副ビームを照射する構成とするのが好ましい。特に被加工物100が厚い場合、厚さに応じて副ビームの数を増やすのが好ましいと言える。
【0043】
また、副ビームBs1、Bs2、Bs3は、被加工物100の厚さ方法に対し、均等もしくは任意にエネルギ投入するわけであるが、このために、キーホール150の形成過程に応じ、段階的に副ビームBs1、Bs2、Bs3を照射しても良い。また、光源22からのレーザビームの集光特性(集光角)を段階的に変化させることで、レーザビームの焦点位置をF1→F2→F3と順次変化させ、これによって副ビームBs1、Bs2、Bs3を実現させることも可能である。その場合、副ビームBs1、Bs2、Bs3で互いに異なるレーザ光源を用い、副ビームBs1、Bs2、Bs3の照射タイミングを段階的にずらすことも可能である。その場合、副ビームBs1、Bs2、Bs3のレーザ光源は、同一波長で個別のレーザ光源を設けるようにしてもよいし、互いに異なる波長としてもよい。
加えて、副ビームBs1、Bs2、Bs3は、集光角と被加工物100の厚さ方向における焦点位置の双方が互いに異なる構成としたが、被加工物100の厚さ方向において適正なプロファイルのエネルギ投入を行うことができるのであれば、同一の集光角で、焦点位置のみを異ならせる構成とすることも可能である。
この他、上記実施の形態では、主ビームBmと副ビームBs1、Bs2、Bs3とで、異なる種類の光源21、22を用いる構成としたが、主ビームBm、副ビームBs1、Bs2、Bs3で、集光角あるいは被加工物100の厚さ方向における焦点位置のいずれか一方または双方を互いに異ならせるのであれば、同一(波長)の光源としてもよい。そのようにすれば、レーザ熱加工装置20の構成がより簡便なものとなり、設備費用を抑制できる効果もある。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第一レーザビームだけでなく、被加工物の厚さ方向においてその焦点位置が互いに異なる複数の第二レーザビームを照射することで、被加工物の厚さ方向において、適正な分布のエネルギを付与することができ、高い品質で溶接、切断、熱処理等の熱加工を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるレーザ熱加工方法の概念を示す図である。
【図2】レーザ熱加工装置の構成を示す図である。
【図3】複数の副ビームを生成する光学素子の例である。
【図4】複数の副ビームにおけるエネルギプロファイルを示す図である。
【図5】キーホールを形成する初期の段階を示す図である。
【図6】図5に続く状態を示す図である。
【図7】熱処理を行う場合の例を示す図である。
【図8】主ビームに対し、副ビームを加工進行方向前方に偏心させた場合の例である。
【図9】主ビームに対し、副ビームを加工進行方向後方に偏心させた場合の例である。
【図10】主ビームに対し、副ビームを加工進行方向後方に偏心させた場合の被加工物温度の変化を示す図である。
【図11】従来の方法においてキーホールを形成した状態を示す図である。
【図12】主ビームの周囲に副ビームを照射する構成を示す図である。
【図13】キーホールにおける副ビームのエネルギプロファイルを示す図である。
【図14】従来の方法においてレーザ切断を行う場合の例である。
【図15】従来の方法において熱処理を行う場合の例である。
【符号の説明】
20…レーザ熱加工装置、21…光源(第一レーザビーム照射手段)、22…光源(第二レーザビーム照射手段)、30…集光部材(光学素子)、100…被加工物、150…キーホール、Bm…主ビーム(第一レーザビーム)、Bs0…レーザビーム、Bs1、Bs2、Bs3…副ビーム(第二レーザビーム)、F1、F2、F3…焦点位置、θ0、θ1、θ2、θ3…集光角
Claims (10)
- 被加工物に対しレーザビームを照射することで熱加工を施すレーザ熱加工装置であって、
第一レーザビームを照射する第一レーザビーム照射手段と、
前記第一レーザビームより大きな集光角を有し、かつその焦点位置が前記被加工物の厚さ方向にて互いに異なる複数の第二レーザビームを照射する第二レーザビーム照射手段と、
を備えることを特徴とするレーザ熱加工装置。 - 前記第一レーザビーム照射手段で照射する前記第一レーザビームに対し、前記第二レーザビーム照射手段で照射する前記複数の第二レーザビームは、前記被加工物での吸収率が高いことを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱加工装置。
- 前記第二レーザビーム照射手段は、集光角が互いに異なる前記複数の第二レーザビームを照射することを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ熱加工装置。
- 前記第二レーザビーム照射手段は、当該第二レーザビーム照射手段の光源で発振された同一のレーザビームから、その焦点位置が前記被加工物の厚さ方向にて互いに異なる前記複数の第二レーザビームを生成する光学素子を備えることを特徴とする請求項3に記載のレーザ熱加工装置。
- 前記第二レーザビーム照射手段は、前記第一レーザビームを照射することで前記被加工物に形成されるキーホールに対し、前記複数の第二レーザビームによって、予め適正化されたプロファイルのエネルギを投入することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のレーザ熱加工装置。
- 前記第一レーザビーム照射手段と前記第二レーザビーム照射手段は、共通する光源から発振されるレーザビームを用いることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のレーザ熱加工装置。
- 前記第一レーザビーム照射手段の光源と、前記第二レーザビーム照射手段の光源は、互いに異なる波長のレーザビームを発振することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のレーザ熱加工装置。
- 前記第一レーザビーム照射手段から照射される前記第一レーザビーム、および前記第二レーザビーム照射手段から照射される前記複数の第二レーザビームを、前記被加工物の表面に沿った所定の方向に相対移動させる移動手段をさらに備え、
前記第一レーザビーム照射手段から照射される前記第一レーザビームに対し、前記第二レーザビーム照射手段から照射される前記複数の第二レーザビームを前記所定の方向に偏心させた状態とすることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のレーザ熱加工装置。 - 第一レーザビーム、およびその焦点位置が被加工物の厚さ方向に互いに異なる複数の第二レーザビームを生成する工程と、
前記第一レーザビームを被加工物に照射しつつ、前記第一レーザビームの周囲に、複数の前記第二レーザビームを照射し、前記被加工物に対し熱加工を行う工程と、
を含むことを特徴とするレーザ熱加工方法。 - 複数の前記第二レーザビームは、前記第一レーザビームを前記被加工物に照射することで当該被加工物に形成されるキーホールが深くなるにしたがい、前記被加工物の表面側に焦点位置を有する前記第二レーザビームから、前記キーホールの奥側に焦点位置を有する前記第二レーザビームへと、順次照射を行うことを特徴とする請求項9に記載のレーザ熱加工方法。
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