JP6808130B2 - レーザ加工方法およびレーザ加工装置 - Google Patents

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本発明はシングルモードファイバーレーザを用いて微細加工を行う技術分野に関するもので、波長の異なる2つのレーザ光を重畳することでレーザ加工の品質向上を図るものである。
ファイバーレーザは、コアに希土類元素を添付したダブルクラッド構造の光ファイバーを用いてレーザ発振を行うレーザ発振器である。現在、レーザ加工用のファイバーレーザのほとんどはコアにイッテルビウムを添加したダブルクラッド構造の光ファイバーを用いており、高輝度の半導体レーザ光を前記光ファイバーに入射することで高出力のレーザ発振を実現している。また、前記光ファイバーの端面に回折格子を作製することで、選択した波長のみを反射させることが可能となり、共振器を形成するためにミラーを用いる必要がなくなった。このように、ファイバーレーザでは振動などの外乱の影響を受けづらい構造となっており、発振器内部の光軸調整の必要がない。
また、光ファイバーはレーザ光の伝播モードを制御できるため、ファイバーレーザを用いることでビーム品質に優れたレーザ光を容易に利用することができる。ファイバーのコア径が十分に小さくなると、光ファイバーの伝搬モードが制限されるため、得られるレーザ光のエネルギー強度分布はガウス分布に極めて近くなる。このように、1つの空間モードのみを伝送する光ファイバーによりレーザ発振を行うレーザ発振器をシングルモードファイバーレーザと呼ぶ。シングルモードファイバーレーザは集光性に極めて優れており、容易に50μm以下の微小集光径を得ることができ、かつエネルギー強度分布がガウス分布であるため、集光スポット中心部のエネルギー密度は非常に大きな値となる。
一般的なレーザ切断において、加工対象となる材料が持つ光の吸収特性によって適切なレーザ波長を選択することが望ましい。例えば、炭酸ガスレーザの波長は遠赤外域であるため、アルミや銅などは吸収率が小さく、加工に適していない。レーザ加工に使用する一般的なファイバーレーザの波長は近赤外線領域であり、アルミや銅などの吸収率は小さいが、前記のように集光スポット中心部のエネルギー密度が非常に大きいため、レーザ光が照射された中心領域で材料の溶融が生じ、相変化に伴う吸収率の増加により加工が進展する。このようにシングルモードファイバーレーザは幅広い材料に適用が可能であり、産業分野に必要なツールとなってきている。
シングルモードファイバーレーザは優れたビーム品質のため、穴あけ、切断、溶接など幅広い分野で利用されている。切断の場合に、切断幅が小さく、アスペクト比の高い加工が実現できる一方で、例えば加工対象が金属の場合にこのように切断幅が小さく、アスペクト比の高いレーザ切断加工を行う際に溶融した金属の除去が課題となる。通常、溶融金属はレーザ光と同軸に設置したノズルから噴出するアシストガスにより除去するが、高圧でアシストガスを噴出しても切断幅が非常に小さい場合には圧力損失が大きく、十分な除去効果が得られない場合がある。また、CFRPをレーザ切断加工する際にも切断面にレーザ照射により生じた溶融物や蒸発物の再付着が多く見られる。また、別の課題として銅などの高融点でかつ熱伝導率が高い材料では加工性能が低下する。穴加工においても前記切断と同様の課題がある。溶接の場合にキーホール溶接による深い溶け込みが実現できるが、溶け込み部の断面形状により溶接強度が変化するため前記断面形状の制御が課題となっている。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、シングルモードファイバーレーザとは波長の異なるレーザ光を重畳することで、レーザ照射により新たに形成される加工面の形状を制御すること、またレーザ照射時に生じる溶融物や蒸発物を除去すること、さらに高融点かつ熱伝導率の高い材料において加工性能を向上させることで、幅広い材料に対して高品質なレーザ微細加工を実現することを目的とする。
特許文献1が示すように波長の異なるレーザを同一箇所に照射して加工を行う技術手法は以前から知られている。
特許文献2は、レーザのよる穴加工において、波長およびパルス幅が異なる2つのレーザを用いて、波長の短い方のレーザ光がもう一方のビームスポットの外側部分でエネルギー強度が強くなるようにエネルギー強度分布を整形した後に重畳することを特徴とした技術を報告している。一般的にビーム整形の光学系は大きなパルスエネルギーを必要とするため、波長の短いレーザ発振器は高価であるが、高いパルスエネルギーを持つさらに高価なレーザ発振器が必要であり、ビーム整形の光学系も高価であることから、加工装置は非常に高価なものとなる。
特許文献3は、CFRPなどの複合材料に対して高速で高品質な加工を行うことを目的とし、連続発振する連続光およびパルス発振するパルス光の2つのレーザ光を用いて、前記パルス光を回折光学素子などを用いて集光・回転させ、中心部に開口がある金属ミラーを用いて重畳する技術を報告している。しかし、集光後にミラーによって重畳するため、使用できる集光レンズの焦点距離には光学設計上の制限があり、前記連続光の集光径を30μm以下にすることができない。また、集光レンズ通過後において前記パルス光の光軸と前記連続光の光軸との角度である入射角度の適用範囲に関して、前記パルス光を前記開口の内部に入射できないことから、前記入射角度が0°に近い範囲は適用することができない。このように、加工対象物に対して前記連続光と前記パルス光が重畳する領域は前記加工対象物の表面近傍に限定されることから、前記加工面の形状を制御することは難しい。
特開昭62−289390 特開2007−29952 特開2015−47638
本発明は、シングルモードファイバーレーザを用いて微小なスポット径でレーザ加工を行う際に課題となるレーザ照射により生じる溶融物や蒸発物の再付着物を効率よく除去すること、またレーザ照射により新たに形成される加工面の形状を制御することで、高品質なレーザ微細加工を実現するためのレーザ加工方法およびレーザ加工装置を提供することを目的とする。
シングルモードファイバーレーザによる加工方法であって、レーザ加工の対象となる加工対象物の熱伝導率および融点である熱物性に応じて連続発振またはパルス発振を選択して行うレーザ発振手段を有するシングルモードファイバーレーザ発振器から出射される中心波長が近赤外線領域であるレーザ光の光軸を公転軸として公転する中心波長が可視光領域でかつ1ナノ秒以下のパルス幅と40μJ以上のパルスエネルギーを有するパルスレーザ光が前記加工対象物表面に集光した後に、前記シングルモードファイバーレーザ光と前記パルスレーザ光の一部が重畳した状態で、集光レンズ内に入射し、前記パルスレーザ光が任意の公転半径で公転運動を維持した状態で、前記シングルモードファイバーレーザ光と前記パルスレーザ光が前記加工対象物表面の同一箇所に集光することで、前記光軸を基準として前記公転半径を前記集光レンズの焦点距離で除した値の逆正接から得られる入射角度を有する前記パルスレーザ光が前記シングルモードファイバーレーザ光および前記パルスレーザ光の集光により前記加工対象物に新たに形成される加工面に対する入射方向を変化させながら、前記熱物性に応じて前記入射角度が1.2°以下の範囲で前記加工面に入射することで、前記加工面の形状を変化させることおよび前記加工面に後処理加工を付与することを特徴とするレーザ加工方法。
また、前記熱伝導率が16から398W/(m・K)までの金属材料または炭素繊維と樹脂から構成される炭素繊維複合材料を前記加工対象物とすることを特徴とする。
また、シングルモードファイバーレーザによる加工装置であって、中心波長が近赤外線領域であるレーザ光を連続発振またはパルス発振する前記シングルモードファイバーレーザ発振器と、中心波長が可視光領域でかつ1ナノ秒以下のパルス幅と40μJ以上のパルスエネルギーを有するパルスレーザ光を発振するパルスレーザ発振器と、前記レーザ光および前記パルスレーザ光に対する色収差補正および球面収差補正がなされた集光レンズと、前記パルスレーザ光を任意の軸を公転軸として任意の公転半径で公転させるビーム回動手段と、前記公転軸が前記レーザ光の光軸と一致するように前記レーザ光を反射しかつ前記パルスレーザ光を透過するダイクロイックミラーと、前記レーザ光を平行光にコリメートするコリメートレンズと、前記光軸方向に対する前記パルスレーザ光の焦点位置が前記レーザ光の焦点位置と一致するように前記パルスレーザ光の広がり角を制御する広がり角制御手段と、前記レーザ光および前記パルスレーザ光の照射により生じる溶融物や蒸発物を気体の高速流れを利用して除去する高速流れ導入手段とを少なくとも備え、前記公転半径を前記集光レンズの焦点距離で除した値の逆正接から得られる入射角度が1.2°以下となるように設定することで、前記シングルモードファイバーレーザ光および前記パルスレーザ光の集光により前記加工対象物に新たに形成される加工面の形状を変化させることおよび前記加工面に後処理加工を付与することを特徴とする。
本発明は、前記加工面の形状を制御しテーパ角度を変化させることが可能であり、前記入射角度に関して0.6°を基準として0.5から0.7°の範囲に設定することで、テーパ角度0°近傍の加工面が得られる。また、レーザ加工においてレーザ照射により生じる加工対象物の溶融物や蒸発物を除去することが可能である。
特殊な光学素子を必要としないため装置を簡便に構成することができる。前記パルスレーザ光を公転させることで、前記パルスレーザ光のオーバラップを低減することができ、加工断面領域に対する熱影響を低減することができる。
前記パルスレーザの照射を前記シングルモードレーザ光照射の事前に行うことで、前記シングルモードレーザ光を照射する際の反射を低減できるため、熱伝導率が高い高反射材料に対してレーザ光を垂直入射する際において反射光による前記シングルモードファイバーレーザ発振器の損傷を防止できる。また、高融点かつ熱伝導率が高い材料に対しては、前記入射角度を0.5°以下に設定することで加工性能を向上させることができる。
本発明は上記のような構成を備えることで、シングルモードファイバーレーザの特性をレーザ加工に充分に活用することができるようになり、レーザ加工時の加工幅が50μm以下でかつアスペクト比20以上の加工を実現でき、幅広い材料に対して高品質なレーザ微細加工を実現することができる。
本発明に係るレーザ加工装置を実施する装置例に関する概略構成図である。 本発明に係るレーザ加工装置を実施する集光光学系に関する斜視図である。 実施例1における本発明によるステンレス板の切断結果である。 実施例1における本発明による入射角0.29°の条件でのステンレス板の切断面である。 実施例1における本発明による入射角0.58°の条件でのステンレス板の切断面である。 実施例1における本発明による入射角1.2°の条件でのステンレス板の切断面である。 実施例1にシングルモードファイバーレーザ単独照射によるステンレス板の切断面である。 実施例1における入射角とテーパ角度の関係を示した結果である。 実施例2における本発明による銅板の切断結果である。 実施例3におけるシングルモードファイバーレーザ単独照射によるレーザ切断面のSEM像である。 実施例3における本発明によるレーザ切断面のSEM像である。 実施例3におけるシングルモードファイバーレーザ単独照射によるレーザ切断面の高倍率SEM像である。 実施例3における本発明によるレーザ切断面の高倍率SEM像である。
以下、本発明による実施形態を説明する。以下の装置構成は本発明の具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。また、以下の装置構成は、その技術分野の当事者であれば、本発明の様々な変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明におけるレーザ加工装置100の概略構成の一例を図1に示す。レーザ加工装置100は、レーザ発振器1と、レーザ発振器2と、コリメートレンズ3と、ミラー4、ダイクロイックミラー5と、ビーム回動手段6と、広がり角制御手段7、集光レンズ8と、加工対象物9と、制御手段20と、高速流れ導入手段21と、加工ステージ22とを少なくとも有している。
レーザ発振器1は、シングルモードのファイバーレーザ発振器であり、かつレーザ波長が近赤外線領域であることを特徴とする。レーザ発振器1の発振形態には連続発振およびパルス発振があり、加工目的に応じて使い分けることができる。材料の熱影響を低減する場合にはレーザ発振器1はパルス発振が望ましい。レーザ発振器1の出力、発振タイミングの制御は制御手段20により行う。ここで、近赤外線領域はレーザ光の中心波長が800より大きく1500nm以下の領域とする。レーザ発振器1をパルス発振する際のパルス幅は1マイクロ秒以上が望ましい。レーザ光11を集光レンズ8によって集光した場合の直径dは、集光レンズ8の焦点距離fとコリメートレンズ3の焦点距離fとレーザ発振器1のレーザ照射面となる光ファイバー端面におけるコア径doutを用いて以下の数式1で表される。
レーザ発振器2は、パルス発振のレーザ発振器であり、かつレーザ波長が可視光領域であることを特徴とする。レーザ発振器2のパルス幅は1ナノ秒以下であることが望ましい。レーザ発振器2の出力、発振タイミングの制御は制御手段20により行う。ここで、可視光領域はレーザ光の中心波長が380nm以上800nm以下の領域とする。レーザ発振器2の中心波長が近赤外線に近い場合や紫外線に近い場合では重畳に用いるダイクロイックミラー5が高価となるために、前記中心波長は500nm以上550nm以下であることが望ましい。レーザ光12の偏光方向は円偏光が望ましいが、直線偏光でも適用は可能であり、偏光方向は制限しない。加工対象物にパルス発振して照射する際の熱影響を表す指針であるデューティ比Drは、レーザ発振器2のパルス幅τ[s]と繰り返し周波数Fr[Hz]の積で表される。ピーク出力Pp[W]は、レーザ発振器2の1パルスあたりのパルスエネルギーPe[J]をパルス幅τ[s]で除して算出される。
コリメートレンズ3は、レーザ発振器1のファイバー端から出射され拡散している状態のレーザ光11を平行な光束にコリメートする。
ミラー4は、レーザ発振器1から出射されたレーザ光11およびレーザ発振器2から出射されたレーザ光12を任意の角度で反射する。
ダイクロイックミラー5は近赤外線領域のレーザ光を反射、可視光領域のレーザ光を透過することを特徴とする。
回動手段6は、前記レーザ光12を任意の公転径で公転運動させることを特徴とする。前記公転運動を実現する方法は特に制限しないが、ここでは最も簡便な方法であるダブプリズムを利用する方法について説明する。ダブプリズムは長手方向を軸に自転させると、出射面から得られる像は回転した角度の2倍の回転速度で回転することは周知の事実であり、前記レーザ光12が前記ダブプリズムの入射面において自転している状態の前記ダブプリズムの自転軸から任意の距離を変位して前記ダブプリズムに入射する場合に、前記ダブプリズムを通過した前記レーザ光12は前記ダブプリズムの自転速度の2倍の速度で公転する。前記自転軸と前記ダブプリズムに入射する直前のレーザ光12の光軸とが平行であり、かつ前記自転軸が前記入射面の中心を通るようにダブプリズムを自転させることが望ましく、この場合にダブプリズムを通過したレーザ光12の公転径は前記入射面における前記自転軸からの変位量により定まる。前記変位量はミラー4cを前記自転軸に対して垂直方向に変位させることで制御することができ、回動手段6はミラー4cの変位を制御する機構を備える。公転している状態の前記レーザ光12の光軸および公転軸は、前記ダブプリズムに入射する直前のレーザ光12の光軸と平行である。回動手段6の制御は制御手段20により行う。ここで、入射面とは対象となる光学素子においてレーザ光が入射する面を表す。
広がり角制御手段7は、2枚の光学素子をガリレオ式またはケプラー式平行光学系として構成することで、前記レーザ光12のビーム径および広がり角を任意に制御するものである。
集光レンズ8は、前記レーザ光11および前記レーザ光12を加工対象物9の表面に集光するものであり、球面収差およびレーザ光11とレーザ光12の波長に対する色収差が補正されていることが望ましい。前記レーザ光12の集光径は集光レンズ8に入射する直前のビーム径および広がり角に依存して定まる。
制御手段20は、レーザ発振器に関する制御と、レーザ光の公転に関する制御、加工ステージに関する制御と、高速気体の流動に関する制御とを行う制御機構を備えている。
高速流れ導入手段21は、レーザ照射部近傍における気体の速度が定常かつ静止状態時の音速で除した値であるマッハ数で0.2より大きい流れ場を形成するものである。気体を加圧し高圧の気体をレーザ照射部に吹き付けること、または気体を減圧しレーザ照射部を吸引することが可能である。高速流れ導入手段21は前記レーザ光11および前記レーザ光12を透過する透過窓が付随している。高速流れ導入手段21で使用する気体は圧縮空気、窒素、アルゴンであり、加工対象物に応じて使い分ける。高速流れ導入手段21の制御は制御手段20により行う。高速流れ導入手段21は集光レンズ8と一体となった状態で、集光レンズ8と加工対象物9の間に設置し、レーザ光11の光軸方向に対する高速流れ導入手段21と加工対象物9の間の距離は加工ステージ22により制御を行い、任意の距離を保つように制御することが望ましい。
加工ステージ22は、加工対象物9の保持機構および移動機構を有しており、上記移動機構は、例えば、直交する3つの移動軸を備えかつ直線状に任意の速度で前記移動軸上の任意の位置に加工対象物を移動させる。加工ステージ22の移動軸の数は制限しない。加工ステージ22の制御は制御手段20により行う。加工ステージ22の保持および移動対象を集光レンズ8として使用することも可能であり、前記保持および移動対象を加工対象物9と集光レンズ8の両方とすることも可能である。加工対象物9の表面が凹凸または曲面形状である場合に、集光レンズ8と加工対象物9の距離を測定する測定手段と加工ステージ22を併用することで、前記凹凸や曲面形状の加工が可能となる。本発明において集光レンズ8の光軸方向の移動により、レーザ光11およびレーザ光12の焦点位置を同時に移動させることができるため、レーザ加工ヘッドを小型化することができ、3次元加工への適用が容易となる。
レーザ発振器1から出射されたレーザ光11は、コリメートレンズ3によりコリメートされ平行光の状態で、ミラー4a、ダイクロイックミラー5を反射して、集光レンズ8に入射する。集光レンズ8に入射する直前のレーザ光11の光軸は集光レンズ8の対称軸と一致していることが望ましい。ここで、対称軸は物体が線対称となる基準の軸を表す。図1において、レーザ光11を表す直線はレーザ光11の光軸を表す光線であり、図1中で便宜上レーザ光11を太線で表しているが、図1での光線の太さはレーザ光のビーム径とは無関係である。ここで、光軸はレーザ光を表す代表的な光線であり、レーザ光の中心を結ぶ直線を表す。
レーザ発振器2から出射されたレーザ光12は、ミラー4b、4cを反射して、回動手段6に入射し、回動手段6により公転運動が付与される。その後、レーザ光12は公転運動を伴いながら、広がり角制御手段7、ダイクロイックミラー5を順番に通過して集光レンズ8に入射する。レーザ光11およびレーザ光12はダイクロイックミラー5により重畳される。ダイクロイックミラー5を通過時に、レーザ光12は公転運動を伴っており、レーザ光12の公転軸がダイクロイックミラー5で反射した後のレーザ光11の光軸と一致する。図1において、レーザ光12を表す直線はレーザ光12の光軸を表す光線であり、レーザ光12は回動手段6を通過後に公転運動を伴うため、公転時におけるレーザ光12の上記光線を直線と点線により表す。図1のレーザ光11およびレーザ光12を表す直線は光軸を示しているため重畳していないが、実際にはレーザ光11とレーザ光12の一部が重畳する。また、図1中の楕円の一点鎖線はレーザ光12が公転運動することを便宜上表すために用いている。図1での上記光線の太さはレーザ光のビーム径とは無関係である。
図2は集光レンズ8の入射前後のレーザ光11およびレーザ光12の軌跡を示している。ダイクロイックミラー5により重畳したレーザ光11およびレーザ光12は、集光レンズ8に入射し、加工対象物9の表面にそれぞれ集光するが、この間、レーザ光12は公転運動を維持しており、レーザ光11およびレーザ光12は重畳を維持している。レーザ光11の光軸は集光レンズ8の中心を通過するが、レーザ光12の光軸は集光レンズ8の中心を通過しないため、レーザ光12の光軸は集光レンズ8を通過時に屈折し、その結果としてレーザ光12の光軸はレーザ光11の光軸に対して任意の入射角度θを有する。図2に示すように、レーザ光11が加工対象物9の表面に垂直に入射した場合に、レーザ光12はレーザ光11の光軸に対して傾斜した状態で公転しながら加工対象物9に入射する。このように、集光レンズ8を通過した後のレーザ光12の光軸は擬似歳差運動を有するようになる。ここで、擬似歳差運動とは自転を伴わない歳差運動を表す。レーザ光11の照射により照射部における加工対象物が除去されたことで新たに形成される加工面にレーザ光12が前記擬似歳差運動を伴い入射することで、前記加工面に対してレーザ光12が照射されるようになる。前記加工面にはレーザ光11の照射により生じた加工対象物9の溶融物や蒸発物が付着している。レーザ光12はエネルギー量が小さいが、パルス幅が短くピーク出力が大きいこと、前記溶融物や蒸発物は加工閾値が小さくなることから、レーザ光12は前記加工壁面近傍に存在する加工対象物9の溶融物や再付着した蒸発物を除去する。図2における加工対象物9の表面は平面であるが、同図は実施の一形態であり、本発明を限定するものではなく、加工対象物9の表面形状については制限しない。
前記入射角度θ[deg]は、レーザ光12の公転半径Rm、集光レンズ8の焦点距離fを用いて、
で表される。効率よくレーザ加工を行うためには、図2に示すように集光レンズ8の入射前においてレーザ光11とレーザ光12の一部が重畳している必要がある。このため、レーザ光12の公転半径Rmはレーザ光11のビーム半径Rbより小さいことが望ましい。
加工対象物9が銅など熱伝導率の高い材料の場合には、レーザ光11を加工対象物9に照射した際の反射光によりレーザ発振器1が損傷する危険性がある。このため、波長が短くかつピーク出力が大きいため材料に対する吸収率がより高いレーザ光12を最初に照射し、その後でレーザ光12を照射することが望ましい。レーザ光12の照射により加工痕が形成されることで、前記反射光が低減する。照射の順番はレーザ光11の方が後であるが、レーザ光11はレーザ光12よりも大きいエネルギー量を有しており、加工対象物9に及ぼすレーザ光11の光軸方向の加工速度はレーザ光11の方がレーザ光12よりも速いため、本発明における加工はレーザ光11が主体となって行われる。
レーザ照射により加熱した場合に、加工対象物9の熱伝導率によって加熱温度は変化し、ビーム半径dでビーム中心強度Iのガウシアンビームにより加熱された材料の定常状態における表面で最大となる加熱温度Tは下記の数式3で与えられることが知られている(参考文献:レーザープロセシング、倉田豊、日経技術図書株式会社、1990年3月10日発行、p.25)。ここで、εは前記材料におけるレーザ光の吸収率、Kは前記材料の熱伝導率とする。前記加熱温度はレーザ光の吸収率によっても変化するが、本発明において前記のようにピーク出力の大きいレーザ光12を事前に照射するため、吸収率に対する材料依存性を緩和することができる。レーザ光12のパルス幅が100ピコ秒以上の場合は熱的作用を及ぼすため、レーザ照射部に溶融層を形成するため、前記吸収率を増加させることができる。実際のレーザ加工において、加熱温度が定常状態になる前にレーザ照射が終了することが多いため非定常熱伝導となり、材料の熱拡散率も考慮する必要があるが、熱拡散率は熱伝導率の大小にほぼ比例することから本発明では前記加熱温度を熱伝導率の大きさにより推定する。
前記加熱温度が融点に達すると材料は溶融し、溶融物が生成される。前記加熱温度と融点の温度差が大きいほど、多くの量の溶融物が生成されるため、融点により生成される溶融物の量を推測することができる。加工対象物9の熱伝導率および融点を熱物性として表す。このように、レーザ照射により生成される溶融物の量は前記熱物性により推定することができ、さらに前記溶融物の生成量により前記加工速度を推定できる。例えば、銅の熱伝導率は398[W/(m・K)]でかつ融点は1085℃であり、熱伝導率が約16[W/(m・K)]でかつ融点が約1400℃のステンレス(SUS304)と比較すると銅の熱伝導率はステンレスの24倍以上であることから、前記加熱温度がステンレスよりも大幅に低くなり、融点も比較的高いことから前記溶融物の量は少なく前記加工速度は遅いと推定される。我々は銅とステンレスに対して本発明が適用可能であることを明らかとしているため、熱伝導率が16から398[W/(m・K)]までの金属材料を加工対象とすることは本発明の範囲とする。金属材料は自由電子を有するため、超短パルスレーザ光を除いたレーザ加工は熱的作用により行われる。本発明におけるレーザ発振器1のパルス幅の適用範囲は1マイクロ秒以上である。
レーザ発振器1は連続発振またはパルス発振が可能であり、加工目的や加工対象物9の材質や前記熱物性に応じて適切な発振形態を選択する必要がある。例えば、金属材料をレーザ切断する場合に、銅は高融点でかつ熱伝導率の高い材料であるため、ピーク出力の高いパルス発振が望ましい。反対に、ステンレスは熱伝導率の低い材料であるため、レーザ照射により溶融物が多く生成され、パルス発振でアシストガスを噴射した場合には溶融物が四方に飛散し、切断幅が小さい時には溶融物の再付着が顕著となり、切断性が悪化する。このため、ステンレスのレーザ切断の場合には連続発振することが望ましい。CFRPのような複合材料の場合には融点と熱伝導率が大きく異なる材料で構成されているが、構成要素として使用されている樹脂の耐熱温度が200℃程度であるため、加工対象物に対する熱影響の少ないパルス発振が望ましい。
前記入射角度によって本発明の前記加工速度は変化するため、加工対象物9の前記熱特性に応じて前記入射角度を変化させることが望ましい。銅のような高融点でかつ熱伝導率の高い材料は前記加工速度が遅いため、前記入射角度を小さくすることで前記加工速度を増加することが可能となる。これは、レーザが照射されている領域においてレーザ光11とレーザ光12の重畳している領域が大きい方が効率よく加工が進展するためである。レーザ光12はピーク出力が大きいため熱伝導率が高い材料においても局所的に加工することが可能である。
また、前記入射角度の大きさによってテーパ角度を変化させることが可能であり、テーパ角度0°近傍の加工面を得たい場合には、前記入射角度0.6°を基準として0.5°から0.7°の範囲に設定することが望ましい。ここで、テーパ角度は、前記加工面とレーザ光11の光軸を有する面とが交わる線を直線近似した直線における前記光軸を基準とした角度である。例えば、レーザ光11が加工対象物9の表面に垂直入射する条件において、前記表面に対して前記加工面が垂直に形成された場合にテーパ角度は0°になる。前記テーパ角度の正負について、前記直線の前記光軸を基準とした垂線の長さが前記光軸のレーザ光照射方向に進むに従って短くなる場合を正、反対に長くなる場合を負とする。穴加工の場合に、レーザ光を照射した表面の穴径よりも裏面の穴径の方が大きい場合にテーパ角度は負となる。
レーザ光12はパルス幅が短いことから加工対象に対する熱影響は小さく、レーザ光12のパルス幅を100ピコ秒以下にすることでレーザ光12の照射による熱影響を限りなく低減させることができる。レーザ光12の照射により前記溶融物や蒸発物は蒸散するが、前記蒸散物を速やかに除去するために、アシストガスの吹付けまたは吸引装置による気体の吸引を併用することが望ましい。ここでのアシストガスの吹付けまたは吸引装置による吸引は高速流れ導入手段に該当する。
前記加工壁面近傍では粘性の影響が顕著になるために、アシストガスの吹き付けのような流体力学的なアプローチだけでは加工壁面近傍の溶融物や再付着物を完全に除去することは難しいが、本発明を用いて加工壁面近傍の再付着物を効率的に除去することができる。
以下にレーザ加工装置100の構成例およびステンレス板に対する加工事例を示す。
レーザ発振器1はシングルモードファイバーレーザ(IPG社製YLR−150/1500−QCW)を用いた。前記レーザ発振器1は連続発振およびパルス発振を選択して使用することが可能である。出射端のファイバーレーザのコア径は50μmでる。
レーザ発振器2はサブナノ秒レーザ(COHERENT社製HELIOS532−3−50)を用いた。前記レーザ発振器1の波長は1070nmで、前記レーザ発振器2の波長は532nmであり、パルス幅は繰り返し周波数が16.6kHzの条件で400ピコ秒である。
コリメートレンズ3は焦点距離100mmのコリメートレンズを使用し、集光レンズ8は焦点距離49.4mmのアクロマティックレンズを使用し、本条件での集光径は25μmとなる。
ビーム回動手段6は、ダブプリズム、プリズムホルダー61、モータ62を備えており、前記ダブプリズムは自転可能なようにベアリングを有する前記プリズムホルダー61により保持されており、前記プリズムホルダー61と前記モータ62の回転軸がタイミングベルトにより連結されているため、前記モータ62の回転と同期して前記ダブプリズムが自転する構造となっている。
広がり角制御手段7は、レーザ波長532nm対応のディオプター補正機能付ビームエキスパンダー(シグマ光機社製LBED−3)を用い、公転運動を伴うレーザ光12の集光径が加工対象物9の表面で最小となるようにレーザ光12の広がり角を調整した。
加工対象物9は、厚さ0.5mmのステンレス板(SUS304)を用いた。本条件における板厚とレーザ光11の集光径の比であるアスペクト比は20である。
本実施例でのレーザ照射条件は、レーザ発振器1を連続発振で70W、レーザ発振器2を16.6kHzのパルス発振で、レーザ発振器2のパルスエネルギーを60μJでピーク出力を150kWでかつデューティ比を0.00067%とし、ビーム回動手段6のモータの回転数を2500RPMとし、レーザ光12の入射角度を0.58°に設定した。加工ステージ22を30mm/minの速度で3mm×3mmの切り抜きを行うように走査し、レーザ照射中は高速流れ導入手段21により圧縮空気をレーザ光と同軸で吹きつけた。加工試験は、前記レーザ照射条件に基づき行い、レーザ光11を単独で照射する条件と、レーザ光11およびレーザ光12を重畳させた条件の比較を行った。
本実施例の加工結果を表1に示す。表1はレーザの照射条件を固定し、アシストガスの圧力を3段階に設定した結果である。レーザ光11の単独照射ではアシストガス圧力を0.4MPaまで増加しても切断面にレーザ照射による溶融物が付着して完全な切断に至らなかったのに対して、重畳照射の場合には0.3および0.4MPaで切断が可能であり、重畳照射により溶融物の除去が可能となり、少ないアシストガス圧力で切断が可能となることを確認した。切断したステンレス板を図3に示す。表1の結果はレーザ発振器1を連続照射としたが、パルス照射に変更し同様な加工を行ったが、レーザ光11の単独照射および重畳照射の両方で完全に切断することができなかった。ステンレス板をレーザ光11で連続照射した場合に、溶融物はおおむね斜め後方に飛散するのに対して、パルス照射した場合は四方に飛散しており、飛散方向に偏りが見られなかった。このため、重畳照射の場合でもレーザ光12の照射後の領域に溶融物が再付着した場合には除去が困難となる。ステンレス板は熱伝導率が低いため、金属が溶融した状態で飛散し再付着を引き起こすためと考えられる。このように、本発明において熱伝導率が低い金属材料の切断において、レーザ光11は連続照射が有効であり、パルス照射は適さないことがわかった。
また、レーザ光12の入射角度を0.29°、0.58°、1.2°の3条件として前記のようにステンレス板を切断した。アシストガス圧力は0.4MPaとし、切断の走査方向は一方向とし、その他の条件は前記条件と同様とした。それぞれの入射角度での切断面およびシングルモードファイバーレーザの単独照射での切断面を図4から図7に示す。同図についてレーザの照射方向は図の上から下に向けて照射している。これらの図からわかるように、レーザ光12の入射角度によりテーパ角度が変わることが確認でき、入射角度0.58°のときにテーパ角度が0に近いことがわかった。入射角度1.2°の条件ではテーパ角度が−11°となっており、いわゆる逆テーパ状になっている。前記の結果より入射角度とテーパ角度の関係を示した結果を図8に示す。
次に、銅板に対する加工事例を示す。レーザ加工装置100は下記の記載事項以外は前記実施例1と同様とする。加工対象物9は、厚さ0.5mmの銅板を用いた。
本実施例では穴加工および切断加工を行った。レーザ照射条件として、穴加工はレーザ光12の入射角度を0.29°、0.58°、1.2°の3条件とし、切断加工は、レーザ発振器1を平均出力79Wおよび繰り返し周波数500Hzのパルス発振とし、前記入射角度を0.29°に固定し、加工ステージ22を6mm/minの加工速度で1mm×1mmの切り抜きを行うように走査した。両方の場合でアシストガス圧力は0.4MPaとした。
本実施例の穴加工結果を表2に示す。表2からわかるようにレーザ光11の連続照射70Wの条件では、重畳照射で前記入射角度が0.29°の条件のみ貫通した穴加工が可能となった。レーザ光11の単独照射においても貫通穴を形成することはできなかった。このように、前記入射角度が小さいほうが貫通穴加工に適していることが確認できた。
次に、本実施例の切断加工結果を図9に示す。前記実施例1と異なり、レーザ光11のパルス照射により切断が可能となった。レーザ切断時の観察の結果、溶融物の飛散量がステンレス板の時と比較して銅板の時は少なく、また銅は熱伝導率が高いため、金属は飛散時に冷却され溶融状態を維持し難いため、飛散後の再付着を引き起こしにくいため、パルス照射での切断が可能になると考えられる。
このように、本発明において熱伝導率が高い金属材料の切断において、レーザ光11はパルス照射が有効となることがわかった。
次に、CFRPに対する加工事例を示す。レーザ加工装置100は下記の記載事項以外は前記実施例1と同様とする。加工対象物9は、厚さ2mmのCFRPを用いた。前記CFRPは熱硬化性樹脂を用いたものである。
本実施例でのレーザ照射条件は、レーザ発振器1を平均出力9.5Wおよび繰り返し周波数50Hzのパルス発振、レーザ発振器2を30kHzのパルス発振で、レーザ発振器2のパルスエネルギーを48μJとし、ビーム回動手段6のモータの回転数を1000RPMとした。加工ステージ22を60mm/minの加工速度で1軸方向に走査した。加工試験は、レーザ光11を単独で照射する条件と、レーザ光11および入射角度1.2°でレーザ光12を重畳させた条件の比較を行った。
本実施例の加工結果を図10および図11に示す。図10および図11はそれぞれレーザ切断面のSEM像を示している。SEM観察は加工後のサンプルを金属蒸着などの前処理なしの条件で撮影を行った。図10は前記レーザ光1の単独照射の結果であり、図11はレーザ重畳させた条件の結果である。また、図12は図10の中心部を、図13は図11の中心部をそれぞれ拡大して撮影した結果である。これらのSEM観察像は金属蒸着などを行っていないため、レーザ加工により生じた再付着物は表面積が大きいため電荷のチャージアップしやすく、白く映ると考えられる。図10から図13の結果から分かるようにレーザ光1の単独照射の結果は画像のコントラストが大きく、再付着物が見受けられるが、重畳した結果では画像のコントラストが低く、再付着物が抑制されている。
1 シングルモードファイバーレーザ発振器
2 パルスレーザ発振器
3 コリメートレンズ
4a ミラー
4b ミラー
4c ミラー
5 ダイクロイックミラー
6 回動手段
7 広がり角制御手段
8 集光レンズ
9 加工対象物
11 シングルモードファイバーレーザ光
12 パルスレーザ光
20 制御手段
21 高速流れ導入手段
22 加工ステージ
61 プリズムホルダー
62 モータ
100 レーザ加工装置
θ 入射角度
Rb シングルモードファイバーレーザ光のビーム半径
Rm パルスレーザ光の公転半径

Claims (3)

  1. シングルモードファイバーレーザによる加工方法であって、レーザ加工の対象となる加工対象物の熱伝導率および融点である熱物性に応じて連続発振またはパルス発振を選択して行うレーザ発振手段を有するシングルモードファイバーレーザ発振器から出射される中心波長が近赤外線領域であるレーザ光の光軸を公転軸として公転する中心波長が可視光領域でかつ1ナノ秒以下のパルス幅と40μJ以上のパルスエネルギーを有するパルスレーザ光が前記加工対象物表面に集光した後に、前記シングルモードファイバーレーザ光と前記パルスレーザ光の一部が重畳した状態で、集光レンズ内に入射し、前記パルスレーザ光が任意の公転半径で公転運動を維持した状態で、前記シングルモードファイバーレーザ光と前記パルスレーザ光が前記加工対象物表面の同一箇所に集光することで、前記光軸を基準として前記公転半径を前記集光レンズの焦点距離で除した値の逆正接から得られる入射角度を有する前記パルスレーザ光が前記シングルモードファイバーレーザ光および前記パルスレーザ光の集光により前記加工対象物に新たに形成される加工面に対する入射方向を変化させながら、前記熱物性に応じて前記入射角度が1.2°以下の範囲で前記加工面に入射することで、前記加工面の形状を変化させることおよび前記加工面に後処理加工を付与することを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 前記熱伝導率が16から398W/(m・K)までの金属材料または炭素繊維と樹脂から構成される炭素繊維複合材料を前記加工対象物とすることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. シングルモードファイバーレーザによる加工装置であって、中心波長が近赤外線領域であるレーザ光を連続発振またはパルス発振する前記シングルモードファイバーレーザ発振器と、中心波長が可視光領域でかつ1ナノ秒以下のパルス幅と40μJ以上のパルスエネルギーを有するパルスレーザ光を発振するパルスレーザ発振器と、前記レーザ光および前記パルスレーザ光に対する色収差補正および球面収差補正がなされた集光レンズと、前記パルスレーザ光を任意の軸を公転軸として任意の公転半径で公転させるビーム回動手段と、前記公転軸が前記レーザ光の光軸と一致するように前記レーザ光を反射しかつ前記パルスレーザ光を透過するダイクロイックミラーと、前記レーザ光を平行光にコリメートするコリメートレンズと、前記光軸方向に対する前記パルスレーザ光の焦点位置が前記レーザ光の焦点位置と一致するように前記パルスレーザ光の広がり角を制御する広がり角制御手段と、前記レーザ光および前記パルスレーザ光の照射により生じる溶融物や蒸発物を気体の高速流れを利用して除去する高速流れ導入手段とを少なくとも備え、前記公転半径を前記集光レンズの焦点距離で除した値の逆正接から得られる入射角度が1.2°以下となるように設定することで、前記シングルモードファイバーレーザ光および前記パルスレーザ光の集光により前記加工対象物に新たに形成される加工面の形状を変化させることおよび前記加工面に後処理加工を付与することを特徴とするレーザ加工装置。
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