JP5384354B2 - レーザー加工方法及びシステム - Google Patents

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Description

本発明は、加工領域に案内された多重レーザービームを使用した切断方向におけるワークピースのレーザー切断加工方法及びシステムに関する。
レーザー切断及びレーザー溶接等のレーザー加工は、様々な材料を加工するために広く使用されている。レーザー加工のために代表的に使用されるレーザーは、COレーザー又はNd−YAGレーザーである。
一例として、材料が導電性であるか非導電性であるか、硬質か軟質かにかかわらず、COレーザー又はNd−YAGレーザー等のレーザーが、事実上全ての種類の材料のレーザー切断のために広く使用されている。レーザー切断のための代表的なセットアップは、レーザーと、ビーム案内及び集束光学系と、レーザービームとワークピースとを互いに移動させる手段と備える。メルトブロータイプの加工において、レーザー切断は、切り口から溶融材料に吹き飛ばすようにレーザービーム周囲に同心に配置されたノズルを介したアシストガスの噴射によって補助される。
しかしながら、COレーザーは、ビームが金属蒸気の溜まりに強く吸収され、直ちに溜まり内の分子をイオン化し、したがって、さらなるプラズマの吸収を発生させるという欠点を有する。
Nd−YAGレーザーの1つの主たる問題は、例えば低いM値によって表現されるような良好なビーム品質を有する高出力レーザーを製造するのが困難であるということである。
さらに、ディスクレーザー及びファイバレーザーが、非常に低いビームパラメータ積(BPP)を有するとして知られている。しかしながら、知られているシングルモードファイバレーザーの出力は、1000W未満に限定されている。
切断深度及び加工速度は、ワークピースによって吸収されるエネルギ及び切り口から溶融材料を除去する能力によって決定される。知られているレーザー切断加工において、これらの課題は、レーザー出力及びアシストガスの圧力を増加することによって達成される。多くの制約が、この手段によって直面させられている。
1つの制約は、切断前線に向けての加工ビームの光路を損なう切り口内及び切り口外の過度の蒸発溜まりの形成である。これは、特に、キーホール形成に基づく加工の問題である。蒸気によるレーザーエネルギの吸収は、さらなるプラズマの吸収を発生させる蒸気内の分子のイオン化をもたらす。
この手段のさらなる制約は、アシストガスが、ノズルとワークピース表面との間の領域において、また、切り口内に向けての及び切り口を通って、ノズル自体における圧力降下を被るということである。したがって、深い切り口において、溶融ビームによって溶融した材料を効果的に除去するのに十分である切り口の底部におけるアシストガスの圧力を実現するのは困難である。これらの制約は、例えば切断品質に影響を及ぼし、粗い切断エッジやバリ等の欠陥をもたらす。例えばCOレーザーを使用したレーザー切断等のいくつかの加工は、良好な切断品質に与えることができるが、切断速度が遅い。
特開第2004−358521号公報は、多数の二次ビームが実質的に同一の光軸を有する一次ビームに対して重畳されてワークピース内で異なる高さに集束されるレーザー加工方法を開示している。重畳されたビームは、ワークピースから材料を溶融して蒸発させ、これにより、単一のキーホールを形成する。ワークピースは、ワークピースとレーザービームとを互いに移動させることによって曲面に沿って加工され得る。アシストガスを加えることにより、レーザービームによって発生された溶融物は、ワークピースから排出され得、これにより、曲面に沿ってワークピースを切断することができる。
米国特許第4,870,244号明細書は、ワークピースを部分的に溶融するための第1のビームと、溶融物内でデトネーション衝撃波を生み出すように第1のビームのものと同一のスポットに向けられることによって加工領域からの溶融物であってワークピースから離れた溶融物の少なくとも一部に集束されたQスイッチレーザーからのタイミングが正確なレーザーパルスとを使用したレーザー穴加工又は切断方法を開示している。開示された方法は、実行可能な高速切断を許容しない。Qスイッチレーザーからの短くて強烈なレーザーパルス及び発生されたデトネーション波は、溶融物内で十分な乱流をもたらす傾向があり、切断速度及び切り口の品質に強く影響を及ぼす。さらにまた、方法を実行するシステム、とりわけQスイッチレーザーとQスイッチレーザーからのレーザーパルスの発射を制御する正確な制御装置を必要とするシステムの複雑さに欠点がある。
本発明の目的は、上述した制約を克服するレーザー加工方法を提供することである。
これは、いわゆる溶融ビームである少なくとも1つの第1のレーザービームが、溶融物を発生させてキーホールを形成するようにワークピース材料に結合されており、いわゆる溶融物排出ビームである少なくとも1つの第2のレーザービームが、溶融物の表面から材料を蒸発させ、加工領域から溶融物の少なくとも一部を押し出すための高圧をクヌーセン層内に与えるように、溶融物の選択された表面領域上に案内され、これにより、切断前線及び側壁を有する切り口を形成する、多重レーザービームを使用したレーザー加工方法によって得られる本発明にしたがっている。クヌーセン層における高圧は、加工領域から溶融物の十分に規則的な流動を形成するように与えられるのが好ましい。
簡潔に説明するために、以下の用語がレーザー加工を説明するために使用される。
レーザー加工は、加工曲面に沿った加工方向における少なくとも1つのワークピースに対してレーザービームを移動することによって上記加工曲面に沿って、ワークピース、又は、多数の当接している若しくは重なり合っているワークピースに適用される。
少なくとも1つのワークピースは、一般に、平面であるか、又は、曲面若しくは3次元形状を有することができるシート材料から作られている。ワークピース上の所与の地点におけるワークピースの平面は、上記地点におけるワークピースに対する接線平面として画定されている。上記地点におけるワークピースの表面法線は、ワークピースから離れる方向に位置する接線平面上の対応する法線ベクトルとして画定されている。
加工曲面の各点において、加工曲面に対する接線は、上記地点についての対応する加工方向を与える。加工方向は、ワークピース表面の平面と平行であり、上記地点において対応するワークピースの表面法線に対して直交している。
用語「水平」は、ワークピースの平面と実質的に平行な方向を指す。用語「縦」は、加工方向と実質的に平行である水平方向を指す。用語「横」は、要素の水平分布によって特徴付けられる配置を指す。用語「垂直」は、ワークピースの平面に対して実質的に垂直な方向を指す。
少なくとも1つのワークピースは、第1の半空間に面している第1の側面と、第2の半空間に面している第2の側面とを有する。本出願において、第1の側面は、正面と称され、第2の側面は、ワークピースの裏面と称される。第1の半空間は、「上方」又は「上側」と称され、第2の半空間は、「下方」又は「下側」と称される。上方から下方の半空間へと指示するベクトル成分を有する方向は、「下向き」と称され、下方の半空間から上方の半空間へと指示するベクトル成分を有する方向は、「上向き」と称される。加工方向と平行なベクトル成分を有する方向は、「前方」と称され、加工方向と非平行なベクトル成分を有する方向は、「後方」と称される。
多重レーザービームとワークピースとを互いに移動させることにより、切り口は、切断曲面に沿った切断方向に形成される。レーザー加工についての上述した定義は、レーザー切断について対応して適用する。
溶融ビームは、切断前線においてワークピース材料を溶融する。溶融物は、切断前線から離れるように押し出され、切り口から下向き方向に、及び/又は、切り口の側壁に沿って溶融ビームの周囲の水平な後方に流れ得、最終的には溶融ビームを囲む。
溶融物排出ビームを用いて溶融物の表面を局所的に加熱することにより、材料は溶融物の表面から蒸発する。したがって、溶融物の表面から強制的に離れさせられる粒子の反跳は、いわゆるクヌーセン層として知られている層において、溶融物の表面のごく近傍における十分なガス圧を発生させる。この蒸発圧は、所望の方向に溶融物の流動を押し出し、切り口から離れて且つ外部へと溶融物を効率的に吹き飛ばす。
有利には、本発明によれば、溶融物排出ビームは、溶融物の流動を押し出すために必要とされる蒸発圧を発生させて提供するために、溶融物の選択された表面領域に案内され得る。この目的のために、少なくとも1つの溶融物排出ビームによって形成されるエネルギの空間分布は、断面出力密度分布(ビームプロファイル)を形成することにより、及び/又は、複数の溶融物排出副ビームを配置することにより、少なくとも1つの溶融物排出ビームの断面形状を選択することによって配置され得る。例えば、溶融物溜まりの外側に存在するガウスビームプロファイルの袖における出力密度が、固体のワークピース材料を溶融するための閾値を超えず、ガウスビームの残りのコアが切り口から溶融物を排出するために溶融物の表面から材料を蒸発させるのに十分な出力密度を形成するように、ガウスビームプロファイルを有する溶融物排出ビームは、溶融物溜まり幅を超える直径を有するように選択され得る。
本発明に係るレーザー切断方法の重大な効果は、切断前線から溶融物溜まりまで且つワークピースから外部への溶融物の流動が、高強度の溶融ビーム及び溶融物排出ビームの留意深い配置によって制御されるということであり、これにより、規則的な溶融物の流動が実現される。実際には、本発明に係るレーザー切断方法によって実現される驚くほど規則的な溶融物の流動は、高い切断速度で厚いワークピースを切断する場合に、かつてない切断品質を提供する。
より複雑な溶融物排出出力密度の空間分布による溶融物の流動及び溶融物の排出を制御するための他の構成が考えられ得る。そのような構成は、非ガウスビームプロファイルを有する副ビームを含む多重溶融物排出副ビームの配置を備えることができる。
溶融ビーム及び溶融物排出ビームに与えられるレーザー出力はまた、溶融するためにワークピースに受け渡されるエネルギを制御し、溶融物の流動を制御し、溶融物を排出するために、適時に調整され得る。少なくとも1つの溶融ビーム及び少なくとも1つの溶融物排出ビームは、双方とも、連続波(cw)又はパルスレーザー源から与えられ得る。
レーザー蒸発によって与えられる圧力は、狭い切り口の内部でアシストガスを用いて実現され得る圧力を間違いなく超えることができる。したがって、本発明に係る方法における溶融物排出は、アシストガス排出を使用する知られている加工よりも効率的である。本発明に係る方法は、アシストガスを用いることなく遠隔レーザー切断を可能とするというさらなる利点を有する。アシストガスが他の理由のために加工において必要とされる場合において、本発明に係る加工は、実質的にアシストガスの消費を少なくとも低減する。
好ましくは、溶融物排出ビームは、溶融ビームの後方、すなわち、切断前線の反対側の選択された表面領域上に案内され、実際には、溶融材料が再凝固する前に切り口から下向き方向に溶融材料を除去するために、垂直方向又は垂直方向から僅かに傾けられた方向に向けられる。この配置は、切断前線から離れる溶融物の流動が、溶融ビーム周囲で且つ切り口の側壁に沿って主に水平方向に起こる場合に、高い切断速度での及び/又は深い切り口における溶融物排出のために特に有利である。
さらに、本発明によれば、少なくとも1つの溶融物排出ビームは、切断方向を横切って延在しており且つ形成されるべき切り口と本質的に一致する幅を有する溶融物の流動障壁を形成するように設けられている。
本実施形態において、溶融物排出ビームは、溶融物の一方の側面から他方の側面まで水平方向に延在しており、したがって、加工方向に対して垂直な方向における溶融物の全幅を基本的にカバーしている。
切断作業中に、溶融物排出ビームは、溶融物と相互に作用し、クヌーセン層は、溶融物排出ビームが溶融物にあたる溶融物の表面に形成される。
クヌーセン層は、ワークピースの全厚にわたって延在している溶融物の表面を形成して保持するために局所的な圧力を与える。これにより、クヌーセン層は、ワークピースの平面内を溶融物がさらに流れるのを実質的に防止するように作用し、加工が進むのにともなって切断曲面に沿ってワークピースにわたって広がる水平に限定された溶融物溜まりを形成する。
切断前線、ワークピース、及び、溶融物排出ビームによって形成される溶融物の流動障壁による溶融物の水平の制限に起因して、溶融物は、下向き及び/又は上向き方向におけるワークピース平面からの方向に加工領域から強制的に離れさせられ、切り口は、溶融物溜まりの後方に形成される。
上向きに排出された溶融物は、例えば加工光学系を汚染したり、所定の加工システム構成においてワークピースの上側表面上に再堆積したりする可能性があることから、上向き方向における溶融物排出は、実際には、大抵望ましくない。したがって、好ましい実施形態において、溶融物が上向き方向に逃げるのを防止するために、追加の圧力が上側から加えられる。追加の圧力は、アシストガスによって、又は、上側から加えられる少なくとも1つのさらなる溶融物排出ビームによって与えられ、溶融物溜まりを基本的にカバーしてもよい。障壁を介した溶融物の漏洩が、例えば、切り口の側壁に沿って起こる場合において、少なくとも1つのさらなる溶融物排出ビームによってカバーされる表面は、上向きへの排出を防止するために後方に延在するように、及び/又は、漏洩溶融物への下向きの排出圧力を与えるように向けられてもよい。追加の圧力はまた、アシストガスと少なくとも1つのさらなる溶融物排出ビームの配置との組み合わせとして与えられてもよい。
上述したように、切断前線の反対側の背面上の溶融物溜まりの制限は、溶融物との溶融排出ビームの相互作用によって形成されたクヌーセン層を用いて形成されて保持される。溶融ビームによって発生される溶融物のための効率的な障壁を形成するために、溶融物排出ビームは、水平な溶融物の流動によって増加する圧力に対応するクヌーセン層における圧力を与えるのに十分な出力を有するべきである。遮断障壁を形成して保持するために必要とされるレーザー出力密度は、遮断出力密度と称されることがある。遮断出力密度は、溶融物排出ビームに向かう後方において水平に流れる溶融物によって及ぼされる岐点圧によって決まる。
僅かに後方に向くことによって要素に下向き方向に圧力を与えるクヌーセン層を形成して保持するように、溶融物の流動障壁を形成する少なくとも1つの溶融物排出ビームは、垂直方向に対して傾けられ得、これにより、優先的には上向き方向よりも下向き方向に溶融物をワークピースから強制的に離れさせることができる。
さらに、本発明によれば、少なくとも1つの溶融物排出ビームは、溶融ビームの方に面している側面上において本質的に凹状表面を有する溶融物の流動障壁を形成するように設けられている。凹状の溶融物の流動障壁は、好ましくは溶融物溜まりと固体のワークピース材料との間の固体液体界面にできる限り近い溶融物溜まりの側壁から溶融物を「こすり」落とし、中央における凹状表面の底部に向かって溶融物の流動を案内するのに適している。
切り口の側壁に沿った基本的に溶融物の流動を遮断する前方に向いた凹状の溶融物の流動障壁の先端として、こすり効果が起こる。溶融物の流動は、障壁周囲で溶融物の漏洩をもたらす側壁に沿って先端周囲を通過する第1の部分と、中央線に向かって先端周囲で逸らされる溶融物の流動の第2の部分とに分割される。そして、水平な溶融物の流動の第2の部分は、溶融物排出ビームによって形成された凹状の障壁によって閉じ込められ、水平から外れた方向、すなわち、ワークピースから離れて上向き及び下向き方向に逃げる傾向がある。これにより、切り口が形成される。
先端における曲面の直径が小さくなるほど、溶融物と固体のワークピース材料との間の固体液体界面に近くに先端が配置され得、これにより、溶融物の流動障壁周囲の漏洩量を低減し、「こすれ効果」の効率を増加させる。
上述したように、好ましい実施形態において、溶融物排出は、上側から追加の圧力を加えることによって下向き方向に強いられ得る。追加の圧力は、アシストガス及び/又は少なくとも1つのさらなる溶融物排出ビームの配置によって与えられる。
切断前線の反対側の溶融物溜まりの背面上の溶融物溜まりを「封止する」クヌーセン層を有する溶融物の表面を形成するために必要とされる最小出力は、主に、溶融物が加工において発生される速度によって決定される。したがって、障壁形成溶融物排出ビームの出力密度は、特には溶融物排出ビームの出力密度及び偏光、ワークピースの材料特性、並びに、ワークピース及び加工ビームが互いに移動されるときの切断速度によって決まる。溶融ビーム出力の10%から20%の障壁形成溶融物排出ビームの出力は、十分であり得る。しかしながら、所定の構成は、溶融ビーム出力の100%までからなる溶融物排出ビームのより大きな出力を必要としてもよい。
さらに、本発明によれば、溶融物の流動障壁は、V字状の横断面を有する。
本発明の1つの有利な実施形態において、障壁は、V字状に配置された、重なり合っている副ビームによって形成される。副ビームは、円形又は楕円横断面を有することができ、切断前線から離れて後方を向いたV字の底端部を有する溶融物を横切る障壁として配置されたV字状構成に配置され得る。
溶融物の流動障壁を形成する個々の副ビームは、僅かに後方に向くことによって要素に下向き方向に圧力を与えるクヌーセン層を形成して保持するように、垂直方向に対して傾けられ得、これにより、優先的には上向き方向よりも下向き方向に溶融物をワークピースから強制的に離れさせることができる。
特に、ワークピース法線と個々の副ビームとの間の傾き角度は、最も外側のビームから最も内側のビームに向かって増加することができる。端部から障壁の中央に向かって傾き角度が徐々に増加する副ビームの配置は、溶融物の流動が、溶融物と固体のワークピース材料との間の固体液体界面から「こすり」落とされて溶融物の流動障壁の中央に向かって案内されるのにともない、主に水平方向から下向き方向に溶融物の流動を徐々に向け直すように作用し、最終的には下向き方向に優先的に溶融物を排出する。
個々の副ビームはまた、切断方向に対して垂直な平面内の角度成分だけ傾けられ得る。特に、厚いワークピースにわたる大きい断面において、頂部から底部に向かってより狭くなる下向き方向における溶融物溜まりの傾向がある。さらにまた、特に最も外側の副ビームによる端部に沿った溶融物のこすりは、レーザービームがワークピースにわたって広がるのにともない、より非効率的となり得る。この効果は、固体液体界面に向かう成分を有する方向に向けるように、特に最も外側の副ビームを傾けることによって補償され得る。
溶融物の流動障壁を形成する個々の副ビームは、異なるビーム径を有することができる。特に、最も外側の副ビームは、好ましくは、固体のワークピース材料から液体の溶融物を効率的にこすり落とすために固体液体界面にできる限り近くに生じるように、できる限り小さいビーム径を有する。
基本的にワークピースの深さ全体にわたって最小の可能なビーム径を保持するために、特に、最も外側の副ビームが、例えばファイバレーザー又はディスクレーザーによって与えられるような低いビームパラメータ積を有するのが好ましい。
上述した有利な実施形態のさらなる発展例において、最も外側の副ビームが、2倍の周波数、3倍の周波数、及び/又は、4倍の周波数から提供され、これにより、最も外側の副ビームの最小の実現可能なビームパラメータ積を低減する。より低いビームパラメータ積のおかげで、所与厚みのワークピースを加工するために必要とされる所与の焦点深度について、より小さいビーム径が実現され得る。焦点深度は、レイリー長の単位で表現され得る。限定しないが焦点深度についての実際的な条件は、レイリー長の2倍がワークピースの厚みと本質的に一致するということである。
本発明に係る他の有利な実施形態において、凹状の溶融物の流動障壁は、V字状の第1の枝部を形成する長方形の横断面を有する少なくとも1つの第1の副ビームと、V字状の第2の枝部を形成する長方形の横断面を有する少なくとも1つの第2の副ビームとを含む、V字状に配置された、重なり合っている副ビームによって形成される。この実施形態は、2つの光シート、すなわち、長方形の略線状横断面を有するビームの配置として考えることができ、光シートの平面は、切断前線から離れて後方を向いたV字の底端部を有する溶融物を横切る障壁として配置された上述したV字状構成を形成するように共通角度で配置される。
本発明に係るさらに他の有利な実施形態において、溶融物の流動障壁を形成する少なくとも1つの溶融物排出ビームは、回折光学素子(DOE)を介して提供される。この実施形態において、障壁は、回折光学素子(DOE)を用いて適切なビームプロファイルを有するようにレーザービームを直接的に形作ることによって形成される。実際には、適切なビームプロファイルは、切断前線から離れて後方を向いた凹状形状の底部を有する溶融物を横切る障壁として配置された上述した凹状の構成を有することができる。
上述した有利な実施形態のさらなる発展例において、少なくとも1つの溶融ビームを含むレーザー切断用の多重レーザービームは、単一のDOEを使用して提供され、これにより、レーザー切断のためのシステムの複雑さを低減する。多重レーザービームは、単一のレーザー源から提供され得る。
さらに、本発明によれば、さらなる溶融物排出ビームは、ずらして(staggered)配置された切断方向における少なくとも1つの溶融物排出ビームの後に続くように配設されている。溶融物の流動障壁を形成するさらなる溶融物排出ビームのそれぞれは、切断方向を横切って延在しており且つ形成されるべき切り口と本質的に一致する幅を有する。溶融物排出ビームを形成する第1の障壁を介した漏洩は、1つ以上の後の障壁によって収集され得、これにより、障壁の全体的な配置を介して水平な溶融物の流動の漏洩を低減することができるため、障壁形成溶融物排出ビームのずらした配置は、溶融物排出を改善し、これにより、切り口側壁の品質を改善するのに有利である。
さらに、本発明によれば、少なくとも1つの溶融物排出ビームは、切り口の側壁に沿って溶融ビームの後に続くように配置された少なくとも2つの溶融物排出ビームを含む。これらの溶融物排出ビームは、切り口の側壁に沿って溶融物の流動の少なくとも一部を排出するための蒸発圧を発生させ、内側に向けられた溶融物の流動を形成する。これらのレーザービームは、切断と同じ工程内で切り口の側壁を熱的に加工するために整形ビームとして同時に作用することができる。整形ビームは、バリ及び条痕を回避及び/又は除去するために、そして、切断エッジをきれいにするために、追加のレーザー加工を可能とする。
さらに、本発明によれば、少なくとも2つの溶融制御ビームが、切り口の側壁に沿って溶融ビームの後に続くように配置されており、内側に向けられた溶融物の流動を形成する。これにより、溶融制御ビームは、切り口の側壁から離れて切り口の中央に向かって溶融物の流動の少なくとも一部を案内する。
上述した実施形態のさらなる発展例において、溶融物溜まりの側面に沿って溶融ビームの後に続くように配置された少なくとも2つの溶融物排出ビーム及び/又は溶融制御ビームは、10mm*mrad未満、あるいは5mm*mrad未満、あるいは1mm*mrad未満、あるいは0.5mm*mrad未満のビームパラメータ積を有する。これにより、液体溶融物と固体のワークピース材料との間の固体液体界面にできる限り近くに障壁の最も外側の先端を持って来ることが実現され、これにより、側壁に沿った水平な溶融物の流動の漏洩を最小に低減する。少なくとも2つの溶融物排出ビーム及び/又は溶融制御ビームはまた、切り口の側壁を整形するために固体液体界面を横切って配置され得る。
上述した小さいビームパラメータ積を有するレーザーは、本出願において高強度レーザーと称される。その例は、ディスクレーザー及びファイバレーザーである。
さらに、本発明によれば、少なくとも2つの溶融物排出ビーム及び/又は溶融制御ビームのそれぞれは、平均出力周辺で変動する瞬時出力を有し、平均出力からの瞬時出力の偏差は、平均出力の略10%未満、あるいは5%未満、あるいは1%未満、あるいは0.5%未満である。
さらに、本発明によれば、少なくとも2つの溶融物排出ビーム及び/又は溶融制御ビームのそれぞれは、平均エネルギ密度分布周辺で変動する瞬時空間エネルギ分布を有し、各点における平均空間エネルギ密度分布からの瞬時空間エネルギ密度分布の偏差は、その点における平均エネルギ分布の10%未満、あるいは5%未満、あるいは1%未満、あるいは0.5%未満である。
上述した安定性基準を満たすレーザーについての例は、ディスクレーザー及び特にファイバレーザーである。
有利な実施形態において、少なくとも2つの溶融物排出ビーム及び/又は溶融制御ビームは、ファイバレーザー又はディスクレーザーから提供される。
上述した実施形態のさらなる発展例において、少なくとも1つの溶融ビーム及び/又は少なくとも1つの溶融物排出ビームは、10mm*mrad未満、あるいは5mm*mrad未満、あるいは1mm*mrad未満のビームパラメータ積を有する。そのような低いビームパラメータ積によって特徴付けられるレーザーにおいて、レーザーエネルギは、切断用に適用される従来のレーザーと比較して、より小さい全出力を必要とする大幅により小さい焦点上に集中させることができ、同程度又はさらに高い焦点における強度をさらに実現することができる。溶融ビームとして低いビームパラメータ積を有するレーザーを適用することは、所与のレーザー出力について、焦点にレーザーを集中させた場合に、より高い強度が実現され得るため、溶融加工のために有利である。これにより、実現されたより高い強度は、より高速な切断前線伝播をもたらす。さらにまた、キーホール形成は、より小さいレーザー出力で且つより少ないプラズマ形成によって実現され得る。さらなる効果は、より小さいビーム幅に起因して、より小さい切り口が得られ得るということである。狭い切り口からの効率的な溶融物排出は、溶融物排出ビームを用いて実現される。
最新のファイバレーザーは、低いビームパラメータ積によって特徴付けられるレーザービームを提供することができる。例は、1μmから1.5μm、実際には代表的に1.07μmの波長で0.4mm*mradのビームパラメータ積を有するシングルモードファイバレーザーである。
さらに、本発明によれば、少なくとも1つの溶融ビーム(2)及び/又は少なくとも1つの溶融物排出ビーム(6)は、平均出力周辺で変動する瞬時出力を有し、平均出力からの瞬時出力の偏差は、平均出力の略10%未満、あるいは5%未満、あるいは1%未満、あるいは0.5%未満である。
さらに、本発明によれば、少なくとも1つの溶融ビーム(2)及び/又は少なくとも1つの溶融物排出ビーム(6)は、平均出力密度分布周辺で変動する瞬時空間出力密度分布を有し、各点における平均空間出力密度分布からの瞬時空間出力密度分布の偏差は、その点における平均出力密度分布の10%未満、あるいは5%未満、あるいは1%未満、あるいは0.5%未満である。
レーザービーム全体の空間出力密度分布のビーム品質及び安定性は、M値の安定性の単位で定義され得る。有利には、本発明に係る方法を実施するために使用される多重レーザービームのうちの少なくとも一部は、1.5未満、あるいは1.2未満、あるいは1.1未満、あるいは1.05未満のM値を有し、平均のM値からの瞬時のM値の偏差は、平均のM値の20%未満、あるいは10%未満、あるいは5%未満、あるいは1%未満である。
モードホッピング等によって引き起こされるノイズ等、レーザーのノイズは、出力及び/又はレーザーによって形成されるエネルギの空間分布の変動をもたらすことがある。キーホール形成ビームのための上述したビーム品質及び安定性の要求を満たすレーザービームを使用することにより、10μmから50μmの内径を有するいわゆるマイクロキーホールが溶融物溜まりに形成され得、レーザー切断加工中、安定に保持され得る。
したがって、加工領域に、特に溶融物溜まりの端部内若しくは端部に案内された溶融ビーム及び/又は溶融排出物ビームによって形成されたマイクロキーホールは、溶融物の流動を効率的に制御して安定させ、溶融物の流動内の乱流を低減するように作用し、これにより、さらに高速な切断速度で切断エッジをきれいにする。
上述した安定性基準を満たすレーザーについての例は、ディスクレーザー及び特にファイバレーザーである。
上述した実施形態のさらなる発展例において、少なくとも溶融ビーム及び/又は少なくとも1つの溶融物排出ビームは、ファイバレーザー又はディスクレーザーによって提供される。
さらに、本発明の1つの態様によれば、溶融ビームは、多数の横向きに配置された副ビームを含む。副ビームの横向きの配置は、ビーム強度プロファイルを適応させることによって溶融物の形成及び溶融物の流動を制御するのを可能とする。
上述した実施形態のさらなる発展例において、横向きの副ビームのそれぞれは、分離したキーホールを形成するように適応されている。所定の切断用途のために、より広い溶融領域を有するのが望ましい。そのような用途において、キーホールの横向きの配置が溶融物の流動を安定させるように作用することから、単一ビームの強度及びビーム幅を増加するよりはむしろ、同じ溶融物溜まり内で同時に多数の横向きに配置されたより小さいキーホールを発生させるのが有利であり得る。そのような配置において、溶融前線に最も近いキーホールを形成するビームは、固体のワークピース材料の溶融に主に寄与する一方で、残りのビームは、溶融物の流動を制御及び/又は安定させるために溶融物溜まり内でキーホールを形成するように配置される。実際には、これらのキーホールは、10μmから50μmの代表的な内径を有するいわゆるマイクロキーホールとして形成される。マイクロキーホールの形成は、ビームパラメータ積(BPP)、出力安定性、及び、モード安定性についての上述した値を有するレーザービームを使用することによって実現され得る。
より小さいキーホールの配置において、切断前線から溶融ビームの後方の溶融物溜まりまでの各キーホール内の溶融物の流動経路は、同じ大きさの溶融物溜まりを有する対応する単一ビーム配置におけるものよりも短い。結果として、切断前線から離れる溶融物の塊の移動は、切断前線における溶融層の厚みを薄く保持するのにより効率的であり、これにより、切断前線におけるワークピース材料内にレーザーエネルギを結合するための結合効率を高め、これにより、切断速度を増加させる。溶融物溜まりにおけるキーホールの横向きの配置はまた、溶融物溜まり内の乱流を低減し、これにより、溶融物の流動を安定させる。
さらにまた、それぞれの横向きの副ビーム内の出力は、同じ大きさの溶融物溜まりを有する対応する単一ビーム配置におけるものよりも大幅に小さい。したがって、分散されたキーホール形成は、単一ビーム配置と比較して、過度のプラズマ形成を回避する。
さらに、本発明によれば、溶融ビームは、切断方向と本質的に同一線上に縦方向に配置されて同じキーホールに向けられた多数の副ビームを含む。
上述した実施形態のさらなる発展例において、縦方向に配置された副ビームの焦点は、ワークピースの異なる垂直高さに配置される。同じキーホールにおける溶融副ビームの垂直配置において、溶融及び蒸発のためのレーザーエネルギは、切断前線を越えて垂直に分散される。これにより、蒸気柱及びプラズマ形成は低減し、高強度がキーホールにわたってより容易に保持され得る。したがって、知られているレーザー切断方法と比較して、より高い侵入深さ、より高い切断速度、及び、よりきれいな切断が、この配置によって実現される。
本発明に係るさらなる実施形態において、溶融ビーム及び/又は溶融物排出ビームのうちの少なくとも1つからのレーザーエネルギは、パルスで与えられる。パルスは、規則的な溶融物の流動を発生させるような速度で与えられる。
実際には、以下の溶融ビーム特性と溶融物排出ビーム特性との組み合わせが考えられ得る。ビーム強度プロファイルの以下の記載は、厳密に理解されるべきではないが、対応するレーザービームの特性を基本的に記載している。
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さらに、本発明によれば、少なくとも1つの溶融ビーム及び/又は少なくとも1つの溶融物排出ビーム及び/又は溶融制御ビームは、直線偏光されている。本発明に係るレーザ切断方法において直線偏光された光を使用することは、所定の用途の要求にしたがって材料内へのレーザー光の結合を最適化するのを可能とする。直線偏光された光の使用のさらなる利点は、ファラデーアイソレータが、後方反射された光が送信ファイバ及び/又はレーザー空胴に入射するのを防止するために使用され得るということである。
本発明に係る好ましい実施形態において、少なくとも1つの溶融ビームは、入射面と平行な方向に直線偏光されており、各瞬間の入射面は、切断の方向と整合されている。入射面と平行な直線偏光された、すなわち、入射面内で振動する電界を有する(p偏光)溶融ビームは、切断前線においてワークピース材料内に結合されるレーザーエネルギを増加させ、したがって、切断速度を高める。
本発明に係る他の好ましい実施形態において、少なくとも1つの溶融ビームは、入射面に対して垂直な方向に直線偏光されており、各瞬間の入射面は、切断の方向と整合されている。入射面に対して垂直に直線偏光された、すなわち、入射面に対して垂直に振動する電界を有する(s偏光)溶融ビームは、切断前線以外における溶融ビームの両側においてワークピース材料内に結合されるレーザーエネルギを増加させる。したがって、s偏光された溶融ビームは、切断速度を低減して切り口幅の増加をもたらす。
溶融ビームの偏光の他の方向は、切断方向に関して非対称であるエネルギ吸収をもたらすように選択され得る。非対称吸収は、少なくとも1つの溶融ビームの入射方向に対して傾けられた切り口をもたらすことになる。
本発明に係るさらなる実施形態において、少なくとも1つの溶融ビームの偏光は、入射面と切断方向とによって囲まれた角度、及び/又は、入射角に応じて制御される。ここで、入射角及び入射面は、ワークピースの表面法線に関して定義される。
例えば、遠隔走査システムを使用して曲面を切断する場合、入射面は、大抵は切断方向と平行でない。結果として、溶融ビームは、切断方向とワークピースの表面法線とによってまたがられた平面に関して、ある角度でワークピースと交差し、傾けられた切り口をもたらす。このアーチファクトは、ワークピース表面に対する入射角、及び/又は、入射面と切断方向とによって囲まれた角度に応じて偏光角を制御することにより、反対に作用され得るか、又は、さらに補償され得る。ここで、入射角及び入射面は、ワークピースの表面法線に関して定義される。
さらにまた、溶融物排出ビームの直線偏光は、溶融物の表面内へのレーザーエネルギの結合を最適化するように使用され得る。
本発明に係るさらなる実施形態において、少なくとも1つの溶融物排出ビームは、入射面と平行な方向に直線偏光されており(p偏光)、入射面は、ワークピースの表面法線に関して定義される。
本発明に係るさらなる実施形態において、少なくとも1つの溶融物排出ビームは、入射面に対して垂直な方向に直線偏光されており(s偏光)、入射面は、ワークピースの表面法線に関して定義される。
本発明に係るさらなる実施形態において、各溶融物排出ビーム及び/又は溶融制御ビームは、入射面に対して固定角で直線偏光されている。上記角度の絶対値は、0°から90°、あるいは30°から60°、あるいは40°から50°に含まれ、入射面は、ワークピースの表面法線に関して定義される。
溶融物の選択された表面領域に対して所望の出力密度分布を形成するために、複数の溶融物排出副ビームが加工領域に適用され得る。溶融物の表面は、複雑に曲げられた3次元形状を有することができる。個々の副ビームのそれぞれについて選択された溶融物の表面領域内へのレーザー出力の結合を最適化するために、溶融物排出副ビームの偏光を調整することは、大きな効果である。これは、例えば、局所的な溶融物の表面法線にしたがって偏光を調整する、すなわち、溶融物排出副ビームが溶融物と相互に作用する選択された表面領域の方向にしたがって副ビームの偏光を調整することによって行われ得る。したがって、上記溶融物排出ビームの入射面が切断方向と平行である、切り口の側壁に沿って溶融ビームの後に続く2つの溶融物排出ビームのそれぞれは、切断方向に対していずれの側にも回転させられる偏光をそれぞれ有することができる。入射面と偏光の方向との間の角度は、前方におけるワークピースの材料内に向いたいずれの側に対しても45°であるように選択され得る。
本発明に係るさらなる実施形態において、溶融物排出ビーム及び/又は溶融制御ビームのそれぞれの偏光は、入射面と切断方向とによって囲まれた角度、及び/又は、入射角を含むレーザー切断加工パラメータに応じて制御され、入射角及び入射面は、ワークピースの表面法線に関して定義される。
溶融物の表面内への溶融物排出レーザー出力の結合は、直接的に又は間接的に、レーザー切断加工のさらなるパラメータに依存することができる。したがって、予めプログラムされた方式で、又は、カメラ、フォトダイオード、光学センサのアレイ等のインライン加工監視手段からのフィードバックを介して、これらの加工パラメータに応じて偏光を制御することは、大きな効果である。
少なくとも1つの溶融ビーム及び少なくとも1つの溶融物排出ビームの偏光についての上述した配置の組み合わせが考えられ得る。上記組み合わせの効果は、当業者にとって自明である。
本発明のさらなる実施形態において、本方法は、レーザー加工領域の方に向けられたアシストガスの噴射を与えることを備える。
さらに、本発明によれば、切断方向におけるワークピースのレーザー加工用のシステムは、少なくとも1つの光学ユニットを介して加工領域に案内され且つワークピース材料内に結合されるように適応された多数のレーザービームを放射するレーザービーム放射装置と、ワークピース材料を溶融してキーホールを形成するように適応されたいわゆる溶融ビームである少なくとも1つの第1のレーザービームと、溶融物の表面から材料を蒸発させ且つ溶融物を加工領域から押し出すためにクヌーセン層において高圧を与えるように、溶融物の選択された表面領域を加熱するように適応されたいわゆる溶融物排出ビームである少なくとも1つの第2のレーザービームとを備え、さらに、ワークピースに対して上記レーザービームを移動させるための移動装置を備える。
クヌーセン層における高圧は、好ましくは、加工領域からの溶融物の十分に規則的な流動を形成するように与えられる。
上記移動装置は、固定された光学系と、ワークピースを移動させるための手段とを備えることができるか、又は、固定されたワークピースと、光学系を移動させるための手段とを備えることができるか、又は、光学系を移動させるための手段と、ワークピースを移動させるための手段とを備えることができる。さらにまた、上述した動作手段は、コンピュータ制御のアクチュエータによって駆動されるミラー系等の走査光学系と組み合わせ可能である。この組み合わせは、ロボットアーム上の又は直交ガントリ系上の走査光学系の配置であってもよい。
さらに、本発明に係るレーザー切断システムにおいて、少なくとも1つの溶融物排出ビームは、切り口の側壁に沿って溶融ビームの後に続くように配置された少なくとも2つの溶融物排出ビームを含む。
さらに、本発明に係るレーザー切断システムは、切り口の側壁に沿って溶融ビームの後に続くように配置された少なくとも2つの溶融制御ビームを含み、内側に向けられた溶融物の流動を形成する。
さらに、本発明の1つの態様によれば、レーザービーム放射装置は、レーザービームをそれぞれ放射する少なくとも2つのレーザーユニットを備える。
さらに、本発明の1つの態様によれば、レーザービーム放射装置は、レーザービームを放射する少なくとも1つのレーザーユニットと、上記ビームを2つ以上のビームに分割するビームスプリッタとを備える。
上述した実施形態のさらなる発展例において、ビームスプリッタは、ビームスプリッタ部品のカスケード配置である。ビームスプリッタ部品のカスケード配置を使用することにより、溶融物の流動障壁を形成する多重溶融物排出副ビームのV字状配置等、複数の近接配置されたビーム又は重ね合っているビームは、簡便且つ信頼性のある方法で提供され得る。
さらに、本発明によれば、レーザービーム放射装置は、10mm*mrad未満、あるいは5mm*mrad未満、あるいは1mm*mrad未満、あるいは0.5mm*mrad未満のビームパラメータ積を有するビームを放射する少なくとも1つのレーザーを備える。
独立に調整可能な個々のレーザービームとして加工領域にレーザーエネルギを与えることは、任意のエネルギ分布がビーム品質及び強度に妥協することなく配置され得るという効果を有する。したがって、加工領域に与えられるエネルギ分布は、単一の高出力レーザービームの適切でないビーム形状によって制限されるよりもむしろ、切断加工の要求に応じて決定され得る。実際には、それらが回折限界に近いスポット上に有効な出力を集中させるのを可能とするように、シングルモードファイバレーザー又はディスクレーザー等の上述したビームパラメータ積の範囲によって特徴付けられるような高強度レーザー源から個々のレーザービームを提供することを好まれ得る。
本発明に係る上述した実施形態のさらなる発展例において、少なくとも1つのレーザービームは、ファイバレーザー又はディスクレーザーによって提供される。
さらに、本発明に係るシステムは、加工領域にアシストガスの噴射を与えるための手段を備える。
さらに、本発明によれば、少なくとも1つの光学ユニットの少なくとも一部は、加工領域において、ワークピース表面に対して垂直な軸まわりに、少なくとも1つのワークピースに対してレーザービームを一括して回転させるために回転可能である。実際には、回転軸は、切断前線又は溶接前線においてワークピースと交差することができる。特に、レーザー加工が曲面に沿って実施される場合、この実施形態は、ビームの同じ配置が加工方向に関して保持されるという効果を有する。ワークピースに対するレーザービームの一括しての回転は、同じ軸まわりに全てのレーザービームを回転させるための光学像回転子によって実現され得るか、又は、光学システム、若しくは、ワークピースを回転させるための回転ワークテーブルを回転させるためのロボットアーム等の動作手段によって得られ得る。
本発明に係るシステムのさらなる実施形態において、光学ユニットは、少なくとも1つの光入力ポートと、ビームコリメート光学系と、レーザービームを一括して回転させるための手段と、光学ユニットの出力端に配置された集束光学系とを備える。
本発明に係るシステムのさらなる実施形態において、光学ユニットは、さらに、偏光ビームスプリッタ等のビームスプリッタと、偏光回転素子と、少なくとも1つのファラデー回転子を備え且つコリメート光学系とレーザービームを一括して回転させるための手段との間に配置された光学アイソレータユニットとを備える。
本発明に係るシステムのさらなる実施形態において、光学ユニットは、さらに、加工領域に向けられたアシストガスの噴射を与えるためのガスノズル等の手段を備え、上記アシストガスの噴射を与えるための手段は、光学ユニットの出力端においてレーザービーム周囲に同心に配置されている。
本発明に係るシステムのさらなる実施形態において、コンピュータ制御の走査光学系が、光学ユニットの出力端に配置されており、上記走査光学系は、集束光学系を介して放射されたレーザービームを一括して屈折させるように適応されている。そのような走査光学系についての例は、ガルバノモータを用いて駆動されるミラーの配置である。
本発明は、図面を参照して実施形態を例示することにより、ここに説明される。
本発明の1つの実施形態に係る多重ビームレーザー切断加工による横断面図である。 本発明の他の実施形態に係る多重ビームレーザー切断加工による横断面図である。 本発明のさらなる実施形態に係る多重ビームレーザー切断加工による横断面図である。 多重円形溶融物排出副ビームがV字状に配置された、本発明のさらなる実施形態に係るレーザー切断加工の上面図である。 2つの線形集束された溶融物排出副ビームがV字状に配置された、本発明のさらなる実施形態に係るレーザー切断加工の上面図である。 2つの線形集束された溶融物排出副ビーム及び追加の溶融物排出ビームがV字状に配置された、本発明のさらなる実施形態に係るレーザー切断加工の上面図である。 U字状の溶融物排出ビームを有する、本発明のさらなる実施形態に係るレーザー切断加工の上面図である。 U字状の溶融物排出ビームがずらして配置された、本発明のさらなる実施形態に係るレーザー切断加工の上面図である。 本発明のさらなる実施形態に係る多重ビームレーザー切断加工による横断面図である。 溶融制御ビーム及びU字状の溶融物排出ビームを有する、本発明のさらなる実施形態に係るレーザー切断加工の上面図である。 本発明のさらなる実施形態に係るレーザー切断加工の上面図である。 本発明のさらなる実施形態に係る多重ビームレーザー切断加工による横断面図である。 加工ビームの横向き配置によって発生されるようなキーホール及び溶融物溜まりの上面図である。 本発明のさらなる実施形態に係る切断加工におけるレーザービームの縦方向の直線配置による横断面図である。 本発明のさらなる実施形態に係る切断加工におけるレーザービームの縦方向の直線配置による横断面図である。 本発明のさらなる実施形態に係るp偏光の溶融ビームの上面図である。 本発明のさらなる実施形態に係るs偏光の溶融ビームの上面図である。 直線偏光された溶融物排出ビームを有する、図11に係るレーザー切断加工の上面図である。 本発明の1つの実施形態に係るレーザー加工システムである。 本発明の他の実施形態に係るレーザー加工システムである。 本発明のさらなる実施形態に係るレーザー加工システムである。 ビームの調整、回転、及び、集束用の光学系である。 本発明の1つの実施形態に係る光学ユニットである。 本発明の他の実施形態に係る光学ユニットである。 本発明のさらなる実施形態に係る光学ユニットである。 入射面における反射偏光ビームスプリッタの横断面図である。 図26の線A−Aに沿った分離ビームによる横断面図である。
図1は、2つのレーザービームを使用した、本発明に係るレーザー切断加工の1つの実施形態についての概略的な横断面図を示している。ワークピース1は、ワークピース1から材料の一部を溶融して蒸発させることによってキーホール3を形成する、いわゆる溶融ビームである高強度レーザービーム2に晒されている。図1における矢印によって示されるような切断方向に溶融ビーム2が前進することは、切断方向に広がる切断前線4を形成する。溶融ビーム2によって発生された溶融物5は、溶融ビーム2の周囲を流れる。
溶融物の表面7に衝突する、いわゆる溶融物排出ビームである第2のレーザービーム6は、表面7から薄層内において溶融物5をさらに加熱し、材料の一部を蒸発させる。いわゆるクヌーセン層8である溶融物の表面7上の薄層において、表面7を離れる気相分子の反跳力は、表面7内へと垂直に向けられた十分な蒸発圧を発生させる。蒸発圧は、溶融物5を囲む気相における他の分子との衝突に起因して、クヌーセン層の厚みに一致する表面7からのいくつかの平均自由行程長内で衰える。溶融物の表面7上に作用する蒸発圧は、溶融物排出ビーム6が溶融物5と相互に作用する選択された表面領域から、溶融物5を離れさせる。したがって、溶融物5は、下向き方向に流され、最終的にはワークピース1から離れ、これにより、ワークピース1から材料を除去し、切断前線4及び側壁10を有する切り口9を形成する。
溶融物排出ビーム6の横断面は、円形若しくは楕円形等の円形状、又は、正方形、矩形、若しくは、台形等の略四辺形状を有することができる。
切断前線4から離れる溶融物の流動は、切り口の側壁10に沿って主に水平であり、溶融ビーム2を完全に囲む溶融物溜まりを形成するように溶融ビーム2の後方に融合する。図1において示される実施形態において、したがって、溶融物排出ビーム6は、切り口9から下向き方向に溶融物5を排出するために、溶融ビーム2の後方、すなわち、切断前線4の反対側の切断方向における溶融物の表面7の選択された領域上へと下向きに向けられる。
図2は、2つのレーザービームを使用した、本発明に係るレーザー切断加工の他の実施形態についての概略的な横断面図を示している。溶融物排出ビーム6に加えて、追加のアシストガスが噴射される。アシストガスは、レーザービームに対して軸外に配置された、又は、レーザービームの周囲に略同軸に配置されたガスノズルを介して適用され得る。アシストガスは、溶融物の表面7の選択された表面領域において溶融物排出ビーム6によって形成された溶融物排出に加えて、溶融物5に全圧を加える。アシストガスは、図2における破線AGによって示されるように、溶融物を下向きに強制的に流す。
図3は、本発明に係るキーホールレーザー切断加工の他の実施形態の概略的な横断面図である。少なくとも1つの溶融物排出ビーム6は、溶融ビーム2に対して傾いている。溶融物排出ビーム6は、下向き及び後方に向けられ、溶融ビーム2の後方で溶融物5の表面と相互に作用し、溶融物排出ビームの方向と略平行な溶融物の表面7を形成する。実際には、溶融物排出ビーム6の直径は、溶融ビーム2の直径を超え、溶融物溜まりの全幅をカバーする。
溶融物排出ビーム6の横断面は、円形若しくは楕円形等の円形状、又は、正方形、矩形、若しくは、台形等の略四辺形状を有することができる。
図4から図8は、それぞれ、本発明に係るレーザー切断加工のさらなる実施形態の上面図を示しており、少なくとも1つの溶融物排出ビーム6は、切断方向に対して垂直な方向に延在し且つ形成されるべき切り口9に本質的に一致する幅を有する溶融物の流動障壁を形成するように、切断前線4の反対側に設けられている。
溶融ビーム2は、ブロック矢印によって示される切断方向において示されるように、溶融ビーム2の前方に形成される切断前線4において溶融物を発生させる。溶融物は、溶融ビーム2の周囲を流れ、凹状に形成された溶融物排出ビーム6によって閉じ込められる。その結果、前方は切断前線4によって、側面に向かって固体のワークピース材料によって、後方は溶融物排出ビーム6によって区切られた溶融物溜まり5が形成される。図4から図8において、溶融物溜まり5における溶融物の流動は、小さな黒一色の矢印によって示されている。
溶融物排出ビーム6は、溶融物がワークピース1の平面内でさらに流動するのを大幅に遮断し、溶融物を下向き及び/又は上向き方向に強制的に流動させることによって排出し、切り口9を形成する。
図4において示された構成において、溶融物排出ビーム6は、8つの重なり合っている副ビーム60、61がV字状に配置されており、各ビームは略円形の横断面からなる。V字状は、溶融物溜まり5の全幅をカバーし、V字状の底部は、後方を向いた中央線に近接して配置されている。V字状の先端は、最も外側の溶融物排出副ビーム61によって形成されており、側方において固体液体界面に近接して配置されている。複数の溶融物排出副ビーム60、61から溶融物の流動障壁を構成することの効果は、多種多様の溶融物排出ビームのプロファイルが、異なる種類の材料の加工、ワークピースの厚みの変動、加工速度の変動等、加工パラメータの調整に対して最大の柔軟性を有して生成可能であるということである。
溶融物は、最も外側の副ビーム61によって側面上において固体液体界面から「こすり落とされ」、さらなる副ビーム60によって中央に向かって案内され、最終的には溶融物の流動障壁の中央に閉じ込められる。最も外側の副ビーム61の内側案内効果のために、上記副ビームはまた、後述する溶融物制御ビームとしてみなされてもよい。結果として、溶融物排出副ビーム60、61のV字状の配置は、上向き及び下向き方向への溶融物排出をもたらす。
特に最も外側の副ビーム61の周囲で、溶融物の流動障壁を介した溶融物の流動の漏洩が生じ、漏洩溶融物は、主に、溶融物排出副ビームと固体のワークピース材料との間を流れ、最終的には切り口9の側壁10において凝固する。
より小さいビーム径を有するレーザービーム、特に、最も外側の溶融物排出副ビーム61を使用することにより、漏洩は低減する。すなわち、最も外側の副ビーム61のビーム径が小さいほど、「こすり効果」が高まる。したがって、少なくとも最も外側の副ビーム61は、より小さいビーム径を有するのが好ましい。ワークピースの深さにわたってこの小さいビーム径を維持するために、少なくとも最も外側の副ビーム61を、シングルモードファイバレーザー又はディスクレーザー等の非常に低いBPPを有するレーザー源から提供するのが有利である。
溶融物排出副ビーム60、61は、下向き及び後方を向いた角度で配置されてもよい。この方法において、溶融物の流動障壁は、溶融物の流動を下向き方向に向ける傾向がある。傾き角度は、最も外側のビーム61から徐々に増加し、最も内側のビーム60に向かって垂直方向に近接して整合され得る。
図5において示される構成において、溶融物排出ビーム6は、線形集束された(「光シート」)を有する2つの副ビーム62がV字状に配置されている。上述した実施形態のように、V字状は、溶融物溜まり5の全幅をカバーし、V字状の底部は、中央線に近接して配置されて後方を向いている。この実施形態の利点は、光学系の複雑さを低減した効率的な溶融物の流動障壁が形成可能であるということである。
図6は、本発明に係るさらなる実施形態を示しており、追加の溶融物排出ビーム63が上側から適用される。追加の溶融物排出ビーム63は、下向き方向に溶融物を排出するために上側から圧力を与える。追加の溶融物排出ビーム63は、好ましくは、略均一の出力密度分布を有し、溶融物溜まり5をカバーする。追加の溶融物排出ビーム63は、溶融物排出ビーム6によって形成された溶融物の流動障壁を介して漏洩する溶融物を排出させるために、溶融物排出ビーム6によって形成された障壁バリアを越えて後方に延在してもよい。追加の溶融物排出ビーム63の代替として又は補完するものとして、アシストガスによって上側から圧力が加えられてもよい。
図7において示される構成において、溶融物排出ビーム6は、U字状の横断面64を有するビームである。そのようなU字状横断面64は、回折光学素子(DOE)を用いて形成され得る。これは、複雑な横断面ビームプロファイルを有する溶融物排出ビーム6が、簡便なレーザー源を使用した簡便な光学セットアップを用いて設けることができ、精巧な多重ビームの調整の必要性を低減し、加工の安定性を増加させるという効果を有する。
図8は、本発明に係るレーザー切断加工のさらなる実施形態を示しており、ずらして配置された溶融物の流動障壁を形成するように、さらなる溶融物排出ビーム6a、6bが切断方向において第1の溶融物排出ビーム6の後に続くように配設されている。さらなる溶融物の流動障壁は、漏洩溶融物を収集して閉じ込め、そのまま排出することにより、切り口9の形成品質を改善する。有利には、さらなる溶融物排出ビーム6a、6bは、例えばビームスプリッタユニット内に溶融物排出ビーム6を光学的に複製することによって設けられている。
図9は、3つのレーザービームを使用した、本発明に係るキーホールレーザー切断加工の他の実施形態の概略的な横断面図を示している。溶融ビーム2の後方の溶融物溜まりに1つの大きな溶融物排出ビーム6を向けるよりもむしろ、図9において示される実施形態は、側壁10に沿って且つ切り口9を介して下向きに案内される2つの溶融物排出ビーム(図示している)11a、(図示しない)11bによって形成されている。溶融物排出ビーム11a、11bのレーザーエネルギは、溶融物5内に結合され、切り口9から溶融物5を排出するためにクヌーセン層8内に蒸発圧を与える。溶融物5の排出に加えて、溶融物排出ビーム11a、11bはまた、切断エッジを整形するように側壁10から材料を除去してもよい。
溶融物排出ビーム11a、11bは、溶融ビーム2と比較して、同程度又はより小さい直径を有する。溶融物排出ビーム11a、11bは、互いに重なり合うように配置されてもよく、及び/又は、溶融物排出は、アシストガスを加えることによってさらに後押しされてもよい。上述したように、アシストガスは、軸外に又は同軸のノズルを介して加えられる。
図10は、本発明のさらなる有利な実施形態を示しており、切り口9の側壁10に沿って案内される溶融物制御ビーム65a、65bは、上述したいずれかの実施形態に係る溶融物排出ビーム6によって形成された溶融物の流動障壁に組み合わされる。溶融物制御ビーム65a、65bは、例えばDOEによって形成されるような凹状の溶融物排出ビームを補完してもよい。溶融物制御ビーム65a、65bは、切り口の壁に沿った溶融物の流動を最小化し、矢印によって示されるように、内側に向けられた溶融物の流動を形成するように適応されている。あるいは、側壁10に添って案内される溶融物制御ビーム65a、65b、障壁形成溶融物排出ビーム6、及び、任意には溶融ビーム2もまた、単一のDOEを使用して設けられている。
溶融物制御ビーム65a、65bは、1mm*mrad未満、あるいは0.4mm*mrad未満のビームパラメータ積を有する高強度ビームであるのが好ましい。
高強度の溶融物制御ビーム65a、65bは、非常に小さいビーム径まで集束され、溶融物溜まりの側面上の固体液体界面に非常に近接して又は横切って溶融物排出ビーム6の凹状の先端に配置されてもよい。この配置により、高強度の溶融物制御ビーム65a、65bは、固体液体界面からの溶融物の収集を改善し、本発明に係る上述した実施形態におけるように、溶融物排出ビーム6によって形成された障壁によって閉じ込められた溶融物の流動を中央線に向かって案内する。さらにまた、溶融物制御ビーム65a、65bの強度、焦点、及び、正確な方向は、固体液体界面から溶融物を最適に収集するために、及び/又は、側壁10を整形するために、溶融物排出ビーム6とは独立に調整され得、これにより、溶融物排出ビーム6の障壁の先端の周囲における溶融物の漏洩を低減させることができる。
上述した実施形態はまた、上面図の図11において示されたような4つのレーザービームを使用したレーザー切断加工と組み合わせられてもよい。高強度のレーザービーム2は、ワークピース1の材料を溶融して蒸発させ、キーホール3及び溶融物溜まり5を形成する。切断前線4は、溶融ビーム2が溶融物溜まり5を後方に形成しながらワークピース1を貫いて前進するのにともない、ワークピース1にわたって広がる。溶融物排出ビーム6は、切り口9を形成するワークピース1から溶融物5の大部分を排出するように、溶融ビーム2によって発生された溶融物5を基本的にカバーするように配置されている。中央の溶融物排出ビーム6に加えて、残りの溶融物を側壁10から排出して切断エッジを整形するために、2つのさらなる溶融物排出ビーム11a、11bが切り口9の側壁10に沿って溶融ビーム2の後に続いている。
図12は、本発明のさらなる実施形態に係る概略的な横断面図を示している。溶融物排出ビームの配置は、2つの副ビーム、すなわち、溶融物が上方に加工領域から離れるのを回避するためにキーホール3の周囲の溶融物に向けられた第1の溶融物排出ビーム12aと、溶融物5を切り口9から下向き方向に排出するために第1の溶融物排出ビーム12aの後に続くように配置された第2の溶融物排出ビーム12bとを備える。実際には、第1の溶融物排出ビーム12aは、第2の溶融物排出ビーム12bよりも強度が弱くてもよい。さらにまた、実際には、第1の溶融物排出ビーム12aは、キーホール内及びその周囲で、特に切断前線4において、溶融物5を適切に照射するために、前方を向くように傾けられてもよい。第2の溶融物排出ビーム12bは、後方を向くように傾けられ、第2の溶融物排出ビーム12bの方向と略平行な溶融物溜まりの表面7を形成してもよい。
図13は、本発明に係るレーザー加工装置のさらなる実施形態の上面図を示している。溶融物溜まり5は、ブロック矢印によって示されるような加工方向において、ワークピース1を貫いて前進する5つの溶融副ビーム13を横向きに配置することによって形成されている。横向きの副ビーム13のそれぞれは、キーホール3を形成する。溶融物5は、細い矢印によって示されるように、キーホール3の周囲を流れる。これにより、キーホール3の横向き配置は、ふるいのように作用し、流れを制御すると同時に、大きな溶融物溜まりを形成する。少なくとも1つの溶融物排出ビームが、図13において示されていないことに留意すべきである。
図13における5つの副ビームの配置は、本発明に係る横向き配置の単なる1つの例である。横向き配置の他の数及び形状的な変形例は、当業者にとって自明である。
溶融副ビームの有利な配置を有する本発明に係るレーザー切断加工のさらなる実施形態が、図14及び図15において示されている。ここでは3つの副ビーム15が示されているが、多数の溶融副ビーム15は、切断方向と平行に縦方向に直線配置されており、同一のキーホール3に向けられている。説明のために、少なくとも1つの溶融物排出ビーム6を示しながら、第4のビームが図14及び図15において示されている。
本発明に係るレーザー加工装置についてのさらなる実施形態において、少なくとも1つの溶融ビーム及び/又は少なくとも1つの溶融物排出ビームは、直線偏光されている。直線偏光は、加熱、溶融、及び/又は、溶融物排出のための少なくとも1つのワークピース1の材料内へのレーザーエネルギの結合を最適化することができる。
図16において示される本発明に係るレーザー切断加工についての実施形態において、溶融ビーム2は、ブロック矢印によって示される切断方向と平行に整合された入射面16にわたってワークピース1上に入射されている。明確にするために、溶融ビーム2のみが図16において示されている。入射面は、切断前線4の中央においてワークピース1と交差する。溶融ビーム2は、入射面と平行な方向に偏光されている(p偏光18)。p偏光18は、切断前線4内への溶融ビーム2の結合を増加させ、これにより、切断速度が高まる。
同様に、図17は、溶融ビーム2が入射面に対して垂直な方向に直線偏光されている(s偏光19)、本発明に係る実施形態を示している。明確にするために、溶融ビーム2のみが図17において示されている。s偏光19は、溶融ビーム2の隣の側壁10内への溶融ビーム2の結合を増加させ、これにより、より広い切り口9が得られる。
図18は、溶融ビーム2、溶融物排出ビーム6、及び、切断エッジ整形用の追加の溶融物排出ビーム11a、11bを備える、図11に係る加工の概略的な上面図を示しており、切断エッジ整形用の溶融物排出ビーム11a、11bは、直線偏光されている。溶融物排出ビーム11a、11bのそれぞれの偏光方向は、0°から90°、あるいは30°から60°、好ましくは40°から50°の角度で前方においてワークピース材料内を向くように切断方向に対して回転させられる。
本発明の1つの実施形態に係るレーザー加工システムが図19において示されている。レーザー加工システムは、多数のレーザビームを放射するレーザービーム放射装置20と、ビーム調整及び集束光学ユニット22、23と、移動装置24とを備える。レーザービーム放射装置は、ファイバレーザーモジュール又は異なるレーザー源の組み合わせ等の多数のレーザーユニット25を備え、レーザービームを別個にビーム調整及び集束光学ユニット22、23に案内するためのパッシブ光ファイバ等のビーム案内手段26を含む。あるいは、レーザービーム放射装置20は、ビーム調整及び集束光学ユニット22、23内に配置されて結合されている、レーザービームを多数のレーザービームに分割するためのビームスプリッタ光学系(図示しない)を備えてもよい。
図19において示された実施形態は、ビーム調整及び集束用の2つの光学ユニット22、23を有し、光ファイバ26を介した光学ユニット22、23のそれぞれには、3つの分割したレーザービームが供給される。ビーム調整光学系22、23を用いて、レーザービームは、切断又は溶接等の加工用途に応じたエネルギ分布に組み合わされ、ワークピース1上に集束される。光学ユニット22は、ワークピース材料を溶融してキーホールを形成するように適応されたいわゆる溶融ビームである少なくとも1つの第1のレーザービームを形成しており、他方の光学ユニット23は、溶融物の選択された表面領域を加熱するように適応された、例えば切断用途におけるいわゆる溶融物排出ビームである少なくとも1つの第2のレーザービームを形成しており、これにより、材料は、材料の表面から蒸発され、溶融物を加工領域から押し出すための蒸発圧を発生させる。
ワークピース1は、平行移動及び/又は回転ステージ等、光学ユニット22、23に対してワークピース1を移動させるための移動装置24が設けられたワークテーブル上に配置される。移動装置24はまた、固定されたワークピースに対して光学ユニット22、23を移動させるように適応されてもよいことに留意すべきである。あるいは、光学ユニット22、23には、ワークピース1にわたってレーザービームを走査するための遠隔走査光学系が設けられてもよい。制御ユニット27は、所望の加工曲面に沿ってワークピース1を加工するために、レーザービーム放射装置20と、光学ユニット22、23と、移動装置24とを同時に制御するように設けられている。
カメラ、ラインカメラ、フォトセンサ、フォトセンサのアレイ等の光学監視ユニット28は、レーザー切断加工を監視するのを可能とする。図19において示されるような軸外配置の代わりに、監視ユニット28は、少なくとも1つの光学ユニット22、23と直線配置及び/又は一体形成されてもよい。
ここで、図20から図22を参照する。実際には、単一の光学ユニット21を介して少なくとも1つの溶融ビーム2及び少なくとも1つの溶融物排出ビーム6を設けるのが好ましい。図20は、本発明に係るレーザー加工システムのさらなる実施形態を示しており、レーザービーム33aは、単一の光学ユニット21によって設けられている。図22を参照すると、光学ユニット21は、コリメータ29と、ファラデー回転子等の光学アイソレータ素子30と、回転可能なミラー系31又は電動ビーム及び偏光回転子と、集束光学系32とを備えてもよい。システムはまた、アシストガス供給部35を備える。アシストガスは、分離ノズルを介して、又は、図20において示されるように、ワークピース1に面した光学ユニット21の端部においてレーザービーム33aの周囲に略同軸で配置されたガスノズル36を介して、レーザービーム33aに対して軸外に与えられ得る。
図21は、本発明に係るレーザー加工システムのさらなる実施形態を示している。システムは、単一の光学ユニット21を有する。図22を参照すると、光学ユニット21は、コリメータ29と、ファラデー回転子等の光学アイソレータ素子30と、回転可能なミラー系31等の電動ビーム及び偏光回転子と、集束光学系32とを備えてもよい。
図21において示されるシステムは、アシストガスを使用することなく作動する。電動及びコンピュータ制御ミラー38等の遠隔走査光学系37は、光学ユニット21とワークピース1との間に配置されている。遠隔走査光学系37は、加工曲面に沿ってワークピース1の表面上にレーザービーム33aを移動させるように適応されたコンピュータ制御部27と組み合わせられる。遠隔走査光学系37によって与えられるワークピース1に対するレーザービーム33aの移動に加えて、且つ/又は、この移動と相俟って、さらなる移動が移動装置24を用いて行われる。移動装置24は、図21において示されるような多軸電動ワークテーブル等のワークピースを移動させるための手段、及び/又は、ロボットアーム若しくは直交ガントリ系(図示しない)等の光学系を移動させるための手段を備えてもよい。
図22は、本発明に係るレーザー加工システムの1つの実施形態に係るビーム調整及び集束光学系21の例を示している。3つの光学ファイバ26が直線偏光されたレーザービーム33を放射する。コリメート光学系29は、レーザービーム33を平行にし、後方反射光が後方に伝播してレーザー切断システムにおける光学部品を損傷しないように設けられた光学アイソレータ素子30内にレーザービーム33を案内する。
実際には、上記コリメート光学系29は、各光ファイバ26用のコリメータレンズを備えてもよく、上記コリメータレンズは、光ファイバ26の端部から出る分岐レーザー光33を平行ビームに平行にするように適応されており、平行にした後、レーザービームが互いに略並行に伝播するように配置されている。
上記光学アイソレータ素子30は、例えば矢印によって示されるビームダンプに向かって偏光された後方反射光を選択的に向け直すように適応されたファラデー回転子を備えてもよい。異なる偏光を有する多数の異なるレーザービームを有して動作するシステムにおいて、光学アイソレータ素子30は、1つが各偏光に対応する複数のファラデー回転子を備えてもよい。
ミラー系31は、光学アイソレータ30から出るレーザービームの像及び偏光を光軸34まわりに回転させるように配置されている。
光学アイソレータ30を離れたレーザービームは、光軸34と略平行な方向におけるミラー系31に入射する。第1のミラーM1は、光軸34の方を向いている表面法線を有して光軸34から離間されて配置された第2のミラーM2上において90°よりも僅かに大きい角度だけレーザービームを屈折させるように光軸34上に配置されている。第2のミラーM2は、第3のミラーM3は、レーザービームが光軸34の方向に再度進むようにレーザービームを屈折させるように光軸34上に配置された第3のミラーM3にレーザービームを反射させるように適応されている。光軸34まわりにミラー系31を回転させることにより、ミラー系31を離れたレーザービーム33aの像は、ミラー系31に入射するレーザービーム33の対応する像に対して回転させられる。
最後に、ミラー系31を離れたレーザービーム33aは、集束光学系32によってワークピース1上に集束される。
ここで、図23から図25を参照する。本発明に係る好ましい実施形態において、全てのレーザービーム33aは、単一の光学ユニット21を介して設けられている。単一の光学ユニット21は、実質的に全ての要求されたビーム調整及び集束機能を組み込むとともに、加工領域上に与えられるべき所望のエネルギ分布の構築を扱う。実際には、単一の光学ユニット21は、本発明に係るレーザー加工システムに着脱可能に固定され得るレーザー加工ヘッドとして作用する。レーザー加工ヘッドは、加工制御のための調整可能な特徴を備えてもよく、及び/又は、薄板切断、厚板における切断、大きい断面の溶接、突き合わせ溶接、異なる材料の溶接等の所定のタイプの加工のために設計されてもよい。
以下において、多数の光学ユニットがレーザー切断タイプの加工ヘッドとして記載される。示される実施形態はまた、溶接用途に使用されてもよいことに留意されたい。
図23は、レーザー切断用の光学ユニット21を示している。レーザービームは、光入力ポート41に接続された光学ファイバ等のビーム案内手段26を介して光学ユニット21に送られ、光学ユニット21のハウジング40に入射する。ハウジング40は、図22を参照して説明されたような光学素子、より具体的には、好ましくは各光ファイバに対応したコリメート光学系29と、ファラデー回転子等の光学アイソレータユニット30と、関連するビームダンプ39と、回転可能なミラー光学系31と、出力端42における集束手段32とを備える。したがって、光学ユニット21は、キーホール形成用の中央配置された溶融ビーム2と、僅かに後方に向くように傾けられた主要溶融物排出ビーム12bと、ワークピース1の表面上の溶融ビーム2のスポットに向けられ且つ僅かに前方に向くように傾けられたいわゆる表面溶融物排出ビーム12aとを有する、図12において示されるようなレーザービーム配置を設けるように適応されている。アシストガス35は、レーザービーム2、12a、12bの集合体の周囲に略同軸に配置されたガスノズル36を介して与えられ得る。図2において示される加工に対応するよりも簡便な実施形態において、表面溶融物排出ビーム12a及び対応する光学系は、省略されてもよい。
図24は、アシストガス35なしに遠隔走査するために適応されたレーザー加工ヘッドを示しており、図23において示されるレーザー切断ヘッドの変形例である。アシストガスノズル36の代わりに、電動コンピュータ制御ミラー38を備える遠隔走査手段37が光学ユニット21の光出力端42に配置されている。任意には、アシストガスは、軸外ノズル(図示しない)を介して加えられ得る。遠隔走査用のレーザー加工ヘッドは、例えば、図21に係るシステムにおいて使用されてもよい。
図25は、図23に係るレーザー加工ヘッドのさらなる発展例を示している。レーザー加工ヘッドは、5つのビームを有するレーザー加工ビーム配置を設けるように適応されている。溶融ビーム2に加えて、主要溶融物排出ビーム12b及び表面溶融物排出ビーム12a、横向きに配置されたエッジ整形ビーム11a、11b(図示しない)が、光学ユニット21を介して設けられ得る。エッジ整形ビーム11a、11bは、ビーム案内手段26を介して提供され且つ光入力ポート41aを介して光学ユニット21内に結合された単一のレーザービームから発生される。単一のレーザービームは、偏光ビームスプリッタを用いて2つの直角偏光ビーム49、50に分割される。2つのビーム49、50は、横向き方向に、すなわち、図25の図平面の外部に調整可能に相互に間隔をあけて配置されている。偏光ビームスプリッタ43は、例えば、図26を参照して以下に説明されるように、薄膜系45、46、47からの反射を用いて入射ビーム48を分割することができる。2つの直角偏光ビーム49、50の偏光は、図18において示されるような所望の方向の直線偏光17のエッジ整形ビーム11a、11bを得るように、偏光コントローラ44によって回転され得る。ミラーMを介して、エッジ整形ビーム11a、11bは、3つの他のレーザービーム2、12a、12bのビーム経路内に結合される。その後、5つの加工ビームの集合体は、図22を参照して上述したように、ワークピース1上に一括して投射されて集束される。アシストガス35は、光学ユニット21の出力端42においてレーザービームの集合体の周囲に同軸に配置されたガスノズル36を介して加えられ得る。
図23及び図24において示された光学ユニットと同様であって上述した図25において示される光学ユニットはまた、光学ユニット21の出力端42において配置された遠隔走査光学系37と組み合わされてもよいことに留意すべきである。
図26は、入射ビーム48を2つの直角偏光ビーム49、50に分離するように適応された薄膜層系を示している。入射ビーム48は、まず、入射角αで偏光選択コーティング45に到達する。偏光選択コーティングは、第1の直線偏光(X偏光)で第1のビーム49を直接的に反射し、第1の偏光に対して直角である第2の直線偏光(Y偏光)で第2のビーム50を伝達する。第2のビームは、スネルの法則にしたがって、厚みtからなる透明層46内に回折され、透明層46の後方上の高反射表面47おいて反射され、入射ビーム48の入射面内で第1のビーム49に対して距離dだけ変位された第1のビーム49と平行に伝播するように、透明層46の外部に回折される。距離dは、入射角αと、透明層46の厚みt及び屈折率と、周囲媒体とによって決まる。したがって、入射ビームに対して薄膜層系を回転させることは、距離dを調整するのを可能とする一方で、層46の厚みt及び屈折率の選択は、調整範囲を決定する。
図26における線A−Aに沿った、相互に間隔をあけたビーム49、50の横断面図が、図27において示されている。
ビームスプリッタ部品43をカスケードすることにより、多数の相互に間隔をあけた高強度ビームが、調整可能な相互間隔を有して提供され得る。したがって、そのような配置はまた、例えば、主要溶融物排出のための副ビームの配置を形成するのに適している。
本発明は、好ましい実施形態に関して記載された。しかしながら、本発明の範囲は、示された実施形態に限定されるべきではなく、上記本発明の要旨を逸脱せずに変更及び変形が実施可能である。
1 ワークピース
2 溶融ビーム
3 キーホール
4 切断前線
5 溶融物
6、6a、6b、11a、11b、12a、12b、 溶融物排出ビーム
7 溶融物の表面
8 クヌーセン層
9 切り口
10 側壁
13、15 溶融副ビーム
16 入射面
17 直線偏光
18 p偏光
19 s偏光
20 レーザービーム放射装置
21、22、23 光学ユニット
24 移動装置
25 レーザーユニット
26、26a ビーム案内手段
27 制御ユニット、コンピュータ制御部
28 監視ユニット
29 コリメータ
30 光学アイソレータ素子
31 回転可能なミラー系、レーザビーム
32 集束光学系
33、33a レーザービーム
34 光軸
35 アシストガス
36 ガスノズル
37 遠隔走査光学系
38 コンピュータ制御ミラー
39 ビームダンプ
40 ハウジング
41、41a 光入力ポート
42 出力端
43 ビームスプリッタ
44 偏光コントローラ、偏光回転素子
45 偏光選択コーティング
46 透明層
47 高反射表面
48 入射ビーム
49、50 直角偏光ビーム
60、61、62a、62b 副ビーム
63 追加の溶融物排出ビーム
64 U字状横断面
65a、65b 溶融物制御ビーム
M、M1、M2、M3 ミラー
AG アシストガス破線
α 入射角
t 厚み
d 距離

Claims (42)

  1. 加工領域に案内された複合レーザービームを使用した切断方向におけるワークピース(1)のレーザー切断方法であって、
    いわゆる溶融ビームである少なくとも1つの第1のレーザービーム(2)が、溶融物(5)を発生させてキーホール(3)を形成するようにワークピース(1)の材料内に結合され、
    いわゆる溶融物排出ビームである少なくとも1つの第2のレーザービーム(6)が、溶融物の表面(7)から材料を蒸発させ、加工領域から溶融物(5)の少なくとも一部を押し出すための高圧をクヌーセン層内に与えるように、溶融物(5)の選択された表面領域(7)上に案内されることにより、切断前線(4)及び側壁(10)を有する切り口(9)を形成し、
    前記第2のレーザービーム(6)が、切り口(9)の側壁に沿って第1のレーザービーム(2)の後に続く少なくとも2つの追加のビームを含んで構成されて、側壁に沿って水平方向に流れる溶融物の漏洩を減少させる、方法。
  2. 少なくとも1つの溶融物排出ビーム(6)が、溶融ビーム(2)の後方の選択された表面領域(7)上に案内される、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1つの溶融物排出ビーム(6)が、切断方向を横切って延在しており且つ形成されるべき切り口(9)と一致する幅を有する溶融物の流動障壁を形成するように設けられている、請求項2に記載の方法。
  4. 少なくとも1つの溶融物排出ビームが、溶融ビーム(2)の方に面している側面上に凹状表面を有する溶融物の流動障壁を形成するように設けられている、請求項3に記載の方法。
  5. 溶融物の流動障壁が、V字状の横断面を有する、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 溶融物の流動障壁が、重なり合っている副ビーム(60)の配置によって形成されている、請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 凹状の溶融物の流動障壁が、V字状の第1の枝部を形成する長方形の横断面を有する少なくとも1つの第1の副ビーム(62a)と、V字状の第2の枝部を形成する長方形の横断面を有する少なくとも1つの第2の副ビーム(62b)とを含む、V字状に配置された、重なり合っている副ビーム(62)によって形成されている、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 溶融物の流動障壁を形成する少なくとも1つの溶融物排出ビーム(6)が、回折光学素子(DOE)を介して提供される、請求項3から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. ずらして配置された切断方向において少なくとも1つの溶融物排出ビーム(6)の後に続くように配設されたさらなる溶融物排出ビーム(6a、6b、...)を備え、さらなる溶融物排出ビーム(6a、6b、...)のそれぞれが、切断方向を横切って延在しており且つ形成されるべき切り口(9)と本質的に一致する幅を有する溶融物の流動障壁を形成する、請求項3から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 少なくとも2つの溶融物排出ビーム(11a、11b)及び/又は溶融制御ビーム(65a、65b)が、10mm*mrad未満、あるいは5mm*mrad未満、あるいは1mm*mrad未満、あるいは0.5mm*mrad未満のビームパラメータ積を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 少なくとも2つの溶融物排出ビーム(11a、11b)及び/又は溶融制御ビーム(65a、65b)のそれぞれが、平均出力周辺で変動する瞬時出力を有し、平均出力からの瞬時出力の偏差が、平均出力の略10%未満、あるいは5%未満、あるいは1%未満、あるいは0.5%未満である、請求項10に記載の方法。
  12. 少なくとも2つの溶融物排出ビーム(11a、11b)及び/又は溶融制御ビーム(65a、65b)のそれぞれが、平均出力密度分布周辺で変動する瞬時空間出力密度分布を有し、各点における平均空間出力密度分布からの瞬時空間出力密度分布の偏差が、その点における平均出力密度分布の10%未満、あるいは5%未満、あるいは1%未満、あるいは0.5%未満である、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 少なくとも2つの溶融物排出ビーム(11a、11b)及び/又は溶融制御ビーム(65a、65b)が、ファイバレーザー又はディスクレーザーから提供される、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 少なくとも1つの溶融ビーム(2)及び/又は少なくとも1つの溶融物排出ビーム(6)が、10mm*mrad未満、あるいは5mm*mrad未満、あるいは1mm*mrad未満、あるいは0.5mm*mrad未満のビームパラメータ積を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 少なくとも1つの溶融ビーム(2)及び/又は少なくとも1つの溶融物排出ビーム(6)が、平均出力周辺で変動する瞬時出力を有し、平均出力からの瞬時出力の偏差が、平均出力の略10%未満、あるいは5%未満、あるいは1%未満、あるいは0.5%未満である、請求項14に記載の方法。
  16. 少なくとも1つの溶融ビーム(2)及び/又は少なくとも1つの溶融物排出ビーム(6)が、平均出力密度分布周辺で変動する瞬時空間出力密度分布を有し、各点における平均空間出力密度分布からの瞬時空間出力密度分布の偏差が、その点における平均出力密度分布の10%未満、あるいは5%未満、あるいは1%未満、あるいは0.5%未満である、請求項14又は15に記載の方法。
  17. 少なくとも1つの溶融ビーム(2)及び/又は少なくとも1つの溶融物排出ビーム(6)が、ファイバレーザー又はディスクレーザーによって提供される、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 溶融ビーム(2)が、多数の横向きに配置された副ビーム(13)を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 横向きの副ビーム(13)のそれぞれが、分離したキーホール(3)を形成するように適応されている、請求項18に記載の方法。
  20. 溶融ビームが、切断方向と略同一線上に縦方向に配置されて同じキーホール(3)に向けられた多数の副ビーム(15)を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  21. 縦方向に配置された副ビーム(15)の焦点が、ワークピース(1)の異なる垂直高さに配置されている、請求項20に記載の方法。
  22. 溶融ビーム(2)及び/又は溶融物排出ビーム(6)及び/又は溶融制御ビームの少なくとも1つからのレーザーエネルギが、パルスで与えられる、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 少なくとも1つの溶融ビーム(2)及び/又は溶融物排出ビーム(6)及び/又は溶融制御ビームが、直線偏光(17)されている、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 少なくとも1つの溶融ビーム(2)が、ビーム(2)の入射面(16)と平行な方向に直線偏光(18)されており、各瞬間の入射面(16)が、切断方向と整合されている、請求項23に記載の方法。
  25. 少なくとも1つの溶融ビーム(2)が、ビーム(2)の入射面(16)に対して垂直な方向に直線偏光(19)されており、各瞬間の入射面(16)が、切断方向と整合されている、請求項23に記載の方法。
  26. 少なくとも1つの溶融ビーム(2)の直線偏光(17)が、入射面(16)と切断方向とによって囲まれた角度、及び/又は、入射角に応じて制御され、入射角及び入射面(16)が、ワークピース(1)の表面法線に関して定義される、請求項23に記載の方法。
  27. 溶融物排出ビーム及び/又は溶融制御ビームのそれぞれが、入射面(16)に対して固定角で直線偏光(17)されており、前記角度の絶対値が、0°から90°、あるいは30°から60°、あるいは40°から50°に含まれ、入射面(16)が、ワークピース(1)の表面法線に関して定義される、請求項23に記載の方法。
  28. 溶融排出ビーム及び/又は溶融制御ビームのそれぞれの直線偏光(17)が、入射面(16)と切断方向とによって囲まれた角度、及び/又は、入射角を含むレーザー切断加工パラメータに応じて制御され、入射角及び入射面(16)が、ワークピース(1)の表面法線に関して定義される、請求項23に記載の方法。
  29. レーザー加工領域の方に向けられたアシストガスの噴射(35)を与えることをさらに備える、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 少なくとも1つの光学ユニット(21、22、23)を介して加工領域に案内されるように且つワークピース(1)の材料内に結合されるように適応された多数のレーザービーム(33a)を放射するレーザービーム放射装置(20)を備える、切断方向におけるワークピース(1)のレーザー切断用のシステムであって、
    ワークピース材料を溶融してキーホール(3)を形成するように適応された、いわゆる溶融ビームである少なくとも1つの第1のレーザービーム(2)と、
    溶融物(5)の表面(7)から材料を蒸発させ、加工領域から溶融物(5)を押し出すための高圧をクヌーセン層内に与えるように、溶融物(5)の選択された表面領域(7)を加熱するように適応された、いわゆる溶融物排出ビーム(6)である少なくとも1つの第2のレーザービームとを備え、
    ワークピース(1)に対して前記レーザービーム(33a)を移動させるための移動装置(24)をさらに備え、
    前記第2のレーザービーム(6)が、切り口(9)の側壁に沿って第1のレーザービーム(2)の後に続く少なくとも2つの追加のビームを含んで構成されて、側壁に沿って水平方向に流れる溶融物の漏洩を減少させる、システム。
  31. 少なくとも1つの溶融物排出ビームが、切り口の側壁に沿って溶融ビームの後に続くように配置された少なくとも2つの溶融物排出ビーム(11a、11b)を含む、請求項30に記載のシステム。
  32. 切り口の側壁に沿って溶融ビームの後に続くように配置されており、内側に向けられた溶融物の流れを形成する少なくとも2つの溶融制御ビーム(65a、65b)を備える、請求項30又は31に記載のシステム。
  33. レーザービーム放射装置(20)が、レーザービーム(33)をそれぞれ放射する少なくとも2つのレーザーユニット(25)を備える、請求項30から32のいずれか一項に記載のシステム。
  34. レーザービーム放射装置(20)が、レーザービーム(33)を放射する少なくとも1つのレーザーユニット(25)と、前記ビームを2つ以上のビームに分割するビームスプリッタとを備える、請求項30又は33に記載のシステム。
  35. レーザービーム放射装置(20)が、10mm*mrad未満、あるいは5mm*mrad未満、あるいは1mm*mrad未満、あるいは0.5mm*mrad未満のビームパラメータ積を有するビームを放射する少なくとも1つのレーザーユニット(25)を備える、請求項30から34のいずれか一項に記載のシステム。
  36. 少なくとも1つのレーザービーム(33)が、ファイバレーザー又はディスクレーザーによって提供される、請求項30から35のいずれか一項に記載のシステム。
  37. 加工領域にアシストガスの噴射(35)を与えるための手段(36)をさらに備える、請求項30から36のいずれか一項に記載のシステム。
  38. 少なくとも1つの光学ユニット(21、22、23)のうちの少なくとも一部が、加工領域において、ワークピース表面に対して垂直な軸まわりに、少なくとも1つのワークピース(1)に対してレーザービーム(33a)を一括して回転させるために回転可能である、請求項30から37のいずれか一項に記載のシステム。
  39. 光学ユニット(21)が、少なくとも1つの光入力ポート(41)と、ビームコリメート光学系(29)と、レーザービーム(31)を一括して回転させるための手段と、光学ユニット(21)の出力端(42)に配置された集束光学系(32)とを備える、請求項30から38のいずれか一項に記載のシステム。
  40. 光学ユニット(21)が、偏光ビームスプリッタ等のビームスプリッタ(43)と、偏光回転素子(44)と、少なくとも1つのファラデー回転子を備え且つコリメート光学系(29)とレーザービーム(31)を一括して回転させるための手段との間に配置された光学アイソレータユニット(30)とをさらに備える、請求項39に記載のシステム。
  41. 光学ユニット(21)が、加工領域に向けられたアシストガスの噴射(35)を与えるためのガスノズル等の手段(36)をさらに備え、前記アシストガスの噴射(35)を与えるための手段(36)が、光学ユニット(21)の出力端(42)においてレーザービーム(33a)の周囲に同軸に配置されている、請求項39又は40に記載のシステム。
  42. コンピュータ制御走査光学系(37)が、光学ユニット(21)の出力端(42)に配置されており、前記走査光学系(37)が、集束光学系(32)を介して放射されたレーザービーム(33a)を一括して屈折させるように適応されている、請求項39又は40に記載のシステム。
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