JP2005262251A - レーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被加工物で反射されたレーザ光により生じる光ファイバの破損等を効果的に防止するとともに、レーザ光の照射状態によって加工性能に影響が出やすいシーム溶接等の加工においても安定的な加工を実現することができるレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】 加工光学系20のコリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22は光学系移動機構23を介して互いに連結されており、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22の両者の光軸L,Lが互いに平行の関係を保ったまま所定の距離dだけ離間した関係にあるように配置されている。これにより、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされて加工レンズ光学系22に入射するレーザ光の光軸は、加工レンズ光学系22の光軸Lからずれた位置を通過することとなり、その結果、加工レンズ光学系22により集光されたレーザ光は、加工レンズ光学系22の光軸Lに対して所定の角度が付けられた状態で被加工物30上に照射される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ光を利用して被加工物の加工を行うレーザ加工装置に係り、とりわけ、レーザ発振器から出射されたレーザ光を光ファイバを介して被加工物近傍まで導いた上で被加工物の加工を行うレーザ加工装置に関する。
従来から、この種のレーザ加工装置として、レーザ発振器から出射されたレーザ光を光ファイバを介して被加工物近傍まで導き、光ファイバから出射されたレーザ光を加工光学系により集光させて被加工物上に照射することにより被加工物の加工を行うレーザ加工装置が知られている(特許文献1参照)。
ところで、このようなレーザ加工装置において、加工に用いられる特定の波長のレーザ光に対して高い反射率を呈する被加工物を加工する場合には、被加工物上に照射されたレーザ光の多くが被加工物で反射されることとなるので、被加工物で反射されたレーザ光が加工光学系を介して光ファイバに戻りやすくなり、その結果、光ファイバが破損しやすいという問題がある。
このような問題点を解消するため、従来においては、加工光学系から出射されたレーザ光が被加工物に対して斜め方向から照射されるように加工光学系自体を被加工物に対して傾け、被加工物で反射されたレーザ光が加工光学系を介して光ファイバに戻らないようにする方法が一般的に用いられている。
しかしながら、上述した従来の方法では、被加工物近傍の構造的な制約によって被加工物に対して加工光学系を傾ける角度に一定の限界があり、被加工物で反射されたレーザ光が光ファイバに戻ることを完全に防止することが困難であるという問題がある。
また、上述した従来の方法では、シーム溶接のように被加工物上でのレーザ光の集光位置(加工点)を所定の加工経路に沿って移動させながら被加工物の加工を行うような場合、加工方向(加工点の移動方向)に応じて被加工物に対する加工光学系の傾きの向きや角度等が変化してしまうので、全ての加工方向に対して同一条件の加工を行うことができず、加工方向によって加工性能に影響が出てしまい加工が不安定になるという問題がある。
特許第2864355号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、被加工物で反射されたレーザ光により生じる光ファイバの破損等を効果的に防止するとともに、レーザ光の照射状態によって加工性能に影響が出やすいシーム溶接等の加工においても安定的な加工を実現することができるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1の解決手段として、レーザ光を利用して被加工物の加工を行うレーザ加工装置において、レーザ光を出射するレーザ発振器と、前記レーザ発振器から出射されたレーザ光を伝送する光ファイバと、前記光ファイバを介して伝送されたレーザ光を集光させて被加工物上に照射する加工光学系とを備え、前記加工光学系は、前記光ファイバから出射されたレーザ光をコリメートするコリメートレンズ光学系と、前記コリメートレンズ光学系によってコリメートされたレーザ光を前記被加工物上に集光させる加工レンズ光学系とを有し、前記コリメートレンズ光学系によってコリメートされて前記加工レンズ光学系に入射するレーザ光の光軸が前記加工レンズ光学系の光軸からずれた位置を通過するように構成され、前記加工レンズ光学系の光軸に対して所定の角度が付けられた状態で前記被加工物上にレーザ光が照射されることを特徴とするレーザ加工装置を提供する。
なお、上述した本発明の第1の解決手段において、前記加工光学系の前記コリメートレンズ光学系及び前記加工レンズ光学系は、それらの光軸が互いに所定の距離だけ離間した関係にあるように配置されていることが好ましい。ここで、前記加工光学系は、前記コリメートレンズ光学系及び前記加工レンズ光学系のうちの少なくとも一方を移動させることにより、前記コリメートレンズ光学系の光軸と前記加工レンズ光学系の光軸との相対的な位置関係を変化させる光学系移動機構をさらに有することが好ましい。
また、上述した本発明の第1の解決手段において、前記加工光学系は、前記コリメートレンズ光学系と前記加工レンズ光学系との間に配置された光路シフト用光学系であって、前記コリメートレンズ光学系によってコリメートされたレーザ光を前記コリメートレンズ光学系の光軸から所定の距離だけシフトさせる光路シフト用光学系をさらに有することが好ましい。ここで、前記光路シフト用光学系は、前記コリメートレンズ光学系の光軸に対して傾けられた屈折面を持つ光学ブロックを有することが好ましい。また、前記光路シフト用光学系は、前記コリメートレンズ光学系の光軸に対する前記光学ブロックの傾き角を変化させる光学ブロック角度変更機構をさらに有することが好ましい。さらに、前記光路シフト用光学系は、前記光学ブロックを前記加工レンズ光学系の光軸を中心として回転させることにより、前記コリメートレンズ光学系によってコリメートされて前記加工レンズ光学系に入射するレーザ光の位置を前記加工レンズ光学系の光軸を中心として回転させる光学ブロック回転機構をさらに有することが好ましい。さらに、前記加工光学系の前記コリメートレンズ光学系及び前記加工レンズ光学系は、それらの光軸が同軸上に位置することが好ましい。
さらに、上述した本発明の第1の解決手段においては、前記加工光学系及び前記被加工物のうちの少なくとも一方を移動させることにより、前記加工光学系と前記被加工物との相対的な位置関係を変化させる加工位置移動機構と、前記被加工物上でのレーザ光の集光位置が所望の加工経路に沿って移動するように前記加工位置移動機構を制御する加工位置制御装置とをさらに備えることが好ましい。また、前記加工位置制御装置により制御された前記加工位置移動機構の状態に応じて前記光学系移動機構、前記光学ブロック角度変更機構又は前記光学ブロック回転機構を制御する光学系制御装置をさらに備えることが好ましい。
本発明は、第2の解決手段として、レーザ光を利用して被加工物の加工を行うレーザ加工装置において、レーザ光を出射するレーザ発振器と、前記レーザ発振器から出射されたレーザ光を伝送する光ファイバと、前記光ファイバを介して伝送されたレーザ光を集光させて被加工物上に照射する加工光学系とを備え、前記加工光学系は、前記光ファイバから出射されたレーザ光をコリメートするコリメートレンズ光学系と、前記コリメートレンズ光学系によってコリメートされたレーザ光を前記被加工物上に集光させる加工レンズ光学系であって、前記コリメートレンズ光学系の光軸に対して所定の角度が付けられた光軸に沿ってレーザ光を集光させる加工レンズ光学系と、前記コリメートレンズ光学系の光軸と前記加工レンズ光学系の光軸との間の関係を保った状態で前記コリメートレンズ光学系の光軸に平行な回転軸を中心にして前記加工レンズ光学系を回転させる光学系回転機構とを有することを特徴とするレーザ加工装置を提供する。
なお、上述した本発明の第2の解決手段において、前記光学系回転機構の前記回転軸は、前記加工レンズ光学系によりレーザ光が集光される前記被加工物上の集光位置を通ることが好ましい。
また、上述した本発明の第2の解決手段においては、前記加工光学系及び前記被加工物のうちの少なくとも一方を移動させることにより、前記加工光学系と前記被加工物との相対的な位置関係を変化させる加工位置移動機構と、前記被加工物上でのレーザ光の集光位置が所望の加工経路に沿って移動するように前記加工位置移動機構を制御する加工位置制御装置とをさらに備えることが好ましい。また、前記加工位置制御装置により制御された前記加工位置移動機構の状態に応じて前記光学系回転機構を制御する回転機構制御装置をさらに備えることが好ましい。
さらに、上述した本発明の第2の解決手段においては、前記加工光学系は、前記被加工物で反射されたレーザ光を前記被加工物上の集光位置へ向けて再度反射させる反射ミラーを有することが好ましい。ここで、前記反射ミラーは、前記被加工物で反射されたレーザ光を前記被加工物上の集光位置に再度集光させるような表面形状を有することが好ましい。
本発明の第1の解決手段によれば、コリメートレンズ光学系によってコリメートされて加工レンズ光学系に入射するレーザ光の光軸が加工レンズ光学系の光軸からずれた位置を通過するように構成されているので、コリメートレンズ光学系によって平行光にコリメートされて加工レンズ光学系に入射するレーザ光の光軸は、加工レンズ光学系の光軸からずれた位置を通過することなり、その結果、加工レンズ光学系により集光されたレーザ光は、加工レンズ光学系の光軸に対して所定の角度が付けられた状態で被加工物上に斜め方向から照射される。このため、加工光学系自体を被加工物に対して傾けなくとも被加工物に対してレーザ光を斜め方向から照射させることが可能となり、被加工物近傍の構造的な制約を受けることなく、被加工物で反射されたレーザ光により生じる光ファイバの破損等を効果的に防止することができる。
また、本発明の第1の解決手段によれば、光学系移動機構により、コリメートレンズ光学系の光軸と加工レンズ光学系の光軸との間の距離を調整したり、光学ブロック角度変更機構により、コリメートレンズ光学系の光軸に対する光路シフト用光学系の傾き角を調整することにより、加工レンズ光学系に入射するレーザ光の光軸の位置(加工レンズ光学系の光軸からの距離)を変化させることができるので、被加工物に対する加工条件や使用レーザ出力、被加工物の反射率等に応じた最適な状態で被加工物の加工を行うことができる。
さらに、本発明の第1の解決手段によれば、光学系移動機構により、コリメートレンズ光学系を加工レンズ光学系の光軸を中心として回転させたり、光学ブロック回転機構により、光路シフト用光学系を加工レンズ光学系の光軸を中心として回転させることにより、コリメートレンズ光学系によって平行光にコリメートされて加工レンズ光学系に入射するレーザ光の光軸の位置を加工レンズ光学系の光軸を中心として回転させることができるので、シーム溶接のように被加工物上で加工点を所定の加工経路に沿って移動させながら被加工物の加工を行うような場合でも、加工方向(加工点の移動方向)に応じて加工光学系へのレーザ光の照射状態(照射の向きや角度等)を柔軟に変化させることができる。このため、全ての加工方向に対して同一条件の加工を行うことができ、被加工物の加工方向にかかわらず加工性能を安定させることができる。
本発明の第2の解決手段によれば、コリメートレンズ光学系によってコリメートされたレーザ光が、加工レンズ光学系により、コリメートレンズ光学系の光軸に対して所定の角度が付けられた状態で集光されるようにしているので、被加工物で反射されたレーザ光が加工光学系に戻されることがなく、被加工物で反射されたレーザ光により生じる光ファイバの破損等を効果的に防止することができる。また、光学系回転機構により、コリメートレンズ光学系の光軸に一致する回転軸を中心にしてコリメートレンズ光学系に対して加工レンズ光学系を相対的に回転させるようにしているので、シーム溶接のように被加工物上で加工点を所定の加工経路に沿って移動させながら被加工物の加工を行うような場合でも、加工方向(加工点の移動方向)に応じて被加工物に対する加工光学系の傾きの向きや角度等が最適な状態となるよう変化させることができる。このため、全ての加工方向に対して同一条件の加工を行うことができ、被加工物の加工方向にかかわらず加工性能を安定させることができる。なおこのとき、光学系回転機構の回転軸が被加工物上の加工点に一致するような状態で、加工レンズ光学系をコリメートレンズ光学系に対して相対的に回転させるようにしているので、被加工物上で加工点が移動することがなく、加工性能をより安定させることができる。
発明を実施するための形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態
まず、図1乃至図3により、本発明の第1の実施の形態に係るレーザ加工装置について説明する。なお、本発明の第1の実施の形態においては、レーザ加工装置10により加工が行われる被加工物30が、高反射材料からなり且つその表面(加工面)が平滑面である場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るレーザ加工装置10は、レーザ光を利用して被加工物30の加工を行うものであり、レーザ光を出射する固体レーザ発振器11と、固体レーザ発振器11から出射されたレーザ光を伝送する光ファイバ12と、光ファイバ12を介して伝送されたレーザ光を集光又は結像させて被加工物30上に照射する加工光学系20とを備えている。
また、レーザ加工装置10は、被加工物30を載置する載置テーブル(加工位置移動機構)24を備え、載置テーブル24により被加工物30を水平面内で移動させることにより、加工光学系20と被加工物30との相対的な位置関係を変化させることができるようになっている。なお、載置テーブル24には加工位置制御装置25が接続されており、被加工物30上でのレーザ光の集光位置(加工点P)が所望の加工経路に沿って移動するように載置テーブル24を制御することができるようになっている。
このうち、加工光学系20は、光ファイバ12から出射されたレーザ光を平行光にコリメートするコリメートレンズ光学系21と、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされたレーザ光を被加工物30上に集光させる加工レンズ光学系22とを有している。なお、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22は、1枚のレンズとして構成されたコリメートレンズ21a及び加工レンズ22aをそれぞれ有している。なおここでは、説明を簡略化するため、コリメートレンズ21a及び加工レンズ22aはいずれも単一レンズとし、レンズの収差は全くない理想レンズであるものとする。
ここで、光ファイバ12は、加工光学系20のコリメートレンズ光学系21の光軸Lに沿ってレーザ光を出射させるような位置関係でコリメートレンズ光学系21に固定されている。また、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22は光学系移動機構23を介して互いに連結されており、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22の両者の光軸L,Lが互いに平行の関係を保ったまま所定の距離dだけ離間した関係にあるように配置されている。これにより、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされて加工レンズ光学系22に入射するレーザ光の光軸(中心軸)は、加工レンズ光学系22の光軸Lからずれた位置を通過することとなり、その結果、加工レンズ光学系22により集光されたレーザ光は、加工レンズ光学系22の光軸Lに対して所定の角度が付けられた状態で被加工物30上に照射される。このとき、図1に示すように、加工レンズ光学系22の光軸Lと被加工物30の表面とが略垂直の関係にあれば、加工レンズ光学系22から出射されたレーザ光(符号41参照)が被加工物30上に斜め方向から照射されることとなるので、被加工物30上で反射されたレーザ光(符号42参照)は元のレーザ光とは異なる光路を通過して加工レンズ光学系22に戻される。
なお、図2は、図1に示す場合とは異なり、コリメートレンズ光学系21の光軸Lと加工レンズ光学系22の光軸Lとの間の距離dが0である場合(比較例)を示している。この場合には、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされて加工レンズ光学系22に入射するレーザ光の光軸は、加工レンズ光学系22のうち光軸Lが通る位置を通過することとなり、その結果、加工レンズ光学系22により集光されたレーザ光は被加工物30上に略垂直に照射される。このとき、図2に示すように、加工レンズ光学系22から出射されたレーザ光(符号41参照)は被加工物30上に略垂直に照射されることとなるので、被加工物30上で反射されたレーザ光(符号42参照)は元のレーザ光と同一の光路を通過して加工レンズ光学系22(ひいては光ファイバ12)に戻される。
ここで、光学系移動機構23は、コリメートレンズ光学系21を加工レンズ光学系22に対して相対的に移動させることにより、コリメートレンズ光学系21の光軸Lと加工レンズ光学系22の光軸Lとの相対的な位置関係を変化させるものであり、コリメートレンズ光学系21の光軸Lと加工レンズ光学系22の光軸Lとの間の距離dを変化させたり、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされたレーザ光の位置を加工レンズ光学系22の光軸Lを中心として回転させることができるようになっている(図3参照)。
また、光学系移動機構23には光学系制御装置28が接続されており、被加工物30に対する加工条件や使用レーザ出力、被加工物30の反射率等に応じて光学系移動機構23を制御することができるようになっている。
さらに、光学系制御装置28は、加工位置制御装置25との間で信号の授受を行うことができるようになっており、これにより、光学系移動機構23及び載置テーブル24の両方の状態を、同一の加工状態及び加工条件が保たれるように一意的に統括して制御することができる。より具体的には、光学系制御装置28において、加工位置制御装置25により制御された載置テーブル24の状態(例えば被加工物30上での加工点Pの移動方向)に応じて光学系移動機構23を制御することにより、被加工物30の加工方向等に応じて被加工物30へのレーザ光の照射状態(照射の向きや角度等)を適宜調整することができる。
次に、このような構成からなる本発明の第1の実施の形態の作用について説明する。
図1に示すレーザ加工装置10において、固体レーザ発振器11から出射されたレーザ光は光ファイバ12を介して伝送され、加工光学系20によりレーザ光が集光又は結像されて被加工物30上に照射される。
ここで、光ファイバ12は、加工光学系20のコリメートレンズ光学系21の光軸Lに沿ってレーザ光を出射させるような位置関係でコリメートレンズ光学系21に固定されており、加工光学系20において、まず、コリメートレンズ光学系21により、光ファイバ12から出射されたレーザ光が平行光にコリメートされ、次いで、加工レンズ光学系22により、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされたレーザ光が集光される。
このとき、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22の光軸L,Lは、光学系移動機構23によりコリメートレンズ光学系21を加工レンズ光学系22に対して相対的に移動させることにより、互いに平行の関係を保ったまま所定の距離dだけ離間した関係にあるように配置されているので、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされて加工レンズ光学系22に入射するレーザ光の光軸は、加工レンズ光学系22の光軸Lからずれた位置を通過する。ここで、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22を構成するコリメートレンズ21a及び加工レンズ22aが収差の全くない理想レンズであるものとすると、加工レンズ光学系22の光軸Lからずれた位置をレーザ光の光軸が通過する場合でも、加工レンズ光学系22の光軸Lに対するレーザ光の照射角度以外は同一の状態で、被加工物30上の加工レンズ光学系22の焦点位置にレーザ光が照射される。このため、加工レンズ光学系22の光軸Lからずれた位置をその光軸が通過するレーザ光は、図1に示すように、加工レンズ光学系22の光軸Lに対して所定の角度が付けられた状態で被加工物30上に斜め方向から照射される。
この場合、加工レンズ光学系22上でのレーザ光の光軸の入射位置と加工レンズ光学系22の光軸Lとの間の距離(コリメートレンズ光学系21の光軸Lと加工レンズ光学系22の光軸Lとの間の距離)dがコリメート後のレーザ光のビーム半径よりも大きい場合には、被加工物30で反射されたレーザ光(符号42参照)がもとのレーザ光(符号41参照)の光路と完全に異なる光路を通過することとなるので、被加工物30が高反射材料からなり且つその表面(加工面)が平滑面である場合でも、被加工物30で反射されたレーザ光が光ファイバ12へ戻ることをほぼ完全に防止することができる。なおこのとき、被加工物30で反射されたレーザ光(符号42参照)の光路上に遮蔽物(符号51参照)を配置することも可能であり、この場合には、被加工物30で反射されたレーザ光が光ファイバ12へ戻ることをより完全に防止することができる。なお、加工レンズ光学系22上でのレーザ光の光軸の入射位置と加工レンズ光学系22の光軸Lとの間の距離dがビーム半径よりも小さい場合でも、被加工物30で反射されたレーザ光の一部はもとのレーザ光の光路と異なる光路を通過することとなるので、その分だけ被加工物30で反射されたレーザ光が光ファイバ12へ戻ることを防止することが可能である。
なお、以上において、レーザ光が照射される被加工物30は載置テーブル24上に載置されており、加工位置制御装置25により載置テーブル24が制御されることにより、被加工物30上でのレーザ光の集光位置(加工点P)が所望の加工経路に沿って移動する。
また、光学系移動機構23には光学系制御装置28が接続されており、被加工物30に対する加工条件や使用レーザ出力、被加工物30の反射率等に応じて光学系移動機構23が制御される。ここで、光学系制御装置28は加工位置制御装置25との間で信号の授受を行うように構成されており、光学系移動機構23及び載置テーブル24の両方の状態が、同一の加工状態及び加工条件が保たれるように一意的に統括して制御される。より具体的には、光学系制御装置28において、加工位置制御装置25により制御された載置テーブル24の状態(例えば被加工物30上での加工点Pの移動方向)に応じて光学系移動機構23の状態が制御され、これにより、被加工物30へのレーザ光の照射状態(照射の向きや角度等)が調整される。具体的には例えば、図1において、被加工物30が紙面に向かって下に移動している場合には、被加工物30の進行方向に関してのレーザ光の照射角度δは90°よりも小さな角度となるが、紙面に向かって上に移動している場合には90°よりも大きな角度となり、加工点Pの移動方向によってレーザ光の照射角度δが変化してしまうこととなる。このため、被加工物30が紙面に向かって上に移動している場合には、光学系移動機構23によりコリメートレンズ光学系21を加工レンズ光学系22の光軸Lを中心として180°だけ回転させるようにする。
このように本発明の第1の実施の形態によれば、加工光学系20のコリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22が光学系移動機構23を介して互いに連結され、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22の両者の光軸L,Lが互いに平行の関係を保ったまま所定の距離dだけ離間した関係にあるように配置されているので、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされて加工レンズ光学系22に入射するレーザ光の光軸は、加工レンズ光学系22の光軸Lからずれた位置を通過することなり、その結果、加工レンズ光学系22により集光されたレーザ光は、加工レンズ光学系22の光軸Lに対して所定の角度が付けられた状態で被加工物30上に斜め方向から照射される。このため、加工光学系20自体を被加工物30に対して傾けなくとも被加工物30に対してレーザ光を斜め方向から照射させることが可能となり、被加工物30近傍の構造的な制約を受けることなく、被加工物30で反射されたレーザ光により生じる光ファイバ12の破損等を効果的に防止することができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、光学系移動機構23により、コリメートレンズ光学系21の光軸Lと加工レンズ光学系22の光軸Lとの間の距離dを調整することにより、加工レンズ光学系22に入射するレーザ光の光軸の位置(加工レンズ光学系22の光軸Lからの距離)を変化させることができるので、被加工物30に対する加工条件や使用レーザ出力、被加工物30の反射率等に応じた最適な状態で被加工物30の加工を行うことができる。具体的には例えば、レーザ光のレーザ出力が大きい場合には、コリメートレンズ光学系21の光軸Lと加工レンズ光学系22の光軸Lとの間の距離を大きくするようにするとよい。
さらに、本発明の第1の実施の形態によれば、光学系移動機構23により、コリメートレンズ光学系21を加工レンズ光学系22の光軸Lを中心として回転させることにより、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされて加工レンズ光学系22に入射するレーザ光の位置を加工レンズ光学系22の光軸Lを中心として回転させることができるので、シーム溶接のように被加工物30上で加工点Pを所定の加工経路に沿って移動させながら被加工物30の加工を行うような場合でも、加工方向(加工点Pの移動方向)に応じて加工光学系20へのレーザ光の照射状態(照射の向きや角度等)を柔軟に変化させることができる。このため、全ての加工方向に対して同一条件の加工を行うことができ、被加工物30の加工方向にかかわらず加工性能を安定させることができる。
なお、上述した第1の実施の形態においては、光学系移動機構23によりコリメートレンズ光学系21側を移動させることにより、コリメートレンズ光学系21の光軸Lと加工レンズ光学系22の光軸Lとの相対的な位置関係を変化させるようにしているが、これに限らず、加工レンズ光学系22側を移動させたりコリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22の両方を移動させたりすることによって、コリメートレンズ光学系21の光軸Lと加工レンズ光学系22の光軸Lとの相対的な位置関係を変化させるようにしてもよい。
また、上述した第1の実施の形態においては、加工光学系20のコリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22において、それらの光軸L,Lが互いに平行の関係を保っている場合を例に挙げて説明したが、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22等を総合的に設計すれば、必ずしもコリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22の光軸L,Lが互いに平行の関係を保っている必要はない。
第2の実施の形態
次に、図4及び図5により、本発明の第2の実施の形態に係るレーザ加工装置について説明する。なお、本発明の第2の実施の形態は、図1乃至図3に示す第1の実施の形態において、コリメートレンズ光学系の光軸と加工レンズ光学系の光軸との相対的な位置関係を変化させる光学系移動機構の代わりに、コリメートレンズ光学系によってコリメートされたレーザ光をコリメートレンズ光学系の光軸から所定の距離だけシフトさせる光路シフト用光学系を用いるようにした点を除いて、他は図1乃至図3に示す第1の実施の形態と略同一である。本発明の第2の実施の形態において、図1乃至図3に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係るレーザ加工装置10′の加工光学系20′は、光ファイバ12から出射されたレーザ光を平行光にコリメートするコリメートレンズ光学系21と、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされたレーザ光を被加工物30上に集光させる加工レンズ光学系22とを有している。なお、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22は、1枚のレンズとして構成されたコリメートレンズ21a及び加工レンズ22aをそれぞれ有している。なおここでは、説明を簡略化するため、コリメートレンズ21a及び加工レンズ22aはいずれも単一レンズとし、レンズの収差は全くない理想レンズであるものとする。
ここで、光ファイバ12は、加工光学系20′のコリメートレンズ光学系21の光軸Lに沿ってレーザ光を出射させるような位置関係でコリメートレンズ光学系21に固定されている。また、加工光学系20′のコリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22は、それらの光軸L,Lが同軸上に位置するように配置されている。さらに、加工光学系20′のコリメートレンズ光学系21と加工レンズ光学系22との間には光路シフト用光学系26が配置されており、コリメートレンズ光学系21によってコリメートされたレーザ光をコリメートレンズ光学系21の光軸Lから所定の距離dだけシフトさせるようになっている。なお、光路シフト用光学系26は、屈折面をなす表裏両面(入射面及び反射面)が平面状に研磨された光学ブロック26aを有しており、当該ブロック26aの屈折面がコリメートレンズ光学系21の光軸Lに対して所望の傾き角θだけ傾けられた状態で配置されている。これにより、加工光学系20′においては、光ファイバ12から出射されてコリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされたレーザ光の光軸は、光路シフト用光学系26を通過することでコリメートレンズ光学系21の光軸Lから所定の距離dだけシフトする。これにより、光路シフト用光学系26によってシフトされて加工レンズ光学系22に入射するレーザ光の光軸は、加工レンズ光学系22の光軸Lからずれた位置を通過することとなり、その結果、加工レンズ光学系22により集光されたレーザ光は、加工レンズ光学系22の光軸Lに対して所定の角度が付けられた状態で被加工物30上に照射される。このとき、図4に示すように、加工レンズ光学系22の光軸Lと被加工物30の表面とが略垂直の関係にあれば、加工レンズ光学系22から出射されたレーザ光(符号41参照)が被加工物30上に斜め方向から照射されることとなるので、被加工物30上で反射されたレーザ光(符号42参照)は元のレーザ光とは異なる光路を通過して加工レンズ光学系22に戻される。
なお、図5は、図4に示す場合とは異なり、コリメートレンズ光学系21の光軸Lに対する光学ブロック26aの傾き角θが90°である場合(比較例)を示している。この場合には、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされて加工レンズ光学系22に入射するレーザ光の光軸は、加工レンズ光学系22のうち光軸Lが通る位置を通過することとなり、その結果、加工レンズ光学系22により集光されたレーザ光は被加工物30上に略垂直に照射される。このとき、図5に示すように、加工レンズ光学系22から出射されたレーザ光(符号41参照)は被加工物30上に略垂直に照射されることとなるので、被加工物30上で反射されたレーザ光(符号42参照)は元のレーザ光と同一の光路を通過して加工レンズ光学系22(ひいては光ファイバ12)に戻される。
なお、光路シフト用光学系26には光学ブロック角度変更機構(図示せず)が設けられており、光学ブロック26aがコリメートレンズ光学系21の光軸Lに対して所望の傾き角θに位置付けられるまでその回転軸Rを中心として回転させることができるようになっている。なお、光学ブロック26aの回転軸Rは、光学ブロック26aの重心位置を通るとともに、コリメートレンズ光学系21の光軸Lを通り、且つ、当該光軸Lに垂直な関係にある。また、光路シフト用光学系26には、光学ブロック回転機構(図示せず)が設けられており、光学ブロック26aを加工レンズ光学系22の光軸Lを中心として回転させることにより、コリメートレンズ光学系21によってコリメートされたレーザ光の位置を加工レンズ光学系22の光軸Lを中心として回転させることができるようになっている。
また、光学ブロック角度変更機構(図示せず)及び光学ブロック回転機構(図示せず)には光学系制御装置28が接続されており、被加工物30に対する加工条件や使用レーザ出力、被加工物30の反射率等に応じて光学ブロック角度変更機構(図示せず)及び光学ブロック回転機構(図示せず)を制御することができるようになっている。
さらに、光学系制御装置28は、加工位置制御装置25との間で信号の授受を行うことができるようになっており、これにより、光学ブロック角度変更機構(図示せず)、光学ブロック回転機構(図示せず)及び載置テーブル24の状態を、同一の加工状態及び加工条件が保たれるように一意的に統括して制御することができる。より具体的には、光学系制御装置28において、加工位置制御装置25により制御された載置テーブル24の状態(例えば被加工物30上での加工点Pの移動方向)に応じて光学ブロック角度変更機構(図示せず)及び光学ブロック回転機構(図示せず)を制御することにより、被加工物30の加工方向等に応じて被加工物30へのレーザ光の照射状態(照射の向きや角度等)を適宜調整することができる。
次に、このような構成からなる本発明の第2の実施の形態の作用について説明する。
図4に示すレーザ加工装置10′において、固体レーザ発振器11から出射されたレーザ光は光ファイバ12を介して伝送され、加工光学系20′によりレーザ光が集光又は結像されて被加工物30上に照射される。
ここで、光ファイバ12は、加工光学系20′のコリメートレンズ光学系21の光軸Lに沿ってレーザ光を出射させるような位置関係でコリメートレンズ光学系21に固定されており、加工光学系20′において、まず、コリメートレンズ光学系21により、光ファイバ12から出射されたレーザ光が平行光にコリメートされ、次いで、加工レンズ光学系22により、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされたレーザ光が集光される。
このとき、コリメートレンズ光学系21と加工レンズ光学系22との間に配置された光路シフト用光学系26内の光学ブロック26aは、その屈折面が所望の傾き角θだけ傾けられた状態で配置されているので、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされたレーザ光の光軸は光路シフト用光学系26を通過することでコリメートレンズ光学系21の光軸Lから所定の距離dだけシフトする。これにより、光路シフト用光学系26によってシフトされて加工レンズ光学系22に入射するレーザ光の光軸は、加工レンズ光学系22の光軸Lからずれた位置を通過する。ここで、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22を構成するコリメートレンズ21a及び加工レンズ22aが収差の全くない理想レンズであるものとすると、加工レンズ光学系22の光軸Lからずれた位置をレーザ光の光軸が通過する場合でも、加工レンズ光学系22の光軸Lに対するレーザ光の照射角度以外は同一の状態で、被加工物30上の加工レンズ光学系22の焦点位置にレーザ光が照射される。このため、加工レンズ光学系22の光軸Lからずれた位置をその光軸が通過するレーザ光は、図4に示すように、加工レンズ光学系22の光軸Lに対して所定の角度が付けられた状態で被加工物30上に斜め方向から照射される。
この場合、加工レンズ光学系22上でのレーザ光の光軸の入射位置と加工レンズ光学系22の光軸Lとの間の距離(光路シフト用光学系26によるレーザ光のシフト量)dがコリメート後のレーザ光のビーム半径よりも大きい場合には、被加工物30で反射されたレーザ光(符号42参照)がもとのレーザ光(符号41参照)の光路と完全に異なる光路を通過することとなるので、被加工物30が高反射材料からなり且つその表面(加工面)が平滑面である場合でも、被加工物30で反射されたレーザ光(符号42参照)が光ファイバ12へ戻ることをほぼ完全に効果的に防止することができる。なお、加工レンズ光学系22上でのレーザ光の光軸の入射位置と加工レンズ光学系22の光軸Lとの間の距離dがビーム半径よりも小さい場合でも、被加工物30で反射されたレーザ光の一部はもとのレーザ光の光路と異なる光路を通過することとなるので、その分だけ被加工物30で反射されたレーザ光が光ファイバ12へ戻ることを防止することが可能である。
なお、以上において、レーザ光が照射される被加工物30は載置テーブル24上に載置されており、加工位置制御装置25により載置テーブル24が制御されることにより、被加工物30上でのレーザ光の集光位置(加工点P)が所望の加工経路に沿って移動する。
また、光路シフト用光学系26に設けられた光学ブロック角度変更機構(図示せず)及び光学ブロック回転機構(図示せず)には光学系制御装置28が接続されており、被加工物30に対する加工条件や使用レーザ出力、被加工物30の反射率等に応じて光学ブロック角度変更機構(図示せず)及び光学ブロック回転機構(図示せず)が制御される。ここで、光学系制御装置28は加工位置制御装置25との間で信号の授受を行うように構成されており、光学ブロック角度変更機構(図示せず)、光学ブロック回転機構(図示せず)及び載置テーブル24の状態が、同一の加工状態及び加工条件が保たれるように一意的に統括して制御される。より具体的には、光学系制御装置28において、加工位置制御装置25により制御された載置テーブル24の状態(例えば被加工物30上での加工点Pの移動方向)に応じて光学ブロック角度変更機構(図示せず)及び光学ブロック回転機構(図示せず)の状態が制御され、これにより、被加工物30へのレーザ光の照射状態(照射の向きや角度等)が調整される。具体的には例えば、図4において、被加工物30が紙面に向かって下に移動している場合には、被加工物30の進行方向に関してのレーザ光の照射角度δは90°よりも小さな角度となるが、紙面に向かって上に移動している場合には90°よりも大きな角度となり、加工点Pの移動方向によってレーザ光の照射角度δが変化してしまうこととなる。このため、被加工物30が紙面に向かって上に移動している場合には、光学ブロック回転機構(図示せず)により、光路シフト用光学系26(光学ブロック26a)を加工レンズ光学系22の光軸Lを中心として180°だけ回転させるようにする。
このように本発明の第2の実施の形態によれば、加工光学系20のコリメートレンズ光学系21と加工レンズ光学系22との間に光路シフト用光学系26が配置され、コリメートレンズ光学系21によってコリメートされたレーザ光の光軸がコリメートレンズ光学系21の光軸Lから所定の距離dだけシフトされているので、光路シフト用光学系26によってシフトされて加工レンズ光学系22に入射するレーザ光の光軸は、加工レンズ光学系22の光軸Lからずれた位置を通過することとなり、その結果、加工レンズ光学系22により集光されたレーザ光は、その光軸が加工レンズ光学系22の光軸Lに対して所定の角度が付けられた状態で被加工物30上に斜め方向から照射される。このため、上述した第1の実施の形態と同様に、加工光学系20自体を被加工物30に対して傾けなくとも被加工物30に対してレーザ光を斜め方向から照射させることが可能となり、被加工物30近傍の構造的な制約を受けることなく、被加工物30で反射されたレーザ光により生じる光ファイバ12の破損等を効果的に防止することができる。
また、本発明の第2の実施の形態によれば、光学ブロック角度変更機構(図示せず)により、コリメートレンズ光学系21の光軸Lに対する光路シフト用光学系26の傾き角θを調整することにより、加工レンズ光学系22に入射するレーザ光の光軸の位置(加工レンズ光学系22の光軸Lからの距離)を変化させることができるので、被加工物30に対する加工条件や使用レーザ出力、被加工物30の反射率等に応じた最適な状態で被加工物30の加工を行うことができる。
さらに、本発明の第2の実施の形態によれば、光学ブロック回転機構(図示せず)により、光路シフト用光学系26(光学ブロック26a)を加工レンズ光学系22の光軸Lを中心として回転させることにより、コリメートレンズ光学系21によってコリメートされて加工レンズ光学系22に入射するレーザ光の位置を加工レンズ光学系22の光軸Lを中心として回転させることができるので、シーム溶接のように被加工物30上で加工点Pを所定の加工経路に沿って移動させながら被加工物30の加工を行うような場合でも、加工方向(加工点Pの移動方向)に応じて被加工物30へのレーザ光の照射状態(照射の向きや角度等)を柔軟に変化させることができる。このため、全ての加工方向に対して同一条件の加工を行うことができ、被加工物30の加工方向にかかわらず加工性能を安定させることができる。
なお、上述した第2の実施の形態においては、光路シフト用光学系26(光学ブロック26a)の回転軸Rを、当該回転軸Rが光学ブロック26aの重心位置を通り、且つ、当該回転軸Rがコリメートレンズ光学系21の光軸Lを通るように設けているが、これに限らず、光学ブロック26aの重心中心から外れた位置を通るように回転軸Rを設けたり、コリメートレンズ光学系21の光軸Lから外れた位置を通るように回転軸Rを設けるようにしてもよい。
また、上述した第2の実施の形態においては、加工光学系20のコリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22において、それらの光軸L,Lが互いに平行の関係を保っている場合を例に挙げて説明したが、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22等を総合的に設計すれば、必ずしもコリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22の光軸L,Lが互いに平行の関係を保っている必要はない。
第3の実施の形態
次に、図6及び図7により、本発明の第3の実施の形態に係るレーザ加工装置について説明する。なお、本発明の第3の実施の形態は、図1乃至図3に示す第1の実施の形態において、コリメートレンズ光学系によってコリメートされたレーザ光を、加工レンズ光学系により、コリメートレンズ光学系の光軸に対して所定の角度が付けられた光軸に沿って集光させるとともに、光学系回転機構により、コリメートレンズ光学系の光軸に一致する回転軸を中心にして加工レンズ光学系を回転させるようにしたものであり、基本的な構成は図1乃至図3に示す第1の実施の形態、及び図4及び図5に示す第2の実施の形態と略同一である。本発明の第3の実施の形態において、図1乃至図3に示す第1の実施の形態、及び図4及び図5に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図6に示すように、本発明の第3の実施の形態に係るレーザ加工装置10″は、レーザ光を利用して被加工物30の加工を行うものであり、レーザ光を出射する固体レーザ発振器11と、固体レーザ発振器11から出射されたレーザ光を伝送する光ファイバ12と、光ファイバ12を介して伝送されたレーザ光を集光又は結像させて被加工物30上に照射する加工光学系20″とを備えている。
また、レーザ加工装置10″は、被加工物30を載置する載置テーブル(加工位置移動機構)24を備え、載置テーブル24により被加工物30を水平面内で移動させることにより、加工光学系20″と被加工物30との相対的な位置関係を変化させることができるようになっている。なお、載置テーブル24には加工位置制御装置25が接続されており、被加工物30上でのレーザ光の集光位置(加工点P)が所望の加工経路に沿って移動するように載置テーブル24を制御することができるようになっている。
このうち、加工光学系20″は、光ファイバ12から出射されたレーザ光を平行光にコリメートするコリメートレンズ光学系21と、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされたレーザ光を集光させる加工レンズ光学系22′とを有している。
ここで、コリメートレンズ光学系21は、1枚のレンズとして構成されたコリメートレンズ21aを有している。なおここでは、説明を簡略化するため、コリメートレンズ21aは単一レンズとし、レンズの収差は全くない理想レンズであるものとする。
また、加工レンズ光学系22′は、1枚のレンズとして構成された加工レンズ22aと、加工レンズ22aの前段に設けられ、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされたレーザ光の光路を変更する2枚の反射ミラー37,38とを有し、コリメートレンズ光学系21の光軸Lに対して所定の角度を付けられた光軸Lに沿ってレーザ光が集光されるようになっている。ここで、加工レンズ光学系22′に設けられた反射ミラー37,38は互いに平行となるような位置関係で配置されており、その設置角度は、被加工物30上に照射されるレーザ光の照射角度δに応じて任意に設定されている。なおここでは、説明を簡略化するため、加工レンズ22aは単一レンズとし、レンズの収差は全くない理想レンズであるものとする。
なお、コリメートレンズ光学系21と加工レンズユニット22′との間にはモータ等の駆動機構を含む光学系回転機構35が配置されており、加工レンズ光学系22′によりレーザ光が集光される被加工物30上の加工点Pを通る回転軸Rを中心にして、加工レンズ光学系22′をコリメートレンズ光学系21に対して相対的に回転させることができるようになっている。なお、加工レンズ光学系22′には、光学系回転機構35の回転軸Rと被加工物30上の加工点Pとを一致させるための調整機構(図示せず)が設けられている。
ここで、光ファイバ12は、コリメートレンズ光学系21の光軸Lに沿ってレーザ光を出射させるような位置関係でコリメートレンズ光学系21に固定されている。また、コリメートレンズ光学系21は、その光軸Lが光学系回転機構35の回転軸Rと一致するような位置関係で保持部13に固定されている。
さらに、光学系回転機構35には回転機構制御装置36が接続されており、光学系回転機構35による加工レンズ光学系22′の回転状態(回転角度や回転速度等)を制御することができるようになっている。また、回転機構制御装置36は、加工位置制御装置25との間で信号の授受を行うことができるようになっており、これにより、光学系回転機構35及び載置テーブル24の両方の状態を、同一の加工状態及び加工条件が保たれるように一意的に統括して制御することができる。より具体的には、回転機構制御装置36において、加工位置制御装置25により制御された載置テーブル24の状態(例えば被加工物30上での加工点Pの移動方向)に応じて光学系回転機構35による加工レンズ光学系22′の回転状態(回転角度や回転速度等)を制御することにより、被加工物30の加工方向等に応じて被加工物30へのレーザ光の照射状態(照射の向き)を適宜調整することができる。
次に、このような構成からなる本発明の第3の実施の形態の作用について説明する。
図6に示すレーザ加工装置10″において、固体レーザ発振器11から出射されたレーザ光は光ファイバ12を介して伝送され、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22′によりレーザ光が集光又は結像されて被加工物30上に照射される。
ここで、光ファイバ12は、コリメートレンズ光学系21の光軸Lに沿ってレーザ光を出射させるような位置関係でコリメートレンズ光学系21に固定されており、コリメートレンズ光学系21のコリメートレンズ21aにより、光ファイバ12から出射されたレーザ光が平行光にコリメートされる。
次いで、このようにしてコリメートレンズ光学系21のコリメートレンズ21aによって平行光にコリメートされたレーザ光は、加工レンズ光学系22′の2枚の反射ミラー37,38により、コリメートレンズ光学系21の光軸Lに対して所定の角度が付けられた状態で加工レンズ22aに導かれ、最終的に、加工レンズ22aにより集光される。このとき、加工レンズ光学系22′(加工レンズ22a)の光軸Lはコリメートレンズ光学系21の光軸Lに対して傾斜しているので、加工レンズ22aにより集光されたレーザ光は被加工物30上に斜め方向(被加工物30の表面に対して垂直でない角度の方向)から照射される。これにより、被加工物30で反射されたレーザ光はもとのレーザ光の光路と異なる光路を通過することとなるので、被加工物30が高反射材料からなり且つその表面(加工面)が平滑面である場合でも、被加工物30で反射されたレーザ光が光ファイバ12へ戻ることを効果的に防止することができる。
なお、以上において、レーザ光が照射される被加工物30は載置テーブル24上に載置されており、加工位置制御装置25により載置テーブル24が制御されることにより、被加工物30上でのレーザ光の集光位置が所望の加工経路に沿って移動する。
また、光学系回転機構35には回転機構制御装置36が接続されており、光学系回転機構35による加工レンズ光学系22′の回転状態(回転角度や回転速度等)が制御される。ここで、回転機構制御装置36は加工位置制御装置25との間で信号の授受を行うように構成されており、光学系回転機構35及び載置テーブル24の両方の状態が、同一の加工状態及び加工条件が保たれるように一意的に統括して制御される。より具体的には、回転機構制御装置36において、加工位置制御装置25により制御された載置テーブル24の状態(例えば被加工物30上での加工点Pの移動方向)に応じて光学系回転機構35による加工レンズ光学系22′の回転状態(回転角度や回転速度等)が制御され、これにより、被加工物30の加工方向等に応じて被加工物30へのレーザ光の照射状態(照射の向き)が調整される。具体的には例えば、図6において、被加工物30が紙面に向かって右に移動している場合には、被加工物30の進行方向に関してのレーザ光の照射角度δは90°よりも小さな角度となるが、紙面に向かって左に移動している場合には90°よりも大きな角度となり、加工点Pの移動方向によってレーザ光の照射角度δが変化してしまうこととなる。このため、被加工物30が紙面に向かって左に移動している場合には、光学系回転機構35により加工レンズ光学系22′をコリメートレンズ光学系21に対して180°だけ回転するようにする。
このように本発明の第3の実施の形態によれば、コリメートレンズ光学系21によってコリメートされたレーザ光が、加工レンズ光学系22′により、コリメートレンズ光学系21の光軸Lに対して所定の角度が付けられた状態で集光されるようにしているので、被加工物30で反射されたレーザ光が加工光学系20″に戻されることがなく、被加工物30で反射されたレーザ光により生じる光ファイバ12の破損等を効果的に防止することができる。また、光学系回転機構35により、コリメートレンズ光学系21の光軸Lに一致する回転軸Rを中心にして、保持部13に固定されたコリメートレンズ光学系21に対して加工レンズ光学系22′を相対的に回転させるようにしているので、シーム溶接のように被加工物30上で加工点Pを所定の加工経路に沿って移動させながら被加工物30の加工を行うような場合でも、加工方向(加工点Pの移動方向)に応じて被加工物30に対する加工光学系20″の傾きの向きが最適な状態となるよう変化させることができる。このため、全ての加工方向に対して同一条件の加工を行うことができ、被加工物30の加工方向にかかわらず加工性能を安定させることができる。なおこのとき、光学系回転機構35の回転軸Rが被加工物30上の加工点Pに一致するような状態で、加工レンズ光学系22′をコリメートレンズ光学系21に対して相対的に回転させるようにしているので、被加工物30上で加工点Pが移動することがなく、加工性能をより安定させることができる。
なお、上述した第3の実施の形態においては、被加工物30上で反射されたレーザ光が加工光学系20″に戻されないような構成としているが、これに限らず、図7に示すレーザ加工装置10″のように、加工光学系20″において、被加工物30で反射されたレーザ光が戻ってくる位置に、被加工物30で反射されたレーザ光を被加工物30上の加工点Pへ向けて再度反射させる反射ミラー39を設けるようにしてもよい。これにより、被加工物30で反射されたレーザ光を再度加工点Pに戻すことができ、レーザ光を再利用することで被加工物30の加工効率をより向上させることができる。ここで、反射ミラー39としては、被加工物30で反射されたレーザ光を被加工物30上の加工点Pに再度集光させるような表面形状を有する球面ミラーが好ましく用いられるが、平面ミラー等でも構わない。なお、レーザ光を最も効率よく再利用するという観点では、反射ミラー39から加工点Pまでの距離に等しい曲率半径を持つ球面ミラーが有利であるが、この場合には、加工光学系20″を介して光ファイバ12に戻されるレーザ光が増加することとなるので、光ファイバ12が破損する可能性も高くなる。このため、このような点が問題になる場合には、球面ミラーの曲率を理想的なものから若干変えておくか、球面ミラーで反射されて戻されるレーザ光の光路を理想的なものから若干ずらしておくことが好ましい。なお、図7に示すレーザ加工装置10″においては、被加工物30で反射されたレーザ光が戻ってくる位置に反射ミラー39に代えてセンサ45を配置し、センサー45からの信号によって被加工物30の加工状態を監視することも可能である。さらに、センサー45からの信号を固体レーザ発振器11に戻し、その信号に基づいてレーザ光の照射条件等を変更する等のフィードバック制御を行ってもよい。
また、上述した第3の実施の形態においては、調整機構(図示せず)により、光学系回転機構35の回転軸Rが被加工物30上の加工点Pに一致するようにした状態で、加工レンズ光学系22′,22″をコリメートレンズ光学系21に対して相対的に回転させる場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、調整機構(図示せず)により、光学系回転機構35の回転軸Rが被加工物30上の加工点Pに一致しないように僅かにずらした状態で、加工レンズ光学系22′,22″をコリメートレンズ光学系21に対して相対的に回転させるようにしてもよい。この場合には、加工レンズ光学系22′,22″をコリメートレンズ光学系21に対して相対的に回転させときに被加工物30上の加工点Pが円形の軌跡を描いて移動することとなるので、例えば電池のボール溶接等に好適に適用することができる。
さらに、上述した第3の実施の形態においては、コリメートレンズ光学系21の光軸Lと光学系回転機構35の回転軸Rとが一致する場合を例に挙げて説明したが、両者は必ずしも一致している必要はなく、互いに平行な関係にあればよい。
さらに、上述した第3の実施の形態においては、コリメートレンズ光学系21を保持部13に固定した状態で、光学系回転機構35により、加工レンズ光学系22′,22″をコリメートレンズ光学系21に対して相対的に回転させているが、光ファイバ12から出射されるレーザ光の光軸の位置とコリメートレンズ光学系21の光軸Lとが一致した状態に保たれるのであれば、これに限らず、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22′,22″の全体を光ファイバ12に対して相対的に回転させるようにしてもよい。
さらに、上述した第3の実施の形態においては、加工レンズ光学系22′,22″の反射ミラー37,38が互いに平行となるような位置関係で配置されているが、加工レンズ22aに導かれるレーザ光の光路を変更することができれば、必ずしも反射ミラー37,38が互いに平行である必要はない。
さらに、上述した第3の実施の形態においては、加工レンズ光学系22′,22″において、コリメートレンズ光学系21によって平行光にコリメートされたレーザ光の光路を変更するための光学系として2枚の反射ミラー37,38を用いているが、これに限らず、プリズム等の任意の光学部材を用いることが可能である。
さらに、上述した第3の実施の形態においては、加工レンズ光学系22′,22″の加工レンズ22aに導かれるレーザ光は光ファイバ12から出射されたレーザ光のみであるが、反射ミラー37,38をハーフミラーとして構成すれば、反射ミラー37,38の裏面から別のレーザ光を入射させることも可能である。
なお、上述した第1乃至第3の実施の形態においては、載置テーブル24により被加工物30側を移動させることにより加工光学系20,20′,20″と被加工物30との相対的な位置関係を変化させるようにしているが、これに限らず、加工光学系20,20′,20″側を移動させたり、加工光学系20,20′,20″及び被加工物30の両方を移動させることにより加工光学系20,20′,20″と被加工物30との相対的な位置関係を変化させるようにしてもよい。
また、上述した第1乃至第3の実施の形態においては、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22,22′,22″を構成するコリメートレンズ21a及び加工レンズ22aが単一レンズからなる場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、コリメートレンズ21a及び加工レンズ22aは複数のレンズから構成される複合光学系(組みレンズ)であってもよい。なお、この後者の場合、適正に収差補正や光学設計等がなされていれば、光学系移動機構23や光学系回転機構35により移動させる対象は複合光学系内の一部のレンズのみでよく、組みレンズ全体を移動させる必要はない。
さらに、上述した第1乃至第3の実施の形態においては、コリメートレンズ光学系21により、光ファイバ12から出射されたレーザ光を平行光にコリメートした後、加工レンズ光学系22,22′,22″によりレーザ光を集光させる場合を例に挙げて説明したが、コリメートレンズ光学系21及び加工レンズ光学系22,22′,22″等を総合的に設計すれば、必ずしもコリメートレンズ光学系21によりレーザ光を平行光にする必要はない。ただし、コリメートレンズ光学系21によりレーザ光を平行光にコリメートした場合には、加工レンズ光学系22,22′,22″内の光学部品の大きさを小さくすることができるので、その意味では好ましい。
さらにまた、上述した第1乃至第3の実施の形態においては、レーザ加工装置10,10′,10″により加工が行われる被加工物30が、高反射材料からなり且つその表面(加工面)が平滑面である場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、被加工物30が低反射材料からなるような場合にも同様にして適用することができる。すなわち、被加工物30が低反射材料からなるような場合でも、レーザ光が高出力になると、その一部のレーザ光が光ファイバ12に戻ることとなるが、上述した第1乃至第3の実施の形態によれば、このようなレーザ光の戻りも効果的に防止することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るレーザ加工装置の全体構成を示す図。 図1に示すレーザ加工装置の加工光学系におけるコリメートレンズ光学系の光軸と加工レンズ光学系の光軸との間の距離が0である場合のレーザ光の照射状態を示す図。 図1に示すレーザ加工装置の加工光学系における入射ビーム及び反射ビームの位置関係を説明するための図。 本発明の第2の実施の形態に係るレーザ加工装置の全体構成を示す図。 図4に示すレーザ加工装置の加工光学系における光路シフト用光学系内の光学ブロックの傾き角が90°である場合のレーザ光の照射状態を示す図。 本発明の第3の実施の形態に係るレーザ加工装置の全体構成を示す図。 図6に示すレーザ加工装置の変形例を示す図。
符号の説明
10,10′,10″ レーザ加工装置
11 固体レーザ発振器
12 光ファイバ
13 保持部
20,20′,20″ 加工光学系
21 コリメートレンズ光学系
21a コリメートレンズ
22,22′,22″ 加工レンズ光学系
22a 加工レンズ
23 光学系移動機構
24 載置テーブル(加工位置移動機構)
25 加工位置制御装置
26 光路シフト用光学系
26a 光学ブロック
28 光学系制御装置
30 被加工物
35 光学系回転機構
36 回転機構制御装置
37,38 反射ミラー
39 反射ミラー
41,42 レーザ光
45 センサ
51 遮蔽物
コリメートレンズ光学系の光軸
加工レンズ光学系の光軸
P 加工点
,R 回転軸
θ 光学ブロックの傾き角
δ レーザ光の照射角度

Claims (18)

  1. レーザ光を利用して被加工物の加工を行うレーザ加工装置において、
    レーザ光を出射するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から出射されたレーザ光を伝送する光ファイバと、
    前記光ファイバを介して伝送されたレーザ光を集光させて被加工物上に照射する加工光学系とを備え、
    前記加工光学系は、前記光ファイバから出射されたレーザ光をコリメートするコリメートレンズ光学系と、前記コリメートレンズ光学系によってコリメートされたレーザ光を前記被加工物上に集光させる加工レンズ光学系とを有し、前記コリメートレンズ光学系によってコリメートされて前記加工レンズ光学系に入射するレーザ光の光軸が前記加工レンズ光学系の光軸からずれた位置を通過するように構成され、前記加工レンズ光学系の光軸に対して所定の角度が付けられた状態で前記被加工物上にレーザ光が照射されることを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記加工光学系の前記コリメートレンズ光学系及び前記加工レンズ光学系は、それらの光軸が互いに所定の距離だけ離間した関係にあるように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記加工光学系は、前記コリメートレンズ光学系及び前記加工レンズ光学系のうちの少なくとも一方を移動させることにより、前記コリメートレンズ光学系の光軸と前記加工レンズ光学系の光軸との相対的な位置関係を変化させる光学系移動機構をさらに有することを特徴とする、請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記加工光学系は、前記コリメートレンズ光学系と前記加工レンズ光学系との間に配置された光路シフト用光学系であって、前記コリメートレンズ光学系によってコリメートされたレーザ光を前記コリメートレンズ光学系の光軸から所定の距離だけシフトさせる光路シフト用光学系をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記光路シフト用光学系は、前記コリメートレンズ光学系の光軸に対して傾けられた屈折面を持つ光学ブロックを有することを特徴とする、請求項4に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記光路シフト用光学系は、前記コリメートレンズ光学系の光軸に対する前記光学ブロックの傾き角を変化させる光学ブロック角度変更機構をさらに有することを特徴とする、請求項5に記載のレーザ加工装置。
  7. 前記光路シフト用光学系は、前記光学ブロックを前記加工レンズ光学系の光軸を中心として回転させることにより、前記コリメートレンズ光学系によってコリメートされて前記加工レンズ光学系に入射するレーザ光の位置を前記加工レンズ光学系の光軸を中心として回転させる光学ブロック回転機構をさらに有することを特徴とする、請求項5又は6に記載のレーザ加工装置。
  8. 前記加工光学系の前記コリメートレンズ光学系及び前記加工レンズ光学系は、それらの光軸が同軸上に位置することを特徴とする、請求項4乃至7のうちのいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  9. 前記加工光学系及び前記被加工物のうちの少なくとも一方を移動させることにより、前記加工光学系と前記被加工物との相対的な位置関係を変化させる加工位置移動機構と、
    前記被加工物上でのレーザ光の集光位置が所望の加工経路に沿って移動するように前記加工位置移動機構を制御する加工位置制御装置とをさらに備えたことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  10. 前記加工光学系及び前記被加工物のうちの少なくとも一方を移動させることにより、前記加工光学系と前記被加工物との相対的な位置関係を変化させる加工位置移動機構と、
    前記被加工物上でのレーザ光の集光位置が所望の加工経路に沿って移動するように前記加工位置移動機構を制御する加工位置制御装置と、
    前記加工位置制御装置により制御された前記加工位置移動機構の状態に応じて前記光学系移動機構を制御する光学系制御装置とをさらに備えたことを特徴とする、請求項3に記載のレーザ加工装置。
  11. 前記加工光学系及び前記被加工物のうちの少なくとも一方を移動させることにより、前記加工光学系と前記被加工物との相対的な位置関係を変化させる加工位置移動機構と、
    前記被加工物上でのレーザ光の集光位置が所望の加工経路に沿って移動するように前記加工位置移動機構を制御する加工位置制御装置と、
    前記加工位置制御装置により制御された前記加工位置移動機構の状態に応じて前記光学ブロック角度変更機構を制御する光学系制御装置とをさらに備えたことを特徴とする、請求項6に記載のレーザ加工装置。
  12. 前記加工光学系及び前記被加工物のうちの少なくとも一方を移動させることにより、前記加工光学系と前記被加工物との相対的な位置関係を変化させる加工位置移動機構と、
    前記被加工物上でのレーザ光の集光位置が所望の加工経路に沿って移動するように前記加工位置移動機構を制御する加工位置制御装置と、
    前記加工位置制御装置により制御された前記加工位置移動機構の状態に応じて前記光学ブロック回転機構を制御する光学系制御装置とをさらに備えたことを特徴とする、請求項7に記載のレーザ加工装置。
  13. レーザ光を利用して被加工物の加工を行うレーザ加工装置において、
    レーザ光を出射するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から出射されたレーザ光を伝送する光ファイバと、
    前記光ファイバを介して伝送されたレーザ光を集光させて被加工物上に照射する加工光学系とを備え、
    前記加工光学系は、前記光ファイバから出射されたレーザ光をコリメートするコリメートレンズ光学系と、前記コリメートレンズ光学系によってコリメートされたレーザ光を前記被加工物上に集光させる加工レンズ光学系であって、前記コリメートレンズ光学系の光軸に対して所定の角度が付けられた光軸に沿ってレーザ光を集光させる加工レンズ光学系と、前記コリメートレンズ光学系の光軸と前記加工レンズ光学系の光軸との間の関係を保った状態で前記コリメートレンズ光学系の光軸に平行な回転軸を中心にして前記加工レンズ光学系を回転させる光学系回転機構とを有することを特徴とするレーザ加工装置。
  14. 前記光学系回転機構の前記回転軸は、前記加工レンズ光学系によりレーザ光が集光される前記被加工物上の集光位置を通ることを特徴とする、請求項13に記載のレーザ加工装置。
  15. 前記加工光学系及び前記被加工物のうちの少なくとも一方を移動させることにより、前記加工光学系と前記被加工物との相対的な位置関係を変化させる加工位置移動機構と、
    前記被加工物上でのレーザ光の集光位置が所望の加工経路に沿って移動するように前記加工位置移動機構を制御する加工位置制御装置とをさらに備えたことを特徴とする、請求項13又は14に記載のレーザ加工装置。
  16. 前記加工位置制御装置により制御された前記加工位置移動機構の状態に応じて前記光学系回転機構を制御する回転機構制御装置をさらに備えたことを特徴とする、請求項15に記載のレーザ加工装置。
  17. 前記加工光学系は、前記被加工物で反射されたレーザ光を前記被加工物上の集光位置へ向けて再度反射させる反射ミラーを有することを特徴とする、請求項13乃至16のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  18. 前記反射ミラーは、前記被加工物で反射されたレーザ光を前記被加工物上の集光位置に再度集光させるような表面形状を有することを特徴とする、請求項17に記載のレーザ加工装置。
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