JP2021191588A - レーザ切断方法およびレーザ切断装置 - Google Patents

レーザ切断方法およびレーザ切断装置 Download PDF

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知道 安岡
Tomomichi Yasuoka
昌充 金子
Akimitsu Kaneko
俊明 酒井
Toshiaki Sakai
和行 梅野
Kazuyuki Umeno
淳 寺田
Atsushi Terada
大烈 尹
Dairetsu In
史香 西野
Fumika NISHINO
暢康 松本
Nobuyasu Matsumoto
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Abstract

【課題】例えば、より少ないエネルギーでより効率良く切断することが可能な、レーザ切断方法およびレーザ切断装置を得る。【解決手段】レーザ切断方法は、レーザ光を加工対象の表面に照射することにより当該加工対象をレーザ切断する。当該レーザ切断方法では、例えば、レーザ光は、複数のビームを含み、複数のビームは、少なくとも一つの主ビームと、当該主ビームよりもパワーが小さい少なくとも一つの副ビームとを含み、表面上に、少なくとも一つの主ビームを含む主パワー領域と、少なくとも一つの副ビームを含む副パワー領域と、が形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ切断方法およびレーザ切断装置に関する。
金属材料からなる加工対象を溶断する手法の一つとして、レーザ光の照射によるレーザ切断が知られている。レーザ切断とは、レーザ光を加工対象の切断する部分に照射し、レーザ光のエネルギーで当該部分を溶融させて切断する手法である(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−112372号公報
レーザ切断にあっては、加工対象をより少ないエネルギーでより効率良く切断することができれば、有益である。
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、より少ないエネルギーでより効率良く切断することが可能な、レーザ切断方法およびレーザ切断装置を得ること、である。
本発明のレーザ切断方法にあっては、例えば、レーザ光を加工対象の表面に照射することにより当該加工対象をレーザ切断する、レーザ切断方法であって、前記レーザ光は、複数のビームを含み、前記複数のビームは、少なくとも一つの主ビームと、当該主ビームよりもパワーが小さい少なくとも一つの副ビームとを含み、前記表面上に、前記少なくとも一つの主ビームを含む主パワー領域と、前記少なくとも一つの副ビームを含む副パワー領域と、が形成される。
前記レーザ切断方法にあっては、前記副パワー領域は、前記加工対象を溶融しうるパワーを有してもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記主ビームのレーザ光の波長は、当該波長における前記加工対象の光吸収率が、当該加工対象の温度上昇に従って上昇する波長であってもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記レーザ光は、前記表面に対して掃引され、前記少なくとも一つの主ビームに対して、前記レーザ光の前記表面に対する掃引方向の前方に、前記少なくとも一つの副ビームが配置されてもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記少なくとも一つの主ビームに対して、その周囲に、前記少なくとも一つの副ビームとしての複数の副ビームが配置されてもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記複数の副ビームが、円弧状に配置されてもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記複数の副ビームが、四角形状に配置されてもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記複数のビームの配置が、ビームシェイパによって形成されてもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記ビームシェイパは回折光学素子であってもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記主パワー領域に含まれる前記少なくとも一つの主ビームのレーザ光の波長と、前記副パワー領域に含まれる前記少なくとも一つの副ビームのレーザ光の波長とが、同一であってもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記副パワー領域に含まれる前記少なくとも一つの副ビームのレーザ光の波長は、前記主パワー領域に含まれる前記少なくとも一つの主ビームのレーザ光の波長よりも、前記加工対象に対する吸収率が高い波長であってもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記主ビームのレーザ光の波長は、800[nm]以上かつ1200[nm]以下であり、前記副ビームのレーザ光の波長は、500[nm]以下であってもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記副ビームのレーザ光の波長は、400[nm]以上500[nm]以下であってもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記表面上での前記レーザ光の照射方向および前記レーザ光の掃引方向と直交する幅方向における前記主ビームの幅が、前記表面上での前記副ビームの前記幅方向における幅よりも狭くてもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記主ビームの前記幅は、200[μm]以下であってもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記副ビームの前記幅は、230[μm]以上であってもよい。
前記副ビームの前記幅は、前記表面上での前記副ビームの前記掃引方向における長さより大きくてもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記主パワー領域における前記レーザ光のパワーと前記副パワー領域における前記レーザ光のパワーとの比が、144:1から7:3までの範囲内にあり、主パワー領域および副パワー領域を構成する波長が同一の波長であってもよい。
前記レーザ切断方法にあっては、前記加工対象は、銅系金属材料、アルミニウム系金属材料、ニッケル系金属材料、鉄系金属材料、およびチタン系金属材料のうちのいずれか一つであってもよい。
本発明のレーザ切断装置にあっては、例えば、レーザ発振器と、前記レーザ発振器から出射されたレーザ光を加工対象の表面に照射する光学ヘッドと、を備え、前記レーザ光は、複数のビームを含み、前記複数のビームは、少なくとも一つの主ビームと、当該主ビームよりもパワーが小さい少なくとも一つの副ビームとを含み、前記表面上に、前記少なくとも一つの主ビームを含む主パワー領域と、前記少なくとも一つの副ビームを含む副パワー領域と、を形成する。
前記レーザ切断装置は、前記レーザ光の照射によって溶融した部位に向けてガスを供給するガス供給機構を備えてもよい。
本発明によれば、加工対象をより少ないエネルギーでより効率良く切断することができる。
図1は、第1実施形態のレーザ切断装置の例示的な概略構成図である。 図2は、第1実施形態のレーザ切断装置の加工対象の表面上におけるビーム(スポット)の一例を示す模式図である。 図3は、照射するレーザ光の波長に対する各金属材料の光の吸収率を示すグラフである。 図4は、第2実施形態のレーザ切断装置の例示的な概略構成図である。 図5は、第2実施形態のレーザ切断装置の加工対象の表面上におけるビーム(スポット)の一例を示す模式図である。 図6は、第2実施形態のレーザ切断装置の加工対象の表面上におけるビーム(スポット)の一例を示す模式図である。 図7は、第3実施形態のレーザ切断装置の例示的な概略構成図である。 図8は、第3実施形態のレーザ切断装置に含まれる回折光学素子の原理の概念を示す説明図である。 図9は、第3実施形態のレーザ切断装置の加工対象の表面上におけるビーム(スポット)の一例を示す模式図である。 図10は、第3実施形態のレーザ切断装置の加工対象の表面上におけるビーム(スポット)の一例を示す模式図である。 図11は、第4実施形態のレーザ切断装置の例示的な概略構成図である。 図12は、第4実施形態のレーザ切断装置に含まれる光ファイバの一例を示す模式的な断面図である。 図13は、第4実施形態のレーザ切断装置に含まれる光ファイバの一例を示す模式的な断面図である。 図14は、実施形態のレーザ切断装置の加工対象の表面上におけるビームパターンの一例を示す模式図である。 図15は、実施形態のレーザ切断装置の加工対象の表面上におけるビームパターンの一例を示す模式図である。 図16は、実施形態のレーザ切断装置の加工対象の表面上におけるビームパターンの一例を示す模式図である。 図17は、実施形態のレーザ切断装置の加工対象の表面上におけるビームパターンの一例を示す模式図である。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
以下に示される実施形態は、同様の構成を備えている。よって、各実施形態の構成によれば、当該同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。また、以下では、それら同様の構成には同様の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される場合がある。
また、各図において、方向Xを矢印Xで表し、方向Yを矢印Yで表し、方向Zを矢印Zで表している。方向X、方向Y、および方向Zは、互いに交差するとともに直交している。Z方向は、加工対象Wの表面Wa(加工面)の法線方向である。
また、本明細書において、序数は、部品や、部材、部位、レーザ光、方向等を区別するために便宜上付与されており、優先度や順番を示すものではない。
[第1実施形態]
[レーザ切断装置の構成]
図1は、第1実施形態のレーザ切断装置100の概略構成図である。図1に示されるように、レーザ切断装置100は、レーザ装置111と、レーザ装置112と、光学ヘッド120と、光ファイバ130と、ガス供給装置140と、配管141と、を備えている。
レーザ装置111,112は、それぞれ、レーザ発振器を有しており、一例としては、数kWのパワーのレーザ光を出力できるよう構成されている。また、レーザ装置111,112は、例えば、内部に複数の半導体レーザ素子を備え、当該複数の半導体レーザ素子の合計の出力として数kWのパワーのマルチモードのレーザ光を出力できるよう構成されてもよい。また、レーザ装置111,112は、ファイバレーザ、YAGレーザ、ディスクレーザ等様々なレーザ光源を備えてもよい。
レーザ装置111は、800[nm]以上かつ1200[nm]以下の波長の第一レーザ光を出力する。レーザ装置111は、第一レーザ装置の一例である。レーザ装置111が有するレーザ発振器は、第一レーザ発振器の一例である。
他方、レーザ装置112は、500[nm]以下の波長の第二レーザ光を出力する。レーザ装置112は、第二レーザ装置の一例である。レーザ装置112は、400[nm]以上500[nm]以下の波長の第二レーザ光を出力するのが好適である。レーザ装置112が有するレーザ発振器は、第二レーザ発振器の一例である。
光ファイバ130は、それぞれ、レーザ装置111,112から出力されたレーザ光を光学ヘッド120に導く。
光学ヘッド120は、レーザ装置111,112から入力されたレーザ光を、加工対象Wに向かって照射するための光学装置である。光学ヘッド120は、コリメートレンズ121と、集光レンズ122と、フィルタ124と、を備えている。コリメートレンズ121、集光レンズ122、およびフィルタ124は、光学部品とも称されうる。なお、光学ヘッド120は、レーザ光の光路の途中にミラーのような他の光学部品を有してもよい。
光学ヘッド120は、加工対象Wの表面Wa上でレーザ光Lの照射を行いながらレーザ光Lを掃引するために、加工対象Wとの相対位置を変更可能に構成されている。光学ヘッド120と加工対象Wとの相対移動は、光学ヘッド120の移動、加工対象Wの移動、または光学ヘッド120および加工対象Wの双方の移動により、実現されうる。
なお、光学ヘッド120は、図示しないガルバノスキャナ等を有することにより、表面Wa上でレーザ光Lを掃引可能に構成されてもよい。
コリメートレンズ121(121−1,121−2)は、それぞれ、光ファイバ130を介して入力されたレーザ光をコリメートする。コリメートされたレーザ光は、平行光になる。
フィルタ124は、第一レーザ光を透過し、かつ第二レーザ光を透過せずに反射する。フィルタ124は、例えば、閾値波長よりも長い波長の光を通過させるダイクロイックミラーである。第一レーザ光は、フィルタ124を透過してZ方向の反対方向へ進み、集光レンズ122へ向かう。他方、フィルタ124は、コリメートレンズ121−2で平行光となった第二レーザ光を反射する。フィルタ124で反射した第二レーザ光は、Z方向の反対方向に進み、集光レンズ122へ向かう。
集光レンズ122は、平行光としての第一レーザ光および第二レーザ光を集光し、レーザ光L(出力光)として、加工対象Wへ照射する。
レーザ切断装置100の加工対象Wは、例えば、熱伝導率の比較的高い金属材料で作られ得る。金属材料は、例えば、銅系金属材料や、アルミニウム系金属材料、ニッケル系金属材料、鉄系金属材料、チタン系金属材料などであり、具体的には、銅や、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、錫、ニッケル、ニッケル合金、鉄、ステンレス、チタン、チタン合金等である。また、加工対象Wは、例えば、板状の形状を有し、加工対象Wの厚さは、例えば、1[mm]以上、10[mm]以下であるが、これには限定されない。また、加工対象Wは、複数の部材が重ね合わせられたものであってもよい。
ガス供給装置140は、配管141を通じて、光学ヘッド120内にガスGを供給する。内部に供給されたガスGは、光学ヘッド120のレーザ光Lの出射口から、加工対象Wの表面Waに向けて吐出される。加工対象Wの表面Waに向けてガスGが吹き付けられ、これによりレーザ光Lの照射によって生じた溶融金属の加工対象Wからの離脱が促進されるよう、ガス供給装置140、配管141、および光学ヘッド120が構成される。ガスGは、例えば窒素ガスのような、不活性ガスである。なお、ガスGは、光学ヘッド120とは別に設けられたガスノズル(不図示)から溶融金属に向けて吹き付けられてもよい。ガス供給装置140や、配管141、光学ヘッド120の出射口、ガスノズル等は、ガス供給機構の一例である。なお、ガスGの供給は必須ではない。
図2は、加工対象Wの表面Wa上に照射されたレーザ光Lのビーム(スポット)を示す模式図である。図2に示されるように、表面Wa上において、レーザ光Lのビームは、第一レーザ光のビームB1と第二レーザ光のビームB2とが重なり、ビームB2のスポット径D2がビームB1のスポット径D1よりも大きく(広く)、かつ、ビームB2の外縁B2aがビームB1の外縁B1aを取り囲むように、形成されている。主パワー領域は、ビームB1を含む領域であり、副パワー領域は、ビームB2を含む領域である。本実施形態では、主パワー領域は、一つのビームB1を含み、副パワー領域は、一つのビームB2を含む。ビームB1は、主ビームの一例であり、ビームB2は、副ビームの一例である。また、本明細書では、加工対象Wの表面Waにおけるビーム径を、スポット径と称する。
ビームB1およびビームB2のそれぞれは、そのビームの光軸方向と直交する断面の径方向において、例えばガウシアン形状のパワー分布を有している。図2のように各ビームB1,B2を円で表している各図においては、当該ビームB1,B2を表す円の直径が、各ビームB1,B2のビーム径(図2では、表面Waにおけるスポット径D1,D2)を表す。各ビームB1,B2のビーム径は、そのビームのピークを含み、ピーク強度の1/e以上の強度の領域の径として定義する。なお、図示されないが、円形でないビームの場合は、掃引方向SDと垂直方向における、ピーク強度の1/e以上の強度となる領域の長さをビーム径と定義できる。なお、ビームB1およびビームB2のパワー分布はガウシアン形状に限定されない。
また、図2に示される矢印SDは、掃引方向を示す。図2に示されるように、レーザ光Lのビームは、中心点Cに対する点対称形状を有しているため、任意の掃引方向SDについて、レーザ光Lのビーム(スポット)の形状は同じになる。よって、レーザ光Lの表面Wa上での掃引のために光学ヘッド120と加工対象Wとを相対的に動かす移動機構を備える場合、当該移動機構は、少なくとも相対的に並進可能な機構を有すればよく、相対的に回転可能な機構は省略できる場合がある。
[波長と光の吸収率]
ここで、金属材料の光の吸収率について説明する。図3は、照射するレーザ光Lの波長に対する各金属材料の光の吸収率を示すグラフである。図3のグラフの横軸は波長であり、縦軸は吸収率である。図2には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、およびチタン(Ti)について、波長と吸収率との関係が示されている。
材料によって特性が異なるものの、図3に示されている各金属に関しては、一般的な赤外線(IR)のレーザ光(第一レーザ光)を用いるよりも、青や緑のレーザ光(第二レーザ光)を用いた方が、エネルギーの吸収率がより高いことが理解できよう。この特徴は、銅(Cu)や、金(Au)等においては顕著となる。
使用波長に対して吸収率が比較的低い加工対象Wにレーザ光が照射された場合、大部分の光エネルギーは反射され、加工対象Wに熱としての影響を及ぼさない。そのため、十分な深さの溶融部位を得るには比較的高いパワーを与える必要がある。その場合、ビーム中心部は急激にエネルギーが投入されることで、昇華が生じ、キーホールが形成される。
他方、使用波長に対して吸収率が比較的高い加工対象Wにレーザ光が照射された場合、投入されるエネルギーの多くが加工対象Wに吸収され、熱エネルギーへと変換される。すなわち、過度なパワーを与える必要はないため、キーホールの形成を伴わず、熱伝導型の溶融となる。
本実施形態では、加工対象Wの第二レーザ光に対する吸収率が、第一レーザ光に対する吸収率よりも高くなるよう、第一レーザ光の波長、第二レーザ光の波長、および加工対象Wの材質が、選択される。ここで、掃引方向が図2中の太い実線で示される掃引方向SD1である場合、レーザ光Lのスポットの掃引により、加工対象Wがレーザ切断される部位には、まずは、第二レーザ光のビームB2に対して図2におけるSDの前方に位置する領域B2fによって、第二レーザ光が照射される。その後、当該切断される部位には、第一レーザ光のビームB1が照射され、その後、第二レーザ光のビームB2に対して掃引方向SD1の後方に位置する領域B2bによって、再度第二レーザ光が照射される。
したがって、加工対象Wには、まずは、領域B2fにおける吸収率が高い第二レーザ光の照射により、熱伝導型の溶融部位が生じる。その後、溶融部位には、第一レーザ光の照射によって、より深いキーホール型の溶融部位が生じる。この場合、溶融部位には、予め熱伝導型の溶融部位が形成されているため、当該熱伝導型の溶融部位が形成されない場合に比べて、より低いパワーの第一レーザ光によって所要の深さの溶融部位を形成することができる。溶融部位の深さが加工対象Wの厚さよりも大きい場合に、溶融部位は加工対象Wを貫通する。
[切断方法]
レーザ切断装置100を用いた切断にあっては、まず、加工対象Wが、光学ヘッド120からのレーザ光Lが照射される領域にセットされる。そして、レーザ光Lが表面Wa上に照射されながら当該表面Wa上を掃引方向SDに移動する(掃引する)。レーザ光Lの照射によって加工対象Wを貫通した溶融部位が掃引方向SDに移動することにより、加工対象Wが切断される。なお、本実施形態では、一例として、掃引方向SDは、X方向であるが、掃引方向SDは、Z方向と交差していればよく、X方向には限定されない。
以上、説明したように、本実施形態では、レーザ切断装置100が出力するレーザ光Lは、複数のビームを含み、複数のビームは、少なくとも一つのビームB1(主ビーム)と、当該ビームB1よりもパワーが小さい少なくとも一つのビームB2(副ビーム)とを含み、表面Wa上に、少なくとも一つのビームB1を含む主パワー領域と、少なくとも一つのビームB2を含む副パワー領域と、が形成される。
また、発明者らの実験的研究により、同一の波長を用いた場合、主パワー領域における前記レーザ光のパワーと副パワー領域における前記レーザ光のパワーとの比が144:1から7:3までの範囲内である場合について、レーザ切断装置100によって、より少ないエネルギーで、あるいはより迅速に、加工対象Wを切断できることが、判明している。
また、本実施形態では、ビームB2は、加工対象Wを溶融しうるパワーを有している。
このようなレーザ切断方法およびレーザ切断装置100によれば、より少ないエネルギーで、あるいはより迅速に、加工対象Wを切断することができる。
また、加工対象Wが、例えば、銅のような、温度上昇に応じて第一レーザ光または第二レーザ光の吸収率が高くなる材料で作られている場合、第一レーザ光または第二レーザ光の照射による温度上昇に伴って、加工対象Wにおける第一レーザ光または第二レーザ光の吸収率が増大する。この場合、加工対象Wをより迅速に切断できたり、より少ないエネルギーで切断できたりといった、利点が得られる。
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態のレーザ切断装置100Aの概略構成図である。本実施形態では、光学ヘッド120は、それぞれ別のボディ(ハウジング)によって構成された、第一レーザ光L1を照射する第一部位120−1と、第二レーザ光L2を照射する第二部位120−2と、を備えている。このような構成によっても、上記実施形態と同様の作用および効果が得られる。なお、第二部位120−2は、第一部位120−1よりも掃引方向SDの前方に位置している。
図5,6は、レーザ切断装置100Aによって加工対象Wの表面Wa上に形成されたレーザ光のビームB1,B2の例を示している。発明者らの研究により、表面Wa上において、図5,6のように、ビームB2(第二スポット)の少なくとも一部がビームB1(第一スポット)よりも掃引方向SDの前方に位置している場合、およびビームB1とビームB2とが互いに接するかあるいは少なくとも部分的に重なっている場合においては、ビームB2の予熱効果による第1実施形態と同様の効果が得られることが判明している。また、ビームB2の少なくとも一部がビームB1よりも掃引方向SDの前方に位置している場合にあっては、ビームB1とビームB2とは微少距離離間していてもよいことも判明している。なお、図5,6は、それぞれ一例に過ぎず、レーザ切断装置100Aによって得られるビームB1,B2の配置や各ビームB1,B2のサイズは、図5,6の例には限定されない。
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態のレーザ切断装置100Bの概略構成図である。本実施形態では、レーザ切断装置100Bは、レーザ装置111のみを備えている。また、レーザ切断装置100Bは、DOE123(diffractive optical element、回折光学素子)を備えている。DOE123は、コリメートレンズ121と集光レンズ122との間に配置され、レーザ光のビームの形状(以下、ビーム形状と称する)を成形する。
図8は、DOE123の原理の概念を示す説明図である。図8に概念的に例示されるよう、DOE123は、例えば、周期の異なる複数の回折格子123aが重ね合わせられた構成を備えている。DOE123は、平行光を、各回折格子123aの影響を受けた方向に曲げたり、重ね合わせたりすることにより、ビーム形状を成形することができる。DOE123は、ビームシェイパとも称されうる。
[ビーム(スポット)の形状]
DOE123は、コリメートレンズ121から入力されたレーザ光を、複数のビームに分割する。図9,10は、それぞれ、加工対象Wの表面Wa上に形成されたレーザ光Lのビームの一例を示す図である。なお、図9,10では、簡単のため、ビームB1が実線で示され、ビームB2が破線で示されている。なお、光学ヘッド120は、DOE123を交換することにより、種々の配置の複数のビームを含むレーザ光を出力することができる。
DOE123は、レーザ光を複数のビームに分割する。分割された複数のビームは、少なくとも一つのビームB1と、少なくとも一つのビームB2と、を含む。ビームB2は、ビームB1よりもパワーが小さいビームである。一例としては、ビームB1のパワーとビームB2のパワーとの比は、2:1に設定されるが、これには限定されない。
また、DOE123は、表面Wa上に、少なくとも一つのビームB1のスポットと、少なくとも一つのビームB2のスポットとが形成されるよう、レーザ光を分割する。図9の例では、DOE123によるビームの成形により、表面Wa上には、一つのビームB1のスポットと、当該ビームB1のスポットの周囲に正方形状(四角形状)に並んだ複数のビームB2のスポットと、が形成されている。また、図9の例では、複数のビームは、3行×3列の正方形のマトリクス状に配置されており、行方向(Y方向)におけるビーム間の間隔と列方向(X方向、掃引方向SD)におけるビーム間の間隔とは全て同一に設定されている。そして、9個のビームのうち、中央の1個のビームがビームB1であり、当該1個のビームB1の周囲の8個のビームがビームB2である。また、この場合、ビームのスポットの幅w(スポット径)は、図9に示されるように、掃引方向SDと直交する方向に最も離れた二つのスポットの中心間の距離と定義する。
また、図9に示されるように、DOE123は、表面Wa上において、いずれかのビームB2のスポットの少なくとも一部が、掃引方向SDにおいてビームB1のスポットの前方に位置するよう、ビームを成形する。具体的には、いずれかのビームB2が、ビームB1の前端B1fを通り掃引方向SDと直交する仮想直線VLよりも掃引方向SDの前方の領域A内に、少なくとも部分的に、位置していればよい。また、いずれかのビームB2のスポットが、ビームB1のスポットの後方に位置してもよい。この場合には、いずれかのビームB2が、ビームB1の後端(不図示)を通り掃引方向SDと直交する仮想直線(不図示)よりも掃引方向SDの後方の領域(不図示)内に、少なくとも部分的に、位置していればよい。
また、図10の例では、DOE123によるビームの成形により、表面Wa上には、一つのビームB1のスポットの周囲に、複数のビームB2のスポットが、略円弧状(略円環状)に配置されている。この場合も、ビームのスポットの幅w(スポット径)は、図10に示されるように、掃引方向SDと直交する方向に最も離れた二つのビームの中心間の距離と定義する。また、図10の例のように、略軸対称のビームパターンとすることにより、自由形状(円形状等)にくりぬく際等に、光学ヘッド120を軌跡に合わせて回転させる必要がなく、より効率的に切断を行うことができるとともに、光学ヘッド120の装置構成を簡素化できたり、光学ヘッド120の制御をより容易に行うことができたり、といった利点が得られる。
以上のように、本実施形態では、複数のビームの配置が、DOE123(ビームシェイパ)によって形成される。
このような構成によれば、例えば、DOE123により、ビームB1,B2を、加工対象Wの切断においてよりエネルギーの効率の高い配置に設定することができる。言い換えると、ビームB1,B2の配置の調整により、より一層少ないエネルギーで、あるいはより一層迅速に、加工対象Wを切断することが可能となる。
また、本実施形態では、ビームB1の第一レーザ光と、ビームB2の第二レーザ光とが、同一の発振器から出射されている。
また、本実施形態では、ビームB1の第一レーザ光の波長と、ビームB2の第二レーザ光の波長とが、同一である。
このような構成によれば、単一のレーザ発振器から出射されたレーザ光からビームB1およびビームB2を生成できるため、例えば、レーザ切断装置100Bをより簡素化することができたり、より小型化することができたりという効果が得られる。
なお、本実施形態においても、ビームB1のレーザ光と、ビームB2のレーザ光とが、異なるレーザ発振器から出射されてもよい。この場合、ビームB1およびビームB2のそれぞれの特性を独立に設定し易くなる。また、DOE123によって、複数のビームB1と複数のビームB2を形成してもよいし、複数のビームB1と一つのビームB2とを形成してもよい。
[第4実施形態]
図11は、第4実施形態のレーザ切断装置100Cの概略構成図である。本実施形態のレーザ切断装置100Cは、ビームB1の第一レーザ光とビームB2の第二レーザ光とを通す光ファイバ130Cを備えている。光ファイバ130Cは、不図示の一つまたは複数のレーザ装置から、光学ヘッド120へ、第一レーザ光および第二レーザ光を伝達する。
図12は、光ファイバ130Cの一例を示す断面図である。図12の例において、光ファイバ130Cは、マルチクラッド光ファイバである。図12の光ファイバ130Cは、所謂ガラス光ファイバの一例であって、コア130aと、コア130aの周囲を取り囲むクラッド130bと、クラッド130bの周囲を取り囲むクラッド130cと、を有している。クラッド130bは、インナクラッドや第一クラッドと称され、クラッド130cは、アウタクラッドや第二クラッドとも称されうる。この場合、コア130aおよびクラッド130bのうちいずれか一方が、第一レーザ光を伝播し、他方が第二レーザ光を伝播する。
図13は、光ファイバ130Cの一例を示す断面図である。図13の例において、光ファイバ130Cは、マルチコア光ファイバである。図13の光ファイバ130Cは、所謂ガラス光ファイバの一例であって、当該光ファイバ130Cでは、クラッド130b内に、複数のコア130aが配置されている。この場合、複数のコア130aのうち少なくとも一つが第一レーザ光を伝播し、他の少なくとも一つが第二レーザ光を伝播する。
このような構成によれば、例えば、光学部品の共用化を図ることができ、その分、光学ヘッド120をより小型化できるという利点が得られる。
[溶融金属の排出性を考慮したビームパターン]
また、発明者らの研究により、図2,5,6,9,10のように、ビームB2(副ビーム)のY方向(幅方向)の幅(D2,w)をビームB1(主ビーム)のY方向の幅D1よりも広くすることにより、溶融領域の幅をより広くすることができ、これにより、溶融金属が加工対象Wの裏側により排出されやすくなり、ひいては、加工時間をより短縮できたり、溶融金属の排出のためのガスの流量をより少なくできたり、加工後の底面に付着する切断バリやドロスをより少なくできたりといった効果が得られることが判明した。
また、発明者らの研究により、ビームB1の幅は、200[μm]以下が好ましく、150[μm]以下がより好ましく、100[μm]以下がさらに好ましい。ビームB2の幅は、230[μm]以上が好ましく、300[μm]以上がより好ましく、500[μm]以上がさらに好ましいことが判明した。これは、ビームB1の幅が広すぎると、パワー密度の低下によって加工速度を低下せざるを得なくなる分、切断効率の低下が生じ、ビームB2の幅が狭すぎると、排出性の向上の効果が得られ難くなるからである。
[ビームパターンの変形例]
図14の(a)〜(c)は、それぞれ、加工対象Wの表面Wa上でのビームパターンの変形例を示している。図14の例では、(a)〜(c)のいずれの場合においても、ビームB2のY方向における幅D2が、ビームB2の掃引方向SDにおける長さLb2よりも大きい。発明者らは、幅D2を長さLb2よりも大きく設定することにより、溶融領域の幅をより広くすることができるため、溶融金属がより排出されやすくなり、ひいては、加工時間をより短縮できたり、溶融金属の排出のためのガスの流量をより少なくできたり、加工後の底面に付着する切断バリやドロスをより少なくできたりといった効果が得られることを見出した。なお、このような幅広の扁平なビームB2は、例えば、光学ヘッド120がシリンドリカルレンズのような光学部品を有することにより、実現することができる。また、ビームB2の掃引方向SDにおける長さは、掃引方向SDにおける、ピーク強度の1/e以上の強度となる領域の長さと、定義することができる。
また、図14の例では、(a)〜(c)について、それぞれ、ビームB1とビームB2との掃引方向における相対位置が相違している。ただし、(a)〜(c)のいずれの場合においても、ビームB2の少なくとも一部は、ビームB1に対して掃引方向の前方に位置している。これにより、ビームB2による予熱により加工対象Wが予め溶融した状態となり、主としてビームB1による加工対象Wの切断を、より容易にあるいはより迅速に行うことができる。
図15は、加工対象Wの表面Wa上でのビームパターンの変形例を示している。図15の例では、レーザ光Lのビームは、一つのスポットを含むビームB1と、DOE123によって分割された複数のスポットを含むビームB2と、を有している。図10と比較すれば明らかとなるように、図15の例では、図10のビームB2の複数のスポットのうち、掃引方向SDにおける中央に位置するスポットと、掃引方向SDの前方に位置するスポットと、を含んでおり、複数のビームB2は、全体として、ビームB1を中心として掃引方向SDの前方に膨らんだ略円弧状の形状を呈している。
そして、図15の例でも、ビームB2のY方向における幅w2が、ビームB2の掃引方向SDにおける長さLb2よりも大きい。このように、幅w2を長さLb2よりも大きく設定することにより、溶融領域の幅をより広くすることができるため、溶融金属がより排出されやすくなり、加工時間をより短縮できたり、溶融金属の排出のためのガスの流量をより少なくできたり、加工後の底面に付着する切断バリやドロスをより少なくできたりといった効果が得られる。また、この場合も、複数のビームB2(副ビーム)の少なくとも一部は、ビームB1よりも掃引方向SDの前方に位置している。よって、図15の例でも、ビームB2による予熱により加工対象Wが予め溶融した状態となり、主としてビームB1による加工対象Wの切断を、より容易にあるいはより迅速に行うことができる。
図16は、加工対象Wの表面Wa上でのビームパターンの変形例を示している。図16を、図10と比較すれば明らかとなるように、図16の例では、図10と類似のビームパターンを有しているものの、ビームB2のスポットの掃引方向SDにおける配置間隔が、図10よりも狭く設定されている。これにより、図16の例では、ビームB2のY方向における幅w2が、ビームB2の掃引方向SDにおける長さLb2よりも大きくなっている。よって、図16の例によっても、溶融金属がより排出されやすくなり、加工時間をより短縮できたり、溶融金属の排出のためのガスの流量をより少なくできたり、加工後の底面に付着する切断バリやドロスをより少なくできたりといった効果が得られる。
また、図17の(a)〜(c)は、それぞれ、加工対象Wの表面Wa上でのビームパターンの変形例を示している。図17の(a)〜(c)の例では、図15や図16の例と比べて、ビームB2のスポットの数が少ない。ただし、図17の例でも、複数のビームB2の少なくとも一部は、ビームB1よりも掃引方向SDの前方に位置している。また、図17の(a)〜(c)のいずれの場合においても、図15や図16の例と同様に、ビームB2のY方向における幅w2が、ビームB2の掃引方向SDにおける長さLb2よりも大きい。よって、図17の例によっても、図15や図16の例と同様の効果が得られる。なお、ビームB1,B2のスポットの数や、配置、形状等は、図14〜17の例には限定されない。また、図17の(a)では、ビームB2の複数のスポットはY方向に並び、図17の(b),(c)では、ビームB2の複数のスポットは掃引方向SDの前方に尖る逆V字状に配置されているが、ビームB2の複数のスポットの配置は、これらには限定されない。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
例えば、加工対象に対してレーザ光を掃引する場合には、公知のウォブリングやウィービングや出力変調等により掃引を行い、溶融池の表面積を調節するようにしてもよい。
また、加工対象は、めっき付き金属板のように、金属の表面に薄い他の金属の層が存在するものでもよい。
100,100A〜100C…レーザ切断装置
111,112…レーザ装置(レーザ発振器)
120…光学ヘッド
120−1…第一部位
120−2…第二部位
121,121−1,121−2…コリメートレンズ
122…集光レンズ
123…DOE(回折光学素子、ビームシェイパ)
123a…回折格子
124…フィルタ
130,130C…光ファイバ
130a…コア
130b,130c…クラッド
140…ガス供給装置(ガス供給機構)
141…配管(ガス供給機構)
A…(掃引方向における前方の)領域
B1…ビーム(主ビーム、主パワー領域)
B1a,B2a…外縁
B1f…前端
B2…ビーム(副ビーム、副パワー領域)
B2f…領域
B2b…領域
C…中心点
D1,D2…スポット径(幅)
G…ガス
L…レーザ光
L1…第一レーザ光
L2…第二レーザ光
Lb2…長さ
SD,SD1…掃引方向
VL…仮想直線
W…加工対象
Wa…表面
w…幅
w2…幅
X…方向
Y…方向(幅方向)
Z…方向(法線方向)

Claims (23)

  1. レーザ光を加工対象の表面に照射することにより当該加工対象をレーザ切断する、レーザ切断方法であって、
    前記レーザ光は、複数のビームを含み、
    前記複数のビームは、少なくとも一つの主ビームと、当該主ビームよりもパワーが小さい少なくとも一つの副ビームとを含み、
    前記表面上に、前記少なくとも一つの主ビームを含む主パワー領域と、前記少なくとも一つの副ビームを含む副パワー領域と、が形成される、レーザ切断方法。
  2. 前記副ビームは、前記加工対象を溶融しうるパワーを有する、請求項1に記載のレーザ切断方法。
  3. 前記主ビームのレーザ光の波長は、当該波長における前記加工対象の光吸収率が、当該加工対象の温度上昇に従って上昇する波長である、請求項1または2に記載のレーザ切断方法。
  4. 前記レーザ光は、前記表面に対して掃引され、
    前記少なくとも一つの主ビームに対して、前記レーザ光の前記表面に対する掃引方向の前方に、前記少なくとも一つの副ビームが配置される、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載のレーザ切断方法。
  5. 前記少なくとも一つの主ビームに対して、その周囲に、前記少なくとも一つの副ビームとしての複数の副ビームが配置される、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載のレーザ切断方法。
  6. 前記複数の副ビームが、円弧状に配置される、請求項5に記載のレーザ切断方法。
  7. 前記複数の副ビームが、四角形状に配置される、請求項5に記載のレーザ切断方法。
  8. 前記複数のビームの配置が、ビームシェイパによって形成される、請求項1〜7のうちいずれか一つに記載のレーザ切断方法。
  9. 前記ビームシェイパは回折光学素子である、請求項8に記載のレーザ切断方法。
  10. 前記少なくとも一つの主ビームのレーザ光の波長と、前記少なくとも一つの副ビームのレーザ光の波長とが、同一である、請求項1〜9のうちいずれか一つに記載のレーザ切断方法。
  11. 前記少なくとも一つの副ビームのレーザ光の波長は、前記少なくとも一つの主ビームのレーザ光の波長よりも、前記加工対象に対する吸収率が高い波長である、請求項1〜10のうちいずれか一つに記載のレーザ切断方法。
  12. 前記主ビームのレーザ光の波長は、800[nm]以上かつ1200[nm]以下であり、前記副ビームのレーザ光の波長は、500[nm]以下である、請求項11に記載のレーザ切断方法。
  13. 前記副ビームのレーザ光の波長は、400[nm]以上500[nm]以下である、請求項12に記載のレーザ切断方法。
  14. 前記表面上での前記レーザ光の照射方向および前記レーザ光の掃引方向と直交する幅方向における前記主ビームの幅が、前記表面上での前記副ビームの前記幅方向における幅よりも狭い、請求項11〜13のうちいずれか一つに記載のレーザ切断方法。
  15. 前記主ビームの前記幅は、200[μm]以下である、請求項14に記載のレーザ切断方法。
  16. 前記副ビームの前記幅は、230[μm]以上である、請求項14または15に記載のレーザ切断方法。
  17. 前記副ビームの前記幅は、前記表面上での前記副ビームの前記掃引方向における長さより大きい、請求項14〜16のうちいずれか一つに記載のレーザ切断方法。
  18. 前記主パワー領域における前記レーザ光のパワーと前記副パワー領域における前記レーザ光のパワーとの比が、144:1から7:3までの範囲内にあり、主パワー領域および副パワー領域を構成する波長が同一の波長である、請求項1〜7のうちいずれか一つに記載のレーザ切断方法。
  19. 前記複数のビームの配置が、ビームシェイパによって形成される、請求項18に記載のレーザ切断方法。
  20. 前記ビームシェイパは回折光学素子である、請求項19に記載のレーザ切断方法。
  21. 前記加工対象は、銅系金属材料、アルミニウム系金属材料、ニッケル系金属材料、鉄系金属材料、およびチタン系金属材料のうちのいずれか一つである、請求項1〜20のうちいずれか一つに記載のレーザ切断方法。
  22. レーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から出射されたレーザ光を加工対象の表面に照射する光学ヘッドと、
    を備え、
    前記レーザ光は、複数のビームを含み、
    前記複数のビームは、少なくとも一つの主ビームと、当該主ビームよりもパワーが小さい少なくとも一つの副ビームとを含み、
    前記表面上に、前記少なくとも一つの主ビームを含む主パワー領域と、前記少なくとも一つの副ビームを含む副パワー領域と、を形成する、レーザ切断装置。
  23. 前記レーザ光の照射によって溶融した部位に向けてガスを供給するガス供給機構を備えた、請求項22に記載のレーザ切断装置。
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