JP2024052263A - レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置 - Google Patents

レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2024052263000001
【課題】例えば、改善された新規なレーザ溶接方法およびレーザ溶接装置を得る。
【解決手段】レーザ溶接方法は、例えば、レーザ光を加工対象の表面に照射するとともに当該表面上で相対的に走査することにより、当該加工対象を溶融して溶接を行う、レーザ溶接方法であって、レーザ光は、それぞれ表面上にスポットを形成する複数の第一レーザ光と、当該第一レーザ光とは異なる波長の第二レーザ光と、を含む。また、レーザ溶接装置は、例えば、第一レーザ光を出力する第一レーザ装置と、第一レーザ光とは異なる波長の第二レーザ光を出力する第二レーザ装置と、第一レーザ装置からの第一レーザ光および第二レーザ装置からの第二レーザ光を含むレーザ光を加工対象の表面に照射する光学ヘッドと、を備え、光学ヘッドから出力されたレーザ光を表面上で走査することにより、加工対象のレーザ光が照射された部分を溶融して溶接を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置に関する。
従来、金属部材をレーザ溶接するレーザ溶接方法およびレーザ溶接装置が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
特開2021-191589号公報 特開2022-056766号公報
この種のレーザ溶接においては、例えば、加工品質をより向上することが可能になるとともに、溶接部の溶け込み深さをより深くすることが可能になるレーザ溶接方法が得られれば、有益である。
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、加工品質をより向上することが可能になるとともに、溶接部の溶け込み深さをより深くすることが可能となるような、改善された新規なレーザ溶接方法およびレーザ溶接装置を得ること、である。
本発明のレーザ溶接方法は、例えば、レーザ光を加工対象の表面に照射するとともに当該表面上で相対的に走査することにより、当該加工対象を溶融して溶接を行う、レーザ溶接方法であって、前記レーザ光は、それぞれ前記表面上にスポットを形成する複数の第一レーザ光と、当該第一レーザ光とは異なる波長の第二レーザ光と、を含む。
前記レーザ溶接方法では、前記第一レーザ光の波長は、800[nm]以上かつ1200[nm]以下であり、前記第二レーザ光の波長は、600[nm]以下であってもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第二レーザ光の波長は、400[nm]以上かつ500[nm]以下であってもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一レーザ光は、前記表面上に三つ以上のスポットを形成してもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第二レーザ光のスポットは、前記第一レーザ光のスポットより広くてもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一レーザ光の複数のスポットは、前記第二レーザ光のスポットと少なくとも部分的に重なったスポットを含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一レーザ光の複数のスポットは、前記第二レーザ光のスポットから外れたスポットを含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一レーザ光の複数のスポットは、互いに部分的に重なり合った複数のスポットを含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一レーザ光の複数のスポットは、互いに離れた複数のスポットを含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一レーザ光の複数のスポットは、周状に配置された複数のスポットを含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一レーザ光の複数のスポットは、略環状に配置された複数のスポットを含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一レーザ光の複数のスポットは、中心が格子点状に配置された複数のスポットを含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一レーザ光の複数のスポットは、第一スポットと、当該第一スポットとずれるとともに当該第一スポットとは反対側が凸となるように屈曲または湾曲した形状に並べて配置された複数の第二スポットと、を含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記複数の第二スポットは、環状に配置された複数の第二スポットを含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記複数の第二スポットは、前記第一スポットとは反対側が凸となるように屈曲または湾曲した線分状または塊状に配置された複数の第二スポットを含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一スポットのパワー密度は、前記第二スポットのパワー密度より高くてもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一スポットは、前記第二レーザ光とともにまたは前記第二レーザ光によらず前記加工対象にキーホールを形成可能な一つのスポットまたはスポット群を含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第二スポットは、前記第二レーザ光とともにまたは前記第二レーザ光によらず前記加工対象をキーホールを形成せずに溶融可能なスポット群を含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記複数の第二スポットは、前記第一スポットを取り囲むように略多重環状に配置された複数の第二スポットを含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第二スポットは、前記表面上において前記第一スポットに対して前記レーザ光の走査方向の前方に位置された第二スポットを含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第二スポットは、前記表面上において前記第一スポットに対して前記レーザ光の走査方向の後方に位置された第二スポットを含んでもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一レーザ光の複数のスポットおよび前記第二レーザ光のスポットは、前記表面における前記レーザ光の照射範囲内の基準点を通って前記表面上を延びる複数の仮想線に対する相対的な配置および形状が略同じになるよう形成されてもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一レーザ光の複数のスポットおよび前記第二レーザ光のスポットは、回転対称形状を有してもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一レーザ光の複数のスポットは、前記第一レーザ光がビームシェイパによって分岐されたレーザ光によって形成されてもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記ビームシェイパは、回折光学素子であってもよい。
本発明のレーザ溶接装置は、例えば、第一レーザ光を出力する第一レーザ装置と、前記第一レーザ光とは異なる波長の第二レーザ光を出力する第二レーザ装置と、前記第一レーザ光を分岐し当該分岐された第一レーザ光および前記第二レーザ光を含むレーザ光を加工対象の表面に照射する光学ヘッドと、を備え、前記光学ヘッドから出力された前記レーザ光を前記表面上で走査することにより、前記加工対象の前記レーザ光が照射された部分を溶融して溶接を行う。
本発明によれば、改善された新規なレーザ溶接方法およびレーザ溶接装置を得ることができる。
図1は、第1実施形態のレーザ溶接装置の例示的な概略構成図である。 図2は、実施形態のレーザ溶接装置に含まれる回折光学素子の原理の概念を示す説明図である。 図3は、照射するレーザ光の波長に対する金属の光の吸収率を示すグラフである。 図4は、実施形態のレーザ溶接方法の手順を示す例示的なフローチャートである。 図5は、実施形態のレーザ溶接装置によって加工対象の表面上に形成されるレーザ光のスポットの一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図6は、実施形態のレーザ溶接装置によって加工対象の表面上に形成されるレーザ光のスポットの一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図7は、実施形態のレーザ溶接装置によって加工対象の表面上に形成されるレーザ光のスポットの一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図8は、実施形態のレーザ溶接装置によって加工対象の表面上に形成されるレーザ光のスポットの一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図9は、実施形態のレーザ溶接装置によって加工対象の表面上に形成されるレーザ光のスポットの一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図10は、実施形態のレーザ溶接装置によって加工対象の表面上に形成されるレーザ光のスポットの一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図11は、実施形態のレーザ溶接装置によって加工対象の表面上に形成されるレーザ光のスポットの一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図12は、実施形態のレーザ溶接装置によって加工対象の表面上に形成されるレーザ光のスポットの一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図13は、実施形態のレーザ溶接装置によって加工対象の表面上に形成されるレーザ光のスポットの一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図14は、実施形態のレーザ溶接装置によって加工対象の表面上に形成されるレーザ光のスポットの一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図15は、第2実施形態のレーザ溶接装置の例示的な概略構成図である。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、当該構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
各図において、X方向を矢印Xで表し、Y方向を矢印Yで表し、Z方向を矢印Zで表している。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差するとともに直交している。Z方向は、加工対象の表面の法線方向である。
また、以下の複数の実施形態は、同様の構成要素を含んでいる。各実施形態によれば、同様の構成要素に基づく同様の効果が得られる。以下では、同様の構成要素および同様の効果についての重複する説明は、省略される場合がある。
また、本明細書において、序数は、工程や、レーザ光、スポット、装置等を区別するために便宜上付与されており、優先度や順番を限定するものではない。
[実施形態]
[レーザ溶接装置の構成]
図1は、実施形態のレーザ溶接装置100A(100)の概略構成図である。図1に示されるように、レーザ溶接装置100は、レーザ装置111と、レーザ装置112と、光学ヘッド120と、光ファイバ130と、を備えている。レーザ溶接装置100は、レーザ光Lの照射により加工対象Wをレーザ溶接することができる。
レーザ装置111,112は、それぞれ、レーザ発振器を有しており、例えば、数kWのパワーのレーザ光を出力できるよう構成されている。レーザ装置111,112は、それぞれ、400[nm]以上1200[nm]以下の波長のレーザ光を出力する。レーザ装置111,112は、内部に、例えば、ファイバレーザや、半導体レーザ(素子)、YAGレーザ、ディスクレーザのような、レーザ光源を有している。また、レーザ装置111,112は、複数の光源の出力の合計として、数kWのパワーのマルチモードのレーザ光を出力できるよう構成されてもよい。レーザ装置111は、第一レーザ光を出力し、レーザ装置112は、第二レーザ光を出力する。
光ファイバ130は、レーザ装置111,112と光学ヘッド120とを光学的に接続している。光ファイバ130は、それぞれ、レーザ装置111,112から出力されたレーザ光を光学ヘッド120に導く。
光学ヘッド120は、レーザ装置111,112からのレーザ光を、加工対象Wに照射する光学装置である。光学ヘッド120は、コリメートレンズ121と、集光レンズ122と、ミラー123と、フィルタ124と、回折光学素子125(以下、単にDOE(diffractive optical element)と称する)と、ガルバノスキャナ126と、を備えている。コリメートレンズ121、集光レンズ122、ミラー123、フィルタ124、DOE125、およびガルバノスキャナ126は、光学部品とも称される。
コリメートレンズ121(121-1,121-2)は、それぞれ、光ファイバ130を介して入力されたレーザ光をコリメートする。コリメートされたレーザ光は、平行光になる。
ミラー123は、コリメートレンズ121-1で平行光となった第一レーザ光を反射し、ガルバノスキャナ126へ向かわせる。
フィルタ124は、第一レーザ光を透過し、かつ第二レーザ光を透過せずに反射するハイパスフィルタである。ミラー123からの第一レーザ光は、フィルタ124を透過し、ガルバノスキャナ126へ向かう。他方、コリメートレンズ121-2からの第二レーザ光は、フィルタ124で反射され、ガルバノスキャナ126へ向かう。
図2は、DOE125の原理の概念を示す説明図である。図2に概念的に例示されるよう、DOE125は、例えば、周期の異なる複数の回折格子125aが重ね合わせられた構成を備えている。DOE125は、平行光を、各回折格子125aの影響を受けた方向に曲げたり、重ね合わせたりすることにより、ビーム形状を成形することができる。DOE125は、入力された第一レーザ光を複数の第一レーザ光に分岐して出力する。DOE125は、ビームシェイパの一例である。なお、光学ヘッド120は、第二レーザ光を分岐するDOE125を有してもよい。
ガルバノスキャナ126は、複数のミラー126a,126bを有している。複数のミラー126a,126bの角度を変更することで、光学ヘッド120からのレーザ光Lの出力方向を切り替え、これにより、加工対象Wの表面Wa上でレーザ光Lの照射位置を変更することができる。ミラー126a,126bの角度は、それぞれ、例えば制御装置によって制御されたモータ(いずれも不図示)によって変更される。光学ヘッド120は、レーザ光Lを照射しながら、レーザ光Lの出力方向を変更することにより、加工対象Wの表面Wa上で、レーザ光Lを相対的に走査することができる。
集光レンズ122は、ガルバノスキャナ126によって照射された平行光としてのレーザ光を集光し、レーザ光L(出力光)として、加工対象Wへ照射する。加工対象Wの表面Waには、集光レンズ122を経由したレーザ光Lのスポットが形成される。集光レンズ122すなわち光学ヘッド120から出力されるレーザ光Lには、第一レーザ光と第二レーザ光とが含まれる。
加工対象Wは、複数の金属部材、本実施形態では、一例としてZ方向に積み重ねられた二つの金属部材11,12を含んでいる。金属部材11,12は、例えば、Z方向と交差して広がった板状部材である。ただし、加工対象Wは、これには限定されず、金属部材の数は、3以上であってもよいし、箔や、線材のような、板状部材とは異なる部材であってもよい。また、金属部材11,12は、Z方向と交差した方向に並んでもよい。
加工対象WのZ方向の端部に位置する面は、加工対象Wの表面Waであり、加工対象WのZ方向の反対方向の端部に位置する面は、加工対象Wの裏面Wbである。
レーザ光Lの照射により、表面Waから金属部材12を貫通して金属部材11に至る溶接部14が形成され、当該溶接部14を介して金属部材11と金属部材12とが接合された金属接合体10が形成される。言い換えると、金属接合体10は、金属部材11,12と、溶接部14と、を有している。溶接部14は、溶接金属とも称される。
金属部材11,12は、例えば、純アルミニウムや、アルミニウム合金のようなアルミニウム系金属材料や、無酸素銅や銅合金のような銅系金属材料で作られてもよいし、これら以外の金属材料で作られてもよい。また、金属部材11,12、および溶接部14は、導体であってもよい。この場合、溶接部14は、金属部材11と金属部材12とを、電気的に接続する。
[波長と光の吸収率]
ここで、金属材料の光の吸収率について説明する。図3は、照射するレーザ光Lの波長に対する各金属材料の光の吸収率を示すグラフである。図3のグラフの横軸は波長であり、縦軸は吸収率である。図3には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、およびチタン(Ti)について、波長と吸収率との関係が示されている。
材料によって特性が異なるものの、図3に示されている各金属に関しては、赤外線(IR)のレーザ光を用いるよりも、より波長の短い青や緑のレーザ光を用いた方が、光エネルギの吸収率がより高いことが理解できる。
加工対象Wに対して、比較的吸収率の低い、比較的波長の長いレーザ光が照射された場合、当該加工対象Wにおいて光エネルギが反射されるため、加工対象Wに熱としての影響を及ぼし難くなる。そのため、十分な深さの溶融領域を得るには比較的高いパワー密度を与える必要がある。その場合、ビーム中心部は急激にエネルギが投入されることで、昇華が生じ、キーホールが形成される。しかし、高いパワー密度のレーザ光の照射は、溶融池の不安定化を招き、スパッタやボイドの要因となる虞がある。
他方、加工対象Wに対して、比較的吸収率の高い、比較的波長の短いレーザ光が照射された場合、投入される光エネルギの多くが加工対象Wに吸収され、熱エネルギが得られやすい。すなわち、キーホールの形成を伴わず、熱伝導型の溶融となり、溶融池は安定化しやすい。
そこで、本実施形態では、光学ヘッド120から波長の異なる二つのレーザ光(第一レーザ光および第二レーザ光)を含むレーザ光Lを出力し、当該レーザ光Lを加工対象Wの表面Waに照射することにより、金属部材11,12を溶接する。
レーザ装置111(図1参照)は、第二レーザ光よりも波長が長い第一レーザ光として、例えば、800[nm]以上1200[nm]以下の波長のレーザ光を出力する。レーザ装置111は、レーザ光源として、例えば、ファイバレーザや半導体レーザ(素子)等を有する。
また、レーザ装置112は、第一レーザ光よりも波長が短い第二レーザ光として、例えば、600[nm]以下の波長のレーザ光を出力する。レーザ装置112は、レーザ光源として、例えば、半導体レーザ(素子)を有する。また、レーザ装置112は、吸収率がより高い400[nm]以上500[nm]以下の波長の第二レーザ光を出力するのがより好ましい。
[レーザ溶接方法]
図4は、レーザ溶接装置100による加工対象Wのレーザ溶接の手順の一例を示すフローチャートである。まずは、不図示の治具等を用いて、金属部材11,12が一体的に保持された加工対象Wが、当該加工対象Wの表面Waにレーザ光Lを照射可能な状態に、不図示の支持部材にセットされる(S101)。
次に、レーザ溶接装置100の光学ヘッド120から、表面Waに、レーザ光Lが相対的に走査されながら照射され、加工対象Wが部分的に溶融する(S102)。
次に、当該レーザ光Lの照射によって形成された溶融池が冷却され固化することにより、金属部材11と金属部材12とを接合した溶接部14が形成される(S103)。
[スポットパターン]
以下、実施形態のレーザ溶接装置100において表面Wa上に形成されるスポットSの例について説明する。図5~14は、表面Wa上に形成されたスポットSの各例である。図5~14に示されるように、スポットSは、DOE125によって分岐された第一レーザ光に基づく複数のスポットS1と、第二レーザ光に基づく一つのスポットS2と、を含んでいる。また、各図では、スポットS1は、実線の円で示され、スポットS2は、破線の円で示されている。なお、各スポットS,S1,S2の照射領域は、ピーク強度の1/e以上の強度の領域として定義することができ、各スポットS,S1,S2の直径は、当該領域の直径として定義することができる。
[スポットパターン(1)]
図5は、表面Wa上に形成されるレーザ光LのスポットSの一例を示す。図5の例では、スポットSは、3個のスポットS1を含んでいる。
スポットS2は、各スポットS1よりも広く、かつ各スポットS1の群の占有面積よりも広い。また、全てのスポットS1は、全体的にスポットS2と重なっている。すなわち、スポットS1は、全て、スポットS2の外縁内、言い換えるとスポットS2の照射領域内に位置し、スポットS2の外にははみ出していない。
複数のスポットS1は、表面Wa上で、各スポットS1が仮想的な多角形(図5の例では、三角形)の頂点を含むように配置されている。図5の例では、各スポットS1の中心は、仮想的な正三角形の頂点と略一致している。また、スポットS1は、互いに部分的に重なり合っている。
スポットSは、表面Waにおけるレーザ光Lの照射範囲内の基準点Cを通って表面Wa上を延びる複数の仮想線VLに対する相対的な配置および形状が略同じになるように、形成されている。図5の例では、基準点Cを通り、当該基準点Cにおける中心角の120°間隔で配置された3本の仮想線VLについて、各仮想線VLに対するスポットS1,S2の相対的な配置および形状が、略同じである。この場合、スポットSは、3回回転対称形状を有している。このような構成とすることにより、例えば、仮想線VLに沿った三つのSD方向への各走査においては、スポットSを回転することなく、レーザ光Lの照射による同様の作用および効果を得ることができる。したがって、例えば、光学ヘッド120を回転する必要がなくなる分、溶接をより迅速に行うことができるという利点が得られる。なお、図5に示した走査方向SDおよび仮想線VLは一例であって、なお、図5のスポットSは、図5に示したものとは異なる走査方向SDについても同様の効果が得られる。
各スポットS1のパワー密度は、スポットS2のパワー密度よりも高い。また、複数のスポットS1(スポット群)のパワー密度や、配置、面積、数等のスペックは、スポットS2とともに、あるいは仮にスポットS2が照射されていない場合にあっても、加工対象Wにキーホールを形成することができるよう、設定されている。加工対象Wのスペックや、溶接部14の深さや幅等のスペック、走査速度のような溶接条件、各スポットS1,S2のパワー密度の設定等によっては、図5のようなスポットSが好適となる場合がある。
[スポットパターン(2)]
図6は、表面Wa上に形成されるレーザ光LのスポットSの別の一例を示す。図6の例では、スポットSは、4個のスポットS1を含んでいる。また、複数のスポットS1は、表面Wa上で、各スポットS1が仮想的な四角形の頂点を含むように配置されている。図6の例では、各スポットS1の中心は、仮想的な正方形の頂点と略一致している。そして、図6の例では、スポットSは、基準点Cを通り、当該基準点Cにおける中心角の90°間隔で配置された二つの仮想線VLについて、各仮想線VLに対するスポットS1,S2の相対的な配置および形状が、略同じである。この場合、スポットSは、4回回転対称形状を有している。このような構成とすることにより、例えば、仮想線VLに沿った四つのSD方向への各走査においては、スポットSを回転することなく、レーザ光Lの照射による同様の作用および効果を得ることができる。なお、図6のスポットSは、図6に示したものとは異なる走査方向SDについても同様の効果が得られる。加工対象Wのスペックや、溶接部14の深さや幅等のスペック、走査速度のような溶接条件、各スポットS1,S2のパワー密度の設定等によっては、図6のようなスポットSが好適となる場合がある。
[スポットパターン(3)]
図7は、表面Wa上に形成されるレーザ光LのスポットSの別の一例を示す。図7の例では、スポットSは、16個のスポットS1を含んでいる。また、スポットSは、中央部に非照射領域Nを有し、複数のスポットS1は、当該非照射領域Nの周囲に略環状に配置されている。そして、図7の例でも、図6の例と同様、スポットSは、基準点Cを通り、当該基準点Cにおける中心角の90°間隔で配置された二つの仮想線VLについて、各仮想線VLに対するスポットS1,S2の相対的な配置および形状が、略同じである。すなわち、この場合も、スポットSは、4回回転対称形状を有している。なお、例えば、複数のスポットS1を、基準点Cを中心とする仮想的な円周に沿って略等間隔(等角度間隔)で配置することにより、スポットSを4回以上の回転対称形状とすることも可能である。加工対象Wのスペックや、溶接部14の深さや幅等のスペック、走査速度のような溶接条件、各スポットS1,S2のパワー密度の設定等によっては、図7のようなスポットSが好適となる場合がある。
[スポットパターン(4)]
図8は、表面Wa上に形成されるレーザ光LのスポットSの別の一例を示す。図8の例では、スポットSは、112個のスポットS1を含んでいる。また、複数のスポットS1の中心は、表面Wa上で、正方格子の格子点状に配置されている。そして、図8の例でも、図6,7の例と同様、スポットSは、基準点Cを通り、当該基準点Cにおける中心角の90°間隔で配置された二つの仮想線VLについて、各仮想線VLに対するスポットS1,S2の相対的な配置および形状が、略同じである。すなわち、この場合も、スポットSは、4回回転対称形状を有している。加工対象Wのスペックや、溶接部14の深さや幅等のスペック、走査速度のような溶接条件、各スポットS1,S2のパワー密度の設定等によっては、図8のようなスポットSが好適となる場合がある。なお、図8の複数のスポットS1は、互いに離れて配置されたが、これには限定されず、隣り合うスポットS1は互いに重なりあってもよい。この場合、複数のスポットS1は、隣り合う複数のスポットS1間に非照射領域が存在しない状態となるように互いに重なりあってもよい。
スポットパターン(1)~(4)によれば、複数のスポットS1およびスポットS2によって、所要の深さのキーホールを有するとともに、当該キーホールの周辺部分では温度分布が比較的緩やかな溶融池を形成することができる。スポットS2は、加工対象Wの溶融の促進による溶融池の面積の拡大に寄与し、複数のスポットS1、特に表面Wa上で3箇所以上にずれて配置された複数のスポットS1は、キーホールの形成と、溶融池の面積の拡大に寄与する。これらの場合において、溶融池のZ方向と交差した方向の位置に応じた温度分布は、例えば、一つの高いピークを有するガウシアン形状よりも、ピークが低いあるいは見られないトップハット形状や、温度差の比較的小さい複数のピークを有したなだらかな形状に近い分布となるものと推定される。したがって、スポットパターン(1)~(4)によれば、例えば、加工対象WがZ方向に長い(厚い)ような場合にもZ方向に所要の深さを有した溶接部14を形成することができるとともに、S102において溶融池の激しい動きを抑制できる分、スパッタやブローホールの少ないより高品質な溶接部14を形成することができる、という利点が得られる。なお、スポットS1,S2のパワー密度や、大きさ、配置、数等のスペックは、例示した態様から適宜に変更して実施することができる。
[スポットパターン(5)]
図9は、表面Wa上に形成されるレーザ光LのスポットSの別の一例を示す。図9の例では、第一レーザ光のスポットS1は、図中に太い実線で示すパワー密度の比較的高いスポットS11と、図中に細い実線で示すパワー密度の比較的低いスポットS12と、を含んでいる。複数のスポットS12は、スポットS11の周囲を間隔をあけて取り囲むように略環状に配置されている。なお、複数のスポットS12は、スポットS11とずれるとともに当該スポットS11とは反対側が凸となるように湾曲した形状に配置されているということができる。スポットS11,S12(S1)は、全て、第二レーザ光のスポットS2内に位置している。また、スポットS11とスポットS2とは、基準点Cについて、同心円状に配置されている。スポットS11は、第一スポットの一例であり、スポットS12は、第二スポットの一例である。
スポットS11のパワー密度は、スポットS2とともにあるいはスポットS2によらず、加工対象Wにキーホールを形成可能な高さに設定されている。また、複数のスポットS12のパワー密度は、スポットS2とともにあるいはスポットS2によらず、スポットS11の照射領域の周辺において加工対象Wをキーホールを形成することなく溶融可能な高さに設定されている。複数のスポットS12は、スポット群とも称されうる。
また、図9の例の場合も、スポットS11,S12およびスポットS2の、パワー密度や、大きさ、配置、数等のスペックの適宜な調整により、所要の深さのキーホールを有するとともに、当該キーホールの周辺部分では温度分布が比較的緩やかな溶融池を形成することができる。加工対象Wのスペックや、溶接部14の深さや幅等のスペック、走査速度のような溶接条件、各スポットS11,S12,S2のパワー密度の設定等によっては、図9のようなスポットSが好適となる場合がある。
そして、図9の例でも、図6~8の例と同様、スポットSは、基準点Cを通り、当該基準点Cにおける中心角の90°間隔で配置された二つの仮想線VLについて、各仮想線VLに対するスポットS1,S2の相対的な配置および形状が、略同じである。すなわち、この場合も、スポットSは、4回回転対称形状を有している。また、いずれの走査方向SDに走査された場合にあっても、複数のスポットS12は、スポットS11に対して走査方向の前方に位置するスポットS12と、スポットS11に対して走査方向の前方に位置するスポットS12とを含んでいる。また、このように、スポットS1としてスポットS11,S12を有する場合も、例えば、当該複数のスポットS11,S12を、基準点Cを中心とする仮想的な円周に沿って略等間隔(等角度間隔)で配置することにより、スポットSを4回以上の回転対称形状とすることが可能である。
[スポットパターン(6)]
図10は、表面Wa上に形成されるレーザ光LのスポットSの別の一例を示す。図10の例では、第一レーザ光のスポットS1は、図中により太い実線で示すパワー密度の比較的高いスポットS11と、図中により細い実線で示すパワー密度の比較的低いスポットS121,S122と、を含んでいる。複数のスポットS121は、スポットS11の周囲を間隔をあけて取り囲むように略環状に配置されている。また、複数のスポットS122は、スポットS11の周囲を間隔をあけて取り囲むように略環状に配置されている。複数のスポットS121および複数のスポットS122は、スポットS11を取り囲むように略多重環状に配置されている。スポットS11,S121は、全て、第二レーザ光のスポットS2内に位置している。また、スポットS122は、スポットS2の外縁上に、当該外縁に略沿って配置されている。すなわち、全てのスポットS122は、スポットS2と部分的に重なっている。言い換えると、スポットS122は、それぞれ、スポットS2と重なる領域と、スポットS2とは重ならず当該スポットS2からはみ出した領域と、を有している。スポットS11は、第一スポットの一例であり、スポットS121,S122は、第二スポットの一例である。
スポットS121のパワー密度およびスポットS122のパワー密度は、スポットS2とともにあるいはスポットS2によらず、スポットS11の照射領域の周辺において加工対象Wをキーホールを形成することなく溶融可能な高さに設定されている。複数のスポットS121および複数のスポットS122は、それぞれ、スポット群とも称されうる。また、S122のパワー密度は、スポットS121のパワー密度およびスポットS11のパワー密度よりも低い。また、スポットS122の数は、スポットS121の数よりも大きい。この場合、スポットS122の照射領域におけるパワー密度は、スポットS121の照射領域におけるパワー密度よりも低い。
また、図10の例でも、図6~9の例と同様、スポットSは、基準点Cを通り、当該基準点Cにおける中心角の90°間隔で配置された二つの仮想線VLについて、各仮想線VLに対するスポットS1,S2の相対的な配置および形状が、略同じである。すなわち、この場合も、スポットSは、4回回転対称形状を有している。加工対象Wのスペックや、溶接部14の深さや幅等のスペック、走査速度のような溶接条件、各スポットS11,S121,S122,S2のパワー密度の設定等によっては、図10のようなスポットSが好適となる場合がある。
[スポットパターン(7)]
図11は、表面Wa上に形成されるレーザ光LのスポットSの別の一例を示す。図11のスポットSも、図9のスポットSと同様、スポットS1として、パワー密度および基準点Cからの距離が異なる複数のスポットS11,S12を含んでいる。ただし、この例では、スポットS11とS12とが密着して配置されている。加工対象Wのスペックや、溶接部14の深さや幅等のスペック、走査速度のような溶接条件、各スポットS11,S12,S2のパワー密度の設定等によっては、図11のようなスポットSが好適となる場合がある。
[スポットパターン(8)]
図12は、表面Wa上に形成されるレーザ光LのスポットSの別の一例を示す。図12のスポットSも、図9のスポットSと同様、スポットS1として、パワー密度および基準点Cからの距離が異なる複数のスポットS11,S12を含んでいる。ただし、この例では、複数のスポットS12は、図9のように略環状に配置されるのではなく、スポットS11の周囲の一部において、すなわち、当該スポットS11の片側、走査方向SDの前方において、当該スポットS11を取り囲むように、略半円状、略円弧状、かつ線状に配置されている。これら複数のスポットS12は、全体として、スポットS11とずれるとともに当該スポットS11とは反対側が凸となるように屈曲または湾曲した形状に配置されている。また、図12の例では、複数のスポットS12は、スポットS11に対して走査方向SDにおいて前方に位置する複数のスポットS12と、スポットS11に対して走査方向SDと交差した方向に略並んだ複数のスポットS12と、を含んでいる。加工対象Wのスペックや、溶接部14の深さや幅等のスペック、走査速度のような溶接条件、各スポットS11,S12,S2のパワー密度の設定等によっては、図12のようなスポットSが好適となる場合がある。
[スポットパターン(9)]
図13は、表面Wa上に形成されるレーザ光LのスポットSの別の一例を示す。図13のスポットSも、図9のスポットSと同様、スポットS1として、パワー密度および基準点Cからの距離が異なる複数のスポットS11,S12を含んでいる。ただし、この例では、複数のスポットS12は、図9のように略環状に配置されるのではなく、図12と同様に、スポットS11の周囲の一部において、すなわち、当該スポットS11の片側、走査方向SDの前方において、当該スポットS11を取り囲むように、略半円状、略円弧状、比較的太い線状、あるいは塊状に、配置されている。これら複数のスポットS12は、全体として、スポットS11とずれるとともに当該スポットS11とは反対側が凸となるように屈曲または湾曲した形状に配置されている。また、図12の例とは、スポットS12の数が異なるとともに、複数のスポットS12を有するスポット群の幅、すなわち基準点Cに対する径方向におけるスポット群の幅が、図12の例よりも広くなっている。さらに、スポットS1は、複数のスポットS11を含んでいる。図13の例では、三つのスポットS11が、走査方向SDと交差した方向に互いに接するように並んでいる。ただし、図13は一例であって、スポットS11の数はこれには限定されないし、互いに離れてもよいし、走査方向SDに多少ずれてもよい。加工対象Wのスペックや、溶接部14の深さや幅等のスペック、走査速度のような溶接条件、各スポットS11,S12,S2のパワー密度の設定等によっては、図13のようなスポットSが好適となる場合がある。
[スポットパターン(10)]
図14は、表面Wa上に形成されるレーザ光LのスポットSの別の一例を示す。図14のスポットSも、図9のスポットSと同様に、スポットS1としてのスポットS11,S12およびスポットS2を含んでいる。ただし、図14の例では、スポットS2と、スポットS11,S12の配置領域とが互いにずれている。具体的に、スポットS2の重心C2が、複数のスポットS11,S12の重心C1に対して、走査方向SDの前方にずれている。この場合、スポットS2に対する第二レーザ光の照射によって、スポットS1に対する第一レーザ光の照射に先立って加工対象Wが加熱される分、加工対象Wの場所による温度差をよりなだらかにし、ひいては溶融池をより安定化して、スパッタやブローホールの形成を抑制できることがある。また、複数のスポットS12は、スポットS2から外れたスポットS12を含んでいる。加工対象Wのスペックや、溶接部14の深さや幅等のスペック、走査速度のような溶接条件、各スポットS11,S12,S2のパワー密度の設定等によっては、図14のようなスポットSが好適となる場合がある。なお、重心C1,C2は、スポットS11,S12,S2を表面Wa上の平面図形と見做した場合の幾何中心である。
スポットパターン(5)~(10)によれば、スポットSが、スポットS1として、パワー密度および配置が異なる複数のスポットS11,S12,S121,S122等を有することにより、溶融池の温度分布をより緻密に調整することができ、ひいては溶融池のより一層好適な温度分布を得ることが可能となる。したがって、スポットパターン(5)~(10)によれば、例えば、加工対象WがZ方向に長い(厚い)ような場合にもZ方向に所要の深さを有した溶接部14を形成することができるとともに、S102において溶融池の激しい動きを抑制できる分、スパッタやブローホールの少ないより高品質な溶接部14を形成することができる、という利点が得られる。なお、スポットS11,S12,S121,S122,S2のパワー密度や、大きさ、配置、数等のスペックは、例示した態様から適宜に変更して実施することができる。
[第2実施形態]
図15は、第2実施形態のレーザ溶接装置100B(100)の概略構成図である。本実施形態では、レーザ溶接装置100Bは、ガルバノスキャナ126に替えて、光学ヘッド120を移動する移動機構140を備えている。移動機構140は、加工対象Wに対して相対的に光学ヘッド120を動かすことにより、レーザ光Lのスポットを表面Wa上で走査することができる。なお、レーザ溶接装置100は、移動機構140およびガルバノスキャナ126の双方を備えてもよい。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
例えば、複数のビームを有したレーザ光は、本実施形態とは異なる構造あるいは方法によって実現してもよい。例えば、複数の導波路を有した光伝送部材の当該導波路に、それぞれ別の光源からのレーザ光あるいは一つの光源からのレーザ光を分岐したレーザ光を結合し、当該光伝送部材から複数のビームを含むレーザ光を出力してもよい。この場合、各光源の出力の変更や各導波路への分岐比の変更により、レーザ光における各ビームの強度、すなわちレーザ光における強度分布を、変更することができる。また、各導波路の数や、形状、レイアウトに応じて、レーザ光におけるビームの数や、大きさ、レイアウトを変更することができる。複数の導波路を有した光伝送部材とは、例えば、マルチコア光ファイバである。この場合、複数の導波路は、例えば、光ファイバの中心軸付近に位置するセンタコアと、当該センタコアを例えば同心状に取り囲む1以上のリングコアとを含んでもよい。また、音響光学素子等の空間変調手段により各導波路に結合されるレーザ光の光路、ひいては各導波路へのレーザ光の結合比を変更し、これにより、レーザ光におけるビームの強度やレイアウトを、変更してもよい。さらに、位相関係が制御された複数のレーザ光を、光伝送部材において所定の位置関係で配列された各導波路でそれぞれ伝送し、光伝送部材から出力された複数のビームを干渉させて、加工対象上の加工点(照射点)におけるレーザ光の強度分布や、形状、レイアウト等を設定してもよい。この場合、複数のレーザ光の位相関係を変更することによって、レーザ光の干渉状態が変化し、これにより加工点におけるレーザ光の強度分布、形状やレイアウトを変更することができる。なお、光伝送部材は、例えば、複数のシングルコア光ファイバで構成されてもよい。
10…金属接合体
11…金属部材
12…金属部材
14…溶接部
16
100,100A,100B…レーザ溶接装置
111,112…レーザ装置
120…光学ヘッド
121,121-1,121-2…コリメートレンズ
122…集光レンズ
123…ミラー
124…フィルタ
125…回折光学素子(DOE)
125a…回折格子
126…ガルバノスキャナ
126a,126b…ミラー
130…光ファイバ
140…移動機構
C…基準点
C1,C2…重心
L…レーザ光
N…非照射領域
S…スポット
S1…スポット
S2…スポット
S11,S12…スポット
S121…スポット(第一スポット)
S122…スポット(第二スポット)
SD…走査方向
W…加工対象
Wa…表面
Wb…裏面
X…方向
Y…方向
Z…方向

Claims (26)

  1. レーザ光を加工対象の表面に照射するとともに当該表面上で相対的に走査することにより、当該加工対象を溶融して溶接を行う、レーザ溶接方法であって、
    前記レーザ光は、それぞれ前記表面上にスポットを形成する複数の第一レーザ光と、当該第一レーザ光とは異なる波長の第二レーザ光と、を含むレーザ溶接方法。
  2. 前記第一レーザ光の波長は、800[nm]以上かつ1200[nm]以下であり、前記第二レーザ光の波長は、600[nm]以下である、請求項1に記載のレーザ溶接方法。
  3. 前記第二レーザ光の波長は、400[nm]以上かつ500[nm]以下である、請求項2に記載のレーザ溶接方法。
  4. 前記第一レーザ光は、前記表面上に三つ以上のスポットを形成する、請求項1または2に記載のレーザ溶接方法。
  5. 前記第二レーザ光のスポットは、前記第一レーザ光のスポットより広い、請求項4に記載のレーザ溶接方法。
  6. 前記第一レーザ光の複数のスポットは、前記第二レーザ光のスポットと少なくとも部分的に重なったスポットを含む、請求項4に記載のレーザ溶接方法。
  7. 前記第一レーザ光の複数のスポットは、前記第二レーザ光のスポットから外れたスポットを含む、請求項4に記載のレーザ溶接方法。
  8. 前記第一レーザ光の複数のスポットは、互いに部分的に重なり合った複数のスポットを含む、請求項4に記載のレーザ溶接方法。
  9. 前記第一レーザ光の複数のスポットは、互いに離れた複数のスポットを含む、請求項4に記載のレーザ溶接方法。
  10. 前記第一レーザ光の複数のスポットは、周状に配置された複数のスポットを含む、請求項4に記載のレーザ溶接方法。
  11. 前記第一レーザ光の複数のスポットは、略環状に配置された複数のスポットを含む、請求項4に記載のレーザ溶接方法。
  12. 前記第一レーザ光の複数のスポットは、中心が格子点状に配置された複数のスポットを含む、請求項4に記載のレーザ溶接方法。
  13. 前記第一レーザ光の複数のスポットは、第一スポットと、当該第一スポットとずれるとともに当該第一スポットとは反対側が凸となるように屈曲または湾曲した形状に並べて配置された複数の第二スポットと、を含む、請求項4に記載のレーザ溶接方法。
  14. 前記複数の第二スポットは、環状に配置された複数の第二スポットを含む、請求項13に記載のレーザ溶接方法。
  15. 前記複数の第二スポットは、前記第一スポットとは反対側が凸となるように屈曲または湾曲した線分状または塊状に配置された複数の第二スポットを含む、請求項13に記載のレーザ溶接方法。
  16. 前記第一スポットのパワー密度は、前記第二スポットのパワー密度より高い、請求項13に記載のレーザ溶接方法。
  17. 前記第一スポットは、前記第二レーザ光とともにまたは前記第二レーザ光によらず前記加工対象にキーホールを形成可能な一つのスポットまたはスポット群を含む、請求項16に記載のレーザ溶接方法。
  18. 前記第二スポットは、前記第二レーザ光とともにまたは前記第二レーザ光によらず前記加工対象をキーホールを形成せずに溶融可能なスポット群を含む、請求項17に記載のレーザ溶接方法。
  19. 前記複数の第二スポットは、前記第一スポットを取り囲むように略多重環状に配置された複数の第二スポットを含む、請求項14に記載のレーザ溶接方法。
  20. 前記第二スポットは、前記表面上において前記第一スポットに対して前記レーザ光の走査方向の前方に位置された第二スポットを含む、請求項13に記載のレーザ溶接方法。
  21. 前記第二スポットは、前記表面上において前記第一スポットに対して前記レーザ光の走査方向の後方に位置された第二スポットを含む、請求項13に記載のレーザ溶接方法。
  22. 前記第一レーザ光の複数のスポットおよび前記第二レーザ光のスポットは、前記表面における前記レーザ光の照射範囲内の基準点を通って前記表面上を延びる複数の仮想線に対する相対的な配置および形状が略同じになるよう形成される、請求項4に記載のレーザ溶接方法。
  23. 前記第一レーザ光の複数のスポットおよび前記第二レーザ光のスポットは、回転対称形状を有した、請求項4に記載のレーザ溶接方法。
  24. 前記第一レーザ光の複数のスポットは、前記第一レーザ光がビームシェイパによって分岐されたレーザ光によって形成される、請求項1または2に記載のレーザ溶接方法。
  25. 前記ビームシェイパは、回折光学素子である、請求項24に記載のレーザ溶接方法。
  26. 第一レーザ光を出力する第一レーザ装置と、
    前記第一レーザ光とは異なる波長の第二レーザ光を出力する第二レーザ装置と、
    前記第一レーザ光を分岐し当該分岐された第一レーザ光および前記第二レーザ光を含むレーザ光を加工対象の表面に照射する光学ヘッドと、
    を備え、
    前記光学ヘッドから出力された前記レーザ光を前記表面上で走査することにより、前記加工対象の前記レーザ光が照射された部分を溶融して溶接を行う、レーザ溶接装置。
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