JP6863738B2 - スリーブ、区画貫通構造、及び耐火充填構造 - Google Patents

スリーブ、区画貫通構造、及び耐火充填構造 Download PDF

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本発明は、建築物の床または壁体に区画貫通孔を形成するためのスリーブや、当該スリーブを備える区画貫通構造及び耐火充填構造に関する。
従来、建物の床や間仕切り壁等の壁体に貫通孔を形成して、貫通孔に配管を挿通させる
ことが行われている。そして配管内を通過する流体の保温を図るべく、配管の表面を保温
材からなるシート(以下、保温シート)で被覆することが行われている(例えば特許文献
1)。保温シートは、所定の厚さを有するものであり、貫通孔に配管が通される前に、予
め配管の表面に巻き付けられる。
特開2004−27554号公報
ところで上述のように保温シートで被覆した配管を貫通孔に挿通される場合には、保温
シートが防音・防臭機能を有するものでないことや、作業性を良好とすべく大きな径の貫
通孔が壁に形成されることから、貫通孔を通じて過大な音漏れが生じることがあった。
そこで、本発明の目的は、区画貫通孔に、配管又は配線が挿通される区画貫通構造であって、区画貫通孔を通じた音漏れを小さく抑えることの可能な区画貫通構造を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、次の項に記載の主題を包含する。
項1.建築物の床または壁に形成された区画貫通孔に、配管又は配線が挿通される区画貫通構造であって、
前記区画貫通孔は、筒状のスリーブの中空部によって構成され、
前記スリーブを構成する材料には、内部に空隙を有する材料が含まれている、区画貫通構造。
項2.前記スリーブは、複数の筒体が連なることで構成されるものであり、
前記複数の筒体のうち少なくとも一つが、内部に空隙を有する材料を用いて形成されている、項1に記載の区画貫通構造。
項3.前記スリーブは、
本体部と、本体部に段差部を介して連続する拡径部とを有する第1筒体と、
熱膨張性を有する第2筒体と、
本体部と、本体部に段差部を介して連続する拡径部とを有する第3筒体とを備え、
前記第2筒体の一端側部が前記第1筒体の拡径部内に挿入され、前記第2筒体の他端側部が前記第3筒体の拡径部内に挿入されることで、前記第1筒体、前記第2筒体、及び前記第3筒体が連なって、前記スリーブが構成され、
前記第1筒体と前記第2筒体と前記第3筒体とのうち少なくとも一つが、内部に空隙を有する材料を用いて形成されている、項2に記載の区画貫通構造。
項4.前記第1筒体と前記第3筒体とは、非膨張性を有する、項5に記載のスリーブ。
項5.前記スリーブは、
本体部と、本体部に段差部を介して連続する拡径部とを有する第1筒体と、
熱膨張性を有する第2筒体とを備え、
前記第2筒体の一端側部が前記第1筒体の拡径部内に挿入されることで、前記第1筒体、と前記第2筒体とが連なって前記スリーブが構成され、
前記第1筒体と前記第2筒体とのうち少なくとも一つが、内部に空隙を有する材料を用いて形成されている、項2に記載の区画貫通構造。
項6.前記第1筒体は、非膨張性を有する、項3に記載の区画貫通構造。
項7.前記内部に空隙を有する材料は、発泡で空隙を生じさせる発泡材料である、項1乃至6に記載の区画貫通構造。
項8.前記中空部に挿通される配管または配線をさらに備える項7に記載の区画貫通構造。
本発明の区画貫通構造によれば、スリーブを構成する材料には、内部に空隙を有する材料が含まれていることで、区画貫通孔に侵入した音は、スリーブに吸収される。したがって、区画貫通孔を通じた音漏れを小さく抑えることができる。
本発明の一実施形態のスリーブの分解略斜視図。 スリーブの側断面図。 (A)第1筒体及び第3筒体の上面図、(B)側断面図、(C)底面図。 (A)第2筒体の上面図、(B)側断面図、(C)底面図。 図1のスリーブを用いた本発明の区画貫通構造の施工方法の略断面図。 第2筒体が膨張した状態を示す側断面図。 別例のスリーブの側断面図。 別例のスリーブの側断面図。 別例のスリーブの側断面図。 別例のスリーブの側断面図。 別例のスリーブの側断面図。 別例のスリーブの側断面図。 別例のスリーブの側断面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るスリーブ1を説明する。本実施形態に係るスリーブ1は、ボイドとも称されるものであって、建築物の床または壁に区画貫通孔を形成するために使用される。上記の「建築物」は、例えば、一戸建住宅、集合住宅、高層住宅、高層ビル、商業施設、公共施設等の建材、客船、輸送船、連絡船等の船舶、車両等の構造物であるが、本発明のスリーブが適用可能な建築物は、上記の例に限定されない。
図1〜図3に示すように、スリーブ1は、第1筒体2と、第2筒体3と、第3筒体4と、非膨張性材5(図2)と、固定枠6とを備えており、第1筒体2の内部7と第2筒体3の内部8と第3筒体4の内部9とが連なることで中空部10(図2)を構成する(以下、第1筒体2、第2筒体3、及び第3筒体4の総称として、筒体2〜4と適宜記す)。
スリーブ1は、鉄筋Rと共に、型枠K内に固定される。そしてコンクリートCが型枠K内に流し込まれることで、スリーブ1の外側周囲にコンクリートCが打設される。そして、コンクリートCが硬化することで建築物の床または壁が形成されて、スリーブ1が鉄筋R及びコンクリートCからなる床下地又は壁下地に設置された状態になる。スリーブ1の中空部10は、床または壁の区画貫通孔11として機能するものであり、区画貫通孔11(中空部10)に配管又は配線12が挿通される。配管には、水道管、冷媒管、熱媒管、ガス管、吸排気管等の各種配管が含まれる。配線12には、電力用ケーブル、通信用ケーブル等の各種ケーブルが含まれる。
本実施形態のスリーブ1は、高い吸音性を有しており、区画貫通孔11(中空部10)を通じた音漏れや、筒体2〜4の繋ぎ目Tを通じた音漏れを防止可能である(筒体2〜4の繋ぎ目Tには、第1筒体2と第2筒体3との繋ぎ目T1や、第2筒体3と第3筒体4との繋ぎ目T2や、第1筒体2と第3筒体4との繋ぎ目T3が含まれる)。また火災の発生時には、スリーブ1は、第2筒体3の熱膨張を生じさせて(図6)、区画貫通孔11(中空部10)を閉塞することで、区画貫通孔11(中空部10)を通じた火災の伝搬を防止可能である。さらにスリーブ1は、非膨張性材5や固定枠6が区画貫通孔11(中空部10)に位置することで、火災の非発生時に、住民等の心理面に不安を与えず、区画貫通孔11を通じた音漏れや水漏れや煙漏れを防止するものである。以下、スリーブ1が備える筒体2〜4・非膨張性材5・固定枠6の構造等について詳細に説明する。
第1筒体2と第3筒体4とは、同一の構造を有する。したがって以下では、第1筒体2や第3筒体4の構成に付す符号を同一として、第1筒体2と第3筒体4との説明をまとめて行う。また以下では、第1筒体2と第3筒体4の総称として、第1,第3筒体2,4と記す。
第1,第3筒体2,4は、それぞれ、略円筒状の本体部13と、本体部13と段差部14を介して連続する略円筒状の拡径部15とを備えている(図1〜図4)。第1,第3筒体2,4における、本体部13、段差部14、及び拡径部15を構成する材料には、火災の熱で膨張しない非熱膨張性材料や、成形時に加えられる熱で発泡して内部に空隙Qを生じさせる発泡材料が含まれている。
上記の非熱膨張性の材料は、例えば、鋼、銅、ステンレス等の金属や、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル等の非熱膨張性の耐火樹脂材料である。
上記の発泡材料は、熱膨張性マイクロカプセル、水を含有するマイクロカプセル、無機系発泡剤、有機系発泡剤、マイクロカプセル化発泡剤、熱膨張性層状無機物、或いは、これらの組み合わせである。
熱膨張性マイクロカプセルは、1種類又は複数の種類のモノマーと、架橋剤とを含む組成物を重合させて得られた可塑性ポリマーから形成されたシェルの中に、該ポリマーの軟化点以下の温度(150℃〜250℃程度)でガス状になる揮発性膨張剤を内包させたものである。上記の熱膨張性マイクロカプセルとして、例えば、シェルが、(メタ)アクリロニトリルを95重量%以上含有し、(メタ)アクリロニトリル中の70重量%以上がアクリロニトリルであるモノマー混合物を重合させてなる重合体からなり、かつ架橋度が60重量%以上であるものを使用でき、このような熱膨張性マイクロカプセルは、国際公開第2010/052972に記載されている。ポリマーが(メタ)アクリロニトリル以外のモノマーを含む場合、そのようなモノマーとしてはメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、塩化ビニリデン及び酢酸ビニルからなる群から選択されるモノマーが挙げられる。
上記揮発性膨張剤としては、例えば、低沸点有機溶剤や加熱により熱分解してガス状になる化合物等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでも低沸点有機溶剤が特に好適に用いられる。これらの揮発性膨張剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記低沸点有機溶剤としては、例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、n−ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−へキサン、ヘプタン、ノナン、デカン、石油エーテルなどの炭化水素;CCl3F、CCl2F2、CClF3、CClF2−CCl2F2などのクロロフルオロカーボン;テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル−n−プロピルシランなどのテトラアルキルシラン等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでもn−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、ノナン、デカン及び石油エーテル等の炭化水素を用いることができ、好ましくは炭素数3から12が用いられる。更に直鎖炭化水素やエステルも併せて用いても良い。特に好ましくは炭素数が4以上の炭化水素が特に好適に用いられる。これらの低沸点有機溶剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
水を含有するマイクロカプセルは、水を内封した上記のマイクロカプセルである。
無機系発泡剤としては例えば、水、炭酸水素ナトリウム等の無機化合物であるガス発生材料が挙げられる。これら無機系発泡剤は、何れか1種、あるいは2種類以上を組合わせて使用することが出来る。
有機系発泡剤としては例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、n−ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−へキサン、ヘプタン、ノナン、デカン、石油エーテルなどの炭化水素;アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾジアミノベンゼン等のアゾ化合物含有発泡剤;ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、N,N’-ジニトロソ-N,N’-ジメチルテレフタルアミド等のニトロソ化合物含有発泡剤;ベンゼンスルホニルヒドラジド、p,p'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)等のスルホニル・ヒドラジド含有発泡剤等が挙げられる。これら有機系発泡剤の1種、又は2種類以上を組合わせて使用することが出来る。
マイクロカプセル化発泡剤は、上述の発泡剤の一種もしくは二種以上をマイクロカプセルに封入したものである。マイクロカプセルに使用する合成樹脂としては、例えば、一定温度以上になれば溶融し、マイクロカプセルが割れず略球状に膨張する粘度を有する熱可塑性合成樹脂を使用すればよい。
第1,第3筒体2,4を構成する材料に、マイクロカプセル化発泡剤を添加しておくことにより、成形時に一定温度以上に加熱された場合には、合成樹脂が溶融するため、上記材料を発泡させることができる。
第1,第3筒体2,4の一端(段差部14の反対側にある本体部13の端)には、板状の固定部16が取り付けられている(図示例において、第1筒体2の一端は第1筒体2の下端に相当し、第3筒体4の一端は第3筒体4の上端に相当する)。固定部16は、例えば金属から形成されるものであって、第1,第3筒体2,4の軸に対して垂直外方に延びている。図3に示すように、第1,第3筒体2,4には、それぞれ4つの固定部16が取り付けられており、これら4つの固定部16は、第1,第3筒体2,4の周回りに均等な間隔をあけて設けられている。
各固定部16には、これを厚さ方向に貫通する孔17が形成されており、この孔17に、針金等の金属線、ボルト、ビス、釘等の固定用部材を通すことができる。そして孔17に通した金属線を鉄筋Rに結び付けることや、孔17に通した固定用部材(ボルト、ビス、釘)を型枠Kにねじ込むことで、スリーブ1を固定できる。図示例では、第1筒体2の固定部16の孔17に通した固定用部材18が型枠Kにねじ込まれることで、スリーブ1が固定されている。なお第3筒体4では、孔17に固定用部材18等が通されておらず、固定部16が固定目的に使用されていないが、第3筒体4にも、第1筒体2と同様、固定部16を形成しているのは、第1筒体2と第3筒体4との構造を同一にして、スリーブ1の製造手間を軽減することを目的とする。
図1、図2、及び図4に示すように、第2筒体3は、略円筒状を呈しており、図2に示すように、第2筒体3の一端側部(下部)を第1筒体2の拡径部15内に嵌合させ、第2筒体3の他端側部(上部)を第3筒体4の拡径部15内に嵌合させるようになっている。そして上述の嵌合が行われることで、第1筒体2の内部7と、第2筒体3の内部8と、第3筒体4の内部9とが連なり、中空部10が構成されるようになっている。また上記のように第2筒体3を第1,第3筒体2,4に嵌合させた状態では、第2筒体3の一端(下端)が第1筒体2の段差部14に当接し、第2筒体3の他端(上端)が第1筒体2の段差部14に当接する。これは、第2筒体3の高さP(図4)が、第1筒体2の拡径部15の高さD(図3)と第3筒体4の拡径部15の高さD(図3)との合計2Dに一致し、且つ、第2筒体3の外径A(図4)が、第1,第3筒体2,4の本体部13の内径B(図3)よりも大きいことによる。また上記のように第2筒体3を第1,第3筒体2,4に嵌合させた状態では、第2筒体3の内周面3a(図2)の延長上に、第1,第3筒体2,4の本体部13の内周面13aが位置する。これは、第2筒体3の内径E(図4)が、第1,第3筒体2,4の本体部13の内径B(図3)と等しいことによる。
第2筒体3は、熱膨張性の耐火樹脂材料から形成されている。耐火樹脂材料は、樹脂成分に熱膨張性層状無機物を含む樹脂組成物である。第2筒体3を形成する際には、樹脂組成物の各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を用いて混練することが行われる。そして混練された耐火樹脂材料を射出成形することで第2筒体3が得られる。なお射出成形の際に金型の温度が200℃〜300℃に高くされることで、第2筒体3を形成する耐火樹脂材料は、内部に空隙Qを生じたものとされる。また第2筒体3を形成する材料に発泡材料を含ませて、当該発泡材料を成形時の熱で発泡させることで、第2筒体3の内部に空隙Qを生じさせてもよい。発泡材料は、例えば、上述した、熱膨張性マイクロカプセル、水を含有するマイクロカプセル、無機系発泡剤、有機系発泡剤、マイクロカプセル化発泡剤、熱膨張性層状無機物、或いは、これらの組み合わせである。
上記の樹脂成分としては、公知の樹脂成分を広く使用でき、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム物質、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソブチレン等の合成樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリイソシアネート、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。
ゴム物質としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、非加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴム物質等が挙げられる。
これらの合成樹脂および/またはゴム物質は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらの合成樹脂および/またはゴム物質の中でも、耐寒性、耐熱性、耐油性等の特性を柔軟に調整できる性質を有しているものが好ましい。より柔軟特性で扱い易い樹脂組成物を得るためには、塩ビ系樹脂に可塑剤を加えたものが好適に用いられる。代わりに、樹脂自体の難燃性を上げて防火性能を向上させるという観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
熱膨張性層状無機物は加熱時に膨張するものである。かかる熱膨張性層状無機物に特に限定はなく、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等を挙げることができる。熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等でさらに中和してもよい。熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東ソー社製「GREP−EG」、ADT社製「ADT−351」「ADT−501」、GRAFTECH社製「GRAFGUARD」等が挙げられる。
前記樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂成分100重量部に対し、前記熱膨張性層状無機物を10〜350重量部の範囲で含むことが好ましい。
熱膨張性耐火材を構成する樹脂組成物は、さらに無機充填剤を含んでもよい。無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。また、無機充填剤としては、これらの他に、硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いることができるし、2種以上を併用することもできる。
無機充填剤のうち、水酸化アルミニウムの具体例としては、粒径18μmの「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)、粒径25μmの「B325」(ALCOA社製)、炭酸カルシウムでは、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(備北粉化工業社製)、粒径8μmの「BF300」(備北粉化工業社製)等が挙げられる。
前記樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂成分100重量部に対し、無機充填材を30〜400重量部の範囲で含むものが好ましい。
また、前記熱膨張性層状無機物および前記無機充填材の合計は、樹脂成分100重量部に対し、50〜600重量部の範囲が好ましい。
さらに、熱膨張性耐火材を構成する樹脂組成物は、膨張断熱層の強度を増加させ防火性能を向上させるために、前記の各成分に加えて、さらにリン化合物を含んでもよい。リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム;下記化学式(1)で表される化合物等が挙げられる。これらのうち、防火性能の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム、および、下記化学式(1)で表される化合物が好ましく、性能、安全性、コスト等の点においてポリリン酸アンモニウムがより好ましい。
Figure 0006863738
化学式(1)中、R1およびR3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、炭素数6〜16のアリール基を表す。R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、または、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用いられる。ポリリン酸アンモニウムとしては特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取り扱い性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。市販品としては、例えば、クラリアント社製「AP422」、「AP462」、Budenheim Iberica社製「FR CROS 484」、「FR CROS 487」等が挙げられる。
化学式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、n−プロピルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。前記のリン化合物は、単独で用いることもできるし、2種以上を併用することもできる。
かかる樹脂組成物は加熱によって膨張し耐火断熱層を形成する。この配合によれば、前記熱膨張性耐火材は火災等の加熱によって膨張し、必要な体積膨張率を得ることができ、膨張後は所定の断熱性能を有すると共に燃焼残渣を形成することもでき、安定した耐火性能を達成することができる。
さらに前記樹脂組成物は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂、成型補助材等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
熱膨張性の耐火樹脂材料は市販品として入手可能であり、例えば、住友スリーエム社製のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーミキュライトとを含有する樹脂組成物からなる熱膨張性耐火材、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛とを含有する樹脂組成物からなる熱膨張性耐火材、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)、積水化学工業社製フィブロック等の熱膨張性耐火材等も挙げられる。
前記熱膨張性耐火材は、火災時などの高温にさらされた際にその膨張層により断熱し、かつその膨張層の強度があるものであれば特に限定されない。50kW/m2の加熱条件下で30分間加熱した後の体積膨張率が3〜50倍のものであれば好ましい。前記体積膨張率が3倍以上であると、膨張体積が前記樹脂成分の焼失部分を十分に埋めることができ、また50倍以下であると、膨張層の強度が維持され、火炎の貫通を防止する効果が保たれる。
第2筒体3を熱膨張性の耐火樹脂材料から形成することにより、第2筒体3とコンクリートCとの密着性が向上し(火災の発生時には第2筒体3と燃焼残渣のコンクリートCとの密着性が向上し)、断熱層が崩壊しにくくなる。また、第1,第3筒体2,4を金属等の非熱膨張性材料で形成することで、外部衝撃に対する強度を増大させることができる。またこれに加えて、膨張材使用量を必要最小限に抑えることができるので、適正な価格でスリーブ1を提供できる。以上のように、非熱膨張性の第1,第3筒体2,4と、熱膨張性の第2筒体3とを組み合わせてスリーブ1を構成することで、区画貫通構造に耐火性を付与し、さらには外部衝撃に対する強度とコンクリートCに対する密着性とを兼ね備え、適正な価格で提供することができる。
非膨張性材5や固定枠6は、中空部10における、第2筒体3の内部8以外の範囲に配置される(非膨張性材5や固定枠6は、上記第2筒体3の内部8以外の範囲における、配管又は配線12とスリーブ1との間の空間に配置される)。すなわち図2に示すように、非膨張性材5は、第1筒体2の本体部13の内部13bや、第3筒体4の本体部13の内部13bに配置される(上記の第1,第3筒体2,4の本体部13の内部13bは、第1,第3筒体2,4の内部7,9の一部である)。また、固定枠6は、第3筒体4の内部9の上端に配置される(第3筒体4の内部9の上端は、本体部13の内部13bにおける、段差部14と反対側の端に相当する)。
非膨張性材5は、不燃性又は難燃性の非膨張性物質から形成される。不燃性又は難燃性の非膨張性物質は、例えば、グラスウール、ロックウール、などの無機材料や不燃性ウレタン、PTFE系、ポリ塩化ビニル系、フェノール樹脂系化合物である。
固定枠6は、環状を呈しており、その中央の孔28(図1)に配管又は配線12が挿通される。固定枠6は、金属から形成されてもよいし、或いは、非耐火性又は耐火性の樹脂組成物から形成されてもよい。好ましくは、固定枠6は、不燃性又は難燃性の非膨張性物質から形成される。不燃性又は難燃性の非膨張性物質は、例えば、鋼、銅、ステンレス等の金属や、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル、ブチルゴム等の非熱膨張性の耐火樹脂材料や、臭素化合物、リン化合物、塩素化合物、アンチモン化合物、金属水酸化物、窒素化合物、ホウ素化合物等の難燃剤を含む非耐火性の樹脂組成物である。固定枠6には、美観を与えるように、コーティング等の仕上層、着色がさらに施されてもよい。
次に図5を参照しながら、スリーブ1を用いた区画貫通構造の施工方法について説明する。
まず、スリーブ1を型枠K内に固定する。具体的には、図5(A)に示すように、第2筒体3の固定部16の孔17に固定用部材29(ボルト)を通して、固定用部材29を型枠Kにねじ込むことで、スリーブ1を固定する。なお、スリーブ1の中空部10と向かい合う型枠Kの位置には、配管又は配線12(図5(C)参照)を挿通するための穴を空けておく。また第2筒体3の固定部16の孔17に通した金属線を鉄筋Rに結び付けることで、スリーブ1を鉄筋Rに固定してもよい。
次に図5(B)に示すように、コンクリートCを型枠K内に流し込む。これにより、スリーブ1の外側周囲にコンクリートCが打設されて、スリーブ1の中空部10は区画貫通孔11として機能するようになる。なおこの際には、図5(B)の例のように、コンクリートCの厚みHを、第1筒体2の下端から第3筒体4の上端までの高さLに等しくすることで、スリーブ1の高さ全体をコンクリートCに埋めることが好ましいが、スリーブ1の一部(第3筒体4の上端など)がコンクリートCから出るように、コンクリートCが打設されてもよい(すなわち、コンクリートCの厚みCが、スリーブ1の高さLよりも低くされてもよい)。
次に図5(C)に示すように、中空部10(区画貫通孔11)に1または複数の配管又は配線12を挿通させる。また、中空部10における、第2筒体3の内部8以外の範囲に、非膨張性材5を配置する。具体的には、第1筒体2の本体部13の内部13bや、第3筒体4の本体部13の内部13bに、非膨張性材5を配置する。またこの際には、スリーブ1とコンクリートCとの間の隙間を埋めること等を目的として、スリーブ1の外側周囲に充填材(図示せず)を充填し、この後、区画貫通孔11(中空部10)に配管又は配線12を通してもよい。
次に図5(D)に示すように、中空部10における、第2筒体3の内部8以外の範囲に、固定枠6を配置する。具体的には、第3筒体4の内部9の上端に、固定枠6を配置する。以上で、区画貫通構造100が完成する
本実施形態の区画貫通構造100によれば、スリーブ1を構成する第1筒体2・第2筒体3・第3筒体4が、内部に空隙Qを有する材料を用いて形成されていることで、高い吸音性を有しており、区画貫通孔11(中空部10)や筒体2〜4の繋ぎ目T(図2)に侵入した音は、筒体2〜4に吸収される。これにより、区画貫通孔11(中空部10)を通じた音漏れや、筒体2〜4の繋ぎ目を通じた音漏れを小さく抑えることができる。
また区画貫通構造100の階下にて図5(D)の矢印方向から火災が発生した場合には、図6に示すように、第2筒体3が熱膨張する。この際には、第1筒体2と第3筒体4とが第2筒体3を上下に挟み込んでいることや、第2筒体3の外側を第1,第3筒体2,4の拡径部15が囲んでいることで、スリーブ1の軸方向(図6の上下方向)やスリーブ1の外側(配管又は配線12から離れる側)に向かう第2筒体3の膨張が規制される。したがって、スリーブ1の内側(配管又は配線12に接近する側)に向かう第2筒体3の膨張が促進されるので、第2筒体3は、区画貫通孔11を閉塞するうえで無駄のない膨張を生じるものとなる。このため、スリーブ1を構成する熱膨張性部分(第2筒体3)の耐火樹脂材料を多くすることを要せず、区画貫通孔11を確実に閉塞できる。よって、スリーブ1の材料コストを安価に抑えつつ、区画貫通孔11を確実に閉塞できる。
なお、第1筒体2を構成する材料の体積Vと、第2筒体3を構成する材料の体積V2と、
第3筒体4を構成する材料の体積Vとは、以下の式(2)を満たすことが好ましい。
10(%)≦V2/(V+V)×100(%) ≦80(%) ・・・式(2)
:第1筒体2を構成する材料の体積
:第2筒体3を構成する材料の体積
:第3筒体4を構成する材料の体積
2/(V+V)×100(%)が10(%)以上であるとスリーブ1の耐火性能が十分となる。(V2)/(V+V)×100(%)が80(%)以下であると、スリーブ1の価格が抑えられる。また、火災時の過剰な膨張による、非膨張性材5や固定枠6の押し上げといった耐火構造の破壊が防止される。
また本実施形態によれば、非膨張性材5や固定枠6によってスリーブ1と配管又は配線12との間の隙間が埋められることで、火災の非発生時では、ユーザの心理面に不安を与えることがなく、区画貫通孔11(中空部10)を通じた音漏れや水漏れや煙漏れを確実に防止できる。なお上記のユーザは、スリーブ1が使用されている建築物内にいる者を意味する。例えば、建築物としての住宅に居住する住民は、上記のユーザに該当する。
また本実施形態によれば、中空部10における、第2筒体3の内部8以外の範囲に、非膨張性材5や固定枠6が配置されることで、非膨張性材5や固定枠6は、第2筒体3と接しない。これにより火災の発生時には、非膨張性材5や固定枠6が、第2筒体3の膨張の妨げにならないので、第2筒体3の膨張によって、区画貫通孔11を確実に閉塞できる。また、非膨張性材5が、第1筒体2の本体部13の内部13bや、第3筒体4の本体部13の内部13bに配置されることで、火災の発生時には、非膨張性材5によって、第2筒体3の膨張が、スリーブ1の軸方向(図6の上方向或いは下方向)に向かうことが規制される。この点からも、スリーブ1の内側(配管又は配線12側)に向かう第2筒体3の膨張が促進されるので、区画貫通孔11を確実に閉塞できる。
さらに固定枠6が、スリーブ1と配管又は配線12との間の隙間の間を閉塞しているため、区画貫通構造100を上から見たときに、区画貫通孔11の中が見えず、視覚的な美観も保たれる。
なお本発明は上記実施形態に限定されず、以下のように変更可能である。
例えば上記実施形態では、第1,第3筒体2,4における、本体部13、段差部14、及び拡径部15を構成する材料に、非熱膨張性の材料を含ませる例を示したが、第1,第3筒体2,4では、本体部13、段差部14、及び拡径部15のうち少なくとも一つは、熱膨張性の材料を用いて形成されてもよい。特に、第1,第3筒体2,4の本体部13は、第2筒体3よりも加熱時の膨張倍率が低い材料から形成されてもよい。また上記の場合には、下記式(3)に示すように、第1,第3筒体2,4の本体部13の膨張倍率と、第2筒体3の膨張倍率との比が、0以上1未満とされることが好ましい。
0≦(第1及び第3筒体2,4の本体部13の膨張倍率/第2筒体3の膨張倍率)<1 ・・・式(3)
また上記のように、第1,第3筒体2,4を構成する材料に熱膨張性の材料を含ませる場合には、例えば、第1,第3筒体2,4を射出成形する際の金型温度が高められることで、熱膨張性の材料は、内部に空隙Qを有するものとされる。
また上記実施形態では、第2筒体3が第1,第3筒体2,4に嵌合した状態で、第2筒体3の上端・下端が第1,第3筒体2,4の段差部14に当接する例を示したが、図7に示すスリーブ30のように、第2筒体3の下端や上端は、第1筒体2の段差部14や、第3筒体4の段差部14から離れていてもよい。この場合、第2筒体3の下端と第1筒体2の段差部14との間の隙間L1は、下記式(4)を満たすように設定される。また第2筒体3の上端と第3筒体4の段差部14との間の隙間L2は、下記式(5)を満たすように設定される。
0<L1≦(第1筒体2の長さの1/2) ・・・式(4)
0<L2≦(第3筒体4の長さの1/2) ・・・式(5)
上記の隙間L1,L2がそれぞれ式(4),(5)を満たすように設定されることで、スリーブ30の軸方向(図7の上下方向)に向かう第2筒体3の膨張を小さく抑えて、第2筒体3の膨張をスリーブ30の内側に向かわせることができる。したがって、区画貫通孔11を良好に閉塞できる。なお図7のように、第2筒体3と第1,第3筒体2,4との間に隙間L1,L2を生じさせる場合には、第1筒体2の拡径部15の内周面や、第3筒体4の拡径部15の内周面に、それぞれ環状突起31が形成される。これら環状突起31は、第1筒体2や第3筒体4の内周回りに延びるものであって、これら環状突起31が第2筒体3の上端・下端と接することで、第1,第3筒体2,4内への第2筒体3の挿入が停止される。
また上記実施形態では、第2筒体3の外側全体を第1,第3筒体2,4の拡径部15で囲んでいるが、図8に示すスリーブ32のように、第1筒体2と第3筒体4との間の隙間Sから、第2筒体3の外周面の一部が露出していてもよい。この場合、隙間Sから露出する第2筒体3の外周面の面積と、第1筒体2の外周面の面積と、第3筒体4の外周面の面積とは、下記式(6)を満たすように設定される。
0<(隙間Sから露出する第2筒体3の外周面の面積/第1筒体2の外周面の面積と第3筒体4の外周面の面積との合計)×100≦100 ・・・式(6)
式(6)において、「隙間Sから露出する第2筒体3の外周面」は、図8のG範囲における外周面であり、コンクリートCと接する第2筒体3の外周面である。また、式(6)における、第1筒体2の外周面は、図8のF範囲(第1筒体2の高さ全体)における外周面である。また、第3筒体4の外周面は、図8のH範囲(第3筒体4の高さ全体)における外周面である。上記の式(6)を満たす場合には、第1,第3筒体2,4の外周面の面積が第2筒体3の外周面の露出面積よりも大きいため、外部衝撃(物理的、化学的)に対する耐性が強くなるという効果を奏する。なお音漏れを防止する観点や、火災時における第2筒体3の外側への膨張を防止する観点から、隙間Sはできるだけ狭いことが好ましい。
また上記実施形態では、第1,第3筒体2,4の本体部13の内径B(図3)と、第2筒体3の内径E(図4)とが、一致する例を示したが、第1,第3筒体2,4の本体部13の内径Bは、第2筒体3の内径Eの90%以上110%以下の範囲内にあればよい(図9に示すスリーブ33は、第1,第3筒体2,4の本体部13の内径Bを、第2筒体3の内径Eの90%とする変更を行ったものである)。以上のように、内径Bを内径Eの90%以上110%以下にすれば、内径Bと内径Eとの差が小さいので、第1,第3筒体2,4によって、スリーブの軸方向(図9の上下方向)に向かう第2筒体3の膨張が規制されるので、スリーブの内側に向かう第2筒体3の膨張を促進できる。
また、耐火性能をはじめ、遮音性、漏水等実用耐久性に問題がないことが確認できれば、図10に示すスリーブ34のように、固定枠6(図2等)を省略して、非膨張性材5のみを、第1,第3筒体2,4の内部7に配置してもよい。また或いは、第1筒体2と第3筒体4のいずれか一方の本体部13の内部に、非膨張性材5を配置してもよい(このような例として、図11は、第1筒体2の本体部13の内部のみに非膨張性材5が配置されたスリーブ35を示している)。また、固定枠6以外の蓋部材、カバー部材、またはキャップが使用されてもよい 。
また本発明のスリーブを構成する筒体は、上記実施形態に示した第1筒体2・第2筒体3・第3筒体4のみに限られない。つまり、スリーブの高さ調整等を目的として、第1筒体2の本体部13、及び又は、第3筒体4の本体部13に、さらに別の筒体を連ならせることで、スリーブを4つ以上の筒体から構成してもよい。例えば図12に示すスリーブ36は、第1筒体2の本体部13に筒体40を連ならせ、第3筒体4の本体部13に筒体41を連ならせることで、5つの筒体40,2,3,4,41から構成されたものである。第1筒体2や第2筒体3や第3筒体4は、上記実施形態に示すものと同様の構造を有しており、内部に空隙Qを有する材料を用いて形成されている。筒体40,41は、第1筒体2や第3筒体4と同様、内部に空隙Qを有する材料(発泡材料)を用いて形成された本体部13・段差部14・拡径部15を有しており、筒体40の拡径部15内に第1筒体2の本体部13を嵌合させ、筒体41の拡径部15内に第3筒体4の本体部13を嵌合させるようになっている。また最下に位置する筒体40の本体部13には、固定部16が取り付けられており、この固定部16の孔17に通した固定用部材29(ボルト)が型枠Kにねじ込まれるようになっている。
上記のスリーブ36では、筒体40,2,3,4,41の内部が連なることで中空部10(区画貫通孔11)が構成され、中空部10(区画貫通孔11)に配管又は配線12が挿通される。また、中空部10における、第2筒体3の内部8以外の範囲には、非膨張性材5や固定枠6が、配置されている。
以上のスリーブ36によれば、筒体40,2,3,4,41が、内部に空隙Qを有する材料を用いて形成されていることで、区画貫通孔11(中空部10)や筒体40,2,3,4,41の繋ぎ目に侵入した音は、筒体40,2,3,4,41に吸収される。これにより、音漏れを小さく抑えることができる。また火災が発生した場合には、第2筒体3が熱膨張して区画貫通孔11を閉塞することで、区画貫通孔11を通じた火災の伝搬を防止できる。また、非膨張性材5や固定枠6によってスリーブ1と配管又は配線12との間の隙間が埋められることで、火災の非発生時では、ユーザの心理面に不安を与えることがなく、区画貫通孔11(中空部10)を通じた音漏れや水漏れや煙漏れを確実に防止できる。
また、スリーブの製造や組み立てを容易とすべく、スリーブを、1つ或いは2つの筒体から構成してもよい。以下、スリーブを2つの筒体から構成する場合の例として、図13に示すスリーブ37を説明する。
図13に示すスリーブ37は、第1筒体50と、熱膨張性を有する第2筒体51とを備えている。第1筒体50は、本体部52と、本体部52に段差部53を介して連続する拡径部54とを有しており、本体部52・段差部53・拡径部54を構成する材料には、上述した非熱膨張性材料や、内部に空隙Qを有する発泡材料が含まれている。
第2筒体51は、略円筒状を呈するものであり、第2筒体51の上部(第2筒体51の一端側部)を第1筒体50の拡径部54に嵌合させることで、スリーブ37が構成されている。第2筒体51は、上記実施形態に示す第2筒体3と同湯、熱膨張性の耐火樹脂材料を射出成形することで得られるものであり、当該耐火樹脂材料は、射出成形の際に金型温度が高くされることで、内部に空隙Qを生じたものとされる。
第2筒体51の外周面には、環状突部55が形成されており、第2筒体51を第1筒体50に嵌合させる際に、第1筒体50の下端が環状突部55に接した位置で、第2筒体20の第1筒体50への嵌入が停止するようになっている。環状突部55は、上述した熱膨張性の耐火樹脂材料から形成されてもよいし、鋼等の金属や、硬質塩化ビニル等の非熱膨張性の耐火樹脂材料から形成されてもよい。また第2筒体51の下端には固定部16が取り付けられており、この固定部16の孔17に通された固定用部材29(ボルト)が型枠Kにねじ込まれるようになっている。
上記のスリーブ37では、第1筒体50の内部56と第2筒体51の内部57が連なることで中空部10(区画貫通孔11)が構成され、中空部10(区画貫通孔11)に配管又は配線12が挿通される。また、中空部10における、第2筒体51の内部57以外の範囲には、非膨張性材5や固定枠6が、配置される(具体的には、第1筒体50の本体部52の内部に、非膨張性材5や固定枠6が配置される)。
以上のスリーブ37によれば、筒体50,51が、内部に空隙Qを有する材料を用いて形成されることで、区画貫通孔11(中空部10)や筒体50,51の繋ぎ目に侵入した音は、筒体50,51に吸収される。これにより、音漏れを小さく抑えることができる。また火災が発生した場合には、第2筒体51が熱膨張して、区画貫通孔11を閉塞することで、火災の伝搬を防止できる。また、非膨張性材5や固定枠6によってスリーブ1と配管又は配線12との間の隙間が埋められることで、火災の非発生時では、ユーザの心理面に不安を与えることがなく、区画貫通孔11(中空部10)を通じた音漏れや水漏れや煙漏れを確実に防止できる。
また図1〜図13に示したスリーブ1,30,32,33,34,35,36,37では、これらを構成する複数の筒体の全てが、内部に空隙Qを有する材料を用いて形成されていたが、上記複数の筒体のうち少なくとも一つが内部に空隙Qを有する材料を用いて形成されればよい。つまり図1〜図11に示したスリーブ1,30,32,33,34,35では、筒体2,3,4のうち少なくとも一つが内部に空隙Qを有する材料を用いて形成されればよい。また図12に示すスリーブ36では、筒体40,2,3,4,41のうち少なくとも一つが内部に空隙Qを有する材料を用いて形成されればよい。また図13に示すスリーブ37では、筒体50,51のうち少なくとも一つが内部に空隙Qを有する材料を用いて形成されればよい。以上のようにしてもスリーブ1,30,32,33,34,35,36,37を構成する材料に内部に空隙Qを有する材料が含まれるので、区画貫通孔11(中空部10)に侵入した音はスリーブに吸収されて、区画貫通孔11(中空部10)を通じた音漏れを小さく抑えることができる。
またスリーブを構成する筒体の形状は、上記実施形態に示す略円筒状に限られない。すなわち、スリーブを構成する筒体の形状は、所望される区画貫通孔11の形状に適合させればよく、例えば所望される区画貫通孔11が断面略楕円形である場合には、スリーブを構成する筒体は、断面略楕円形の内部を有するものとされる。
また上述した区画貫通構造では、上述したスリーブ以外にも、耐火性を向上させるために、任意の公知の耐火性充填材、耐火性樹脂組成物、耐火性シート、または耐火性金属板等がさらに用いられてもよい。
また上記実施形態では、スリーブ1を床上から施工する例を説明したが、図1〜図13に示した本発明のスリーブ1,30,32,33,34,35,36,37は床下から施工することも可能である 。またスリーブ1,30,32,33,34,35,36,37は、床(相対的にコンクリート打設の床材となる階下の床のみならず、天井床も含む)のみならず、側壁などの壁体にも適用可能である。なおこの場合には、スリーブは、例えばコンクリート及び鉄筋からなる壁下地に設置されて、壁体の区画貫通孔を構成する。
1,30,32,33,34,35,36,37 スリーブ、
2,38 第1筒体、
3,39 第2筒体、
4 第3筒体、
7,50 第1筒体の内部、
8,51 第2筒体の内部、
9 第3筒体の内部、
10 中空部、
11 区画貫通孔、
12 配線、
13 第1筒体や第3筒体の本体部、
14 第1筒体や第3筒体の段差部、
15 第1筒体や第3筒体の拡径部、
40,41 別の筒体、
52 第1筒体の本体部、
53 第1筒体の段差部、
54 第1筒体の拡径部、
100 区画貫通構造

Claims (7)

  1. 建築物の床または壁に形成された区画貫通孔に、配管又は配線が挿通される区画貫通構造であって、
    前記区画貫通孔は、筒状のスリーブの中空部によって構成され、
    前記スリーブを構成する材料には、内部に空隙を有する材料が含まれており、前記空隙は、発泡によって生じたものである、区画貫通構造。
  2. 前記スリーブは、複数の筒体が連なることで構成されるものであり、
    前記複数の筒体のうち少なくとも一つが、内部に空隙を有する材料を用いて形成されている、請求項1に記載の区画貫通構造。
  3. 前記スリーブは、
    本体部と、本体部に段差部を介して連続する拡径部とを有する第1筒体と、
    熱膨張性を有する第2筒体と、
    本体部と、本体部に段差部を介して連続する拡径部とを有する第3筒体とを備え、
    前記第2筒体の一端側部が前記第1筒体の拡径部内に挿入され、前記第2筒体の他端側部が前記第3筒体の拡径部内に挿入されることで、前記第1筒体、前記第2筒体、及び前記第3筒体が連なって、前記スリーブが構成され、
    前記第1筒体と前記第2筒体と前記第3筒体とのうち少なくとも一つが、内部に空隙を有する材料を用いて形成されている、請求項2に記載の区画貫通構造。
  4. 前記第1筒体と前記第3筒体とは、非膨張性を有する、請求項に記載のスリーブ。
  5. 前記スリーブは、
    本体部と、本体部に段差部を介して連続する拡径部とを有する第1筒体と、
    熱膨張性を有する第2筒体とを備え、
    前記第2筒体の一端側部が前記第1筒体の拡径部内に挿入されることで、前記第1筒体、と前記第2筒体とが連なって前記スリーブが構成され、
    前記第1筒体と前記第2筒体とのうち少なくとも一つが、内部に空隙を有する材料を用いて形成されている、請求項2に記載の区画貫通構造。
  6. 前記第1筒体は、非膨張性を有する、請求項3に記載の区画貫通構造。
  7. 前記中空部に挿通される配管または配線をさらに備える請求項1乃至6のいずれかに記載の区画貫通構造。
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