JP6908377B2 - スリーブ及び区画貫通構造 - Google Patents

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Description

本発明は、スリーブ及び区画貫通構造に関する。
建築物の床又は壁等の区画体に配管又は配線等の貫通部材用の貫通孔を設ける場合、区画体の上に中空のスリーブを設置する工程、スリーブの周囲にコンクリートを打設する工程、スリーブに貫通部材を挿通する工程、スリーブと貫通部材との間の空間を塞ぐための蓋部材を設置するか、又は該空間を塞ぐと共に貫通部材の位置を固定する固定枠を設置する工程が一般的に必要である。
例えば、特許文献1は、コンクリート打設階上床スリーブについて開示しており、蓋材は、スリーブの本体であるボイドを設けた後にボイドに被せられる。
特許文献2は、構造体に設けられた長尺体挿通用貫通孔の孔口周囲空間で、前記貫通孔に挿通された長尺体の外周部に設置される充填材を支持自在な充填材支持具について開示している。
特開平6-257281 特開平11-223015
従来の区画貫通構造の施工によれば、スリーブを設置する工程と、蓋部材又は耐火充填材を設置する工程とが別の工程であるため、施工に時間がかかる。
本発明の目的は、区画貫通構造の施工のための時間を短縮することにある。
本発明者らは、スリーブの内周面に変形可能な閉塞部材を設けることで、貫通部材の挿通後に蓋部材を設置しなくとも貫通部材の周囲の耐火構造を完成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
項1.建築物の区画体の貫通孔に配設可能なスリーブであって、
略筒状のスリーブ本体と、
前記スリーブ本体の内周面に取り付けられた、変形可能な略筒状の閉塞部材と
を備えたスリーブ。
項2.前記閉塞部材が、発泡性樹脂から形成されている項1に記載のスリーブ。
項3.前記閉塞部材が、前記スリーブの軸に対して略平行に延びる複数のスリット又は切り欠きを有する項1又は2に記載のスリーブ。
項4.項1〜3のいずれかに記載のスリーブからなる第1スリーブと、
前記第1スリーブに嵌合される、樹脂及び熱膨張性黒鉛を含む熱膨張性樹脂組成物から形成された第2スリーブと
を備えたスリーブアセンブリ。
項5.第2スリーブにおける第1スリーブと嵌合する端部とは反対側の端部で前記第2スリーブに嵌合される、略筒状のスリーブ本体を備えた第3のスリーブをさらに備えた項4に記載のスリーブアセンブリ。
項6.建築物の区画貫通構造であって、
項1〜3のいずれかに記載のスリーブ又は項4又は5に記載のスリーブアセンブリと、
前記スリーブ又は前記スリーブアセンブリに挿通された貫通部材とを備え、
前記閉塞部材が貫通部材の外周面に接触している区画貫通構造。
項7.前記閉塞部材が前記貫通部材に対し追従し、前記閉塞部材の内周面が前記閉塞部材の全長に沿って貫通部材の外周面の形状に適合する項6に記載の区画貫通構造。
本発明によれば、区画貫通構造の施工のための時間を短縮することが可能となる。耐火性のスリーブの設置と同時に、区画貫通孔を貫通部材の周囲で閉塞することができるため、一つのスリーブで耐火性と目隠しの機能の両方を付与することができる。
本発明の一実施形態のスリーブアセンブリの略斜視図である。 図1の第1スリーブを上面から見た略底面図である。 図1のスリーブを用いた本発明の区画貫通構造の略断面図である。 図1の第3スリーブの別例の略斜視図である。 図1の第1スリーブの別例の略斜視図である。 図1の第1スリーブの別例の略斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1を参照すると、建築物の区画体の貫通孔に配設可能な本発明の一実施形態のスリーブアセンブリ1が示されている。スリーブアセンブリ1は、第1スリーブ10と、第1スリーブ10に嵌合される第2スリーブ20と、第2スリーブ20における第1スリーブ10とは反対側で第2スリーブ20に嵌合される第3スリーブ30とを備えている。なお、明細書において、「建築物」には、一戸建住宅、集合住宅、高層住宅、高層ビル、商業施設、公共施設等の建材;客船、輸送船、連絡船等の船舶;車両;等の構造物が含まれるが、これらに限定されない。また「区画体」には壁、床、天井等が含まれるが、これらに限定されない。
第1スリーブ10は、略筒状のスリーブ本体11と、スリーブ本体11の内周面12に取り付けられた、変形可能な略筒状の閉塞部材15とを備えている。本実施形態では、スリーブ本体11の中であって閉塞部材15の上部に蓋材40(図3参照)を収容するため、閉塞部材15はスリーブ本体11の上端13よりも下方に、スリーブ本体11の内周面12に沿って設けられている。閉塞部材15は、熱溶着、接着剤、粘着シート等の接着手段、スリーブ本体11に設けられた凹部と凸部による物理的固定、圧力嵌め等の公知の接合手段により、スリーブ本体11に取り付けられる。なお閉塞部材15は、スリーブ本体11との間に別の層を挟んでスリーブ本体11に取り付けられていてもよい。なお、「略筒状の閉塞部材」とは、後述するようにスリット19又は切り欠き19A等が設けられていても全体の形状が筒状であればよい。
スリーブ本体11は非膨張性の耐火性樹脂材料、熱膨張性の耐火性樹脂材料、金属、又はそれらの組み合わせから形成することができる。好ましくはスリーブ本体11は、成形の容易性のため、非膨張性の耐火性樹脂材料又は熱膨張性の耐火性樹脂材料から形成され、さらにはコストの有利性のため非膨張性の耐火性樹脂材料から形成される。閉塞部材15は非膨張性の耐火性樹脂材料又は熱膨張性の耐火性樹脂材料することができ、好ましくは発泡性樹脂から形成される。スリーブ本体11及び閉塞部材15は、各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を用いて混練し、公知の成形方法で成形することにより得ることができる。
閉塞部材15を構成する樹脂組成物中の発泡性樹脂の割合は、例えば50%重量以上、60%重量以上、70%重量以上、80%重量以上、90重量%または100重量%であることができる。
発泡性樹脂は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタン、スチレンおよびゴムからなる群から選択される少なくとも一つであり、より好ましくはウレタンを含む。発泡性樹脂がウレタンの場合、ウレタンは熱可塑性ウレタンであっても熱硬化性樹脂であってもよい。熱硬化性の場合、火災等による熱により閉塞部材15が硬化するため、区画貫通孔6をより効果的に閉塞し、耐火性を向上させることができる。また、ウレタンは弾性的に変形する点でも好ましい。
閉塞部材15は、スリーブ10の軸に対して略平行に延びる複数のスリット19(図1では8つ)を備えており、各スリット19は閉塞部材15の上端16、内周面17及び下端(図示せず)に連続的に設けられている。
閉塞部材15の内周面17により開口部18が形成されている、閉塞部材15は外力を加えることにより変形可能である。つまり、開口部18の寸法(本実施形態では直径)が、複数のスリット19が設けられていることにより拡大可能である。よって、閉塞部材15の開口部18に配管44を挿通した場合に、閉塞部材15は配管44の外形に追従し、閉塞部材15と配管44は密着する。閉塞部材15の内周面17が閉塞部材15の全長に沿って配管44の外周面の形状に適合する。なお、配管44の代わりに貫通部材としての配線が閉塞部材15の開口部18に挿通されてもよい。配管には、水道管、冷媒管、熱媒管、ガス管、吸排気管等の各種配管が含まれる。配線には、電力用ケーブル、通信用ケーブル等の各種ケーブル等の各種配線が含まれる。
第1スリーブ10は、配管44の形状に適合して配管44とスリーブ本体11との間の空間を埋める閉塞部材15を備えているため、第1スリーブ10の設置とは別に耐火充填剤を施す必要がなく、施工時間が短縮される。また、閉塞部材15と配管44は接触しているため、区画貫通孔46における耐火性も向上する。
閉塞部材15を構成する樹脂組成物は、好ましくは熱膨張性黒鉛を含む。
第2スリーブ20は上端21及び下端22を備えた略筒状部材であり、第2スリーブ20の上端21が第1スリーブ10のスリーブ本体11内に嵌め込まれる。本実施形態では、第2スリーブ20の外周面23が第1スリーブ10の第1スリーブの本体11の内周面12に接した状態で嵌合される(図3参照)。また、第2スリーブ20の下端22が第3スリーブ30内に嵌め込まれる。第2スリーブ20の外周面23が第3スリーブ30のスリーブ本体31の内周面32に接した状態で嵌合される。本実施形態では、第2スリーブ20には環状突出部24が設けられており、第1スリーブ10及び第3スリーブ30が環状突出部24に当接することで上下方向(スリーブアセンブリ1の長手方向)の動きが規制されるが、第1スリーブ10が第2スリーブ20に対して、及び第3スリーブ30が第2スリーブ20に対して、互いに接触して摩擦係合により固定される場合、環状突出部24は省略してもよい。
第2スリーブ20は非膨張性の耐火性樹脂材料、熱膨張性の耐火性樹脂材料、金属、又はそれらの組み合わせから形成することができる。好ましくは熱膨張性の耐火性樹脂材料かから形成される。そのような熱膨張性の耐火性樹脂材料は、樹脂成分に熱膨張性黒鉛と、任意選択で無機充填剤とを含む樹脂組成物である。この場合、第2スリーブ20は、樹脂組成物の各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を用いて混練し、公知の成形方法で成形することにより得ることができる。
樹脂成分としては、公知の樹脂成分を広く使用でき、例えば、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂等の合成樹脂、ゴム物質、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソブチレン等の合成樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリイソシアネート、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。
ゴム物質としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、非加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴム物質等が挙げられる。
これらの合成樹脂及び/又はゴム物質は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらの合成樹脂及び/又はゴム物質の中でも、難燃性の点ではポリ塩化ビニル又は塩素化ポリ塩化ビニルが好ましい。より柔軟で扱い易い樹脂組成物を得るためには、ブチル等の非加硫ゴム及びポリエチレン系樹脂が好ましい。樹脂自体の難燃性を上げて防火性能を向上させるという観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。
無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いることができるし、2種以上を併用することもできる。樹脂組成物は、樹脂成分100重量部に対し、熱膨張性黒鉛を10〜350重量部及び無機充填剤を30〜400重量部の範囲で含むものが好ましい。樹脂組成物はさらにリン化合物、可塑剤、酸化防止剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂、成型補助材等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
第3スリーブ30は、略筒状のスリーブ本体31と、スリーブ本体31の内周面32に取り付けられた、変形可能な略筒状の閉塞部材35とを備えている。本実施形態では、閉塞部材35は、スリーブ本体31の上端13よりも下方に、スリーブ本体31の内周面32に沿って設けられている。閉塞部材35は、熱溶着、接着剤、粘着シート等の接着手段、スリーブ本体31に設けられた凹部と凸部による物理的固定、圧力嵌め等の公知の接合手段により、スリーブ本体31に取り付けられる。なお閉塞部材35は、スリーブ本体31との間に別の層を挟んでスリーブ本体31に取り付けられていてもよい。
スリーブ本体31は非膨張性の耐火性樹脂材料、熱膨張性の耐火性樹脂材料、金属、又はそれらの組み合わせから形成することができる。好ましくはスリーブ本体31は、成形の容易性のため、非膨張性の耐火性樹脂材料又は熱膨張性の耐火性樹脂材料から形成され、さらにはコストの有利性のため非膨張性の耐火性樹脂材料から形成される。閉塞部材35は非膨張性の耐火性樹脂材料又は熱膨張性の耐火性樹脂材料することができ、好ましくは発泡性樹脂から形成される。スリーブ本体31及び閉塞部材35は、各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を用いて混練し、公知の成形方法で成形することにより得ることができる。
閉塞部材35を構成する樹脂組成物中の発泡性樹脂の割合は、例えば50%重量以上、60%重量以上、70%重量以上、80%重量以上、90重量%または100重量%であることができる。
発泡性樹脂は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタン、スチレンおよびゴムからなる群から選択される少なくとも一つであり、より好ましくはウレタンを含む。発泡性樹脂がウレタンの場合、ウレタンは熱可塑性ウレタンであっても熱硬化性樹脂であってもよい。熱硬化性の場合、火災等による熱により閉塞部材35が硬化するため、区画貫通孔46をより効果的に閉塞し、耐火性を向上させることができる。また、ウレタンは弾性的に変形する点でも好ましい。
閉塞部材35は、第3スリーブ30の軸に対して略平行に延びる複数のスリット39(図1では8つ、図2も参照)を備えており、各スリット39は閉塞部材35の上端36、内周面37及び下端(図示せず)に連続的に設けられている。
閉塞部材35の内周面37により開口部38が形成されている、開口部38の寸法(本実施形態では直径)は、複数のスリット39が設けられていることにより拡大可能である。よって、閉塞部材35の開口部38に配管44を挿通した場合に、閉塞部材35は配管44の外形に追従し、閉塞部材35と配管44は密着する。
第3スリーブ30は、配管44の形状に適合して配管44とスリーブ本体31との間の空間を埋める閉塞部材35を備えているため、第3スリーブ30の設置とは別に耐火充填剤を施す必要がない。また、閉塞部材35と配管44は接触しているため、区画貫通孔46における耐火性も向上する。
図3は、図1のスリーブアセンブリ1を使用した区画貫通構造100の略断面図である。スリーブアセンブリ1の周囲には区画体としてのコンクリート3が打設され、スリーブアセンブリ1の第1〜3スリーブ10,11,12の開口部には配管44が貫通配置されている。第1スリーブ10の閉塞部材15及び第3スリーブ30の閉塞部材35は配管44の外周面45に接触しており、配管44の位置が固定される。よって、本実施形態では閉塞部材15及び閉塞部材35が配管44の位置を固定するための固定枠としても機能する。
第1スリーブ10には蓋部40が装着されている。蓋部40はスリーブ本体11により区画形成される開口部18を覆い、スリーブ本体11の内部が見えないようにする目隠しとして作用する。このため、区画貫通孔46の中が見えず、視覚的にも美観が保たれる。なお、蓋部40がスリーブ本体11により区画形成される開口部18を覆うという場合、開口部19の全面を覆う必要はなく、少なくとも一部を覆っていればよい。
蓋部40は、第1スリーブ10のスリーブ本体11に挿入される基部41と、基部41と連続し、スリーブ本体11よりも第1スリーブ10の軸Aに対して外方に延出する環状のフランジ部42とを備えている。このため、スリーブアセンブリ1の周囲にコンクリート3を打設したときに、フランジ部42は区画貫通孔46よりも径方向外方に延出するため、第1スリーブ10(及びスリーブアセンブリ1)が床下に落下するのが防止される。基部41はコンクリート3内に配置される。
蓋部40は熱膨張性の耐火性樹脂材料、非膨張性の耐火性樹脂材料、金属又はそれらの組み合わせから形成することができる。蓋部40の基部41とフランジ部42は、同一材料から形成されてもよいし、別の材料から形成されてもよい。例えば、蓋部40の基部41とフランジ部42を、熱膨張性の耐火性樹脂材料、非膨張性の耐火性樹脂材料、金属又はそれらの組み合わせから一つの部材として一体に形成することができる。非膨張性の耐火性樹脂材料の樹脂成分は塩化ビニル樹脂又はゴムであることが好ましい。
蓋部40が熱膨張性の耐火性樹脂材料から形成される場合、熱膨張性の耐火性樹脂材料は樹脂成分に熱膨張性黒鉛と、任意選択で無機充填剤とを含む樹脂組成物である。
蓋部40が樹脂組成物から形成される場合、樹脂組成物の各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を用いて混練し、公知の成形方法で成形することにより得ることができる。
樹脂成分、熱膨張性黒鉛、無機充填剤については第2スリーブ20を構成する樹脂組成物に関して上述した通りである。
次に、図3を参照しながら、スリーブアセンブリ1を用いた建築物の区画貫通構造100の施工方法について説明する。
まず、スリーブアセンブリ1を床下地に固定する。次に、コンクリート3を床下地へ流し込む。本実施形態では、コンクリート3の厚みすなわち高さHは、スリーブアセンブリ1の上端から下端までの距離にほぼ等しい。このようにして、スリーブアセンブリ1の内側の開口部6を残し、スリーブアセンブリ1の外側周囲にコンクリート3が打設される。
スリーブアセンブリ1の内側の開口部6は区画貫通孔46として機能する。
次に、区画貫通孔46を通って1又は複数の貫通部材、例えば配管46を、コンクリート3を貫通するように施す。区画貫通構造100の階下において矢印の方向から火災が発生した場合、スリーブアセンブリ1の第2スリーブ20が火災の熱により膨張し、スリーブ10と配管又は配線5との間の隙間を埋め、火の進路を塞ぐ。また、第1スリーブ10の閉塞部材15と第3スリーブ30の閉塞部材35は配管46に接触して配管46周囲の空間を閉塞し、火の進路を塞いでいる。このようにして、スリーブアセンブリ1は、コンクリート3の打設を容易にするのみならず、耐火性を発揮し、区画貫通構造100に耐火性を付与する。スリーブアセンブリ1はコンクリート3の養生後に引き抜く必要はない。
このように、本発明のスリーブアセンブリ1を用いて、従来よりも少ない工程で区画貫通構造100を施工することができる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
・図4は、図1の第3スリーブ30の別例の略斜視図である。第3スリーブ30の下端34に、1つ又は複数(図では4つ)の取付部46を設けてもよい。取付部46はスリーブ本体31と一体成形されていることが好ましい。各取付部46は、床下地に対して第3スリーブ30を固定するための孔47を有する。孔47には第3スリーブ30を型枠2、鉄筋R、又はコンクリート3等に固定するための針金等の金属線、ボルト、ビス、釘等の固定用部材が通され得る。この構成によれば、スリーブアセンブリ1を床下地により堅固に取り付けることができる。
・図5は、図1の第1スリーブ10の別例の略斜視図である。図に示すように、閉塞部材15には、スリット19の代わりに切り欠き19Aを設けてもよい。切り欠き19は、閉塞部材15の外周に向かって先細りする断面略V字型のものが示されているが、これに限定されない。このような構成によっても、貫通部材の寸法に合わせて開口部18の寸法を拡大することができる。
・図6に示すように、閉塞部材15に設けられるスリット19又は切り欠き19Aを省略してもよい。このような構成においても、閉塞部材15の材料に十分な弾性があれば、貫通部材の寸法に合わせて開口部18の寸法を拡大することができる。
・第1スリーブ10の閉塞部材15は、スリーブ本体11の上端13から下端14まで延びてもよい。
・第1スリーブ10、第2スリーブ20及び第3スリーブ30の形状は略円筒形に限定されない。例えば、貫通孔46が四角形に形成される場合は、これらのスリーブ10,20,30は断面略矩形の略筒状部材でもよい。
・スリーブアセンブリ1と配管44との間の空間には、耐火性を高めるために、充填パテ及び耐火性樹脂からなる充填材料等の公知の耐火充填材料を充填してもよい。
・図3に示された蓋部40は省略してもよい。
・図1のスリーブアセンブリ1において、第1スリーブ10又は第3スリーブ30のいずれか一方を省略してもよい。
・図1のスリーブアセンブリ1において、第2スリーブ20及び第3スリーブ30を省略してもよい。
1…スリーブアセンブリ、10…第1スリーブ、11…スリーブ本体、12…スリーブ本体の内周面、15…閉塞部材、19…スリット、20…第2スリーブ、30…第3スリーブ、44…貫通部材としての配管、46…区画貫通孔、100…区画貫通構造。

Claims (6)

  1. 建築物の区画体の貫通孔に配設可能なスリーブアセンブリであって、
    略筒状のスリーブ本体と、前記スリーブ本体の内周面に取り付けられた、変形可能な略筒状の閉塞部材とを備えた第1スリーブと、
    前記第1スリーブに嵌合される、樹脂及び熱膨張性黒鉛を含む熱膨張性樹脂組成物から形成された第2スリーブとを備えたスリーブアセンブリにおいて、
    第2スリーブの外周面には環状突出部が設けられ、
    2スリーブが1スリーブに嵌合された状態において、第1スリーブのスリーブ本体の内周面と第2スリーブの外周面が接触し、前記閉塞部材と第2スリーブは第1スリーブのスリーブ本体に沿って直列に並び、第1スリーブのスリーブ本体の端部が第2スリーブの前記環状突出部に当接し、かつ第2スリーブが第1スリーブの軸方向に沿って第1スリーブから外に突出している、スリーブアセンブリ。
  2. 前記閉塞部材が、発泡性樹脂から形成されている請求項1に記載のスリーブアセンブリ。
  3. 前記閉塞部材が、前記第1スリーブの軸に対して略平行に延びる複数のスリット又は切り欠きを有する請求項1又は2に記載のスリーブアセンブリ。
  4. 第2スリーブにおける第1スリーブと嵌合する端部とは反対側の端部で前記第2スリーブに嵌合される、略筒状のスリーブ本体を備えた第3のスリーブをさらに備えた請求項1〜3のいずれかに記載のスリーブアセンブリ。
  5. 建築物の区画貫通構造であって、
    請求項1〜4のいずれかに記載のスリーブアセンブリと、
    前記スリーブアセンブリに挿通された貫通部材とを備え、
    前記閉塞部材が貫通部材の外周面に接触している区画貫通構造。
  6. 前記閉塞部材が前記貫通部材に対し追従し、前記閉塞部材の内周面が前記閉塞部材の全長に沿って貫通部材の外周面の形状に適合する請求項5に記載の区画貫通構造。
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