JP6949452B2 - 区画貫通孔の防火構造 - Google Patents

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Description

本発明は、配線または配管が挿入される区画貫通孔の防火構造に関する。
従来、住宅の壁の区画貫通孔の施工方法として、貫通孔に耐火素材からなる貫通孔カバーを設置し、貫通孔カバーの内部に電気配線や配管を貫通させて、区画貫通孔の耐火処理を施す工法が行われている。例えば特許文献1では、上記の貫通孔カバーとして金属製のスリーブを使用する方法が開示されている。この特許文献1では、区画体の貫通孔に鋼製電線管のスリーブが貫設され、スリーブの内部に配線や配管が挿通される。そして、耐火パテによって、スリーブの内周面と配線有或いは配管の外側面との間が閉塞される。
また特許文献2〜4には、区画貫通孔の耐火処理として、区画貫通孔に挿入した配管に耐火材を巻き付けることで、区画貫通孔を埋める方法が開示されている。上記の耐火材は、樹脂組成物からなる熱膨張性シートと、発泡樹脂シートとが積層された構造を有する。
特開2014−137085号公報 特開2007−154566号公報 特開平10−109373号公報 特開平9−182808号公報
しかしながら特許文献1のように、スリーブと配線或いは配管との間に耐火パテを埋める作業は煩雑であり、区画体の貫通孔が部屋の隅や天井近傍等に形成される場合には、耐火パテを埋める作業が困難となり、多大な負担を要する。
また特許文献2〜4では、熱膨張性シートが配管の表面に接するように耐火材が配管に巻き付けられた場合、熱膨張性シートの柔軟性が低いことで、熱膨張性シートと配管との間に隙間が生じる虞れがある。そしてこの隙間が生じた場合には、当該隙間を通じて火災が伝搬したり、区画体を介する一方側の空間から他方側の空間に光が漏れて外観上好ましくない事態に陥る。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、区画体の貫通孔の耐火処理を容易に実現可能であるとともに、区画体の貫通孔を通じて火災が伝搬することを確実に防止できる区画貫通孔の防火構造を提供することである。
本発明に係る防火構造は、貫通孔を有し、当該貫通孔に配線あるいは配管が内挿される区画体と、前記貫通孔に内挿された前記配線あるいは前記配管の周囲に巻き付けられて、前記配線あるいは前記配管の外周面と前記貫通孔の内周面との間に配置される発泡シートとを備え、前記発泡シートは、熱膨張性を有する。
好ましくは、前記発泡シートの長さが前記貫通孔の長さに一致することで、前記貫通孔の全長に亘って前記発泡シートが配置されている。
好ましくは、前記発泡シートは、断面C字状に成形されて、長手方向に延びる切り込みを有し、前記発泡シートの内側に前記配線あるいは前記配管が入れられることで、前記発泡シートが前記配線あるいは前記配管の周囲に巻き付けられる。
本発明によれば、発泡シートが熱膨張性を有することで、区画体の貫通孔に内挿される配線あるいは配管に発泡シートを巻き付ける簡易な作業で耐火処理を実現でき、耐火パテを埋める煩雑な作業を要しない。このため、耐火処理を容易に実現できる。また、発泡シートが柔軟な発泡体であることから、配線あるいは配管の外周面と貫通孔の内周面との間を、隙間なく発泡シートで覆うことができる。このため、貫通孔の気密性を高めることができ、貫通孔を通じて火災が伝搬することを確実に防止できる。また、発泡シートによって貫通孔の空隙を隙間なく塞ぐことができるので、区画体を介する一方側の空間から他方側の空間に光が漏れることを防止できる。
本発明の実施形態に係る区画貫通孔の防火構造を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る区画貫通孔の防火構造を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る防火構造を構築する手順を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る防火構造を構築する手順を示す斜視図である。 発泡シートの変形例を示す斜視図である。 図5に示す発泡シートを用いて防火構造を構築する手順を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る区画貫通孔の防火構造について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係る防火構造1を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る防火構造1を示す断面図であり、図1のA−A線で切断した状態を示す。
本実施形態の防火構造1は、区画体2と、熱膨張性を有する発泡シート3とを備える。区画体2は、上下方向に延びる建築物の壁であり、防火区画A,Bを区画する。区画体2としての壁の構造は、特に限定されるものではなく、例えば、鉄筋コンクリート構造(RC)や軽量気泡コンクリート構造(ALC)の他、図示は省略するが、木製又は鋼製の間柱を挟み込むように両側に石膏ボードを固定した間仕切壁(中空壁)などを挙げることができる。区画体2には、防火区画A,Bを連通させる貫通孔4が形成される。壁が間仕切壁(中空壁)の場合には、各石膏ボードに貫通孔4が形成される。
貫通孔4には、電線や光ファイバケーブルなどの配線5が挿通される。発泡シート3は、帯状を呈するものであって、貫通孔4に内挿された配線5の周囲に巻き付けられて、配線5の外周面と貫通孔4の内周面との間に配置される。配線5に巻き付けられた発泡シート3の厚さは、配線5の外周面と貫通孔4の内周面との間の幅に一致しており、貫通孔4と配線5との間が、発泡シート3によって隙間なく埋められている。また、発泡シート3の長さが貫通孔4の長さに一致することで、発泡シート3は、貫通孔4の全長に亘って配置されている。
発泡シート3は、熱膨張性を有する耐火樹脂素材からなる。具体的には、発泡シート3は、熱可塑性エラストマーを少なくとも20質量%以上含有するゴム成分と、熱膨張性黒鉛、マイクロカプセル、形崩れ防止剤、無機充填剤を含有する組成物からなる。マイクロカプセルは、組成物中に含有させた後に膨張処理される。或いは、マイクロカプセルは、予め加熱されて膨張処理が施された後に、組成物中に含有されてもよい。
この発泡シート3は、マイクロカプセルを組成物中で膨張させることにより、断熱性及び軽量性を発揮し、更に高温下に曝された際に膨張性黒鉛が膨張して膨張層を形成するものであり、形崩れ防止剤を含有することにより長時間高温下にさらされても脆弱化しにくいという効果を有するものである。このため、火災において優れた耐火性能を安定して得ることができるとともに、膨張層が形崩れし難く火災後の処理も円滑且つ安全に行うことができる。
発泡シート3を成形する方法としては、熱可塑性エラストマーを少なくとも20質量%以上含有するゴム成分と、熱膨張性黒鉛、マイクロカプセル、形崩れ防止剤、無機充填剤を含有する組成物を、熱膨張性黒鉛及びマイクロカプセルの膨張開始温度以下で混練し、(a)熱膨張性黒鉛の膨張開始温度以下且つマイクロカプセルの膨張開始温度以上の温度で成形する方法、(b)熱膨張性黒鉛及びマイクロカプセルの膨張開始温度以下で成形した後、例えばギヤーオーブン等の加熱器中でマイクロカプセルの膨張開始温度以上かつ熱膨張性黒鉛の膨張開始温度以下の温度で加熱してマイクロカプセルを膨張させる方法がある。
或いは、発泡シート3は、熱可塑性エラストマーを少なくとも20質量%以上含有するゴム成分と、熱膨張性黒鉛、予め加熱処理して膨張させたマイクロカプセル(平均粒径50〜150μm)、形崩れ防止剤、無機充填剤を有する組成物を、熱膨張性黒鉛の膨張開始温度以下で混練、成形して得ることもできる。
組成物を混練する装置としては、従来公知のミキサー、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、二本ロール等の混練装置がある。混練した組成物を成形する装置としては、従来公知のプレス成形、ロール成形、押し出し成形、カレンダー成形、射出成形等の成形装置がある。
ゴム成分は、その内部に熱可塑性エラストマーを含有したものであり、熱膨張性黒鉛、マイクロカプセル、形崩れ防止剤、無機充填剤等をその内部に均一に分散保持させるためのものである。
上記のゴム成分としては、例えば、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブテンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、クロルスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム及び合成ゴムがあり、これらの単体だけでなく、混練性、シート成形性、押出し成形性、プレス成形性等を改善するために、2種以上が混合されてもよい。
ゴム成分に含まれる熱可塑性エラストマーは、その内部にハードセグメントとソフトセグメントを有する。熱可塑性エラストマーは、組成物を加熱して成形加工する際に、ハードセグメントが溶融して流動性を発現して成形性を向上させる一方、成形後の常温においては、このハードセグメントが成形品の寸法安定性を向上させるとともに、ソフトセグメントによりゴム弾性を発現し強度及び可撓性を向上させるものである。さらに、熱可塑性エラストマーは、火災発生時には熱によりハードセグメントが溶融し、膨張した膨張性黒鉛を一時的につなぎとめるという効果も有する。
熱可塑性エラストマーを構成するハードセグメントとソフトセグメントの比率は、20:80〜60:40であることが好ましく、25:75〜40:60であることが特に好ましい。ハードセグメントの比率が20%より少ないと組成物の成形性が低下する。ハードセグメントの比率が60%を越えると可撓性が低下する。
熱可塑性エラストマーのゴム成分に対する含有量は20質量%以上が好ましい。熱可塑性エラストマーの含有量が20質量%より少ないと、発泡成形体の寸法安定性を保持できなくなるとともに、その強度及び可撓性が不足する。
上記の熱可塑性エラストマーとして、例えば、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーが使用でき、特にスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
上記のスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体を使用できる。ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレンを使用でき、これらの単体を2種以上組み合わせて使用しても良い。これらビニル芳香族化合物のうち特に好ましいものはスチレンである。共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等を使用でき、これらの単体を2種以上組み合わせて使用しても良い。これら共役ジエン化合物のうち、好ましいものは1,3−ブタジエン、イソプレンであり、特に好ましいものは1,3−ブタジエンである。なお、これらスチレン系熱可塑性エラストマーのブロック共重合体は、公知のアニオン重合により製造できる。
熱膨張性黒鉛は、200℃程度以上の温度に曝された際に、その容積が100倍以上に膨張するものである。この熱膨張性黒鉛は、特に限定されるものではないが、天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末を、硫酸、硝酸等の無機酸と、濃硝酸、過マンガン酸塩等の強酸化剤とで処理したもので、グラファイト層状構造を維持した結晶化合物である。なお、これら天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末は、脱酸処理したものに加え、更に中和処理したもの、様々な品種がある。
熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜400メッシュ程度が好ましい。400メッシュより粒度が小さくなると熱膨張性黒鉛の膨張度が小さくなる。また20メッシュより粒度が大きくなると、ゴム成分に混練する際に分散性が悪くなり、強度等の物性が低下する。
熱膨張性黒鉛の含有量は、ゴム成分の種類、所望の膨張倍率等によって適宜設定できるが、通常はゴム成分100質量部に対して5〜100質量部が良い。熱膨張性黒鉛の含有量が5質量部より少ないと火災発生の高温時の膨張倍率が小さく、100質量部を超えると膨張倍率は大きくなるものの、得られる配合物の硬度が上昇し強度等の物性が低下する。またシート状に成形する場合には、成形性が劣り表面肌が悪くなる。
マイクロカプセルは、低沸点の液体や固体、あるいは加熱によってガスを発生する化合物を熱可塑性樹脂の殻で内包したプラスチックの微小球体(平均粒子径5〜50μm)である。このマイクロカプセルは、加熱処理によって殻が軟化し、同時に内包されている物質がガス化あるいはガスを発生しカプセルの膨張が生じるものである。内包される物質としては、低沸点の炭化水素や重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩等がある。
マイクロカプセルの含有量は、ゴム成分100質量部に対し3〜50質量部が良い。マイクロカプセルの含有量が3質量部より少ないと発泡成形体の軽量性及び断熱性が劣り、50質量部を越えると発泡成形体の強度が低下する。また、マイクロカプセルの膨張開始温度は、熱膨張性黒鉛より低温であることが必要である。
形崩れ防止剤は、発泡成形体中の膨張性黒鉛を安定的に固定し、発泡成形体自体の形崩れを防止するためのものである。
形崩れ防止剤の含有量は、使用する膨張性黒鉛の使用量によって適宜設定できるが、通常はゴム100質量部に対し5〜200質量部である。5質量部より少ないと、膨張性黒鉛をつなぎとめる効果が小さく形崩れ防止性能が劣り、200質量部を超えると、組成物の硬度が高くなり可撓性が劣るようになる。
また、形崩れ防止剤と膨張性黒鉛の割合は、成形性、強度特性等のバランスの観点から、好ましくは質量比で1:5〜10:1であり、より好ましくは1:2〜5:1である。
形崩れ防止剤としては、例えば、ホウ酸を使用できる。ホウ酸自体は、公知の製法により得られるもの又は市販されているものを使用できる。このホウ酸としては、例えば、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸(HBO)等のいずれでも良いが、通常はオルトホウ酸が良い。ホウ酸は、通常は粉末の形態で使用する。この場合、ホウ酸粉末の粒径は特に制限されないが、比較的粒径の小さなもの(通常100μm程度以下、好ましくは20μm程度以下)が好ましい。
無機充填剤は、組成物の成形性を向上させるものである。無機充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し10〜300質量部を使用する。10質量部より少ないと成形性を向上させる効果が小さく、300質量部を超えて使用すると、組成物の硬度が高くなって可撓性が劣るようになるとともに、強度特性も低下する。
無機充填剤としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ベントナイト、活性白土、セピオライト、ガラス繊維、ガラスビーズ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維等を使用でき、これらの単体の2種以上を混合して使用しても良い。また、無機充填剤の粒径は、ゴム成分への分散性の観点から1〜50μmが好ましい。
これら無機充填剤の中でも、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムは、加熱時の脱水反応によって生成する水の吸熱効果により温度上昇が抑えられ、難燃性が向上するため好ましい。
熱膨張性黒鉛、マイクロカプセル、形崩れ防止剤、及び無機充填剤のゴム成分に対する配合量の合計は、ゴム成分100質量部に対して、500質量部以下が良い。配合量の合計が500質量部を超えると、組成物の硬度が高くなって可撓性が劣るようになるとともに、強度特性も低下する。
図3は、防火構造1を構築する手順を示す断面図である。上述した防火構造1は、以下の(A)〜(C)の手順を順次実行することで構築される。
(A)区画体2に貫通孔4を形成する。
(B)図3(a)に示すように、発泡シート3を、渦状に巻いて、貫通孔4に挿入する。この際には、発泡シート3の渦の厚さが、貫通孔4の直径から配線5の直径を差し引いた値の1/2とほぼ等しくなるよう、発泡シート3を巻き回す回数を調整する。
(C)図3(b)に示すように、発泡シート3の渦の中心に、配線5を挿入する。これにより、発泡シート3が、貫通孔4の内周面と配線5の外周面との間に配置された状態になり、防火構造1が構築される。
図4は、防火構造1を構築する別の手順を示す斜視図である。防火構造1は、以下の(D)〜(F)の手順を順次実行することによっても構築できる。
(D)区画体2に貫通孔4を形成する。
(E)図4(a)に示すように、貫通孔4に配線5を通す。
(F)図4(b)に示すように、貫通孔4の外側に延び出た配線5の範囲に発泡シート3を渦状に巻き付ける。この際には、配線5に巻き付ける発泡シート3の厚さが、貫通孔4と配線5との間の幅にほぼ等しくなるよう、発泡シート3を巻き回す回数を調整する。
(G)図4(c)に示すように、発泡シート3を配線5に沿ってスライドさせて、発泡シート3を貫通孔4に挿入する。これにより、発泡シート3が、貫通孔4の内周面と配線5の外周面との間に配置された状態になり、防火構造1が構築される。
上記の手順(D)〜(G)によれば、図4(a)に示すように貫通孔4に配線5が内挿されている状態でも、貫通孔4内の配線5の周囲に発泡シート3を巻き付けることができる(図4(c))。
そして上述の手順により防火構造1が構築されて、防火区画A,Bのいずれか一方で火災が生じた場合には、貫通孔4を伝わる火災の熱によって、発泡シート3が膨張する。そして、この膨張した発泡シート3が、貫通孔4の空隙を閉塞するので、防火区画A,Bの他方に火災が伝搬することが防止される。
本実施形態によれば、発泡シート3が熱膨張性を有することで、区画体2の貫通孔4に内挿される配線5に発泡シート3を巻き付ける簡易な作業で耐火処理を実現でき、耐火パテを埋める煩雑な作業を要しない。このため、区画貫通孔の耐火処理を容易に実現できる。
また、発泡シート3が柔軟な発泡体であることから、貫通孔4と配線5との間を隙間なく発泡シート3で覆うことができる。このため、貫通孔4の気密性を高めることができ、貫通孔4を通じて火災が伝搬することを確実に防止できる。また、発泡シート3によって貫通孔4の空隙を隙間なく塞ぐことができるので、防火区画A,Bの一方から他方に光が漏れることを防止できる。
本発明は、上記の実施形態に限定されず、種々変更することができる。
また上記の実施形態では、発泡シート3の長さが貫通孔4の長さに一致することで、貫通孔4の全長に発泡シート3を配置する例を示したが、発泡シート3の長さは貫通孔4の長さよりも短くてもよい。この場合、発泡シート3が配置されていない貫通孔4の範囲に、金属製のスリーブが配置され得る。
また上記の実施形態によれば、耐火パテを埋める作業を省略できるので耐火処理を容易に実現できる旨述べたが、本発明は、耐火パテを使用することを否定するものではなく、発泡シート3の長さが貫通孔4の長さよりも短い場合には、上述のスリーブの内部など、発泡シート3の配置されていない貫通孔4の範囲に、耐火パテを埋めてもよい。
また図5に示すように、発泡シートの形状は変更されてもよい。図5に示す発泡シート7は、断面C字状に成形されたものであり、長手方向に延びる切り込み8を有する。この発泡シート7では、半割の一方側・他方側を引き開く力Fを加えることで、切り込み8の幅を拡げることができる。この発泡シート7を用いて防火構造を構築する場合、以下の(H)〜(K)の手順が順次実行される。
(H)区画体2に貫通孔4を形成する。
(I)図6(a)に示すように、貫通孔4に配線5を通す。
(J)図6(a)に示すように、貫通孔4の外側に延び出た配線5の範囲に発泡シート7を被せる。この際には、発泡シート7の切り込み8の幅を拡げて、この切り込み8から配線5を発泡シート7の内側に入れる。これにより、発泡シート7が配線5に巻き付けられた状態となる。
(K)発泡シート7を配線5に沿ってスライドさせて、発泡シート7を貫通孔4内に挿入する。これにより、発泡シート7が、貫通孔4の内周面と配線5の外周面との間に配置された状態になり、防火構造が構築される。
上記の手順(H)〜(K)によれば、図6(a)に示すように貫通孔4に配線5が内挿されている状態で、配線5の周囲に発泡シート7を巻き付けることができる(図6(c))。また、切り込み8から配線5を発泡シート7の内側に入れる簡易な作業で、発泡シート3を配線5に巻き付けることができる。
また上記では、貫通孔4に配線5を挿通させる例を示したが、水道管、給水管、排水管、冷媒管などの配管が貫通孔4に挿通されてもよい。この場合、上述した発泡シート3や発泡シート7は、貫通孔4に内挿された配管の周囲に巻き付けられて、配管の外周面と貫通孔4の内周面との間に配置される。また、配管に巻き付けた発泡シート3や発泡シート7の厚さを貫通孔4と配管との間の幅に一致させることで、貫通孔4と配管との間が、発泡シート3や発泡シート7によって隙間なく埋められる。
また、区画体は、上層階と下層階とを区画する水平方向に延びる床又は板であってもよい。この場合、区画体には、上下方向に延びる貫通孔が形成され、貫通孔に内挿される配線あるいは配管の周囲に発泡シート3または発泡シート7が巻き付けられる。このようにすることで、上層階と下層階のうち一方で火災が生じた場合、発泡シート3または発泡シート7が熱膨張することで、貫通孔4の空隙を閉塞する。したがって、他方の階に火災が伝搬することを防止できる。
1 防火構造
2 区画体
3,7 発泡シート
4 貫通孔
5 配線

Claims (2)

  1. 貫通孔を有し、当該貫通孔に配線あるいは配管が内挿される区画体と、
    前記貫通孔に内挿された前記配線あるいは前記配管の周囲に非包装の状態で巻き付けられて、前記配線あるいは前記配管の外周面と前記貫通孔の内周面との間に配置される発泡シートとを備え、
    前記発泡シートは、熱膨張性を有する耐火樹脂素材からなり、前記耐火樹脂素材は予め発泡された発泡体であるとともに、前記耐火樹脂素材中に熱膨張性黒鉛が分散保持されており、
    前記発泡シートの内周の外面と前記発泡シートの外周の内面とが互いに接触し、前記発泡シートの最外周の外面が前記貫通孔の内面に接触するように前記発泡シートを渦状に前記配線あるいは前記配管の周囲に巻き付けることが、前記貫通孔の全長に亘って行なわれている区画貫通孔の防火構造(前記貫通孔の周縁に係止される支持金具が使用される場合を除く)
  2. 前記発泡シートの長さが前記貫通孔の長さに一致することで、前記貫通孔の全長に亘って前記発泡シートが配置されている請求項1に記載の区画貫通孔の防火構造。
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