JP3934612B2 - ゴム組成物及び該ゴム組成物を使用した発泡成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物及び該ゴム組成物を使用した発泡成形体に関する。
建築物や船舶の通気部や廊下あるいは鉄道車両の連結部等では、火災が発生した場合に、火炎がこれら通気部や廊下あるいは連結部を介して急速に広がり、階上や隣室への延焼を助長させてしまう。この延焼を防止するために、薄板状の金属からなる表面材と裏面材の間に合成樹脂の発泡体を介在させた防火扉、防火シャッター、防火隔壁が一般に使用されている。また、建造物の貫通部ではケーブルホール部や耐火二層管継ぎ手部に耐火目地材が使用されている。
これら防火扉、防火シャッター、防火壁、貫通部の目地材は、火災時の高熱下に曝されると、表面材と裏面材の熱伝導が異なるため、大きく変形して連結部や接続部に隙間が生じ、この隙間から熱や炎が反対側へ漏れて、火災の延焼を招いてしまうという問題があった。そこで、これらの隙間が発生すると予想される部分に、予め防火用膨張性材料を施工しておき、火災時にこれら防火用膨張性材料が膨張又は発泡することで隙間を閉塞して、火災の延焼防止や煙の流出を遮断するという手段が考えられる。これら防火用膨張性材料は、断熱作用や、炎熱による形崩れ防止作用が求められている。
また、鉄骨建造物においては、鉄骨が火災により強度低下を引き起こしてしまうため、これら鉄骨の周囲を断熱材で被覆して強度低下を防止する工夫が採用されている。建築資材用の鉄骨や壁材等の被覆材としては断熱性かつ軽量化が求められている。
これらの防火用膨張性組成物としては、例えばベースゴムと、無機膨張剤及び/又は有機膨張剤と、形崩れ防止剤としてのポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等を含有するものが知られている(例えば特許文献1参照)。この防火用膨張性組成物は、形崩れ防止用樹脂を含有していることから、炎熱を受けても膨張層が形崩れを起こさず、その形状を保持し続けることができるとされている。
しかしながら、これらの防火用膨張性組成物は、長時間の炎熱に曝されると形崩れ防止用樹脂自体が溶融あるいは燃焼してしまうため、火災中に十分な耐火性能が得られない、膨張層が容易に粉化して火災後の処理に支障をもたらしてしまうという問題があった。また、形崩れ防止用樹脂は比較的高価であり、コスト面においても問題があった。さらに、用途によっては弾性や柔軟性が十分でないという問題があった。
弾性や柔軟性を付与させた防火用膨張性組成物としては、ポリオールとポリイソシアネートに難燃剤として熱膨張性黒鉛を含有させた耐火性弾性ポリウレタン軟質フォームが知られている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、これらの手段では、形崩れ防止効果はなお不十分であるという問題があった。また、ポリオールとポリイソシアネートの二液反応混合物からポリウレタンを製造する手段では、多量の熱膨張性黒鉛を配合することは極めて困難であり、十分な耐火性能を得ることができないという問題があった。
また、ドア枠や扉体に膨張体を収納あるいは貼り付けて、加熱時に隙間部を閉塞させる手段が知られている(例えば特許文献3、4参照)。しかしながらこれらの手段は、火災時の熱膨張倍率が劣る、形崩れ防止性が十分でないという問題があった。
膨張性黒鉛を含有したゴム発泡体としては、膨張性黒鉛及び水和金属化合物を含有したEPDMの加硫発泡体が知られている(例えば特許文献5参照)。しかしながらこれらの手段では、長時間の炎熱に曝されると形崩れが発生し形状保持が困難という問題があった。
特開平9−176498号公報(請求項1〜4) 特許第2732435号(請求項1〜12) 特開平8−232553号公報(請求項1〜5) 特開2000−54752号公報(請求項1〜2) 特開2002−128932号公報(請求項1〜3)
本発明の課題は、耐火性能を十分満足し、弾性と柔軟性とを兼ね備え、かつ高温で十分に膨張して隙間を埋めるとともに形崩れ防止性が良好で軽量性を有する、組成物及びこの組成物を使用した発泡成形体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定組成のベースゴムに、特定組成物を含有させた組成物及びこの組成物を使用した発泡成形体により上記課題を解決できることを見出し本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるスチレン系熱可塑性エラストマー20質量%以上と硫黄加硫可能なゴム成分からなるベースゴム100質量部と、熱膨張性黒鉛5〜100質量部と、無水無機充填剤100〜200質量部と、加硫剤0.1〜10質量部と、加硫促進剤0.1〜10質量部と、加熱発泡剤0.5〜50質量部と、を含有することを特徴とするゴム組成物であり、このゴム生成物を、熱膨張性を、熱膨張性黒鉛の膨張開始温度未満、熱分解性発泡剤の発泡開始温度以上で加熱処理して、加硫及び発泡して得られる加硫ゴム発泡成形体である。
本発明のゴム組成物は、含有させた熱分解性発泡剤を組成物中で膨張させると共にベースゴムを加硫させることにより、断熱性、軽量性、高強度を発揮し、火災などの高温下に曝された際に熱膨張性黒鉛が膨張して膨張層を形成するものであり、さらに、熱可塑性エラストマーによる形崩れ防止性により長時間高温下にさらされても脆弱化しにくいものである。このため、優れた耐火性能を安定して得ることができるとともに、火災後の処理も円滑且つ安全に行うことができるという効果を有する。
本発明のベースゴムは、熱可塑性エラストマーと硫黄加硫が可能なゴム成分を必須成分として含有したものであり、後述する熱膨張性黒鉛、無水無機充填剤、加硫剤、加硫促進剤及び熱分解性発泡剤等をその内部に均一に分散保持させるためのものである。
ベースゴムに含まれる熱可塑性エラストマーは、その内部にハードセグメントとソフトセグメントを有するものである。熱可塑性エラストマーにあっては、組成物を加熱して成形加工する際に、ハードセグメントが溶融し流動性を発現して成形性を向上させる一方、成形後の常温においては、このハードセグメントが成形品の寸法安定性を向上させるとともに、ソフトセグメントによりゴム弾性を発現し強度及び可撓性を向上させるものである。さらに、火災発生時には熱によりハードセグメントが溶融し、膨張した熱膨張性黒鉛を一時的につなぎとめるという効果も有するものである。
熱可塑性エラストマーを構成するハードセグメントとソフトセグメントの比率は20/80〜60/40が好ましく、25/75〜40/60が特に好ましい。ハードセグメントが20%より少ないと組成物の成形性が低下し、60%を越えると可撓性が低下するため好ましくない。
熱可塑性エラストマーの含有量は、ベースゴム全体の20質量%以上が良い。熱可塑性エラストマーの含有量が20質量%より少ないと、発泡成形体の寸法安定性を保持できなくなるとともに、その強度及び可撓性が不足してしまうため好ましくない。
これら熱可塑性エラストマーとしては、例えば、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーが使用でき、特にスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体で、ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン等があり、これらは単体だけでなく2種以上組み合わせて使用しても良い。これらビニル芳香族化合物のうち特に好ましいものはスチレンである。共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等があり、これらは単体だけでなく2種以上組み合わせて使用しても良い。これら共役ジエン化合物のうち、好ましいものは1,3−ブタジエン、イソプレンであり、特に好ましいものは1,3−ブタジエンである。なお、これらスチレン系熱可塑性エラストマーのブロック共重合体は、公知のアニオン重合により製造できるものである。
硫黄加硫可能なゴム成分としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム等のジエンゴムの他にブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等の主鎖中に少量の二重結合を導入したものが挙げられる。本発明のゴム組成物にあっては、これらの単体だけでなく、混練性、シート成形性、押出し成形性、プレス成形性等を改善するために2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の熱膨張性黒鉛は、200℃程度以上の温度に曝された際に、その容積が100倍以上に膨張するものである。熱膨張性黒鉛にあっては特に限定されるものではないが、天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末を、硫酸、硝酸等の無機酸と濃硝酸、過マンガン酸塩等の強酸化剤とで処理されたもので、グラファイト層状構造を維持した結晶化合物である。なお、これら天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末は、脱酸処理に加え、更に中和処理したタイプ他、各種品種があるがいずれも使用できる。
熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜400メッシュ程度が好ましい。400メッシュより粒度が小さくなると熱膨張性黒鉛の膨張度が小さく、また20メッシュより粒度が大きくなるとベースゴムに混練する際に分散性が悪くなり強度等の物性低下が避けられない。
膨張性黒鉛の含有量は、ベースゴムの種類、所望の膨張倍率等によって適宜設定することが出来るが、通常はベースゴム100質量部に対して5〜100質量部が良い。熱膨張性黒鉛の含有量が5質量部より少ないと火災発生の高温時の熱膨張倍率が小さく、100質量部を超えると熱膨張倍率は大きくなるものの、得られる配合物の硬度が上昇し強度等の物性も低下する。またシート状に成形する場合には、成形性が劣り表面肌が悪くなる。
本発明の無水無機充填剤は、組成物の成形性を向上させるものである。無水無機充填剤の含有量は、ベースゴム100質量部に対し10〜200質量部を使用する。10質量部より少ないと成形性を向上させる効果が小さく、200質量部を超えて使用すると、組成物の硬度が高くなって可撓性が劣ってしまうばかりか、強度特性も低下するので好ましくない。
無水無機充填剤としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、ホウ酸亜鉛、ホウ酸、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ベントナイト、活性白土、セピオライト、ガラス繊維、ガラスビーズ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維等があり、これらの無水物は単体だけでなく2種以上を混合して使用しても良い。また、無水無機充填剤の粒径は、ベースゴムへの分散性の観点から、1〜50μmが好ましい。なお、水和化合物を使用すると加硫処理工程で発泡し外観不良を起こす場合があり好ましくない。
本発明の加硫剤及び加硫促進剤は、ベースゴムに含まれる硫黄加硫可能なゴム成分の架橋度を向上させ、ベースゴム自体の強度を向上させるものである。
加硫剤としては、硫黄、ポリスルフィド、塩化硫黄等の含硫黄化合物からなる硫黄系加硫剤、p−キノンジオキシム、p−p−ジベンゾイルキノンオキシム等のオキシム系加硫剤、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物系加硫剤がある。加硫剤は少なくとも硫黄系加硫剤を含めれば、複数種のものを組み合わせて使用してもよい。これら加硫剤の使用量は、ベースゴム100質量部あたり0.1〜10質量部、特に0.5〜5質量部が好ましい。
加硫処理の促進を目的に加硫促進剤が使用される。加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系加硫促進剤、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾールジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤、n−ブチルアルデヒドアニリン等のアルデヒドアミン系加硫促進剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、トリメチルチオユリア等のチオユリア系加硫促進剤、亜鉛華などがある。加硫促進剤は、これらの単体だけでなく、2種以上のものを組み合わせて使用してもよい。これら加硫促進剤の使用量は、ベースゴム100質量部あたり0.1〜10質量部で、特に0.2〜5質量部が好ましい。
本発明の加熱発泡体は、100℃程度以上の温度に曝された際に、発泡、膨張して成形体の容積を増加させるものであり、得られる発泡成形体は、断熱性の向上及び軽量化という効果が得られるものである。加熱発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジアミノベンゼン、アゾシクロヘキシルニトリル等のアゾ系加熱発泡剤、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチルN,N’−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ系加熱発泡剤、ベンゼンスルフォニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、トルエンスルフォニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルフォニルヒドラジド等のスルフォニルヒドラジド系加熱発泡剤等の有機系加熱発泡剤、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、カルシウムアジド等の無機系加熱発泡剤が使用できる。加熱発泡剤の使用量は、目的とする発泡体の物性に応じて適宜調整すればよいが、一般的にベースゴム100質量%あたり0.5〜50質量部、特に1〜20質量部が用いられる。また、必要に応じて、これら加熱発泡剤と併用して発泡助剤を使用してもよい。発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸、尿酸またはその誘導体などがあげられる。
本発明の発泡成形体は、これら成分を有するゴム組成物を混練し、所望する形状に成形し、熱膨張性黒鉛の膨張開始温度未満、加熱発泡剤の発泡開始温度以上で加熱して発泡処理と加硫処理を行うことによって得られるものである。なお、加硫処理と発泡処理は、別工程で行ってもよく同時に行ってもよい。
ゴム組成物を混練する装置としては、従来公知のミキサー、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、二本ロール等の混練装置があり、混練したゴム組成物を成形する装置としては、従来公知のプレス成形、押し出し成形、カレンダー成形等の成形装置がある。一般には、ゴム組成物をゴム用押出し機で製品形状に押出し、次いで、加硫槽内に導入し、熱空気、流動床、マイクロ波等の手段によって加熱することにより加硫及び発泡を行うことが出来る。また、発泡成形体の形状は、シート状やテープ状など適宜用途に合わせて設計すれば良く、良好な機械的強度及び柔軟性を得られる点で、発泡成形体の比重は0.05〜0.4であるものが好ましい。
なお、本発明の組成物は、その効果を阻害しない範囲で、通常の加硫ゴム配合物に使用される可塑剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、滑剤、粘着付与剤等を併用しても良いものである。組成物にはカーボンブラックを添加することもできる。カーボンブラックは、補強剤として機能し、得られる発泡成形体の圧縮歪低減に有効である。成形性の調整に有効な軟化剤や可塑剤の例としては、パラフィンやナフテン等のプロセスオイル、流動パラフィン、その他のパラフィン類、ワックス類、シリコーンオイルや液状ポリブテン等の合成高分子軟化剤、フタル酸やアジピン酸、セバシン酸やリン酸等のエステル可塑剤類、ステアリン酸やそのエステル類、アルキルスルホン酸エステル類や粘着付与剤などがあげられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものでない。なお、以下の説明における部及び%は質量基準に基づく。
「実施例1」
本実施例において使用した材料は、それぞれ以下に示したものである。
(1)ベースゴム:ブチルゴム(JSR(株)製、「ブチル268」)、EPDM(DSMジャパン(株)製、「ケルタン778Z」)、SBS(JSRシェル(株)、「TR2003」)
(2)膨張性黒鉛:(住金ケミカル(株)製、「SS−3」、膨張開始温度260℃)
(3)無水無機充填剤:ホウ酸亜鉛(BORAX(株)製、「Firebrake415」)、無水ホウ酸(BORAX(株)製)
(4)加硫剤:粉末硫黄(細井化学工業(株)製)
(5)加硫促進剤:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(大内新興(株)製、「ノクセラーCZ」)、テトラメチルチウラムジスルフィド(大内新興(株)製、「ノクセラーTT」)、酸化亜鉛(堺化学(株)製、「亜鉛華3号」)
(6)加熱発泡剤:アゾジカルボンアミド(白石カルシウム(株)製、「セロゲンAZ」)、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド))(白石カルシウム(株)製、「セロゲンOT−1」、尿素化合物(永和化成(株)製、「セルペースト101W」)
(7)加工助剤:エステル潤滑剤(花王(株)製、「カオーワックス220」)、プロセスオイル(出光興産(株)「AH−16」)
(8)老化防止剤:N−(1,3−ジメチルブチル)−N−フェニル−p−フェニレンジアミン(大内新興(株)製、「ノクラック6C」)
(9)カーボンブラック:旭カーボン(株)製、「#60」
「ゴム組成物」
表1の配合Aに示した成分を、容量3リットルのニーダーミキサーを用いて120℃で5分間混練した。次いで、得られた混練物を二本ロールで練りながら、表1の配合Bに示した成分を添加して7分間混練し、ゴム組成物を得た。
「発泡成形体」
混練して得られたゴム組成物を、幅20mm、厚み10mmの口金を取り付けたゴム用押出機にて帯状に押出成形し、次いで、熱風加硫槽を用いて180℃で2分間加熱して加硫処理及び発泡処理を行い、発泡成形体を得た。
「評価」
本実施例にあっては、以下に記載した各特性を評価し、表1にまとめた。各特性の測定方法を以下に示す。
引張強度:JIS K 6251に準じて測定し、その最大応力を求めた。
比重:JIS K 6220に準じて電子比重計(Mirage Trading社製:EW120SG)で測定した。
耐火性:JIS A1304に準じて電気炉にパネル試験体を組み込み、炉内温度を1時間で945℃まで昇温させ、パネルの加熱側から非加熱側へ10秒を超えて連続する火炎の噴出が無い場合を○、火炎の噴出が発生した場合を×とした。
形状保持性:耐火性試験終了後の形状保持性を、指触と目視で評価した。指触で形崩れしにくく変形の小さい場合は○、指触ですぐに形崩れし変形する場合は×と評価した。
「実施例2」及び「比較例1〜3」
実施例2及び比較例1〜3においては、実施例1のゴム組成物の配合を、それぞれ表1に記載した材料および配合量に変更し、実施例1と同様の方法で発泡成形体を得、その各特性を評価したものである。各特性の評価結果を、表1にまとめた。
Figure 0003934612

Claims (2)

  1. ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるスチレン系熱可塑性エラストマー20質量%以上と硫黄加硫可能なゴム成分からなるベースゴム100質量部と、
    熱膨張性黒鉛5〜100質量部と、
    無水無機充填剤100〜200質量部と、
    加硫剤0.1〜10質量部と、
    加硫促進剤0.1〜10質量部と、
    加熱発泡剤0.5〜50質量部と、を含有することを特徴とするゴム組成物。
  2. 請求項1に記載されたゴム組成物を、熱膨張性黒鉛の膨張開始温度未満、加熱発泡剤の発泡開始温度以上で加硫及び発泡処理して得られた発泡成形体。
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