JP6147101B2 - 熱膨張性耐火樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱膨張性耐火樹脂組成物に関する。
建築物等には、火災の延焼、火災による煙の拡散を防止する目的で防火区画が設けられている。この防火区画により部屋と部屋との空間、上階と下階との空間が仕切られていて、一方の防火区画で火災が発生した場合でも他方の防火区画に火災による影響が及ばないようにされている。
しかし前記防火区画には、炎、煙等が通過できる場所が存在する。具体的には、複数の防火区画に配管類を挿通させるために防火区画に設けられた貫通孔等がある。火災時にはこの貫通孔等を伝わって、火災の延焼、煙の拡散の問題が生じる場合がある。
この問題に対応する材料として、火災時の熱により膨張残渣を形成する熱膨張性耐火樹脂組成物が検討されている。
この熱膨張性耐火樹脂組成物の成形体を前記貫通孔等に設置しておけば、前記成形体は火災時の熱により膨張して膨張残渣を形成する。このため火災等が発生すれば前記貫通孔等に設置された前記成形体に由来する膨張残渣により前記貫通孔等を閉塞させることができるから、火災の延焼、煙の拡散を防止することができる。
前記熱膨張性耐火樹脂組成物の一例として、エラストマー、中和された熱膨張性黒鉛、リン含有化合物等を配合して得られる熱膨張性耐火樹脂組成物が提案されている。
この耐火樹脂組成物を成形して得られる独立気泡構造を有するエラストマー発泡体は、断熱性、耐火性に優れるとされる(特許文献1)。
しかし、発泡体は湿気が浸透することがあるためリン含有化合物を含む熱膨張性耐火樹脂組成物は、湿気、結露、雨水等に由来する水分によりリン含有化合物が溶出することが懸念される。
前記リン含有化合物を含む熱膨張性耐火樹脂組成物を成形して得られる成形体は、建築物等に長時間設置されることが多いため、水分により性能の変化を受けやすい。
水分による影響を防ぐ一つの手段として、リン含有化合物を含む熱膨張性耐火材を成形しておき、この成形材を粉砕あるいはチップ化して得られる熱膨張性耐火片を、エラストマーと混合して成形する技術についても提案されている(特許文献2)。
この技術によれば、リン含有化合物は熱膨張性耐火片の内部に閉じ込められていて、前記熱膨張性耐火片の周囲をエラストマーが覆う構造が得られる。このためリン含有化合物に対する水分の影響を低減することができる。
しかし、前記エラストマーとして水分を吸収しやすいものを選択した場合には、前記エラストマーに吸収された水分が常時前記熱膨張性耐火片に接触することから、やはりリン含有化合物が溶出する問題が残る。
一方、熱膨張性耐火樹脂組成物を使用して押出成形を行うことができれば、前記熱膨張性耐火樹脂組成物を連続的に成形することができるから、前記熱膨張性耐火樹脂組成物を使用した成形体を効率よく製造することが可能となる。
熱膨張性黒鉛を含む樹脂組成物の押出成形に関連する先行技術の一つとしてポリ塩化ビニル100重量部に対して熱膨張性黒鉛を1〜15重量部の割合で含む樹脂組成物により形成される耐火膨張層と、熱膨張性成分を含まないポリ塩化ビニル樹脂組成物により形成される被覆層とを備えた複層耐火配管材が提案されている(特許文献3、4)。
これらの先行技術によれば耐火膨張層、耐火膨張層の内側の被覆層、および耐火膨張層の外側の被覆層からなる三層構造が、三層共押出成形により得られる点について開示されている。
一般に加熱された場合に膨張を開始する熱膨張性耐火樹脂組成物を用いて押出成形を実施することは通常困難である。
先の先行技術に開示されている多層構造の成形体の形状は円筒である。成形体の断面形状が押出方向の中心軸を基準として対称的な形状の場合には成形体に対して均等に熱がかかるため成形が可能である。
しかし円筒以外の形状に対して、熱膨張性耐火樹脂組成物を用いて押出成形を実施した場合に製品として使用することのできる外観の成形体が得られるかどうかは先に示された先行技術では不明である。
WO2004/096369 特開2005−220575号公報 特開2008−180367号公報 特開2008−180068号公報
本発明の目的は、耐火性、耐水性および成形性に優れた熱膨張性耐火樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討した結果、EPDM、ポリブテンおよびポリブタジエンからなる群より選ばれる少なくとも一つ、ならびに熱膨張性黒鉛、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物および加硫剤を含む熱膨張性耐火樹脂組成物が、本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]樹脂成分100重量部、熱膨張性黒鉛5〜200重量部、ホウ素含有化合物20〜200重量部、アンチモン含有化合物10〜70重量部および加硫剤0.1〜10重量部を含有し、
前記樹脂成分がEPDMを含有するか、又は前記樹脂成分がEPDMを含有するとともに、ポリブテン及び/又はポリブタジエンを前記樹脂成分100重量部に対して1〜30重量部となるように含むことを特徴とする、熱膨張性耐火樹脂組成物を提供するものである。
また本発明の一つは、
[2]無機充填材が、樹脂成分100重量部に対して100〜300重量部の範囲で含まれる、上記[1]に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物を提供するものである。
また本発明の一つは、
[3]前記熱膨張性耐火樹脂組成物が、熱膨張開始温度が30℃以上異なる二種以上の熱膨張性黒鉛を含む、上記[1]または[2]に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物を提供するものである。
また本発明の一つは、
[4]軟化剤が、樹脂成分100重量部に対して20〜200重量部の範囲で含まれる、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱膨張性耐火樹脂組成物を提供するものである。
また本発明の一つは、
[5]発泡剤が、樹脂成分100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲で含まれる、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱膨張性耐火樹脂組成物を提供するものである。
また本発明の一つは、
[6]前記熱膨張性耐火樹脂組成物が、熱安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤および架橋促進剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の熱膨張性耐火樹脂組成物を提供するものである。
本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物を成形して得られる成形体は耐火性、耐水性および成形性に優れる。このため本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物を成形してから長時間が経過した成形体であっても、水分の影響により性能が低下することを防止できることから、優れた耐火性を維持することができる。
さらに本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物を使用して押出成形を行い、外観に優れる成形体を製造することができる。
また本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物が熱膨張開始温度が30℃以上異なる二種以上の熱膨張性黒鉛を含む場合には、前記熱膨張性耐火樹脂組成物の成形体が火災等の熱にさらされた場合には比較的低い温度から膨張残渣を形成することができる。また膨張残渣を形成した後にさらに温度が上昇した場合でも追加的に膨張残渣を形成することができるから耐火性に優れる成形体を与えることができる。
また本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物が発泡剤を含む場合には、得られる成形体の内部に気泡を含有する発泡成形体を得ることができる。
従来の熱膨張性耐火樹脂組成物を成形して得られる発泡成形体の場合は、前記発泡成形体が水分の影響を受ける場所に使用された場合には、前記発泡成形体が水分を保持する機能を有するため、前記発泡成形体は水分の影響をより受けやすい問題があった。
これに対し、本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物の場合は、耐水性に優れることから水分の影響を受けにくく、発泡成形体であっても優れた耐火性を維持することができる。
本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物は樹脂成分、熱膨張性黒鉛、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物および加硫剤を含むものであるが、最初に本発明に使用する樹脂成分について説明する。
本発明に使用する前記樹脂成分は、EPDM、ポリブテンおよびポリブタジエンからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む。
本発明に使用する前記EPDMとしては、例えば、エチレン、プロピレンおよび架橋用ジエンモノマーとの三元共重合体が挙げられる。
前記EPDMに用いられるび架橋用ジエンモノマーとしては特に限定されず、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロピリデン−5−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン等の環状ジエン類、
1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,7−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン類等が挙げられる。
前記EPDMは、ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が35〜100の範囲であることが好ましく、40〜70の範囲であればより好ましい。
ムーニー粘度が35以上であると、柔軟性に優れる。またムーニー粘度が100以下の場合は硬くなりすぎるのを防止することができる。
なお、上記ムーニー粘度は、EPDMのムーニー粘度計による粘度の尺度のことをいう。
前記EPDMは、架橋用ジエンモノマーの含有量が2.0重量%〜20重量%の範囲であることが好ましく、5.0重量%〜15重量%の範囲であればより好ましい。
2.0重量%以上であれば、分子間の架橋が進むことから柔軟性に優れる、また20重量%以下の場合には耐候性に優れる。
また前記ポリブタジエンとしては、市販品を適宜選択して使用することができる。かかるポリブタジエンとしては、例えば、クラプレンLBR−305(クラレ社製)などのホモポリマータイプ、Poly bd(出光興産社製)などの1,2−結合型ブタジエンと1,4−結合型ブタジエンとのコポリマータイプ、クラプレンL−SBR−820(クラレ社製)などのエチレンと1,4−結合型ブタジエンと1,2−結合型ブタジエンとのコポリマータイプ等のものが挙げられる。
また前記ポリブテンは、ASTM D 2503に準拠した方法で測定した重量平均分子量が300〜2000であることが好ましい。
前記重量平均分子量が300未満であると、粘度が低いため、成形後、成形品表面に前記ポリブテンがにじみ出る傾向がある。また2000を超えると、粘度が大きくなるため押出成形が困難になる傾向がある。
本発明に使用するポリブテンとしては、例えば、出光石油化学社製「100R」(重量平均分子量:940)、「300R」(重量平均分子量:1450)、日本石油化学社製「HV−100」(重量平均分子量:970)、AMOCO社製「H−100」(重量平均分子量:940)などが挙げられる。
本発明に使用する樹脂成分は、EPDMに対してポリブテンおよびポリブタジエンの少なくとも一つを添加したものが、成形性向上の面から好ましい。
前記樹脂成分100重量部に対する前記ポリブテンおよびポリブタジエンの少なくとも一つの添加量は、1〜30重量部の範囲であることが好ましく、3〜25の範囲であればより好ましい。
また本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物を成形した際に、前記成形体の内部に気泡を含有させる場合には、発泡剤を使用すればよい。
前記発泡剤としては、例えば、アゾ化合物含有発泡剤、ニトロソ化合物含有発泡剤、スルホニル・ヒドラジド含有発泡剤、重炭酸塩含有発泡剤等が挙げられる。また他に重炭酸ナトリウム、p−トルエン・スルホニルセミカルバジド、マイクロカプセル化発泡剤なども挙げられる。
前記アゾ化合物含有発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレートなどが挙げられる。
前記ニトロソ化合物含有発泡剤としてはN,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記スルホニル・ヒドラジド含有発泡剤としては4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ヒドラゾジカルボンアミド、トルエンスルホニルヒドラジドなどが挙げられる。
前記重炭酸塩含有発泡剤としては、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
前記発泡剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記マイクロカプセル化発泡剤は、先に示した発泡剤の一種もしくは二種以上をマイクロカプセルに封入したものである。前記マイクロカプセル化発泡剤に使用する合成樹脂としては、例えば、一定温度以上になれば溶融する熱可塑性合成樹脂を使用すればよい。
本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物に対し、前記マイクロカプセル化発泡剤を添加しておくことにより、前記熱膨張性耐火樹脂組成物が一定温度以上に加熱された場合には、前記合成樹脂が溶融するため、前記熱膨張性耐火樹脂組成物を発泡させることができる。
前記樹脂成分に対する発泡剤の使用量は、例えば、前記樹脂成分100重量部に対して、通常0.1〜20重量部の範囲であり、1.0〜10重量部の範囲であれば好ましい。
さらに前記発泡剤を使用する際には発泡助剤を使用することもできる。
前記発泡助剤を使用することにより発泡剤の分解温度が低下し、より効率的に発泡させることが可能となる。
前記発泡助剤としては有機アミン、ジ-n-ブチルアミン、硫酸アルミニウム、ジエタノールアミン、尿素、尿素化合物、サリチル酸、無水フタル酸、安息香酸、ジエチレングリコールなどが挙げられる。
前記EPDMに対する発泡助剤の使用量は、例えば、前記樹脂成分100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲であれば好ましい。
前記発泡助剤はそれぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
次に本発明に使用する熱膨張性黒鉛について説明する。
前記熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とにより処理してグラファイト層間化合物を生成させたものである。生成された熱膨張性黒鉛は炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
本発明に使用する熱膨張性黒鉛は、前記酸処理して得られた熱膨張性黒鉛に対してアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等により中和することもできる。
前記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
前記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
本発明に使用する熱膨張性黒鉛の具体例としては、例えば、日本化成社製「CA−60S」等が挙げられる。
前記熱膨張性黒鉛の粒度は、細かくなりすぎると黒鉛の膨張度が小さく、発泡性が低下する傾向がある。また大きくなりすぎると膨張度が大きいという点では効果があるが、樹脂と混練する際に、分散性が悪く成形性が低下し、得られた押出成形体の機械的物性が低下する傾向がある。
このため前記熱膨張性黒鉛の粒度は20〜200メッシュの範囲のものが好ましい。
前記熱膨張性黒鉛の添加量は、少なくなると耐火性能及び発泡性が低下する傾向がある。また多くなると押出成形しにくくなり、得られた成形体の表面性が悪くなり、機械的物性が低下する傾向がある。このため前記樹脂成分100重量部に対する前記熱膨張性黒鉛の添加量は、5〜200重量部の範囲である。
前記熱膨張性黒鉛の添加量は、10〜150重量部の範囲であれば好ましい。
また本発明においては、膨張開始温度が30℃以上異なる二種以上の熱膨張性黒鉛を使用することが好ましい。
ここで膨張開始温度とは熱膨張性黒鉛を加熱した際に熱膨張性黒鉛の膨張を観測できる際の温度を意味し、機械熱分析(TMA)により測定することができる。
本発明に使用する熱膨張性黒鉛の膨張開始温度は、150℃〜400℃の範囲のものを適宜選択して使用することができるが、二種以上の熱膨張性黒鉛を使用する際は、この温度範囲内で、30℃以上異なる膨張開始温度のものを選択して使用することができる。
本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物の成形品に膨張開始温度の高い熱膨張性黒鉛を使用すると、前記成形体に火災等の熱が伝わらない場合には十分な体積の膨張残渣が形成されないことがあり、前記成形体に期待される耐火性能が発揮されない場合がある。
膨張開始温度の低い熱膨張性黒鉛を使用すれば前記成形体に期待される耐火性能が発揮することができる。
しかし膨張開始温度の低い熱膨張性黒鉛を使用した場合にも問題は生じる。
膨張開始温度の低い熱膨張性黒鉛を使用した前記成形体の場合は、比較的低い温度で膨張残渣が形成される。この膨張残渣の形成が完了した後の段階で火災等の熱により、前記膨張残渣の近傍の金属製の建材、壁等に変形が生じて前記膨張残渣の周囲に隙間が生じた場合には、その隙間から炎や煙が漏出することとなる。
30℃以上異なる膨張開始温度の二種以上の熱膨張性黒鉛を採用することにより、火災等の熱が伝わりにくく前記成形体が十分加熱されない段階でも比較的低い膨張開始温度の熱膨張性黒鉛が膨張残渣を形成して、前記成形体が設置された建材周囲の隙間を閉塞することができる。
そしてさらに前記膨張残渣の温度が上昇した場合には比較的高い膨張開始温度の熱膨張性黒鉛が膨張残渣を追加的に形成することができるから、より確実に前記膨張残渣近傍の隙間を追加的に形成された膨張残渣により閉塞することができる。
次に本発明に使用するホウ素含有化合物について説明する。
本発明に使用するホウ素含有化合物としては、例えば、ホウ酸、メタホウ酸、オルトホウ酸、次ホウ酸、ボロン酸、ボリン酸、三酸化二ホウ素等のホウ素化合物、
ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、オルトホウ酸亜鉛、次ホウ酸亜鉛、ボロン酸亜鉛、ボリン酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、メタホウ酸カルシウム、オルトホウ酸カルシウム、次ホウ酸カルシウム、ボロン酸カルシウム、ボリン酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、オルトホウ酸ナトリウム、次ホウ酸ナトリウム、ボロン酸ナトリウム、ボリン酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、オルトホウ酸カリウム、次ホウ酸カリウム、ボロン酸カリウム、ボリン酸カリウム、メタホウ酸コバルト、メタホウ酸バリウム、メタホウ酸アンモニウム等のホウ素含有塩等が挙げられる。
取扱性の面から、本発明に使用するホウ素含有化合物は、ホウ酸含有塩が好ましい。
前記ホウ素含有化合物は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記ホウ素含有化合物の添加量は、少なくなると加熱時の膨張が低下する傾向がある。また多くなると成形しにくくなる傾向がある。このため前記樹脂成分100重量部に対する前記ホウ素含有化合物の添加量は、20〜200重量部の範囲である。
前記ホウ素化合物の添加量は、30〜180重量部の範囲であれば好ましい。
次に本発明に使用するアンチモン含有化合物について説明する。
本発明に使用するアンチモン含有化合物としては、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等が挙げられる。
前記酸化アンチモンとしては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。
前記アンチモン酸塩としては、例えば、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等が挙げられる。
前記ピロアンチモン酸塩としては、例えば、ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチ
モン酸カリウム等が挙げられる。
本発明に使用するアンチモン含有化合物は、三酸化アンチモンであることが好ましい。
前記アンチモン含有化合物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記アンチモン含有化合物の添加量は、少なくなると難燃性が低下する傾向がある。また多くなると成形しにくくなる傾向がある。このため前記樹脂成分100重量部に対する前記アンチモン含有化合物の添加量は、10〜70重量部の範囲である。
前記アンチモン含有化合物の添加量は、15〜60重量部の範囲であることが好ましい。
次に本発明に使用する加硫剤について説明する。
前記加硫剤としては、例えば、硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレン等が挙げられる。
前記加硫剤は、硫黄およびテトラメチルチウラムジスルフィド等が好ましい。
前記加硫剤は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記加硫剤の添加量は、少なくなると熱時の安定性が低下する傾向がある。また多くなると成形しにくくなる傾向がある。このため前記樹脂成分100重量部に対する前記加硫剤の添加量は、0.1〜10重量部の範囲である。
前記加硫剤の添加量は、0.5〜5重量部の範囲であれば好ましい。
また前記加硫剤を用いる場合には、加硫促進剤を併用することができる。
前記加硫促進剤としては、チアゾール含有加硫促進剤、グアニジン含有加硫促進剤、アルデヒドアミン含有加硫促進剤、イミダゾリン含有加硫促進剤、チオウレア含有加硫促進剤、チウラム含有加硫促進剤、ジチオ酸塩含有加硫促進剤、チオウレア含有加硫促進剤、ザンテート含有加硫促進剤等が挙げられる。
前記チアゾール含有加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等が挙げられる。
前記グアニジン含有加硫促進剤としては、例えば、ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン等が挙げられる。
前記アルデヒドアミン含有加硫促進剤としては、例えば、アセトアルデヒド・アニリン縮合物等が挙げられる。
前記イミダゾリン含有加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトイミダゾリン等が挙げられる。
前記チオウレア含有加硫促進剤としては、例えば、ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア等が挙げられる。
前記チウラム含有加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。
前記ジチオ酸塩含有加硫促進剤としては、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛等が挙げられる。
前記チオウレア含有加硫促進剤としては、例えば、エチレンチオ尿素、N,N'−ジエ
チルチオ尿素等が挙げられる。
前記ザンテート含有加硫促進剤としては、例えば、ジブチルキサトゲン酸亜鉛等が挙げられる。
前記加硫促進剤は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記樹脂成分100重量部に対する前記加硫促進剤の添加量は、0.1〜20重量部の範囲であることが好ましい。前記加硫促進剤を使用することにより、加硫を効率よく進行させることができる。
前記加硫促進剤の添加量は、0.1〜10重量部の範囲であれば好ましい。
また前記加硫剤を使用する場合には、加硫助剤を併用することができる。
前記加硫助剤としては、例えば、p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系加硫助剤、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル含有加硫助剤、
ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル含有加硫助剤、マレイミド含有加硫助剤、
ジビニルベンゼン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、亜鉛華が挙げらる。
前記樹脂成分100重量部に対する前記加硫助剤の添加量は、1〜50重量部の範囲であることが好ましい。前記加硫助剤を使用することにより、加硫を効率よく進行させることができる。
次に本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物は、無機充填材を含むことができる。
前記無機充填材としては、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類などの金属酸化物、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイトなどの含水無機物、 塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウムなどの金属炭酸塩、
硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウムなどのカルシウム塩、
シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュなどが挙げられる。
本発明に使用する無機充填材は、金属酸化物、含水無機物、金属炭酸塩が好ましい。
前記含水無機物は、加熱時の脱水反応によって水が生成し、この水によって吸熱が生じ温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、加熱残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くことで、耐火性樹脂組成物を膨張、炭化させて得られる発泡耐火物の強度が向上する点から好ましい。
前記含水無機物のうち、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温度領域が異なるため、両者を併用することによって脱水効果を発揮する温度領域が広がり、より効果的な温度上昇の抑制効果が得られるので、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムとを併用することが好ましい。
前記金属炭酸塩は、加熱残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くことで、耐火性樹脂組成物を膨張、炭化させて得られる発泡耐火物の強度が向上する点から好ましい。
前記無機充填剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。前記無機充填剤は、前記含水無機物と金属炭酸塩とが併用されることが好ましい。前記含水無機物と金属炭酸塩は、骨材的な働きをするところから、燃焼残渣の強度向上や熱容量の増大に寄与するものと考えられる。
前記無機充填剤の平均粒径は、0.5〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましい。無機充填剤の平均粒径が小さいと、無機充填剤の凝集が生じて耐火性樹脂組成物中に均一に分散させることが難しくなる。無機充填剤の平均粒径が大きいと、耐火性樹脂組成物の機械的強度が低下する。
なお、前記無機充填剤は、粒径の大きいものと粒径の小さいものを組み合わせて用いられることが好ましく、組み合わせて用いられることによって、熱膨張性耐火樹脂組成物の機械的強度を維持したまま、無機充填剤を熱膨張性耐火樹脂組成物中に高濃度に含有させることができる。
前記無機充填剤の添加量は、少なくなると前記熱膨張性耐火樹脂組成物の流動性が向上する傾向がある。また多くなると前記熱膨張性耐火樹脂組成物の成形体の強度が向上する傾向がある。このため前記樹脂成分100重量部に対する前記無機充填材の添加量は、10〜300重量部の範囲であることが好ましく、50〜150重量部の範囲であればより好ましい。
また本発明に使用する熱膨張性耐火樹脂組成物には軟化剤を使用することができる。
前記軟化剤は、一般に熱可塑性樹脂成形体を製造する際に使用されている軟化剤であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ジ‐2‐エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル軟化剤、
ジ‐2‐エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)等の脂肪酸エステル軟化剤、
エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル軟化剤、
アジピン酸エステル、アジピン酸ポリエステル等のポリエステル軟化剤、
トリ‐2− エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテート(TINTM)等のトリメリット酸エステル軟化剤、
トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)等の燐酸エステル軟化剤、
鉱油等のプロセスオイルなどが挙げられる。
前記軟化剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記軟化剤の添加量は、少なくなると押出成形性が低下する傾向があり、多くなると得られた成形体が柔らかくなり過ぎる傾向がある。このため前記熱膨張性耐火樹脂組成物100重量部に対して、前記軟化剤の添加量は20〜200重量部の範囲であることが好ましい。
また本発明に使用する熱膨張性耐火樹脂組成物は燐酸エステル軟化剤を除くリン化合物を含有すると、押出成形性が低下する。このため燐酸エステル軟化剤を除くリン化合物を含有しないことが好ましい。なお、先に説明した軟化剤である燐酸エステル軟化剤を含有することができる。
押出成形性を阻害するリン化合物は次の通りである。
赤リン、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、
リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩、
ポリリン酸アンモニウム類、
下記化学式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006147101
上記化学式中、R及びRは、水素、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を表す。
は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
前記化学式で表される化合物としては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。
ポリリン酸アンモニウム類としては、特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられる。
本発明においては、これらの押出成形を阻害するリン化合物を使用するものではない。
また本発明に使用する前記熱膨張性耐火樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、必要に応じて、一般に使用されている、リン化合物以外の熱安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤、架橋促進剤等が添加されてもよい。
前記熱安定剤としては、例えば、三塩基性硫酸鉛、三塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛等の鉛熱安定剤、
有機錫メルカプト、有機錫マレート、有機錫ラウレート、ジブチル錫マレート等の有機錫熱安定剤、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸熱安定剤等が挙げられる。
前記熱安定剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記滑剤としては、例えば、ポリエチレン、パラフィン、モンタン酸等のワックス類、
各種エステルワックス類、
ステアリン酸、リシノール酸等の有機酸類、
ステアリルアルコール等の有機アルコール類、
ジメチルビスアミド等のアミド化合物類等が挙げられる。
前記滑剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記加工助剤としては、例えば、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレートーエチルアクリレート共重合体、高分子量のポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール化合物等が挙げられる。
前記帯電防止剤としては、例えば、アミノ化合物等が挙げられる。
前記顔料としては、例えば、アゾ類、フタロシアニン類、スレン類、染料レーキ類等の有機顔料、酸化物類、クロム酸モリブデン類、カーボンブラック、硫化物・セレン化物類、フェロシアニン化物類などの無機顔料等が挙げられる。
前記架橋剤としては、例えば、硫黄等が挙げられる。また前記架橋促進剤としては、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、N,N,N’,N’−テトラエチルチウラムジスルフィド、ジエチルジチオカルバミン酸ベンジル等が挙げられる。
[熱膨張性耐火樹脂組成物の具体例]
本発明に使用される熱膨張性耐火樹脂組成物の具体例は次の通りである。
(a)樹脂成分、熱膨張性黒鉛、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物および加硫剤からなる樹脂組成物
(b)樹脂成分、熱膨張性黒鉛、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物、加硫剤および無機充填材からなる樹脂組成物
(c)樹脂成分、熱膨張性黒鉛、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物、加硫剤、無機充填材および軟化剤からなる樹脂組成物
(d)樹脂成分、熱膨張性黒鉛、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物、加硫剤、無機充填材、軟化剤および発泡剤からなる樹脂組成物
(e)上記(a)〜(d)からなる群より選ばれる少なくとも一つの樹脂組成物に対し、熱安定剤、滑剤、加工助剤、発泡助剤、加硫促進剤、加硫助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤および架橋促進剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを添加してなる樹脂組成物
本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物は、前記樹脂成分、熱膨張性黒鉛、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物および加硫剤、ならびに、必要に応じて含有される他の添加剤を公知の混練装置を用いて溶融混練することにより得ることができる。
なお、混練装置としては、例えば、押出機、ニーダーミキサー、二本ロール、バンバリーミキサーなどが挙げられる。
得られた熱膨張性耐火樹脂組成物を金型に注形する等の方法により、前記熱膨張性耐火樹脂組成物を成形することができる。
本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物を成形して得られる成形体は、熱膨張性パッキン材の用途に好ましく使用することができる。
前記熱膨張性パッキン材は、内部に気泡を含む発泡成形体からなることがさらに好ましい。
以下に実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施例により何ら限定されるものではない。
EPDM(ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が42、(ML1+4 125℃)が59、ジエン含有量が10%のEPDM。住友化学社製、商品名「エスプレン505」)100重量部、熱膨張性黒鉛(日本化成社製 商品名「CA−60」、熱膨張開始温度200℃)60重量部、カーボン2重量部、軟化剤32重量部、ステアリン酸1重量部、酸化亜鉛7重量部、炭酸カルシウム80重量部(備北粉化工社製 商品名「BF300」、平均粒径:8μm)、ホウ酸亜鉛60重量部(昭和化学社製)、三酸化アンチモン20重量部、硫黄(鶴見化学社製「硫黄」)6重量部、加硫促進剤1重量部をニーダーに供給して溶融、混練してカレンダー成形によって厚みが2mmのシート状の熱膨張性耐火樹脂組成物を得た。
[性能比較試験]
1.膨張倍率の試験
得られたシート状の熱膨張性耐火樹脂組成物の厚みTを測定した。
次に、シート状の熱膨張性耐火樹脂組成物を電気炉にて600℃で30分間加熱し、燃焼後の残渣を得た。
この燃焼後の残渣の厚みTを測定し、下記式に基づいて膨張倍率を算出した。
膨張倍率(%)=100×発泡耐火層の厚みT/耐火性樹脂組成物の厚みT
結果を表1に示す。
2.燃焼後の残渣固さの試験
膨張倍率の測定で得られた燃焼後の残渣に微少圧縮試験機を用いて0.25cmの圧子を0.1cm/秒の速度にて押圧して燃焼後の残渣を圧縮させて破断点応力を測定した。
結果を表1に示す。
3.耐水性の試験
前記シート状の熱膨張性耐火樹脂組成物を常温で水に浸漬し、溶出物を肉眼で観測することができなかった場合を○、溶出物を肉眼で観測することができた場合を×とした。
結果を表1に示す。
4.成形性の試験
前記シート状の熱膨張性耐火樹脂組成物を押出成形機に供給し、常法に従い、一軸押出機、二軸押出機等の押出機で130〜170℃で溶融させて押出成形を実施した。
表1に示す配合の熱膨張性耐火樹脂組成物を作成し、それぞれの熱膨張性耐火樹脂組成物を一軸押出機(池貝機販社製、65mm押出機)に供給し、150tの圧力で押出成形を行うことにより、厚さ2mmおよび厚さ1mmのシート状成形物を1m/hrの速度で押出成形した。
前記シート状成形物の厚み精度について、厚み精度がプラスマイナス0.2mm以下の場合を○、プラスマイナス0.2mmを超えてプラスマイナス0.4mm以下の場合を△、プラスマイナス0.4mmを超えた場合を×とした。結果を併せて表1に示す。
実施例1の場合で、使用する熱膨張性黒鉛の量を60重量部から30重量部に変更したこと、発泡剤と発泡助剤をそれぞれ5重量部使用した以外は、実施例1の場合と同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
実施例1の場合で、使用する熱膨張性黒鉛の量を60重量部から150重量部に変更したこと、使用する軟化剤の量を32重量部から55重量部に変更したこと、ステアリン酸を使用しなかったこと、使用する炭酸カルシウムの量を80重量部から10重量部に変更したこと、使用するホウ酸亜鉛の量を60重量部から180重量部に変更したこと、使用する三酸化アンチモンの量を20重量部から60重量部に変更したこと以外は、実施例1の場合と同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
実施例1の場合で、使用する熱膨張性黒鉛の量を60重量部から10重量部に変更したこと、使用するホウ酸亜鉛の量を60重量部から40重量部に変更したこと、発泡剤と発泡助剤をそれぞれ5重量部使用した以外は、実施例1の場合と同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
実施例1の場合で、使用する熱膨張性黒鉛の量を60重量部から5重量部に変更したこと、使用するホウ酸亜鉛の量を60重量部から35重量部に変更したこと、使用する三酸化アンチモンの量を20重量部から15重量部に変更したこと、発泡剤と発泡助剤をそれぞれ5重量部使用した以外は、実施例1の場合と同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
実施例2の場合で、ポリブタジエン(宇部興産社製、商品名「BR150」)を5重量部追加して使用した以外は、実施例2の場合と同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
実施例2の場合で、ポリブタジエン(宇部興産社製、商品名「BR150」)を20重量部追加して使用した以外は、実施例2の場合と同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
実施例2の場合で、熱膨張開始温度が200℃の熱膨張性黒鉛30重量部に替えて、熱膨張開始温度が200℃の熱膨張性黒鉛15重量部および熱膨張開始温度が300℃の熱膨張性黒鉛15重量部(三洋貿易社製、商品名「STZR−503」)を使用した以外は、実施例2の場合と同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の場合で、ホウ酸亜鉛および三酸化アンチモンを使用せず、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製、商品名「AP422」)を80重量部した以外は、実施例1の場合と同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例2の場合で、ホウ酸亜鉛および三酸化アンチモンを使用せず、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製、商品名「AP422」)を80重量部した以外は、実施例2の場合と同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
Figure 0006147101
実施例2,4,5,6〜8の場合では発泡剤および発泡助剤を使用した。前記発泡剤および発泡助剤を使用することにより、押出成形により得られるシート状成形物内部に気泡を包含させることができる。
気泡を含有するシート状成形物は密度が小さくて柔軟性に優れることから、下記の各実施例に使用する熱膨張性耐火樹脂組成物として参考例2,4,5,6〜8に示した各熱膨張性樹脂組成粒が優れる。特に樹脂成分としてEPDMとポリブタジエンとを併用したときに優れた性能を示す。
本発明に使用する熱膨張性耐火樹脂組成物を成形して得られる熱膨張性耐火樹脂組成物層の密度は、0.1〜0.8g/cmの範囲であるものであれば、柔軟性等に優れることから、さらに好ましい。
上記の実施例1〜8、比較例1〜2の対比から明かな通り、リン含有化合物を使用した場合には、得られる熱膨張性耐火樹脂組成物は耐水性に劣る。
これに対し、本願発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物は、ホウ素含有化合物およびアンチモン含有化合物を含むことから耐水性に特に優れる。
また成形性にも優れる。
本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物は耐水性、耐火性および成形性に優れることから、前記熱膨張性耐火樹脂組成物を成形してなる成形体は、湿気の多い場所、水にさらされる場所に設置する用途に、応用することができる。

Claims (6)

  1. 樹脂成分100重量部、熱膨張性黒鉛5〜200重量部、ホウ素含有化合物20〜200重量部、アンチモン含有化合物10〜70重量部および加硫剤0.1〜10重量部を含有し、
    前記樹脂成分がEPDMを含有するか、又は前記樹脂成分がEPDMを含有するとともに、ポリブテン及び/又はポリブタジエンを前記樹脂成分100重量部に対して1〜30重量部となるように含むことを特徴とする、熱膨張性耐火樹脂組成物。
  2. 無機充填材が、樹脂成分100重量部に対して100〜300重量部の範囲で含まれる、請求項1に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
  3. 前記熱膨張性耐火樹脂組成物が、熱膨張開始温度が30℃以上異なる二種以上の熱膨張
    性黒鉛を含む、請求項1または2に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
  4. 軟化剤が、樹脂成分100重量部に対して20〜200重量部の範囲で含まれる、請求項1〜3のいずれかに記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
  5. 発泡剤が、樹脂成分100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲で含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
  6. 前記熱膨張性耐火樹脂組成物が、熱安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤および架橋促進剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
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