JP6867166B2 - ドア構造 - Google Patents

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    • E06B5/10Doors, windows, or like closures for special purposes; Border constructions therefor for protection against air-raid or other war-like action; for other protective purposes
    • E06B5/16Fireproof doors or similar closures; Adaptations of fixed constructions therefor

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2015年11月5日に出願した特願2015-217853号明細書の優先権の利益を主張するものであり、当該明細書はその全体が参照により本明細書中に援用される。
(技術分野)
本発明は、ドア構造に関する。
住宅等の建物の開口部における火炎の侵入を阻止することは重要であり、開口部における防火性能を高めるために、開口部に使用される窓またはドア等のサッシに熱膨張性耐火材を装着することが行われている。例えば、特許文献1には、防火性樹脂サッシの開口枠体の内部の複数の空洞の全長に、熱膨張性耐火材を挿入することが記載されている。
特許第4691324号
火災時にドアは加熱側と非加熱側の温度差により反るが、ドアの反りが小さい場合は、膨張した熱膨張性耐火材によりドア本体とドア枠体との間の隙間を閉塞するが、ドアの反りが大きくなると、当該隙間が大きくなり、膨張した熱膨張性耐火材が脱落する恐れがある。その結果、火炎が加熱側から非加熱側へ噴出し、建物内部に延焼する。この問題はドアの高さが大きいときに特に顕著に起こる。
本発明の目的は、反りが大きいドアに対して優れた耐火性を有するドア構造を提供することである。
本発明者らが行った実験によると、従来、熱膨張性耐火材の加圧下での膨張倍率(加圧膨張倍率)が高いものが形状保持性も高いと考えられていたところ、加圧膨張倍率が高い熱膨張性耐火材をドアに垂直に取り付けて加熱試験を実施すると、予想外に、必ずしも加圧膨張倍率が高い熱膨張性耐火材において、垂直加熱試験で熱膨張性耐火材から形成される膨張層の強度が高いわけではないということを見出した。そこで、加圧膨張倍率が高く、かつ加熱後も膨張層の強度すなわち形状保持性を維持できる熱膨張性耐火材が上記の目的を達成できることを見出し、発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
項1.建物の開口部に固定されるドア枠体と、ドア枠体内に取り付けられるドア本体とを備えたドア構造であって、
ドア本体は、ISO834加熱曲線による火災試験を実施した際に加熱前の位置から加熱中に30mm以上離れる構造であり、
ドア枠体とドア本体が対向する位置におけるドア枠体またはドア本体の一部または全部に、熱膨張性耐火材が取り付けられており、
前記熱膨張性耐火材は、鉛直方向に上から800Paの圧力を加えた状態で600℃、30分の条件下で加熱した際に10倍以上の膨張倍率を発現でき、
ISO加熱曲線による火災試験で加熱20分後にドアの非加熱側に火炎が噴出しない、ドア構造。
項2.建物の開口部に固定されるドア枠体と、ドア枠体内に取り付けられるドア本体とを備えたドア構造であって、
ドア本体は、ISO834加熱曲線による火災試験を実施した際に加熱前の位置から加熱中に30mm以上離れる構造であり、
ドア枠体とドア本体が対向する位置におけるドア枠体またはドア本体の一部または全部に、熱膨張性耐火材が取り付けられており、
前記熱膨張性耐火材は、鉛直方向に上から800Paの圧力を加えた状態で600℃、30分の条件下で加熱した際に10倍以上の膨張倍率を発現でき、
加熱後の熱膨張性耐火材の残渣硬さが0.1kgf/cm2以上である、 ドア構造。
本発明によれば、熱膨張性耐火材の加熱時の形状保持性が良好であるため、ドアの高さが大きく、加熱時にドア本体とドア枠体との間に大きな隙間が生じた場合でも、ドア枠体に取り付けられた熱膨張性耐火材が形状を保持した状態でドア枠体から脱落することなく膨張し、ドア構造は優れた耐火性を発揮することができる。
(a)本発明の一実施形態のドア構造を示す略正面図。(b)図1(a)のA−A線における縦断面図。 ドアの反りの状態を示す側面図。 ドア構造の別例を示す縦断面図。 (a)ドア構造の別例を示す略正面図。(b)図4(a)のB−B線における縦断面図。 ドア構造の別例を示す略正面図。 (a),(b)ドア構造の別例を示す略正面図。 (a),(b)ドア構造の別例を示す略正面図。 平均膨張倍率を測定するため実施例の試験系の略斜視図。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1のドア構造1は、建物2の開口部に固定される矩形環状のドア枠体10(枠とも称する)と、ドア枠体10内に取り付けられる矩形のドア本体20(扉とも称する)とを備えている。本実施形態において、ドア構造1のドア枠体10は鉄製であり、ドア本体20の表面材及び内部構造体も鉄製である。
ドア本体20は、加熱によって反りを生じる構造を有し、具体的には、ISO834加熱曲線による火災試験を実施した際に加熱前の位置から加熱中に30mm以上離れる構造を有する。ドアの高さは限定されないが、好ましくは高さは2000mm以上である。
「ISO834加熱曲線による火災試験を実施した際に加熱前の位置から加熱中に30mm以上離れる」とは、図2に示すように、ISO834加熱曲線による垂直火災試験を実施した際に、加熱前のドア本体20のある位置(通常はドア本体の長手方向の上端R)に着目したときに、その位置が火炎Fによる加熱中に加熱前の元の位置から30mm以上離れる(上端R’に移動し、RとR’の間が30mm以上)という意味であり、ドア本体20の少なくとも任意の一つの位置でこのような関係が成立すれば良いことを意味する。
図1に戻り、ドア枠体10とドア本体20が対向する位置におけるドア枠体10またはドア本体20の一部または全部には、熱膨張性耐火材30が取り付けられている。本実施形態では、熱膨張性耐火材30は、ドア本体20の上面と鉛直方向に向き合うドア枠体10の上枠の下面10aに取り付けられた上側の熱膨張性耐火材30aと、ドア本体20と向き合うドア枠体10の横枠の2つの内面10bに取り付けられた2つの側方の熱膨張性耐火材30bとからなる。熱膨張性耐火材30a,30bは、上面10a,側面10aのそれぞれの全長に設けられている。
熱膨張性耐火材30は、熱膨張性耐火材単体に対して行う加圧膨張倍率試験において、鉛直方向に上から800Paの圧力を加えた状態で600℃、30分の条件下で加熱した際に、10倍以上の膨張倍率を発現できる熱膨張性耐火材である。この条件を満たすことで、ISO834加熱曲線を実施したときにドアの非加熱側への火炎の噴出を防止できる。
鉛直方向の加圧下でも10倍以上に膨張可能であることにより、ドア本体20が火災等の熱により反って変形した場合にも、ドア本体20とドア枠体10との間の隙間を閉塞できる程度に熱膨張性耐火材30は膨張することができる。
本明細書において、膨張倍率は、熱膨張性耐火材のサンプルを加熱した時の膨張残渣の最低点と最高点との平均厚みを、燃焼前の荷重が加わっていないときの厚みで除して算出される値である。
加圧膨張倍率は、圧力を加えて熱膨張性耐火材のサンプルを加熱した際の膨張倍率を指し、本明細書では、熱膨張性耐火材のサンプルを800Paの圧力を加えた状態で600℃、30分の条件下で加熱したときの膨張倍率を指す。具体的には、加圧膨張倍率は、例えば98mm角にした各熱膨張性耐火材のサンプル上に、98mm角にカットした約20gの亜鉛鉄板を配置し、その上に200gの4つの分銅を配置する。この状態で、600℃に昇温しておいた電気炉の中に入れ、床下から加熱する耐火(加熱)試験により30分間サンプルを燃焼させた時の、膨張残渣の最低点と最高点との平均厚みを燃焼前の荷重が加わっていないときの厚みで除した値として算出される。
残渣硬さは、600℃、30分の条件下で加熱した時の膨張残渣を、各熱膨張性耐火材のサンプルを公知の圧縮試験機にかけて圧縮し、破断点応力を測定することにより算出される。本願では圧縮試験機で0.25cm2の圧子で0.1cm/秒の速度で圧縮し、破断点応力を測定したものを指す。加熱後の熱膨張性耐火材の残渣硬さが好ましくは0.1kgf/cm2以上、好ましくは0.3 kgf/cm2以上である。熱膨張性耐火材30は、加熱後の残渣硬さが0.1kgf/cm2以上であることにより、熱膨張した後でも熱膨張性耐火材30からなる膨張層が一定の硬さを維持し、ドア本体20に付着したまま形状保持性を維持できる。
熱膨張性耐火材30は、樹脂成分に熱膨張性層状無機物と無機充填材とを含む樹脂組成物から形成される。熱膨張性耐火材30は、樹脂組成物の各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を用いて混練し、公知の成形方法で成形することにより得ることができる。
樹脂成分としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム物質、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソブチレン等の合成樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリイソシアネート、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。
ゴム物質としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、非加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴム物質等が挙げられる。
これらの合成樹脂及び/又はゴム物質は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらの合成樹脂及び/又はゴム物質の中でも、樹脂自体の難燃性を上げて防火性能を向上させるという観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
熱膨張性層状無機物は加熱時に膨張するものであるが、かかる熱膨張性層状無機物に特に限定はなく、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等を挙げることができる。熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等でさらに中和してもよい。熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東ソー社製「GREP−EG」、GRAFTECH社製「GRAFGUARD」等が挙げられる。
無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。
また、無機充填剤としては、これらの他に、硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
無機充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウムでは、粒径18μmの「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)、粒径25μmの「B325」(ALCOA社製)、炭酸カルシウムでは、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(備北粉化工業社製)、粒径8μmの「BF300」(備北粉化工業社製)等が挙げられる。
さらに、熱膨張性耐火材を構成する樹脂組成物は、膨張断熱層の強度を増加させ防火性能を向上させるために、前記の各成分に加えて、さらにリン化合物を含んでもよい。リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム;下記化学式(1)で表される化合物等が挙げられる。これらのうち、防火性能の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム、及び、下記化学式(1)で表される化合物が好ましく、性能、安全性、コスト等の点においてポリリン酸アンモニウムがより好ましい。
Figure 0006867166
化学式(1)中、R1およびR3は、同一又は異なって、水素、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、炭素数6〜16のアリール基を示す。R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、または、炭素数6〜16のアリールオキシ基を示す。
赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用いられる。ポリリン酸アンモニウムとしては特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取り扱い性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。市販品としては、例えば、クラリアント社製「AP422」、「AP462」、Budenheim Iberica社製「FR CROS 484」、「FR CROS 487」等が挙げられる。
化学式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。前記のリン化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂成分100重量部に対し、前記熱膨張性層状無機物を10〜350重量部及び前記無機充填材を30〜400重量部の範囲で含むものが好ましい。
また、前記熱膨張性層状無機物および前記無機充填材の合計は、樹脂成分100重量部に対し、50〜600重量部の範囲が好ましい。前記樹脂組成物における熱膨張性層状無機物及び無機充填材の合計量は、50重量部以上では燃焼後の残渣量を満足して十分な耐火性能が得られ、600重量部以下であると機械的物性が維持される。
かかる樹脂組成物は加熱によって膨張し耐火断熱性の膨張層を形成する。この配合によれば、前記熱膨張性耐火材は火災等の加熱によって膨張し、必要な体積膨張率を得ることができ、膨張後は所定の断熱性能を有すると共に所定の強度を有する残渣を形成することもでき、安定した防火性能を達成することができる。
さらに前記樹脂組成物は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂、成型補助材等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
ここまで、本発明を第1実施形態を例にとって説明してきたが、本発明はこれに限られず、以下のような種々の変形が可能である。
熱膨張性耐火材30のドア枠体10における取り付け位置は、ドア本体20の上面に対し垂直方向に向き合うドア枠体10の位置に取り付けられていれば、図1(a),(b)に示した位置に限定されない。例えば、図1(b)に示すドア枠体10の上枠の下面10aに取り付けられた上側の熱膨張性耐火材30aの代わりに、図3に示すように、ドア枠体10の上枠のうちドア本体20の上端部と水平方向に向き合う内側面10cに取り付けられた熱膨張性耐火材30cとしてもよい。
熱膨張性耐火材30は、ドア本体20に取り付けられてもよい。例えば、図4(a)に示すように、熱膨張性耐火材30は、ドア枠体10の上枠と向き合うドア本体20の上面20aに取り付けられた上側の熱膨張性耐火材30dと、ドア枠体10の横枠と向き合うドア本体20の2つの側面20bに取り付けられた2つの側方の熱膨張性耐火材30eとからなってもよい。この例では、熱膨張性耐火材30d,30eは、上面20d,側面20bのそれぞれの全長に設けられている。
第1実施形態では、熱膨張性耐火材30をドア枠体10の上枠と2つの横枠の3つの側面に取り付けたが、ドア枠体10の上枠、横枠、下枠、ならびにドア本体20の下面、側面、下面のうちのいずれの一つの側面、二つの側面、三つの側面、または四つの側面に熱膨張性耐火材30を取り付けてもよい。例えば図5に示すように、ドア枠体10またはドア本体20の、ドア枠体10とドア本体20とが対向する4つの面のすべてに熱膨張性耐火材30(具体的には30a、30b、30f)を取り付けてもよい。
第1実施形態では、熱膨張性耐火材30をドア枠体10の上枠と2つの横枠の3つの側面の全長にわたって連続的に取り付けたが、各熱膨張性耐火材30は、ドア枠体10またはドア本体20の取り付け面の全長にわたっていなくてもよく、連続的に取り付けられていなくてもよい。例えば、図6(a)に示すように、熱膨張性耐火材30aのように、2つ以上に分割されて、ドア枠体10またはドア本体20の取り付け面に取り付けられてもよいし、熱膨張性耐火材30bのように、一つの熱膨張性耐火材がドア枠体10またはドア本体20の取り付け面の長さの実質的部部分を占めるように取り付けられてもよい。熱膨張性耐火材30bのようにドア構造1の鉛直方向に熱膨張性耐火材が延びる場合は、ドア枠体10またはドア本体20の取り付け面の上側部分で熱膨張性耐火材が連続していることが好ましい。ドア枠体10またはドア本体20の各取り付け面における熱膨張性耐火材の占める合計の長さは特に限定されないが、ドア枠体10またはドア本体20の各取り付け面の半分の長さを超えると好ましく、60%以上を超えるとより好ましく、70%以上を超えるとより好ましく、80%以上を超えるとより好ましい。さらに、熱膨張性耐火材30は、図6(b)に示すように、ドア枠体10またはドア本体20の各取り付け面に、複数の離間した熱膨張性耐火材30が取り付けられるようにしてもよい。この場合も、加熱により熱膨張性耐火材30が膨張した場合に、熱膨張性耐火材30により火炎の延焼が防止される程度に、隣り合う熱膨張性耐火材30の間隔が設定されていればよい。
図1(a),(b)の第1実施形態のドア構造、図3の別例のドア構造、図4(a),(b)の別例のドア構造、図5の別例のドア構造、図6(a),(b)の別例のドア構造では、熱膨張性耐火材30がドア枠体10またはドア本体20の外表面に取り付けられているが、図7(a),(b)に示すように、膨張性耐火材30はドア枠体10の中空部に取り付けられた膨張性耐火材30g、およびドア本体20の中空部に取り付けられた膨張性耐火材30hの少なくとも一方であってもよい。膨張性耐火材30gは通常、1または複数の膨張性耐火材30gがドア枠体10の対応する枠の長手方向に沿って配置され、ドア枠体10の上枠、横枠、下枠のうちの一つ、二つ、三つ、または四つのいずれに取り付けてもよい。膨張性耐火材30hも、1または複数の膨張性耐火材30hを、ドア本体20の中空部の下面、側面、下面のいずれに取り付けてもよい。膨張性耐火材30g,30hの配置は図1(a),(b)の第1実施形態のドア構造、図3の別例のドア構造、図4(a),(b)の別例のドア構造、図5の別例のドア構造、ならびに図6(a),(b)の別例のドア構造に関して説明した膨張性耐火材30a〜fの配置を適用し得る。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
試験例
(膨張倍率)
以下の実施例1、実施例2、比較例1の各熱膨張性耐火材のサンプルを98mm角にカットし、図8に示すように、亜鉛鉄板40を配置し、その上に熱膨張性耐火材料のサンプル41を配置し、サンプル41の上に98mm角にカットした約20gの亜鉛鉄板42を配置し、その上に200gの4つの分銅43を配置した。
実施例1の熱膨張性耐火材は、エポキシ樹脂25質量%、熱膨張黒鉛25質量%、および無機充填材50質量%の樹脂組成物から形成した。実施例2の熱膨張性耐火材は、塩化ビニル樹脂50質量%、熱膨張黒鉛25質量%、および無機充填材25質量%の樹脂組成物から形成した。比較例1の熱膨張性耐火材は、酢酸ビニル樹脂40%、熱膨張黒鉛25質量%、および無機充填材10質量%の樹脂組成物から形成した。
この試験系を600℃に昇温しておいた電気炉の中に入れ、床下から加熱する耐火(加熱)試験により30分間サンプルを燃焼させた。
燃焼後、サンプル41を取り出し、膨張残渣の最低点と最高点を測定し平均厚みを計算し、平均厚みを燃焼前の荷重が加わっていないときの厚みで除した値として加圧膨張倍率を算出した。
(残渣硬さ)
膨張倍率を測定した加熱後の試験片を圧縮試験機(カトーテック社製、「フィンガーフイリングテスター」)に供給し、0.25cm2の圧子で0.1cm/秒の速度で圧縮し、破断点応力を測定した。
(耐火試験)
高さ2000mm×幅1000mm×厚さ50mmの鉄製ドア(両側鉄板1.2mm、中空部にロックウール80kg/m3) を準備した。このドアは、ISO834加熱曲線による火災試験ISO834に準拠し、加熱45分後に30mmの隙間を生じた。
実施例1、実施例2、比較例1の熱膨張性耐火材を、ドアと向き合うドア枠体の上面およびドア枠体の2つの側面の3面の全長に取り付けた。各熱膨張性耐火材とも厚みは1.6mm、幅は20mmであった。
各熱膨張性耐火材を取り付けたドア構造について、ISO834加熱曲線による火災試験を実施し、ドアの片側を火炎により加熱し、観察を続けて、非加熱側へ火炎が噴出せず、かつドア本体とドア枠体の間に隙間が発生しない場合を「良」と評価し、非加熱側へ火炎が噴出するか、あるいは試験時間中にドア本体とドア枠体の間に隙間の発生が発生した場合を「不良」と評価した(表1)。
耐火試験において、実施例1,2の熱膨張性耐火材は、加熱後も膨張層を形成しつつ形状を保持し、ドア構造から落下する燃焼残渣はほとんど観察されなかったのに対し、比較例1の熱膨張性耐火材は、加熱後に燃焼残渣が大量にドア構造から落下し、形状保持性に劣っていた(非図示)。
Figure 0006867166

Claims (2)

  1. 建物の開口部に固定される鉄製のドア枠体と、ドア枠体内に取り付けられるドア本体とを備え、ドア本体の表面及び内部構造体が鉄製であるドア構造であって、
    ドア本体は、ISO834加熱曲線による火災試験を実施した際に加熱前の位置から加熱中に30mm以上離れる構造であり、
    ドア枠体とドア本体が対向する位置におけるドア枠体の下枠を除く上枠及び2つの横枠の3つ、もしくは上枠、2つの横枠及び下枠の4つ全部、またはドア本体の下面を除く上面及び2つの側面の3つ、もしくは上面、2つの側面及び下面の4つ全部に、熱膨張性耐火材が取り付けられており、
    前記熱膨張性耐火材は、鉛直方向に上から800Paの圧力を加えた状態で600℃、30分の条件下で加熱した際に10倍以上の膨張倍率を発現でき、
    ISO加熱曲線による火災試験で加熱20分後にドアの非加熱側に火炎が噴出しない、ドア構造。
  2. 建物の開口部に固定される鉄製のドア枠体と、ドア枠体内に取り付けられるドア本体とを備え、ドア本体の表面及び内部構造体が鉄製であるドア構造であって、
    ドア本体は、ISO834加熱曲線による火災試験を実施した際に加熱前の位置から加熱中に30mm以上離れる構造であり、
    ドア枠体とドア本体が対向する位置におけるドア枠体の下枠を除く上枠及び2つの横枠の3つ、もしくは上枠、2つの横枠及び下枠の4つ全部、またはドア本体の下面を除く上面及び2つの側面の3つ、もしくは上面、2つの側面及び下面の4つ全部に、熱膨張性耐火材が取り付けられており、
    前記熱膨張性耐火材は、鉛直方向に上から800Paの圧力を加えた状態で600℃、30分の条件下で加熱した際に10倍以上の膨張倍率を発現でき、
    加熱後の熱膨張性耐火材の残渣硬さが0.1kgf/cm2以上である、ドア構造。
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