JP2003246571A - エレベータ用防火ドア構造 - Google Patents

エレベータ用防火ドア構造

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JP2003246571A
JP2003246571A JP2002044484A JP2002044484A JP2003246571A JP 2003246571 A JP2003246571 A JP 2003246571A JP 2002044484 A JP2002044484 A JP 2002044484A JP 2002044484 A JP2002044484 A JP 2002044484A JP 2003246571 A JP2003246571 A JP 2003246571A
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door
elevator
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opening
expansive
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Yoshitaka Nakatani
好孝 中谷
Masaki Tono
正樹 戸野
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好なドアの開閉性を維持しつつ、遮炎、遮煙
性能を向上させることが出来るエレベータ用防火扉を提
供する。 【解決手段】建物1内に設けられたエレベータシャフト
2と、エレベータホール5との間に設けられたドア開口
部6を開閉塞する両引き戸7を有し、ドア開口部6周縁
と、両引き戸7との間に、遮炎、遮煙用の膨張性耐火材
9,12,16等を介在させてなるエレベータ用防火ド
ア構造である。膨張性耐火材12等は、昇温によって膨
張して、前記開口部6周縁と、両引き戸7のドア部材本
体8,8との間を塞ぐように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐火性能の良好な
エレベータ用防火扉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅等、建物に使用されるエレベ
ータでは、建物の各階に通じるように縦方向に沿って形
成されたエレベータシャフト内に、乗員を収納して昇降
する昇降カゴが設けられている。
【0003】この昇降カゴの前面には、カゴ扉が設けら
れていると共に、建物側のこのカゴ扉に対応する位置に
は、エレベータホールとこのエレベータシャフト内空間
とを連通するドア開口部が形成されている。
【0004】そして、このドア開口部に設けられたドア
が、前記カゴ扉と共に開閉することにより、乗員が、こ
のドア開口部から前記昇降カゴ内に出入り出来る様に構
成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のエレ
ベータでは、火災時等の遮炎、遮煙性能を向上させるた
め、前記ドア開口部周縁と、エレベータホールのドアと
の間に耐火性を有するゴム製パッキンが介在されてい
る。
【0006】しかしながら、このようなゴム製パッキン
では、遮炎、遮煙性能をより向上させる為に、前記ドア
開口部周縁と、ドアとの間隙を塞ぐようにクリアランス
を小さく設定して用いると、開閉するドアに干渉して、
開閉性を低下させてしまう虞があった。
【0007】そこで、本発明は、このような従来の問題
点に着目してなされたものであり、良好なドアの開閉性
を維持しつつ、遮炎、遮煙性能を向上させることが出来
るエレベータ用防火扉を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、建物内に設けられたエレベ
ータシャフトと、エレベータホールとの間に設けられた
開口部を開閉塞するドア部材を有し、前記開口部周縁
と、該ドア部材との間に、耐火材を介在させてなるエレ
ベータ用防火ドア構造であって、前記耐火材は、昇温に
よって膨張して、前記開口部周縁と、該ドア部材との間
を塞ぐ膨張性耐火材であるエレベータ用防火ドア構造を
特徴としている。
【0009】このように構成された請求項1記載のもの
では、前記膨張性耐火材が、昇温によって膨張して、前
記開口部周縁と、該ドア部材との間が塞がれる。
【0010】このため、前記開口部周縁と、該ドア部材
との間から煙が漏れる虞が無いと共に、更に温度が上昇
しても該耐火材が溶融する虞がない。
【0011】従って、通常の状態では、該耐火材と、前
記開口部周縁或いは、該ドア部材との間に一定の隙間を
確保して干渉を防止しつつ、遮炎、遮煙性能を向上させ
ることが出来る。
【0012】また、請求項2に記載されたものでは、前
記ドア部材は、複数のドア部材から構成されていると共
に、前記耐火材を該各ドア部材間に設けた請求項1記載
のエレベータ用防火ドア構造を特徴としている。
【0013】このように構成された請求項2記載のもの
では、該各ドア部材間に設けられて、膨張性耐火材で構
成された前記耐火材が、昇温によって膨張して、各ドア
部材間が、該膨張した耐火材で塞がれる。
【0014】このため、各ドア部材との間から煙が漏れ
る虞が無いと共に、更に温度が上昇しても該耐火材が溶
融する虞がない。
【0015】更に、請求項3に記載されたものでは、前
記ドア部材の下縁部と、該下縁部をスライド自在に支持
する前記開口部の敷居部との間に、前記耐火材を介在さ
せた請求項1又は2記載のエレベータ用防火ドア構造を
特徴としている。
【0016】このように構成された請求項3記載のもの
では、前記ドア部材の下縁部と、敷居部との間に介在さ
れて、膨張性耐火材で構成された耐火材が、昇温によっ
て膨張して、各ドア部材間が、該膨張した耐火材で塞が
れる。
【0017】このため、各ドア部材の下縁部と、敷居部
との間から煙が漏れる虞が無いと共に、更に温度が上昇
しても該耐火材が溶融する虞がない。
【0018】従って、通常の状態では、該耐火材と、前
記敷居部或いは、該ドア部材との間に一定の隙間を確保
して干渉を防止しつつ、遮炎、遮煙性能を向上させるこ
とが出来る。
【0019】
【発明の実施の形態1】次に、本発明の実施の形態1を
図面を参照しながら説明する。
【0020】図1乃至図8は、本発明の実施の形態1の
エレベータ用防火ドア構造を示すものである。
【0021】まず、構成から説明すると、この実施の形
態1のエレベータ用防火ドア構造では、建物1内に設け
られて各階に通じるように縦方向に沿って形成されたエ
レベータシャフト2に、乗員を収納して昇降する昇降カ
ゴ3が設けられている。
【0022】この昇降カゴ3の前面には、カゴ扉4が設
けられていると共に、各階のカゴ扉4に対応する位置に
は、エレベータホール5とこのエレベータシャフト2内
空間とを連通するドア開口部6が形成されている。
【0023】また、このドア開口部6には、前記カゴ扉
4の開閉と連動して開閉するドア部材としての両引き戸
7が設けられている。
【0024】この両引き戸7は、主に、2枚のドア本体
8,8によって構成されて、前記ドア開口部6の開口面
延設方向に沿って、正面視で左,右にスライド移動可能
に設けられることにより、このドア本体8,8の突合端
面部8a,8aを近接,離反させるように構成されてい
る。
【0025】また、前記ドア開口部6周縁には、左,右
一対の縦枠部材9,9と、水平方向に延設されて、これ
らの縦枠部材9,9の上端部間を連結する上枠部材10
と、前記エレベータホール5の床部に連設されて、この
開口部6下縁に位置する敷居部11とが設けられてい
る。
【0026】このうち、前記上枠部材10のドア本体側
側面10aには、図2に示すように、前記ドア本体8と
この上枠部材10との間に介在する耐火材としての膨張
性耐火材12が、略全幅に渡り貼設されている。
【0027】また、左,右各縦枠部材9のドア本体側側
面9aには、図3に示すように、前記各ドア本体8とこ
の左,右縦枠部材9との間に介在する耐火材としての膨
張性耐火材13が、鉛直方向略全域に渡り貼設されてい
る。
【0028】更に、図4に示すように、前記敷居部11
には、前記ドア本体8の下端面8bに突設形成されたガ
イド片14を挿通してスライドガイドするガイド溝部1
5が形成されている。
【0029】そして、前記ドア本体8の下端面8bで、
このガイド片14の両側には、このドア本体8の下端面
8bと、前記敷居部11との間に介在する耐火材として
の膨張性耐火材16,16が、左右方向略全幅に渡り貼
設されている。
【0030】更に、この実施の形態1では、図5に示す
ように、前記ドア本体8,8の突合端面部8a,8a
に、断面凹状に形成された装着凹部8c内に、膨張性耐
火材17,17が貼設されると共に、表面が見えないよ
うに化粧板材18で覆われている。
【0031】これらの熱膨張性耐火材12,13,1
6,17は、加熱によって膨張して耐火断熱層を形成し
うるものであり、50kW/平方メートルの加熱条件下
で30分加熱した後の堆積膨張率が3〜30倍であるも
のならば、特に限定されないが、次のような熱可塑性樹
脂又はエポキシ樹脂に無機充填剤及び熱膨張性無機化合
物である層状無機物を配合した樹脂組成物からなるもの
が好ましい。
【0032】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹
脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン(ABS)系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
フェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ポリブテン、ポリイソブチレン、
天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1.2−
ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロ
ロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチ
ルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化
ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、多加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタン
ゴム等が挙げられる。
【0033】エポキシ樹脂としては、特に限定されない
が、基本的にはエポキシ基を持つモノマーと硬化剤とを
反応させて得られる樹脂である。
【0034】エポキシ基を持つモノマーとしては、例え
ば、2官能のグリシジルエーテル型として、ポリエチレ
ングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペ
ンチルグリコール型、1.6−ヘキサンジオール型、ト
リメチロールプロパン型、ポロピレンオキサイド−ビス
フェノールA、水添ビスフェノールA型等が挙げられ、
グリシジルエステル型として、ヘキサヒドロ無水フタル
酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p
−オキシ安息香酸型等が挙げられ、多官能のグリシジル
エーテル型として、フェノールノボラック型、オルトク
レゾール型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエ
ン.フェノール型等が挙げられる。
【0035】これらは、単独でも、2種以上混合して用
いてもよい。
【0036】また、硬化剤としは、重付加型として、ポ
リアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタ
ン等が、触媒型として、3級アミン、イミダゾール類、
ルイス酸錯体等が挙げられる。
【0037】これらエポキシ樹脂の硬化方法は、特に限
定されず、公知の方法により行うことが出来る。
【0038】エポキシ樹脂と熱膨張性無機化合物を含有
する樹脂組成物からなる熱膨張性耐火材は、膨張後の熱
膨張性耐火材が補強構造をとるようになるため、形状保
持性に優れており、材料の厚みを薄くすることが出来、
部材間に介在させるのに用いて好適である。
【0039】無機充填剤としては、特に限定されない
が、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化
鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、
塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイ
ドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏
繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モ
ンモリナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライ
ト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビ
ーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ
素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭
素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸
カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、
アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、
ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊
維、フライアッシュ、無機系リン化化合物等が挙げられ
る。
【0040】これらは、単独でも、2種以上を更に混合
してもよい。
【0041】そして、これらの中でも、特に、骨材的役
割を果たす炭酸カルシウム、炭酸亜鉛で代表される金属
炭酸塩、骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果も付与する
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムで代表される
含水無機物が好ましい。
【0042】また、無機系リン化合物は、難燃性を向上
させる為に用いられる。無機系リン化合物としては、特
に限定されず、例えば、赤リン;リン酸ナトリウム、リ
ン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;
ポリリン酸アンモニウム類等が挙げられる。
【0043】なかでも性能、安全性、コスト等の点にお
いて、ポリリン酸アンモニウム類が好ましい。
【0044】加熱時に膨張する熱膨張性無機化合物であ
る層状無機物としては、特に限定はないが、例えば、バ
ーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛が好
ましい。
【0045】熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質であ
り、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッ
シュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸
等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マン
ガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等
の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成
させたもので、炭素の層状構造を維持したままの結晶化
合物である。
【0046】上記のように酸処理して得られた熱膨張性
黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したもの
を使用するのが好ましい。
【0047】上記脂肪族低級アミンとしては、例えば、
モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が
挙げられる。
【0048】上記アルカリ金属化合物、アルカリ土類金
属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カ
ルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化
物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
【0049】熱膨張性亜鉛の粒度は、20〜200メッ
シュが好ましい。粒度が200メッシュより小さくなる
と、黒鉛の膨張度が小さく、充分な耐火断熱層が得られ
ず、また、粒度が20メッシュより大きくなると、黒鉛
の膨張度が大きいという利点はあるが、熱可塑性樹脂又
はエポキシ樹脂と混練する際に分散性が悪くなり、物性
の低下が避けられない。
【0050】上記中和された熱膨張性黒鉛の市販品とし
ては、例えば、UCAR CARBON社製の「GRA
FGUARD」、東ソー社製の「GREP−EG」等が
挙げられる。
【0051】また、樹脂組成物中の無機充填剤及び層状
無機物の配合量は、上記熱可塑性樹脂又はエポキシ樹脂
100重量部に対し、無機充填剤が50〜400重量部
であり、そのうち少なくとも加熱時に膨張する層状無機
物が20〜150重量部である。
【0052】無機充填剤の量が50重量部未満である
と、燃焼後の残体積量が減少するため、充分な耐火断熱
層が得られない。
【0053】また、可燃物の比率が増加するため、難燃
性が低下する。
【0054】一方、無機充填剤の量が400重量部を越
えると樹脂バインダーの配合比率が減少するため、粘着
力が不足する。
【0055】層状無機物の量が20重量部未満である
と、膨張倍率が不足し、充分な耐火、防火性能が得られ
ない。
【0056】一方、層状無機物の量が150重量部を越
えると、擬集力が不足するため、成型品としての強度が
得られない。
【0057】また、上記樹脂組成物には、その物性を損
なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン
系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、耐電
防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料等の添加
剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を添加するこ
とができる。
【0058】このような組成の樹脂組成物は、上記各成
分をバンバリーミキザー、ニーダーミキサー、二本ロー
ル等の公知の混練装置を用いて混練することにより、得
ることが出来る。
【0059】また、熱膨張性耐火材は、上記樹脂生成物
を用い、熱プレス成形、押出成形、カレンダー成形等の
従来公知の成形方法によりシート状等に成形することが
出来る。
【0060】更に、本実施の形態1の熱膨張性耐火材
は、塗料状にしても用いることが出来る。その際は、公
知の混練、撹拌装置を用いて混練、撹拌を行い、塗料状
にして、直接塗布するようにしている。
【0061】次に、この実施の形態1の作用について説
明する。
【0062】このように構成された実施の形態1のエレ
ベータ用防火ドア構造では、前記膨張性耐火材13,1
3が、昇温によって膨張して、図2中(b)及び図8中
(b)に示すように、前記開口部周縁6の縦枠部材9,
9と、ドア部材本体8,8との間が塞がれる。
【0063】また、前記上枠部材10とドア部材本体
8,8との間も熱膨張性耐火材12が、昇温によって膨
張して、図3中(b)に示すように、前記開口部周縁6
の縦枠部材9,9と、ドア部材本体8,8との間が塞が
れる。
【0064】更に、前記ドア部材本体8の下縁部8b
と、敷居部11との間に介在された膨張性耐火材16
が、昇温によって膨張して、図4中(b)で示すよう
に、各ドア部材本体8,8とこの敷居部11との間が、
この膨張した膨張性耐火材16,16で塞がれる。
【0065】そして、この実施の形態1では、更に、各
ドア部材本体8,8間に設けられた膨張性耐火材17,
17が、図5中(b)に示すように昇温によって膨張し
て、各ドア部材本体8,8間が、この膨張した膨張性耐
火材17で塞がれる。
【0066】このため、前記ドア開口部6周縁と、両開
き戸7との間は、略全周に渡り前記膨張性耐火材12,
13,16で閉塞されると共に、ドア部材本体8,8間
も、膨張性耐火材17で閉塞されてドア開口部6周縁と
ドア部材本体8,8との間隙から煙が漏れる虞が無いと
共に、更に温度が上昇しても、これらの膨張性耐火材1
2等が溶融する虞がない。
【0067】従って、通常の状態では、前記膨張性耐火
材17と、前記ドア開口部6周縁或いは、ドア部材本体
8,8との間に一定の隙間を確保して干渉を防止しつ
つ、遮炎、遮煙性能を向上させることが出来る。
【0068】また、この実施の形態1では、前記膨張性
耐火材13等が、左,右縦枠部材9,9のドア本体側側
面9aに設けられているので、前記昇降カゴ3の振動又
は、ドア部材本体8の開閉による振動を受けて脱落する
虞がない。
【0069】しかも、この実施の形態1では、前記ドア
本体8,8の突合端面部8a,8aに、断面凹状に形成
された装着凹部8c内に、膨張性耐火材17,17が貼
設されると共に、表面が見えないように化粧板材18で
覆われている。
【0070】このため、ドア部材本体8,8が開放され
た状態でも、前記膨張性耐火材17,17が、この化粧
板材18で覆われて見えず、外観品質が良好である。
【0071】
【試験結果】図6は、この実施の形態1の膨張性耐火材
を図7に示す配合で作成し、前記実施の形態1と略同様
に構成されたエレベータ用防火ドア構造に適用して試験
したもの示している。
【0072】ここで、実施例1,2では、図7に示す配
合物をテーブルコーターで2mm厚のシートに加工し
た。このシートを幅10mmにスリット加工し、前記実
施の形態1と略同様に構成されたエレベータ用防火ドア
構造の各部位にエポキシ性接着剤で接着した。
【0073】評価方法は、エレベータシャフト2側から
の加熱とエレベータホール5側からの加熱とをiSO8
34に準拠して耐火試験を行い1時間後の火災の貫通及
び煙の漏洩が無いものを合格としている。
【0074】比較の為に用いる比較例は、前記実施の形
態1と略同様に構成されたエレベータ用防火ドア構造の
各部位に何も処置を行わなかったもので試験を行ってい
る。
【0075】
【変形例1】図9は、この発明の実施の形態1の変形例
1を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一乃
至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0076】この変形例1では、ドア部材として片開き
ドア20がエレベータ用防火ドア構造に用いられたもの
を示している。
【0077】この片開きドア20では、前記ドア部材本
体8とドア部材本体21とが同じ方向にスライドして開
閉するように構成されている。
【0078】このうち、左縦枠部材9のドア本体側側面
9aに、前記各ドア本体8とこの左縦枠部材9との間に
介在する耐火材としての膨張性耐火材13が、鉛直方向
略全域に渡り貼設されている。
【0079】また、右縦枠部材9は、前記左縦枠部材9
に比して奥行き寸法が大きく設定されていると共に、ド
ア本体側側面19aに、前記各ドア本体8とこの右縦枠
部材19との間に介在する耐火材としての膨張性耐火材
13が、鉛直方向略全域に渡り貼設されている。
【0080】他の構成及び作用効果については、前記実
施の形態1と同一乃至均等であるので説明を省略する。
【0081】
【変形例2】図10は、この発明の実施の形態1の変形
例2を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一
乃至均等な部分については、同一符号を付して説明す
る。
【0082】この変形例2では、ドア部材として上下開
きドア30が、エレベータ用防火ドア構造に用いられた
ものを示している。
【0083】この上下開きドア30では、前記上,下ド
ア部材本体31,32が、各々上,下方向にスライドし
て開閉するように構成されている。
【0084】この上下開きドア30では、左,右縦枠部
材9,9のドア本体側側面9a,9aに、前記各上,下
ドア本体31,32とこの左,右縦枠部材9,9との間
に介在する耐火材としての膨張性耐火材13,13が、
鉛直方向略全域に渡り貼設されている。
【0085】他の構成及び作用効果については、前記実
施の形態1と同一乃至均等であるので説明を省略する。
【0086】
【変形例3】図11は、この発明の実施の形態1の変形
例3を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一
乃至均等な部分については、同一符号を付して説明す
る。
【0087】この変形例3では、ドア部材として上げド
ア40が、エレベータ用防火ドア構造に用いられたもの
を示している。
【0088】この上げドア40では、上ドア部材本体4
1が、上下方向にスライドして、開口部を開閉するよう
に構成されている。
【0089】この上げドア40では、左,右縦枠部材
9,9のドア本体側側面9a,9aに、前記上げドア部
材本体41とこの左,右縦枠部材9,9との間に介在す
る耐火材としての膨張性耐火材13,13が、鉛直方向
略全域に渡り貼設されている。
【0090】他の構成及び作用効果については、前記実
施の形態1と同一乃至均等であるので説明を省略する。
【0091】以上、図面を参照して、本発明の実施の形
態1及び各変形例1〜3を詳述してきたが、具体的な構
成はこれらの実施の形態1及び各変形例1〜3に限ら
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっ
てもこの発明に含まれる。
【0092】例えば、前記実施の形態1の実施例1,2
では、膨張性耐火材13等の固定方法として、エレベー
タ用防火ドア構造の各部位にエポキシ性接着剤を用いて
接着するものを示して説明してきたが、特にこれに限ら
ず、例えば、両面テープ等を用いて接着しても良く、ま
た、塗料状にして塗布してもよい。
【0093】更に、前記実施の形態1では、前記膨張性
耐火材13等が、左,右縦枠部材9,9のドア本体側側
面9aに設けられているが、特にこれに限らず、例えば
ドア本体8,8に貼設されている等、前記ドア開口部6
周縁と、ドア部材本体8,8との間に介在されていれば
よい。
【0094】
【発明の効果】以上、上述してきた様に、請求項1に記
載のものでは、前記膨張性耐火材が、昇温によって膨張
して、前記開口部周縁と、該ドア部材との間が塞がれ
る。
【0095】このため、前記開口部周縁と、該ドア部材
との間から煙が漏れる虞が無いと共に、更に温度が上昇
しても該耐火材が溶融する虞がない。
【0096】従って、通常の状態では、該耐火材と、前
記開口部周縁或いは、該ドア部材との間に一定の隙間を
確保して干渉を防止しつつ、遮炎、遮煙性能を向上させ
ることが出来る。
【0097】また、請求項2に記載されたものでは、該
各ドア部材間に設けられて、膨張性耐火材で構成された
前記耐火材が、昇温によって膨張して、各ドア部材間
が、該膨張した耐火材で塞がれる。
【0098】このため、各ドア部材との間から煙が漏れ
る虞が無いと共に、更に温度が上昇しても該耐火材が溶
融する虞がない。
【0099】更に、請求項3に記載されたものでは、前
記ドア部材の下縁部と、敷居部との間に介在されて、膨
張性耐火材で構成された耐火材が、昇温によって膨張し
て、各ドア部材間が、該膨張した耐火材で塞がれる。
【0100】このため、各ドア部材の下縁部と、敷居部
との間から煙が漏れる虞が無いと共に、更に温度が上昇
しても該耐火材が溶融する虞がない。
【0101】従って、通常の状態では、該耐火材と、前
記敷居部或いは、該ドア部材との間に一定の隙間を確保
して干渉を防止しつつ、遮炎、遮煙性能を向上させるこ
とが出来る、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のエレベータ用防火ドア
構造で、全体の構成を説明する斜視図である。
【図2】実施の形態1のエレベータ用防火ドア構造で、
(a)は通常状態、(b)は昇温状態での図1中A−A
線に沿った位置での断面図である。
【図3】実施の形態1のエレベータ用防火ドア構造で、
(a)は通常状態、(b)は昇温状態での図1中B−B
線に沿った位置での断面図である。
【図4】実施の形態1のエレベータ用防火ドア構造で、
(a)は通常状態、(b)は昇温状態での図1中C−C
線に沿った位置での断面図である。
【図5】実施の形態1のエレベータ用防火ドア構造で、
(a)は通常状態、(b)は昇温状態での図1中D−D
線に沿った位置での断面図である。
【図6】実施の形態1のエレベータ用防火ドア構造で、
試験結果を表す表図である。
【図7】実施の形態1のエレベータ用防火ドア構造で、
試験に用いる膨張性耐火材の成分を示す表図である。
【図8】実施の形態1のエレベータ用防火ドア構造で、
(a)は通常状態、(b)は昇温状態での水平断面図で
ある。
【図9】変形例1のエレベータ用防火ドア構造で、片開
きドアの正面図である。
【図10】変形例2のエレベータ用防火ドア構造で、上
下開きドアの正面図である。
【図11】変形例3のエレベータ用防火ドア構造で、上
げドアの正面図である。
【符号の説明】
2 エレベータシャフト 5 エレベータホール 6 ドア開口部(開口部)
ドア部材 7 両引き戸 20 片開き戸 30 上下開きドア 40 上げドア 8,21,41 ドア部材本体 31,32 上,下ドア部材本体 12,13,16,17 膨張性耐火材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建物内に設けられたエレベータシャフト
    と、エレベータホールとの間に設けられた開口部を開閉
    塞するドア部材を有し、前記開口部周縁と、該ドア部材
    との間に、耐火材を介在させてなるエレベータ用防火ド
    ア構造であって、 前記耐火材は、昇温によって膨張して、前記開口部周縁
    と、該ドア部材との間を塞ぐ膨張性耐火材であることを
    特徴とするエレベータ用防火ドア構造。
  2. 【請求項2】前記ドア部材は、複数のドア部材から構成
    されていると共に、前記耐火材を該各ドア部材間に設け
    たことを特徴とする請求項1記載のエレベータ用防火ド
    ア構造。
  3. 【請求項3】前記ドア部材の下縁部と、該下縁部をスラ
    イド自在に支持する前記開口部の敷居部との間に、前記
    耐火材を介在させたことを特徴とする請求項1又は2記
    載のエレベータ用防火ドア構造。
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