JP2006161435A - 鉄骨被覆構造 - Google Patents

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和廣 岡田
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Abstract

【課題】従来の耐火被覆材より厚みが薄くても耐火性を発現し、施工性に優れた簡便な構造の鉄骨被覆構造を提供すること。
【解決手段】
建築構造材用鉄骨と、
厚みが10〜50μmのアルミニウム箔および単位面積当たりの重量が30〜250g/mの無機繊維クロスを備えた積層シートならびに耐火材料からなる鉄骨用被覆材と、
を備えた構造であって、
前記鉄骨用被覆材が、前記建築構造材用鉄骨を覆う様に設けられ、
かつ前記アルミニウム箔が、前記構造の最表面に位置する様に設けられたことを特徴とする鉄骨被覆構造。
【選択図】図3

Description

本発明は、耐火性および施工性に優れた鉄骨被覆構造に関する。
建築物の高層化等にともない、建築物の構造材をなす梁、柱等としては軽量な鉄骨が用いられるようになっている。鉄骨自体は火災による炎等にさらされた場合、座屈等を起こし一定形状を保つことができなくなる。このことから建築物の構造材として用いられる鉄骨には、建設省告示第2999号やJIS A 1304により耐火性能基準が定められており、その基準を満たすために、鉄骨の表面を耐火性に優れた材料で被覆する構造が一般的に採用されている。
前記構造として、石膏ボード、熱膨張性耐火材および金属箔を備えた鉄骨被覆構造が提案されている(特許文献1)。
また、前記材料として、熱膨張性耐火材および金属板を備えた鉄骨被覆構造も提案されている(特許文献2)。
そしてこれらの鉄骨被覆構造においては、耐火性を発現する目的のために、石膏ボードや金属板等が必須の構成要件とされている。
一方、上記石膏ボードや金属板を使用しない鉄骨被覆構造として、水や水蒸気の遮断等を目的としてアルミニウム箔、無機クロスおよびロックウールを備えた鉄骨被覆構造も提案されている(特許文献3)。
特開2002−70207号公報 特開平10−131340号公報 特開平10−152913号公報
上記の通り、鉄骨被覆構造として前記石膏ボードや前記金属板等の遮蔽板を使用すれば火災による炎等を有効に遮断することはできる。
しかしながら、これらの石膏ボードや金属板等は重量が大きいことや、施工現場において形状を自由に変形することが容易ではないこと、二種類の材料を使用すること等の理由によりその施工に時間が掛かることから、その施工性の向上が望まれていた。
一方、前記石膏ボードや前記金属板等の遮蔽板を使用しない、前記アルミニウム箔や無機繊維クロス等を備えた鉄骨被覆構造においては、火災発生時にはいずれ前記アルミニウム箔や無機繊維クロス等が溶融脱落してしまうことが上記特許文献3に開示されている。
また特許文献1には、アルミニウム箔とガラスクロスとを積層させたアルミガラスクロスを熱膨張性材料に貼着した鉄骨被覆構造が開示されている。しかしながら、アルミニウム箔の厚みが薄い場合、あるいはガラスクロスの単位面積当たりの重量が小さい場合には、火災時にアルミニウム箔が溶融脱落することがあった。
従来耐火被覆材として用いられるアルミニウム箔は、その熱反射効果により耐火性能上有利に働くが、溶融して脱落してしまうとその効果を発揮できなくなるため、耐火材料の厚みを厚くしなければならないという問題があった。
本発明の目的は、従来の耐火被覆材より厚みが薄くても耐火性を発現し、施工性に優れた簡便な構造の鉄骨被覆構造を提供することにある。
本発明者は前記課題を解決するため、通常、火災による炎等を遮断するには不十分と考えられていた、融点660℃のアルミニウムからなるアルミニウム箔の熱反射効率を十二分に活用することができないかどうかを検討した。
そして鋭意検討を重ねた結果、特定の厚みの前記アルミニウム箔と単位面積当たり特定の重量の無機クロスとを備えた鉄骨被覆構造が、火災による炎等にさらされた場合であっても、前記アルミニウム箔が融け落ちることなくその形状を保ち、有効に火災による炎等を遮断できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]建築構造材用鉄骨と、
厚みが10〜50μmのアルミニウム箔および単位面積当たりの重量が30〜250g/mの無機繊維クロスを備えた積層シートならびに耐火材料からなる鉄骨用被覆材と、
を備えた構造であって、
前記鉄骨用被覆材が、前記建築構造材用鉄骨を覆う様に設けられ、
かつ前記アルミニウム箔が、前記構造の最表面に位置する様に設けられたことを特徴とする鉄骨被覆構造を提供するものであり、
[2]前記耐火材料が、熱膨張性材料であることを特徴とする上記[1]に記載の鉄骨被覆構造を提供するものであり、
[3]前記鉄骨用被覆材同士の継ぎ目部分が、前記鉄骨用被覆材同士を重ね合わせてなることを特徴とする、上記[1]または[2]のいずれかに記載の鉄骨被覆構造を提供するものである。
本発明によれば、従来の耐火被覆材より厚みが薄くても耐火性を発現し、施工性に優れた簡便な構造の鉄骨被覆構造を提供することができる。
まず、本発明に使用する積層シートについて説明する。
前記積層シートは、厚みが10〜50μmのアルミニウム箔および単位面積当たりの重量が30〜250g/mの無機繊維クロスを備えることが必要である。
前記アルミニウム箔の厚さが10μm未満の場合には、得られた鉄骨被覆構造が火災の炎等にさらされた場合に、前記無機繊維クロスに保持されなくなり脱落する。
また、前記アルミニウム箔の厚さが50μmを超える場合には、前記アルミニウム箔の重量が大きくなり、本発明の鉄骨被覆構造を施工する作業性が低下すると共に、前記無機繊維クロスとの積層が困難となる。
また、本発明に使用する前記無機繊維クロスとしては、例えば、ガラスクロス、シリカクロス、炭素繊維クロス等が挙げられる。
前記無機繊維クロスの単位面積当たりの重量が50g/m未満の場合には、本発明の鉄骨被覆構造が火災の炎等にさらされた場合に、前記アルミニウム箔が前記無機繊維クロスに保持されなくなり脱落する。
また、前記無機繊維クロスの単位面積当たりの重量が250g/mを超える場合には、本発明の鉄骨被覆構造を施工する作業性が低下すると共に、前記アルミニウム箔との積層が困難となる。
本発明に使用する前記無機繊維クロスは、前記ガラスクロスが入手の容易性、価格等の面から好ましい。
前記ガラスクロスの種類、形状としては、例えば、JIS R3414に規定したもの等を使用することができる。
前記無機繊維クロスは一種もしくは二種以上を組み合わせて使用することができる。
前記積層シートは、前記アルミニウム箔および前記無機繊維クロスを備えるものである
が、通常は、前記アルミニウム箔と前記無機繊維クロスとが積層されて一体となったものを使用することができる。
前記アルミニウム箔と前記無機繊維クロスとを積層する方法としては、例えば、前記アルミニウム箔と前記無機繊維クロスとを接着剤により接着する方法、前記アルミニウム箔と前記無機繊維クロスとを、熱可塑性樹脂フィルムにより加熱溶融接着する方法等を挙げることができる。
前記接着剤としては、例えば、酢酸ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、アクリルエマルジョン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、ゴム系接着剤等を挙げることができる。
前記熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール、スチレン−ブタジエン共重合体等からなるフィルム等を挙げることができる。
次に本発明に使用する耐火材料について説明する。
本発明に使用する耐火材料としては、例えば、ロックウールフェルト、ガラスウールフェルト、セラミックフェルト等の無機フェルト材料、熱膨張性材料等を挙げることができる。
前記熱膨張性材料としては、例えば、加熱によって膨張し、耐火断熱層を形成し得るものであれば特に限定はないが、50kW/mの加熱条件下で30分加熱した後の体積膨張率が3〜100倍であるものであれば好ましい。
前記熱膨張性材料としては、具体的には、例えば、熱可塑性樹脂および/またはゴム物質、またはエポキシ樹脂に無機充填剤及び熱膨張性無機化合物である層状無機物を配合した樹脂組成物からなるもの等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂および/またはゴム物質としては、特に限定はなく、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブテン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等を使用することができる。これらの熱可塑性樹脂および/またはゴム物質は、単独で用いても、二種以上の樹脂をブレンドしたものをベース樹脂として用いてもよい。
前記熱可塑性樹脂および/またはゴム物質は、更に、本発明における前記鉄骨被覆材の耐火性能を阻害しない範囲で、架橋や変性が施されていてもよい。架橋方法については、特に限定されず、熱可塑性樹脂またはゴム物質について通常行われている架橋方法、例えば、各種架橋材、過酸化物等を使用する架橋方法、電子線照射による架橋方法等が挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、基本的にはエポキシ基を持つモノマーと硬化剤を反応させて得られる樹脂である。
前記エポキシ基をもつモノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテル型として、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール
型、1,6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロパン型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールA型等が挙げられ、グリシジルエステル型として、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等が挙げられ、多官能のグリシジルエーテル型として、フェノールノボラック型、オルトクレゾール型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン・フェノール型等が挙げられる。これらは単独でも、2種類以上混合して用いてもよい。
また、硬化剤としては、重付加型として、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が、触媒型として、3級アミン、イミダゾール類、ルイス酸錯体等が挙げられる。これらエポキシ樹脂の硬化方法は、特に限定されず、公知の方法により行うことができる。
前記エポキシ樹脂と熱膨張性無機化合物を含有する樹脂組成物からなる熱膨張性材料は、膨張後の熱膨張性耐火材が補強構造をとるようになるため、形状保持性に優れており、材料の厚みを薄くすることができ、好適に用いることができる。
前記熱膨張性材料に使用する無機充填剤としては、特に限定されず、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、無機系リン化合物等が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上をさらに混合して用いてもよい。
これらの中でも、特に、骨材的役割を果たす炭酸カルシウム、炭酸亜鉛で代表される金属炭酸塩、骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果も付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムで代表される含水無機物が好ましい。
また、前記無機系リン化合物は、難燃性を向上させるために好適に用いられ、無機系リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類等が挙げられる。なかでも性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
加熱時に膨張する熱膨張性無機化合物である層状無機物としては、特に限定はないが、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等が挙げられる。これらの中でも、発泡開始温度が低いことから熱膨張性黒鉛が好ましい。
前記熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたもので、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好ましい。
上記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
前記熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュの範囲のものが好ましい。粒度が200メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、十分な耐火断熱層が得られず、また、粒度が20メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、熱可塑性樹脂またはエポキシ樹脂と混練する際に分散性が悪くなり、物性の低下が避けられない。
前記中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、UCAR CARBON
社製「GRAFGUARD」、東ソー株式会社製「GREP−EG」等が挙げられる。
前記樹脂組成物中の無機充填剤及び層状無機物の配合量は、前記熱可塑性樹脂またはエポキシ樹脂100重量部に対し、無機充填剤が50〜400重量部の範囲であり、そのうち少なくとも加熱時に膨張する層状無機物が20〜150重量部の範囲である。
前記無機充填剤の量が50重量部未満であると、燃焼後の残渣量が減少するため、十分な耐火断熱層が得られない。また、可燃物の比率が増加するため、難燃性が低下する。一方、無機充填剤の量が400重量部を超えると、樹脂バインダーの配合比率が減少するため、粘着力が不足する。
前記層状無機物の量が20重量部未満であると、膨張倍率が不足し、十分な耐火、防火性能が得られない。一方、層状無機物の量が150重量部を超えると、凝集力が不足するため、成形品としての強度が得られない。
また、前記樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤等を添加することができる。
本発明に使用する前記樹脂組成物は、上記各成分をバンバリーミキサー、ニーダーミキサー、二本ロール等の公知の混練装置を用いて混練することにより、得ることができる。熱膨張性耐火材は、上記樹脂組成物を用い、熱プレス成形、押出成形、カレンダー成形等の従来公知の成形方法によりシート状等に成形することができる。また、本発明の耐火性材は、塗料状としても用いることができ、その際は公知の混練、攪拌装置を用いて、混練、攪拌を行い、塗料状にして用いることができる。
本発明で用いる熱膨張性材料は、この材料に50kW/mの熱量を30分間照射したときの体積膨張倍率が、3〜100倍である。体積膨張倍率が3倍未満では、耐火性能が不十分であり、100倍を超えると加熱により膨張して形成された耐火断熱層の強度が低下し、崩れやすくなる。
このような熱膨張性材料としては、例えば、住友スリ―エム社のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーキュライトを含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料社のメジヒカット(ポリウ
レタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)等の熱膨張性シート等も挙げられる。また従来公知の耐火塗料を塗布あるいは成形により得られたシートを用いてもよい。
前記熱膨張性シートの厚みは、通常0.1〜4mmの範囲である。前記熱膨張性シートの厚みが0.1mm未満であると熱膨張によって十分な厚みの耐熱断熱層が形成されないため、耐火性能が不十分となり、4mmを超えると重量が重くなると共に、燃焼時に形成される耐火断熱層の厚みが必要以上に厚くなり過ぎて過剰品質となる。
次に本発明に使用する前記鉄骨用被覆材について説明する。
前記鉄骨用被覆材は、前記積層シートならびに前記耐火材料からなるものである。かかる前記積層シートは少なくとも片面に、前記耐火材料を備えたものである。
前記積層シートと前記耐火材料とは必要に応じて接着することができる。この場合の接着方法としては、例えば、先に説明した接着剤を用いる方法、熱可塑性樹脂フィルムを用いる方法等に加えて、水ガラス等に無機材料等を分散させた耐熱接着剤を用いる方法、溶融した耐火材料を前記積層シートにカレンダーロール等を用いて積層する方法、塗料形態のものを塗布する方法等を挙げることができる。
耐火材料が熱膨張性材料からなる場合には、前記鉄骨用被覆材は、溶融した熱膨張性材料を前記積層シートにカレンダーロール等を用いて積層する方法が、生産性等の面から好ましい。
次に本発明に使用する建築構造材用鉄骨について説明する。
前記鉄骨としては特に限定されず、例えば、H型、I型、C型(ボックス型)等の鋼材からなる鉄骨等が挙げられる。前記鉄骨は通常建築構造用材料として用いられているものであれば特に制限なく使用することができる。
前記鉄骨用被覆材を前記鉄骨に固定する手段としては、例えば、溶接ピン、セルフドリリングビス、タッピンネジ等を用いることができる。また前記鉄骨が梁の場合は、床材に前記固定手段やタッカー、釘等を用いてもよい。
前記鉄骨用被覆材は、前記鉄骨に一重に被覆されても、二重以上の多重に被覆されても良い。
次に、本発明に係る鉄骨被覆構造の一実施態様を図面に基づきに説明する。
図1は、本発明に係る鉄骨被覆構造の要部断面図を例示したものである。
前記鉄骨被覆構造においては、建築構造材用鉄骨1の周りに前記鉄骨用被覆材2が前記建築構造材用鉄骨1を覆う様に設けられている。
前記鉄骨用被覆材2は、溶接ピン7により、前記建築構造材用鉄骨1に固定されている。
図2は、本発明に使用する前記鉄骨用被覆材2を例示した拡大要部断面図である。
図2に示す通り、前記鉄骨用被覆材2は、熱膨張性材料3と前記積層シート4とを備えるものである。前記積層シート4は、前記アルミニウム箔5および無機繊維クロス6が接着剤または熱可塑性樹脂フィルムにより貼着されている(図示せず。)。
前記アルミニウム箔5は、前記鉄骨被覆構造の最表面の位置に設けられている。
図3は、本発明に係る鉄骨被覆構造の要部斜視図を例示したものである。
図3においては、前記鉄骨用被覆材2同士の継ぎ目部分(目地部分)が、前記鉄骨用被覆材2同士を重ね合わせて設けられている(図3の9参照)。前記目地部分は前記鉄骨用被覆材2同士を突き付けて設けることもできるが、確実な耐火性を確保する上で、図3に
例示される重ね合わせ部分を設けることが好ましい。前記重ね合わせ部分の幅は、5〜50mmの範囲が好ましい。
以下、実施例により本発明の実施態様をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
・参考例1
熱膨張性材料の作製
表1に示した配合量のブチルゴム(エクソンモービル化学社製「ブチル#065」)、ポリブテン(新日本石油化学社製「ポリブテンHV−100」)、水添石油樹脂(出光石油化学社製「アイマーブP−125」)、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製「EXOLIT AP422」)、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカ
ットGREP−EG」)、水酸化アルミニウム(アルコア化成社製「B325」)および炭酸カルシウム(備北粉化工業社製「BF300」)を、ニーダーを用いて溶融混練した後、得られた樹脂組成物をカレンダー成形により、両面に表1に示した積層シートを積層させながら、所定厚みの鉄骨用被覆材を作製した。
また表1に示したエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「エピコートE807」)、硬化剤(ジャパンエポキシレジン社製「エピキュアFL052」)と各種充填剤を遊星式攪拌機にて混練した後、ロールコーターにて両面に積層シートを積層させてシート化し、90℃1時間の条件にて加熱し、所定厚みの鉄骨用被覆材を得た。
表1に示した配合により作製した鉄骨用被覆材を、図1に示す様に、厚み50mmのケイ酸カルシウム板面に設置したH鋼梁(サイズ400mm×200mm×8mm×13mm、長さ1200mm)の周囲を図1に示した様に被覆した。また鉄骨用被覆材の継ぎ目部は、図3に示す様に10mm重ね合わせて被覆した。
ISO834の試験方法に準拠して耐火1時間の耐火性能試験を行い、前記H鋼梁表面の最高温度を測定し、載荷加熱試験における合否判定の基準である550℃以下の場合を○、550℃を超える場合を×とした。同様に表1に示した配合に従い、実施例2〜3および比較例1〜3を実施した。
[実施例4]
実施例1と同じ積層シートを用い、市販のロックウールフェルト(厚さ25mm)の片面に、積層シートを、アクリル系接着剤を用いて積層させた。実施例1の場合と同様に耐火性能評価を実施したところ、耐火性能は○であった。
[実施例5]
実施例1において、鉄骨用被覆材の継ぎ目部を突きつけにより実施した他は、実施例1と同様の耐火性能評価試験を実施した。鉄骨用被覆材の継ぎ目部を重ね合わせた場合よりも30℃H鋼梁表面の温度は上昇したが、耐火性能は○であった。
Figure 2006161435
本発明に係る鉄骨被覆構造の要部断面図である。 本発明に使用する前記鉄骨用被覆材を例示した拡大要部断面図である。 本発明に係る鉄骨被覆構造の要部斜視図である。
符号の説明
1 建築構造材用鉄骨
2 鉄骨用被覆材
3 熱膨張性材料
4 積層シート
5 アルミニウム箔
6 無機繊維クロス
7 溶接ピン
8 ケイ酸カルシウム板
9 鉄骨用被覆材同士の重なり部

Claims (3)

  1. 建築構造材用鉄骨と、
    厚みが10〜50μmのアルミニウム箔および単位面積当たりの重量が30〜250g/mの無機繊維クロスを備えた積層シートならびに耐火材料からなる鉄骨用被覆材と、
    を備えた構造であって、
    前記鉄骨用被覆材が、前記建築構造材用鉄骨を覆う様に設けられ、
    かつ前記アルミニウム箔が、前記構造の最表面に位置する様に設けられたことを特徴とする鉄骨被覆構造。
  2. 前記耐火材料が、熱膨張性材料であることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨被覆構造。
  3. 前記鉄骨用被覆材同士の継ぎ目部分が、前記鉄骨用被覆材同士を重ね合わせてなることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の鉄骨被覆構造。
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