JP7319763B2 - 耐火構造 - Google Patents
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Description
(1)概略
図1、図2及び図3は、本実施形態の耐火構造1として外壁構造2を示す。外壁構造2は、化粧材10と耐火材20と下地材30と断熱材40及び支持材50を備える。化粧材10と耐火材20と下地材30と断熱材40及び支持材50は、この順で前後方向に並んでいる。すなわち、断熱材40及び支持材50の前方に下地材30が配置されている。また下地材30の前方に耐火材20が配置されている。さらに耐火材20の前方に化粧材10が配置されている。本明細書において、前記前後方向は外壁構造2の厚み方向であって、屋内外方向と同じである。また前記前後方向と直交する方向で略水平な方向を左右方向とし、前記前後方向と直交する方向で略鉛直な方向を上下方向とする。
化粧材10は耐火構造1の外装材であって、化粧材10によって耐火構造1が化粧される。外壁構造2の場合、化粧材10は外壁材であって、例えば、窯業系サイディングである。窯業系サイディングは、セメントを含む水硬性材料の硬化物である。化粧材10は、略平板状に形成されるが、その表面に凹凸模様や塗膜を備えて意匠性を有している。化粧材10の厚みは、例えば、10mm以上30mm以下に形成されるが、これに限定されるものではない。化粧材10の形状も任意であるが、例えば、正面視(前方から見た場合)で矩形板状に形成される。化粧材10は実を有している。化粧材10の上端部には実凹部101が設けられている。化粧材10の下端部には実凸部102が設けられている。上下に隣接して施工される化粧材10は実凹部101と実凸部102とが嵌合することにより接続される。なお、化粧材10としては、金属板を成形して得られる金属系サイディング材であってもよい。
耐火材20は耐火構造1の耐火性を向上させる。耐火材20は火災の熱で発泡して、火災前の初期状態よりも体積を増加させる。ここで、耐火性とは、熱が前後方向に伝わるのを抑制することを意味する。
下地材30は不燃性であり、また平板状で、耐火材20よりも硬質に形成される。下地材30は複数の下地部材35で形成される。下地部材35としては、例えば、正面視で矩形状で、石膏ボード及び珪酸カルシウム板などが使用される。下地部材35の厚みは、例えば、5mm以上30mm以下にすることができ、好ましくは9mm以上21mm以下にすることができるが、これに限定されない。下地部材35は、建築基準法第68条の26第1項の規定に基づき、同法第2条第九号及び同法施行令第108条の2(不燃材料)の規定に適合するものであることについて、国土交通大臣の認定を受けているものが好ましい。
断熱材40は耐火構造1の断熱性を向上させる。すなわち。耐火構造1を前後方向で通過する熱量を低減するためのものである。ここで、断熱性とは熱の出入りを低減する性能のことを意味する。
図2に示すように、支持材50は、化粧材10及び下地材30が取り付けられて、これらを支持する。支持材50は上下方向に長い部材であって、例えば柱及び間柱などとして形成される。支持材50は金属製であって、例えば、C形鋼(リップ付き溝形鋼)を使用することができる。この他に、支持材50としては、各種の断面形状の形鋼が使用でき、例えば、溝形鋼、H形鋼、ハット形鋼などが挙げられる。
耐火構造1として形成される外壁構造2は以下のように構成される。
図10に示す本実施形態の耐火構造1は、支持材50に充填材54を設けたものであり、その他の構成は実施形態1と同様である。
上記では、実施形態1及び2では、耐火材20が下地材30の前面に沿って設けられていたが、図11に示す実施形態3では耐火材20が化粧材10の後面に沿って設けられている。この場合、実施形態1及び2に比べて、耐火材20は化粧材10に近いため、化粧材10の前方から加熱されやすくなり、屋外での火災に早期に膨張して耐火性を向上させることができる。厚肉部21は上下に隣接する化粧材10の隣接部分11に対応して設けることができる。また左右に隣接する化粧材10の隣接部分11に対応して厚肉部21を設けてもよい。このようにすると、隣接する化粧材10の隣接部分11に生じる隙間に対応して厚肉部21を配置することができ、隙間からの火炎の侵入が低減されて耐火性を向上させることができる。また実施形態3では、耐火材20と下地材30の間に通気層85が形成されることになり、通気層85が発泡空間88となる。したがって、耐火材20は火災発生時に、後方の発泡空間88に向かって膨張する。
図13に示す本実施形態では、耐火材20は、下地材30と化粧材10との間の前後方向における中間位置に設けられている。耐火材20は桟材87に取り付けられる。すなわち、支持材50に対応する位置において、下地材30の前面に複数の胴縁87が設けられており、この胴縁87に耐火材20が固定されている。このようにすると、耐火材20は火災発生時に前後方向に膨張しやすくなる。すなわち、耐火材20の前方と後方の両方に通気層85が形成されることになり、いずれの通気層85も発泡空間88となりうる。したがって、耐火材20は火災発生時に、前方の発泡空間88と、後方の発泡空間88のいずれにも膨張しやすくなる。
(1)耐火構造について
上記では、本実施形態の耐火構造1として外壁構造を説明したが、これに限られない。耐火構造1は、例えば、内壁構造、屋根構造、天井構造などに適用可能である。内壁構造の場合、化粧材10は合板などの内壁材となる。屋根構造の場合、化粧材10は屋根材となる。天井構造の場合、化粧材10は天井板となる。
そして、シート付き下地部材36を使用した場合は、下地部材35とシート部材27とを一度の作業で同時に施工することができ、施工性が向上する。また下地部材35とシート部材27とを別々に梱包、搬送する必要がなく、作業性が向上する。
上記では、耐火材20は複数のシート部材27で形成されているが、一枚のシート部材27で耐火材20が形成されていてもよい。
支持材は、上下方向に長い縦胴縁であってもよいし、左右方向に長い横胴縁であってもよい。
上記では、複数の下地部材35で下地材30を形成したが、これに限らず、一つの下地部材35で下地材30を形成してもよい。
第1の態様に係る耐火構造(1)は、化粧材(10)と、耐火材(20)と、下地材(30)と、断熱材(40)と、がこの順に配置される。
10 化粧材
20 耐火材
21 厚肉部
22 マーク部
27 シート部材
30 下地材
35 下地部材
40 断熱材
50 支持材
54 充填材
88 発泡空間
Claims (6)
- 化粧材と、耐火材と、下地材と、断熱材と、がこの順に配置され、
複数の支持材が、前記下地材の前記化粧材側とは反対側に、左右方向に並べて配置され、
前記下地材は、複数の下地部材が上下に隣接して配置されて構成されており、
前記耐火材における上下に隣接する下地部材同士の境目に対応する部分が、前記耐火材における上下に隣接する下地部材同士の境目に対応する部分以外の部分よりも耐火性が高く、
前記耐火材における上下に隣接する下地部材同士の境目に対応する部分が、前記耐火材における上下に隣接する下地部材同士の境目に対応する部分以外の部分よりも厚みが大きい厚肉部であり、
前記耐火材は、複数のシート部材で構成されており、
正面視において、前記各シート部材は前記下地部材よりも大きく形成されており、
前記複数のシート部材は各端部を重ねて施工可能であり、
前記厚肉部は、前記複数のシート部材が重なって形成される
耐火構造。 - 請求項1において、
複数の前記断熱材の各々が隣り合う前記支持材の間に配置され、
前記耐火材が発泡性を有し、
前記化粧材と前記下地材との間に発泡空間が形成されている
耐火構造。 - 請求項1または2において、
前記各支持材は、中空部を有し、
前記中空部には充填材が配置される
耐火構造。 - 請求項3において、
前記充填材は前記断熱材を延長して形成される
耐火構造。 - 請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記断熱材は、繊維系断熱材であって、その密度が10kg/m3以上32kg/m3以下である
耐火構造。 - 請求項1ないし5のいずれか1項において、
前記シート部材は、前記下地部材の境目の位置の目安となるマーク部を有する
耐火構造。
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