JP2020101044A - 外壁材及び外壁材の接続構造 - Google Patents

外壁材及び外壁材の接続構造 Download PDF

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Abstract

【課題】外壁材の接続部分における耐火性能の持続性が向上する外壁材及び外壁材の接続構造を提供する。【解決手段】隣接して配置されている複数の外壁材1を備える。複数の外壁材1のうちの一つの外壁材101が接続部11を有する。他の一つの外壁材102が接続受け部12を有する。接続部11と接続受け部12とが外壁材1の厚み方向で対向して配置している。接続部11と接続受け部12との隙間2に、水に溶出せず、かつ、加熱膨張可能な耐火部材3を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、外壁材及び外壁材の接続構造に関する。詳細には、耐火部材を備えた外壁材及び外壁材の接続構造に関する。
特許文献1には、建築用板が記載されている。この建築用板は、金属製主体と、雄型連結部と、雌型連結部とを備えている。雄型連結部と雌型連結部のそれぞれに舌片が設けられている。また雄型連結部の舌片又は雌型連結部の舌片にホットメルト接着剤が設けられている。そして、複数の建築用板を並設することにより、建物の外壁等が形成されるが、隣接する建築用板は雄型連結部と雌型連結部とが連結されて接続される。ここで、連結された雄型連結部と雌型連結部とは、雄型連結部の舌片と雌型連結部の舌片とが重なり合うが、重なり合った舌片の間にはホットメルト接着剤が位置する。したがって、このホットメルト接着剤が止水材となって、隣接する建築用板の接続部分の防水性を向上することができる。
隣接する建築用板の接続部分では、防水性の他に、耐火性を向上させたいという要請もある。そこで、特許文献1に記載された建築用板では、ホットメルト接着剤に硼酸ソーダやリン酸アンモニウムなどの成分を含有させている。この場合、建築用板が高温に曝されると、ホットメルト接着剤が無機質発泡層を形成することになり、接続部分での耐火性が向上する。
実公昭61−27412号公報
特許文献1では、止水材として作用するホットメルト接着剤に、硼酸ソーダやリン酸アンモニウムなどの成分を含有させているため、これらの成分が雨水に曝されやすいが、硼酸ソーダやリン酸アンモニウムなどの成分は水に溶解しやすい。このため、火災の発生前の使用で、ホットメルト接着剤から硼酸ソーダやリン酸アンモニウムなどの成分が雨水で溶出し、火災発生時には無機質発泡層を形成することができない場合があった。
本発明は、上記事由に鑑みてなされており、外壁材の接続部分における耐火性能の持続性が向上する外壁材及び外壁材の接続構造を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る外壁材の接続構造は、隣接して配置されている複数の外壁材を備えている。前記複数の外壁材のうちの一つの外壁材が接続部を有している。他の一つの外壁材が接続受け部を有している。前記接続部と前記接続受け部とが前記外壁材の厚み方向で対向して配置している。前記接続部と前記接続受け部との隙間に、水に溶出せず、かつ、加熱膨張可能な耐火部材を備えている。
本発明の一態様に係る外壁材は、接続部と接続受け部とを有する外壁材である。前記外壁材の接続部と、前記外壁材と隣接する他の外壁材の接続受け部とが、前記外壁材の厚み方向で対向して配置されるように構成されている。前記接続部と前記接続受け部との少なくとも一方の対向面に、水に溶出せず、かつ、加熱膨張可能な耐火部材を備えている。
本発明によれば、加熱膨張可能な耐火部材を備えているため、火災発生時などの加熱により接続部と接続受け部との隙間が、膨張した耐火部材で塞がれやすくなって、火炎などが隙間を通過しにくくなり、しかも、耐火部材は水に曝されても溶出しないので、火災発生前の使用で耐火部材が溶出することが少なくなり、外壁材の接続部分における耐火性能の持続性が向上する。
図1Aは、本発明の一実施形態に係る外壁材を示す後方から見た斜視図である。図1Bは、同上の前方から見た斜視図である。 図2は、同上の外壁材の施工状態を示す正面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る外壁材の接続構造を示す断面図である。 図4は、同上の一部を拡大した断面図である。 図5は、同上の一部を拡大した断面図である。 図6は、同上の変形例を示す拡大した断面図である。 図7Aは、本発明の他の一実施形態に係る外壁材を示す後方から見た斜視図である。図7Bは、同上の前方から見た斜視図である。 図8は、本発明の他の一実施形態に係る外壁材の接続構造を示す断面図である。
(実施形態1)
実施形態1は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
図1A及び図1Bに実施形態1の外壁材1を示す。外壁材1は、その複数を上下方向に隣接して接続することにより外壁を形成する。なお、各図において、上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ矢印で示す。前後方向は外壁材1の厚み方向である。
外壁材1は接続部11と接続受け部12とを有している。外壁材1はセメント硬化物を主成分とする窯業系サイディングである。外壁材1は、正面視(前後方向から見て)で矩形状に形成されている。
外壁材1は、平面視で矩形状の主体部13と、主体部13の下端に形成された接続受け部12と、主体部13の上端に形成された接続部11とを有する。主体部13は外壁材1全体の大部分を占める部分であり、平板状に形成されている。主体部13の表面には凹凸模様が形成されていてもよいし、化粧塗膜が設けられていてもよい。
接続部11は主体部13の下端から下方に突出している。接続部11は主体部13の左右方向の全長にわたって設けられている。また接続部11の厚み寸法(前後方向の寸法)は、主体部13の厚み寸法よりも薄く形成されており、主体部13の前後方向の真ん中よりも前側寄りに設けられている。
接続部11の後方において、主体部13の下面には溝部55が設けられている。溝部55は主体部13の左右方向の全長にわたって形成されている。溝部55は下端の開口から上方に向かって徐々に前後方向の寸法が小さくなるような逆V字状の溝である。
接続受け部12は主体部13の上端から上方に突出している。接続受け部12は主体部13の左右方向の全長にわたって設けられている。なお、本実施形態において「全長」とは、厳密な意味での全長ではなく、多少短くても長くてもよく、「ほぼ全長」を含む概念である。また接続受け部12の厚み寸法は、主体部13の厚み寸法よりも薄く形成されており、主体部13の前後方向の真ん中よりも後側寄りに設けられている。
接続受け部12の前方において、主体部13の上面は載置面16として形成されている。載置面16は接続受け部12の下端から前方に向かって突出する面であって、平坦に形成されている。載置面16は主体部13の左右方向の全長にわたって形成されている。
外壁材1は耐火部材3を備えている。耐火部材3は耐水性を有している。すなわち、耐火部材3は雨水などの水により溶出しないものである。ここで、水により溶出しないとは、水と接触しても、耐火部材3が無くなりにくいことをいう。すなわち、耐火部材3が水と接触しても、耐火部材3の構成成分が溶出しにくく、発泡等の性能が損なわれにくいことをいう。言い換えると、耐火部材3は、水と接触して多少構成成分が溶出しても、形状や性能がほぼ当初のままで変化しにくいことをいう。
また耐火部材3は、加熱膨張可能である。すなわち、耐火部材3は、火災などにより加熱されると発泡し、この発泡により内部に多数の空隙を形成しながら体積を増加させる。膨張後の耐火部材(膨張残渣)3aは火炎に対して燃えにくくてその形状を保持し、更に、内部の気泡により断熱性を有する。したがって、膨張後の耐火部材3aが隙間で膨張すると、隙間が狭くなり、火炎、煙及び熱が隙間を通過しにくくなる。
このような耐火部材3は、例えば、熱膨張性耐火樹脂組成物で形成される。熱膨張性耐火樹脂組成物は、樹脂成分100重量部に対して、熱膨張性黒鉛5〜200重量部、ホウ素含有化合物20〜200重量部、アンチモン含有化合物10〜70重量部、加硫剤0.1〜10重量部を含有しており、リン化合物(リン酸アンモニウム等)を実質的に含有していない。リン化合物は水分に溶けやすく、耐火部材3に含まれている場合、耐火部材3が水と接触すると、その形状及び性能が損なわれやすい。そこで、本実施形態における耐火部材3はリン化合物を実質的に含有していない。熱膨張性耐火樹脂組成物は、その物性を損なわない範囲で、必要に応じて、リン化合物以外の熱安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤、架橋促進剤等を含有していてもよい。
樹脂成分は、EPDM、ポリブテンおよびポリブタジエンからなる群より選ばれる少なくとも一つからなる。熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸等の強酸化剤とにより処理してグラファイト層間化合物を生成させたものである。ホウ素含有化合物は、例えば、ホウ酸などのホウ素化合物、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等のホウ素含有塩等が挙げられる。加硫剤は、硫黄およびテトラメチルチウラムジスルフィド等が使用可能である。アンチモン含有化合物は、例えば、酸化アンチモン等が挙げられ、酸化アンチモンとしては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。
耐火部材3は熱膨張性耐火樹脂組成物の成形品を使用するのが好ましい。例えば、耐火部材3は熱膨張性耐火樹脂組成物を押出成形等でシート状、板状、フィルム状に形成された成形品である。耐火部材3は通常時(加熱により膨張する前)は0.5〜3mm程度の厚みを有するが、火災などにより200℃以上に加熱されると、厚みが通常時の10〜30倍程度に膨張する。このような耐火部材3としては、積水化学工業株式会社製のフィブロック(登録商標)などが使用可能である。
耐火部材3は、外壁材1の接続受け部12の前面に設けられている。この前面は外壁材1を施工した場合に屋外を向く面であることが好ましい。これにより、屋外からの火災に対して耐火性の高い外壁を形成しやすい。耐火部材3は接続受け部12の左右方向の全長にわたって設けるのが好ましい。これにより、外壁材1の左右方向の全長にわたって、耐火性を向上させることができる。
外壁材1は、更に、止水材4を備えている。止水材4は外壁材1を施工したときに、接続部11と接続受け部12との隙間2を雨水などの水が通過するのを抑制する部材である。止水材4は熱可塑性樹脂組成物の固化物又は硬化物である。熱可塑性樹脂組成物はホットメルト接着剤のような組成を有するものであり、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレンなどのポリオレフィン、合成ゴム、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンなどを主成分とする組成物である。この組成物は、80〜150℃程度の熱で軟化し、所望の形状に成形しやすい。
止水材4は断面が半円状などの所望の断面形状に形成されている。また止水材4は耐火部材3の前面(接続受け部12側と反対側に向く面、すなわち耐火部材3の屋外側の面)の下部(上下方向の真ん中よりも下方の部分)から下端面に沿うように設けられている。また止水材4は外壁材1の左右方向の全長にわたって設けられている。これにより、外壁材1の左右方向の全長にわたって、止水性を向上させることができる。
図2に、外壁材1の施工状態を示す。外壁材1は複数を上下方向及び左右方向に並べて施工される。上下方向に隣接する外壁材1は接続部11と接続受け部12とが接続される。すなわち、上下方向に隣接する複数(二枚)の外壁材1のうち、上側の外壁材101の接続部11と、下側の外壁材102の接続受け部12とが接続される。左右方向に隣接する外壁材1は、例えば、右端部と左端部とを突き付けて施工することができる。
外壁材1は壁下地6の前面(屋外面)に取り付けて施工される。壁下地6としては、柱、間柱、などを例示することができるが、これに限られず、合板や石膏ボードで形成される平板状の壁下地であってもよい。外壁材1は壁下地6に固定した留め具7で施工することができる。留め具7は金属製の部材であって、壁下地6にビスや釘などの固定具71(図3参照)で固定される固定部72と、固定部72の下端から前方に向かって突出する支持部73と、支持部73の前端から斜め上方に向かって突出する上向き片74と、支持部73の前端から下方に向かって突出する下向き片75と、固定部72の左右方向の両端から前方に向かって突出する接触部76とを備えている。
複数の外壁材1は上記留め具7を使用して下から上へと施工される。すなわち、まず、一枚の外壁材1を壁下地6の前方(屋外側)に配置する。次に、留め具7の下向き片75を接続受け部12に引っ掛けるとともに、この留め具7の固定部72を壁下地6に固定する。このとき下向き片75は耐火部材3の前面に接触している。また留め具7の接触部76の前面が接続受け部12の後面(屋内側を向く面)に接触している。すなわち、接続受け部12及び耐火部材3(の左右方向の一部)が下向き片75と接触部76とで挟まれている。また止水材4は下向き片75の直ぐ下に位置している。このようにして外壁材1の左右方向の両端部の上端を留め具7で壁下地6に固定する。
次に、留め具7で取り付けた外壁材1を下側の外壁材102とし、この外壁材102とは別の外壁材1を上側の外壁材101として施工する。すなわち、下側の外壁材102を固定する留め具7に上方から上側の外壁材101を近づけ、外壁材101の溝部55に上向き片74を挿入して引っ掛けるとともに、外壁材101の下端面である接続部11の下端面15を下側の外壁材102の載置面16に載せる。更に、留め具7の接触部76を外壁材101の後面の下部に接触させる。このようにして外壁材101の左右方向の両端部の下端を留め具7で壁下地6に固定する。
上記のようにして上下方向に隣接する外壁材101、102を施工すると、上側の外壁材101の下端と下側の外壁材102の上端とが相じゃくりで接続される。すなわち、上側の外壁材101の接続部11の後方に下側の外壁材102の接続受け部12が位置する状態で接続される。したがって、図4に示すように、上側の外壁材101の接続部11の後面51と、下側の外壁材102の接続受け部12の前面52とが前後方向で対向して配置され、この後面51と前面52とで一対の対向面5が形成される。後面51と前面52の間には隙間2が形成される。隙間2の前後方向の寸法は下向き片75の厚みとほぼ同等である。隙間2は火災発生時などに耐火部材3が膨張するための空間となる。
上記隙間2には、下側の外壁材102の接続受け部12に設けた止水材4及び耐火部材3が位置している。この止水材4の前面が後面51に接触している。したがって、接続部11の下端面15と載置面16との間から隙間2の下部に浸入した雨水などの水が隙間2を通って外壁材1の後側(屋内側)へと上下方向に通過するのを止水材4で低減することができ、外壁の防水性が向上する。
本実施形態における外壁材1の接続構造では、接続部11の後面51と接続受け部12の前面52との間の隙間2に耐火部材3を備えているため、火災時などの熱で耐火部材3が発泡して膨張する(主に厚み方向に膨張する)が、図5に示すように、膨張した耐火部材3aの前面が接続部11の後面51に接触することになる。したがって、隙間2は膨張した耐火部材3aで塞がれやすくなって、火炎、煙及び熱が隙間2を上下方向に通過しにくくなる。よって、接続部11の下端面15と載置面16との間から隙間2の下部に、火炎、煙及び熱が侵入しても、外壁材1の後側(屋内側)へと侵入するのを膨張した耐火部材3で低減することができ、外壁の耐火性が向上する。
また火災時などの熱で止水材4が加熱されると、止水材4が燃焼して発熱する。したがって、火災などによる加熱に加えて、止水材4からの発熱により耐火部材3がより近くで加熱されることになり、耐火部材3の加熱による発泡が促進される。よって、火災発生時などに迅速に耐火部材3の膨張が起こって、外壁材の裏側への熱の侵入が低減しやすくなる。
なお、外壁に形成される一部の隙間2に耐火部材3が設けられるだけでなく、外壁に形成される全部の隙間2に耐火部材3を設けるのが好ましく、この場合、外壁全体の耐火性を向上させることができる。
(変形例)
上記では、外壁材1が窯業系サイディングである場合について説明したが、材質は特に限定されず、木製、金属製、プラスチック製などであってもよい。
上記では、横張り用の外壁材1について説明したが、これに限られず、外壁材1は縦張り用であってもよい。この場合、接続部11は左右方向の一方の端部(右端又は左端)に設けられ、接続受け部12は接続部11とは反対の他方の端部に設けられる。
上記では、接続部11と接続受け部12とが相じゃくりで接続されていたが、これに限らず、接続部11と接続受け部12と実はぎなどの他の構造で接続されていてもよい。
上記では、止水材4及び耐火部材3を接続受け部12の前面52に設けたが、これに限らず、止水材4及び耐火部材3を接続部11の後面51に設けてもよい。すなわち、止水材4及び耐火部材3の一対の対向面5のいずれに設けてもよい。
例えば、図6では、接続受け部12に設けた耐火部材3の他に、別の耐火部材35を隙間2に設けている。この耐火部材35は耐火部材3と比べて、上下方向の寸法が小さいが、その他の構成は耐火部材3と同様である。耐火部材35は、例えば、接続部11の後面51に接続部11の左右方向の全長にわたって設けられている。また耐火部材3と耐火部材35とが対向しないように配置され、例えば、耐火部材35は耐火部材3よりも下方に位置している。このように複数の耐火部材3、35を隙間2に設けることで、火災発生時などに膨張した耐火部材で塞がれる体積が多くなって、外壁の耐火性が向上する。
(実施形態2)
本実施形態に係る外壁材1Xは、耐火部材3Xの構成が実施形態1に係る耐火部材3と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。実施形態2で説明した構成は、実施形態1で説明した構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
図7A及び図7Bのように外壁材1Xは、上記と同様に、平面視で矩形状の主体部13と、主体部13の下端に形成された接続受け部12と、主体部13の上端に形成された接続部11とを有する。また接続受け部12の前面52には耐火部材3Xが左右方向の全長にわたって設けられている。耐火部材3Xは、火災などの加熱で膨張可能な膨張部31と、前記膨張部31への雨水などの水の接触を抑制する防水部32とを備えている。
膨張部31は上記耐火部材3と同様に、火災などの加熱で膨張可能である。すなわち、膨張部31は、火災などにより加熱されると発泡し、この発泡により内部に多数の空隙を形成しながら体積を増加させる。膨張後の膨張部(膨張残渣)は火炎に対して燃えにくくてその形状を保持し、更に、内部の気泡により断熱性を有する。したがって、膨張後の膨張部が隙間で膨張すると、隙間2が狭くなり、火炎、煙及び熱が隙間2を通過しにくくなる。
膨張部31は上記耐火部材3と同様に、熱膨張性耐火樹脂組成物のシート状等の成形品で形成することができる。ただし、上記耐火部材3は耐水性を有するものであったが、膨張部31は上記耐火部材3よりも耐水性が低いものであってもよい。すなわち、膨張部31は防水部32で水の接触を抑制されているため、膨張部31の構成成分が雨水などの水で溶出することが低減されている。したがって、膨張部31は上記耐火部材3に比べて多少耐水性が低くてもよく、例えば、リン酸アンモニウム等のリン化合物を含有していてもよい。
膨張部31は、具体的には、合成樹脂、多価アルコール、及び難燃性発泡剤などを含有するものが好ましい。合成樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン/酢ビ樹脂、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル共重合樹脂、酢酸ビニル/ポリオレフィン樹脂、酢酸ビニル/バーサチック酸/アクリル樹脂、酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、アクリル/スチレン共重合樹脂、ポリブタジエン樹脂等を挙げることができる。なお、ポリオレフィンとしてはポリエチレン等が挙げられる。多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール等が例示される。難燃性発泡剤としては、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アルミニウム、ポリリン酸マグネシウムリン酸塩等のリン酸塩が好適に用いられるが、スルファミン酸塩(スルファミンアンモニウム等)、ホウ酸塩(ホウ酸アンモニウム等)等を例示することができる。
膨張部31における合成樹脂、多価アルコール、難燃性発泡剤の含有比率は、合成樹脂100質量部に対して、多価アルコールが10質量部以上50質量部以下、難燃性発泡剤が50質量部以上200質量部以下であることが好ましい。なお、膨張部31の構成成分以外の性状、形状及び物性は上記耐火部材3と同様である。
防水部32は膨張部31への雨水などの水の接触を低減するものである。したがって、膨張部31はそのほぼ全体が防水部32で覆われている。また防水部32は雨水などの水では溶出しない耐水性を有するものである。防水部32は、例えば、上記止水材4と同様に形成することができる。すなわち、防水部32は熱可塑性樹脂組成物の固化物又は硬化物であり、ホットメルト接着剤のような組成を有するものであり、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレンなどのポリオレフィン、合成ゴム、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンなどを主成分とする組成物である。防水部32は断面が半円状などの所望の断面形状に形成されている。また防水部32は接続受け部12の前面52において、外壁材1Xの左右方向の全長にわたって設けられている。そして、防水部32の内部に膨張部31が位置している状態である。
このように形成される外壁材1Xは、上記外壁材1と同様にして施工される。そして、図8に示すような接続構造が形成される。すなわち、留め具7の下向き片75を下側の外壁材102の接続受け部12に引っ掛けるとともに、この留め具7の固定部72が壁下地6に固定される。このとき下向き片75は接続受け部12の前面52に接触している。また留め具7の接触部76の前面が接続受け部12の後面に接触し、接続受け部12が下向き片75と接触部76とで挟まれている。また耐火部材3Xが下向き片75の直ぐ下に位置している。このようにして外壁材1の左右方向の両端部の上端を留め具7で壁下地6に固定する。また上側の外壁材101の溝部55に上向き片74を挿入して引っ掛けるとともに、外壁材101の下端面である接続部11の下端面15を下側の外壁材102の載置面16に載せる。更に、留め具7の接触部76を外壁材101の後面の下部に接触させる。
上記のようにして上下方向に隣接する外壁材101、102を施工すると、上側の外壁材101の下端と下側の外壁材102の上端とが相じゃくりで接続される。したがって、図8に示すように、上側の外壁材101の接続部11の後面51と、下側の外壁材102の前面52とが前後方向で対向して配置され、この後面51と前面52とで一対の対向面5が形成される。後面51と前面52の間には隙間2が形成される。隙間2の前後方向の寸法は下向き片75の厚みとほぼ同等である。隙間2は膨張部31が火災発生時などに膨張するための空間である。
上記隙間2には、下側の外壁材102の接続受け部12に設けた耐火部材3Xが位置している。この耐火部材3Xの防水部32の前面が後面51に接触している。したがって、防水部32が上記止水材4と同様に作用し、接続部11の下端面15と載置面16との間から隙間2の下部に浸入した雨水などの水が隙間2を通って外壁材1の後側(屋内側)へと上下方向に通過するのを防水部32で低減することができ、外壁の防水性が向上する。
また接続部11の後面51と接続受け部12の前面52との間の隙間2に耐火部材3Xを備えているため、火災時などの熱で膨張部31が発泡して膨張する(主に厚み方向に膨張する)が、図5に示す場合と同様に、膨張した膨張部31の前面が接続部11の後面51に接触することになる。したがって、隙間2は膨張した膨張部31で塞がれやすくなって、火炎、煙及び熱が隙間2を上下方向に通過しにくくなる。よって、接続部11の下端面15と載置面16との間から隙間2の下部に、火炎、煙及び熱が侵入しても、外壁材1の後側(屋内側)へと侵入するのを膨張した膨張部31で低減することができ、外壁の耐火性が向上する。
また火災時などの熱で防水部32が加熱されると、止水材4の場合と同様に、防水部32が燃焼して発熱する。したがって、火災などによる加熱に加えて、防水部32からの発熱により膨張部31がより近くで加熱されることになり、膨張部31の加熱による発泡が促進される。よって、火災発生時などに迅速に膨張部31の膨張が起こって、外壁材の裏側への熱の侵入が低減しやすくなる。
実施形態2では、防水部32により膨張部31への雨水などの水の接触が抑制されているため、膨張部31が水分に溶出しやすい成分を含んでいたとしても使用可能となり、実施形態1の耐水性の耐火部材3よりも、使用可能な材料が多くなる。
なお、実施形態2においても、外壁に形成される一部の隙間2に耐火部材3が設けられるだけでなく、外壁に形成される全部の隙間2に耐火部材3を設けるのが好ましく、この場合、外壁全体の耐火性を向上させることができる。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る外壁材(1、1X)の接続構造では、隣接して配置されている複数の外壁材(1、1X)を備える。複数の外壁材(1、1X)のうちの一つの外壁材(101)が接続部(11)を有する。他の一つの外壁材(102)が接続受け部(12)を有する。接続部(11)と接続受け部(12)とが外壁材(1、1X)の厚み方向で対向して配置している。接続部(11)と接続受け部(12)との隙間(2)に、水に溶出せず、かつ、加熱膨張可能な耐火部材(3、3X)を備えている。
この態様によれば、加熱膨張可能な耐火部材(3、3X)を備えているため、火災発生時などに接続部(11)と接続受け部(12)との隙間(2)が、膨張した耐火部材(3、3X)で塞がれやすくなって、火炎などが隙間(2)を通過しにくくなり、しかも、耐火部材(3、3X)は水に曝されても溶出しないので、火災発生前の使用で耐火部材(3、3X)が溶出することが少なくなり、外壁材(1)の接続部分における耐火性能の持続性が向上する。
第2の態様に係る外壁材(1、1X)の接続構造では、第1の態様において、隙間(2)に止水材(4)をさらに備えている。
この態様によれば、止水材4により水が隙間(2)を通って屋内に浸入しにくくなり、耐火部材(3)が膨張するために隙間(2)を設けても、その隙間(2)を通じて水が浸入しにくくなり、防水性が向上する。
第3の態様に係る外壁材(1、1X)の接続構造は、第1の態様において、耐火部材(3X)は、加熱膨張可能な膨張部(31)と、膨張部(31)への水の接触を抑制する防水部(32)とを備えている。
この態様によれば、防水部(32)で膨張部(31)に接触する水を少なくすることができ、水に膨張部(31)が溶出しにくくすることができて耐火持続性が損なわれにくい、という利点がある。
第4の態様に係る外壁材(1、1X)の接続構造は、第3の態様において、防水部(32)が加熱時に発熱する。
この態様によれば、防水部(32)による発熱を膨張部(31)の膨張するための熱として利用することができ、膨張部(31)の熱による早期の膨張を促進することができる、という利点がある。
第5の態様に係る外壁材(1、1X)は、接続部(11)と接続受け部(12)とを有する。外壁材(101)の接続部(11)と、外壁材(101)と隣接する他の外壁材(102)の接続受け部(12)とが、外壁材(1、1X)の厚み方向で対向して配置されるように構成される。接続部(11)と接続受け部(12)との少なくとも一方の対向面(5)に、水に溶出せず、加熱膨張可能な耐火部材(3、3X)を備えている。
この態様によれば、加熱膨張可能な耐火部材(3、3X)を備えているため、火災発生時などに接続部(11)と接続受け部(12)との隙間(2)が、膨張した耐火部材(3、3X)で塞がれやすくなって、火炎などが隙間(2)を通過しにくくなり、また耐火部材(3、3X)は水に曝されても溶出しないので、火災発生前の使用で耐火部材(3、3X)が溶出することが少なくなり、外壁材の接続部分における耐火性能の持続性が向上する。
1 外壁材
1X 外壁材
101 外壁材
102 外壁材
11 接続部
12 接続受け部
2 隙間
3 耐火部材
3X 耐火部材
31 膨張部
32 防水部
4 止水材
5 対向面

Claims (5)

  1. 隣接して配置されている複数の外壁材を備え、前記複数の外壁材のうちの一つの外壁材が接続部を有し、他の一つの外壁材が接続受け部を有し、前記接続部と前記接続受け部とが前記外壁材の厚み方向で対向して配置している外壁材の接続構造において、
    前記接続部と前記接続受け部との隙間に、水に溶出せず、かつ、加熱膨張可能な耐火部材を備えている、
    外壁材の接続構造。
  2. 前記隙間に止水材をさらに備えている、
    請求項1に記載の外壁材の接続構造。
  3. 前記耐火部材は、加熱膨張可能な膨張部と、前記膨張部への水の接触を抑制する防水部とを備えている、
    請求項1に記載の外壁材の接続構造。
  4. 前記防水部が加熱時に発熱する、
    請求項3に記載の外壁材の接続構造。
  5. 接続部と接続受け部とを有する外壁材であって、
    前記外壁材の接続部と、前記外壁材と隣接する他の外壁材の接続受け部とが、前記外壁材の厚み方向で対向して配置されるように構成され、
    前記接続部と前記接続受け部との少なくとも一方の対向面に、水に溶出せず、かつ、加熱膨張可能な耐火部材を備えている、
    外壁材。
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