本発明は、既知の円形織機の適用性を広げ、とりわけ、製作可能である織地構造およびパターン、ならびに、可変の形状を有する芯糸の起伏のある製織の多様性を高めることができる、中空形状織地を製作するための、円形織機および工程を提供する課題に基づいている。
問題を解決するために、本発明による円形織機は、経糸コイル装置が可動であるように設計されることによって、経糸コイル装置の走行軌道は、縦糸ボビンと共に円形無限軌道に囲まれる製織面を通して走行することが考えられる。
1つまたは複数のシャットルは、これらの横糸ボビンと共に、例えば、機械的にまたは電磁気的に形成されてよい円形無限軌道に沿って移動することで、芯糸を中心にして、シャットルの同心の搬送または案内のための搬送または案内ラインが定められる。
シャットル(複数可)は、経路に沿って能動的に移動可能であることで、経路は案内軌道として形成される、または、シャットル(複数可)は、経路に沿って受動的に搬送可能であることで、経路は搬送軌道を含む。
経糸コイル装置また縦糸ボビンを通過するために使用可能である製織面は、シャットルを搬送または案内するための幾何学的に定められた円形無限軌道によって半径方向に基本的に限定され、さらに、シャットルにおける横糸の進路によって定められる。
円形無限軌道に沿って回転するシャットルにおける横糸の偏向のない進路の場合、製織面は、円形無限軌道に囲まれ、かつ横糸が作動する円板状になる。
円形無限軌道は好ましくは、芯糸の織軸に対して半径方向に(織軸に垂直に)配置され、これによって、円形織機は特に細く設計される。
しかしながら、織機のある特定の適用性について、円形無限軌道を(織軸に対して90度以外の角度で)ある程度半径方向に配置することが有利である場合がある。それゆえに、このように形成される製織面は、(織軸に対して90度以外の角度で)織軸に垂直におよびある程度半径方向に配向させることができる。
場合によって、シャットルにおける横糸は、円形無限軌道内で偏らせることができる。この場合、横糸の進路によって定められる円形無限軌道に囲まれる製織面は、平坦な円板形状から外れる。そして、製織面は、緯糸の偏向に従って偏る。
縦糸ボビンを有する経糸コイル装置は、好ましくは、製織面の直近に、とりわけ、製織面の横に位置して、経糸コイル装置および縦糸ボビンを、短距離でほとんど労力なく製織面を通して前後に繰り返し移動させることができるようにするのに対し、シャットルの通過は、経糸コイル装置および/または縦糸ボビンの転回位置によって保証される。
縦糸は、縦糸ボビンの位置を変更することによって交互に相対する方向に広げることができることで縦糸開口が生じるようにすることによって、縦糸は縦糸開口を通過する横糸によって波状になり、経路に沿って運搬されるシャットルの横糸ボビンから引き抜かれる。
経糸ボビンが位置を変更する順序および動作周期に応じて、多種多様の製織パターンを生じさせることができる。
経路に囲まれる製織面を通して経糸コイル装置または経糸ボビンを直接横方向に移動させることによって、縦糸は、シャットルの送り軌道または案内軌道を接触せずに横断することができる。シャットルの送り軌道または案内軌道は、横切る縦糸がなく、糸案内のためのいずれの凹部も必要としない。遮ることのない同種の搬送または案内軌道の結果、シャットルは、横糸の高張力を維持しながら、非常に迅速に低振動レベルで循環することができる。
縦糸は、短い経路を介して、できるだけ偏らずに、製織点に直接送り込まれ、この箇所において、縦糸は芯糸の表面上で横糸と共に織られ(波状になり)、これによって、縦糸の糸摩損が大幅に低減され、高い糸張力が可能になる。
縦糸を横方向に広げることは、製織面に対する縦糸ボビンを可変的に位置決めすることに影響される可能性があり、シャットルの貫通経路をもたらすことによって、製織面に対する縦糸の角度が可能な限り平坦になり(製織角度)、それによって、縦糸の糸張力は、縦糸ボビンが位置を変更する時、大部分が一定のままになるように、さらに最適化可能である。
本発明による円形織機の幾何学的設計は、とりわけ、経糸コイル装置または経糸ボビンの位置決め軌道に対してシャットルを搬送または案内するための円形無限軌道の直径を大きくすることを可能にすることによって、製織面に対する縦糸案内の非常に小さい角度(製織角度)は、結果的に、糸張力におけるとりわけ顕著な均質性を保証するように実現可能である。
その結果、高い製織品質を有する密に織られた織地は、横糸および縦糸の高い糸張力下での非常に速い循環速度で糸を破損させずに製作可能である。
また、本発明による円形織機の動作は、より効率的になる。
高い緯糸および経糸の張力の実現可能性により、本発明による円形織機は、密に織られる糸を変化する芯糸の輪郭に対する輪郭に忠実に置くことができるため、とりわけ、軸方向伸長における可変の断面形状を有する芯糸に適している。固定され静止した織地による起伏のある芯糸を織るために、芯糸は、この回転軸方向(芯糸軸)に、または円形織機の合同な織軸に沿って移動させることで、芯糸の完全な輪郭を移動させることができる。縦糸が、芯糸の表面上で横糸と共に織られる製織点は、芯糸の縦軸に沿って移動する。
横糸および縦糸の慎重な案内により、異なる繊維厚のさまざまな撚り糸、リボン、または繊維材料は、過敏な炭素繊維などの横糸または縦糸として、また幅広い平坦なリボンまたは他の紡織ストランドとして使用可能である。使用される経糸ボビンおよび緯糸ボビンはまた、異なる繊維厚の異なる撚り糸、テープ、または繊維材料を備えることができる。
最後になるが、本発明による円形織機は、繊維複合製品へのさらなる加工のために、例えば、繊維複合材料からできた車輪リムに対する織物プリフォームの製作のために、繊維からの中空形状織地プリフォームの製作に適している。
円形織機のコンパクトな同心設計は、両側での製織面および芯糸への幅広いアクセスをもたらし、それによって、芯糸は、ハンドリングロボットなどの機械的手段によって両側から円形織機内に挿入または除去可能になる。同心設計によって提供される自由空間によって、とりわけ大きい直径を有する芯糸を使用することが可能になる。
本発明による織機の有利な実施形態では、いくつかの円形無限軌道(搬送用軌道および/または案内軌道)は使用可能であり、この軌道のそれぞれに沿って、1つまたは複数のシャットルは搬送または案内され、該軌道のそれぞれは、縦糸ボビンが交互にかつ反復して通過する製織面を備える。組み合わせられた円形無限軌道は、異なる方向および回転周期を有するいくつかのシャットル、異なる糸、テープまたは繊維材料の並列動作を可能にすることで、多数の異なる横糸を同時に加工できるようにし、さらなる多種多様の可能な製織パターンおよび織地特性をもたらす。
シャットルを搬送または案内するための円形無限軌道(搬送用軌道または案内軌道)は、好ましくは、互いに並列に配置可能であるが、異なる方向での整列も可能である。とりわけ、半径方向に配向された製織面、およびある程度半径方向に配向された製織面両方は、織軸に対して組み合わせ可能である。
歪みを有するおよび有さない追加の製織面は、偏向を統合した円形無限軌道の組み合わせが提供される場合、組み合わせ可能である。
円形織機の追加の有利な実施形態に基づいて、シャットル(複数可)を案内するための円形無限軌道は環状案内軌道(案内軌道)によって形成され、この軌道においてまたはこの上で、少なくとも1つのシャットルが案内される。
この場合、シャットル(単数または複数)は、円形無限軌道を画定してこれに沿ってシャットル(複数可)が循環するようにする環状案内軌道(案内軌道)においてまたはこの上で、転動要素または摺動要素によって作動し、経糸コイル装置または縦糸ボビンは、シャットルが、環状案内軌道の内部によって半径方向に囲まれ、かつ、環状案内軌道内の横糸の進路によって形成される製織面を通過する前または後に、製織面を通って移動する。
この実施形態では、経糸は、案内軌道の経路、またはシャットルの通路に決して影響を与えることなく、製織面の両側で経糸コイル装置または縦糸ボビンの位置を変更することによって交互に分離される。
縦糸ボビンは好ましくは、製織面のこの半径方向伸長を限定する環状案内軌道の半径方向内側境界近くで製織面を横断することができる。
案内軌道は、例えば、シャットル(複数可)が、案内軌道によって半径方向に境界される円形無限軌道内で、ひいては製織面内で循環する内部ロータ軌道として設計可能である。案内軌道はまた、シャットル(複数可)が、案内軌道によって半径方向に境界される円形無限軌道外で、ひいては製織面外で回転する外部ロータ軌道として設計可能である。シャットル(複数可)が案内軌道内で統合されるため、製織面では循環しない実施形態も考えられる。
全ての場合において、案内軌道は、連続的な途切れない走路を供給し、これによって、シャットルは、一様に高い糸張力によって振動なく循環できるため、速い製織速度で均質の製織動作が達成される。
回転するシャットルが円形無限軌道および製織面外で移動する外部摺動軌道として案内軌道が設計される場合、製織面を、横糸ボビンの横糸のみが通過するため、縦糸ボビンを含む経糸コイル装置は製織面のより近くに置かれ得る。これによって、円形織機はさらに一層コンパクトになる。他方では、製織面に対する縦糸の最大製織角度は一層小さくなるため、糸張力の均質性はさらに改善される。最後に、縦糸ボビンの移行経路はまた、一層短くなることで、より速い製織速度が生じる。
案内軌道は複数の副軌道を備えるという有利点を有する。
この場合、シャットルは、2つ以上の副軌道からなる複部構成案内軌道によるこの円形無限軌道(案内軌道)に沿って案内され、それによって、シャットルの案内は改善されるため、シャットルは大部分が振動および雑音なく走行できるようになる。間隔をあけた軌道間の空間は、例えば、横糸を、外部ロータ案内軌道を通過させることができる、または、例えば、シャットル駆動装置のアクセスを可能にする。
1つの有利な実施形態に基づいて、シャットル(複数可)はそれぞれ、直接駆動によって、ひいては個々に駆動される。案内軌道においてまたはこの上で回転するシャットル(案内軌道)は、特殊設計される製織パターンを形成するために個々に制御可能であるため、互いに独立して、および一時的に異なる速度および方向で作動できる、または一時的に停止させてよい。
代替的には、シャットル、好ましくはいくつかのシャットルは、回転可能に装着された被動運搬装置によって、個々にまたは共に駆動可能である。このタイプの駆動によって、案内軌道に沿って作動するシャットル(案内軌道)は、運搬装置のさまざまな運搬要素によって駆動可能である。これによって、いくつかのシャットルは、同時に、互いから一定の距離で循環可能となることで、直接駆動と比較して、シャットル駆動に必要とされる設計努力および空間は最小限に抑えられる。運搬装置は、リング状運搬リングとして設計可能である。
本発明による円形織機の代替的で有利な実施形態に基づいて、シャットル(複数可)を案内するための円形無限軌道は、好ましくは機枠に回転可能に装着される環状ロータ(搬送経路)によって形成され、このロータに、少なくとも1つのシャットルは装着されるため、ロータによって搬送可能である。
この実施形態では、環状ロータ(ロータリング)に取り付けられる1つまたは複数のシャットルは、ロータリングによって定められる共通の円形無限軌道に沿って搬送される。案内軌道を有する実施形態と違って、シャットルは、経路(案内軌道)に沿って能動的に案内されないが、経路(搬送軌道)との固定された連結で受動的に搬送される。
経糸コイル装置または縦糸ボビンは、製織面を半径方向に限定するロータリングの内部を通過することによって、縦糸は、ロータリングまたはシュータの回転に決して影響を与えることなくロータリング内の横糸の進路によって定められる製織面の両側の縦糸ボビンの位置を反復的に変更することによって、交互に分離される。
経糸コイル装置または縦糸ボビンは、好ましくは、製織面を半径方向に限定するロータリングの半径方向内側境界近くで製織面を横断できる。
ロータリングは、全ての装着されたシャットルを案内しかつ駆動させるように、一方では案内として、他方では駆動機構として機能する。別個の案内軌道および駆動を必要としないことで、設計努力が小さくて済む。
ロータリングは、枠に付けられるモータによって中央でまたは分散して駆動可能である。
とりわけ、均質の振動のない製織動作は、シャットルがいずれの転がりまたは摺動抵抗もなく回転する状況により、速い回転速度で達成される。
とりわけ大きい緯糸ボビンは、ロータリングへのシャットルの安定的な取り付けの観点から使用可能である。
シャットル(単数または複数)は、ロータリング内に半径方向に配置可能であるため、ロータリングによって境界される製織面内で循環できる。この場合、経糸コイル装置または経糸ボビンは、製織面において回転するシャットルの循環空間を考慮して、製織面の横に位置決め可能である。
シャットル(単数または複数)はまた、ロータリングの外部に半径方向に配置可能であるため、ロータリングによって境界される製織面外で循環できる。
シャットルのこの実施形態では、例えば、横糸は、それぞれのロータリングにおける糸道を通して内方に、かつ製織面内に送り込み可能である。
シャットルがロータリングの外側に半径方向に配置され、その後、円形無限軌道によって境界される製織面外に移動する場合、外部ロータ案内軌道を有する設計に類似した製織面は、横糸ボビン自体の横糸を通過させるのみであるため、縦糸ボビンを有する経糸コイル装置を、シャットルの回転空間を考慮に入れる必要なく、製織面の隣りに直接置くことができる。これによって、本明細書に言及される外部ロータ案内軌道を有するものと同じ利点がもたらされる。
ロータリング上のまたはこれにおけるシャットル(複数可)の横方向または一体的配置も考えられ、これによって、シャットル(複数可)はさらに、製織面において循環しない。
シャットル上の緯糸ボビンの配置の好ましい実施形態では、緯糸ボビンの回転軸は、シャットルの回転方向における織軸を中心にして配置される。換言すれば、緯糸ボビンの回転軸は、シャットルの回転の接線方向にある。シャットルの循環はそのように、円形織機全体がよりコンパクトに作られ得るように空間効率が良い。
代替的には、織軸に垂直に緯糸ボビンの回転軸を配置することによって、緯糸ボビンが通過する時、緯糸ボビンと、経糸コイル装置または経糸ボビンとの重複が小さくなるようにし、かつ、経糸コイル装置および/または経糸ボビンの位置変更に対してより大きい空間および時間はそのままにすることは、有利である場合がある。
使用される紡織材料および所望の製織結果に応じて、経糸ボビンの回転軸を、織軸に実質的に平行に(ひいては、製織面に実質的に垂直に)、または、織軸に対して実質的に接線方向に(ひいては、製織面に実質的に平行に)配置することは、有利である場合がある。これらの実施形態において、縦糸は、経糸ボビンから接線方向に、ひいては、いずれの偏向もなく引き抜かれ、このことは、高弾性率炭素繊維などの非常にもろい繊維を使用する時に有利点となる。
円形織機の1つの有利な実施形態は、経糸ボビンを有する経糸コイル装置の走行路が、製織面を通して一定の半径による円弧の形で設計されるように設計される。
経糸ボビンを有する経糸コイル装置の製織面を通るこのような移動は、縦糸ボビンの走行距離全体にわたって、縦糸ボビンから製織点までの縦糸の長さを一定に維持することで、縦糸ボビンの送り出しまたは受け入れ中の糸張力におけるいずれの変動も、縦糸を広げる時に回避可能である。これによって、とりわけ、均質のしっかりとした織地を作り出すことができる。
円形織機の1つのとりわけ有利な実施形態は、経糸ボビンを有する経糸コイル装置が、製織面の側部へ走行路に沿って移動可能であるように設計される。
円形織機のこの実施形態に基づいて、経糸ボビンを有する経糸コイル装置は、製織面を通って、および、製織面のそばで、好ましくは、製織面に平行に移動可能である。
経糸ボビン(複数可)を有する1つまたは複数の経糸コイル装置は、一部分でまたは完全に、循環的にまたは連続的に、反復するようにまたは交互に、および、互いからかつ織軸から可変の距離で、円形織機の周囲に案内可能である。
これによって、織軸に対する縦糸のいずれの可変の進行も生じさせることができ、これによって、円形織機によって達成できる織地構造および織地パターンの可能な変化が大幅に拡がる。
構造的に有利な設計によって、経糸コイル装置が位置決め装置によって経糸ボビンと共に移動可能になり、かつ画定された交互位置に位置決め可能になる。位置決め装置は、側部を交互に変更し、かつ縦糸を分割するために、所定の走行路に沿って、かつ異なるように調節可能な交互位置へと、縦糸ボビンを有する経糸コイル装置を移動させる。
位置決め装置は、例えば、搬送または案内軌道の枠において、円形織機の機械ハウジングの枠に固定可能である、または、該枠に移動可能に取り付けもできる。位置決め装置は、経糸コイル装置または縦糸ボビンを移動させかつ位置決めするための手段を有する。
位置決め装置の実際的な実施形態では、該装置は、少なくとも1つの可動型ボビングリッパおよび1つの静止型ボビングリッパを有する。この場合、可動型ボビングリッパは、1つの変更位置から別の変更位置までの縦糸ボビンの交互移行に役立ち、静止型ボビングリッパは、変更位置のうちの1つにおいて、縦糸ボビンを一時的に固定またはロックする。
可動型ボビングリッパは、例えば、アクチュエータによって駆動される案内歯車ロッド(案内ロッド)によって、移動可能である。これによって、製織面の両側での経糸ボビンの位置の直線的で迅速な変更が可能になる。
1つのとりわけ有利な実施形態では、位置決め装置は、代替的には、少なくとも2つの可動型ボビングリッパを有する。これは、両方の経糸ボビンが1つの変更位置から移行可能であり、かつ経糸ボビンが、走行路に沿って他の変更位置に同時にかつ途中まで移行可能あり、逆もまた同様であることを意味する。可動型ボビングリッパは、縦糸ボビンの送り出し/受け入れのために互いの方へ移動することで、それぞれの可動型ボビングリッパが及ぶ距離、ひいては走行時間は半分に低減される。その結果、シャットルの循環路に必要とされる時間は、縦糸ボビンを通過するボビングリッパを介して短くなり、これによって、シャットルの回転速度またはシャットルを循環させる回数を増加させることができる。
2つの可動型ボビングリッパと静止型ボビングリッパとの組み合わせおよび相互作用において、縦糸ボビンは、例えば、互いに隣り合わせて配置される2つの円形無限軌道(搬送軌道および/または案内軌道)を有する設計における2つの製織面間の中間位置への送り出しまたは受け入れといった、一部分での送り出しまたは受け入れが可能である。
縦糸ボビンを有する経糸コイル装置を位置決めするための位置決め装置の設計を、いくつかの可動型ボビングリッパおよびいくつかの静止型ボビングリッパによって拡張することができる。
円形織機のとりわけ有利な実施形態において、位置決め装置は、ハンドリングロボットを有する、または、ハンドリングロボット上に配置される。
位置決め装置がハンドリングロボットを有する場合、ボビングリッパ、ひいては、縦糸ボビンを有する経糸コイル装置を案内および位置決めするために、全ての自由度が使用可能である。
位置決め装置がハンドリングロボット上に配置される場合、位置決め装置の可動型ボビングリッパの製織面を通る直線運動は、製織面に対して横方向の位置決め装置に対する、自由に選択可能な走行または位置変更と組み合わせ可能であることで、縦糸ボビンを有する経糸コイル装置に対するかなり多くの走行路の組み合わせが生じる。
円形織機の別の有利な実施形態では、位置決め装置は、織軸を中心に回転するように装着される経糸ボビンリング上に配置される。これによって、位置決め装置は、簡易な方法を使用して、織軸を中心にして画定された半径に沿って製織面に対して横方向に回転可能となる。
いくつかの位置決め装置を、経糸ボビンリング上に置くことができ、かつ互いに対しておよび織軸に対して固定された距離で同時に移動可能である。
経糸ボビンリング、ひいては縦糸ボビンを有する経糸コイル装置の移動は、駆動装置によって時計回りまたは反時計回りに、連続的にまたは不連続的に調節可能である。
この設計によって、例えば、いくつかの位置決め装置の可動型ボビングリッパの製織面を通る直線運動を、製織面に対して横方向の位置決め装置の回転運動と組み合わせることができ、それによってまた、縦糸ボビンを有する経糸コイル装置に対する多数の案内軌道の組み合わせが生じる。
追加の設計に基づいて、交互位置において、織軸からの、縦糸巻きを有する経糸コイル装置の外側輪郭の半径方向距離および/または位置決め装置の外側輪郭の半径方向距離は、織軸からのシャットルの内側輪郭の半径方向距離より小さくなってよい。
製織面における緯糸ボビンを中心として周転するシャットルが縦糸ボビンを有する経糸コイル装置および/または位置決め装置より大きい半径によって織軸から分離されるという、互いに対する機械要素のこの配置では、シャットルと、縦糸ボビンを有する経糸コイル装置および/または位置決め装置との間のサイズおよび距離は、横糸ボビンの必要な回転空間を妨害せずに、互いに影響を与えることなく選択可能である。
この件において、例えば、緯糸ボビンのサイズは、大部分が、縦糸ボビンまたは位置決め装置によって必要とされる空間とは無関係に選択可能であり、逆もまた同様である。さらに一層大きい直径を有する緯糸ボビンは、経糸コイル装置と経糸ボビンとの間の横方向距離、または位置決め装置と製織面との間の横方向距離を増大させる必要なく使用可能である。大きい緯糸ボビンおよび縦糸ボビンによって、途切れない製織時間を増大させることができる。
逆に、機械要素は、とりわけ、コンパクトで場所を取らないように配置されるが、これは、経糸コイル装置または経糸ボビンが、緯糸が通過する製織面の隣りに直接位置決め可能であるからである。
経糸コイル装置または縦糸ボビンに対する、結果として短くなった移行経路、および、ボビングリッパに対して、関連して短くなった移行時間はまた、製織速度を増大させることができる。
さらに、これによって、製織面に対する縦糸のとりわけ小さい製織角度が生じ、これによって、縦糸ボビンの位置を変更する時にほぼ一定の糸張力が保証され、また、均質のピンと張った織地が作り出される。
代替的には、シャットルの外側輪郭の織軸からの半径方向距離は、経糸コイル装置の内側輪郭と縦糸ボビンとの間の半径方向距離、および/または位置決め装置の内側輪郭の織軸からの半径方向距離より小さくてよい。
これによって、機械要素の互いに対する場所を取らないコンパクトな配置に関する別の有利な変型がもたらされる。
例えば、緯糸ボビンと共に製織面において回転するシャットルは、円形無限軌道から半径方向に間隔をあけることが可能であり、この軌道に沿って、シャットルは伸長支持部によって案内または搬送されることで、経糸ボビンを有する経糸コイル装置または位置決め装置は、円形無限軌道とシャットルとの間の製織面の半径方向領域において動作可能である。
経糸ボビンを有する経糸コイル装置または位置決め装置は、よって、製織面において回転するシャットル保持部の通し送りに対して適度の空間が残されるように、および、縦糸の杼口の広がりにより、シャットルの通し送りに対して適度の空間が残されるように製織面の近くに位置決め可能である。
この配置において、シャットルは、とりわけ、より低い遠心力を受ける。これは、円形織機が、より速いシャットル速度、ひいてはより速い製織速度と同時に、より少ない振動で動作可能であることを意味する。さらに、機枠は、低減した遠心力により、より軽量に作られ得る。低減した遠心力はまた、繊維材料のずれを防止する。
円形織機の追加の有利な実施形態によると、緯糸ボビンはハンドリングロボットによって任意のシャットル上に配置可能である。これによって、緯糸ボビンの自動化交換、とりわけ、織地を製作する時の異なるシャットル上での横糸を有する緯糸ボビンの随意の位置決めが可能になる。
これによって、円形織機の動作がさらに一層効率的になり、製作可能である製織パターンおよび織地特性の多様性がさらに増大する。
好ましくは、芯糸は軸方向に移動可能および/または回転可能である。
軸方向に移動可能な設計の場合、芯糸は、この芯糸軸、または製織点に対する円形織機の織軸に沿って移動可能であることで、芯糸上にとどまる布帛を作り出すことができる。これは、布帛が、現状技術を使用する従来のホース除去の場合のように、芯糸によって搬送されることなく、静止するように芯糸に加えられることを意味する。製織後、仕上げられた織地は、芯糸から除去可能である、または、芯糸を有する円形織機から除去可能である。これによって、それぞれの場合に使用される芯糸に従って設計される個々の中空形状タイプの織物製品を製作することが可能になる。
組み合わせた実施形態の場合、芯糸はまた、芯糸上での織軸に対する縦糸(および横糸)の対応する角度位置をもたらすように軸方向運動中に回転可能であり、このことは、ねじり応力を受ける織地または構成要素の荷重負担能力に対して、とりわけ好適である。
追加の実施形態によると、芯糸が可変の断面形状を有することになることが考えられる。織地における高く一様な糸張力を達成することによって、個々の中空形状織物製品は、芯糸の断面輪郭に対して密になる織地で製作可能である。最後に、芯糸は、製織品の所望の形状を正確に対応付けるように使用できる。
芯糸が複部構成である場合、仕上げられた織地、とりわけ、可変の断面輪郭を有する織地は、芯糸からより容易に除去可能である。
装置要件のうちの1つに従って円形織機によって中空形状織地を製作するための方法はまた、本発明に従って提供されて定められた課題を解決することで、上述される装置の有利点を対応する手順の有利点に変える。
方法の有利な実施形態に基づいて、芯糸は、連続的にまたは不連続的に、この芯糸軸の方向で軸方向に、または円形織機の合同な織軸に沿って移動させる、および/または、この芯糸軸を中心として、または製織工程中の織軸を中心にして回転させる。言及される芯糸の軸方向および回転運動はまた、対応する、相対する後方運動を含む。
前述に基づいて、芯糸に対する製織点の位置決めは、広範囲に可変であるため、芯糸に沿った織り糸の、密度、織地の層、および配向は変えることができ、異なる織地の密度、織地の層、および織地の構造を有するある特定の織地を製作することができる。
方法の好ましい実施形態に基づいて、芯糸は、円形織機の両側から挿入および除去可能である。円形織機の一貫して同心の設計の結果として、この範囲は、円形織機に対する芯糸の連続的なまたは不連続的な送り込みおよび解放のために、円形織機の両側で使用可能である。移動についてのこのオプションは、芯糸に対して変更工程を自動化するために有益な条件を提供する。
これは、円形織機において移動させる芯糸が、自動インライン工程または戻りライン工程のどちらかで変更可能であることを意味する。
方法の1つの実施形態によると、型、および強化芯として芯糸を使用することは、技術的に有利である場合がある。
この目的のために、製作される中空形状織地は、さらなる加工のために芯糸上に残され、円形織機からの芯糸の除去後、芯糸と共にさらなる加工が即刻行われる。
さらなる加工は、樹脂による製作された織地の含浸、および、含浸された織地のさらなる強化を含むことができ、これによって、芯糸は続けて型および強化芯としての役割を果たす。このさらなる処理が行われて初めて、芯糸から離型された、硬化した中空形状織地製品が仕上がる。
代替的には、製作された織地を、芯糸から除去される前に少なくとも本質的に安定した状態にすることができ、かつ、中空形状織地製品になるように、本質的に安定した中空形状織地プリフォームとしてさらに加工することができる。織地プリフォームの本質的な安定性は、例えば、織られる糸を共に結合する結合剤を加えかつ溶融することによって達成可能である。
特許請求の範囲、代表的な実施形態の説明、および図面からもたらされるこれらのおよび他の特徴は、本明細書において保護が求められる本発明の有利な実施形態として、個々にまたは組み合わせて実現可能である。
本発明による装置について、代表的な実施形態によって以下に詳細に説明する。概略的に表す関連図面は以下の図を示している。
図1による円形織機は、円筒状断面を有する中央に配置された芯糸1a、および環状ロータ(ロータリング)2を有する。芯糸1aは、織軸3を中心に回転可能であり、円形織機の中空の円筒状機械ハウジング4上でこの織軸3に沿って移動可能である。ロータリング2はまた、機械ハウジング4上に回転可能に装着され、芯糸1aを中心にして同心円状に回転する。
2つのシャットル5は、180度の角度をなしてロータリング2上に装着されるため、互いに相対して配置され、この結果として、互いから一定の距離でロータリング2によって形成される芯糸1aを中心として無限円形軌道(搬送軌道)2に沿って搬送され、シャットル5の搬送ラインはロータリング(搬送軌道)2の形によって定められる。この代表的な実施形態において、ロータリング2の内部は、円形織機の使用可能な製織面6を半径方向範囲に限定する。
シャットル5はそれぞれ、横糸ボビン(緯糸ボビン)7を有し、この横糸8は、芯糸1aを移動させるように芯糸1a上の製織点に対して直線状の具体的な糸張力下で案内される。ロータリング2の内部における製織面6の形は、とりわけ、図2a、図2b、図2cにおいて見ることができるように、基本的に円板状の横糸8の進路によって定められることによって、この設計では、シャットル5は、ロータリング2の内部へと突出し、この結果として、製織面6内で循環する。
図1、および図2a、図2b、図2cから見ることができるように、ロータリング2は、例えば、歯車装置を介して、モータ9によって駆動される。代表的な実施形態では、ロータリング2のピボット軸受は、ロータリング2を含む転がり軸受によって装着される。
12の経糸コイル装置10は、芯糸1aを中心にして、互いから同じ距離で、同心円状に配置され、それぞれは経糸巻き11を有し、この経糸12は、芯糸1aを移動させるように具体的な糸張力下で芯糸1a上で製織点に対して直線状に案内される。
経糸コイル装置10は、それぞれの機械ハウジング4に取り付けられた位置決め装置13によって織軸3に主に平行に、基本的に軸方向に移動させることができ、製織面6の隣りの2つの変更可能な位置に位置決め可能である(図1、図2a、図2b、図2cを参照)。
経糸コイル装置10または経糸巻き11を移動させかつ位置決めするためのそれぞれの位置決め装置13は、2つの可動型糸巻きグリッパ14aを提供し、これらグリッパは、図2による円形織機の周辺にわたって分布させたロータリング2の両側に配置される。
明確にするために、はっきり言えば、円形織機の中空の円筒状機械ハウジング4の周囲に一様に配置される12の位置決め装置で、2つの位置決め装置13のみが、6時の位置および12時の位置において図2a、図2b、図2cに示されている。
位置決め装置13のそれぞれの2つのボビングリッパ14aは、案内ロッド15によって軸方向に移動可能な機械ハウジング4に装着され、個々に制御可能である。
縦糸12を反復的に変更する目的で、経糸コイル装置10および縦糸ボビン11は、ボビングリッパ14aによって織軸3に平行に製織面6を通して案内され、かつ、製織面6の両側で交互位置に交互に位置決めされる。
経糸ボビン11の縦糸12は、製織面6に対する交互に可変の角度16(製織角度)で、芯糸1a上の製織点に案内されるのに対し、横糸8は、基本的に、織軸3に垂直に作動する(図2a、図2b、図2cを参照)。
縦糸12の互いに対して交互に形成される幅広げ、および、2つのシャットル5がロータリング2の回転方向に回転することによって、芯糸1aを織るための縦糸12は、中空形状織地17を製作するために横糸8と共に織られる。
シャットル5によって運搬される緯糸ボビン7の回転軸は、シャットル5の周方向にあり、経糸ボビン11の回転軸は、基本的に、製織面6に平行に、かつ織軸3に垂直に配置される。
製織面6または織軸3に対するボビン7、11のこの配置および整列に基づいて、横糸8および縦糸12は、可能な限りわずかな偏向でまたは偏向なく芯糸1aに送り込まれる。
図2a、図2b、図2cは、シャットル5が180度で回転中に円形織機において経糸コイル装置10および縦糸ボビン11の変更位置決め工程の3つの段階のスナップショットを示す。
図2aにおいて、2つのシャットル5は、円形織機の6時の位置および12時の位置にある。この位置において、対応する、経糸ボビン11を有する経糸コイル装置10は、像平面において、ロータリング2の右に、またはロータリング2の左に位置し、それによって、織軸3を中心にロータリング2の回転方向におけるシャットル5の通過のための空間は、製織面6から広がる縦糸12によって切り開かれるため、杼口を形成する。
シャットル5が6時の位置または12時の位置を通過後、位置決め装置13のボビングリッパ14aは、図2bに従って互いに向かって移動し、かつ、製織面6において直接交わって、経糸コイル装置10または経糸ボビン11を移行させる。これは、それぞれのボビングリッパ14aのみが、経糸コイル装置10または縦糸ボビン11の変更する位置間の距離全体の約半分に及ぶだけでよいことを意味し、このことは、位置変更をより迅速に行うことができることを意味する。
図2cによる作業段階において、像平面においてロータリング2の右に先に位置決めされた、経糸コイル装置10または縦糸ボビン11は、ロータリング2の左側に位置し、像平面においてロータリング2の左に先に位置決めされた、経糸コイル装置10または縦糸ボビン11は、ロータリングの右側に位置する。経糸コイル装置10または縦糸ボビン11の位置がこの時点で交換された結果として、縦糸12はここで、製織面6から相対する方向に広げられ、さらにまた、シャットル5を新しく通過させるための空間(杼口)をもたらすことによって、6時の位置に先に位置するシャットル5は、12時の位置を通過し、逆もまた同様である。経糸コイル装置10または経糸ボビン11はまた、シャットル5が数回通過した後に変更可能である。
縦糸12は、経糸コイル装置10または縦糸ボビン11の規定されたまたは別の交互モードで相対する方向に交互に広げられることによって、その結果、縦糸12は、ロータリング2の軌道上で一緒に運搬されるシャットル5の横糸8と共に波状になって、所望の製織パターンを有する織地17を製作する。
ロータリング2の制御可能な駆動モータ9、ならびに、ボビングリッパ14aの個々の駆動装置および制御装置によって、製織パターンはまた製織工程中に変更可能である。
横糸8の高い緯糸張力は、回転するロータリング2に固定されるシャットル5、および、芯糸1a上の横糸ボビン7から直線で作動する横糸8によって高められ得ることで、芯糸1a上に非常に強い織地17を製作できる。
縦糸ボビン11を有する経糸コイル装置10は、ロータリング2の内部に直接的に横方向に近接して、ひいては、製織面6の近くに配置されることで、経糸コイル装置10または経糸ボビン11の移行を短い経路で行うことができ、また、経糸コイル装置10または縦糸ボビン11の位置変更中の製織面6に対する縦糸12の製織角度16の角度変更は小さくなる。
製織工程中、例えば、芯糸1aは、所望される製織の結果に応じて静止位置に固定可能であり、これによって、織地17は、織軸3に沿って軸方向に芯糸1aから連続的に引き離される。代替的には、芯糸1aは、織軸3に沿って軸方向に移動可能とすることができ、それによって、織地17は固定/静止するように芯糸1a上に定着させる。所望される製織の結果に応じて、芯糸1aの軸方向運動は、ある程度の静止、不連続的、または連続的状態にすることができる。織地17のいくつかの層を製作するために芯糸1aを前方および後方に移動させることもできる。
この軸方向運動中、芯糸1aをまた、織軸3を中心に回転させて、例えば、芯糸1a上で織軸3に対して+/−60度の、縦糸12および横糸8の角度位置の変更を生じさせることができる。
芯糸1a上で静止したままの織地17を通して芯糸1aを織った後、芯糸1aは円形織機から横に除去可能であり、円形織機はさらに移動可能な芯糸1を備えることができる。
図3は、可変の断面を有する、不均一な起伏のある芯糸1bの複放物面(逆方向放物面(diaboloid))による製織を示す、図1、図2a、図2b、図2cによる円形織機の半形状の切り抜きを示す。不均一な起伏のある芯糸1bは、織軸3に沿って軸方向に移動させることによって、芯糸1bに沿って固定される/静止するように織地17を定置させる。
図1、図2a、図2b、図2cによる円形織機と比較した相違点のみが後述される。
大部分が偏向のない糸誘導で、基本的に一様な糸張力による横糸8および縦糸12のピンと張った糸誘導は、不均一な起伏のある芯糸1bに対して密である織地17を製作することを可能にし、かつ輪郭に忠実であるように芯糸1bの輪郭をたどる。
不均一な起伏のある芯糸1bは、対応するように成形された織地17の離型を容易にするために二部で設計される。代表的な実施形態に示されるような芯糸1bの横断的分離によって、芯糸1bを複放物面状織地17から両側で容易に分離することが可能になる。
経糸コイル装置10および経糸ボビン11を移動させかつ位置決めするための12の位置決め装置13の中から、1つのみが、概観のために、図2a、図2b、図2cに類似した図3に示され、すなわち、位置決め装置13が円形織機の12時の位置に配置される。
図2a、図2b、図2cによる実施形態とは対照的に、図3による位置決め装置13はそれぞれ、(ここでは右側の像平面における)1つの軸方向に移動可能なボビングリッパ14aのみを提供し、それによって、製織面6の反対側に配置される(左側の像平面における)関連の静止型ボビングリッパ14bは機械ハウジング4に固定される。
交互の位置決めのために、像平面において製織面6の右に位置する、経糸コイル装置10または縦糸ボビン11(Rの印が付けられた縦糸ボビンの右位置)は、可動型ボビングリッパ14aによって製織面6を通して案内され、かつ、変更周期中に経糸コイル装置10または縦糸ボビン11を保持するように、製織面6の左の対応する静止型ボビングリッパ14b(Lの印が付けられた縦糸ボビン11の左位置)に移行される。シャットル5が緯糸ボビン7と共に通過した後、可動型ボビングリッパ14aは経糸コイル装置10または縦糸ボビン11を静止型ボビングリッパ14bから外し、かつこれを最初の交互位置に戻し、この位置から、追加のシャットル5が通過した後に静止型ボビングリッパ14bへと再び移行させる。可動型ボビングリッパ14aは、対応して伸長させた案内リンク装置15によって、経糸コイル装置10または縦糸ボビン11の両側で交互位置間の距離全体に及ぶ。該工程は、シャットル(複数可)5の作動に関連したある特定の交互モードで繰り返される。
この実施形態において、図2a、図2b、図2cによる実施形態とは対照的に、全てのボビングリッパ14のうち半分だけが移動可能であり、この結果、経糸ボビン装置10および経糸ボビン11の軸方向運動および位置決めについての設計努力は、有利には低減される。
図4は、図3による位置決め装置13を有する、図1、図2a、図2b、図2cによる円形織機の半形状断面を示す。図3とは対照的に、円形織機は、異なる配置の経糸ボビン11、および、とりわけ大きい、不均一な起伏のある芯糸1bを有する。
図4による円形織機は、芯糸1b上に織地17に対する明らかに異なる製織パターンを生じさせる位置決め装置13についての異なる動作周期を示す。
円形織機および製織工程におけるこれらの相違点のみが後述される。
図3による円形織機と比較した経糸ボビン11の配置に関しては、図4による経糸ボビン11の回転軸はまた、製織面6に基本的に平行であるが、織軸3に対して接線配列で配置される。この配置において、縦糸12は、よって、いずれの偏向もなく縦糸ボビン11から完全に外され、これによって、とりわけ撚り糸を保護するガイドが生じる。
図4はまた、本発明による円形織機の形状がとりわけ大きい断面yを有する芯糸1の使用を可能にすることを示す。芯糸1の半径は、織軸3の一部がより近くなることに応じて、最大で、回転するシャットル5または緯糸ボビン7の内径まで、または経糸コイル装置10または縦糸ボビン11の内径まで達することができる。
図4による円形織機に基づいて、芯糸1b上で可視の織地17の製織パターンに従った製織工程が使用され、ここで、位置決め装置13は、経糸ボビン11が自身の位置を3つのシャットルが(第1のシャットル5、第2のシャットル5、および再び第1のシャットル5を)通過後にのみ変更するように制御されることで、製作される織地17は波状が少なくなる。波状が少ない織地17はとりわけ繊維に優しいが、これは、繊維をもろくする繊維の偏向が少なくなるからであり、このことは、過敏な繊維材料を使用する時にとりわけ有利である。
図5は、図3による位置決め装置を有する、図1、図2a、図2b、図2cによる円形織機を除いて、ロータリング2上で、縦糸ボビン11を有する経糸コイル装置10の配置との関連で、回転するシャットル5の代替的な配置による半形状を示す。回転するシャットル5および経糸コイル装置10は、織軸3に対して大幅に異なる半径高さに位置する。
図1、図2a、図2b、図2cによる円形織機と比較した相違点のみが後述される。
織布状ブラケット18は、シャットル5をロータリング2に連結し、かつ、これを織軸3からある特定の半径距離で保つ。
織軸3からのシャットル5または緯糸ボビン7の外側輪郭の半径距離は、よって、芯糸1bに面する、縦糸コイル装置10または経糸ボビン11の外側輪郭の半径距離より小さくなる。
経糸コイル装置10および縦糸巻き11は、よって、通過するシャットル5と衝突せずに、製織面6のさらなる近くに位置決め可能である。製織面6からの経糸コイル装置10または縦糸ボビン11の本体までの距離は単に、シャットル5の織布状支持体18の通過、および、縦糸12のより狭い杼口からのシャットル5の通過のための空間が保証されるように寸法取りされる。
これによって、位置決め装置13によって軸方向に移動させる、経糸コイル装置10または縦糸ボビン11の走行距離および走行時間は短くなり、対応して、製織速度を速めることができる。
図3と類似の位置決め装置13の可動型ボビンフック14aの走行距離は、対応する静止型ボビングリッパ14bに対してより狭く位置決めすることにより、大幅に短くなり、図2a、図2b、図2cによる2つの相互作用する可動型ボビングリッパ14aを有する位置決め装置13の設計のケースのように、経糸コイル装置10または縦糸ボビン11の位置変更を同様に速くすることができる。
また、この実施形態によって、製織面6に対する縦糸12の製織角度16がとりわけ小さくなり、対応して、糸張力の変動が低下する。
図6は、図5による実施形態と類似した、経糸コイル装置10および経糸ボビン11をそれぞれ移動させかつ位置決めするための位置決め装置と共に、図1による半形状の一部分を示す。ここで、図5による設計と対照的に、可動型ボビングリッパ14aの案内ロッド15および対応する静止型ボビングリッパ14bの保持部は、直線状の軸方向走行運動の代わりに、芯糸1b上の製織点を中心にして一定の半径に沿った可動型ボビングリッパ14aの円弧状走行路が達成されるように、配置かつ設計される。
この実施形態では、経糸ボビン11と、芯糸1b上の製織点との間の縦糸12の長さは、経糸ボビン11の走行路の位置ごとに同じままであり、それによって、糸張力は走行路全体にわたって一定のままになり、対応して、永久的に形に忠実であるような織地17が製作されるという利点を有する。
図7は、本発明による円形織機の半形状の一部分を示す。これは、図1、図2a、図2b、図2cによる円形織機と違って、2つのロータリング2.1、2.2を有し、これらロータリングは、互いに平行な配置で中空円筒状機械ハウジング4に回転可能に装着され、かつ可変の断面を有する不均一な起伏のある芯糸1bを中心にして回転する。
図1による円形織機と比較する時の相違点のみが以下に論じられる。
2つのロータリング2.1、2.2は、一対のシャットル5を搬送するための2つの円形軌道(搬送軌道)2.1、2.2それぞれを形成する。これら軌道は、図5、図6による実施形態と類似する、織布型保持部18を介して1ロータリング2.1、2.2それぞれに対して対で留められ、互いから一定の距離で対応するロータリング2.1、2.2の回転運動と共に運搬される。好ましくは、シャットル対を含むシャットル5は互いに対して180度角をなしているため、対応するロータリング2.1、2.2において相対して配置される。
それぞれのロータリング2.1、2.2の内部空間は、円形織機の使用可能な製織面6.1、6.2を含む。両方のロータ2.1、2.2のシャットル5によって運搬される横糸8は、芯糸1b上の全く同一の製織点に直線状に作動することで、製織面6.1、6.2は、基本的に円板形状になり、かつ基本的に互いに平行になる。
ロータリング2.1、2.2は、同じ方向または相対する方向に、および、別個の駆動装置9.1、9.2によって互いに異なる速度で回転でき、交互になる経糸コイル装置10または経糸ボビン11と組み合わせて、まさしく個々の製織パターン、および異なる織地特性を有する織地17を製作できる。
この実施形態によってまた、異なる繊維品質のいくつかの横糸8を共に加工することができる。
円形織機は、図3による実施形態に従った経糸コイル装置10または経糸ボビン11を移動させかつ位置決めするための位置決め装置13と、図5、図6による実施形態に従ったロータリング2.1、2.2上のシャットル5の配置構成とを有する。
交互の位置決めのために、経糸コイル装置10または縦糸ボビン11(Rの印が付けられた縦糸ボビン11の右位置)は、対応して伸長した案内ロッド15と共に可動型ボビングリッパ14aによって製織面6.1、6.2両方を通して軸方向に案内され、2つの製織面6.1、6.2の左側の対応する静止型ボビングリッパ14bへ移行され、そこで、交互周期中に保持される(Lの印が付けられた経糸ボビン11の左位置)。両方のロータリング2.1、2.2の1シャットル5またはいくつかのシャットル5がある特定のモードで通過した後、可動型ボビングリッパ14aは、経糸コイル装置10または経糸ボビン11をある特定の交互モードで静止型ボビングリッパ14bから引き継ぎ、かつそれらを最初の交互位置に戻す。
図8aは、図3による位置決め装置13のものと対照的に、それぞれが、可動型ボビングリッパ14a、および静止型ボビングリッパ14b、ならびにさらなる静止型ボビングリッパ14bを有する位置決め装置13を有する、図7による円形織機の第1の代替的な実施形態を示す。
図3によるものに追加するものになる静止型ボビングリッパ14bは、2つのロータリング2.1、2.2の間の途中の中間変更位置(位置M)に配置される。可動型ボビングリッパ14aは、経糸コイル装置10または経糸ボビン11を、左手の交互位置(位置L)における静止型ボビングリッパ14bへ、または、中央交互位置(位置M)における静止型ボビングリッパ14bへ移行させることができる。
これによって、経糸コイル装置10または縦糸ボビン11それぞれの変更モードの多様性は高まるため、製織パターンの設計における柔軟性の一層の向上が達成される。
図8bは、図1、図2a、図2b、図2cによる位置決め装置13のものとは対照的に、それぞれ2つの可動型ボビングリッパ14aに加えて1静止型ボビングリッパ14bを有する位置決め装置13を有する、図7による円形織機の第2の代替的な実施形態を示す。
追加の静止型ボビングリッパ14bは、図1、図2a、図2b、図2cによる実施形態と比較すると、2つのロータリング2.1、2.2の中間変更位置(位置M)に配置される。
2つの可動型ボビングリッパ14aは、経糸コイル装置10または経糸ボビン11を、選択可能な変更モードで、中央変更位置(位置M)における静止型ボビングリッパ14bへ、または、外側変更位置(位置R、L)における相対する可動型ボビングリッパ14aへ交互に移行させることができる。
この実施形態では、2つの経糸コイル装置10または経糸ボビン11は、同じ位置決め装置13によって同時に動作可能である。図8bからわかるように、位置RおよびLに位置決めされる2つの経糸ボビン11は、中央変更位置(位置M)における静止型ボビングリッパ14bへ交互に移行させることができる、またはこの位置から引き継ぎ可能である。
これによって、経糸コイル装置10または縦糸ボビン11の変更モードの多様性が高まると共に、その後、製織パターン設計における柔軟性が高まるだけでなく、より短い、同時に実行可能な移行経路により製織速度が速くなる。
2つのロータリング2.1、2.2を有するこの二重円形織機、および、柔軟に操作可能な位置決め装置13によって、適用可能な動作パラメータ、材料、および製織モードを組み合わせて、最も多様な製織パターンおよび織地特性を有する織地17を作り出す可能性が大きくなる。
本発明による円形織機は、任意の数のロータリング2、または製織面6、および、任意の数のボビングリッパ要素を有する位置決め装置13を備えることができる。
図9は、円形織機であって、図1による円形織機のように、位置決め装置13によって円形織機の中空円筒状機械ハウジング4に装着される、2つのシャットル5、およびそれぞれ経糸ボビン11を有する12の経糸コイル装置10を有するロータリング2を有する円形織機を示す。
図1による円形織機とは対照的に、12の位置決め装置13のうちの1つまたは複数は、機械ハウジング4の周辺に沿って移動可能である。
これは、経糸コイル装置10および経糸ボビン11を、移動可能な位置決め装置13によって、接線(周)方向のみならず、織軸3に対して軸方向におよび平行に、織軸3を中心に可変的にずらすことができることを意味する。
図1による円形織機に対する相違点のみが詳細に後述される。同一の構成要素は、同一の参照番号で印が付けられている。
円形織機の周囲に移動させることができる位置決め装置13は、摺動要素またはローラ要素19によって周辺溝または部分溝20に沿って、または、中空円筒状機械ハウジング4の穿孔軌道において、移動させるまたは転がらせることが可能であり、それぞれ、サーボモータ(図示せず)によって制御可能である。
これによって、円形織機の周辺にわたって分布させる経糸コイル装置10または経糸ボビン11を、図9における矢印によって指示されるように、芯糸1aを中心にして接線方向にずらすことができる。例えば、位置決め装置13は、2時の位置から1時の位置に移動させたり戻したりすることができ、隣接する位置決め装置13は、1時の位置から、0時の位置と1時の位置との間で移動させたり戻したりする。
また、位置決め装置13は、機械ハウジング4上でロータリング2および横糸8によって形成される製織面6の片側または両側で接線方向に移動可能に配置可能である。
とりわけ、枠に固定される、または製織面6の片側で接線方向に移動可能である、機械ハウジング4上に配置される位置決め装置13のグリッパ要素14は、枠に固定される、または製織面6のもう1つの側で接線方向に移動可能であるように配置される位置決め装置13のグリッパ要素14と協働して働くことができる(図示せず)。
これによって、とりわけ、縦糸12の反復的な変更の目的で、位置決め装置13の、静止型ボビングリッパ14b、もしくは、静止型ボビングリッパ14bと共に製織面6を通して軸方向に移動させてよいボビングリッパ14a、または、隣接する位置決め装置13の製織面6を通して軸方向に移動させてよいボビングリッパ14aは、動作可能に接触するようになる。
柔軟に回転可能な位置、および、位置決め装置13の対応するグリッパ要素14の組み合わせの可能性は、織軸3に対する縦糸12の可変の経路、ひいては、芯糸1a上の横糸8と共に織られた縦糸12の任意の束配置またはギャップ配置によって、例えば、機械的に少しの努力で、図9に指示されるように、織地17に開口部または補強部を生じさせることができる。
図10による円形織機とは対照的に、図9による円形織機は、ボックス状機械ハウジング4に回転可能に装着される少なくとも1つの経糸ボビンリング21を有し、これに対して、位置決め装置13の一部、または12の位置決め装置13全てが配置される。これらの位置決め装置13またはさらなる位置決め装置13は、代替的には、図11による図からわかるように、いくつかの経糸ボビンリング21.1、21.2、21.3、21.4にわたって分布させるように配置可能である。
経糸ボビンリング21、または経糸ボビンリング21.1、21.2、21.3、21.4は、ロータリング2によって限定される製織面6の横に配置され、それぞれ、機械ハウジング4において織軸3を中心に同心円状に装着される。経糸ボビンリング21、または経糸ボビンリング21.1、21.2、21.3、21.4のためのピボット軸受は、(図11に示される)機械ハウジング4に取り付けられるローラ軸受によってロータリング2のピボット軸受と類似する例示の実施形態において提供される。
それぞれの経糸ボビンリング21.1、21.2、21.3、21.4は、モータ22および歯車駆動装置によって別個に駆動されかつ制御されることで、これらは位置決め装置13が位置するようにある特定のモードで(循環的にまたは連続的に、時計回りにまたは反時計回りに)移動させ、位置決め装置13は、図10における矢印によって指示されるように、円形織機を中心にして任意の所望の回転位置を想定できる。
経糸ボビン11を有する経糸コイル装置10は、連続的に移動可能な位置決め装置13によって、一方では、軸方向に、ひいては織軸3に対して平行に、他方では、織軸3を中心にして接線(回転)方向に移動させることができる。
このように回転可能に装着される位置決め装置13のグリッパ要素14は、製織面6の片側または両側で、(示されない)枠に固定させるように配置される位置決め装置13のグリッパ要素14と組み合わせ可能である。
例えば、位置決め装置13のボビングリッパ14は、経糸ボビンリング21上で製織面6の片側に配置可能であり、製織面6のもう1つの側のこれらの位置決め装置13の対応するボビングリッパ14は、(示されない)機械ハウジング4の枠に固定可能である。
図10による円形織機の半形状の図での図11における例として示されるように、位置決め装置13は、製織面6の両側に装着される経糸ボビンリング21.1、21.2、21.3、21.4上に配置可能であり、経糸ボビンリング21.1、21.2、21.3、21.4を、互いに、同じまたは異なる速度で、および同じまたは相対する方向に、循環的にまたは連続的に移動させることが可能になる。
両方のケースでは、位置決め装置13の、製織面6を通して軸方向に移動可能な、静止型の、つまりボビングリッパ14a、14bと共に、隣接する位置決め装置の、製織面6を通して軸方向に移動可能な、静止型の、つまりボビングリッパ14a、14bは、オプションとして、経糸12の反復的な変更のために動作可能に連結することになる。
位置決め装置13のグリッパ要素14(ボビングリッパ14)の、多数の回転位置および可能な組み合わせによって、横糸8との製織中の縦糸12の進路のとりわけ高い多様性、ひいては、並外れて高度の可能な製織パターンが可能になる。
図11は、2つの経糸ボビンリング21.1、21.2、21.3、21.4を有する、図10による円形織機の可能な変型を詳細に示す。該ボビンリングのそれぞれは、機械ハウジング4において製織面6の両側に回転可能に装着され、すなわち、2つの経糸ボビンリング21.1、21.2は、像平面において、ロータリング2および関連の製織面6の左に位置し、2つの経糸ボビンリング21.3、21.4は右に位置する。
それぞれのボビンリング21.1、21.2、21.3、21.4において、1つの経糸ボビン11を有する12の経糸コイル装置10はそれぞれ、例として、位置決め装置13によって配置可能である。
明確にするために、円形織機の12時の位置における2つの位置決め装置13.1、13.2のみが図11に示されている。
それぞれの位置決め装置13.1、13.2は、経糸ボビンリング21.1、21.2、21.3、21.4上のロータリング2の両側に配置される、軸方向可動型ボビングリッパ14a、および静止型ボビングリッパ14bをもたらす。
第1の位置決め装置13.1の軸方向可動型ボビングリッパ14aは、(外側左像平面において)外側左経糸ボビンリング21.1上に配置される。製織面のもう1つの側に相対するように配置される対応する静止型ボビングリッパ14bは、(外側右の像平面において)外側右経糸ボビンリング21.4上に配置される。
第2の位置決め装置13.2の軸方向可動型ボビングリッパ14aは、(像平面における右内側に)内側右経糸ボビンリング21.3上に配置される。製織面6のもう1つの側に相対するように配置される対応する静止型ボビングリッパ14bは、(像平面における左内側に)内側左コイル装置21.2上に配置される。
位置決め装置13.1、13.2の軸方向可動型ボビングリッパ14a、および経糸ボビンリング21.1、21.2、21.3、21.4は、個々に制御可能であり、かついずれの周期でも移動または回転可能である。
図11による、2つの位置決め装置13.1、13.2の経糸ボビンリング21.1、21.2、21.3、21.4、およびボビングリッパ14a、14bの現在の位置において、経糸コイル装置10および経糸ボビン11は、2つの位置決め装置13.1、13.2のボビングリッパ14a、14bによって保持され、これらは、像平面において、製織面6の右(Rの印が付けられた経糸ボビン11の右位置)に配置される2つのボビンリング21.3、21.4に装着される。
(内側右の像平面において)内側右経糸ボビンリング21.3上に示される現在の位置に位置する経糸コイル装置10または経糸ボビン11は、第2の位置決め装置13.2の可動型ボビングリッパ14aによって交互に位置決め可能であり、(内側左の像平面において)内側左ボビンリング21.2上の直接的に対応する静止型ボビングリッパ14b、および(外側左の像平面において)外側左ボビンリング21.1(それぞれLの印が付けられた経糸ボビン11の左位置)上の第1の位置決め装置13.1の可動型ボビングリッパ14aの両方に、製織面6を通して移行される。
そこから、経糸コイル装置10または経糸ボビン11は、その後、内側右手経糸ボビン21.3の第2の位置決め装置13.2(または接線方向に隣接する位置決め装置13)の直接的に対応する可動型ボビングリッパ14aによって、または、外側左手経糸ボビンリング21.1上の第1の位置決め装置13.1の可動型ボビングリッパ14aによって、再び、(外側右の像平面において)外側右経糸コイル装置21.4上の第1の位置決め装置13.1の直接的に対応する静止型ボビングリッパ14bに(または接線方向に隣接する位置決め装置13に)、または、(示されない)内側右経糸コイル装置21.3上の第2の位置決め装置13.2の可動型ボビングリッパ14aに(または接線方向に隣接する位置決め装置13に)も引き継がれ得る。
同様に、図11に示される現時点で示される設定において外側右経糸コイル装置21.4上の第1の位置決め装置13.1の静止型ボビングリッパ14bによって保持される経糸コイル装置10または経糸ボビン11は、これらの交互の位置決めのために製織面6を通して外側左経糸コイル装置21.1(Lの印が付けられた縦糸パッケージの左位置)上の直接的に対応する可動型ボビングリッパ14aによって引き継がれ得る。
そこから、経糸コイル装置10または経糸ボビン11は、その後、外側右経糸ボビンリング21.4上の第1の位置決め装置13.1(または接線方向に隣接する位置決め装置13)の対応する静止型ボビングリッパ14bに戻されることが可能である、または、(示されない)内側右経糸ボビンリング21.3上の第2の位置決め装置13.2(または接線方向に隣接する位置決め装置13)の可動型ボビングリッパ14aに移行させることも可能である。
互いに相対的な経糸ボビンリング21.1、21.2、21.3、21.4の相対的運動によって、周方向に隣接する位置決め装置13の静止型または軸方向可動型ボビングリッパ14a、14bは、オプションとして、経糸ボビン11を有する経糸コイル装置10の交互の位置決め中に互いに係合する。
図11による円形織機に対する可能な工程順序の上記の説明では、本発明による円形織機の一層高い適用多様性が示される。
図12は、図1による円形織機と比較して代替的な円形織機を示す。これは、ロータ2の代わりに、同心円状に配置され、かつ円筒状芯糸1aの周りにしっかりと併せられた4つの副軌道24を有する円形複部構成案内軌道23を有する。
同一の機能要素は同一の参照符合で印される。
5つのシャットル5は、それぞれが立方体のシャットル運搬装置25に配置されるように、案内軌道23に沿って案内され、該運搬装置25はそれぞれ8つの案内ローラ26を有し、このうちの2つの案内ローラ26はそれぞれ、案内軌道23の副軌道24に割り当てられる。シャットル運搬装置25によって、シャットル5は、回転するシャットル5を案内するための円形無限軌道23(案内軌道)を形成する複部構成案内軌道23内で循環し、シャットル5のための走行ラインを画定する。
織軸3の方向に向いている複部構成案内軌道23の2つの内側副軌道24は、円形無限軌道23の半径方向に広がる内部、ひいては、円形織機の使用可能な製織面6の半径方向の広がりを限定し、シャットル5は製織面外側で回転する。
シャットル5はそれぞれ、緯糸ボビン7を有し、この横糸8は、(図13に明らかに可視である)芯糸1a上の製織点へ2つの半径方向内側副軌道24の間で一直線に案内される。環状案内軌道23の半径方向内部における製織面6は、従って、横糸8の進路によって部分的に定められるように、基本的に円板状である。
12の経糸コイル装置10は、それぞれ1つの経糸ボビン11と共に、芯糸1aを中心として同心円状に、かつ互いから同じ距離で配置され、これらは、それぞれ1つの位置決め装置13によって機械ハウジング4に移動可能に装着される。経糸ボビン11の縦糸12はまた、芯糸1a上の製織点へ、一直線に、かつ製織面6に相対する可変の製織角度16で、芯糸1aを案内する。
それぞれのシャットル5は、(図13に示される)対応するスリップリングからスリップリング接点を介して電流および制御コマンドを受信する、シャットル運搬装置25に取り付けられるモータ27によって別個に駆動される。
シャットル5は従って、案内軌道23内で同じまたは異なる速度で互いから独立して転がることができる。
経糸コイル装置10および経糸ボビン11を移動させかつ位置決めするための位置決め装置13は、図1、図2a、図2b、図2cによる円形織機の位置決め装置13と類似するように設計され、経糸コイル装置10および経糸ボビン11をそれぞれ、図13に示されるように、案内軌道23の2つの半径方向内側副軌道24に囲まれ、かつ周転する横糸8によって形成される製織面6の両側に位置決めする。
明確にするために、6時の位置および12時の位置におけるシャットル5および位置決め装置13のみが図13に示される。
図1による円形織機のように、緯糸ボビン7の回転軸はシャットル5の周方向に配置され、経糸ボビン11の回転軸は、製織面6に基本的に平行に、かつ織軸3に垂直に配置されることで、横糸8および縦糸12を芯糸1aに送り込むことは、大部分がわずかな偏向でまたは偏向なく成し遂げられる。
縦糸12を反復的に変更する目的で、それぞれの経糸コイル装置10またはそれぞれの縦糸ボビン11は、位置決め装置13の軸方向可動型ボビングリッパ14によって両方向に製織面6を通して案内される。
シャットル5は、複部構成案内軌道23の内側設置空間に配置されることで、案内軌道23の半径方向内側副軌道24に囲まれる製織面6の外側で作動するため、経糸ボビン11を有する経糸コイル装置10の横方向位置は、シャットル5の必要とされる循環空間によって影響されない。経糸ボビン11を有する経糸コイル装置10は、横糸8を製織面6内で通過できるようにするだけでよく、従って、製織面6にできるだけ近くになるように位置決め可能であり、このことは、経糸コイル装置10または経糸ボビン11のための非常に短い交互の走行路、および非常に小さい製織度16の利点に関連している。
縦糸12を交互に広げることによって、5つのシャットル5が案内軌道23において互いに対称的なまたは非対称的な距離で回転する間、縦糸12は、所望の製織構造で横糸8と共に織られることで、図12、図13に示される一様な製織モードはまた、シャットル5、および位置決め装置13のボビングリッパ14aの個々の駆動および制御によって、製織工程中、変更可能である。
シャットル運搬装置25によって案内軌道23の副軌道24の溝に確実に案内されるシャットル5は、運搬される横糸8に対してとりわけ高い糸張力を与えることができ、かつ、芯糸1aで非常に強い織地17を織ることができるようにする。
例示的な実施形態によると、円形織機は従って、上述される例示的な実施形態に従って輪郭が適合する織地17による不均一な起伏のある芯糸1bを織るのにとりわけ適している。
図14は、図12、図13による円形織機と同様に構成されるが、互いに平行に配置される、3つの複部構成環状案内軌道(案内軌道)23.1、23.2、23.3を有する、拡張された円形織機の半形状の一部分を示す。複部構成案内軌道23.1、23.2、23,3のそれぞれは、図12、図13による案内軌道23に従って構成され、かつ、複部構成案内軌道23.1、23.2、23.3内で回転する2つのシャットル(シャットルの対)を備える。
図12、図13による円形織機の実施形態と比較した相違点のみが以下に論じられる。
複部構成円形案内軌道23.1、23.2、23.3はそれぞれ、円形無限軌道(案内軌道)23を形成し、かつ、シャットル5のための平行な案内軌道を画定する。
織軸3の方向に向いている案内軌道23.1、23.2、23.3の2つの内側副軌道24はそれぞれ、場合によっては使用可能な製織面6.1、6.2、6.3を半径方向に限定して、シャットル5はこれら製織面6.1、6.2、6.3の外側で回転する。
中央案内軌道23.2のシャットル5から、芯糸1aを織るための横糸8は、芯糸1a上の製織点へと関連の内側副軌道24の間で一直線に案内される。
2つの、側方の案内軌道23.1、23.3の横糸8はそれぞれ、糸の偏向によって案内されることで、その後また、芯糸1a上の製織点へ一直線に作動するようにする。
2つの、側面にある案内軌道23.1、23.3の糸の偏向は、平行に回転するシャットル5の横糸8をより近づけることで、案内移動23.1、23.2、23.3、および横糸の走行によって定められる3つの製織面6.1、6.2、6.3を組み合わせるのに役立つ。
経糸コイル装置10または経糸ボビン11を移動させかつ位置決めするための位置決め装置13は、図1、図2a、図2b、図2c、または図12および図13による円形織機の位置決め装置13と類似するように設計されることによって、経糸コイル装置10または経糸ボビン11は、それぞれ、3つの組み合わせた製織面6.1、6.2、6.3の両側に位置決め可能である。
明確にするために、3つの平行に摺動するシャットル5および位置決め装置13のみが、円形織機の12時の位置において図14に示される。
経糸ボビン11の縦糸12は、芯糸1a上の製織点へと、直線状に、製織面6.1、6.2、6.3に対する可変の製織角度16で走行する。この場合、縦糸12を交互に広げるために、それぞれの経糸コイル装置10またはそれぞれの縦糸ボビン11は、位置決め装置13の可動型ボビングリッパ14aによって3つの製織面6.1、6.2、6.3を通して両方向に同時に案内される。製織面6.1、6.2、6.3の組み合わせによって、縦糸コイル装置10または経糸ボビン11の位置を変更するために必要とされる走行距離が低減される。
図14による芯糸1aは、製織パターンによって製作される織地17の例を示す。この場合、製織モードは、3つのシャットル5の通過後に縦糸変更をもたらし、それによって、3つの横糸の巻かれたものは、1つの縦糸12と同時に織られる。
この製織モードは、円形織機の異なる動作モードで、例えば、1つのシャットル5が縦糸変更間で3つの平行な案内軌道23.1、23.2、23.3のそれぞれを通過する動作モードで生じさせることが可能である。縦糸変更間で、早く回転するシャットル対5が中央案内軌道23.2上で通過し、相対的に遅く回転するシャットル5が左に隣接する案内軌道23.1上で通過する、さらなる動作モードが可能である。縦糸変更後の第2の周期において、中央案内軌道23.2上で速く回転するシャットル対5の繰り返される通過中、相対的に遅く回転するシャットル5の通過がその後、右側の隣接する案内軌道23.3において行われる。
平行な案内軌道23.1、23.2、23.3を使用して、シャットル5は、非常に異なる速度で並行して動作可能であり、これは、異なる紡織材料の横糸8を加工する時にとりわけ重要である。
平行な案内軌道23.1、23.2、23.3において動作させるシャットル5はまた、所望の織地特性に応じて、同じ回転方向または相対する方向で回転することができる。
この拡張した円形織機によって、多種多様な製織パターンおよび織地特性を達成するために適用可能な動作パラメータおよび糸材料を組み合わる能力は、さらに高められる。
図15は、図12、図13による円形織機と同様に構成されるが、異なる数および配置の位置決め装置13を提供する、円形織機の半形状の一部分を示す。
図12、図13による円形織機の実施形態と比較した相違点について、とりわけ以下に論じる。
この円形織機は、織軸3を中心に同心円状にかつカスケード状に回転させてよい、複部構成案内軌道23および横糸8の進路によって形成される製織面6の両側に2つの経糸ボビンリング21.1a、21.1b、および21.2a、21.2bを有する。
製織面6の両側における対応する半径方向内側経糸ボビンリング21.1a、21.2aは、対応する半径方向外側縦糸ボビンリング21.1b、21.2bに対して中央の転がり軸受によって回転可能に装着され、対応する半径方向外側縦糸ボビンリング21.1b、21.2bは、中央の転がり軸受によって半径方向内側縦糸ボビンリング21.1a、21.2aに対して、および、外側転がり軸受によって機械ハウジング4に対して、回転可能に装着される。
経糸ボビンリング21.1a、21.1b、21.2a、21.2bのそれぞれは、それぞれ1つのモータ22によって別個に駆動されかつ制御される。
位置決め装置は、経糸ボビンリング21.1a、21.1b、および21.2a、21.2bの周囲に配置され、これらボビンリングは、それぞれ、図12、図13による設計に従って2つの軸方向可動型ボビングリッパ14a、14aと共に設計される。
明確にするために、円形織機の12時の位置におけるシャットル5および2つの位置決め装置13のみが、図15に示されている。
カスケード状の経糸ボビンリング21.1a、21.1b、および21.2a、21.2b上に配置される位置決め装置13は、よって、織軸3を中心にして同心円状に、製織面6の両側に2つの半径方向に互い違いに配置された円形平面に配置され、先述した有利点を有する、経糸コイル装置10および経糸ボビン11の軸方向運動および周方向運動の両方を実現する。
カスケード状の経糸ボビンリング21.1a、21.1b、および21.2a、21.2bはまた、多くの経糸コイル装置10および経糸ボビン11を最も狭い空間に配置させることができるため、円形織機に対するとりわけ狭い設計には好都合である。
図16は、ロータリング2、および、図1〜図4によるロータリング2の実施形態と同様のロータリング2によって回転する2つのシャットル5を有する円形織機を示す。
明確にするために、円形織機の12時の位置におけるシャットル5および2つの位置決め装置13のみが、図16に示されている。
図1による円形織機とは対照的に、製織面6の両側に配置される位置決め装置13のグリッパ要素/ボビングリッパ14は、ハンドリングロボット28によって個々に案内される。
位置決め装置13のこの実施形態では、それぞれの経糸コイル装置10または経糸ボビン11は、自律的に、かつ、織軸3に対する任意の軸方向、半径方向、および周方向に移動可能であり、製織面6の横方向のいずれの箇所にも位置決め可能である。
ハンドリングロボット28によって、製織面6の両側における経糸ボビン11の位置決め、および製織面6を通した経糸ボビン11の走行に対する最大限の自由度が可能になる。
図17は、図8bに従って設けられる2つのロータリング2.1、2.2を有する円形織機と同様の円形織機を示す。これによって、図8bによる円形織機に加えて、自動的に、停止状態のシャットル5から緯糸ボビン7を持ち上げ、かつこれらを定着させることができるグリッパ要素を有するハンドリングロボット29が設けられる。
これによって、一方では、使用される緯糸ボビン7の自動化交換を可能にし、他方では、動作時の緯糸ボビン7、例えば、図17における矢印によって示されるように、両方のロータリング2.1、2.2の平行に作動するシャットル5の緯糸ボビン7の間の位置の自動化変更を可能にする。このことは、特に、2つのロータリング2.1、2.2の間の中間位置(位置M)における縦糸ボビン11の位置決め中に縦糸12との横糸8との特殊な波状を達成可能にし、これによって、さらなる特殊な製織パターンおよび織地特性を有する織地17が製作可能である。
上述される例示的な実施形態に挙げられる特徴は、本発明の範囲内に含まれる、本発明による円形織機のさらなる有利な実施形態を生じさせるために互いに組み合わせ可能である。