JP6816032B2 - 動弁機構及び機械式ラッシュアジャスタ - Google Patents

動弁機構及び機械式ラッシュアジャスタ Download PDF

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Description

本発明は、バルブクリアランス(例えば、ロッカアーム型動弁機構ではカムとロッカアームとの間の隙間、直動型動弁機構ではカムとバルブステムを覆うタペット(バケット)との間の隙間)を自動調整する動弁機構及びその動弁機構に用いられる機械式ラッシュアジャスタに関する。
自動車等の機関(エンジン)に用いられる吸気バルブや排気バルブをシリンダヘッドの吸気口や排気口に装着するに際して、例えば、バルブステムに連係されたロッカアームを機械式ラッシュアジャスタを支点として揺動するように構成し、バルブクリアランスを機械式ラッシュアジャスタの駆動(伸縮動作)によって自動調整することが広く知られている(例えば、特許文献1,2,非特許文献1参照)。
この種の機械式ラッシュアジャスタは、外側に雄ねじを形成したプランジャ(ピボット部材)と、内側に雌ねじを形成したプランジャ係合部材である筒形状のハウジングとを備え、ハウジング内側の雌ねじにプランジャ外側の雄ねじを螺合することによりねじ係合部を形成すると共に、プランジャスプリング(圧縮コイルスプリング)をハウジング内に収容し、そのプランジャスプリングによりプランジャを上方のロッカアーム側に付勢する構造とされている。そして、ハウジング側の雌ねじとプランジャ側の雄ねじとで構成する「のこ歯ねじ」の「ねじ山」の角度(リード角およびフランク角)を所定の角度に設定することにより、プランジャがハウジングから突出する方向(以下、プランジャ伸長方向という)には、同方向の軸荷重の下で、ねじ係合部でプランジャを滑り回転させることにより移動させ、プランジャがハウジング内に沈み込む方向(以下、プランジャ縮小方向という)には、同方向の軸荷重の下で、ねじ係合部に発生する摩擦によりプランジャのねじ係合部での滑り回転を抑制する(以下、これを「ねじ」が自立する、という)こととされ、これにより、バルブクリアランスが自動調整される。
特公表昭61−502553(図1〜5) 実開平3−1203号公報(図1〜3) WO2013−136508A
NTN TECHNICAL REVIEW No.75(2007)論文「エンドピボット型メカニカルラッシュアジャスタの開発」(第78〜85頁、図1〜4)
しかし、従来の機械式ラッシュアジャスタ(特許文献1,2および非特許文献1)は、バルブクリアランスが増加した場合に、バルブクリアランスを減少させる方向(プランジャ伸長方向)の動作は可能であるが、バルブクリアランスが減少した場合に、バルブクリアランスを増加させる方向(プランジャ縮小方向)の動作については、ねじのガタ(バックラッシュ)分の調整代はあっても、バルブクリアランスを積極的に増加させる(バルブクリアランスを零に調整する)アジャスト構造を有していない。
このため、例えば、機関(エンジン)が暖まった状態で停止した後、急激に冷えるような場合、シリンダヘッド(アルミニウム合金)とバルブ(鉄合金)の熱膨張係数の違いに起因して、バルブクリアランスが過小(負のクリアランス)状態となって、バルブのフェース面がバルブシートから浮くおそれがあるが、このような事態に対し、従来のラッシュアジャスタでは、プランジャ縮小方向(バルブクリアランスを増加させる方向)に動作できないため、バルブクリアランスの過小(負のクリアランス)状態が放置されて、冷間時に機関(エンジン)が再始動する際、バルブリフト量が過大となったり、バルブのフェース面とバルブシートとの間のシール性(燃焼室のシール性)が不良になったりすることが危惧される。
そこで、本発明者は、上記問題点を考慮し、特許文献3に示すように、「ねじ係合部を構成する「ねじ」のねじ山のリード角とフランク角を設定(例えば、リード角を10〜40度、フランク角を5〜45度の範囲に設定)することにより、プランジャに伸長・縮小いずれの方向の軸荷重が作用した場合にも、プランジャを、ねじ係合部で滑り回転させて軸荷重作用方向に移動させ、軸荷重伝達部材(ロッカアーム等)およびプランジャスプリングに対するプランジャの摺接面にそれぞれ発生する摩擦トルクの総和が、プランジャをねじ係合部で滑り回転させる推力トルクを上回った場合に、ねじ係合部のねじを自立させる(プランジャのねじ係合部での滑り回転が抑制されてプランジャが該ねじ係合部で不動となる)内容を提案している。
しかし、上記特許文献3に係る機械式ラッシュアジャスタを用いた場合、前述の問題点については解消するものの、本発明者が引き続き実験を重ねたところ、以下の新たな問題が見出された。
即ち、機関(エンジン)が暖まった状態で停止した後、急激に冷えるような場合とか、バルブシート面が磨耗した場合に発生するバルブクリアランスの過小状態では、軸荷重伝達部材(ロッカアーム等)およびプランジャスプリングに対するプランジャの摺接面にそれぞれ発生する摩擦トルクの総和が、プランジャをねじ係合部で滑り回転させる推力トルクを上回る状態となる所定位置まで、プランジャがバルブクリアランスの過小状態をなくすように適正量沈み込むべきところ、プランジャが適正量以上に沈み込んで、カムのベースサークルとカムノーズ間のランプ部(バルブの加速度を調整する部分)が機能せず、カムノーズが軸荷重伝達部材を衝打する打音や、傘部のフェース面(バルブシートフェース)がバルブシートインサートに衝突する衝突音が発生する、という予期せぬ状態(新たな問題)が発生した。
この原因について本発明者が考察したところ、ねじ係合部を構成する雄ねじと雌ねじ間には、バックラッシュ(雄ねじと雌ねじ間の隙間)が必ず設けられているが、このバッククラッシュが「プランジャの沈み込み量過大」の原因であることが分かった。
詳しくは、例えば、カムの押圧力がロッカアームを介してプランジャに作用するロッカアーム式動弁機構では、カムとロッカアーム間の接触点がロッカアーム上を移動する際に、プランジャには、プランジャの軸線に沿った軸荷重の他に、カムの押圧力の作用方向の変化に起因して、軸線に対し横方向の横荷重(図5の符号T1,T2参照)も作用する。この横荷重がプランジャに作用すると、ねじ係合部のバックラッシュ(雄ねじと雌ねじ間の隙間)相当、プランジャが横荷重作用方向に揺動し、このプランジャの揺動に伴って、プランジャが滑り回転しながら軸荷重作用方向に移動する分、プランジャは、想定していた沈み込み量よりも多く沈み込むことになる。
この新たな問題に対して、ねじ係合部のバックラッシュをできるだけ小さくしてプランジャに作用する横荷重の影響を無視できれば、即ち、バックラッシュが小さいためプランジャの揺動に伴ってねじ係合部にモーメントが発生しなければ、ねじ係合部におけるプランジャの沈み込み量が適正量となって、ラッシュアジャスタは、バルブクリアランスの過小状態をなくすように的確に動作する。しかし、バックラッシュが小さくなるように、ねじ係合部を構成する雄ねじと雌ねじをねじ加工することは非常に難しく、量産するラッシュアジャスタに一定の品質を保証することは実質的に困難である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、バルブクリアランスを自動的にかつ確実に調整できる動弁機構を提供することにある。
第2の目的は、上記動弁機構に用いられる機械式ラッシュアジャスタを提供することにある。
前記第1の目的を達成するために、次の(1)〜(6)の構成が採用されている。
(1)機関出力軸の回転に連動して回転するカムと、バルブスプリングにより閉弁方向に付勢されるバルブの軸端部と、該バルブの軸端部と前記カムとの間に介在されて該カムの押圧力を開弁力として該バルブの軸端部に伝達する動力伝達部材と、該動力伝達部材に連係され前記カムと前記動力伝達部材との間においてバルブクリアランスを調整する機械式ラッシュアジャスタと、が備えられている動弁機構において、
前記機械式ラッシュアジャスタは、
前記動力伝達部材に当接され、前記カムの押圧力及び前記バルブスプリングの付勢力が該動力伝達部材を介して伝達されるプランジャと、
前記プランジャに対してねじ係合させることにより、該プランジャと協働して該プランジャとの相対回転に基づき該プランジャを伸縮させるねじ係合部を形成し、該ねじ係合部の周方向に回転不能に保持されるプランジャ係合部材と、
前記プランジャと前記プランジャ係合部材とに関係付けられて、該プランジャを、前記動力伝達部材が前記カムに当接する方向に付勢する圧縮コイルばねと、を備え、
前記ねじ係合部は、前記プランジャに該プランジャの伸縮方向のいずれかの方向に荷重が作用したときには、該ねじ係合部に発生する摩擦トルクにより該ねじ係合部での該プランジャ係合部材に対する該プランジャの滑り回転を抑制する一方、該プランジャ係合部材に対して該プランジャを揺動させる横荷重が作用したときには、前記滑り回転の抑制を緩和するように設定されている構成とされている。
この構成によれば、ねじ係合部の設定により、プランジャにその伸縮方向のいずれかに荷重として軸荷重が作用するときには、ねじ係合部が相対的に不動となり(ねじが自立し)、カムの回転に伴う駆動力が動力伝達部材に伝達されることになる。このため、動力伝達部材を利用して、バルブを適正に開閉動作させることができる(動力伝達部材がロッカアームのときには、プランジャがロッカアームを揺動させる支点として機能)。
その一方で、プランジャに横荷重が作用した場合には、プランジャは、ねじ係合部のバックラッシュ相当だけ、プランジャに対する軸荷重の作用方向(プランジャ伸長方向(バルブクリアランスを減少させる方向)又はプランジャ縮小方向(バルブクリアランスを増加させる方向))に動作して、バルブクリアランスが調整されることになり、バルブクリアランスの調整には、バックラッシュに基づくプランジャの横荷重作用方向への揺動によるプランジャの滑り回転のみが利用され、プランジャに対する軸荷重の作用によりプランジャを滑り回転させる構造(特許文献3の構造)は利用されない。このため、プランジャに軸荷重を作用させてプランジャを滑り回転させる構造により、バルブクリアランスの調整を行う場合とは異なり、プランジャが、想定する移動量よりも多く移動することが防止される。結果、バルブクリアランスを自動的にかつ確実に調整できる。
また、ラッシュアジャスタは、プランジャに伸長・縮小いずれの方向の軸荷重が作用した場合にも、ねじ係合部に発生する摩擦トルクによりプランジャのねじ係合部での滑り回転が抑制されて「ねじが自立」するという構成であるが、ねじ係合部のバックラッシュ相当だけプランジャが横荷重によって揺動することを積極的に利用して、プランジャをねじ係合部で滑り回転させるという構成であるため、ねじ係合部のバックラッシュを従来よりも小さくする必要がなく、ねじ係合部を構成する雄ねじと雌ねじのねじ加工がそれだけ容易である。したがって、一定の品質を保証する機械式ラッシュアジャスタの量産に極めて有効である。
(2)前記(1)の構成の下で、
前記プランジャと前記プランジャ係合部材とに捩じりばねが関係付けられて、該プランジャが該プランジャ係合部材に対して伸長するための相対回転方向に付勢されている構成とされている。
この構成によれば、動弁機構として上述のような構造(上記(1)に示す動弁機構)がとられるとしても、機関(エンジン)において、冷間始動、停止、冷間再始動が順次、行われた場合に、カムが動力伝達部材に衝突的に接触することに基づいて異音が発生することを防止できる。
すなわち、機関が冷間始動する場合、触媒活性化のための高温の排気ガスによりバルブが伸び、バルブクリアランスが過小(負のクリアランス)状態となろうとすることから、プランジャは、バルブクリアランスを適正に調整すべく、プランジャ係合部材に深く入り込み(プランジャ縮小状態)、バルブクリアランスの過少状態を解消する。
しかし、上記状態で機関が停止されると、ねじ係合部においては滑り回転の抑制状態が維持され、プランジャがプランジャ係合部材に深く入り込んだ状態が保持されることになり、この後、冷間時にその機関が再始動された場合には、バルブが収縮して元に戻っている一方で、上記状態(プランジャがプランジャ係合部材に深く入り込んだ状態)が維持されていることから、そのバルブクリアランスを適正に調整すべく、プランジャが伸長しようとするものの、カムの回転によって動力伝達部材に横方向の荷重が作用しない限りプランジャが伸長できないため、プランジャは、迅速に適正な伸長状態に戻らないおそれがある。このため、上記場合には、動力伝達部材にカムのベースサークルが臨んだとき、その両者間のクリアランスが過大となり、カムは、そのオープンランプ部で動力伝達部材に衝突的に接触し、異音が発生する。
このため、プランジャとプランジャ係合部材とに捩じりばねが関係付けられて、プランジャがプランジャ係合部材に対して伸長するための相対回転方向に付勢されている構成とすることにより、バルブクリアランスがある限り、プランジャは、捩じりばねの付勢力に基づき伸長され、再始動時には、動力伝達部材にカムのベースサークルが臨んだとき、そのベースサークルは常に動力伝達部材に当接される。これにより、動弁機構として前述のような構造がとられるとしても、機関において、冷間始動、停止、冷間再始動が順次、行われた場合に、カムが動力伝達部材に衝突的に接触することに基づいて異音が発生することを防止できる。
(3)前記(2)の構成の下で、
前記圧縮コイルばねと前記捩じりばねとが、プランジャスプリングとして、一つのばね材により構成されている構成とされている。
この構成によれば、前述の(2)と同様の作用を実現しつつ、それを実現するばね材の部品点数を低減することができると共に、そのばね材を配置するための設置スペースを極力少なくすることができる。
(4)前記(2)の構成の下で、
前記圧縮コイルばねと前記捩じりばねとが、プランジャスプリングとして、別個独立して設けられている構成とされている。
この構成によれば、圧縮コイルばね及び捩じりばねを、ばね係数等の観点から個別に選択することができ、動弁機構における各ばねの付勢力調整を容易に行うことができる。
(5)前記(1)の構成の下で、
前記プランジャ係合部材が、シリンダヘッドに保持された円筒状のハウジングとされ、
前記プランジャが、該プランジャの一端を前記動力伝達部材に対する当接端として、該プランジャの一端側を前記ハウジングから突出させつつ該プランジャの一端側よりも他端側を該ハウジング内に収容するように配置され、
前記ねじ係合部が、前記プランジャの外周面に形成される雄ねじと、前記ハウジング内周面に形成されて前記雄ねじを螺合する雌ねじとにより構成されている構成とされている。
この構成によれば、動弁機構として、具体的で且つ好ましい構造のものを提供できる。
(6)前記(1)の構成の下で、
前記ねじ係合部は、該ねじ係合部を構成するねじのねじ山のリード角とフランク角とにより、前記プランジャに該プランジャの伸縮方向のいずれかの方向に荷重が作用したときには、該ねじ係合部に発生する摩擦トルクにより該ねじ係合部での該プランジャ係合部に対する該プランジャの滑り回転を抑制する一方、該プランジャ係合部材に対して該プランジャを相対的に揺動させる横荷重が作用したときには、前記滑り回転の抑制を緩和するように設定されている構成とされている。
この構成によれば、ねじ係合部を構成する「ねじ」のねじ山のリード角とフランク角の特性を利用して、前述の(1)の作用を具体的に実現できる。
前記第2の目的を達成するために、次の(7)〜(13)の構成が採用されている。
(7)プランジャと、
前記プランジャに対してねじ係合させることにより、該プランジャと協働して該プランジャとの相対回転に基づき該プランジャを伸縮させるねじ係合部を形成するプランジャ係合部材と、
前記プランジャと前記プランジャ係合部材とに関係付けられて、該プランジャを、該プランジャ係合部材に対して該プランジャを伸長させる方向に付勢する圧縮コイルばねと、を備え、
前記ねじ係合部は、前記プランジャに該プランジャの伸縮方向のいずれかの方向に荷重が作用したときには、該ねじ係合部に発生する摩擦トルクにより該ねじ係合部での該プランジャ係合部材に対する該プランジャの滑り回転を抑制する一方、該プランジャ係合部材に対して該プランジャを相対的に揺動させる横荷重が作用したときには、前記滑り回転の抑制を緩和するように設定されている構成とされている。
この構成によれば、前記(1)の動弁機構に用いられる機械式ラッシュアジャスタとして好ましいものを提供できる。
(8)前記(7)の構成の下で、
前記プランジャと前記プランジャ係合部材とに捩じりばねが関係付けられて、該プランジャが該プランジャ係合部材に対して伸長するための相対回転方向に付勢されている構成とされている。
この構成によれば、前記(2)の動弁機構に用いられる機械式ラッシュアジャスタとして好ましいものを提供できる。
(9)前記(8)の構成の下で、
前記圧縮コイルばねと前記捩じりばねとが、プランジャスプリングとして、一つのばね材により構成されている構成とされている。
この構成によれば、前記(3)の動弁機構に用いられる機械式ラッシュアジャスタとして好ましいものを提供できる。
(10)前記(8)の構成の下で、
前記圧縮コイルばねと前記捩じりばねとが、プランジャスプリングとして、別個独立して設けられている構成とされている。
この構成によれば、前記(4)の動弁機構に用いられる機械式ラッシュアジャスタとして好ましいものを提供できる。
(11)前記(7)の構成の下で、
前記プランジャ係合部材が、円筒状のハウジングとされ、
前記プランジャが、該プランジャの一端側を前記ハウジングから突出させつつ該プランジャの一端側よりも他端側を該ハウジング内に収容するように配置され、
前記ねじ係合部が、前記プランジャの外周面に形成される雄ねじと、前記ハウジング内周面に形成されて前記雄ねじを螺合する雌ねじとにより構成されている構成とされている。
この構成によれば、前記(5)の動弁機構に用いられる機械式ラッシュアジャスタとして好ましいものを提供できる。
(12)前記(7)の構成の下で、
機関出力軸の回転に連動して回転するカムと、バルブスプリングにより閉弁方向に付勢されるバルブの軸端部と、該バルブの軸端部と前記カムとの間に介在されて該カムの押圧力を開弁力として該バルブの軸端部に伝達する動力伝達部材と、を備える動弁機構において、前記カムと前記バルブの軸端部との間のバルブクリアランスを調整するために用いられ、
前記プランジャは、前記動力伝達部材に当接されて、前記カムの押圧力及び前記バルブスプリングの付勢力が該動力伝達部材を介して伝達されるように配置され、
前記プランジャ係合部材が、前記動弁機構において、該ねじ係合部の周方向に回転不能に保持される構成とされている。
この構成によれば、(1)の動弁機構に用いられる機械式ラッシュアジャスタとして好ましいものを提供できる。
(13)前記(7)の構成の下で、
前記ねじ係合部は、該ねじ係合部を構成するねじのねじ山のリード角とフランク角とにより、前記プランジャに該プランジャの伸縮方向のいずれかの方向に荷重が作用したときには、該ねじ係合部に発生する摩擦トルクにより該ねじ係合部での該プランジャ係合部材に対する該プランジャの滑り回転を抑制する一方、該プランジャ係合部材に対して該プランジャを相対的に揺動させる横荷重が作用したときには、前記滑り回転の抑制を緩和するように設定されている構成とされている。
この構成によれば、前記(6)の動弁機構に用いられる機械式ラッシュアジャスタとして好ましいものを提供できる。
以上の説明から明らかなように、本発明に係る動弁機構によれば、バルブクリアランスを自動的にかつ確実に調整できる。
また、本発明に係る機械式ラッシュアジャスタによれば、上記動弁機構に用いられる好ましいものを提供できる。
本発明をロッカアーム式動弁機構仕様の機械式ラッシュアジャスタに適用した第1実施形態を示し、ロッカアーム式動弁機構全体の断面図である。 第1実施形態に係る機械式ラッシュアジャスタの要部を示し、(a)は、プランジャに形成した雄ねじのねじ山のリード角とフランク角を示す図、(b)は、ハウジングに形成した雌ねじのねじ山のリード角とフランク角を示す図である。 プランジャの揺動によりプランジャがねじ係合部で滑り回転して軸荷重作用方向に移動する原理を説明する説明図である。 (a)〜(d)は、プランジャ上端部に紙面手前から奥に向かって横荷重が入力(作用)する際のプランジャの動きを説明する図で、(a),(b)は、伸長方向の軸荷重が作用しているプランジャに横荷重が作用した場合、(c),(d)は、縮小方向の軸荷重が作用しているプランジャに横荷重が作用した場合で、(a),(c)は、横荷重の入力(作用)方向に対し左側からプランジャを見た図、(b),(d)は、横荷重の入力(作用)方向に対し右側からプランジャを見た図を示す。 エンジンの回転数が低い場合のバルブリフト量,プランジャに作用する横荷重およびプランジャの動き(リフトロス)を示す図である。 第1実施形態に係る動弁機構に用いられる機械式ラッシュアジャスタを示す縦断面図である。 第2実施形態に係る動弁機構に用いられる機械式ラッシュアジャスタを示す縦断面図である。 第2実施形態に係る機械式ラッシュアジャスタに用いられる捩じりばねを示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
1.図1〜図6は、第1実施形態を示す。この第1実施形態を示す図1において、符号1は、シリンダヘッド11に組み付けられる内燃機関の動弁機構を示す。この動弁機構1としては、本実施形態においては、ロッカアーム式動弁機構が用いられ、その動弁機構1は、燃焼室Sに連なる吸気(排気)ポートPを開閉する機構として、吸気(排気)ポート)Pを開閉する吸気バルブ又は排気バルブ(以下、バルブという)10と、そのバルブ10の上方に配置されるカム19aと、バルブ10とカム19aとの間に配置される動力伝達部材としてのロッカアーム16と、ロッカアーム16を支持する機械式ラッシュアジャスタ(以下、ラッシュアジャスタという)20と、を備えている。
(1−1)前記バルブ10は、既知の如く、バルブステム10Aを一体的に備えており、そのバルブステム10Aは、吸気ポート(又は排気ポート)Pに連なる貫通孔に保持された円筒状のバルブ摺動ガイド11b内に摺動自在に挿通されている。バルブステム10Aは、その軸端部(図1中、上端部)が、シリンダヘッド11の上面上方に突出されており、その先端部外周には、コッタ12aおよびスプリングリテーナ12bが装着され、そのコッタ12aおよびスプリングリテーナ12bの下方には、シリンダヘッド11の上面上においてばね座11aが配置されている。このバルブステム10Aの外周にはバルブスプリング(圧縮コイルスプリング)14が、遊嵌状態をもって巻回されており、そのバルブスプリング14は、スプリングリテーナ12bとばね座11aとの間に介装されて、バルブ10を吸気(排気)ポートPの開口を閉弁する方向に付勢している。符号10aは、バルブ10の傘部(head)外周に形成されたテーパ形状のバルブシートフェース、符号11cは、吸気(排気)ポートPの燃焼室Sへの開口周縁部に形成されて、バルブシートフェース10aに対応するテーパ形状とされたシートインサートである。
(1−2)前記カム19aは、自動車用エンジンの回転に同期して回転駆動されるカムシャフト19に固定されている。カム19aは、カムシャフト19の回転に伴い回転駆動される。このカム19aの外周面は、既知の如く、ベースサークル19a1,カムノーズ19a3により構成され、そのベースサークル19a1とカムノーズ19a3とは、オープン側ランプ部19a21及びクローズ側ランプ部19a22により区画され、カムノーズ19a3は、カムトップ19a4において最も突き出されている。
(1−3)前記ロッカアーム16は、カム3の回転駆動に基づき揺動される。ロッカアームは、その一端側がバルブステム10Aの軸端部に当接され、その他端側には、後述のラッシュアジャスタ20を支持するためのソケット部18が形成されている。このロッカアーム16には、その長手方向中程において、ローラ軸17aに支承されたローラ17bが設けられ、このローラ17bに、前記カム19aが当接される。これにより、ロッカアーム16は、カム3の回転駆動力に基づき、ラッシュアジャスタ20を支点として揺動し、そのロッカアーム16の揺動によって、そのカム19aの回転駆動力はバルブステム10Aに伝達される。この結果、バルブステム10Aは、円筒状のバルブ摺動ガイド11bを摺動することになり、バルブ10は、バルブステム10Aの摺動に応じて、吸気ポート(又は排気ポート)Pを開閉する。
(1−4)前記ラッシュアジャスタ20は、図1、図6に示すように、プランジャ係合部材としての筒状のハウジング22内にプランジャ24が配設され、そのハウジング22とプランジャ24とにはプランジャスプリング26が関係付けられている。
(1−4−1)ハウジング22は、その一端側開口を上方に向けつつ、シリンダヘッド11の上部側に形成されて上下方向に伸びるボア13内に挿入されている。ハウジング22は、その他端部(下端部)がボア13の底面に当接するようにボア13に挿入されているものの、ボア13には圧入されていない(積極的なハウジング回り止め手段は設けられていない)。しかし、ロッカアーム16を介してプランジャ24を押し下げる際、そのハウジング22他端部(下端部)とボア13の底面との間に摩擦トルクが発生し、その摩擦トルクが、ボア13に対するハウジング22の回転を阻止する。このため、ハウジング22は、ボア13の底面との間で発生する摩擦トルクによって、ボア13に対し回転しないように保持されている。
このハウジング22には、その内周面において雌ねじ23が形成され、そのハウジング22内には、その他端部側(下端部側)において円盤形状のばね座面プレート27aが回転不能に収容され、そのばね座面プレート27aはCリング27bによりハウジング22にその軸線方向に変位不能に固定されている。このばね座面プレート27aには、後述のプランジャスプリング26を係止するための係止孔31が形成されている。
(1−4−2)プランジャ24には、棒状部材が用いられている。このプランジャ24には、一端側において略半球状のピボット部24aが形成され、その他端側外周面には雄ねじ25が形成されている。このプランジャ24は、その一端側が前記ハウジング22の一端側開口から外方に突出した状態で、雄ねじ25がハウジング22内周面の雌ねじ23に螺合されており、そのピボット部24aは、前記ロッカアーム16のソケット部18内に入り込んでそのソケット部18に係合されている。このため、カム19aの押圧力が軸荷重として作用するプランジャ24と、周方向に回転しないように保持されたハウジング22とは、プランジャ24側の雄ねじ25とハウジング22側の雌ねじ23とを介して軸方向に係合されている。
このプランジャ24の内部には、その他端側においてばね収容孔32が形成されている。ばね収容孔32は、プランジャ24の伸び方向に伸びており、そのばね収容孔32の一端(内端)は、ばね座面33により区画され、そのばね座面33には、後述のプランジャスプリング26を係止するための係止孔34が形成されている。ばね収容孔32の他端は、プランジャ24の他端面から外部に開口されており、ばね収容孔32の内部は、ばね座面プレート27aに臨んでいる。
(1−4−3)プランジャスプリング26は、図1、図6に示すように、プランジャ24のばね収容孔32の一端を区画するばね座面33とばね座面プレート27aとの間に介装されている。プランジャスプリング26には、本実施形態においては、圧縮コイルばねとしての機能の他に、捩じりばねとしての機能を有するものが用いられており、このプランジャスプリング26は、一定のピッチをあけつつコイル状に形成されていると共に、そのプランジャスプリング26を形成する線材の両端部は、係止部(アーム)35,36として、プランジャスプリング26の軸線方向外方に向けて折曲されている。このプランジャスプリング26は、その軸線方向をばね収容孔32の伸び方向に向けつつ該ばね収容孔32に収容されており、その軸線方向一方側(図1中、下方側)の係止部35がばね座面プレート27aの係止孔31に係止され、その軸線方向他方側(図1中、上方側)の係止部36がばね座面33の係止孔34に係止されている。このプランジャスプリング26は、ハウジング22に対するプランジャ24の相対回転に基づき捩じりと、その解放とが可能になっていると共に、ハウジング22に対するプランジャ24の相対回転に基づく両者22,24の伸縮により圧縮と、その解放(伸長)とが可能となっている。ロッカアーム16に対してカム19aのベースサークル19a1が当接する形態においては、プランジャスプリング26は、その圧縮コイルばねとしての機能が、プランジャ24を、ハウジング22に対して伸長する方向に付勢すると共に、捩じりばねとしての機能が、プランジャ24を、ハウジング22に対して伸長するための相対回転方向に付勢している。
勿論、プランジャスプリング26のばね力は、バルブスプリング14のばね力よりも弱いものとなっている。
(1−4−4)前記ハウジング22における雌ねじ23と前記プランジャ24における雄ねじ25とは、その両者23,25の螺合関係をもってねじ係合部30を構成している。このねじ係合部30は、プランジャ24に伸長・縮小いずれかの方向の軸荷重が作用したときには、該ねじ係合部30に発生する摩擦トルクによりハウジング22に対するプランジャ24の滑り回転を抑制してねじを自立させ(ねじ係合部30を相対的に不動状態とすること)、プランジャ24に横荷重が作用したときには、該プランジャ24を滑り回転(滑り回転の抑制の緩和)させて軸荷重作用方向に移動させるように設定されており、本実施形態においては、図2(a),(b)に拡大して示すように、雄ねじ25及び雌ねじ23が台形ねじをもってそれぞれ構成され、その雄ねじ25及び雌ねじ23のねじ山が、リード角及びフランク角をもって上記観点に沿うように設定されている。
具体的には、雄ねじ25及び雌ねじ23のねじ山のねじ角は、リード角が15度未満、フランク角が5〜60度の範囲に設定されている。リード角を15度未満とするのは、リード角が15度以上では、プランジャ24に軸荷重が作用すると、プランジャ24がねじ係合部30において滑り回転してしまって、ねじ係合部30に発生する摩擦トルクによって「ねじを確実に自立」させることは困難である一方、リード角が15度未満であれば、軸荷重が作用するプランジャ24がねじ係合部30において滑り回転することなく、ねじ係合部30に発生する摩擦トルクによって「ねじが自立」するからである。フランク角が5〜60度の範囲に設定するのは、フランク角が5度未満では、ねじ係合部30の実質的な摩擦角が小さい角ねじの範疇となって、フランク角を変化させる意義が無くなり、リード誤差等の影響を受けない高精度の加工が難しい一方、フランク角が60度を超えると、「ねじ」の加工はし易いが、実質的な摩擦角が非常に大きいため、潤滑油による影響が大きく、エンジン運転中のリフトロスが大きくなり、実質的に使用できないからである。
より具体的には、雄ねじ25(雌ねじ23)のねじ山のリード角α、雄ねじ25(雌ねじ23)のねじ山の上側フランク角θ25a(θ23a)および下側フランク角θ25b(θ23b)については、例えば、リード角α=10度、上側フランク角θ25a,θ23a=10度、下側フランク角θ25b,θ23b=10度に設定することが好ましい。
(1−4−5)このようなねじ係合部30の設定により、バルブ10により吸気(排気)ポートPが開閉動作されるときには、ラッシュアジャスタ20において、その間、プランジャ24にロッカアーム16を介して軸荷重が作用することになり、プランジャ24は、ねじ係合部30に発生する摩擦トルクにより、滑り回転が抑制され、ねじ係合部30のねじは自立して不動状態となる。このため、プランジャ24先端のピボット部24aが、カムシャフト19の回転に連係して揺動するロッカアーム16の揺動支点として機能(作用)することになり、そのロッカアーム16の揺動支点としての機能によりバルブ10が上下方向に往復動作し、このとき、バルブ10のリフト量として、図5に示すような山形状を示すことになる。
また、カム19aがロッカアーム16(のローラ17b)を押圧することによりプランジャ24に軸荷重が作用するときには、ロッカアーム16(のローラ17b)に対するカム19a1の接触点がロッカアーム16(のローラ17b)上を移動してカム19aの押圧力の作用方向が変化するため、プランジャ24に、図5の符号T1,T2に示すように、横荷重も作用する。このプランジャ24に横荷重が作用するときには、ねじ係合部30のバックラッシュ相当、プランジャ24は横荷重作用方向にハウジング22に対して揺動することになり、雌ねじ23に対する雄ねじ25の接触点において、雌ねじ23のフランク面に沿う方向に横荷重に基づく反力が働く。このとき、横荷重作用方向と接触点での反力の方向とが一致しないため、この接触点での反力は、ねじ係合部30においてプランジャ24を滑り回転させるモーメントとして作用し、プランジャ24は、滑り回転しながら軸荷重作用方向に移動して、バルブクリアランスの増加・減少状態を解消する。
2.プランジャ24に横荷重が作用したときに、プランジャ24が滑り回転しながら軸荷重作用方向に移動する原理について、図3,4を参照しつつ、より詳しく説明する。
(2−1)例えば、図3の符号F1に示すように、プランジャ24に作用する軸荷重が上向きの場合(例えば、プランジャスプリング26の付勢力だけが作用する形態)には、雄ねじ25の上フランク面25aが雌ねじ23の下フランク面23bに接触している。接触点を符号P1で示す。図3において、上下方向に配設されたプランジャ24先端のピボット部24a(図1参照)に、横荷重Tが図3の紙面手前から奥側に向かって作用すると、プランジャ24は、ねじ係合部30の下端部、即ち、ハウジング側雌ねじ23とねじ係合するプランジャ下端部24b(図1,4参照)を支点とし、プランジャ24先端のピボット部24aが図3の紙面手前から奥側に向かって揺動する。
これにより、ねじ係合部30(雄ねじ25)が通常の右ねじの場合には、雄ねじ25の左半分(図3の左半分)では、雄ねじ25の上フランク面25aが、右旋回(下方向きを基準)しつつ下方に進む雌ねじ23の下フランク面23bを突き押しするように動作し、雄ねじ25の右半分(図3の右半分)では、雄ねじ25の上フランク面25aが、右旋回(上方向きを基準)しつつ上方に進む雌ねじ23の下フランク面23bから離れる方向に動作する。
このため、ハウジング側雌ねじ23は、ねじ係合部30の周方向に回動しないように保持されているため、雌ねじ23の下フランク面23bに対する雄ねじ25の左半分の上フランク面25aの接触点P1において、右旋回(上方向き基準)しつつ上方に進む雌ねじ23の下フランク面23bに沿う方向に横荷重に基づく反力が働く。このとき、横荷重Tの作用方向(入力方向)と接触点P1での反力の方向とが一致しないため、接触点P1での反力が、プランジャ24をねじ係合部30において図3中、R1方向に滑り回転させるモーメントとして作用することになり、プランジャ24は、バックラッシュ相当分だけ、滑り回転しながら軸荷重F1作用方向(上方)に移動する。
より具体的に説明すれば、横荷重Tの入力(作用)方向に対しプランジャ24の左半分では、図4(a)に示すように、プランジャ24が横荷重の入力に伴って揺動する際、雄ねじ25の上フランク面25aが、周方向に回動しないように保持されているハウジング側雌ねじ23の下フランク面23bに当接し、これ以上動作(図4(a)左方向に移動)できない。一方、横荷重Tの入力(作用)方向に対しプランジャの右半分では、図4(b)に示すように、プランジャ24が横荷重の入力に伴って揺動する際、雄ねじ25の上フランク面25aは、雌ねじ23の下フランク面23bから遠ざかり(図4(b)右方向に移動)、制約を受けることがなくなる。この結果、雄ねじ25の上フランク面25aがハウジング側雌ねじ23の下フランク面23bから反力を受け、プランジャ24は、バックラッシュ相当分だけ、図3中、R1方向に滑り回転しながら伸長方向(上方)に移動する。
このことから、例えば、ねじ係合部30(雄ねじ25)が通常の右ねじであって、プランジャ24に作用する軸荷重F1が上向きの場合は、プランジャ24が横荷重Tで揺動する際に、必ず図3中、R1方向に回転しながら、軸荷重F1作用方向(伸長方向)に移動する。
(2−2)他方、図3矢印F2に示すように、プランジャ24に作用する軸荷重が下向きの場合(例えば、バルブスプリング14の付勢力がロッカアーム16を介してプランジャ24に作用する形態)では、雄ねじ25の下フランク面25bが雌ねじ23の上フランク面23aに接触している。接触点を符号P2で示す。プランジャ24先端のピボット部24aに横荷重Tが図3の紙面手前から奥側に向かって作用すると、プランジャ24は、ねじ係合部30の下端部(プランジャ下端部)24bを支点とし、プランジャ24先端のピボット部24aが図3の紙面手前から奥側に向かって揺動する。
これにより、ねじ係合部30(雄ねじ25)が通常の右ねじの場合は、雄ねじ25の右半分(図3の右半分)では、雄ねじ25の下フランク面25bが、右旋回(上方向きを基準)しつつ上方に進む雌ねじ23の上フランク面23aを突き押しするように動作し、雄ねじ25の左半分(図3の左半分)では、雄ねじ25の下フランク面25bが、右旋回(下方向きを基準)しつつ下方に進む雌ねじ23の上フランク面23aから離れる方向に動作する。
このため、ハウジング側雌ねじ23は、ねじ係合部30の周方向に回動しないように保持されているため、ハウジング側雌ねじ23の上フランク面23aに対するプランジャ側雄ねじ25の右半分の下フランク面25bの接触点P2において、右旋回(下方向きを基準)しつつ下方に進む雌ねじ23の上フランク面23aに沿う方向に横荷重に基づく反力が働く。このとき、横荷重Tの作用方向と接触点P2での反力の方向とが一致しないため、接触点P2での反力が、プランジャ24をねじ係合部30において図3中、R2方向に滑り回転させるモーメントとして作用することになり、プランジャ24は、バックラッシュ相当分だけ、滑り回転しながら軸荷重F2作用方向(下方)に移動する。
より具体的に説明すれば、横荷重Tの入力(作用)方向に対しプランジャ24の右半分では、図4(d)に示すように、横荷重Tによってプランジャ24が揺動する際、雄ねじ25の下フランク面25bが雌ねじ23の上フランク面23aに当接し、これ以上動作(図4(d)右方向に移動)できない。一方、横荷重Tの入力(作用)方向に対しプランジャ24の左半分では、図4(c)に示すように、横荷重Tによってプランジャ24が揺動する際、雄ねじ25の下フランク面25bは、雌ねじ23の上フランク面23aから遠ざかり、制約を受けることがなくなる(図4(c)左方向に移動)。この結果、雄ねじ25の下フランク面25bがハウジング側雌ねじ23の上フランク面23aから反力を受け、プランジャ24は、バックラッシュ相当分だけ、図3中、R2方向に滑り回転しながら縮小方向(下方)に移動する。
このことから、例えば、ねじ係合部30(雄ねじ25)が通常の右ねじであって、プランジャ24に作用する軸荷重F2が下向きの場合は、プランジャ24が横荷重Tで揺動する際に、必ず図3中、R2方向に回転(右回転)しながら、軸荷重F2作用方向(縮小方向)に移動する。
(2−3)このように、ねじ係合部30を構成する「ねじ」のねじ山のリード角とフランク角が所定の値(例えば、リード角α=10度、上側フランク角θ25a,θ23a=10度、下側フランク角θ25b,θ23b=10度)に設定されることにより、軸荷重が作用するプランジャ24は、原則的には、ねじ係合部30が相対的に不動となって(ねじが自立し)、ロッカアーム16の揺動支点として機能(作用)し、プランジャ24に横荷重Tが作用した場合に、ねじ係合部30のバックラッシュ相当だけ、プランジャ24伸長方向(バルブクリアランスを減少させる方向)にはもちろん、プランジャ24縮小方向(バルブクリアランスを増加させる方向)にも動作する。
3.次に、上記ラッシュアジャスタ20が組み込まれた動弁機構の動作について説明する。
(3−1)図1,5に示すように、カムシャフト19(カム19a)が回転することにより、ロッカアーム16(のローラ17b)に対するカム19aの接触点は、カム角度が約−60度から約+60度まではカムノーズ19a3上にあり、これ以外のカム角度(約−60度以下および約+60度以上)ではカム19aのベースサークル19a1上にある。そして、カム角度が約−60度から約+60度までのうち、カム角度が約−60度から0度までについては、ロッカアーム16に対するカム19aの接触点は、カムのオープン側ランプ部19a21からカムトップ19a4までのカムノーズ19a3の一側面上にあり、カム角度が0度から約+60度までについては、ロッカアーム16に対するカム19aの接触点は、カムトップ19a4からカム19aのクローズ側ランプ部19a22までのカムノーズ19a3の他側面上にある。
(3−2)まず、ロッカアーム16に対するカム19aの接触点がカム19aのベースサークル19a1上にあるときには(カム角度が−60度以下では)、プランジャ24に対してプランジャスプリング26の所定の付勢力が作用しており、この付勢力は、ねじ係合部30(ねじ面)に発生する摩擦力とバランスして、プランジャ24は、伸長・縮小方向に移動することなく、バルブクリアランス(カム19aとロッカアーム16間の隙間)は0に保持されている。このため、プランジャ24は、ねじ係合部30において「ねじが自立」し不動となって、ラッシュアジャスタ20は、ロッカアーム16の揺動支点として機能する。
(3−3)ロッカアーム16に対するカム19aの接触点が、カムのオープン側ランプ部19a21からカムトップ19a4を経て反対側のクローズ側ランプ部19a22間にあるときには(図5のカム角度が−60度から+60度までの範囲では)、プランジャ24に対して、ロッカアーム16を介して、カム19aによる押圧力が軸荷重として作用する。このため、プランジャ24は、ねじ係合部30において「ねじが自立」し不動となって、ラッシュアジャスタ20は、ロッカアーム16の揺動支点として機能することになり、カム19aの1回転に対応するバルブ10のリフト量は、図5の破線で示すように、Maxリフト約10mmの山形状となる。なお、図5に示すバルブ10のリフト量には、後で詳しく説明するが、プランジャ24とハウジング22との間のねじ係合部30にバックラッシュがあるため、プランジャ24が自動的に滑り回転して縮小方向に移動することに伴って発生するリフトロスδ(例えば、約0.2mm)が含まれている。
(3−4)また、このカム19aによる押圧力がロッカアーム16を介してプランジャ24に軸荷重として作用する際しては、ロッカアーム16(のローラ17b)に対するカム19aの接触点がカム19aの回動に伴って移動して、カム19aのロッカアーム16(のローラ17b)に対する押圧力作用方向が変わるため、図5に示すように、約250〜150Nの横荷重T1,T2がプランジャ24に作用する。動弁機構1においては、この横荷重T1,T2を利用して、動弁機構1に発生する正(負)のバルブブクリアランスが調整される。
(3−4−1)ロッカアーム16に対するカム19aの接触点がオープン側ランプ部19a21からカムノーズ19a3に移行する際には、動弁機構1に発生している正(負)のバルブブクリアランスは、次のように調整される。
(3−4−1−1)動弁機構1における正のバルブクリアランスは、ロッカアーム16に対するカム19aの接触点がカム19aのベースサークル19a1上にあるとき、カム19aとロッカアーム16のローラ17b間の隙間として顕在化している。このとき、プランジャ24には、プランジャスプリング26の付勢力が作用しているが、この付勢力はねじ係合部30(ねじ面)に発生する摩擦力とバランスして、ねじ係合部30のねじは、自立した状態に保持されている。
この状態で、ロッカアーム16に対するカム19aの接触点(隙間のある接触点)がオープン側ランプ部19a21からカムノーズ19a3に移行する際、その接触点の移行に伴い、プランジャ24には横荷重T1(図5参照)が作用する。この横荷重T1が、カム19aの押圧力が軸荷重として作用する直前であって、プランジャスプリング26の付勢力による伸長方向の軸荷重が作用している不動状態のプランジャ24に、ロッカアーム16を介して作用することになり、それに基づき、プランジャ24が軸荷重作用方向である伸長方向に移動する。これにより、プランジャ24が滑り回転しながらロッカアーム16を押し上げることになり、動弁機構1に発生している正のバルブブクリアランスが0に調整される。
詳しくは、ロッカアーム16を介してプランジャ24に横荷重T1(図5参照)が作用すると、プランジャ24は、雌ねじ23と雄ねじ25間のねじ係合部30におけるバックラッシュ相当、プランジャ24の下端部24bを支点として横荷重T1の作用方向に揺動することになり、雌ねじ23に対する雄ねじ25の接触点P1(図3参照)において、雌ねじ23の下フランク面23bに沿う方向に横荷重に基づく反力が働くことになる。この接触点P1での反力が、ねじ係合部30においてプランジャ24を滑り回転させるモーメントとして作用し、プランジャ24は、滑り回転しながら軸荷重作用方向(プランジャスプリング26の付勢力作用方向、プランジャ伸長方向)に移動して、正のバルブブクリアランスを0に調整する。
(3−4−1−2)一方、動弁機構1における負のバルブクリアランスは、ロッカアーム16に対するカム19aの接触点がカム19aのベースサークル19a1上にあるとき、ロッカアーム16(ローラ17b)がバルブスプリング14の付勢力によりカム19aのベースサークル19a1に押圧されることにより、カム19aとローラ17b間の過小な隙間(負の隙間)として顕在化している。このとき、プランジャ24には、ロッカアーム16を介して、バルブスプリング14の付勢力が縮小方向の軸荷重として作用しているが、この付勢力はねじ係合部30(ねじ面)に発生する摩擦力とバランスして、ねじ係合部30のねじが自立した状態に保持されている。
この状態で、ロッカアーム16に対するカム19aの接触点(負の隙間)がオープン側ランプ部19a21からカムノーズ19a3に移行する際、その接触点の移行に伴い、プランジャ24には横荷重T1が作用する。この横荷重T1が、カム19aの押圧力が軸荷重として作用する直前であって、バルブスプリング14の付勢力だけが軸荷重として作用している不動状態のプランジャ24に、ロッカアーム16を介して作用することになり、それに基づき、プランジャ24が滑り回転しながら軸荷重作用方向である縮小方向に移動する。これにより、カム19aがロッカアーム16を押し下げることになり、動弁機構1に発生している負のバルブブクリアランスが0に調整される。
詳しくは、ロッカアーム16を介してプランジャ24に横荷重T1(図5参照)が作用すると、プランジャ24は、雌ねじ23と雄ねじ25との間のねじ係合部30におけるバックラッシュ相当、その下端部24bを支点として横荷重T1の作用方向に揺動することになり、雌ねじ23に対する雄ねじ25の接触点P2(図3参照)において、雌ねじ23の上フランク面23aに沿う方向に横荷重に基づく反力が働くことになる。この接触点P2での反力がプランジャ24をねじ係合部30において滑り回転させるモーメントとして作用し、プランジャ24は、滑り回転しながら軸荷重(バルブスプリング14の付勢力)作用方向であるプランジャ縮小方向に移動して、バルブブクリアランスを0に調整する。
(3−4−2)ロッカアーム16に対するカム19aの接触点がカムノーズ19a3からクローズ側ランプ部19a22に移行する際には、動弁機構1に発生している正(負)のバルブブクリアランスは、次のように調整される。
(3−4−2−1)まず、カム19aのベースサークル19a1上に正のバルブクリアランスが存在する場合において、プランジャ24に図5の横荷重T2が作用したときについて説明する。
ロッカアーム16に対するカム19aの接触点(隙間を内在する接触点)がカムノーズ19a3からクローズ側ランプ部19a22に移行する際、その接触点の移行に伴い、プランジャ24には横荷重T2が作用する。詳しくは、カム19aの回転に伴い、ローラ17bに対するカム19aの接触点がカム19aのクローズ側ランプ19a2に近づくほどロッカアーム16に対するカム19aの押圧力が弱くなり、接触点がクローズ側ランプ19a2に移行する前にカム19aとローラ17bとの間に隙間が発生する(接触点に内在していた隙間が顕在化する)。この隙間が発生(顕在化)する直前の、ロッカアーム16に対するカム19aの押圧力が弱くなり、プランジャ24に作用する軸荷重(バルブスプリング14の反力)が殆どなくなった状態で、ロッカアーム16に対するカム19aの接触点の移行に伴い横荷重T2(図5参照)がプランジャ24に作用する。このため、プランジャスプリング26の付勢力によって伸長方向の軸荷重が作用しているプランジャ24に、ロッカアーム16を介して横荷重T2(図5参照)が作用することになり、プランジャ24は軸荷重作用方向である伸長方向に移動する。これにより、プランジャ24がロッカアーム16を押し上げることになり、カム19aのベースサークル19a1上の正のバルブクリアランス(動弁機構1に発生している正のバルブブクリアランス)は0に調整される。
(3−4−2−2)一方、動弁機構1における負のバルブクリアランスは、バルブ10が吸気(排気)ポートPを閉じた状態、即ち、ロッカアーム16に対するカム19aの接触点がカム19aのベースサークル19a1上にあるときに、バルブ10のシートフェース10aとシートインサート11c間に隙間が発生する形態として顕在化している。このとき、ロッカアーム16のローラ17bがバルブスプリング14の付勢力によりカム19aに押圧されるため、ラッシュアジャスタ20のプランジャ24には、ロッカアーム16を介して、バルブスプリング14の付勢力が縮小方向の軸荷重として作用している。
このため、ロッカアーム16に対するカム19aの接触点がカムノーズ19a3からクローズ側ランプ部19a22に移行する直前であって、カムの押圧力が減少しバルブスプリング14の付勢力が縮小方向の軸荷重として作用するプランジャ24に、ロッカアーム16を介して横荷重T2(図5参照)が作用すると、プランジャ24が軸荷重作用方向である縮小方向に移動し、カム19aがロッカアーム16を押し下げることで、動弁機構1に発生している負のバルブブクリアランスは0に調整される。
(3−4−2−3)例えば、機関(エンジン)が暖まった状態で停止した後、急激に冷えるような場合、シリンダヘッド(アルミニウム合金)とバルブ(鉄合金)の熱膨張係数の違いに起因して、バルブクリアランス過小(負)状態となって、バルブのフェース面がバルブシートから浮くおそれがある。また、バルブシート面が磨耗した場合にも、同様のこと(バルブクリアランスが過小状態となって、バルブのフェース面のバルブシートからの浮き上がり)が起こる。このようなバルブクリアランスの過小(負)状態で、機関(エンジン)を始動、駆動させると、燃焼室が密閉されず、適正な出力が得られない。
しかし、本実施形態では、バルブクリアランスの過小状態においては、バルブのリフト開始直後やリフト終了直前であって、バルブスプリング14の付勢力のみが軸荷重として作用し自立しているプランジャ24に、ロッカアーム16を介して横荷重が作用し、プランジャ24が横荷重作用方向に揺動する際に、ねじ係合部30では接触点P2で反力が働くことでモーメントが発生する。この結果、プランジャ24は、ねじ係合部30において滑り回転しながら軸荷重作用方向であるプランジャ縮小方向、即ち、バルブクリアランスを増加させる方向に移動することになり、バルブクリアランスの過小状態が解消される。
このため、機関(エンジン)の駆動時には、バルブ10によって燃焼室を確実に密閉でき、適正な出力が得られる。
(3−5)したがって、本実施形態における動弁機構1においては、プランジャ24にその伸縮方向のいずれかに荷重として軸荷重が作用するときには、ねじ係合部30を相対的に不動として(ねじを自立させて)、プランジャ24を、ロッカアーム16を揺動させる支点として機能させることができる一方、プランジャ24に横荷重が作用した場合には、プランジャ24は、ねじ係合部30のバックラッシュ相当だけ、プランジャ24に対する軸荷重の作用方向に応じた方向(プランジャ伸長方向(バルブクリアランスを減少させる方向)又はプランジャ縮小方向(バルブクリアランスを増加させる方向))に動作して、バルブクリアランスが調整されることになり、バルブクリアランスの調整には、バックラッシュに基づくプランジャ24の横荷重作用方向への揺動によるプランジャ24の滑り回転のみが利用され、プランジャ24に対する軸荷重の作用によりプランジャ24を滑り回転させる構造(特許文献3の構造)は利用されない。このため、プランジャ24に軸荷重を作用させてプランジャ24を滑り回転させる構造により、バルブクリアランスの調整を行う場合とは異なり、プランジャが、想定する移動量よりも多く移動することが防止され、バルブクリアランスを自動的にかつ確実に調整できることになる。
4.また、ラッシュアジャスタ20のプランジャ24とハウジング22間のねじ係合部30にバックラッシュがあるため、カム19aの回転に連係してバルブ10が下降動作する際に、プランジャ24が自動的に縮小方向に移動してリフト量が少なくなることにより、リフトロスδが発生するが、そのリフトロスδは、ラッシュアジャスタ20の補正機能により自動的に消失される。
即ち、ロッカアーム16に対するカム19aの接触点がカム19aのオープン側ランプ部19a21からカムノーズ19a3に移行する際、ラッシュアジャスタ20には、図1,3,4,5に示すように、軸荷重と横荷重の両方が必ず作用する。そして、横荷重T1(図5参照)が作用した場合にプランジャ24の動く方向は、軸荷重作用方向で決まる。詳しくは、カム19aの接触点がカム19aのベースサークル19a1上にあるときは(カム角度が−60度未満では)、プランジャスプリング26の付勢力がプランジャ24に作用しているが、ねじ係合部30のねじ面には、この付勢力とバランスする摩擦力が発生している。このため、プランジャ24は、伸長・縮小方向に移動することなく、不動状態に保持され、バルブクリアランス(カム19aとロッカアーム16間の隙間)は、0に保持されている。
この後、カム19aの接触点がベースサークル19a1からオープン側ランプ部19a21に移行すると、プランジャ24には、バルブ10のセット荷重(カム19aの押圧力、即ちバルブスプリング14の付勢力)F2が軸荷重として急激に作用する。
このプランジャ24に縮小方向の軸荷重F2が作用した状態で、ロッカアーム16を介して図5の符号T1で示す横荷重がプランジャ24に作用すると、プランジャ24は、横荷重T1作用方向に揺動する際にねじ係合部30で滑り回転して縮小方向(図5上方)に移動する。このため、プランジャ24の縮小方向への移動量相当だけ、ロッカアーム16のソケット部18が下降(ロッカアーム16の他端側が上昇)し、バルブ10のリフト量が減じ、これがリフトロスδ(図5参照)となる。
このリフトロスδが発生した後は、プランジャ24は、これ以上揺動できないため、カム19aの接触点がカムノーズ19a3のトップ19a4に移行するまで、バルブ10のリフト量は徐々に増加するが、ラッシュアジャスタ20は縮小した状態に保持されて、リフトロスδがそのまま維持される。さらにカム19aが回転し、バルブ10のリフト量がMaxリフトから徐々に減少する中で、プランジャ24には、ロッカアーム16を介して、横荷重T1とは逆方向の横荷重T2(図5照)が作用するが、プランジャ24に作用する軸荷重は、カム19aの押圧力(バルブスプリング14の付勢力)が支配的なため、横荷重T2が作用しても、ラッシュアジャスタ20は縮小した状態のままである。即ち、Maxリフト付近では、プランジャに作用する横荷重の値は非常に小さい(ほとんど横荷重が作用しない)のに対し、カム19aの押圧力(バルブスプリング14の付勢力)は最大値に近いため、プランジャ24は揺動・滑り回転せず、ラッシュアジャスタ20は縮小した状態に保持される。
しかし、カム19aの接触点がカム19aのクローズ側ランプ部19a22に移行すると、プランジャ24に作用する軸荷重(カム19aの押圧力、即ち、バルブスプリング14の付勢力)が減少し、プランジャスプリング26による付勢力が軸荷重F1として作用する。このように、軸荷重の作用する方向が変わった状態で、ロッカアーム16を介して横荷重T2が作用すると、即ち、プランジャスプリング26による付勢力が軸荷重F1として作用するプランジャ24に横荷重T2が作用すると、それまで縮小状態にあったプランジャ24は、図4(a),(b)に示すように、揺動・滑り回転して軸荷重F1作用方向(伸長方向)に移動し、リフトロスδが消失する。
即ち、本実施形態では、ラッシュアジャスタ20のプランジャ24とハウジング22間のねじ係合部30にバックラッシュがあるため、ロッカアーム16とカム19aとの接触点がカム19aのオープン側ランプ部19a21からカムノーズ19a3に移行する際に、リフトロスδが発生するが、ロッカアーム16とカム19aとの接触点がカムノーズ19a3からクローズ側ランプ部19a22に移行する際に、リフトロスδが自動的に消失する。
このように、ラッシュアジャスタ20のバルブクリアランス自動調整機能では、カム1回転の入力変動に対して、ラッシュアジャスタ20が縮小・伸長するため、動弁機構1にリフトロスδが必ず発生する。逆にエンジンの通常運転中、動弁機構1にリフトロスδが発生するならば、エンジンの運転中に遭遇するバルブクリアランスの正・負の変動をラッシュアジャスタ20が補正できることを示している。
5.さらに本実施形態においては、上述のような動弁機構構造の下、機関において、例えば、冷間始動、停止、冷間再始動が順次、行われる場合でも、再始動時までにはバルブクリアランス調整が適正に行われ、その再始動時には、ロッカアーム16にカム19aのベースサークルが臨んだとき、そのベースサークルは常にロッカアーム16に当接される。
(5−1)具体的に説明する。機関が冷間始動する場合、触媒活性化のための高温の排気ガスによりバルブが伸び、バルブクリアランスが過小(負のクリアランス)状態になろうとするため、プランジャ24は、バルブクリアランスを適正に調整すべく、ハウジング22内に深く入り込み(プランジャ縮小状態)、バルブクリアランスの過小状態を解消する。
しかし、上記状態で機関が停止されると、ねじ係合部30においては滑り回転の抑制状態が維持され、プランジャ24がハウジング22に深く入り込んだ状態が保持されることになり、この後、冷間時にその機関が再始動されたときには、バルブ10が収縮して元に戻っている一方で、上記状態(プランジャ24がハウジング22に深く入り込んだ状態)が維持されている。このため、そのバルブクリアランスを適正に調整すべく、プランジャ24は伸長しようとするものの、カム19aの回転によってロッカアーム16に横方向の荷重が作用しない限りプランジャ24が伸長できないことから、プランジャ24は、迅速に適正な伸長状態に戻らないおそれがある。この結果、プランジャ24が適正な伸長状態に戻るまでの間、ロッカアーム16にカム19aのベースサークルが臨んだとき、その両者間16,19aのクリアランスが過大状態となっていることから、カム19aは、そのオープンランプ部でロッカアーム16に衝突的に接触し、異音が発生する。
(5−2)このため、本実施形態においては、上記問題点を考慮し、プランジャスプリング26として、捩じりばねとしての機能をも有するものが用いられ、その捩じりばねとしての機能に基づき、プランジャ24は、常にハウジング22に対して相対回転することによって伸長する方向に付勢されている。これにより、バルブクリアランスがある限り、プランジャ24は、プランジャスプリング24における捩じりばねとしての機能に基づく付勢力により相対回転されて伸長されることになり、再始動時には、ロッカアーム16にカム19aのベースサークルが臨んだとき、そのベースサークルは常にロッカアーム16に当接される。この結果、動弁機構として前述のような構造の下で、機関が、冷間始動、停止、冷間再始動を順次、行うとしても、カム19aがロッカアーム16に衝突的に接触することに基づいて異音が発生することを防止できる。
(5−3)しかも本実施形態においては、プランジャスプリング26が、一つのばね材をもって、圧縮コイルばねと捩じりばねとを兼ねる構成とされていることから、必要となるばね材の部品点数を低減することができると共に、そのばね材を配置するための設置スペースを極力少なくすることができる。これにより、プランジャ24における狭いばね収容孔32にばね材を収納するに当たり好ましいものにできる。
6.図7、図8は、第2実施形態を示す。この第2実施形態において、前記第1実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
(6−1)図7、図8に示す第2実施形態は、前記第1実施形態の変形例を示す。この第2実施形態においては、プランジャスプリング26として、圧縮コイルばね26aと捩じりばね26bとが別個独立して設けられている。
圧縮コイルばね26aとしては、通常のものが用いられており、その圧縮コイルばね26aは、プランジャ24のばね収容孔32の一端を区画するばね座面33とばね座面プレート27aとの間に介装されることにより、プランジャ24をハウジング22から伸長する方向に付勢している。
捩じりばね26bとしては、図8に示すように、密着コイルばね形状とされると共に、それを形成する線材の両端部を、その軸線方向外方に向けて折曲することにより係止部(アーム)35,36としたものが用いられている。この捩じりばね26bは、圧縮コイルばね26aの外周側において、その軸線方向をプランジャ24の軸線方向に向けた状態でばね座面プレート27a上に配置されており、プランジャスプリング26の軸線方向一方側(図1中、下方側)の係止部35がばね座面プレート27aの係止孔31に係止され、その軸線方向他方側(図1中、上方側)の係止部36がプランジャ24に係止されている。
この場合、捩じりばね26bとして密着コイルばね形状のものを用いる一方で、その捩じりばね力を維持しつつプランジャ24の伸縮動(ストローク)を確保しなければならないことから、プラジャ24に、そのプランジャ24の軸線方向に比較的長く伸びる係止溝37が形成されて、その係止溝37に係止部36が係止されると共に、その係止部37は、係止溝37との係止関係を維持しつつプランジャ24の伸縮方向に比較的長く伸びるものとなっている。この捩じりばね26bは、前記第1実施形態同様、プランジャ24を、ハウジング22に対して伸長するための相対回転方向に付勢している。勿論この捩じりばね26bのばね係数をねじ係合部30により軸荷重に換算した値は、バルブスプリング14のばね係数よりも小さい。
(6−2)この第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用効果を生じる他に、圧縮コイルばね26a及び捩じりばね26bを、ばね係数等の観点から個別に選択することができ、動弁機構1における各ばねの付勢力調整を容易に行うことができる。
7.以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次の態様を包含する。
(i)優先権主張の基礎となる国際出願(PCT/2016/068045)に記載されている直動式動弁機構(図6、図7)、ロッカアーム式動弁機構(図8)に本発明に係る動弁機構又は機械式ラッシュアジャスタを適用すること。
(ii)雄ねじ25、雌ねじ23を、三角ねじをもって構成すること。
(iii)雄ねじ25及び雌ねじ23を、上側フランク角と下側フランク角とが異なる不等フランク角の台形ねじや三角ねじで構成すること。
(iv)雄ねじ25及び雌ねじ23を、リードが複数本ある2条ねじや3条ねじ等の多条ねじで構成すること。
(v)ねじ係合部30のバックラッシュを、プランジャ24の軸方向に連続的あるいは段階的に変化するように構成すること。
10 バルブ
11 シリンダヘッド
14 バルブスプリング
16 ロッカアーム(動力伝達部材)
19a カム
20 機械式ラッシュアジャスタ
22 ハウジング(プランジャ係合部材)
23 雌ねじ
24 プランジャ
25 雄ねじ
26 プランジャスプリング
26a 圧縮コイルばね(プランジャスプリング)
26b 捩じりばね(プランジャスプリング)
F1,F2 プランジャに作用する軸荷重
T,T1,T2 プランジャに作用する横荷重
α ねじ山のリード角
θ23a 雌ねじのねじ山の上側フランク角
θ23b 雌ねじのねじ山の下側フランク角
θ25a 雄ねじのねじ山の上側フランク角
θ25b 雄ねじのねじ山の下側フランク角

Claims (13)

  1. 機関出力軸の回転に連動して回転するカムと、バルブスプリングにより閉弁方向に付勢されるバルブの軸端部と、該バルブの軸端部と前記カムとの間に介在されて該カムの押圧力を開弁力として該バルブの軸端部に伝達する動力伝達部材と、該動力伝達部材に連係され前記カムと前記動力伝達部材との間においてバルブクリアランスを調整する機械式ラッシュアジャスタと、が備えられている動弁機構において、
    前記機械式ラッシュアジャスタは、
    前記動力伝達部材に当接され、前記カムの押圧力及び前記バルブスプリングの付勢力が該動力伝達部材を介して伝達されるプランジャと、
    前記プランジャに対してねじ係合させることにより、該プランジャと協働して該プランジャとの相対回転に基づき該プランジャを伸縮させるねじ係合部を形成し、該ねじ係合部の周方向に回転不能に保持されるプランジャ係合部材と、
    前記プランジャと前記プランジャ係合部材とに関係付けられて、該プランジャを、前記動力伝達部材が前記カムに当接する方向に付勢する圧縮コイルばねと、を備え、
    前記ねじ係合部は、前記プランジャに該プランジャの伸縮方向のいずれかの方向に荷重が作用したときには、該ねじ係合部に発生する摩擦トルクにより該ねじ係合部での該プランジャ係合部材に対する該プランジャの滑り回転を抑制する一方、該プランジャ係合部材に対して該プランジャを揺動させる横荷重が作用したときには、前記滑り回転の抑制を緩和するように設定されている、
    ことを特徴とする動弁機構。
  2. 請求項1において、
    前記プランジャと前記プランジャ係合部材とに捩じりばねが関係付けられて、該プランジャが該プランジャ係合部材に対して伸長するための相対回転方向に付勢されている、
    ことを特徴とする動弁機構。
  3. 請求項2において、
    前記圧縮コイルばねと前記捩じりばねとが、プランジャスプリングとして、一つのばね材により構成されている、
    ことを特徴とする動弁機構。
  4. 請求項2において、
    前記圧縮コイルばねと前記捩じりばねとが、プランジャスプリングとして、別個独立して設けられている、
    ことを特徴とする動弁機構。
  5. 請求項1において、
    前記プランジャ係合部材が、シリンダヘッドに保持された円筒状のハウジングとされ、
    前記プランジャが、該プランジャの一端を前記動力伝達部材に対する当接端として、該プランジャの一端側を前記ハウジングから突出させつつ該プランジャの一端側よりも他端側を該ハウジング内に収容するように配置され、
    前記ねじ係合部が、前記プランジャの外周面に形成される雄ねじと、前記ハウジング内周面に形成されて前記雄ねじを螺合する雌ねじとにより構成されている、
    ことを特徴とする動弁機構。
  6. 請求項1において、
    前記ねじ係合部は、該ねじ係合部を構成するねじのねじ山のリード角とフランク角とにより、前記プランジャに該プランジャの伸縮方向のいずれかの方向に荷重が作用したときには、該ねじ係合部に発生する摩擦トルクにより該ねじ係合部での該プランジャ係合部に対する該プランジャの滑り回転を抑制する一方、該プランジャ係合部材に対して該プランジャを相対的に揺動させる横荷重が作用したときには、前記滑り回転の抑制を緩和するように設定されている、
    ことを特徴とする動弁機構。
  7. プランジャと、
    前記プランジャに対してねじ係合させることにより、該プランジャと協働して該プランジャとの相対回転に基づき該プランジャを伸縮させるねじ係合部を形成するプランジャ係合部材と、
    前記プランジャと前記プランジャ係合部材とに関係付けられて、該プランジャを、該プランジャ係合部材に対して該プランジャを伸長させる方向に付勢する圧縮コイルばねと、を備え、
    前記ねじ係合部は、前記プランジャに該プランジャの伸縮方向のいずれかの方向に荷重が作用したときには、該ねじ係合部に発生する摩擦トルクにより該ねじ係合部での該プランジャ係合部材に対する該プランジャの滑り回転を抑制する一方、該プランジャ係合部材に対して該プランジャを相対的に揺動させる横荷重が作用したときには、前記滑り回転の抑制を緩和するように設定されている、
    ことを特徴とする機械式ラッシュアジャスタ。
  8. 請求項7において、
    前記プランジャと前記プランジャ係合部材とに捩じりばねが関係付けられて、該プランジャが該プランジャ係合部材に対して伸長するための相対回転方向に付勢されている、
    ことを特徴とする機械式ラッシュアジャスタ。
  9. 請求項8において、
    前記圧縮コイルばねと前記捩じりばねとが、プランジャスプリングとして、一つのばね材により構成されている、
    ことを特徴とする機械式ラッシュアジャスタ。
  10. 請求項8において、
    前記圧縮コイルばねと前記捩じりばねとが、プランジャスプリングとして、別個独立して設けられている、
    ことを特徴とする機械式ラッシュアジャスタ。
  11. 請求項7において、
    前記プランジャ係合部材が、円筒状のハウジングとされ、
    前記プランジャが、該プランジャの一端側を前記ハウジングから突出させつつ該プランジャの一端側よりも他端側を該ハウジング内に収容するように配置され、
    前記ねじ係合部が、前記プランジャの外周面に形成される雄ねじと、前記ハウジング内周面に形成されて前記雄ねじを螺合する雌ねじとにより構成されている、
    ことを特徴とする機械式ラッシュアジャスタ。
  12. 請求項7において、
    機関出力軸の回転に連動して回転するカムと、バルブスプリングにより閉弁方向に付勢されるバルブの軸端部と、該バルブの軸端部と前記カムとの間に介在されて該カムの押圧力を開弁力として該バルブの軸端部に伝達する動力伝達部材と、を備える動弁機構において、前記カムと前記バルブの軸端部との間のバルブクリアランスを調整するために用いられ、
    前記プランジャは、前記動力伝達部材に当接されて、前記カムの押圧力及び前記バルブスプリングの付勢力が該動力伝達部材を介して伝達されるように配置され、
    前記プランジャ係合部材が、前記動弁機構において、該ねじ係合部の周方向に回転不能に保持される、
    ことを特徴とする機械式ラッシュアジャスタ。
  13. 請求項7において、
    前記ねじ係合部は、該ねじ係合部を構成するねじのねじ山のリード角とフランク角とにより、前記プランジャに該プランジャの伸縮方向のいずれかの方向に荷重が作用したときには、該ねじ係合部に発生する摩擦トルクにより該ねじ係合部での該プランジャ係合部材に対する該プランジャの滑り回転を抑制する一方、該プランジャ係合部材に対して該プランジャを相対的に揺動させる横荷重が作用したときには、前記滑り回転の抑制を緩和するように設定されている、
    ことを特徴とする機械式ラッシュアジャスタ。
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