JP2011021509A - ラッシュアジャスタ - Google Patents

ラッシュアジャスタ Download PDF

Info

Publication number
JP2011021509A
JP2011021509A JP2009165734A JP2009165734A JP2011021509A JP 2011021509 A JP2011021509 A JP 2011021509A JP 2009165734 A JP2009165734 A JP 2009165734A JP 2009165734 A JP2009165734 A JP 2009165734A JP 2011021509 A JP2011021509 A JP 2011021509A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
case
lash adjuster
rocker arm
screw
shaft portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009165734A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Maeno
栄二 前野
Kiyohiro Ito
潔洋 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2009165734A priority Critical patent/JP2011021509A/ja
Publication of JP2011021509A publication Critical patent/JP2011021509A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Abstract

【課題】アジャストスクリュの初期セットおよびその解除をするときに部品の着脱が不要なラッシュアジャスタを提供する。
【解決手段】ロッカアーム7の揺動端部を上下に貫通する嵌合孔22にケース18を組み込み、そのケース18の内周の雌ねじ24にねじ係合するアジャストスクリュ19を設け、そのアジャストスクリュ19とケース18の閉端との間にリターンスプリング20を設けたラッシュアジャスタ1において、アジャストスクリュ19とリターンスプリング20の間にスプリングシート21を組み込み、そのスプリングシート21にケース18の閉端に向かって延びる軸部29を設け、その軸部29が挿通する挿通孔32をケース18の閉端に設け、軸部29の外周に突起31を設け、その突起31の通過を許容する切り欠き33を挿通孔32の内周に設ける。
【選択図】図2

Description

この発明は、エンジンの動弁装置に組み込まれるラッシュアジャスタに関する。
OHV(オーバー・ヘッド・バルブ)エンジンやOHC(オーバー・ヘッド・カムシャフト)エンジンの吸排気バルブを動作させる動弁装置として、中央部を支点として揺動可能に支持されたロッカアームの一端部をカムで直接または間接的に押し上げ、そのロッカアームの他端部でバルブステムを押し下げるようにしたロッカアーム式動弁装置が知られている。
この動弁装置は、エンジン作動中、動弁装置の構成部材間に生じる熱膨張差によって、動弁装置の構成部材間の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音や圧縮漏れを生じるおそれがある。また、動弁装置の摺動部が摩耗しても、動弁装置の構成部材間の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音を生じるおそれがある。
この異音や圧縮漏れを防止するため、一般に、動弁装置の構成部材間の隙間の変化を吸収するラッシュアジャスタが使用される。
このようなラッシュアジャスタとして、例えば、カムの回転に応じて揺動するロッカアームの揺動端部を上下に貫通する嵌合孔に、上端が閉じ、下端が開放する筒状のケースを組み込み、そのケースの内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュを設け、そのアジャストスクリュのケース内への挿入端と前記ケースの閉端との間にアジャストスクリュをケースから突出する方向に付勢するリターンスプリングを設け、前記アジャストスクリュのケースからの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するようにしたものが知られている(特許文献1)。
このラッシュアジャスタは、動弁装置の熱膨張などによって動弁装置の構成部材間の隙間が変化すると、その隙間の変化に応じて、アジャストスクリュがケース内を回転しながら軸方向に移動し、動弁装置の構成部材間の隙間を調整する。
ところで、このラッシュアジャスタは、ロッカアームをエンジンから取り外した状態では、アジャストスクリュがリターンスプリングの付勢力によってケースから突出し、その状態でロッカアームをエンジンに組み付けると、バルブがバルブシートに着座せず、圧縮漏れが起きて、エンジンが完爆しない。そのため、このラッシュアジャスタは、ロッカアームをエンジンに組み付ける際に、アジャストスクリュをケースにねじ込み、そのアジャストスクリュをケースから突出しないように押さえておく必要があった。しかし、アジャストスクリュを押さえておくのは煩雑である。
そこで、アジャストスクリュをケースにねじ込んだ状態に保持(以下、「初期セット」という)することが可能なラッシュアジャスタとして、ロッカアームの揺動端部を間に挟んで上下に対向する一対の対向片と、その対向片を連結する連結片とからなるコの字形の初期セット部材を着脱可能に設け、その初期セット部材の対向片でアジャストスクリュのケースからの突出端を受け止めることにより初期セットを可能としたものが提案されている(特許文献2)。
このラッシュアジャスタは、ロッカアームの揺動端部に初期セット部材を取り付けることによってアジャストスクリュを初期セットすることができ、初期セットの解除は、ロッカアームの揺動端部から初期セット部材を取り外すことにより行なう。
しかし、このラッシュアジャスタは、ロッカアームの揺動端部から初期セット部材を取り外した後、その初期セット部材をエンジン内に置き忘れるおそれがある。また、エンジンをオーバーホールするときに再び初期セット部材を使用するので、ロッカアームをエンジンに組み込んだ後も、初期セット部材を保管しておく必要があり、その管理が面倒であった。
特開2006−132426号公報 特開2007−92668号公報
この発明が解決しようとする課題は、アジャストスクリュの初期セットおよびその解除をするときに部品の着脱が不要なラッシュアジャスタを提供することである。
上記の課題を解決するため、前記アジャストスクリュとリターンスプリングの間に、アジャストスクリュと共に上下に移動するスプリングシートを組み込み、そのスプリングシートに前記ケースの閉端に向かって延びる軸部を設け、その軸部が挿通する挿通孔を前記ケースの閉端に設け、前記軸部の外周に突起を設け、その突起の通過を許容する切り欠きを前記挿通孔の内周に設けた。
このようにすると、次のようにして、アジャストスクリュの初期セットを行なうことが可能となる。まず、スプリングシートを回転操作して、突起と切り欠きの周方向位置を一致させ、次に、アジャストスクリュをケース内にねじ込み、このねじ込みに伴って突起が切り欠きを通過した後、再びスプリングシートを回転操作して突起と切り欠きの周方向位置をずらす。これにより、突起が挿通孔の縁にひっかかり、スプリングシートの軸方向位置が固定されるので、アジャストスクリュが初期セットされる。初期セットの解除は、スプリングシートを回転操作して突起と切り欠きの周方向位置を一致させることにより行なう。
前記突起は、前記軸部の長手方向の中程に配置することもできるが、前記軸部の上端に配置すると、初期セットを解除したときに軸部が挿通孔から抜け出て挿通孔が開放するので、アームに跳ね掛けられるエンジンオイルが挿通孔を通ってケース内に流入し、雄ねじと雌ねじの間の潤滑性が高くなる。
前記突起は、前記軸部を中心として対称に複数設けると、片当たりによるスプリングシートの傾きを防止することができ、アジャストスクリュの初期セットとその解除が円滑となる。
前記軸部の上端面には、回転操作用の工具係合部を設けることができる。このようにすると、その工具係合部に工具をかけて軸部を回転操作することができるので、アジャストスクリュの初期セット作業とその解除作業がしやすくなる。
前記工具係合部としては、例えば、マイナスドライバが係合するすりわりや、プラスドライバが係合する十字穴や、六角レンチが係合する六角穴が挙げられる。
前記ケースとしては、前記ロッカアームの下面に当接するフランジを外周に有する両端開放の筒部材と、その筒部材のロッカアームの上面からの突出部分の外周に締め代をもって嵌合する有底筒状のキャップとからなるものを採用することができる。この場合、そのキャップで筒部材を嵌合孔から抜け止めすることができる。また、前記挿通孔はキャップに設けることができる。
また、前記ケースとしては、前記ロッカアームの下面に当接するフランジを外周に有する筒部材の上端に端板を一体に形成したものを採用することができる。この場合、筒部材のロッカアームの上面からの突出部分の外周に形成した円周溝に止め輪を装着し、その止め輪で前記筒部材を嵌合孔から抜け止めすることができる。また、前記挿通孔は端板に設けることができる。止め輪としては、例えば、円周の一部を切り欠いた形状のC形止め輪が挙げられる。
この発明のラッシュアジャスタは、スプリングシートの軸部に設けた突起と、ケースの閉端の挿通孔の内周に設けた切り欠きとを利用してアジャストスクリュを初期セットするので、アジャストスクリュの初期セットおよびその解除をするときに着脱する部品がない。そのため、アジャストスクリュの初期セットを解除した後に、エンジン内に部品を置き忘れる心配がない。また、エンジンのオーバーホールに備えて部材を保管する必要もなく、管理が容易である。
この発明の実施形態のラッシュアジャスタを組み込んだ動弁装置を示す正面図 図1のラッシュアジャスタ近傍の拡大断面図 図2に示すラッシュアジャスタを上方から見た図 図2のIV−IV線に沿った断面図 図2に示すアジャストスクリュがケースから突出した状態を示す図 図5に示すアジャストスクリュをケース内にねじ込んだ状態を示す図 図6に示すスプリングシートを回転操作して初期セットした状態を示す図 図7に示すラッシュアジャスタを上方から見た図 図8に示す工具係合部の他の例を示す図 図8に示す工具係合部の更に他の例を示す図 図2に示すケースの他の例を示す図
図1に、この発明の実施形態のラッシュアジャスタ1を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に同調して回転するカム2と、シリンダブロック3に形成したタペットガイド孔4で上下にスライド可能に案内されたタペット5と、支点軸6を中心に揺動可能に支持されたロッカアーム7と、タペット5とロッカアーム7の間の動力伝達を行なうプッシュロッド8と、シリンダヘッド9の吸気ポート10を開閉するバルブ11とを有する。
バルブ11には、バルブ11から上方に延びるバルブステム12が接続されており、バルブステム12は、シリンダヘッド9に固定された筒状のバルブステムガイド13で上下にスライド可能に支持されている。バルブステム12の上部外周には、環状のスプリングリテーナ14が固定され、スプリングリテーナ14の下面とシリンダヘッド9の上面の間にバルブスプリング15が組み込まれている。バルブスプリング15は、スプリングリテーナ14を介してバルブステム12を上方に付勢し、その付勢力によってバルブ11をバルブシート16に着座させている。
ロッカアーム7は、その中央部が支点軸6で支持され、支点軸6を中心として揺動可能となっている。ロッカアーム7の一方の揺動端部は、バルブステム12の上端に接触しており、他方の揺動端部には、ラッシュアジャスタ1が組み込まれている。
タペット5は、その下端がカム2に接触しており、カム2の輪郭に追従して上下動するようになっている。カム2は、カムシャフト17に一体に形成され、カムシャフト17が回転すると、ベースサークル2aに対して隆起したカム山部2bでタペット5を押し上げる。
プッシュロッド8は、その下端がタペット5と共に上下動するように支持され、上端でラッシュアジャスタ1を受けている。プッシュロッド8は、タペット5とロッカアーム7の間を連結するリンクとして機能し、タペット5の上下動に連動してロッカアーム7を揺動させる。したがって、ロッカアーム7は、カム2の回転に応じて揺動する。
図2に示すように、ラッシュアジャスタ1は、上端が閉じ、下端が開放する筒状のケース18と、ケース18内に挿入されたアジャストスクリュ19と、アジャストスクリュ19のケース18内への挿入端とケース18の閉端との間に組み込まれたリターンスプリング20と、アジャストスクリュ19とリターンスプリング20の間に組み込まれたスプリングシート21とからなる。
ケース18は、ロッカアーム7の揺動端部を上下に貫通する嵌合孔22に組み込まれている。ケース18は、ロッカアーム7の下面に当接するフランジ23を外周に有する両端開放の筒部材18Aと、筒部材18Aのロッカアーム7の上面からの突出部分の外周に締め代をもって嵌合する有底筒状のキャップ18Bとからなる。筒部材18Aは、キャップ18Bによって嵌合孔22から抜け止めされている。
リターンスプリング20は、その上端がキャップ18Bで支持され、下端がスプリングシート21を介してアジャストスクリュ19を押圧しており、その押圧によって、アジャストスクリュ19をケース18から下方に突出する方向に付勢している。
ケース18の内周には雌ねじ24が形成され、その雌ねじ24がアジャストスクリュ19の上部外周に形成された雄ねじ25にねじ係合している。雄ねじ25と雌ねじ24は、アジャストスクリュ19をケース18内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク26のフランク角が、遊び側フランク27のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されており、押し込み方向の静的荷重がアジャストスクリュ19に負荷されたときは、雄ねじ25と雌ねじ24の圧力側フランク26,26間の摩擦抵抗によってアジャストスクリュ19の回転が阻止され、一方、突出方向の静的荷重がアジャストスクリュ19に負荷されたときは、雄ねじ25と雌ねじ24の遊び側フランク27,27間の滑りによってアジャストスクリュ19の回転が許容されるようになっている。
スプリングシート21は、リターンスプリング20の一端を受ける傘部28と、傘部28からケース18の閉端に向かって延びる軸部29とからなる。傘部28には、アジャストスクリュ19のケース18内への挿入端に点接触する凸球面30が形成されており、アジャストスクリュ19が回転したときに、その回転がスプリングシート21に伝達しないようになっている。また、アジャストスクリュ19がケース18内を上下に移動すると、スプリングシート21は、アジャストスクリュ19と共に上下に移動する。
軸部29の上端外周には、半径方向に延びる突起31が形成されている。ケース18の閉端、すなわちキャップ18Bには、スプリングシート21が上方に移動したときに軸部29が挿通する挿通孔32が設けられ、挿通孔32の内周には、軸部29の外周の突起31の通過を許容する切り欠き33が設けられている。図3に示すように、突起31は、軸部29を中心として回転対称となるように複数設けられ、これに対応して切り欠き33も複数設けられている。
軸部29の上端面にはすりわり34が設けられており、このすりわり34にマイナスドライバ35(図5参照)を係合させてスプリングシート21を回転操作することができるようになっている。
図4に示すように、フランジ23の外周には、アジャストスクリュ19の軸心を含む平面に平行な平坦面36が形成されており、この平坦面36が、ロッカアーム7の下面に形成されたストッパ面37に係合してケース18を回り止めしている。平坦面36は、フランジ23の外周に一箇所だけ形成してもよいが、図に示すように、フランジ23の外周に複数の平坦面36を形成して多角形状とすると、ケース18の組み付け方向の自由度が高くなり、組み付けの作業性が向上する。
図2に示すように、アジャストスクリュ19は、ケース18からの突出端が、プッシュロッド8の上端に形成された凹球面38で支持されている。
上述したラッシュアジャスタ1は、次のようにして、アジャストスクリュ19を初期セットすることができる。まず、図5に示すように、マイナスドライバ35を挿通孔32に差し込み、スプリングシート21を回転操作して、突起31と切り欠き33の周方向位置を一致させる。次に、アジャストスクリュ19をケース18内にねじ込む。このとき、スプリングシート21は、リターンスプリング20を軸方向に圧縮しながらアジャストスクリュ19と共に上方に移動する。図6に示すように、アジャストスクリュ19のねじ込みに伴って突起31が切り欠き33を通過した後、再びマイナスドライバ35でスプリングシート21を回転操作して突起31と切り欠き33の周方向位置をずらす。これにより、図7、図8に示すように、突起31が挿通孔32の縁にひっかかり、スプリングシート21の軸方向位置が固定され、その結果、リターンスプリング20の付勢力がアジャストスクリュ19に作用しなくなるので、アジャストスクリュ19は、ケース18にねじ込まれた状態に保持(初期セット)される。
初期セットの解除は、ロッカアーム7をエンジンに組み込んだ状態で、スプリングシート21を回転操作して、突起31と切り欠き33の周方向位置を一致させることにより行なう。これにより、アジャストスクリュ19は、リターンスプリング20の付勢力によってケース18内を回転し、プッシュロッド8の上端に接触する位置まで突出する。スプリングシート21の回転操作は、直接手で行なってもよいが、マイナスドライバ35で行なうと簡単である。
次に、このラッシュアジャスタ1の動作を説明する。エンジンの作動によりカムシャフト17が回転して、カム2のカム山部2bがタペット5を押し上げると、バルブ11がバルブシート16から離れて、吸気ポート10を開く。このとき、アジャストスクリュ19に押し込み方向の荷重が負荷されるが、雄ねじ25の圧力側フランク26が雌ねじ24の圧力側フランク26で受け止められて、アジャストスクリュ19の軸方向位置が固定される。
更にカム2が回転して、カム山部2bがタペット5の位置を過ぎると、バルブスプリング15の付勢力によってバルブステム12が上昇し、バルブ11がバルブシート16に着座して、吸気ポート10を閉じる。
厳密には、カム2のカム山部2bがタペット5を押し上げるときに、雄ねじ25と雌ねじ24の圧力側フランク26,26間に僅かな滑りが生じ、その滑りによってアジャストスクリュ19は押し込み方向に移動するが、カム山部2bがタペット5の位置を過ぎて、押し込み方向の荷重が解除されたときに、アジャストスクリュ19は、リターンスプリング20から負荷される荷重によって突出方向に移動し、元の位置に戻る。
エンジン作動中に、シリンダヘッド9、シリンダブロック3、バルブステム12、ロッカアーム7など、動弁装置の構成部材間に熱膨張差が生じ、ロッカアーム7とバルブステム12の間の距離が大きくなったときは、カム2のカム山部2bがタペット5を押し上げるときのアジャストスクリュ19の押し込み量よりも、更にカム2が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュ19の突出量が大きくなる。その結果、カム2が回転するごとに、アジャストスクリュ19が突出方向に徐々に移動するので、ロッカアーム7とバルブステム12の間に隙間が生じない。
反対に、バルブ11とバルブシート16の接触面が摩耗したときは、カム2のベースサークル2aがタペット5の位置にあるときにも、バルブスプリング15の付勢力がアジャストスクリュ19に作用するため、カム2のカム山部2bがタペット5を押し上げるときのアジャストスクリュ19の押し込み量よりも、更にカム2が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュ19の突出量が小さくなる。その結果、カム2が回転するごとに、アジャストスクリュ19が押し込み方向に徐々に移動し、バルブステム12が上昇するので、バルブ11とバルブシート16の接触面間に隙間が生じない。
エンジンをオーバーホールするときに、エンジンからロッカアーム7を取り外すと、リターンスプリング20の付勢力によって、アジャストスクリュ19がケース18から突出する。そのため、エンジンから取り外したロッカアーム7を、再びエンジンに組み付けるときは、上述したようにアジャストスクリュ19を初期セットした後に、ロッカアーム7の組み付けを行なう。
このラッシュアジャスタ1は、スプリングシート21の軸部29に設けた突起31と、ケース18の閉端の挿通孔32の内周に設けた切り欠き33とを利用してアジャストスクリュ19を初期セットするので、アジャストスクリュ19の初期セットおよびその解除をするときに着脱する部品がない。そのため、アジャストスクリュ19の初期セットを解除した後に、エンジン内に部品を置き忘れる心配がない。また、エンジンのオーバーホールに備えて部材を保管する必要もなく、管理が容易である。
突起31は、軸部29の長手方向の中程に配置することもできるが、上記実施形態に示すように、軸部29の上端に配置すると好ましい。このようにすると、初期セットを解除したときに軸部29が挿通孔32から抜け出て挿通孔32が開放するので、エンジン作動中、ロッカアーム7に跳ね掛けられるエンジンオイルが挿通孔32を通ってケース18内に流入し、雄ねじ25と雌ねじ24の間の潤滑性が高くなる。
また、突起31は、軸部29の外周に一箇所だけ設けることもできるが、上記実施形態に示すように、軸部29を中心として対称に複数設けると、片当たりによるスプリングシート21の傾きを防止することができ、アジャストスクリュ19の初期セットとその解除が円滑となる。
上記実施形態では、回転操作用の工具係合部としてすりわり34を例に挙げて説明したが、図9に示すように、プラスドライバが係合する十字穴39や、図10に示すように、六角レンチが係合する六角穴40を採用してもよい。十字穴39、六角穴40は、スプリングシート21に鍛造を施して成形すると、加工コストを抑えることができ、低コストである。
図11に示すように、ケース18は、ロッカアーム7の下面に当接するフランジ23を外周に有する筒部材18Cの上端に端板18Dを一体に形成したものを採用してもよい。この場合、筒部材18Cのロッカアーム7の上面からの突出部分の外周に形成した円周溝41に止め輪42を装着し、その止め輪42で筒部材18Cを嵌合孔22から抜け止めすることができる。また、挿通孔32は端板18Dに設けることができる。止め輪42としては、例えば、円周の一部を切り欠いた形状のC形止め輪が挙げられる。
上記実施形態では、カムシャフト17をシリンダブロック3に配置し、プッシュロッド8を介してロッカアーム7を押し上げて、シリンダヘッド9内のバルブ11を開閉するOHV(オーバー・ヘッド・バルブ)エンジンのラッシュアジャスタ1を例に挙げて説明したが、この発明は、カムシャフト17をシリンダヘッド9に配置し、そのカムシャフト17で直接ロッカアーム7を押し上げて、シリンダヘッド9内のバルブ11を開閉するOHC(オーバー・ヘッド・カムシャフト)エンジンのラッシュアジャスタにも同様に適用することができる。この場合、ラッシュアジャスタは、ロッカアーム7のバルブステム12の上端に接触する揺動側端部に組み込むことができる。
1 ラッシュアジャスタ
2 カム
7 ロッカアーム
18 ケース
18A 筒部材
18B キャップ
18C 筒部材
18D 端板
19 アジャストスクリュ
20 リターンスプリング
21 スプリングシート
22 嵌合孔
23 フランジ
24 雌ねじ
25 雄ねじ
29 軸部
31 突起
32 挿通孔
33 切り欠き
34 すりわり
39 十字穴
40 六角穴
41 円周溝
42 止め輪

Claims (10)

  1. カム(2)の回転に応じて揺動するロッカアーム(7)の揺動端部を上下に貫通する嵌合孔(22)に、上端が閉じ、下端が開放する筒状のケース(18)を組み込み、そのケース(18)の内周に形成された雌ねじ(24)にねじ係合する雄ねじ(25)を外周に有するアジャストスクリュ(19)を設け、そのアジャストスクリュ(19)のケース(18)内への挿入端と前記ケース(18)の閉端との間にアジャストスクリュ(19)をケース(18)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(20)を設けたラッシュアジャスタにおいて、
    前記アジャストスクリュ(19)とリターンスプリング(20)の間に、アジャストスクリュ(19)と共に上下に移動するスプリングシート(21)を組み込み、そのスプリングシート(21)に前記ケース(18)の閉端に向かって延びる軸部(29)を設け、その軸部(29)が挿通する挿通孔(32)を前記ケース(18)の閉端に設け、前記軸部(29)の外周に突起(31)を設け、その突起(31)の通過を許容する切り欠き(33)を前記挿通孔(32)の内周に設けたことを特徴とするラッシュアジャスタ。
  2. 前記突起(31)が、前記軸部(29)の上端に配置された請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
  3. 前記突起(31)が、前記軸部(29)を中心として対称に複数設けられた請求項1または2に記載のラッシュアジャスタ。
  4. 前記軸部(29)の上端面に、回転操作用の工具係合部を設けた請求項1から3のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  5. 前記工具係合部がすりわり(34)である請求項4に記載のラッシュアジャスタ。
  6. 前記工具係合部が十字穴(39)である請求項4に記載のラッシュアジャスタ。
  7. 前記工具係合部が六角穴(40)である請求項4に記載のラッシュアジャスタ。
  8. 前記ケース(18)が、前記ロッカアーム(7)の下面に当接するフランジ(23)を外周に有する両端開放の筒部材(18A)と、その筒部材(18A)のロッカアーム(7)の上面からの突出部分の外周に締め代をもって嵌合する有底筒状のキャップ(18B)とからなり、そのキャップ(18B)で前記筒部材(18A)を嵌合孔(22)から抜け止めし、このキャップ(18B)に前記挿通孔(32)を設けた請求項1から7のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  9. 前記ケース(18)が、前記ロッカアーム(7)の下面に当接するフランジ(23)を外周に有する筒部材(18C)の上端に端板(18D)を一体に形成したものであり、その筒部材(18C)のロッカアーム(7)の上面からの突出部分の外周に形成した円周溝(41)に止め輪(42)を装着し、その止め輪(42)で前記筒部材(18C)を嵌合孔(22)から抜け止めし、前記端板(18D)に挿通孔(32)を設けた請求項1から7のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  10. 前記止め輪(42)が、円周の一部を切り欠いた形状のC形止め輪である請求項9に記載のラッシュアジャスタ。
JP2009165734A 2009-07-14 2009-07-14 ラッシュアジャスタ Pending JP2011021509A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009165734A JP2011021509A (ja) 2009-07-14 2009-07-14 ラッシュアジャスタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009165734A JP2011021509A (ja) 2009-07-14 2009-07-14 ラッシュアジャスタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011021509A true JP2011021509A (ja) 2011-02-03

Family

ID=43631803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009165734A Pending JP2011021509A (ja) 2009-07-14 2009-07-14 ラッシュアジャスタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011021509A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108757077A (zh) * 2018-06-04 2018-11-06 广西玉柴机器股份有限公司 发动机摇臂

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108757077A (zh) * 2018-06-04 2018-11-06 广西玉柴机器股份有限公司 发动机摇臂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20110005484A1 (en) Lash adjuster
JP2007092668A (ja) アーム式動弁装置
US8136493B2 (en) Lash adjuster
JP2008232040A (ja) ラッシュアジャスタ
WO2013136508A1 (ja) 機械式ラッシュアジャスタ
JP2008280976A (ja) スイングアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ
WO2018131633A1 (ja) チェーンテンショナ
WO2009119398A1 (ja) ラッシュアジャスタ
JP2011021509A (ja) ラッシュアジャスタ
JP2007146783A (ja) ロッカアーム式動弁装置およびロッカアーム
JP2006132426A (ja) アーム式動弁装置
JP2004346821A (ja) アーム式動弁装置
WO2009125772A1 (ja) ラッシュアジャスタ
WO2012043257A1 (ja) 内燃機関における動弁装置
JP2009270500A (ja) ラッシュアジャスタ
JP2009299550A (ja) ラッシュアジャスタ
JP2005291153A (ja) アーム式動弁装置
US20100288219A1 (en) Lash adjuster
JP2008002444A (ja) アーム式動弁装置
JP2008267224A (ja) ラッシュアジャスタ
JP2009108801A (ja) ラッシュアジャスタ
JP2010048124A (ja) ラッシュアジャスタ
JP2007092666A (ja) アーム式動弁装置
JP2010019090A (ja) ラッシュアジャスタ
JP2006336584A (ja) ダイレクト式動弁装置