JP2009270564A - 動弁装置 - Google Patents

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Makoto Yasui
誠 安井
Eiji Maeno
栄二 前野
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Abstract

【課題】鋸歯状ねじ式のラッシュアジャスタが組込まれた動弁装置において、動弁系の不整な動きやエンジン停止時のシリンダヘッドの熱収縮によってバルブが閉じなくなるのを防止する。
【解決手段】ボディ21の内周に形成された雌ねじにスクリュロッド23の外周に形成された雄ねじをねじ係合し、そのスクリュロッド23にリターンスプリング26の弾性力を付与してスクリュロッドを付勢し、スクリュロッド23の軸方向への移動によってバルブクリアランスを調整するラッシュアジャスタA。ピボット部27の外周に形成されたばね座とアーム3の一端部間にスペーサばね31を組込んで、ピボット部27とアーム3の一端部間に軸方向すき間32を形成し、その軸方向すき間32により動弁系の不整な動きやシリンダヘッド1の熱収縮を吸収してバルブ8が閉じなくなるのを防止する。
【選択図】図1

Description

この発明は、バルブクリアランスを自動調整するラッシュアジャスタが組込まれた内燃機関における動弁装置に関する。
カムの回転によって吸気バルブあるいは排気バルブ(以下、単にバルブという)を開閉させる動弁装置には、アームによってバルブステムを押し下げるアーム型と、カムによってバルブステムを押し下げるダイレクト型とがあり、上記アーム型動弁装置にはスイングアーム式(エンドピボット式)とロッカアーム式とが存在する。
ここで、スイングアーム式動弁装置においては、カムの下方に配置されたアームの端部をピボットで支持し、そのアームをカムの回転によりピボットを中心に揺動させ、その揺動側の端部でバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにしている。
一方、ロッカアーム式動弁装置においては、カムの上方に設けられたロッカシャフトを中心にしてアームを揺動自在に支持し、上記カムの回転によりアームの一端部を押し上げ、アームの他端部でバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにしている。
上記いずれの動弁装置においても、ラッシュアジャスタの組込みによってバルブクリアランスを自動調整している。
ここで、スイングアーム式動弁装置に組込まれるラッシュアジャスタとして、特許文献1に記載されたものが知られ、ロッカアーム式動弁装置に組込まれるラッシュアジャスタとして、特許文献2に記載されたものが知られている。また、ダイレクト型動弁装置に組込まれるラッシュアジャスタとして、特許文献3に記載されたものが知られている。
上記いずれのラッシュアジャスタにおいても、ボディに形成されたねじ孔の鋸歯状の雌ねじにスクリュロッドの外周に設けられた鋸歯状の雄ねじをねじ係合し、そのスクリュロッドをリターンスプリングによってねじ孔から突出する方向に向けて付勢している。
特開2005−273510号公報 特開2006−132426号公報 特開平11−148320号公報
ところで、ラッシュアジャスタが組込まれた動弁装置においては、カムシャフトの曲がり等によって動弁系に不整な動きが生じると、バルブが完全に閉じなくなる可能性がある。
また、エンジンを停止すると、アルミ合金からなるシリンダヘッドが熱収縮し、バルブステムからの突き上げによりスクリュロッドに押込み力が負荷される。このとき、スクリュロッドの雄ねじとボディの雌ねじの圧力側フランクが互いに衝合すると、バルブが開放状態に保持されることになり、エンジンの再始動時、エンジンが完爆しない状態が発生する。
そのような不都合の発生を未然に防止するため、上記各種のラッシュアジャスタにおいては、鋸歯状の雌ねじと鋸歯状の雄ねじのねじ係合部間にシリンダヘッドの熱収縮によるバルブステムの突き上げを許容し得る大きさの軸方向のねじ隙間を設けているが、そのねじ隙間が比較的大きいため、エンジンの通常運転時に雌ねじと雄ねじが衝突して異音が発生し易くなり、また、衝突によりねじ係合部に摩耗が生じてねじ隙間がさらに大きくなり、異音や振動が助長され易いという不都合があった。
この発明の課題は、上記のようなねじ式のラッシュアジャスタが組込まれた動弁装置において、雌ねじと雄ねじのねじ係合部に形成される軸方向のねじ隙間を小さくしてねじ係合部での異音の発生や摩耗の低減化を図り、動弁系の不整な動きやエンジン停止時のシリンダヘッドの熱収縮によってバルブが閉じなくなるのを防止できるようにすることである。
上記の課題を解決するために、第1の発明においては、シリンダヘッドの上面に形成された嵌合孔内にラッシュアジャスタを組込み、そのラッシュアジャスタが、円筒状ボディの内周に形成された雌ねじにスクリュロッドの外周に形成された雄ねじをねじ係合し、そのスクリュロッドにリターンスプリングの弾性力を付与してボディの開口端から突出する方向にスクリュロッドを付勢し、前記スクリュロッドの軸方向への移動によってバルブクリアランスを調整するねじ式のラッシュアジャスタからなり、前記スクリュロッドの先端に形成された半球状のピボット部でアームの一端部を揺動自在に支持し、そのアームをカムの回転により押し下げ、アームの他端部でバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにした動弁装置において、前記スクリュロッドにおけるピボット部の外周にばね座を設け、そのばね座とアームの一端部下面間にスペーサばねを組込んで、ピボット部の球形表面とアームの対向面間に軸方向すき間を形成した構成を採用したのである。
また、第2の発明においては、シリンダヘッドの上面に形成された嵌合孔内にラッシュアジャスタを組込み、そのラッシュアジャスタが、円筒状ボディの内周に形成された雌ねじにスクリュロッドの外周に形成された雄ねじをねじ係合し、そのスクリュロッドにリターンスプリングの弾性力を付与してボディの開口端から突出する方向にスクリュロッドを付勢し、前記スクリュロッドの軸方向への移動によってバルブクリアランスを調整するねじ式のラッシュアジャスタからなり、前記スクリュロッドの先端に形成された半球状のピボット部でアームの一方の端部を揺動自在に支持し、そのアームをカムの回転により押し下げ、アームの他方の端部でバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにした動弁装置において、前記バルブステムの上部に設けられたばね座とアームの他方の端部間にスペーサばねを組込んで、バルブステムの上端面とアームの対向面間に軸方向すき間を形成した構成を採用したのである。
さらに、第3の発明においては、ロッカシャフトを中心にして揺動自在に支持されたアームの一端部をカムに対向し、アームの他端部に形成された嵌合孔内にラッシュアジャスタを組込み、そのラッシュアジャスタが、円筒状ボディの内周に形成された雌ねじにスクリュロッドの外周に形成された雄ねじをねじ係合し、そのスクリュロッドにリターンスプリングの弾性力を付与してボディの開口端から突出する方向にスクリュロッドを付勢し、前記スクリュロッドの軸方向への移動によってバルブクリアランスを調整するねじ式のラッシュアジャスタからなり、前記カムの回転によりアームの一端部を押し上げ、アームの他端部に組込まれたラッシュアジャスタのスクリュロッドでバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにした動弁装置において、前記スクリュロッドの下端部にばね座を設け、そのばね座とバルブステムの上端部に設けられたスプリングリテナ間にスペーサばねを組込んで、バルブステムの上端面とスクリュロッドの対向面間に軸方向すき間を形成した構成を採用したのである。
また、第4の発明においては、カムとバルブステムの上端間にラッシュアジャスタを組込み、そのラッシュアジャスタが、シリンダヘッドに形成されたガイド孔内にスライド自在に嵌合された円筒状のリフタボディと、そのボディの上部を閉じる端板の下面側に組込まれて軸方向に非可動のナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合される雄ねじを外周に有するスクリュロッドと、そのスクリュロッドをねじ孔の下部開口端から突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記スクリュロッドの軸方向の移動によりバルブクリアランスを調整するねじ式のラッシュアジャスタからなり、前記カムの回転によりリフタボディをスライドさせ、スクリュロッドによりバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにした動弁装置において、前記スクリュロッドの下面側に組込まれてリフタボディに回り止めされ、かつ、軸方向に移動可能とされたスライド部材とバルブステムの上部に設けられたスプリングリテナ間にスペーサばねを組込んで、スライド部材とバルブステムの上端面間に軸方向すき間を形成した構成を採用したのである。
上記第1乃至4の発明において、軸方向すき間が0.4mmを超えると、エンジンの運転時、軸方向すき間を形成する2つの部材が互いに激しく衝突するため、対向面で摩耗が
生じ易く、その摩耗によって軸方向すき間がさらに大きくなるため、上記軸方向すき間は0.4mm以下とするのが好ましい。
ここで、スクリュロッドの雄ねじにショットピーニングを施して熱処理し、その面粗さをRa0.4以上とすることにより、雄ねじの摩耗を抑制し、耐久性の向上を図ることができる。
また、エンジン6000rpmの時の最大荷重に対して、雌ねじと雄ねじのねじ係合部の面圧を40Mpa以下とすることによっても、ねじ係合部での摩耗を抑制し、耐久性の向上を図ることができる。
この発明に係る動弁装置において、ラッシュアジャスタのボディ又はナット部材の内周に形成された雌ねじおよびスクリュロッドの外周に形成された雄ねじは、鋸歯状ねじ、台形ねじ、三角ねじのいずれでもよい。
鋸歯状ねじを採用する場合、スクリュロッドを突出方向に付勢するリターンスプリングとして、圧縮コイルばねあるいは捩じりばねを用いるようにする。
一方、台形ねじあるいは三角ねじを採用する場合は、リターンスプリングとして、捩じりコイルばね、ゼンマイばね、渦巻きばね、竹の子ばね等の捩じりばねを採用する。
第1の発明においては、上記のように、ピボット部に形成されたばね座とアームの一端部下面間にスペーサばねを組込んで、ピボット部の球形表面とアームの対向面間に軸方向すき間を形成したことにより、カムシャフトの曲がり等による動弁系の不整な動きやエンジン停止時のシリンダヘッドの熱収縮を上記軸方向すき間によって吸収することができ、バルブが閉じなくなるという不都合の発生を防止することができる。
また、ピボット部の球形表面とアームの対向面間に軸方向すき間を形成することにより、円筒状ボディの雌ねじとスクリュロッドの雄ねじのねじ係合部間にねじ隙間を形成する必要がなくなり、ねじ係合部での異音や摩耗の発生を抑制することができる。
第2の発明においては、バルブステムの上部に設けられたばね座とアームの他方の端部間にスペーサばねを組込んで、バルブステムの上端面とアームの対向面間に軸方向すき間を形成したことにより、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
第3の発明に係る動弁装置においては、スクリュロッドの下端部に設けられたばね座とバルブステムの上端部に設けられたスプリングリテナ間にスペーサばねを組込んで、バルブステムの上端面とスクリュロッドの対向面間に軸方向すき間を形成し、また、第4の発明においては、スライド部材とバルブステムの上部に設けられたスプリングリテナ間にスペーサばねを組込んで、スライド部材とバルブステムの上端面間に軸方向すき間を形成したことにより、第3および第4のいずれの発明も第1の発明と同様の効果を得ることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係るラッシュアジャスタを組込んだスイングアーム式動弁装置を示す。スイングアーム式動弁装置においては、アルミ合金からなるシリンダヘッド1の上面に嵌合孔2を形成し、その嵌合孔2内に組込まれたラッシュアジャスタAによって一端部が支持された揺動可能なアーム3の中途にローラ4を回転自在に支持し、そのローラ4をカムシャフト5に設けられたカム6の回転により押し下げてアーム3を揺動させ、そのアーム3の他端部でバルブステム7を押し下げて、バルブステム7の下端に設けられたバルブ8を開放させるようにしている。
ここで、バルブステム7は、上端にスプリングリテナ9を有し、そのスプリングリテナ9に負荷されるバルブスプリング10の押圧力によってバルブステム7は下端のバルブ8がバルブシート11に密着する方向に付勢されている。また、アーム3の一端部の下面には半球状の球面座12が形成されている。
アーム3は、SCM415を素材とし、浸炭焼入れ焼き戻しを行なって硬度が高められている。
図2に示すように、ラッシュアジャスタAは、嵌合孔2に嵌合される円筒状のボディ21を有し、そのボディ21の内周に形成された雌ねじ22にスクリュロッド23の外周に形成された雄ねじ24がねじ係合されている。
また、ボディ21の内部には、スプリングシート25と圧縮コイルばねからなるリターンスプリング26とが組込まれ、上記リターンスプリング26によってスクリュロッド23はボディ21の上端開口から突出する方向に付勢されている。
スクリュロッド23にはボディ21の上端開口から外部に位置する端部にアーム3の一端部に形成された球面座12を支持する半球状のピボット部27が形成されている。
ここで、ボディ21の雌ねじ22とスクリュロッド23の雄ねじ24におけるねじ山は、スクリュロッド23に負荷される押込み力を受ける圧力側フランク28のフランク角が遊び側フランク29のフランク角より大きい鋸歯状とされ、その鋸歯状ねじ山にリターンスプリング26の押圧によってスクリュロッド23が回転しつつ軸方向に移動するリード角が設けられている。
スクリュロッド23のピボット部27の外周にはばね座30が形成され、そのばね座30とアーム3の一端部の下面間に皿ばねからなるスペーサばね31が組込まれている。スペーサばね31の弾性力はバルブスプリング10より小さく、また、リターンスプリング26より大きくなっており、図1に示すように、カム6のベース円6aがローラ4に接触するバルブ8の閉鎖状態において、ピボット部27の球形表面27aとアーム3の球面座12間に軸方向すき間32が形成されている。
なお、スペーサばね31は、皿ばねに限定されず、円筒コイルばねであってもよく、あるいは、円すいコイルばねであってもよい。
実施の形態で示す動弁装置は上記の構造からなり、シリンダヘッド1の熱膨張によってバルブ8の閉鎖状態でカム6のベース円6aとローラ4間にクリアランスが生じると、リターンスプリング26の押圧によりスクリュロッド23が遊び側フランク29に沿って回転しつつ突出する方向に移動し、アーム3の端部を持ち上げて上記クリアランスを吸収する。
反対に、バルブシート11の摩耗等によりバルブステム7の上端とカムシャフト5間の距離が縮まると、スクリュロッド23はバルブステム7からアーム3およびスペーサばね31を介して負荷される軸方向の変動荷重により徐々に押し込まれて回転しつつボディ21内に没入する方向に向けて移動し、カム6のベース円6aがローラ4と接触するバルブ閉鎖時にバルブ8が不完全に閉鎖するのを防止する。
一方、バルブクリアランスの調整が必要のない定常的な運転状態のときは、雌ねじ22と雄ねじ24の圧力側フランク28が互いに接触する状態にあり、その接触部に作用する摩擦抵抗によりスクリュロッド23は殆ど回転せず、ピボット部27の球形表面27aと球面座12間に形成された軸方向すき間32を詰める状態でアーム3が下向きに揺動し、かつ、軸方向すき間32を形成する状態でアーム3が上向きに揺動する。
ここで、定常的な運転状態において、スクリュロッド23が回転して押し込まれると、バルブリフト量が変化し、バルブ8が所定の位置まで開かなくなる。そのような不都合の発生を防止するため、ボディ21およびスクリュロッド23をSCM415で形成し、浸炭焼入れ焼き戻しによる熱処理を施し、その熱処理前にスクリュロッド23の雄ねじ24にショットピーニングを施して、面粗さをRa0.4以上としている。
実施の形態で示すように、ピボット部27の球形表面27aとアーム3に形成された球面座12との間に軸方向すき間32を形成すると、カムシャフト5の曲がり等による動弁系に不整な動きが生じた際に、バルブステム7からの突き上げによりスペーサばね31が弾性変形して軸方向すき間32が詰まり、その軸方向すき間32によって上記不整な動きが吸収されることになり、バルブ8が閉じなくなるという不都合の発生が防止される。
また、エンジンの停止によりシリンダヘッド1が熱収縮した際には、上記と同様に、バルブステム7からの突き上げによりスペーサばね31が弾性変形して軸方向すき間32が詰まり、その軸方向すき間32によってシリンダヘッド1の熱収縮が吸収されることになる。したがって、この場合にもバルブ8が不完全に閉まるという不都合の発生が防止されることになる。
因みに、図1および図2に示すラッシュアジャスタAを用いてエンジンモータリング試験をしたところ、図3に示す結果を得た。試験に際し、サンプルのスクリュロッド23とアーム3間の軸方向すき間を数種類振って確認した。
また、試験条件は以下の通りである。
[試験条件]
供試エンジン:1500cc
回転数:6000rpm
潤滑:エンジンオイルOW−20
耐久時間:400hr
なお、雌ねじ22と雄ねじ24のねじ係合部に加わる面圧は、耐久性を考慮して、6000rpmの最大荷重に対して、ねじ係合部にねじが平均して荷重を受けていることを前提として、ねじ面圧を40Mpa以下としている。
図3に示す結果から、軸方向すき間32が0.5mm以上になると、耐久試験でのピボット部27の球形表面の摩耗によって、累乗的に大きくなっていくことが理解できる。したがって、軸方向すき間32は、0.4mm以下にすることが好ましい。
図4は、この発明に係る動弁装置の他の実施の形態を示す。この実施の形態では、ラッシュアジャスタAにおけるスクリュロッド23のピボット部27に形成された球形表面27aがアーム3の一端部下面に形成された球面座12と接触するようにして、そのアーム3の一端部を支持し、上記アーム3の他端部下面とバルブステム7の上部に固定されたスプリングリテナ9間に円筒コイルばねからなるスペーサばね41を組込んで、バルブステム7の上端面とアーム3の他端部下面間に軸方向すき間42を設けている点で図1に示す動弁装置と相違している。
このため、図1に示す動弁装置と同一のものは同一の符号を付して説明を省略する。
上記のように、バルブステム7の上端面とアーム3の他端部下面間に軸方向すき間42を設けることにより、カムシャフト5の曲がり等による動弁系の不整な動きやエンジン停止時のシリンダヘッド1の熱収縮を上記軸方向すき間42によって吸収することができ、バルブ8が閉じなくなるという不都合の発生を防止することができる。
また、円筒状ボディ21の雌ねじ22とスクリュロッド23の雄ねじ24のねじ係合部間にねじ隙間を形成する必要がなくなり、ねじ隙間の管理を不要とすることができる。
図5および図6は、この発明に係る動弁装置のさらに他の実施の形態を示す。この実施の形態では、ロッカシャフト50を中心にして揺動自在に支持されたアーム51の一端部にカム52に接触されるローラ53を回転自在に支持し、上記カム52の回転によりロッカシャフト50を中心にアーム51を揺動させ、そのアーム51の他端部でシリンダヘッド54にスライドに支持されたバルブステム55を押し下げて、バルブ56を開放させるようにしたロッカアーム式動弁装置が示されている。57はスプリングリテナを示し、そのスプリングリテナ57にバルブ56を閉じる方向に付勢するバルブスプリング58の弾性力が付与されている。
上記のロッカアーム式動弁装置においては、アーム51の上記バルブステム55の上端と対向する端部に嵌合孔59を形成し、その嵌合孔59にラッシュアジャスタAを組込んでバルブクリアランスを調整している。
ここで、ラッシュアジャスタAは、嵌合孔59に嵌合固定される円筒状ボディ61の内周に鋸歯状の雌ねじ62を形成し、その鋸歯状雌ねじ62にスクリュロッド63の外周に形成された鋸歯状の雄ねじ64をねじ係合し、上記嵌合孔59内にスプリングシート65と、圧縮コイルばねからなるリターンスプリング66とを組込み、そのリターンスプリング66によりスクリュロッド63をボディ61の下端開口から突出する方向に付勢している。
上記ロッカアーム式動弁装置においては、スクリュロッド63の下端部にばね座67を設け、そのばね座67とバルブステム55の上端部に設けられたスプリングリテナ57間に円筒コイルばねからなるスペーサばね68を組込んで、バルブステム55の上端面とスクリュロッド63の下面間に軸方向すき間69を形成している。
上記の実施の形態で示すように、バルブステム55の上端面とスクリュロッド63の下面間に軸方向すき間69を形成することにより、カム52を有するカムシャフト52aの曲がり等による動弁系の不整な動きやエンジン停止時のシリンダヘッド54の熱収縮を上記軸方向すき間69によって吸収することができ、バルブ56が閉じなくなるという不都合の発生を防止することができる。
なお、図5および図6に示す実施の形態においても、軸方向すき間69は0.4mm以下とするのが好ましい。また、スクリュロッド63の雄ねじ64にショットピーニングを施して熱処理し、その面粗さをRa0.4以上として雄ねじ64の摩耗を抑制するのが好ましい。
図7および図8は、この発明に係る動弁装置のさらに他の実施の形態を示す。この実施の形態では、カム70の回転によりバルブステム71を押し下げてバルブ72を開放させるようにしたダイレクト型動弁装置が示されている。75は、バルブステム71の上部に固定されたスプリングリテナを示し、そのスプリングリテナ75にバルブ72を閉じる方向に付勢するバルブスプリング76の弾性力が付与されている。
上記のようなダイレクト型動弁装置においては、カム70とバルブステム71との間にラッシュアジャスタAを組込んで、バルブクリアランスを調整している。
ここで、ラッシュアジャスタAは、シリンダヘッド73に形成されたガイド孔74内にスライド自在に嵌合される円筒状のボディ81の上部の閉塞端部内にナット部材82を組込んで、止め輪83の取付けにより軸方向に非可動に支持し、そのナット部材82の内周に形成された鋸歯状雌ねじ84にスクリュロッド85の外周に形成された鋸歯状の雄ねじ86をねじ係合し、そのスクリュロッド85を圧縮コイルばねからなるリターンスプリング87の押圧によりナット部材82の下部開口端から突出する方向に向けて付勢している。
また、ナット部材82の下面側に円板状のスライド部材88を組込み、そのスライド部材88の外周対向位置に形成された支持片89の上部の外向き折曲げ片89aを上記止め輪83によってボディ81の閉塞端に取付けられたホルダ90のガイド孔91内に挿入してスライド部材88を回り止めし、かつ、軸方向に移動自在に支持している。
上記ダイレクト型動弁装置においては、スライド部材88とスプリングリテナ75との間にスペーサばね92を組込んで、スライド部材88とバルブステム71の上端面間に軸方向すき間93を形成している。
上記のように、スライド部材88とバルブステム71の上端面間に軸方向すき間93を形成することにより、カム70を有するカムシャフト70aの曲がり等による動弁系の不整な動きやエンジン停止時のシリンダヘッド73の熱収縮を上記軸方向すき間93によって吸収することができ、バルブ72が閉じなくなるという不都合の発生を防止することができる。
なお、図7および図8に示す実施の形態においても、軸方向すき間93は0.4mm以下とするのが好ましい。また、スクリュロッド85の雄ねじ86にショットピーニングを施して熱処理し、その面粗さをRa0.4以上として雄ねじ86の摩耗を抑制するのが好ましい。
図9は、ラッシュアジャスタAの他の例を示す。この例に示すラッシュアジャスタAにおいては、ボディ21に形成された雌ねじ22およびスクリュロッド23の外周に形成された雄ねじ24を三角ねじとし、リターンスプリング26として捩じりコイルばねを用い、そのリターンスプリング26の両端に設けられた軸方向の折曲げ片26a、26bの一方をボディ21の閉塞端に設けられた係合孔100に係合し、他方をスクリュロッド23の端面に形成された係合孔101に係合している点で、図2に示すラッシュアジャスタAと相違している。このため、図2と同一の部品には同一の符号を付して説明を省略する。
上記の構成からなるラッシュアジャスタAにおいては、スクリュロッド23に変動荷重を付加すると、雌ねじ22と雌ねじ24の圧力側フランクの接触面で僅かに滑りが生じて、スクリュロッド23が回転しつつボディ21の閉塞端に向けて徐々に移動するようになっている。
また、スクリュロッド23の回転により捩じりコイルばねからなるリターンスプリング26が捩じり変形し、その変形による復元弾性によりスクリュロッド23が回転しつつ外方に移動し、そのスクリュロッド23の軸方向の移動により図1に示すスイングアーム式動弁装置のバルブクリアランスを吸収するようになっている。
図9では、雌ねじ22および雄ねじ24を三角ねじとしたが、図10に示すように、雌ねじ22および雄ねじ24のそれぞれを台形ねじとしてもよい。また、リターンスプリング26として捩じりコイルばねを採用したが、その捩じりコイルばねに代えて、ゼンマイばね、渦巻きばねあるいは竹の子ばねを採用するようにしてもよい。
なお、図6に示す雌ねじ62と雄ねじ64および図8に示す雌ねじ84と雄ねじ86を三角ねじや台形ねじとして、スクリュロッド63および85に捩じりコイルばね、ゼンマイばね、渦巻きばねあるいは竹の子ばねの捩じり力を付与するようにしてもよい。
この発明に係る動弁装置の実施の形態を示す縦断正面図 図1のラッシュアジャスタの組込み部を拡大して示す断面図 ラッシュアジャスタAを用いてエンジンモータリング試験を行なったところの試験結果を示すグラフ この発明に係る動弁装置の他の実施の形態を示す縦断正面図 この発明に係る動弁装置のさらに他の実施の形態を示す縦断正面図 図5のラッシュアジャスタの組込み部を拡大して示す断面図 この発明に係る動弁装置のさらに他の実施の形態を示す縦断正面図 図7のラッシュアジャスタの組込み部を拡大して示す断面図 ラッシュアジャスタの他の例を示す断面図 ねじの他の例を示す断面図
符号の説明
A ラッシュアジャスタ
1 シリンダヘッド
2 嵌合孔
3 アーム
6 カム
7 バルブステム
8 バルブ
21 ボディ
22 雌ねじ
23 スクリュロッド
24 雄ねじ
26 リターンスプリング
27 ピボット部
27a 球形表面
30 ばね座
31 スペーサばね
32 軸方向すき間
41 スペーサばね
42 軸方向すき間
50 ロッカシャフト
51 アーム
52 カム
55 バルブステム
56 バルブ
57 スプリングリテナ
59 嵌合孔
61 ボディ
62 雌ねじ
63 スクリュロッド
64 雄ねじ
66 リターンスプリング
67 ばね座
68 スペーサばね
69 軸方向すき間
70 カム
71 バルブステム
73 シリンダヘッド
74 ガイド孔
75 スプリングリテナ
81 ボディ
82 ナット部材
84 雌ねじ
85 スクリュロッド
86 雄ねじ
87 リターンスプリング
88 スライド部材
92 スペーサばね
93 軸方向すき間

Claims (10)

  1. シリンダヘッドの上面に形成された嵌合孔内にラッシュアジャスタを組込み、そのラッシュアジャスタが、円筒状ボディの内周に形成された雌ねじにスクリュロッドの外周に形成された雄ねじをねじ係合し、そのスクリュロッドにリターンスプリングの弾性力を付与してボディの開口端から突出する方向にスクリュロッドを付勢し、前記スクリュロッドの軸方向への移動によってバルブクリアランスを調整するねじ式のラッシュアジャスタからなり、前記スクリュロッドの先端に形成された半球状のピボット部でアームの一端部を揺動自在に支持し、そのアームをカムの回転により押し下げ、アームの他端部でバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにした動弁装置において、
    前記スクリュロッドにおけるピボット部の外周にばね座を設け、そのばね座とアームの一端部下面間にスペーサばねを組込んで、ピボット部の球形表面とアームの対向面間に軸方向すき間を形成したことを特徴とする動弁装置。
  2. シリンダヘッドの上面に形成された嵌合孔内にラッシュアジャスタを組込み、そのラッシュアジャスタが、円筒状ボディの内周に形成された雌ねじにスクリュロッドの外周に形成された雄ねじをねじ係合し、そのスクリュロッドにリターンスプリングの弾性力を付与してボディの開口端から突出する方向にスクリュロッドを付勢し、前記スクリュロッドの軸方向への移動によってバルブクリアランスを調整するねじ式のラッシュアジャスタからなり、前記スクリュロッドの先端に形成された半球状のピボット部でアームの一方の端部を揺動自在に支持し、そのアームをカムの回転により押し下げ、アームの他方の端部でバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにした動弁装置において、
    前記バルブステムの上部に設けられたばね座とアームの他方の端部間にスペーサばねを組込んで、バルブステムの上端面とアームの対向面間に軸方向すき間を形成したことを特徴とする動弁装置。
  3. ロッカシャフトを中心にして揺動自在に支持されたアームの一端部をカムに対向し、アームの他端部に形成された嵌合孔内にラッシュアジャスタを組込み、そのラッシュアジャスタが、円筒状ボディの内周に形成された雌ねじにスクリュロッドの外周に形成された雄ねじをねじ係合し、そのスクリュロッドにリターンスプリングの弾性力を付与してボディの開口端から突出する方向にスクリュロッドを付勢し、前記スクリュロッドの軸方向への移動によってバルブクリアランスを調整するねじ式のラッシュアジャスタからなり、前記カムの回転によりアームの一端部を押し上げ、アームの他端部に組込まれたラッシュアジャスタのスクリュロッドでバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにした動弁装置において、
    前記スクリュロッドの下端部にばね座を設け、そのばね座とバルブステムの上端部に設けられたスプリングリテナ間にスペーサばねを組込んで、バルブステムの上端面とスクリュロッドの対向面間に軸方向すき間を形成したことを特徴とする動弁装置。
  4. カムとバルブステムの上端間にラッシュアジャスタを組込み、そのラッシュアジャスタが、シリンダヘッドに形成されたガイド孔内にスライド自在に嵌合された円筒状のリフタボディと、そのボディの上部を閉じる端板の下面側に組込まれて軸方向に非可動のナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合される雄ねじを外周に有するスクリュロッドと、そのスクリュロッドをねじ孔の下部開口端から突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記スクリュロッドの軸方向の移動によりバルブクリアランスを調整するねじ式のラッシュアジャスタからなり、前記カムの回転によりリフタボディをスライドさせ、スクリュロッドによりバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにした動弁装置において、
    前記スクリュロッドの下面側に組込まれてリフタボディに回り止めされ、かつ、軸方向に移動可能とされたスライド部材とバルブステムの上部に設けられたスプリングリテナ間にスペーサばねを組込んで、スライド部材とバルブステムの上端面間に軸方向すき間を形成したことを特徴とする動弁装置。
  5. 前記軸方向すき間を0.4mm以下とした請求項1乃至4のいずれかの項に記載の動弁装置。
  6. 前記スクリュロッドの雄ねじが、熱処理前にショットピーニングが施され、面粗さがRa0.4以上とされた請求項1乃至5のいずれかの項に記載の動弁装置。
  7. エンジン6000rpmの時の最大荷重に対して、雌ねじと雄ねじのねじ係合部の面圧が40Mpa以下である請求項1乃至6のいずれかの項に記載の動弁装置。
  8. 前記雌ねじおよび雄ねじが鋸歯状ねじからなり、前記リターンスプリングが圧縮コイルばねからなる請求項1乃至7のいずれかの項に記載の動弁装置。
  9. 前記雌ねじおよび雄ねじが、鋸歯状ねじ、台形ねじおよび三角ねじの一種からなり、前記リターンスプリングが捩じりばねからなる請求項1乃至7のいずれかの項に記載の動弁装置。
  10. 前記捩じりばねが、捩じりコイルばね、ゼンマイばね、渦巻きばねおよび竹の子ばねの一種からなる請求項9に記載の動弁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017217493A1 (ja) * 2016-06-17 2017-12-21 日鍛バルブ株式会社 動弁機構及び機械式ラッシュアジャスタ

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