JP2010007659A - ラッシュアジャスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】雄ねじの圧力側フランクと雌ねじの圧力側フランクの間に、スクイズ効果による油膜が生じにくいラッシュアジャスタを提供する。
【解決手段】内周に雌ねじ15を有するナット部材14と、雌ねじ15にねじ係合する雄ねじ16を外周に有するアジャストスクリュ17と、アジャストスクリュ17をナット部材14から突出する方向に付勢するリターンスプリング19とを有し、アジャストスクリュ17をナット部材14内に押し込む方向の軸方向荷重が負荷されたときに、その軸方向荷重を雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25,27で受けるラッシュアジャスタ1において、雄ねじ16の圧力側フランク25のフランク角αと、雌ねじ15の圧力側フランク27のフランク角βとを異ならせる。
【選択図】図2

Description

この発明は、エンジンの動弁装置に組み込まれるラッシュアジャスタに関する。
エンジンの吸気ポートまたは排気ポートに設けたバルブを動作させる動弁装置として、一端部を支点として揺動可能に支持されたアームの中央部をカムで押し下げ、そのアームの他端部でバルブステムを押し下げるようにしたもの(スイングアーム式動弁装置)や、中央部を支点として揺動可能に支持されたアームの一端部をカムで押し上げ、そのアームの他端部でバルブステムを押し下げるようにしたもの(ロッカアーム式動弁装置)や、上下にスライド可能に支持されたリフタボディをカムで押し下げ、そのリフタボディでバルブステムを押し下げるようにしたもの(ダイレクト式動弁装置)などが知られている。
これらの動弁装置は、エンジン作動中、動弁装置の構成部材間に生じる熱膨張差によって、動弁装置の構成部材間の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音や圧縮漏れを生じるおそれがある。また、動弁装置の摺動部が摩耗しても、動弁装置の構成部材間の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音を生じるおそれがある。
この異音や圧縮漏れを防止するため、動弁装置にはラッシュアジャスタが組み込まれ、そのラッシュアジャスタで動弁装置の構成部材間の隙間の変化を吸収することが多い。
このようなラッシュアジャスタとして、上記スイングアーム式動弁装置においては、シリンダヘッドの上面に開口した収容穴に挿入されるナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ナット部材から上方に突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出端で動弁装置のアームを揺動可能に支持するものが知られている(特許文献1,4)。
また、上記ロッカアーム式動弁装置においては、カムの回転に応じて揺動するアームの下面に開口した収容穴に挿入されるナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ナット部材から下方に突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するものが知られている(特許文献2)。
また、上記ダイレクト式動弁装置においては、シリンダヘッドに形成されたガイド孔に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディと、そのリフタボディと一体に上下動するナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ナット部材から下方に突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するものが知られている(特許文献3,4)。
ここで、特許文献1〜3では、ナット部材から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュに付与する圧縮コイルばねをリターンスプリングとして用いている。また、特許文献4では、ナット部材から突出する方向の回転力をアジャストスクリュに付与するねじりばねをリターンスプリングとして用いている。
これらのラッシュアジャスタにおいて、カムの回転によりアジャストスクリュをナット部材内に押し込む方向(以下、「押し込み方向」という)の軸方向荷重が負荷されたときは、
アジャストスクリュの雄ねじの圧力側フランクが、ナット部材の雌ねじの圧力側フランクで受け止められて、アジャストスクリュの軸方向位置が固定される。厳密には、このとき、雄ねじと雌ねじの圧力側フランク間に僅かな滑りが生じ、その滑りによってアジャストスクリュは押し込み方向に移動するが、更にカムが回転して押し込み方向の荷重が解除されたときに、アジャストスクリュは、リターンスプリングから負荷される突出方向の荷重によって突出方向に移動し、元の位置に戻る。
また、動弁装置の熱膨張などによって、動弁装置の構成部材間の隙間が大きくなったときは、カムにより押し込み方向の荷重が負荷されたときのアジャストスクリュの押し込み量よりも、更にカムが回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュの突出量が大きくなる。その結果、カムが回転するごとに、アジャストスクリュは突出方向に徐々に移動して、動弁装置の構成部材間の隙間の変化を吸収する。
反対に、動弁装置の構成部材間の隙間が小さくなったときは、カムにより押し込み方向の荷重が負荷されたときのアジャストスクリュの押し込み量よりも、更にカムが回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュの突出量が小さくなる。その結果、カムが回転するごとに、アジャストスクリュは押し込み方向に徐々に移動して、動弁装置の構成部材間の隙間の変化を吸収する。
特開2005−273510号公報 特開2006−132426号公報 特許第3641355号公報 実開昭64−34407号公報
ところで、上記各ラッシュアジャスタは、雄ねじの圧力側フランクと雌ねじの圧力側フランクとが平行に形成されている。そのため、カムの回転によりアジャストスクリュに押し込み方向の荷重が負荷されたときに、雄ねじの圧力側フランクと雌ねじの圧力側フランクの間に存在するエンジン油が、スクイズ効果によって油膜を形成しやすい。特に、低温時は、エンジン油の粘度が大きいので、圧力側フランク間に油膜が生じやすかった。
このように、圧力側フランク間に油膜が生じると、その油膜によって圧力側フランク間の摩擦抵抗が極めて小さくなるので、アジャストスクリュに押し込み方向の荷重が負荷されたときのアジャストスクリュの押し込み量が過大となりやすい。アジャストスクリュの押し込み量が過大となると、カムが回転するごとにアジャストスクリュが押し込み方向に移動するので、動弁装置の構成部材間の隙間が過大となって、バルブがバルブシートに衝撃的に着座して異音を生じる恐れや、バルブリフト量の減少により燃費が低下する恐れがある。
この発明が解決しようとする課題は、雄ねじの圧力側フランクと雌ねじの圧力側フランクの間に、スクイズ効果による油膜が生じにくいラッシュアジャスタを提供することである。
上記の課題を解決するため、前記雄ねじの圧力側フランクのフランク角と、前記雌ねじの圧力側フランクのフランク角とを異ならせた。このようにすると、雄ねじの圧力側フランクと雌ねじの圧力側フランクとが非平行となるので、その圧力側フランク間に、スクイズ効果による油膜が生じにくくなる。
前記雄ねじの圧力側フランクのフランク角は、前記雌ねじの圧力側フランクのフランク角よりも小さくすると好ましい。このようにすると、雄ねじと雌ねじとが外径側で接触するので、雄ねじの圧力側フランクのフランク角を、雌ねじの圧力側フランクのフランク角よりも大きくした場合よりも、アジャストスクリュとナット部材の摩擦半径が大きくなり、その結果、雄ねじと雌ねじの圧力側フランク間の滑りを効果的に防止することが可能となる。
また、前記雄ねじの圧力側フランクと前記雌ねじの圧力側フランクは、その少なくとも一方に油膜排除溝を形成すると好ましい。このようにすると、アジャストスクリュに押し込み方向の荷重が負荷されたときに、雄ねじの圧力側フランクと雌ねじの圧力側フランクの間に存在するエンジン油が油膜排除溝内に逃げるので、スクイズ効果による油膜をより効果的に抑制することができる。
前記雄ねじの圧力側フランクと前記雌ねじの圧力側フランクは、その少なくとも一方を表面粗さがRa0.4以上の梨地とすると好ましい。このようにすると、長期間の使用によって雄ねじと雌ねじの圧力側フランクが摩耗したときにも、その摩耗量と比較して、圧力側フランクの梨地の凹凸高さが大きく、圧力側フランクの表面が平滑になりにくい。そのため、雄ねじと雌ねじの圧力側フランク間の摩擦係数を、長期間にわたって確保することができる。
ここで、梨地は、放電加工やレーザ加工によって形成してもよいが、ショットピーニングにより形成すると、圧力側フランクを硬化させて耐久性を高めることができる。
前記雄ねじと雌ねじの間の軸方向隙間は、0.2〜0.4mmの範囲に設定すると、エンジンが高温の状態で停止し、その後、エンジンが冷却して動弁装置の構成部材間に収縮差が生じたときに、その収縮差を、雄ねじと雌ねじの軸方向隙間で吸収することができる。そのため、エンジンの再始動時に、動弁装置の構成部材間の収縮差による圧縮漏れが生じない。
この発明は、例えば、次のラッシュアジャスタに適用することができる。
1)前記ナット部材は、シリンダヘッドの上面に開口した収容穴に挿入され、前記アジャストスクリュは、前記ナット部材からの突出端で動弁装置のアームを揺動可能に支持するスイングアーム式動弁装置のラッシュアジャスタ。
2)前記ナット部材は、シリンダヘッドに形成されたガイド孔に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディに固定され、前記アジャストスクリュは、前記ナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するダイレクト式動弁装置のラッシュアジャスタ。
3)前記ナット部材は、カムの回転に応じて揺動するアームの下面に開口した収容穴に挿入され、前記アジャストスクリュは、前記ナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するロッカアーム式動弁装置のラッシュアジャスタ。
前記リターンスプリングとして、ナット部材から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュに付与する圧縮コイルばねを採用する場合、前記雄ねじと雌ねじは、圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角よりも大きい鋸歯ねじを採用することができる。
また、前記リターンスプリングとして、ナット部材から突出する方向の回転力をアジャストスクリュに付与するねじりばねを採用する場合、前記雄ねじと雌ねじは、鋸歯ねじ、台形ねじ又は三角ねじを採用することができる。ねじりばねとしては、例えば、ねじりコイルばね、ゼンマイばね、竹の子ばねが挙げられる。
前記アジャストスクリュは、前記ナット部材内に軸方向にスライド可能に挿入されたピボット部材と、そのピボット部材のナット部材への挿入端を支持し、前記雄ねじを外周に有する雄ねじ部材と、前記ピボット部材と雄ねじ部材の間に挟まれた弾性部材とで構成することができる。
この発明のラッシュアジャスタは、雄ねじの圧力側フランクと雌ねじの圧力側フランクとが非平行なので、その圧力側フランク間に、スクイズ効果による油膜が生じにくい。そのため、エンジン油の粘性が高い低温時においても、アジャストスクリュの押し込み量が過大となるのを防止することができる。
この発明の第1実施形態のラッシュアジャスタを組み込んだ動弁装置を示す正面図 図1に示す動弁装置のラッシュアジャスタ近傍の拡大断面図 (a)は、図2に示すラッシュアジャスタのアジャストスクリュに突出方向の荷重が負荷された状態を示す雄ねじと雌ねじの拡大断面図、(b)は、図2に示すラッシュアジャスタのアジャストスクリュに押し込み方向の荷重が負荷された状態を示す雄ねじと雌ねじの拡大断面図 図2に示すラッシュアジャスタの雄ねじの圧力側フランクのフランク角を雌ねじの圧力側フランクのフランク角よりも大きくした変形例を示す図であり、(a)は、アジャストスクリュに突出方向の荷重が負荷された状態を示す雄ねじと雌ねじの拡大断面図(b)は、アジャストスクリュに押し込み方向の荷重が負荷された状態を示す雄ねじと雌ねじの拡大断面図 図2に示すラッシュアジャスタの雄ねじの圧力側フランクに油膜排除溝を形成した変形例を示す拡大断面図 図5に示すラッシュアジャスタの雄ねじと雌ねじの拡大断面図 図5に示すラッシュアジャスタの雌ねじの圧力側フランクに油膜排除溝を形成した変形例を示す雄ねじと雌ねじの拡大断面図 この発明の第2実施形態のラッシュアジャスタを組み込んだ動弁装置を示す正面図 図8に示す動弁装置のアジャストスクリュ近傍の拡大断面図 (a)は、図9に示すラッシュアジャスタのアジャストスクリュに突出方向の荷重が負荷された状態を示す雄ねじと雌ねじの拡大断面図、(b)は、図9に示すラッシュアジャスタのアジャストスクリュに押し込み方向の荷重が負荷された状態を示す雄ねじと雌ねじの拡大断面図 この発明の第3実施形態のラッシュアジャスタを組み込んだ動弁装置を示す正面図 図11に示す動弁装置のラッシュアジャスタ近傍の拡大断面図 この発明の第4実施形態のラッシュアジャスタを示す拡大断面図 図13に示すリターンスプリングの変形例を示す拡大断面図 図13に示すリターンスプリングの他の変形例を示す拡大断面図 図13に示すリターンスプリングのさらに他の変形例を示す拡大断面図 図16のXVII−XVII線に沿った断面図 図15に示すアジャストスクリュに押し込み方向の荷重が負荷された状態を示す雄ねじと雌ねじの拡大断面図 図16に示すアジャストスクリュに押し込み方向の荷重が負荷された状態を示す雄ねじと雌ねじの拡大断面図 この発明の第5実施形態のラッシュアジャスタを示す拡大断面図 図20のナット部材近傍の拡大断面図 この発明の第6実施形態のラッシュアジャスタを示す拡大断面図 図22のナット部材近傍の拡大断面図
図1に、この発明の第1実施形態のラッシュアジャスタ1を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、エンジンのシリンダヘッド2の吸気ポート3に設けられたバルブ4と、そのバルブ4に接続されたバルブステム5と、カム6の回転に応じて揺動するアーム7とを有する。
バルブステム5は、バルブ4から上方に延び、シリンダヘッド2を摺動可能に貫通している。バルブステム5の上部外周には、環状のスプリングリテーナ8が固定され、スプリングリテーナ8の下面とシリンダヘッド2の上面の間にバルブスプリング9が組み込まれている。バルブスプリング9は、スプリングリテーナ8を介してバルブステム5を上方に付勢し、その付勢力によってバルブ4をバルブシート10に着座させている。
アーム7は、一方の端部がラッシュアジャスタ1で支持され、他方の端部がバルブステム5の上端に接触している。また、アーム7の中央部にはローラ11が取り付けられ、ローラ11は、アーム7の上方に設けられたカム6に接触している。カム6は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に同調して回転するカムシャフト12に一体に形成されており、カムシャフト12が回転すると、ベースサークル6aに対して隆起したカム山部6bが、ローラ11を介してアーム7を押し下げるようになっている。
図2に示すように、ラッシュアジャスタ1は、シリンダヘッド2の上面に開口した収容穴13に挿入される筒状のナット部材14と、ナット部材14の内周に形成された雌ねじ15にねじ係合する雄ねじ16を下部外周に有するアジャストスクリュ17と、ナット部材14の下端に固定された底部材18と、アジャストスクリュ17と底部材18の間に組み込まれたリターンスプリング19とからなる。
リターンスプリング19は圧縮コイルばねである。リターンスプリング19は、下端が底部材18で支持され、上端がスプリングシート20を介してナット部材14から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュ17に付与している。この軸方向力によって、アジャストスクリュ17は、ナット部材14から上方に突出する方向に付勢されている。
アジャストスクリュ17は、図1に示すように、ナット部材14からの突出端21が半球状に形成されており、その突出端21が、アーム7の端部下面に形成された凹部22に嵌合している。ここで、突出端21は、凹部22の内面に摺動可能に接触し、その摺動によりアーム7を揺動可能に支持する。
図2に示すように、底部材18には、上下に貫通する貫通孔23が形成されており、収容穴13の内底面には、貫通孔23と連通する排油孔24が形成されている。そのため、ナット部材14の上端面から雄ねじ16と雌ねじ15の隙間を通ってナット部材14内に流れ込んだエンジン油は、貫通孔23と排油孔24とを順に通ってナット部材14から排出される。
図3(a)に示すように、雄ねじ16は、アジャストスクリュ17をナット部材14に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク25のフランク角αが、遊び側フランク26のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている。同様に、雌ねじ15も、アジャストスクリュ17をナット部材14に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク27のフランク角βが、遊び側フランク28のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている。
ここで、雄ねじ16の圧力側フランク25のフランク角αは、雌ねじ15の圧力側フランク27のフランク角βよりも小さくなっており、押し込み方向の荷重がアジャストスクリュ17に負荷されたときに、図3(b)に示すように、雄ねじ16の圧力側フランク25の端部が、雌ねじ15の圧力側フランク27に線接触するようになっている。雌ねじ15の圧力側フランク27のフランク角βを75°に設定する場合、雄ねじ16の圧力側フランク25のフランク角αは、例えば74°に設定することができる。
一方、雄ねじ16の遊び側フランク26のフランク角と、雌ねじ15の遊び側フランク28のフランク角は、同一の大きさとなっている。
雄ねじ16は、その圧力側フランク25を含む表面全体にショットピーニングが施されており、その結果、雄ねじ16の圧力側フランク25は、表面粗さがRa0.4以上の梨地となっている。この梨地は、鋭角粒のメディアを使用したショットピーニングで形成することができ、また、アジャストスクリュ17に熱処理(例えば、浸炭処理や窒化処理)を施す場合は、その熱処理前にショットピーニングを施すことによって形成することができる。表面粗さRaは、JISB0601(製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ)による。
また、雄ねじ16と雌ねじ15の間には軸方向隙間が設けられており、その軸方向隙間は、0.2〜0.4mmの範囲に設定されている。
次に、ラッシュアジャスタ1の動作例を説明する。
エンジンの作動によりカム6が回転して、カム6のカム山部6bがアーム7を押し下げると、バルブ4がバルブシート10から離れて、吸気ポート3を開く。このとき、アジャストスクリュ17に押し込み方向の荷重が負荷されるが、図3(b)に示すように、雄ねじ16の圧力側フランク25の外径側の端部が雌ねじ15の圧力側フランク27で受け止められて、アジャストスクリュ17の軸方向位置が固定される。
更にカム6が回転して、カム山部6bがローラ11の位置を過ぎると、バルブスプリング9の付勢力によってバルブステム5が上昇し、バルブ4がバルブシート10に着座して、吸気ポート3を閉じる。
厳密には、カム6のカム山部6bがアーム7を押し下げるときに、雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25,27間に僅かな滑りが生じ、その滑りによってアジャストスクリュ17は押し込み方向に移動するが、カム山部6bがローラ11の位置を過ぎて、押し込み方向の荷重が解除されたときに、アジャストスクリュ17は、リターンスプリング19から負荷される突出方向の荷重によって突出方向に移動し、元の位置に戻る。
エンジン作動中に、シリンダヘッド2、バルブステム5、アーム7など、動弁装置の構成部材間に熱膨張差が生じ、カム6とアーム7の間の距離が大きくなったときは、カム6のカム山部6bがアーム7を押し下げるときのアジャストスクリュ17の押し込み量よりも、更にカム6が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュ17の突出量が大きくなる。その結果、カム6が回転するごとに、アジャストスクリュ17が突出方向に徐々に移動するので、カム6のベースサークル6aとローラ11の間に隙間が生じない。
反対に、バルブ4とバルブシート10の接触面が摩耗したときは、カム6のベースサークル6aがローラ11の位置にあるときにも、バルブスプリング9の付勢力がアジャストスクリュ17に作用するため、カム6のカム山部6bがアーム7を押し下げるときのアジャストスクリュ17の押し込み量よりも、更にカム6が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュ17の突出量が小さくなる。その結果、カム6が回転するごとに、アジャストスクリュ17が押し込み方向に徐々に移動し、バルブステム5が上昇するので、バルブ4とバルブシート10の接触面間に隙間が生じない。
このラッシュアジャスタ1は、雄ねじ16の圧力側フランク25のフランク角αと、雌ねじ15の圧力側フランク27のフランク角βとが異なるので、雄ねじ16の圧力側フランク25と雌ねじ15の圧力側フランク27とが非平行であり、スクイズ効果による油膜が圧力側フランク25,27間に生じにくい。そのため、エンジン油の粘性が高い低温時においても、雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25,27間に過大な滑りが生じにくく、アジャストスクリュ17に押し込み方向の荷重が負荷されたときのアジャストスクリュ17の押し込み量が過大となりにくい。
また、このラッシュアジャスタ1は、長期間の使用によって雄ねじ16の圧力側フランク25が摩耗したときにも、その摩耗量と比較して、圧力側フランク25の梨地の凹凸高さが大きく、雄ねじ16の圧力側フランク25の表面が平滑になりにくい。そのため、このラッシュアジャスタ1は、雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25,27間の摩擦係数を、長期間にわたって確保することができる。
また、このラッシュアジャスタ1は、圧力側フランク25の梨地をショットピーニングで形成しているので、圧力側フランク25が硬化して耐摩耗性が高められている。そのため、圧力側フランク25の梨地を放電加工やレーザ加工で形成した場合よりも、より長期間にわたって、雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25,27間の摩擦係数を確保可能である。
また、このラッシュアジャスタ1は、雄ねじ16と雌ねじ15の軸方向隙間が0.2mm以上あるので、エンジンが高温の状態で停止し、その後、エンジンが冷却して動弁装置の構成部材間に収縮差が生じたときに、その収縮差を、雄ねじ16と雌ねじ15の軸方向隙間で吸収することができる。そのため、エンジンの再始動時に、動弁装置の構成部材間の収縮差による隙間がバルブ4とバルブシート10の間に生じず、圧縮漏れが生じない。
雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25,27は、図4(a)、(b)に示すように、雄ねじ16の圧力側フランク25のフランク角αを、雌ねじ15の圧力側フランク27のフランク角βよりも大きくしてもよい(例えば、雄ねじ16の圧力側フランク25のフランク角αを76°、雌ねじ15の圧力側フランク27のフランク角βを75°)が、図3(a)に示すように、雄ねじ16の圧力側フランク25のフランク角αを、雌ねじ15の圧力側フランク27のフランク角βよりも小さくすると、図3(b)に示すように、雄ねじ16と雌ねじ15とが外径側で接触するので、アジャストスクリュ17とナット部材14の摩擦半径が大きくなり、その結果、雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25,27間の滑りを効果的に防止することが可能となる。
この実施形態では、雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25,27のうち、雄ねじ16の圧力側フランク25を梨地としたが、雄ねじ16の圧力側フランク25にかえて、雌ねじ15の圧力側フランク27を表面粗さがRa0.4以上の梨地としてもよい。このようにしても、梨地の凹凸高さが、長期間の使用による圧力側フランク27の摩耗量と比較して大きいので、圧力側フランク25,27間の摩擦係数の低下を効果的に防止することが可能となる。また、雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25,27を、いずれも表面粗さがRa0.4以上の梨地としてもよい。
雄ねじ16の圧力側フランク25には、図5、図6に示すように、ねじ山に沿って螺旋状に延びる油膜排除溝29を形成してもよい。このようにすると、アジャストスクリュ17に押し込み方向の荷重が負荷されたときに、雄ねじ16の圧力側フランク25と雌ねじ15の圧力側フランク27の間に存在するエンジン油が油膜排除溝29内に逃げるので、スクイズ効果による油膜をより効果的に抑制することが可能となる。油膜排除溝29は、転造により雄ねじ16と同時に成形すると低コストである。
また、図7に示すように、雌ねじ15の圧力側フランク27に、ねじ山に沿って螺旋状に延びる油膜排除溝30を形成してもよい。このようにしても、アジャストスクリュ17に押し込み方向の荷重が負荷されたときに、雄ねじ16の圧力側フランク25と雌ねじ15の圧力側フランク27の間に存在するエンジン油が油膜排除溝30内に逃げるので、スクイズ効果による油膜をより効果的に抑制することが可能となる。油膜排除溝30の形成は、雌ねじ15のタップ加工と同時に行なうと、油膜排除溝30の加工コストを抑えることができる。
図8に、この発明の第2実施形態のラッシュアジャスタ31を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、第1実施形態と同様、シリンダヘッド32の吸気ポート33に設けられたバルブ34と、そのバルブ34に接続されたバルブステム35とを有する。バルブステム35は、バルブ34から上方に延びており、バルブステム35の上部にはスプリングリテーナ36が固定されている。スプリングリテーナ36は、バルブスプリング37によって上方に付勢され、その付勢力によってバルブ34をバルブシート38に着座させている。
図8、図9に示すように、ラッシュアジャスタ31は、シリンダヘッド32に形成されたガイド孔39に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディ40と、リフタボディ40と一体に上下動するナット部材41と、そのナット部材41の内周に形成された雌ねじ42にねじ係合する雄ねじ43を外周に有するアジャストスクリュ44と、そのアジャストスクリュ44を付勢するリターンスプリング45とからなる。
図8に示すように、リフタボディ40は、筒部46と、筒部46の上端に設けられた端板47とからなる。端板47の上面には、硬質のシム48が固定され、そのシム48にカム49が接触している。カム49は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に同調して回転するカムシャフト50に一体に形成されており、カムシャフト50が回転すると、ベースサークル49aに対して隆起したカム山部49bが、シム48の上面を押圧してリフタボディ40を押し下げるようになっている。ナット部材41は、端板47の中央に一体成形されている。
図9に示すように、リターンスプリング45は圧縮コイルばねである。リターンスプリング45は、上端がシム48で支持され、下端がスプリングシート51を介してナット部材41から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュ44に付与している。この軸方向力によって、アジャストスクリュ44は、ナット部材41から下方に突出する方向に付勢されている。アジャストスクリュ44のナット部材41からの突出端は、バルブステム35の上端を押圧している。
シム48には、上下に貫通する通油孔52が形成されており、シム48の上面に跳ね掛けられたエンジン油が、通油孔52を通ってナット部材41内に導入されるようになっている。ナット部材41内に導入されたエンジン油は、雄ねじ43と雌ねじ42を潤滑する。
図10(a)に示すように、雄ねじ43は、アジャストスクリュ44をナット部材41に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク53のフランク角が、遊び側フランク54のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている。同様に、雌ねじ42も、アジャストスクリュ44をナット部材41に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク55のフランク角が、遊び側フランク56のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている。
ここで、雄ねじ43の圧力側フランク53のフランク角は、雌ねじ42の圧力側フランク55のフランク角よりも小さくなっており、押し込み方向の荷重がアジャストスクリュ44に負荷されたときに、図10(b)に示すように、雄ねじ43の圧力側フランク53の外径側の端部が、雌ねじ42の圧力側フランク55に線接触するようになっている。雌ねじ42の圧力側フランク55のフランク角を75°に設定する場合、雄ねじ43の圧力側フランク53のフランク角は、例えば74°に設定することができる。
一方、雄ねじ43の遊び側フランク54のフランク角と、雌ねじ42の遊び側フランク56のフランク角は、同一の大きさとなっている。
雄ねじ43の圧力側フランク53は、ショットピーニングを施すことにより、表面粗さがRa0.4以上の梨地となっている。
また、雄ねじ43と雌ねじ42の間には軸方向隙間が設けられており、その軸方向隙間は、0.2〜0.4mmの範囲に設定されている。
このラッシュアジャスタ31は、第1実施形態と同様、カム49のカム山部49bがリフタボディ40を押し下げて、アジャストスクリュ44に押し込み方向の荷重が負荷されると、図10(b)に示すように、雄ねじ43の圧力側フランク53の端部が雌ねじ42の圧力側フランク55で受け止められて、ナット部材41に対するアジャストスクリュ44の軸方向位置が固定される。このとき、厳密には、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク53,55間に僅かな滑りが生じ、その滑りによってアジャストスクリュ44は押し込み方向に移動するが、更にカム49が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときに、アジャストスクリュ44は、リターンスプリング45から負荷される突出方向の荷重によって突出方向に移動し、元の位置に戻る。
このラッシュアジャスタ31は、雄ねじ43の圧力側フランク53のフランク角と、雌ねじ42の圧力側フランク55のフランク角とが異なるので、雄ねじ43の圧力側フランク53と雌ねじ42の圧力側フランク55とが非平行であり、スクイズ効果による油膜が圧力側フランク53,55間に生じにくい。そのため、エンジン油の粘性が高い低温時においても、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク53,55間に過大な滑りが生じにくく、アジャストスクリュ44に押し込み方向の荷重が負荷されたときのアジャストスクリュ44の押し込み量が過大となりにくい。
また、このラッシュアジャスタ31は、図10(a)に示すように、雄ねじ43の圧力側フランク53のフランク角が、雌ねじ42の圧力側フランク55のフランク角よりも小さいので、図10(b)に示すように、雄ねじ43と雌ねじ42とが外径側で接触する。そのため、雄ねじ43の圧力側フランク53のフランク角を、雌ねじ42の圧力側フランク55のフランク角よりも大きくした場合よりも、アジャストスクリュ44とナット部材41の摩擦半径が大きくなり、その結果、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク53,55間の滑りを効果的に防止することができる。
また、このラッシュアジャスタ31は、長期間の使用によって雄ねじ43の圧力側フランク53が摩耗したときにも、その摩耗量と比較して、圧力側フランク53の梨地の凹凸高さが大きく、雄ねじ43の圧力側フランク53の表面が平滑になりにくい。そのため、このラッシュアジャスタ31は、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク53,55間の摩擦係数を、長期間にわたって確保することができる。
また、このラッシュアジャスタ31は、圧力側フランク53の梨地をショットピーニングで形成しているので、圧力側フランク53が硬化して耐摩耗性が高められている。そのため、圧力側フランク53の梨地を放電加工やレーザ加工で形成した場合よりも、より長期間にわたって、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク53,55間の摩擦係数を確保可能である。
また、このラッシュアジャスタ31は、雄ねじ43と雌ねじ42の軸方向隙間が0.2mm以上あるので、エンジンが高温の状態で停止し、その後、エンジンが冷却して動弁装置の構成部材間に収縮差が生じたときに、その収縮差を、雄ねじ43と雌ねじ42の軸方向隙間で吸収することができる。そのため、エンジンの再始動時に、動弁装置の構成部材間の収縮差による隙間がバルブ34とバルブシート38の間に生じず、圧縮漏れが生じない。
また、この実施形態では、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク53,55のうち、雄ねじ43の圧力側フランク53を梨地としたが、雄ねじ43の圧力側フランク53にかえて、雌ねじ42の圧力側フランク55を表面粗さがRa0.4以上の梨地としてもよい。また、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク53,55を、いずれも表面粗さがRa0.4以上の梨地としてもよい。
また、第1実施形態と同様に、雄ねじ43の圧力側フランク53と雌ねじ42の圧力側フランク55の少なくとも一方に、ねじ山に沿って螺旋状に延びる油膜排除溝(図示せず)を形成してもよい。このようにすると、アジャストスクリュ44に押し込み方向の荷重が負荷されたときに、雄ねじ43の圧力側フランク53と雌ねじ42の圧力側フランク55の間に存在するエンジン油が油膜排除溝内に逃げるので、スクイズ効果による油膜をより効果的に抑制することが可能となる。
図11に、この発明の第3実施形態のラッシュアジャスタ61を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、エンジンのシリンダヘッド62の吸気ポート63に設けられたバルブ64と、そのバルブ64に接続されたバルブステム65と、カム66の回転に応じて揺動するアーム67とを有する。
バルブステム65は、バルブ64から上方に延びており、バルブステム65の上部にはスプリングリテーナ68が固定されている。スプリングリテーナ68は、バルブスプリング69によって上方に付勢され、その付勢力によってバルブ64をバルブシート70に着座させている。
アーム67は、中央部を支点軸71で揺動可能に支持されている。アーム67の一方の端部には、カム66に接触するローラ72が取り付けられ、アーム67の他方の端部には、ラッシュアジャスタ61が組み込まれている。アーム67の下方に設けられたカム66は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に同調して回転するカムシャフト73に一体に形成されており、カムシャフト73が回転すると、ベースサークル66aに対して隆起したカム山部66bが、ローラ72を押圧してアーム67を揺動させるようになっている。
図12に示すように、ラッシュアジャスタ61は、ナット部材74と、アジャストスクリュ75と、リターンスプリング76とからなる。ナット部材74は、アーム67を上下に貫通する収容穴77に挿入されており、ナット部材74の内周に形成された雌ねじ78が、アジャストスクリュ75の外周に形成された雄ねじ79とねじ係合している。
ナット部材74の上端は、アーム67の上面から突出しており、その突出部分に有底筒状のキャップ80が嵌め合わせて固定されている。キャップ80は、収容穴77の上縁に係止して、ナット部材74が収容穴77から下方に脱落するのを防止する。一方、ナット部材74の下端には、アーム67の下面に当接するフランジ81が形成されており、そのフランジ81で、ナット部材74に作用する上向きの力を受け止めるようになっている。
リターンスプリング76は圧縮コイルばねである。リターンスプリング76は、上端がキャップ80で支持され、下端がスプリングシート82を介してナット部材74から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュ75に付与している。この軸方向力によって、アジャストスクリュ75は、ナット部材74から下方に突出する方向に付勢されている。アジャストスクリュ75のナット部材74からの突出端は、バルブステム65の上端を押圧している。
キャップ80には、上下に貫通する通油孔83が形成されており、アーム67に跳ね掛けられたエンジン油が、通油孔83を通ってナット部材74内に導入されるようになっている。ナット部材74内に導入された潤滑油は、雄ねじ79と雌ねじ78を潤滑する。
雄ねじ79は、アジャストスクリュ75をナット部材74に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク84のフランク角が、遊び側フランク85のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている。同様に、雌ねじ78も、アジャストスクリュ75をナット部材74に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク86のフランク角が、遊び側フランク87のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている。
ここで、雄ねじ79の圧力側フランク84のフランク角は、雌ねじ78の圧力側フランク86のフランク角よりも小さくなっており、押し込み方向の荷重がアジャストスクリュ75に負荷されたときに、雄ねじ79の圧力側フランク84の外径側の端部が、雌ねじ78の圧力側フランク86に線接触するようになっている。雌ねじ78の圧力側フランク86のフランク角を75°に設定する場合、雄ねじ79の圧力側フランク84のフランク角は、例えば74°に設定することができる。
一方、雄ねじ79の遊び側フランク85のフランク角と、雌ねじ78の遊び側フランク87のフランク角は、同一の大きさとなっている。
雄ねじ79の圧力側フランク84は、ショットピーニングを施すことにより、表面粗さがRa0.4以上の梨地となっている。
また、雄ねじ79と雌ねじ78の間には軸方向隙間が設けられており、その軸方向隙間は、0.2〜0.4mmの範囲に設定されている。
このラッシュアジャスタ61は、第1実施形態と同様、カム66のカム山部66bがアーム67の端部を押し上げて、アジャストスクリュ75に押し込み方向の荷重が負荷されると、雄ねじ79の圧力側フランク84の端部が雌ねじ78の圧力側フランク86で受け止められて、ナット部材74に対するアジャストスクリュ75の軸方向位置が固定される。このとき、厳密には、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク84,86間に僅かな滑りが生じ、その滑りによってアジャストスクリュ75は押し込み方向に移動するが、更にカム66が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときに、アジャストスクリュ75は、リターンスプリング76から負荷される突出方向の荷重によって突出方向に移動し、元の位置に戻る。
このラッシュアジャスタ61は、雄ねじ79の圧力側フランク84のフランク角と、雌ねじ78の圧力側フランク86のフランク角とが異なるので、雄ねじ79の圧力側フランク84と雌ねじ78の圧力側フランク86とが非平行であり、スクイズ効果による油膜が圧力側フランク84,86間に生じにくい。そのため、エンジン油の粘性が高い低温時においても、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク84,86間に過大な滑りが生じにくく、アジャストスクリュ75に押し込み方向の荷重が負荷されたときのアジャストスクリュ75の押し込み量が過大となりにくい。
また、このラッシュアジャスタ61は、雄ねじ79の圧力側フランク84のフランク角が、雌ねじ78の圧力側フランク86のフランク角よりも小さいので、雄ねじ79と雌ねじ78とが外径側で接触する。そのため、雄ねじ79の圧力側フランク84のフランク角を、雌ねじ78の圧力側フランク86のフランク角よりも大きくした場合よりも、アジャストスクリュ75とナット部材74の摩擦半径が大きくなり、その結果、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク84,86間の滑りを効果的に防止することができる。
また、このラッシュアジャスタ61は、長期間の使用によって雄ねじ79の圧力側フランク84が摩耗したときにも、その摩耗量と比較して、圧力側フランク84の梨地の凹凸高さが大きく、雄ねじ79の圧力側フランク84の表面が平滑になりにくい。そのため、このラッシュアジャスタ61は、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク84,86間の摩擦係数を、長期間にわたって確保することができる。
また、このラッシュアジャスタ61は、圧力側フランク84の梨地をショットピーニングで形成しているので、圧力側フランク84が硬化して耐摩耗性が高められている。そのため、圧力側フランク84の梨地を放電加工やレーザ加工で形成した場合よりも、より長期間にわたって、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク84,86間の摩擦係数を確保可能である。
また、このラッシュアジャスタ61は、雄ねじ79と雌ねじ78の軸方向隙間が0.2mm以上あるので、エンジンが高温の状態で停止し、その後、エンジンが冷却して動弁装置の構成部材間に収縮差が生じたときに、その収縮差を、雄ねじ79と雌ねじ78の軸方向隙間で吸収することができる。そのため、エンジンの再始動時に、動弁装置の構成部材間の収縮差による隙間がバルブ64とバルブシート70の間に生じず、圧縮漏れが生じない。
また、この実施形態では、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク84,86のうち、雄ねじ79の圧力側フランク84を梨地としたが、雄ねじ79の圧力側フランク84にかえて、雌ねじ78の圧力側フランク86を表面粗さがRa0.4以上の梨地としてもよい。また、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク84,86を、いずれも表面粗さがRa0.4以上の梨地としてもよい。
また、第1実施形態と同様に、雄ねじ79の圧力側フランク84と雌ねじ78の圧力側フランク86の少なくとも一方に、ねじ山に沿って螺旋状に延びる油膜排除溝(図示せず)を形成してもよい。このようにすると、アジャストスクリュ75に押し込み方向の荷重が負荷されたときに、雄ねじ79の圧力側フランク84と雌ねじ78の圧力側フランク86の間に存在するエンジン油が油膜排除溝内に逃げるので、スクイズ効果による油膜をより効果的に抑制することが可能となる。
図13に、この発明の第4実施形態のラッシュアジャスタ91を示す。第1実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
アジャストスクリュ17は、ナット部材14内に軸方向にスライド可能に挿入されたピボット部材17Aと、そのピボット部材17Aのナット部材14への挿入端を支持し、雄ねじ16を外周に有する雄ねじ部材17Bと、ピボット部材17Aと雄ねじ部材17Bの間に挟まれたばね座金17Cとからなる。ばね座金17Cとしては、例えば、皿ばね座金や波形座金などを用いることができる。
リターンスプリング19はねじりコイルばねである。リターンスプリング19は、その下端が、底部材18に形成された係止孔92に係止し、上端が、雄ねじ部材17Bに形成された係止孔93に係止しており、そのねじり変形によって、ピボット部材17Aがナット部材14から突出する方向の回転力を雄ねじ部材17Bに付与している。
第1実施形態と同様、雄ねじ16と雌ねじ15は、圧力側フランク25,27のフランク角が遊び側フランク26,28のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている。また、雄ねじ16の圧力側フランク25のフランク角は、雌ねじ15の圧力側フランク27のフランク角よりも小さい。
このラッシュアジャスタ91は、第1実施形態と同様、雄ねじ16の圧力側フランク25と雌ねじ15の圧力側フランク27の間にスクイズ効果による油膜が生じにくく、エンジン油の粘性が高い低温時においても、雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25,27間に過大な滑りが生じにくい。その他の効果も、第1実施形態と同様である。
また、このラッシュアジャスタ91は、エンジンが高温の状態で停止し、その後、エンジンが冷却して動弁装置の構成部材間に収縮差が生じたときに、雄ねじ部材17Bとピボット部材17Aの間のばね座金17Cが圧縮することにより、その収縮差が吸収される。そのため、エンジンの再始動時に、動弁装置の構成部材間の収縮差による隙間がバルブ4とバルブシート10の間に生じず、圧縮漏れが生じない。
この実施形態では、ピボット部材17Aと雄ねじ部材17Bの間に挟む弾性部材としてばね座金17Cを使用したが、ばね座金17Cにかえて他の弾性部材(例えば、圧縮コイルばね)を使用してもよい。
リターンスプリング19としてねじりコイルばねを用いる場合、リターンスプリング19は、図13に示すように、円筒状に巻いたものを用いてもよく、図14に示すように、円錐形に巻いたものを用いてもよい。
この実施形態では、リターンスプリング19としてねじりコイルばねを採用したが、図15〜図17に示すように、ねじりコイルばね以外のねじりばねを採用してもよい。
図15において、リターンスプリング19は、薄板状の素材を渦巻き状に巻いたゼンマイばねである。リターンスプリング19は、その大径端がナット部材14の底部材18に回り止めされ、小径端が、雄ねじ部材17Bのナット部材14内への挿入端の突起94に形成したスリットに差し込まれており、そのねじり変形によって、ピボット部材17Aがナット部材14から突出する方向の回転力を雄ねじ部材17Bに付与している。
また、図15において、雄ねじ16と雌ねじ15は、圧力側フランク25,27のフランク角が、遊び側フランク26,28のフランク角とほぼ等しい三角ねじである。この雄ねじ16と雌ねじ15は、図18に示すように、雄ねじ16の圧力側フランク25のフランク角が、雌ねじ15の圧力側フランク27のフランク角よりも小さくなっており、ピボット部材17Aをナット部材14内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに、雄ねじ16の圧力側フランク25の外径側の端部が、雌ねじ15の圧力側フランク27に線接触するようになっている。一方、雄ねじ16の遊び側フランク26のフランク角は、雌ねじ15の遊び側フランク28のフランク角と同一である。
図16、図17において、リターンスプリング19は、薄板状の素材を螺旋状に巻いた竹の子ばねである。リターンスプリング19は、その大径端がナット部材14の底部材18に回り止めされ、小径端が、雄ねじ部材17Bのナット部材14内への挿入端の突起95に形成されたスリットに差し込まれており、そのねじり変形によって、ピボット部材17Aがナット部材14から突出する方向の回転力を雄ねじ部材17Bに付与している。
また、図16において、雄ねじ部材17Bの外周の雄ねじ16と、ナット部材14の内周の雌ねじ15は、圧力側フランク25,27のフランク角が、遊び側フランク26,28のフランク角とほぼ等しい台形ねじである。この雄ねじ16と雌ねじ15は、図19に示すように、雄ねじ16の圧力側フランク25のフランク角が、雌ねじ15の圧力側フランク27のフランク角よりも小さくなっており、ピボット部材17Aをナット部材14内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに、雄ねじ16の圧力側フランク25の外径側の端部が、雌ねじ15の圧力側フランク27に線接触するようになっている。一方、雄ねじ16の遊び側フランク26のフランク角は、雌ねじ15の遊び側フランク28のフランク角と同一である。
図20、図21に、この発明の第5実施形態のラッシュアジャスタ101を示す。第2実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
リターンスプリング45はねじりコイルばねである。リターンスプリング45は、その上端が、ナット部材41の上面に形成された係止溝102に係止し、下端が、アジャストスクリュ44に形成された係止孔103に係止しており、そのねじり変形によって、ナット部材41から下方に突出する方向の回転力をアジャストスクリュ44に付与している。
アジャストスクリュ44のナット部材41からの突出端はスペーサ104に接触し、そのスペーサ104を介してバルブステム35の上端を押圧している。スペーサ104は、ナット部材41に固定されたリテーナ105でナット部材41に対して回り止めされ、かつ、リテーナ105に形成された切欠き106の範囲内で上下に移動可能となっている。
アジャストスクリュ44の外周の雄ねじ43と、ナット部材41の内周の雌ねじ42は台形ねじである。また、雄ねじ43の圧力側フランク53のフランク角は、雌ねじ42の圧力側フランク55のフランク角よりも小さくなっており、押し込み方向の荷重がアジャストスクリュ44に負荷されたときに、雄ねじ43の圧力側フランク53の外径側の端部が、雌ねじ42の圧力側フランク55に線接触するようになっている。
このラッシュアジャスタ101は、第2実施形態と同様、雄ねじ43の圧力側フランク53と雌ねじ42の圧力側フランク55の間にスクイズ効果による油膜が生じにくく、エンジン油の粘性が高い低温時においても、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク53,55間に過大な滑りが生じにくい。その他の効果も、第2実施形態と同様である。
図22、図23に、この発明の第6実施形態のラッシュアジャスタ111を示す。第3実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
ナット部材74は、収容穴77の縁をかしめてアーム67に固定されている。
リターンスプリング76はねじりコイルばねである。リターンスプリング76は、その上端が、収容穴77の底面に形成された係止孔112に係止し、下端が、アジャストスクリュ75に形成された係止孔113に係止しており、そのねじり変形によって、ナット部材74から下方に突出する方向の回転力をアジャストスクリュ75に付与している。
係止孔112は、アーム67の上面に開口する貫通孔であり、アーム67に跳ね掛けられたエンジン油が、係止孔112を通ってナット部材74内に導入されるようになっている。ナット部材74内に導入された潤滑油は、アジャストスクリュ75の外周の雄ねじ79と、ナット部材74の内周の雌ねじ78を潤滑する。
雄ねじ79と雌ねじ78は三角ねじである。また、雄ねじ79の圧力側フランク84のフランク角は、雌ねじ78の圧力側フランク86のフランク角よりも小さくなっており、押し込み方向の荷重がアジャストスクリュ75に負荷されたときに、雄ねじ79の圧力側フランク84の外径側の端部が、雌ねじ78の圧力側フランク86に線接触するようになっている。
このラッシュアジャスタ111は、第3実施形態と同様、雄ねじ79の圧力側フランク84と雌ねじ78の圧力側フランク86の間にスクイズ効果による油膜が生じにくく、エンジン油の粘性が高い低温時においても、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク84,86間に過大な滑りが生じにくい。その他の効果も、第3実施形態と同様である。
1 ラッシュアジャスタ
2 シリンダヘッド
13 収容穴
14 ナット部材
15 雌ねじ
16 雄ねじ
17 アジャストスクリュ
17A ピボット部材
17B 雄ねじ部材
17C ばね座金
19 リターンスプリング
21 突出端
25,27 圧力側フランク
26,28 遊び側フランク
29,30 油膜排除溝
31 ラッシュアジャスタ
32 シリンダヘッド
35 バルブステム
39 ガイド孔
40 リフタボディ
41 ナット部材
42 雌ねじ
43 雄ねじ
44 アジャストスクリュ
45 リターンスプリング
53,55 圧力側フランク
54,56 遊び側フランク
61 ラッシュアジャスタ
65 バルブステム
66 カム
67 アーム
74 ナット部材
75 アジャストスクリュ
76 リターンスプリング
77 収容穴
78 雌ねじ
79 雄ねじ
84,86 圧力側フランク
85,87 遊び側フランク
91,101,111 ラッシュアジャスタ
α,β フランク角

Claims (13)

  1. 内周に雌ねじ(15)を有するナット部材(14)と、前記雌ねじ(15)にねじ係合する雄ねじ(16)を外周に有するアジャストスクリュ(17)と、そのアジャストスクリュ(17)をナット部材(14)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(19)とを有し、前記アジャストスクリュ(17)をナット部材(14)内に押し込む方向の軸方向荷重が負荷されたときに、その軸方向荷重を前記雄ねじ(16)と雌ねじ(15)の圧力側フランク(25,27)で受けるラッシュアジャスタにおいて、
    前記雄ねじ(16)の圧力側フランク(25)のフランク角(α)と、前記雌ねじ(15)の圧力側フランク(27)のフランク角(β)とを異ならせたことを特徴とするラッシュアジャスタ。
  2. 前記雄ねじ(16)の圧力側フランク(25)のフランク角(α)が、前記雌ねじ(15)の圧力側フランク(27)のフランク角(β)よりも小さい請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
  3. 前記雄ねじ(16)の圧力側フランク(25)と前記雌ねじ(15)の圧力側フランク(27)のうちの少なくとも一方に油膜排除溝(29,30)を形成した請求項1または2に記載のラッシュアジャスタ。
  4. 前記雄ねじ(16)の圧力側フランク(25)と前記雌ねじ(15)の圧力側フランク(27)のうちの少なくとも一方を、表面粗さがRa0.4以上の梨地とした請求項1から3のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  5. 前記梨地をショットピーニングにより形成した請求項4に記載のラッシュアジャスタ。
  6. 前記雄ねじ(16)と雌ねじ(15)の軸方向隙間を0.2〜0.4mmの範囲に設定した請求項1から5のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  7. 前記ナット部材(14)は、シリンダヘッド(2)の上面に開口した収容穴(13)に挿入され、前記アジャストスクリュ(17)は、前記ナット部材(14)からの突出端(21)で動弁装置のアーム(7)を揺動可能に支持する請求項1から6のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  8. 前記ナット部材(41)は、シリンダヘッド(32)に形成されたガイド孔(39)に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディ(40)に固定され、前記アジャストスクリュ(44)は、前記ナット部材(41)からの突出端で動弁装置のバルブステム(35)を押圧する請求項1から6のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  9. 前記ナット部材(74)は、カム(66)の回転に応じて揺動するアーム(67)の下面に開口した収容穴(77)に挿入され、前記アジャストスクリュ(75)は、前記ナット部材(74)からの突出端で動弁装置のバルブステム(65)を押圧する請求項1から6のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  10. 前記雄ねじ(16)と雌ねじ(15)は、圧力側フランク(25,27)のフランク角が遊び側フランク(26,28)のフランク角よりも大きい鋸歯ねじであり、前記リターンスプリング(19)は、前記ナット部材(14)から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュ(17)に付与する圧縮コイルばねである請求項1から9のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  11. 前記雄ねじ(16)と雌ねじ(15)は、鋸歯ねじ、台形ねじ又は三角ねじであり、前記リターンスプリング(19)は、前記ナット部材(14)から突出する方向の回転力をアジャストスクリュ(17)に付与するねじりばねである請求項1から9のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  12. 前記ねじりばねが、ねじりコイルばね、ゼンマイばね、竹の子ばねのいずれかである請求項11に記載のラッシュアジャスタ。
  13. 前記アジャストスクリュ(17)が、前記ナット部材(14)内に軸方向にスライド可能に挿入されたピボット部材(17A)と、そのピボット部材(17A)のナット部材(14)内への挿入端を支持し、前記雄ねじ(16)を外周に有する雄ねじ部材(17B)と、前記ピボット部材(17A)と雄ねじ部材(17B)の間に挟まれた弾性部材(17C)とからなる請求項1から12のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
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