JP2009197791A - ラッシュアジャスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】アジャストスクリュがナット部材に押し込まれたときに、リターンスプリングが過度に圧縮するのを防止することができ、かつ、アジャストスクリュの外周の雄ねじを転造しやすいラッシュアジャスタを提供する。
【解決手段】ナット部材12の雌ねじ13にねじ係合する雄ねじ14を外周に有するアジャストスクリュ15と、アジャストスクリュ15をナット部材12から突出する方向に付勢するリターンスプリング17とを有し、アジャストスクリュ15のナット部材12からの突出端で動弁装置のアーム7を揺動可能に支持するラッシュアジャスタ1において、アジャストスクリュ15のナット部材12からの突出部分にナット部材12の内径よりも大径のストッパ部23を設け、ストッパ部23をナット部材12の開放端で受け止めることにより、ナット部材12に押し込まれる方向のアジャストスクリュ15の移動を規制する。
【選択図】図1

Description

この発明は、エンジンの動弁装置に組み込まれるラッシュアジャスタに関する。
エンジンの吸気ポートまたは排気ポートに設けたバルブを動作させる動弁装置として、一端部を支点として揺動可能に支持されたアームの中央部をカムで押し下げ、そのアームの他端部でバルブステムを押し下げるようにしたもの(スイングアーム式動弁装置)や、中央部を支点として揺動可能に支持されたアームの一端部をカムで押し上げ、そのアームの他端部でバルブステムを押し下げるようにしたもの(ロッカアーム式動弁装置)、上下にスライド可能に支持されたバルブリフタをカムで押し下げ、そのバルブリフタでバルブステムを押し下げるようにしたもの(ダイレクト式動弁装置)などが知られている。
これらの動弁装置は、エンジン作動中、動弁装置の構成部材間に生じる熱膨張差によって、動弁装置の構成部材間の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音や圧縮漏れを生じるおそれがある。また、動弁装置の摺動部が摩耗しても、動弁装置の構成部材間の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音を生じるおそれがある。
この異音や圧縮漏れを防止するため、一般に、動弁装置にはラッシュアジャスタが組み込まれ、そのラッシュアジャスタで動弁装置の構成部材間の隙間の変化を吸収する。
このようなラッシュアジャスタとして、上記スイングアーム式動弁装置においては、シリンダヘッドの上面に開口した収容穴に挿入されるナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ナット部材から上方に突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出端で動弁装置のアームを揺動可能に支持するものが知られている(特許文献1,4)。
また、上記ダイレクト式動弁装置においては、シリンダヘッドに形成されたガイド孔に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディと、そのリフタボディと一体に上下動するナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ナット部材から下方に突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するものが知られている(特許文献2)。
また、上記ロッカアーム式動弁装置においては、カムの回転に応じて揺動するアームの下面に開口した収容穴に挿入されるナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ナット部材から下方に突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するものが知られている(特許文献3,4)。
ここで、特許文献1〜3では、ナット部材から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュに付与する圧縮コイルばねをリターンスプリングとして用いている。また、特許文献4では、ナット部材から突出する方向の回転力をアジャストスクリュに付与するねじりばねをリターンスプリングとして用いている。
これらのラッシュアジャスタにおいて、カムの回転によりアジャストスクリュをナット部材内に押し込む方向(以下、「押し込み方向」という)の軸方向荷重が負荷されたときは、アジャストスクリュの雄ねじの圧力側フランクが、ナット部材の雌ねじの圧力側フランクで受け止められ、アジャストスクリュの軸方向位置が固定される。
また、動弁装置の熱膨張などによって、アームとバルブステムの相対位置が変化したときは、その位置変化に応じて、アジャストスクリュがナット部材内を回転しながら軸方向に移動し、動弁装置の構成部材間の隙間の変化を吸収する。
特開2005−273510号公報 特開2003−227318号公報 特開2006−132426号公報 実開昭64−34407号公報
上記ラッシュアジャスタは、通常の場合、アジャストスクリュの雄ねじとナット部材の雌ねじの間に、微小な滑りしか生じない。しかし、エンジンの過回転によりアジャストスクリュに異常な荷重や振動が作用した場合や、雄ねじと雌ねじの摩耗により圧力側フランク間の摩擦抵抗が低下した場合、また、動弁装置の急激な熱膨張によりアジャストスクリュが急速に押し込まれた場合は、アジャストスクリュの雄ねじとナット部材の雌ねじの間に必要以上の滑りが生じることがある。
このとき、アジャストスクリュがナット部材に大きく押し込まれ、リターンスプリングが過度に圧縮して破損する恐れや、スイングアーム式動弁装置においては、アームが脱落する恐れがあった。
そこで、アジャストスクリュがナット部材に押し込まれたときに、リターンスプリングが過度に圧縮して破損するのを防止するため、アジャストスクリュのナット部材への挿入端に、ナット部材の底部に当接してアジャストスクリュの移動を規制する筒状の延長部を、リターンスプリングを囲むように設けることが考えられる。しかし、このようにすると、アジャストスクリュの筒状の延長部の剛性が低いので、アジャストスクリュの外周の雄ねじを転造するときに、その雄ねじが不完全ねじになりやすいという問題があった。
この発明が解決しようとする課題は、アジャストスクリュがナット部材に押し込まれたときに、リターンスプリングが過度に圧縮するのを防止することができ、かつ、アジャストスクリュの外周の雄ねじを転造しやすいラッシュアジャスタを提供することである。
上記の課題を解決するため、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出部分にナット部材の内径よりも大径のストッパ部を設け、そのストッパ部がナット部材の開放端に当接してアジャストスクリュの移動を規制するようにした。
このラッシュアジャスタは、前記ストッパ部の外周に形成されたテーパ面が、前記ナット部材の開放端に形成されたテーパ面に当接するようにすることができる。このようにすると、アジャストスクリュがナット部材に押し込まれたときに、テーパ面同士の接触によって、アジャストスクリュの傾きを防止することができるので、その後のアジャストスクリュの突出方向への移動が円滑である。
また、前記ストッパ部の外周に形成された軸方向に対して直角な平面が、前記ナット部材の開放端に形成された軸方向に対して直角な平面に当接するようにすることができる。このようにしても、アジャストスクリュがナット部材に押し込まれたときに、平面同士の接触によって、アジャストスクリュの傾きを防止することができるので、その後のアジャストスクリュの突出方向への移動が円滑である。
また、前記ストッパ部は、アジャストスクリュと一体に設けてもよく、アジャストスクリュと別体に設けてもよい。後者の場合、ストッパ部としては、例えば、アジャストスクリュのナット部材からの突出部分の外周に装着した止め輪を採用することができる。
この発明は、ナット部材から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュに付与する圧縮コイルばねを前記リターンスプリングとして用いたラッシュアジャスタに適用することができ、この場合、前記雄ねじと雌ねじは、圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角よりも大きい鋸歯ねじを採用することができる。
また、この発明は、ナット部材から突出する方向の回転力をアジャストスクリュに付与するねじりばねを前記リターンスプリングとして用いたラッシュアジャスタにも適用することができ、この場合、前記雄ねじと雌ねじは鋸歯ねじ、三角ねじ、または台形ねじを採用することができる。ねじりばねとしては、例えば、ねじりコイルばね、ゼンマイばね、竹の子ばねが挙げられる。
この発明は、例えば、次のラッシュアジャスタに適用することができる。
1)前記ナット部材は、シリンダヘッドの上面に開口した収容穴に挿入され、前記アジャストスクリュは、前記ナット部材からの突出端で動弁装置のアームを揺動可能に支持するスイングアーム式動弁装置のラッシュアジャスタ。
2)前記ナット部材は、シリンダヘッドに形成されたガイド孔に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディに固定され、前記アジャストスクリュは、前記ナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するダイレクト式動弁装置のラッシュアジャスタ。
3)前記ナット部材は、カムの回転に応じて揺動するアームの下面に開口した収容穴に挿入され、前記アジャストスクリュは、前記ナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するロッカアーム式動弁装置のラッシュアジャスタ。
前記アジャストスクリュは、前記ナット部材内に軸方向にスライド可能に挿入されたピボット部材と、そのピボット部材のナット部材への挿入端を支持し、前記雄ねじを外周に有する雄ねじ部材と、前記ピボット部材と雄ねじ部材の間に挟まれた弾性部材とで構成することができる。
この場合、前記ピボット部材のナット部材内への挿入端に角穴を形成し、その角穴に嵌合する角軸を前記雄ねじ部材に形成し、その角軸と前記角穴の嵌合によって前記ピボット部材と雄ねじ部材が一体に回転するようにすると好ましい。このようにすると、ピボット部材の回転操作により雄ねじ部材を回転させることができるので、雄ねじ部材をナット部材内に組み付ける作業が容易である。
この発明のラッシュアジャスタは、アジャストスクリュがナット部材に押し込まれたときに、ストッパ部がナット部材の開放端に当接してアジャストスクリュの移動を規制するので、リターンスプリングが過度に圧縮するのを防止することができる。
また、このラッシュアジャスタは、アジャストスクリュの移動を規制するストッパ部が、アジャストスクリュのナット部材からの突出部分に設けられているので、アジャストスクリュのナット部材への挿入端に、底部材に当接してアジャストスクリュの移動を規制する筒状の延長部を設ける必要がなく、アジャストスクリュの外周の雄ねじを転造しやすい。
図1に、この発明の第1実施形態のラッシュアジャスタ1を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、エンジンのシリンダヘッド2の吸気ポート3に設けられたバルブ4と、そのバルブ4に接続されたバルブステム5と、カム6の回転に応じて揺動するアーム7とを有する。
バルブステム5は、バルブ4から上方に延び、シリンダヘッド2を摺動可能に貫通している。バルブステム5の上部外周には、環状のスプリングリテーナ8が固定され、スプリングリテーナ8の下面とシリンダヘッド2の上面の間にバルブスプリング9が組み込まれている。バルブスプリング9は、スプリングリテーナ8を介してバルブステム5を上方に付勢し、その付勢力によってバルブ4をバルブシート10に着座させている。
図2に示すように、ラッシュアジャスタ1は、シリンダヘッド2の上面に開口した収容穴11に挿入される筒状のナット部材12と、ナット部材12の内周に形成された雌ねじ13にねじ係合する雄ねじ14を下部外周に有するアジャストスクリュ15と、ナット部材12の下端に固定された底部材16と、アジャストスクリュ15と底部材16の間に組み込まれたリターンスプリング17とからなる。
雄ねじ14と雌ねじ13は、アジャストスクリュ15をナット部材12内に押し込む方向の軸方向荷重が負荷されたときにその軸方向荷重を受ける圧力側フランク18のフランク角が、遊び側フランク19のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている。
リターンスプリング17は圧縮コイルばねである。リターンスプリング17は、下端が底部材16で支持され、上端がスプリングシート20を介してナット部材12から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュ15に付与している。その軸方向力によって、アジャストスクリュ15は、ナット部材12から上方に突出する方向に付勢されている。アジャストスクリュ15のナット部材12への挿入端は、スプリングシート20を収容する筒状に形成されている。
アーム7は、一方の端部下面に、アジャストスクリュ15のナット部材12からの突出端に嵌合する凹部21を有し、アジャストスクリュ15の突出端で揺動可能に支持されている。また、アーム7の他方の端部下面は、バルブステム5の上端に接触し、アーム7の中央部には、アーム7の上方に配置されたカム6に接触するローラ22が取り付けられている。
アジャストスクリュ15のナット部材12からの突出部分には、ナット部材12の内径よりも大径のストッパ部23が設けられている。ストッパ部23は、図2に示すように、アジャストスクリュ15をナット部材12に押し込んだときに、ストッパ部23の外周に形成されたテーパ面24が、ナット部材12の開放端に形成されたテーパ面25に当接してアジャストスクリュ15の移動を規制する。ストッパ部23は、雄ねじ14と同時に転造することにより成形することができる。
次に、ラッシュアジャスタ1の動作例を説明する。
エンジンの作動によりカム6が回転して、カム6のカム山部6aがアーム7を押し下げると、バルブ4がバルブシート10から離れて、吸気ポート3を開く。このとき、アジャストスクリュ15に押し込み方向の力が作用するが、アジャストスクリュ15の雄ねじ14とナット部材12の雌ねじ13の間の摩擦抵抗によってアジャストスクリュ15の回転が防止され、その結果、アジャストスクリュ15の軸方向位置が固定される。
さらに、カム6が回転して、カム山部6aがローラ22の位置を過ぎると、バルブスプリング9の付勢力によってバルブステム5が上昇し、バルブ4がバルブシート10に着座して、吸気ポート3を閉じる。
なお、厳密には、カム6のカム山部6aがアーム7を押し下げるとき、雄ねじ14の圧力側フランク18と雌ねじ13の圧力側フランク18との間で微小な滑りが生じるが、カム山部6aがローラ22の位置を通り過ぎてから再びローラ22の位置に来るまでの間、アジャストスクリュ15に作用する押し込み方向の荷重が解除されるので、リターンスプリング17の付勢力によってアジャストスクリュ15の位置は元に戻る。
また、エンジン作動中に、シリンダヘッド2、バルブステム5、アーム7など、動弁装置の構成部材間に熱膨張差が生じ、カム6とアーム7の間の距離が大きくなったときは、リターンスプリング17の付勢力によってアジャストスクリュ15が回転しながら突出方向に移動するので、カム6のベースサークル6bとローラ22の間に隙間が生じない。
反対に、バルブ4とバルブシート10の接触面が摩耗したときは、カム6のベースサークル6bがローラ22の位置にあるときにも、バルブスプリング9の付勢力がアジャストスクリュ15に押し込み荷重としてかかり続けるため、カム山部6aがローラ22の位置を通過する時に生じる雄ねじ14と雌ねじ13の間で生じる微小な滑りが累積され、アジャストスクリュ15が押し込み方向に徐々に移動する。その結果、バルブステム5が上昇するので、バルブ4とバルブシート10の接触面間に隙間が生じない。
上述のように、通常の場合、アジャストスクリュ15の雄ねじ14とナット部材12の雌ねじ13の間には、微小な滑りしか生じない。しかし、エンジンの過回転によりアジャストスクリュ15に異常な荷重や振動が作用した場合や、雄ねじ14と雌ねじ13の摩耗により圧力側フランク18間の摩擦抵抗が低下した場合、また、動弁装置の急激な熱膨張によりアジャストスクリュ15が急速に押し込まれた場合には、アジャストスクリュ15の雄ねじ14とナット部材12の雌ねじ13の間に必要以上の滑りが生じることがある。
このとき、アジャストスクリュ15はナット部材12に大きく押し込まれるが、図2に示すように、ストッパ部23がナット部材12の開放端に当接してアジャストスクリュ15の移動を規制し、その規制により、リターンスプリング17が過度に圧縮して破損したり、アーム7が脱落したりするのを防止することができる。
その後、アジャストスクリュ15に作用する異常な荷重や振動や、動弁装置の急激な熱膨張などが無くなったときは、アジャストスクリュ15がリターンスプリング17の付勢力によって再び突出方向に移動し、通常の状態に戻る。
このラッシュアジャスタ1は、アジャストスクリュ15の移動を規制するストッパ部23が、アジャストスクリュ15のナット部材12からの突出部分に設けられているので、アジャストスクリュ15のナット部材12への挿入端に、底部材16に当接してアジャストスクリュ15の移動を規制する筒状の延長部を設ける必要がなく、アジャストスクリュ15の外周の雄ねじ14を転造しやすい。
また、このラッシュアジャスタ1は、アジャストスクリュ15がナット部材12に押し込まれたときに、ストッパ部23の外周のテーパ面24が、ナット部材12の開放端のテーパ面25に当接し、そのテーパ面24,25同士の接触によって、アジャストスクリュ15の傾きを防止することができるので、その後のアジャストスクリュ15の突出方向への移動が円滑である。
図3に示すように、アジャストスクリュ15をナット部材12に押し込んだときに、ストッパ部23の外周に形成された軸方向に対して直角な平面26が、ナット部材12の開放端に形成された軸方向に対して直角な平面27に当接するようにしてもよい。このようにしても、アジャストスクリュ15がナット部材12に押し込まれたときに、平面26,27同士の接触によって、アジャストスクリュ15の傾きを防止することができるので、その後のアジャストスクリュ15の突出方向への移動が円滑である。
上記実施形態では、アジャストスクリュ15のナット部材12からの突出部分にナット部材12の内径よりも大径のストッパ部23をアジャストスクリュ15と一体に設けているが、ストッパ部は、アジャストスクリュ15と別体に設けてもよい。この場合、ストッパ部としては、例えば、図4に示すように、アジャストスクリュ15のナット部材12からの突出部分の外周に装着した止め輪28を採用することができる。
また、上記実施形態では、アジャストスクリュ15を、雄ねじ14を外周に有する部分と、ナット部材12から突出する部分とを一体に形成しているが、アジャストスクリュ15は、図5に示すように、雄ねじ14を外周に有する胴部15bと、ナット部材12から突出する頭部15aとに分割して形成してもよい。この場合、頭部15aは、ナット部材12にスライド可能に挿入し、ナット部材12の開放端に設けた係止部材29でナット部材12から抜け止めした構成を採用することができる。
図6に、この発明の第2実施形態のラッシュアジャスタ31を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、第1実施形態と同様、シリンダヘッド32の吸気ポート33に設けられたバルブ34と、そのバルブ34に接続されたバルブステム35とを有する。バルブステム35は、バルブ34から上方に延びており、バルブステム35の上部にはスプリングリテーナ36が固定されている。スプリングリテーナ36は、バルブスプリング37によって上方に付勢され、その付勢力によってバルブ34をバルブシート38に着座させている。
ラッシュアジャスタ31は、シリンダヘッド32に形成されたガイド孔39に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディ40と、リフタボディ40と一体に上下動するナット部材41と、そのナット部材41の内周に形成された雌ねじ42にねじ係合する雄ねじ43を外周に有するアジャストスクリュ44と、そのアジャストスクリュ44をナット部材41から下方に突出する方向に付勢するリターンスプリング45とからなる。
リフタボディ40は、筒部46と、筒部46の上端を閉塞する端板47とからなる。端板47の上面には、硬質のシム48が固定され、そのシム48にカム49が接触している。ナット部材41は、端板47の中央に一体に形成され、ナット部材41の上端がシム48で閉塞されている。
雄ねじ43と雌ねじ42は、アジャストスクリュ44をナット部材41内に押し込む方向の軸方向荷重が負荷されたときにその軸方向荷重を受ける圧力側フランクのフランク角が、遊び側フランクのフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている。
リターンスプリング45は圧縮コイルばねである。リターンスプリング45は、上端がシム48で支持され、下端がスプリングシート50を介してナット部材41から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュ44に付与している。その軸方向力によって、アジャストスクリュ44は、ナット部材41から下方に突出する方向に付勢されている。アジャストスクリュ44のナット部材41からの突出端は、バルブステム35の上端を押圧している。一方、アジャストスクリュ44のナット部材41への挿入端は、スプリングシート50を収容する筒状に形成されている。
アジャストスクリュ44のナット部材41からの突出部分には、ナット部材41の内径よりも大径のストッパ部51が設けられている。ストッパ部51は、アジャストスクリュ44をナット部材41に押し込んだときに、ナット部材41の開放端に当接してアジャストスクリュ44の移動を規制する。ストッパ部51は、雄ねじ43と同時に転造することにより成形することができる。
第1実施形態と同様、このラッシュアジャスタ31は、通常の場合、アジャストスクリュ44の雄ねじ43とナット部材41の雌ねじ42の間に、微小な滑りしか生じない。しかし、エンジンの過回転によりアジャストスクリュ44に異常な荷重や振動が作用した場合や、雄ねじ43と雌ねじ42の摩耗により圧力側フランク間の摩擦抵抗が低下した場合には、アジャストスクリュ44の雄ねじ43とナット部材41の雌ねじ42の間に必要以上の滑りが生じることがある。
このとき、アジャストスクリュ44はナット部材41に大きく押し込まれるが、ストッパ部51がナット部材41の開放端に当接してアジャストスクリュ44の移動を規制するので、リターンスプリング45が過度に圧縮して破損するのを防止することができる。
このラッシュアジャスタ31は、アジャストスクリュ44の移動を規制するストッパ部51が、アジャストスクリュ44のナット部材41からの突出部分に設けられているので、アジャストスクリュ44のナット部材41への挿入端に、シム48に当接してアジャストスクリュ44の移動を規制する筒状の延長部を設ける必要がなく、アジャストスクリュ44の外周の雄ねじ43を転造しやすい。
上記実施形態では、ナット部材41とリフタボディ40を一体に形成しているが、ナット部材41は、リフタボディ40と別体に形成し、そのナット部材41をリフタボディ40に固定してもよい。要は、リフタボディ40が上下動したときに、そのリフタボディ40と一体にナット部材41が上下動すればよい。
図7に、この発明の第3実施形態のラッシュアジャスタ61を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、エンジンのシリンダヘッド62の吸気ポート63に設けられたバルブ64と、そのバルブ64に接続されたバルブステム65と、支点軸66を中心として揺動可能に支持されたアーム67とを有する。バルブステム65は、バルブ64から上方に延びており、バルブステム65の上部にはスプリングリテーナ68が固定されている。スプリングリテーナ68は、バルブスプリング69によって上方に付勢され、その付勢力によってバルブ64をバルブシート70に着座させている。
アーム67は、中央部を支点軸66で揺動可能に支持されている。アーム67の一方の端部には、カム71に接触するローラ72が取り付けられ、カム71の回転に応じてアーム67が揺動するようになっている。また、アーム67の他方の端部にはラッシュアジャスタ61が組み込まれている。
ラッシュアジャスタ61は、ナット部材73と、アジャストスクリュ74と、リターンスプリング75とを有する。ナット部材73は、アーム67を上下に貫通する収容穴76に挿入されており、ナット部材73の内周に形成された雌ねじ77が、アジャストスクリュ74の外周に形成された雄ねじ78とねじ係合している。
ナット部材73の上端は、アーム67の上面から突出しており、その突出部分に有底筒状のキャップ79が嵌め合わせて固定されている。キャップ79は、収容穴76の上縁に係止して、ナット部材73が収容穴76から下方に脱落するのを防止する。一方、ナット部材73の下端には、アーム67の下面に当接するフランジ80が形成されており、そのフランジ80で、ナット部材73に作用する上向きの力を受け止めるようになっている。
雄ねじ78と雌ねじ77は、アジャストスクリュ74をナット部材73内に押し込む方向の軸方向荷重が負荷されたときにその軸方向荷重を受ける圧力側フランクのフランク角が、遊び側フランクのフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている。
リターンスプリング75は圧縮コイルばねである。リターンスプリング75は、上端がキャップ79で支持され、下端がスプリングシート81を介してナット部材73から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュ74に付与している。その軸方向力によって、アジャストスクリュ74は、ナット部材73から下方に突出する方向に付勢されている。アジャストスクリュ74のナット部材73からの突出端は、バルブステム65の上端を押圧している。
アジャストスクリュ74のナット部材73からの突出部分には、ナット部材73の内径よりも大径のストッパ部82が設けられている。ストッパ部82は、アジャストスクリュ74をナット部材73に押し込んだときに、ナット部材73の開放端に当接してアジャストスクリュ74の移動を規制する。ストッパ部82は、雄ねじ78と同時に転造することにより成形することができる。
第1実施形態と同様、このラッシュアジャスタ61は、通常の場合、アジャストスクリュ74の雄ねじ78とナット部材73の雌ねじ77の間に、微小な滑りしか生じない。しかし、エンジンの過回転によりアジャストスクリュ74に異常な荷重や振動が作用した場合や、雄ねじ78と雌ねじ77の摩耗により圧力側フランク間の摩擦抵抗が低下した場合などに、アジャストスクリュ74の雄ねじ78とナット部材73の雌ねじ77の間に必要以上の滑りが生じることがある。
このとき、アジャストスクリュ74はナット部材73に大きく押し込まれるが、ストッパ部82がナット部材73の開放端に当接してアジャストスクリュ74の移動を規制するので、リターンスプリング75が過度に圧縮して破損するのを防止することができる。
このラッシュアジャスタ61は、アジャストスクリュ74の移動を規制するストッパ部82が、アジャストスクリュ74のナット部材73からの突出部分に設けられているので、アジャストスクリュ74のナット部材73への挿入端に、キャップ79に当接してアジャストスクリュ74の移動を規制する筒状の延長部を設ける必要がなく、アジャストスクリュ74の外周の雄ねじ78を転造しやすい。
第1実施形態では、アジャストスクリュ15をナット部材12から上方に突出する方向に付勢するリターンスプリング17として圧縮コイルばねを採用したが、図8に示すように、ねじりコイルばねを採用してもよい。
図8において、リターンスプリング17は、その下端が、底部材16に形成された係止孔83に係止し、上端が、アジャストスクリュ15に形成された係止孔84に係止しており、そのねじり変形によって、ナット部材12から突出する方向の回転力をアジャストスクリュ15に付与している。
第2実施形態でも、図9に示すように、アジャストスクリュ44をナット部材41から下方に突出する方向に付勢するリターンスプリング45として、ねじりコイルばねを採用することができる。
図9において、リターンスプリング45は、その上端がシム48に形成された係止孔85に係止し、下端がアジャストスクリュ44に形成された係止孔86に係止しており、そのねじり変形によって、ナット部材41から突出する方向の回転力をアジャストスクリュ44に付与している。また、アジャストスクリュ44の外周の雄ねじ43と、ナット部材41の内周の雌ねじ42は、上下対称の台形ねじである。
第3実施形態でも、図10に示すように、アジャストスクリュ74をナット部材73から下方に突出する方向に付勢するリターンスプリング75として、ねじりコイルばねを採用することができる。
図10において、リターンスプリング75は、その上端がキャップ79に形成された係止孔87に係止し、下端がアジャストスクリュ74に形成された係止孔88に係止しており、そのねじり変形によって、ナット部材73から突出する方向の回転力をアジャストスクリュ74に付与している。また、アジャストスクリュ74の外周の雄ねじ78と、ナット部材73の内周の雌ねじ77は、上下対称の三角ねじである。
図11に、この発明の第4実施形態のラッシュアジャスタ91を組み込んだ動弁装置を示す。第1実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
アジャストスクリュ15は、ナット部材12内に軸方向にスライド可能に挿入されたピボット部材15Aと、そのピボット部材15Aのナット部材12への挿入端を支持し、雄ねじ14を外周に有する雄ねじ部材15Bと、ピボット部材15Aと雄ねじ部材15Bの間に挟まれたばね座金15Cとからなる。ばね座金15Cとしては、例えば、皿ばね座金や波形座金などを用いることができる。
ナット部材12の開放端には、ピボット部材15Aを貫通させる環状の抜け止め部材92が装着されている。ピボット部材15Aは、ナット部材12の開放端を横切る部分に環状の溝93が形成されており、その溝93に抜け止め部材92が入り込むことによって、ナット部材12からピボット部材15Aが抜け止めされている。
ピボット部材15Aのナット部材12からの突出部分には、ナット部材12の内径よりも大径のストッパ部23が設けられている。ストッパ部23は、ピボット部材15Aがナット部材12に押し込まれたときに、ストッパ部23の外周に形成された軸方向に対して直角な平面94が、ナット部材12の開放端の抜け止め部材92に形成された軸方向に対して直角な平面95に当接してピボット部材15Aの移動を規制する。
ピボット部材15Aは、ナット部材12内への挿入端の中央に角穴96が形成されている。雄ねじ部材15Bには、角穴96に嵌合する角軸97が形成されており、ピボット部材15Aを回転操作したときに、角軸97と角穴96の嵌合によってピボット部材15Aと雄ねじ部材15Bが一体に回転するようになっている。
リターンスプリング17はねじりコイルばねである。リターンスプリング17は、その下端が、底部材16に形成された係止孔98に係止し、上端が、雄ねじ部材15Bに形成された係止孔99に係止しており、そのねじり変形によって、ピボット部材15Aがナット部材12から突出する方向の回転力を雄ねじ部材15Bに付与している。
このラッシュアジャスタ91は、アジャストスクリュ15がナット部材12に押し込まれたときに、ストッパ部23がナット部材12の開放端の抜け止め部材92に当接してアジャストスクリュ15の移動を規制するので、リターンスプリング17が過度に圧縮して破損するのを防止することができる。
また、このラッシュアジャスタ91は、アジャストスクリュ15の移動を規制するストッパ部23が、ピボット部材15Aのナット部材12からの突出部分に設けられているので、雄ねじ部材15Bのナット部材12への挿入端に、底部材16に当接してアジャストスクリュ15の移動を規制する筒状の延長部を設ける必要がなく、雄ねじ部材15Bの外周の雄ねじ14を転造しやすい。
また、このラッシュアジャスタ91は、エンジンが高温の状態で停止し、その後、エンジンが冷却して動弁装置の構成部材間に収縮差が生じたときに、雄ねじ部材15Bとピボット部材15Aの間のばね座金15Cが圧縮することにより、その収縮差が吸収される。そのため、エンジンの再始動時に、動弁装置の構成部材間の収縮差による隙間がバルブ4とバルブシート10の間に生じず、圧縮漏れが生じない。
また、このラッシュアジャスタ91は、角軸97と角穴96の嵌合によってピボット部材15Aと雄ねじ部材15Bが一体に回転するようになっているので、ピボット部材15Aの回転操作により、雄ねじ部材15Bを回転させることができる。そのため、角軸97と角穴96を設けないものと比較して、雄ねじ部材15Bをナット部材12内に組み付ける作業が容易である。
この実施形態では、ピボット部材15Aと雄ねじ部材15Bの間に挟む弾性部材としてばね座金15Cを使用したが、ばね座金15Cにかえて他の弾性部材(例えば、圧縮コイルばね)を使用してもよい。
リターンスプリング17としてねじりコイルばねを用いる場合、リターンスプリング17は、図11に示すように、円筒状に巻いたものを用いてもよく、図12に示すように、円錐形に巻いたものを用いてもよい。
また、リターンスプリング17としては、図13〜図15に示すように、ねじりコイルばね以外のねじりばね(例えば、ゼンマイばねや竹の子ばね)を採用してもよい。
図13において、リターンスプリング17は、薄板状の素材を渦巻き状に巻いたゼンマイばねである。リターンスプリング17は、その大径端がナット部材12の底部材16に回り止めされ、小径端が、雄ねじ部材15Bのナット部材12内への挿入端の突起100に形成したスリットに差し込まれており、そのねじり変形によって、ピボット部材15Aがナット部材12から突出する方向の回転力を雄ねじ部材15Bに付与している。また、雄ねじ部材15Bの外周の雄ねじ14と、ナット部材12の内周の雌ねじ13は、上下対称の三角ねじである。
図14、図15において、リターンスプリング17は、薄板状の素材を螺旋状に巻いた竹の子ばねである。リターンスプリング17は、その大径端がナット部材12の底部材16に回り止めされ、小径端が、雄ねじ部材15Bのナット部材12内への挿入端の突起101に形成されたスリットに差し込まれており、そのねじり変形によって、ピボット部材15Aがナット部材12から突出する方向の回転力を雄ねじ部材15Bに付与している。また、雄ねじ部材15Bの外周の雄ねじ14と、ナット部材12の内周の雌ねじ13は、上下対称の台形ねじである。
この発明の第1実施形態のラッシュアジャスタを組み込んだ動弁装置を示す正面図 図1に示すラッシュアジャスタのアジャストスクリュが押し込まれた状態を示す拡大断面図 図2に示すラッシュアジャスタの変形例を示す拡大断面図 図2に示すラッシュアジャスタの他の変形例を示す拡大断面図 図2に示すラッシュアジャスタの更に他の変形例を示す拡大断面図 この発明の第2実施形態のラッシュアジャスタを組み込んだ動弁装置を示す正面図 この発明の第3実施形態のラッシュアジャスタを組み込んだ動弁装置を示す正面図 図2に示すリターンスプリングの変形例を示す拡大断面図 図6に示すリターンスプリングの変形例を示す拡大断面図 図7に示すリターンスプリングの変形例を示す拡大断面図 この発明の第4実施形態のラッシュアジャスタを示す拡大断面図 図11に示すリターンスプリングの変形例を示す拡大断面図 図11に示すリターンスプリングの他の変形例を示す拡大断面図 図11に示すリターンスプリングのさらに他の変形例を示す拡大断面図 図14のXV−XV線に沿った断面図
符号の説明
1 ラッシュアジャスタ
2 シリンダヘッド
7 アーム
11 収容穴
12 ナット部材
13 雌ねじ
14 雄ねじ
15 アジャストスクリュ
15A ピボット部材
15B 雄ねじ部材
15C ばね座金
17 リターンスプリング
18 圧力側フランク
19 遊び側フランク
23 ストッパ部
24,25 テーパ面
26,27 平面
28 止め輪
31 ラッシュアジャスタ
32 シリンダヘッド
35 バルブステム
39 ガイド孔
40 リフタボディ
41 ナット部材
42 雌ねじ
43 雄ねじ
44 アジャストスクリュ
45 リターンスプリング
51 ストッパ部
61 ラッシュアジャスタ
65 バルブステム
67 アーム
71 カム
73 ナット部材
74 アジャストスクリュ
75 リターンスプリング
76 収容穴
77 雌ねじ
78 雄ねじ
82 ストッパ部
91 ラッシュアジャスタ
94,95 平面
96 角穴
97 角軸

Claims (12)

  1. 内周に雌ねじ(13)を有するナット部材(12)と、前記雌ねじ(13)にねじ係合する雄ねじ(14)を外周に有するアジャストスクリュ(15)と、そのアジャストスクリュ(15)をナット部材(12)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(17)とを有し、前記アジャストスクリュ(15)をナット部材(12)に押し込む方向の軸方向荷重が負荷されたときに、その軸方向荷重を前記雄ねじ(14)と雌ねじ(13)の圧力側フランク(18)で受けるラッシュアジャスタにおいて、
    前記アジャストスクリュ(15)のナット部材(12)からの突出部分にナット部材(12)の内径よりも大径のストッパ部(23)を設け、そのストッパ部(23)をナット部材(12)の開放端で受け止めることにより、ナット部材(12)に押し込まれる方向のアジャストスクリュ(15)の移動を規制したことを特徴とするラッシュアジャスタ。
  2. 前記ストッパ部(23)の外周に形成されたテーパ面(24)が、前記ナット部材(12)の開放端に形成されたテーパ面(25)に当接するようにした請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
  3. 前記ストッパ部(23)の外周に形成された軸方向に対して直角な平面(26)が、前記ナット部材(12)の開放端に形成された軸方向に対して直角な平面(27)に当接するようにした請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
  4. 前記ストッパ部(23)が、前記アジャストスクリュ(15)のナット部材(12)からの突出部分の外周に装着した止め輪(28)である請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
  5. 前記リターンスプリング(17)は、前記ナット部材(12)から突出する方向の軸方向力をアジャストスクリュ(15)に付与する圧縮コイルばねであり、前記雄ねじ(14)と雌ねじ(13)は、圧力側フランク(18)のフランク角が遊び側フランク(19)のフランク角よりも大きい鋸歯ねじである請求項1から4のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  6. 前記リターンスプリング(17)は、前記ナット部材(12)から突出する方向の回転力をアジャストスクリュ(15)に付与するねじりばねであり、前記雄ねじ(14)と雌ねじ(13)は、鋸歯ねじ、台形ねじ又は三角ねじである請求項1から4のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  7. 前記ねじりばねが、ねじりコイルばね、ゼンマイばね、竹の子ばねのいずれかである請求項6に記載のラッシュアジャスタ。
  8. 前記ナット部材(12)は、シリンダヘッド(2)の上面に開口した収容穴(11)に挿入され、前記アジャストスクリュ(15)は、前記ナット部材(12)からの突出端で動弁装置のアーム(7)を揺動可能に支持する請求項1から7のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  9. 前記ナット部材(41)は、シリンダヘッド(32)に形成されたガイド孔(39)に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディ(40)に固定され、前記アジャストスクリュ(44)は、前記ナット部材(41)からの突出端で動弁装置のバルブステム(35)を押圧する請求項1から7のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  10. 前記ナット部材(73)は、カム(71)の回転に応じて揺動するアーム(67)の下面に開口した収容穴(76)に挿入され、前記アジャストスクリュ(74)は、前記ナット部材(73)からの突出端で動弁装置のバルブステム(65)を押圧する請求項1から7のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  11. 前記アジャストスクリュ(15)が、前記ナット部材(12)内に軸方向にスライド可能に挿入されたピボット部材(15A)と、そのピボット部材(15A)のナット部材(12)内への挿入端を支持し、前記雄ねじ(14)を外周に有する雄ねじ部材(15B)と、前記ピボット部材(15A)と雄ねじ部材(15B)の間に挟まれた弾性部材(15C)とからなる請求項1から10のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  12. 前記ピボット部材(15A)のナット部材(12)内への挿入端に角穴(96)を形成し、その角穴(96)に嵌合する角軸(97)を前記雄ねじ部材(15B)に形成し、その角軸(97)と前記角穴(96)の嵌合によって前記ピボット部材(15A)と雄ねじ部材(15B)が一体に回転するようにした請求項11に記載のラッシュアジャスタ。
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