JP6764720B2 - 吐出容器 - Google Patents

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Description

本発明は、吐出容器に関するものである。
従来から、吐出容器として、内容物が収容される容器本体と、上方付勢状態で下降移動可能に立設されたステムを備えるポンプと、を備え、ポンプは、ステムが上下動可能に挿通された挿通孔が形成されるとともに、容器本体の口部に装着される装着キャップと、ステムに連係するピストンと、ピストンが上下摺動自在に嵌合されたシリンダと、を備えるとともに、ピストンのシリンダに対する下降移動に伴い、シリンダ内の内容物がステム内に流入し、かつピストンのシリンダに対する上昇移動に伴い、容器本体内の内容物がシリンダ内に流入する構成が知られている。
この種の吐出容器として、例えば下記特許文献1に示されるように、ピストンに、シリンダの内周面に摺接するシール部が形成された外筒が備えられ、シリンダにおいて、外筒の外周面と対向し、かつシール部の下方に位置する部分に、容器本体内に連通する導入孔が形成され、ステムと挿通孔との間に、外部と外筒の内周面側とを連通する導入通路が形成され、シリンダおよび外筒のうちの少なくとも一方に、導入孔と導入通路とを連通する連通路が形成された構成が知られている。
そしてこの吐出容器では、例えば雰囲気温度の低下に伴い、容器本体内の空気が冷却され、容器本体内が減圧されても、外気が導入通路、連通路、および導入孔を、この順に通過して容器本体内に流入することで、容器本体の外観が大きく損なわれる程度の減容変形を抑えることができる。
特開2015−182800号公報
しかしながら、前記従来の吐出容器では、例えば横倒し姿勢になったり、その姿勢で容器本体の胴部が押圧されたりしたとき等に、容器本体内の内容物が、導入孔および連通路を通して導入通路に流出し、ステムと挿通孔との間から外部に漏出するおそれがあった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、横倒し姿勢等であっても、不用意に内容物が外部に漏出するのを抑えつつ、容器本体の外観が大きく損なわれる程度の減容変形を抑えることができる吐出容器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る吐出容器は、内容物が収容される容器本体と、上方付勢状態で下降移動可能に立設されたステムを備えるポンプと、を備え、前記ポンプは、前記ステムが上下動可能に挿通された挿通孔が形成されるとともに、前記容器本体の口部に装着される装着キャップと、前記ステムに連係するピストンと、内側に前記ピストンが上下摺動自在に嵌合されたシリンダと、を備えるとともに、前記ピストンの前記シリンダに対する下降移動に伴い、前記シリンダ内の内容物が前記ステム内に流入し、かつ前記ピストンの前記シリンダに対する上昇移動に伴い、前記容器本体内の内容物が前記シリンダ内に流入する構成とされた吐出容器であって、前記ピストンには、前記シリンダの内周面に摺接するシール部が形成された外筒が備えられ、前記シリンダにおいて、前記外筒の外周面と対向し、かつ前記シール部の下方に位置する部分に、前記容器本体内に連通する導入孔が形成され、前記ステムと前記挿通孔との間には、外部と前記外筒の内周面側とを連通する導入通路が形成され、前記シール部は、前記シリンダの内周面にその全周にわたって連続して密に当接することで、前記導入孔と前記導入通路との連通を遮断し、前記容器本体には、内容積を減容させるように変形可能に形成された減圧吸収部が備えられ、前記減圧吸収部は、前記容器本体の胴部に1つ形成されるとともに、全周にわたって延びる周溝を備え、前記周溝は、前記胴部の下部に形成され、前記周溝を画成する壁部のうち、互いに容器軸方向に対向する上側壁部および下側壁部は、溝底部回りに前記周溝の溝幅を狭めるように、回動自在に配設され、前記下側壁部は、前記上側壁部より、容器軸に直交する水平面に対する傾斜角度が大きくなるように形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、ピストンのシール部が、シリンダの内周面にその全周にわたって連続して密に当接することで、導入孔と導入通路との連通を遮断しているので、仮に容器本体が横倒し姿勢になった場合であっても、シリンダに形成された導入孔を通して容器本体内からシリンダ内に流出した内容物が、導入通路内に流出することがなく、内容物が不用意に外部に漏出するのを抑えることができる。
また、容器本体に、内容積を減容させるように変形可能に形成された減圧吸収部が備えられているので、シール部が、前述のように導入孔と導入通路との連通を遮断していたとしても、容器本体内の減圧に伴い、減圧吸収部が変形する。したがって、例えば容器本体の胴部が局所的に径方向の内側に向けて窪むような、外観が大きく損なわれる程度の容器本体の減容変形を抑えることができる。
また、減圧吸収部が周壁を備えているので、容器本体内の減圧時に周溝の両側壁部を、溝幅を狭めるように溝底部回りに回動させることが可能になり、容器本体の胴部を容器軸方向に収縮変形することができる。したがって容器本体の胴部が、例えば局所的に径方向の内側に向けて窪むように減容変形するのを抑えることが可能になり、容器本体の外観が損なわれるのを防ぐことができる。
また、前記容器本体の底部の底壁部は、外周縁部に位置する接地部と、前記接地部に径方向の内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部と、を備え、前記減圧吸収部は、前記底壁部に形成されるとともに、前記立ち上がり周壁部の上端部から、径方向の内側に向けて延びる環状の可動壁部と、該可動壁部の径方向の内端部から上方に向けて延びる陥没周壁部と、を備え、前記可動壁部は、前記陥没周壁部を上方に移動させるように、前記立ち上がり周壁部との接続部分を中心に回動自在に配設されてもよい。
この場合には、減圧吸収部が、可動壁部および陥没周壁部を備えているので、容器本体内の減圧時に可動壁部を、陥没周壁部を上方に移動させるように立ち上がり周壁部との接続部分を中心に回動させることが可能になり、容器本体内の減圧を吸収することができる。また、容器本体のうち、比較的視認しづらい底壁部で、上述した減圧吸収部の変形を行わせることが可能になることから、容器本体の外観が損なわれることがない。
なお、減圧吸収部として、前述した周溝、並びに可動壁部および陥没周壁部を併設することにより、減圧吸収性能を向上させることができる。
本発明によれば、横倒し姿勢等であっても、不用意に内容物が外部に漏出するのを抑えつつ、容器本体の外観が大きく損なわれる程度の減容変形を抑えることができる。
本発明の第1実施形態に係る吐出容器を示す縦断面図である。 図1に示す吐出容器の要部の拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る吐出容器を示す縦断面図である。
(第1実施形態)
以下、図1および図2を参照し、本発明の第1実施形態に係る吐出容器1について説明する。
本実施形態の吐出容器1は、図1に示されるように、内容物が収容される容器本体Wと、上方付勢状態で下降移動可能に立設されたステム11を備えるポンプ10と、を備え、ポンプ10は、ステム11が上下動可能に挿通された挿通孔12が形成されるとともに、容器本体Wの口部W1に装着される装着キャップ13と、ステム11に連係するピストン14と、内側にピストン14が上下摺動自在に嵌合されたシリンダ15と、を備えている。
ここで、容器本体W、ステム11、装着キャップ13、ピストン14およびシリンダ15はそれぞれ、共通軸と同軸に配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向を上下方向といい、上下方向において、ポンプ10側を上側、底部W3側を下側という。また、上下方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
さらに本実施形態では、ポンプ10は、内容物の吐出孔16aが形成されるとともに、ステム11の上端部に装着された押下ヘッド16と、ステム11の下部に装着されるとともに、シリンダ15内に上下動可能に配設されたピストンガイド17と、シリンダ15内において、ピストンガイド17の下方に位置する部分に配設され、シリンダ15の下端開口を開閉する弁部材18と、ピストンガイド17を上方に向けて付勢する付勢手段19と、を備えている。また、ポンプ10は、下降端位置に位置する押下ヘッド16が螺着され、下降端位置に位置するステム11および押下ヘッド16の上昇移動を規制する規制筒22と、押下ヘッド16が下降端位置に位置しているときに、シリンダ15の導入孔15bを閉塞するシール筒23と、を備えている。
装着キャップ13は、容器本体Wの口部W1に螺着されている。装着キャップ13は、図2に示すように、環状の天壁部13aを備える有頂筒状に形成され、天壁部13aの内側に、シリンダ15のうち、フランジ部15aより上方に位置する上端部が挿通された状態で、天壁部13aがシリンダ15のフランジ部15a上に配置されている。
シリンダ15は、筒状に形成され、その上部に径方向の外側に向けて突出するフランジ部15aが全周にわたって形成され、フランジ部15aが、容器本体Wの口部W1の上端開口縁上に配置されている。シリンダ15には、容器本体W内とシリンダ15内とを連通する導入孔15bが形成されている。シリンダ15には下方に向けて筒体が突設されており、この筒体内に吸い上げパイプ15cが嵌合されている。
押下ヘッド16は、ステム11の上端部に嵌合された嵌合筒16bと、嵌合筒16bから径方向の外側に向けて突出し、その先端に吐出孔16aが形成された吐出筒16cと、嵌合筒16bを径方向の外側から囲う螺着筒16dと、を備えている。吐出筒16cは、螺着筒16dを径方向に貫いている。
ピストンガイド17の下部は、ステム11の下端開口から下方に突出している。ピストンガイド17の下端部は有頂筒状に形成され、その外周面にシリンダ15の内周面に近接する近接突起17aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。ピストンガイド17の下端部内に付勢手段19の上端部が配設されている。なお、内容物の吐出後、ステム11を上方に復元移動させる際に、ピストンガイド17の下端部における天壁部17bが、ピストン14の下端に係合し、ピストン14を上方に復元移動させる。
弁部材18は、図1に示すように、シリンダ15内の加圧時に、シリンダ15の下端開口を閉塞したままに維持し、シリンダ15内の減圧時に、シリンダ15の下端開口を開放する逆止弁となっている。これにより、シリンダ15内の加圧時に、シリンダ15内の内容物がシリンダ15の下端開口から容器本体W内に戻ることが阻止され、シリンダ15内の減圧時に、容器本体内の内容物がシリンダ15の下端開口からシリンダ15内に流入する。
ピストン14は、図2に示すように、シリンダ15の内周面に摺接するシール部28aが形成された外筒28と、外筒28の内側に配設された内筒29と、外筒28と内筒29とを全周にわたって連結する環状の連結部27と、を備えている。
外筒28において、シール部28aより下方に位置する部分に、シール部28aと同様に、シリンダ15の内周面に摺接する下シール部28dが形成されている。
連結部27は、外筒28および内筒29それぞれにおける上端部と下端部との間に位置する中間部同士を連結している。シール部28aおよび下シール部28dは、外筒28における上端部および下端部に各別に形成され、径方向の外側に向けて膨出している。外筒28の中間部の外周面と、シリンダ15の内周面と、の間には径方向の隙間が設けられている。
ここで、図1および図2に示すように、ステム11が上昇端位置に位置する待機時に、導入孔15bは、外筒28の外周面のうち、シール部28aの下方に位置する部分に径方向で対向している。図示の例では、導入孔15bは、外筒28の中間部の外周面に径方向で対向している。つまり、導入孔15bが、シール部28aと下シール部28dとの間に位置することで閉塞されている。
また、外筒28の上端縁と、シール筒23の閉塞筒部23aの下端縁と、が上下方向に当接或いは近接している。ステム11の下端部は、内筒29に上下摺動自在に外嵌されている。
規制筒22は、シリンダ15の上端部に外嵌された外嵌筒22aと、下降端位置に位置する押下ヘッド16の螺着筒16dが螺着される雄ねじ筒22bと、を備えている。雄ねじ筒22bのうち、下部がシリンダ15の上端部内に挿入され、かつ上部がシリンダ15の上端部から上方に突出しており、この上部の外周面に雄ねじ部が形成されている。雄ねじ筒22bの下部の外周面、およびシリンダ15の上端部の内周面にはそれぞれ、互いに係合する回り止め部が形成されている。
シール筒23は、規制筒22の雄ねじ筒22b内に挿入され、その下端部に、シリンダ15内に摺動自在に嵌合された閉塞筒部23aが形成されている。閉塞筒部23aは、図1および図2に示されるような、ステム11が上昇端位置に位置する待機時には、雄ねじ筒22bより下方に突出し、シリンダ15の内周面に当接している。一方、ステム11および押下ヘッド16が下降端位置に位置して、押下ヘッド16が規制筒22に螺着された状態では、閉塞筒部23aは、シリンダ15の導入孔15bを閉塞する。図示の例では、閉塞筒部23aにおける上端部および下端部にそれぞれ、径方向の外側に向けて膨出するシール部が形成されており、押下ヘッド16が規制筒22に螺着された状態で、導入孔15bが、閉塞筒部23aの両シール部同士の間に位置することで閉塞される。
ここで、シール筒23の内側が、ステム11が上下動可能に挿通される挿通孔12となっている。
ステム11の外周面と、挿通孔12と、の間には、外部とピストン14の外筒28の内周面側とを連通する導入通路25が形成されている。導入通路25は、ステム11の外周面と挿通孔12との間の径方向の隙間となっている。
そして本実施形態では、図2に示すように、シール部28aは、シリンダ15の内周面にその全周にわたって連続して密に当接することで、導入孔15bと導入通路25との連通を遮断している。
また、図1に示すように、容器本体Wには、内容積を減容させるように変形可能に形成された減圧吸収部30が備えられている。
本実施形態では、減圧吸収部30は、容器本体Wの胴部W2に形成されるとともに、全周にわたって延びる周溝31を備えている。周溝31を画成する壁部のうち、互いに上下方向に対向する側壁部31a、31bは、溝底部31c回りに周溝31の溝幅を狭めるように、回動自在に配設されている。
周溝31は、胴部W2の下部に形成されている。周溝31は、容器本体Wの内圧が低下すると、周溝31の溝幅が狭まるように上下方向に収縮変形する。
周溝31は、上側壁部31aと、上側壁部31aの下方に位置する下側壁部31bと、上側壁部31aおよび下側壁部31bの径方向の内端部同士を、互いに接続する溝底部31cと、を備えている。
上側壁部31aおよび下側壁部31bは、径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、上下方向に互いに離間する向きに延びている。
下側壁部31bは、上側壁部31aより、容器軸Oに直交する水平面に対する傾斜角度が大きくなっている。なお、これらの傾斜角度については、例えば互いに同等であってもよい。溝底部31cは径方向の内側に向けて突となす曲面状に形成されている。
次に、以上のように構成された吐出容器1の作用について説明する。
まず、下降端位置に位置する押下ヘッド16を、規制筒22に対して容器軸O回りに回転させることで、押下ヘッド16の螺着筒16dの雌ねじ部と、規制筒22の雄ねじ筒22bの雄ねじ部と、の螺合を解除する。この際、付勢手段19の上方付勢力によって、ピストンガイド17、ステム11、および押下ヘッド16が一体に上昇する。この過程において、ピストンガイド17の下端部における天壁部17bが、ピストン14の内筒29の下端に係合し、ピストン14も上昇する。
これにより、シリンダ15内が減圧することで、弁部材18がシリンダ15の下端開口を開放し、容器本体W内の内容物が、吸い上げパイプ15cを通してシリンダ15内に流入する。また、ピストン14の外筒28の上端縁が、シール筒23の閉塞筒部23aの下端縁に係合することで、シール筒23を上昇させて導入孔15bから上方に離間させ、外筒28がシリンダ15の導入孔15bを覆う。
そして、押下ヘッド16を押下して、ステム11およびピストンガイド17とともに下降移動させると、まず、ピストンガイド17の下端部における天壁部17bが、ピストン14の内筒29の下端から下方に離れて、シリンダ15内とステム11内とが連通し、また、ステム11の下端部が、ピストン14の連結部27に当接する。さらに、この下降移動を継続すると、ピストン14も下降移動することで、ピストン14が導入孔15bから下方に離間しつつ、シリンダ15内の内容物が、ピストンガイド17における周方向で互いに隣り合う近接突起17a同士の間を通して、ステム11内に流入し、吐出孔16aから吐出される。
次に、押下ヘッド16の押下を解除すると、付勢手段19の上方付勢力によって、前述と同様に、ピストンガイド17、ピストン14、ステム11、および押下ヘッド16が上方に復元移動し、容器本体W内の内容物がシリンダ15内に流入する。
ここで、ピストン14が上方に復元移動する過程において、外筒28が導入孔15bを閉塞するまでの間、外気が、導入通路25に流入し、導入孔15bを通して容器本体W内に流入する。
以上説明したように、本実施形態による吐出容器1によれば、ピストン14のシール部28aが、シリンダ15の内周面にその全周にわたって連続して密に当接することで、導入孔15bと導入通路25との連通を遮断しているので、仮に容器本体Wが横倒し姿勢になった場合であっても、シリンダ15に形成された導入孔15bを通して容器本体W内からシリンダ15内に流出した内容物が、導入通路25内に流出することがなく、内容物が仮に低粘度の液体であったとしても、内容物が不用意に外部に漏出するのを抑えることができる。
また、容器本体Wに、内容積を減容させるように変形可能に形成された減圧吸収部30が備えられているので、例えば容器本体W内の空気が冷却された場合等において、シール部28aが、導入孔15bと導入通路25との連通を遮断していたとしても、容器本体W内の減圧に伴い、減圧吸収部30が変形する。したがって、例えば容器本体Wの胴部W2が局所的に径方向の内側に向けて窪むような、外観が大きく損なわれる程度の容器本体Wの減容変形を抑えることができる。
そのため吐出容器1は、例えば浴室で使用され、冬場に入浴に際して暖かい空気が容器本体W内に流入し、この暖かい空気が冷却される場合や、浴室乾燥機の使用前後等といった、吐出容器1が置かれる雰囲気温度の変化が著しい場合に特に有効であり、このような場合であっても、外観が大きく損なわれる程度の容器本体Wの減容変形を抑えることができる。
また、減圧吸収部30が周溝31を備えているので、容器本体W内の減圧時に周溝31の側壁部31a、31bを、溝幅を狭めるように溝底部31c回りに回動させることが可能になり、容器本体Wの胴部W2を上下方向に収縮変形することができる。したがって容器本体Wの胴部W2が、例えば局所的に径方向の内側に向けて窪むように減容変形するのを抑えることが可能になり、容器本体Wの外観が損なわれるのを防ぐことができる。
また、周溝31が、胴部W2の下部に形成されているので、容器本体W内が減圧し、周溝31が上下方向に収縮変形した際に、例えば周溝31が胴部W2の上下方向の中央部に形成されているような構成と比べて、容器本体Wの外観の変化が目立ちにくく、また、容器本体Wの胴部W2にラベルが配設されている場合には、仮にラベルにしわが生じたとしても、生じたしわを目立ちにくくすることができる。
(第2実施形態)
次に、図3を参照し、本発明の第2実施形態に係る吐出容器2について説明する。
なお、以下の説明において第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、同一の作用についてもその説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の吐出容器2では、容器本体Wの底部W3の底壁部41は、外周縁部に位置する接地部42と、接地部42に径方向の内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部43と、を備えている。
また本実施形態の吐出容器2では、減圧吸収部40は、底壁部41に形成されるとともに、立ち上がり周壁部43の上端部から、径方向の内側に向けて延びる環状の可動壁部44と、可動壁部44の径方向の内端部から上方に向けて延びる陥没周壁部45と、を備え、可動壁部44は、陥没周壁部45を上方に移動させるように、立ち上がり周壁部43との接続部分43aを中心に回動自在に配設されている。
可動壁部44は、容器軸Oと同軸に配設されるとともに、下方に向けて突の曲面状に形成されている。この可動壁部44と立ち上がり周壁部43との接続部分43aの下面は、上方に向けて突の曲面状に形成されている。
陥没周壁部45は、容器軸Oと同軸に配設されており、可動壁部44の径方向の内端部に連設されて下方から上方に向かうに従い漸次縮径されている。また、陥没周壁部45は、有頂筒状に形成されており、容器軸Oに直交する頂壁を備えている。
可動壁部44には、容器軸Oと同軸に配設されるとともに、上方に向けて窪んだ環状凹部44aが全周にわたって連続的に延設されている。環状凹部44aは、可動壁部44の内周部に配設されている。
環状凹部44aは、上方に向けて突の曲面状に形成された突端部44bと、この突端部44bに径方向の外側から連なる外側湾曲壁44cと、突端部44bに径方向の内側から連なる内側湾曲壁44dと、により画成されている。
外側湾曲壁44cは、径方向の内側から外側に向かうに従い漸次下方に向けて延在している。外側湾曲壁44cの上端部は、突端部44bにおける径方向の外端部に連なっている。
内側湾曲壁44dは、径方向の内側から外側に向かうに従い漸次上方に向けて延在している。内側湾曲壁44dの上端部は、突端部44bにおける径方向の内端部に連なっている。
陥没周壁部45の下端部と、内側湾曲壁44dの下端部と、の接続部分45aは、下方に向けて突の曲面状に形成されている。
次に、以上のように構成された吐出容器2の作用について説明する。
押下ヘッド16の押下を解除し、内容物が容器本体W内からシリンダ15内に流出すると、容器本体W内が減圧する。すると、可動壁部44と立ち上がり周壁部43との接続部分を中心にして可動壁部44が上方に向かって回動することで、可動壁部44は陥没周壁部45を上方に向けて持ち上げるように移動する。これにより、減圧時に容器本体の底壁部41が積極的に変形することで、容器本体W内の減圧を吸収する。
以上説明したように、本実施形態に係る吐出容器2によれば、減圧吸収部40が、可動壁部44および陥没周壁部45を備えているので、容器本体W内の減圧時に可動壁部44を、陥没周壁部45を上方に移動させるように立ち上がり周壁部43との接続部分を中心に回動させることが可能になり、容器本体W内の減圧を吸収することができる。また、容器本体Wのうち、視認しづらい底壁部41の内側において上述した減圧吸収を行うため、容器本体Wの外観が損なわれることがない。
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、減圧吸収部30、40として、周溝31又は底壁部41を備える構成を示したが、このような態様に限られない。減圧吸収部として、これらと異なる構成により容器本体内の減圧を吸収してもよいし、周溝および底壁部が併設されていてもよい。周溝および底壁部が併設されることで、減圧吸収性能を向上させることができる。
また、上記実施形態においては、外部とピストンの外筒の内周面側とを連通する導入通路25が、ステム11の外周面と挿通孔12との間の径方向の隙間である構成を示したが、このような態様に限られない。導入通路は、例えば装着キャップのうち、規制筒とシール筒との間の径方向の隙間であってもよい。
また、前記実施形態の規制筒22およびシール筒23は、ポンプ10に備えられていたが、本発明はこれに限られず、例えば装着キャップ3に備えられた規制筒22およびシール筒23を採用してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1,2 吐出容器
10 ポンプ
11 ステム
12 挿通孔
13 装着キャップ
14 ピストン
15 シリンダ
15b 導入孔
25 導入通路
28 外筒
28a シール部
30、40 減圧吸収部
31 周溝
31c 溝底部
41 底壁部
42 接地部
43 立ち上がり周壁部
44 可動壁部
45 陥没周壁部

Claims (2)

  1. 内容物が収容される容器本体と、
    上方付勢状態で下降移動可能に立設されたステムを備えるポンプと、を備え、
    前記ポンプは、前記ステムが上下動可能に挿通された挿通孔が形成されるとともに、前記容器本体の口部に装着される装着キャップと、前記ステムに連係するピストンと、内側に前記ピストンが上下摺動自在に嵌合されたシリンダと、を備えるとともに、
    前記ピストンの前記シリンダに対する下降移動に伴い、前記シリンダ内の内容物が前記ステム内に流入し、かつ前記ピストンの前記シリンダに対する上昇移動に伴い、前記容器本体内の内容物が前記シリンダ内に流入する構成とされた吐出容器であって、
    前記ピストンには、前記シリンダの内周面に摺接するシール部が形成された外筒が備えられ、
    前記シリンダにおいて、前記外筒の外周面と対向し、かつ前記シール部の下方に位置する部分に、前記容器本体内に連通する導入孔が形成され、
    前記ステムと前記挿通孔との間には、外部と前記外筒の内周面側とを連通する導入通路が形成され、
    前記シール部は、前記シリンダの内周面にその全周にわたって連続して密に当接することで、前記導入孔と前記導入通路との連通を遮断し、
    前記容器本体には、内容積を減容させるように変形可能に形成された減圧吸収部が備えられ
    前記減圧吸収部は、
    前記容器本体の胴部に1つ形成されるとともに、全周にわたって延びる周溝を備え、
    前記周溝は、前記胴部の下部に形成され、
    前記周溝を画成する壁部のうち、互いに容器軸方向に対向する上側壁部および下側壁部は、溝底部回りに前記周溝の溝幅を狭めるように、回動自在に配設され、
    前記下側壁部は、前記上側壁部より、容器軸に直交する水平面に対する傾斜角度が大きくなるように形成されていることを特徴とする吐出容器。
  2. 前記容器本体の底部の底壁部は、
    外周縁部に位置する接地部と、
    前記接地部に径方向の内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部と、を備え、
    前記減圧吸収部は、前記底壁部に形成されるとともに、
    前記立ち上がり周壁部の上端部から、径方向の内側に向けて延びる環状の可動壁部と、
    該可動壁部の径方向の内端部から上方に向けて延びる陥没周壁部と、を備え、
    前記可動壁部は、前記陥没周壁部を上方に移動させるように、前記立ち上がり周壁部との接続部分を中心に回動自在に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の吐出容器。
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