JP5337508B2 - 液体噴出容器 - Google Patents
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Description
まず、初期の段階では、加圧室は非加圧状態となっている。この状態では、プランジャの押さえ脚部が吸込弁の弁体をシリンダの弁座部に対して上から押さえ付けている。よって、容器本体から加圧室内に内容液が入り込むことがない。
つまり、ポンプアップしてから噴出ヘッドを押し下げるまでの間、加圧室は内容液が溜まったままの圧力が高い密閉空間となっている。
このように、上述した液体噴出容器によれば、加圧ガスを使用することなく内容液を噴出することができる。
特に、ポンプアップしてから噴出ヘッドを押し下げるまでの時間が長い場合や、ポンプアップしてから噴出ヘッドを押し下げることなく放置してしまったような場合、或いは、ポンプアップした内容液を最後まで吐出しなかった場合には、圧力負荷の蓄積に繋がり、不正変形の可能性が高まってしまうものであった。
更に、ポンプアップしてから噴出ヘッドを押し下げるまでの間は、プランジャと回動環との間に設けられたスプリングが圧縮したままの状態となっている。そのため、スプリングの弾性復元力が回動環等の各構成部品に常に作用し続けるので、噴出容器自体に悪影響を及ぼす可能性も考えられる。
本発明に係る液体噴出容器は、口部を有する容器本体と、下端の吸込み口が前記口部から前記容器本体に進入されて容器本体に固定されたシリンダと、前記容器本体及び前記シリンダのいずれか一方に回動可能に取り付けられた回動環と、前記回動環に取り付けられ、上部に吐出弁を有し下部開口が前記シリンダ内に位置する吐出管と、前記シリンダの吸込み口に配設され、該シリンダ内への内容液の流入を許容し且つ該シリンダ外への内容液の流出を阻止する吸込弁と、前記シリンダ内に配設されると共に、前記吐出管に液密に外嵌して上下摺動可能に設けられ、付勢機構により下方に付勢された筒状のプランジャと、前記シリンダと前記吸込弁と前記吐出管と前記プランジャとによって囲まれ、吸込弁を通って流入した内容液が溜まる加圧室と、前記回動環と前記プランジャとの間に設けられ、回動環の回動動作をプランジャの上昇動作に変換する変換機構と、前記吐出弁に連結され、下方への押し下げ動作により吐出弁を開弁させて、噴出ノズルから前記加圧室内の前記内容液を噴出可能な噴出ヘッドと、を備える液体噴出容器であって、前記シリンダが、前記吸込み口の上部に環状の弁座部を有し、前記吸込弁が、前記弁座部に対して当接離間可能とされ、離間時に前記内容液の流入を許容する開弁状態となり、当接時に内容液の流出を阻止する閉弁状態となる弁体を有し、前記弁座部と前記弁体とのうち少なくともいずれか一方には、前記閉弁時に前記加圧室の内外を連通させて前記内容液を前記容器本体側にリークさせるリーク部が形成されていることを特徴とする。
ところで、加圧室内に内容液をポンプアップした後は、噴出ヘッドを押し下げない限り吐出管の吐出弁が開弁しないので、加圧室は内容液が溜まったままの圧力が高い状態となっている。しかしながら、互いに当接して閉弁状態となっている弁座部と弁体とのうち少なくともいずれか一方には、加圧室の内外を連通させて内容液(内圧)を容器本体側にリークさせるリーク部が形成されている。
従って、加圧室を構成している各構成要素、即ち、シリンダ、吸込弁、吐出管及びプランジャに圧力負荷がかかり難く、不正変形が生じてしまうことを効果的に抑制することができる。その結果、長期間に亘って安定した内容液の噴出動作を行わせることができる。
本実施形態の液体噴出容器1は、図1から4に示すように、容器本体2と、シリンダ3と、回動環4と、吐出管5と、吸込弁6と、プランジャ7と、加圧室Pと、変換機構8と、噴出ヘッド9と、を備えている。
なお、図1から図4は、液体噴出容器1の半断面図を示す図であり、図1は初期状態、図2は回動環4を回動させ始めた状態、図3は回動環4の回動が終了した状態、図4は噴出ヘッド9を押し下げて内容液Wを噴出させている状態を示している。
シリンダ3は、下方から順に第1筒部3a、第2筒部3b、第3筒部3c及び第4筒部3dが連設して形成されており、これら各筒部は上方に向かうにしたがって径が大きくなっている。このうち第4筒部3dの略中央部分からは、ネジ筒部3eが外側下方に向かって延在している。このネジ筒部3eの内周面には、雌ねじ部が形成されており、ネジ筒部3eを容器本体2の口部2bに螺合させている。つまり、シリンダ3は、下端が口部2bから容器本体2内に進入された状態で容器本体2に固定されている。なお、口部2bとネジ筒部3eとの間には、パッキン10が介装されている。
シリンダ3の第4筒部3dの略上半分の内周面には、周方向等間隔に断面半円形の縦溝21が複数設けられている。また、第4筒部3dの外周面の一部には、突起22が外方に向けて突出するように設けられている。
吐出弁25は、吐出管5の上部開口を塞ぐように取り付けられており、入口管25a、出口管25b及びスプリング25cを有している。入口管25aは、吐出管5に連通していると共に上端側が出口管25bの周囲を囲むように形成されている。出口管25bは、有底筒状の管であり、上端にはネック筒部4aに外嵌する噴出ヘッド9が固定されている。この噴出ヘッド9の外周面には噴出ノズル9aが設けられており、噴出ヘッド9内に設けられた通路を介して出口管25bに連通している。
駆動筒部26は、下筒部26aと上筒部26bとを有している。スカート部27は、下筒部26aの内側に固定されており、下筒部26aに内嵌固定された支持筒部27aと、支持筒部27aから下方に延在したシール脚筒部27bと、支持筒部27aの下方延長上に延在する複数の押さえ脚部27cと、を有している。
駆動筒部26の上筒部26bの外周面には、傾斜溝と垂直溝とが交互に連続して繋がった断面半円形のカム溝30が形成されている。このカム溝30とシリンダ3の縦溝21とには、ボール31が摺動可能に係合している。即ち、ボール31の半分は、カム溝30に挿入され、残りの半分が縦溝21に挿入されている。
外筒部32aの内周面の一部には、シリンダ3の第4筒部3dの突起22に係止させられる突起32dが形成されている。これにより、中継部材32は、シリンダ3に対して上下動不能とされている。また、上延筒部32cの外周面には、回動環4内面から垂下された係合筒に設けられた係合溝4bに係合する係合凸条32eが形成されている。これにより、中継部材32は、回動環4と同期して回動するように設計されている。
更に、内筒部32bの外周面には、駆動筒部26の上筒部26bの内周面に形成された縦溝33に係合する縦凸条32fが形成されている。これにより、中継部材32は、プランジャ7に対して相対回転不能に設計されている。従って、回動環4の回動により、プランジャ7が上昇移動可能となる。
また、シリンダ3とプランジャ7との間には、等圧弁36を間に挟んで下側に液圧逃がし通路R1が形成され、上側に空気流入通路R2が形成されている。
はじめに、非使用時の段階では、図1に示すように加圧室Pは非加圧状態となっている。この状態では、プランジャ7が最下限位置に位置し、押さえ脚部27cが吸込弁6の弁体6bを弁座部13に対して上から押さえ付けている。よって、弁体6bは閉弁状態となっており、容器本体2から加圧室P内に内容液Wが入り込むことがない。また、液圧逃がし通路R1は、加圧室Pに連通しており、空気流入通路R2は、容積が殆どない状態に圧縮されている。
なお、プランジャ7の下降が始まった初期の段階で、空気流入通路R2から液圧逃がし通路R1に大気が流入するようになっている。その後、図1に示すように、プランジャ7が最下限位置まで下降すると、液圧逃がし通路R1が加圧室Pに連通するので、液圧逃がし通路R1内に加圧室P内の正圧が伝達される。その結果、液圧逃がし通路R1内の圧力が容器本体2内の圧力よりも高くなり、加圧室P内の内容液Wが液圧逃がし通路R1等を通って容器本体2に流れる。これにより、加圧室P内の圧力が急速に減圧されて、噴出ノズル9aからの内容液Wの噴出が自然と止まるようになっている。
W…内容液
1…液体噴出容器
2…容器本体
2b…容器本体の口部
3…シリンダ
4…回動環
5…吐出管
6…吸込弁
6b…弁体
7…プランジャ
8…変換機構
9…噴出ヘッド
9a…噴出ヘッドの噴出ノズル
11…シリンダの吸込み口
13…弁座部
25…吐出管の吐出弁
35…スプリング(付勢機構)
40…リブ(凸条部、リーク部)
Claims (2)
- 口部を有する容器本体と、
下端の吸込み口が前記口部から前記容器本体に進入されて容器本体に固定されたシリンダと、
前記容器本体及び前記シリンダのいずれか一方に回動可能に取り付けられた回動環と、
前記回動環に取り付けられ、上部に吐出弁を有し下部開口が前記シリンダ内に位置する吐出管と、
前記シリンダの吸込み口に配設され、該シリンダ内への内容液の流入を許容し且つ該シリンダ外への内容液の流出を阻止する吸込弁と、
前記シリンダ内に配設されると共に、前記吐出管に液密に外嵌して上下摺動可能に設けられ、付勢機構により下方に付勢された筒状のプランジャと、
前記シリンダと前記吸込弁と前記吐出管と前記プランジャとによって囲まれ、吸込弁を通って流入した内容液が溜まる加圧室と、
前記回動環と前記プランジャとの間に設けられ、回動環の回動動作をプランジャの上昇動作に変換する変換機構と、
前記吐出弁に連結され、下方への押し下げ動作により吐出弁を開弁させて、噴出ノズルから前記加圧室内の前記内容液を噴出可能な噴出ヘッドと、を備える液体噴出容器であって、
前記シリンダは、前記吸込み口の上部に環状の弁座部を有し、
前記吸込弁は、前記弁座部に対して当接離間可能とされ、離間時に前記内容液の流入を許容する開弁状態となり、当接時に内容液の流出を阻止する閉弁状態となる弁体を有し、
前記弁座部と前記弁体とのうち少なくともいずれか一方には、前記閉弁時に前記加圧室の内外を連通させて前記内容液を前記容器本体側にリークさせるリーク部が形成されていることを特徴とする液体噴出容器。 - 請求項1に記載の液体噴出容器において、
前記リーク部は、前記弁座部と弁体との当接面に隙間を形成する凸条部又は凹状溝であることを特徴とする液体噴出容器。
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2009
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