JP5448475B2 - 液体噴出容器 - Google Patents
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Description
また、前記液体噴出容器は、シリンダとの間で等圧弁を上下方向に挟み等圧弁をシリンダに固定する固定具を更に備え、固定具は、プランジャを下方から支持する構成とされている。
ところで、この種の液体噴出容器において、容器本体に内容液が充填されていない状態で回動環を回転させて変換機構によりプランジャを上昇させた場合には、加圧室内に内容液が充填されることがないため加圧室が密閉状態にならず加圧されない。そのため、変換機構による上昇動作を終えたプランジャは、付勢機構の下方付勢力に抗することなく最下限位置まで一気に下降してしまう。そしてこの際、プランジャが固定具に衝突して衝突音が発生する。
そこで、下記特許文献1に示される液体噴出容器では、プランジャと固定具との間に緩衝用のダンパーシートを介装して衝突音を抑制している。
本発明に係る液体噴出容器は、口部を有する容器本体と、下端の吸込み口が前記口部から容器本体内に挿入されて容器本体に固定されたシリンダと、前記シリンダに回動可能に取り付けられた回動環と、前記回動環に取り付けられ上部に吐出弁が設けられ下部開口が前記シリンダ内に位置する吐出管と、前記シリンダ内に配置されると共に前記吐出管に液密に外嵌して上下摺動可能に設けられ付勢機構により下方に付勢された筒状のプランジャと、前記回動環とプランジャとの間に設けられ回動環のシリンダに対する回転動作をプランジャのシリンダに対する上昇動作に変換する変換機構と、前記吐出弁に連結され下方に押し下げ可能になっていて押し下げ動作により吐出弁を開弁させて噴出ノズルから内容液を噴出可能な噴出ヘッドと、前記シリンダの内周面とプランジャの外周面との間に設けられプランジャが最下限位置に位置した時にはプランジャ内側の加圧室に連通しプランジャが最下限位置から外れて位置した時には前記加圧室から遮断される液圧逃がし通路と、前記シリンダの内周面とプランジャの外周面との間に設けられ外気導入可能な空気流入通路と、前記シリンダの周壁に形成され前記容器本体の内部と液圧逃がし通路とを連通する等圧孔と、前記液圧逃がし通路と空気流入通路との間に設けられ、前記等圧孔を開閉すると共に、前記プランジャの外周面に圧接摺動して液圧逃がし通路と空気流入通路との間を開閉する等圧弁と、を備える液体噴出容器であって、前記シリンダとの間で前記等圧弁を上下方向に挟み等圧弁をシリンダに固定する固定具を備え、前記等圧弁には、前記プランジャがシリンダ内の最下限位置に位置した時に該プランジャに下方から直接、当接する緩衝部が一体に形成され、前記緩衝部は、前記固定具よりも上方に突出して形成され、前記緩衝部は、前記固定具よりも高い軟性を具備していることを特徴とする。
また、緩衝部が等圧弁に一体に形成されていることから部品点数を増やさずに済むので、この液体噴出容器を容易に組み立てられ低コストで製造することができる。
従って、等圧弁をシリンダに強固に固定しつつ、プランジャ下降時の衝突音を抑制することができる。
図1に示すように、液体噴霧容器(液体噴出容器)1は、有底筒状に形成された容器本体10を備え、容器本体10は、内部に内容液が充填された胴部11と、外周面に雄ねじが設けられた口部12とを有している。
なお、以下では、容器本体10の中心軸を容器軸Oと称し、この容器軸O方向に沿って口部12側を上側、図示しない底部側を下側と称し、この容器軸O方向に沿った方向を上下方向と称し、この容器軸Oに直交する方向を径方向と称する。
また、第4筒部24の上下方向における略中央からは、ネジ筒部25が外側下方に延びている。このネジ筒部25の内周面には雌ねじが設けられており、シリンダ20は、ネジ筒部25を容器本体10の口部12に螺合して容器本体10に固定されている。なお、口部12の上端面とネジ筒部25との間にはパッキン13が挟装されている。
第1筒部21の内側は、前記吸込み口21aになっていて、第1筒部21内には、下端を容器本体10の底部近傍に延ばした吸込管28が嵌着されている。また、第1筒部21の上端、即ち第2筒部22の下端には吸込弁29が取り付けられている。
吸込弁29は、弁座部26に当接離反可能な弁体29aを有し、弁体29aが弁座部26に着座して閉弁となり、弁座部26から上方に離反して開弁となる。
第4筒部24の外側には、容器軸Oと同軸に配置された回動環40が容器軸O回りに回動可能で上下方向に移動不能に取り付けられている。回動環40は、上端にネック筒部41を有しており、ネック筒部41の下部に、上部に吐出弁51が設けられ下部開口がシリンダ20内に位置する吐出管50が固定されている。
出口管53の上端には、吐出弁51に連結され下方に押し下げ可能になっていて押し下げ動作により吐出弁51を開弁させて噴霧ノズル(噴出ノズル)56aから内容液を噴出可能な噴霧ヘッド(噴出ヘッド)56が固定されている。図示の例では、噴霧ヘッド56は、ネック筒部41に、このネック筒部41の外周面に沿って下降可能に外嵌されている。また、噴霧ヘッド56の外周面に設けられた前記噴霧ノズル56aは、噴霧ヘッド56内に設けられた通路を介して出口管53内に連通している。
吐出管50は、容器軸Oと同軸に配置されていると共に先部がシリンダ20内に挿入されており、その先端がシリンダ20の第3筒部23の内側に配されている。
駆動筒部61は、下筒部63と、上筒部64と、これらを連結する環板部65とを有し、環板部65は下筒部63よりも若干内方に延びて、その内端縁が上下両方向に突出している。
また、シリンダ20と吸込弁29と吐出管50とプランジャ60とによって囲まれた空間は加圧室93となっている。
プランジャ60の上筒部64の外周面には、容器軸O回りに互いに間隔をあけて形成された垂直溝70bと、容器軸O回りで隣接する垂直溝70bの上端と下端とを連結する傾斜溝70aとからなる断面半円形のカム溝70が、容器軸O回りの全周に亘って設けられている。このカム溝70及びシリンダ20の縦溝31それぞれには、ボール71が回動可能に係合している。即ち、ボール71の半分はカム溝70に挿入され、残りの半分が縦溝31に挿入されている。
以上に示した構成においては、ボール71が傾斜溝70aの上端に係合している状態で回動環40を容器本体10に対して回転させると、図2に示すように、ボール71が傾斜溝70aを相対的に下っていき、つまりプランジャ60が上昇する。この際、プランジャ60がスプリング47を弾性圧縮する。そして、図3に示すように、ボール71がカム溝70の傾斜溝70aの下端から垂直溝70bの下端に移行すると、スプリング47の弾性復元力によってプランジャ60は下降可能となる。プランジャ60が下降すると、ボール71は垂直溝70bを相対的に上昇することとなり、最終的に隣接する傾斜溝70aの上端に達する。
なお、図示の例では、中継部材42の頂板部46には、この頂板部46を貫通する複数の空気孔46aが、容器軸O回りに沿って互いに間隔をあけて形成されている。また、頂板部46の内縁部には、吐出管50の上部が掛止されている。
液圧逃がし通路91は、プランジャ60のテーパー筒部67aがスリーブ30の大径筒部30aの側方に位置している時に加圧室93に連通し、図2及び図3に示すように、テーパー筒部67aが小径筒部30bに圧接している時に加圧室93から遮断される。即ち、液圧逃がし通路91は、プランジャ60が最下限位置に位置した時には加圧室93に連通しプランジャ60が最下限位置から外れて位置した時には加圧室93から遮断される。
図1に示すように、空気流入通路92は、プランジャ60の駆動筒部61とシリンダ20の第4筒部24との間の隙間、カム溝70、シリンダ20の縦溝31、中継部材42の空気孔46a等を介して外部に連通して外気導入可能となっている。
また、閉弁状態にある第3弁部83は、液圧逃がし通路91内の圧力と空気流入通路92内の圧力との圧力差によって開閉するようになっていて、液圧逃がし通路91から空気流入通路92への流通を阻止し、空気流入通路92から液圧逃がし通路91への流通のみを許容する逆止弁として機能する。
また、本実施形態では、シリンダ20との間で等圧弁80を上下方向に挟み等圧弁80をシリンダ20に固定する固定具86が備えられている。図示の例では、固定具86は、容器軸Oと同軸に配置された円環状に形成され、シリンダ20の内周面との間で等圧弁80を挟んでいる。また、固定具86は、第3筒部23及びシール筒部30cそれぞれの上端縁との間で等圧弁80を挟む円環状の第1固定部87と、第1固定部87の外周縁部から下方に向けて延設され弁本体84の外周面と第4筒部24の内周面との隙間に挿入された筒状の第2固定部88と、を備えている。
緩衝部89は、筒状に形成されると共に、弁本体84の内周縁部から、第1固定部87と下筒部63の上側部分との間の隙間を通って上方に向けて突出している。また、緩衝部89の内周面とプランジャ60の外周面との間には、僅かに隙間があいている。そして、緩衝部89は、プランジャ60の環板部65の下面を支持している。
また、緩衝部89は、固定具86よりも高い軟性を具備している。また、本実施形態では、緩衝部89は、等圧弁80と同一の材質で形成されており、例えば軟質樹脂やゴム等の弾性部材(弾性体)で形成されている。
〈非加圧状態〉
図1に示すように、液体噴霧容器1の非使用時の状態である非加圧状態においては、吸込弁29及び吐出弁51が閉弁状態になっており、プランジャ60が最下限位置に位置して緩衝部89に下方から当接されて支持されていると共に、押さえ脚部68が吸込弁29の弁体29aを上から押圧している。また、液圧逃がし通路91は加圧室93に連通している。
なお、吐出弁51については、この後、噴霧ヘッド56を押し下げない限り、閉弁状態に維持される。
前記非加圧状態から回動環40を容器本体10に対して回転させると、プランジャ60がスプリング47を圧縮しながら上昇する。プランジャ60の上昇により押さえ脚部68は吸込弁29の弁体29aから離反し、弁体29aは開弁可能になる。
最下限位置からプランジャ60のテーパー筒部67aがスリーブ30の小径筒部30bに圧接する直前までのプランジャ60の移動範囲を下部移動域と称する。この下部移動域においては、等圧弁80の第2弁部82及び第3弁部83は両方ともプランジャ60の下筒部63の上側部分に液密に圧接しており、液圧逃がし通路91と空気流入通路92との間を遮断し続ける。
また、プランジャ60の下筒部63の上側部分は、等圧弁80の第2弁部82に液密に圧接されながら摺動し、その結果、液圧逃がし通路91と空気流入通路92は第2弁部82によって遮断された状態に保持される。
なお、テーパー筒部67aがスリーブ30の小径筒部30bに圧接し始めるのとほぼ同時に、等圧弁80の第3弁部83の先端シール部が下筒部63の下側部分を摺動し、第3弁部83が開弁状態になる。
回動環40の回転によりボール71がカム溝70における傾斜溝70aの下端近傍に達すると、プランジャ60の下筒部63の上側部分が等圧弁80の第2弁部82から離脱して下筒部63の下側部分を第2弁部82が摺動すると共に、プランジャ60のスカート部62のシール脚筒部67が第3弁部83の先端シール部に圧接し始める。この位置から最上限位置までのプランジャ60の移動範囲を上部移動域と称する。
また、ポンプアップ終了と同時に、等圧弁80の第1弁部81がシール筒部30cに圧接して閉弁し、第3弁部83がシール脚筒部67に圧接して閉弁する。従って、この状態で万が一に液体噴霧容器1を横転させたとしても内容液が液体噴霧容器1の外へ漏洩することはない。
前述のように内容液をポンプアップした後、図5に示すように、噴霧ヘッド56を押し下げると、吐出弁51が開弁し、加圧室93が噴霧ノズル56aに連通して、加圧室93の密閉が破られる。その結果、スプリング47の弾性復元力によりプランジャ60が下降し、加圧室93内の内容液が噴霧ノズル56aから噴霧される。なお、プランジャ60の下降時、ボール71はカム溝70の垂直溝70bをプランジャ60に対して相対的に上昇することとなる。
プランジャ60が下降してその下筒部63の上側部分が等圧弁80の第2弁部82に圧接し始めると、即ちプランジャ60が上部移動域を脱すると液圧逃がし通路91は密閉されるので、それ以降はプランジャ60のテーパー筒部67aがスリーブ30の小径筒部30bから離脱するまでの間、即ち下部移動域に達するまでの間、プランジャ60の下降に伴い液圧逃がし通路91は減圧されて若干負圧化する。
プランジャ60のテーパー筒部67aがスリーブ30の小径筒部30bから離脱して大径筒部30aの側方に位置するようになると、即ちプランジャ60が下部移動域に入ると、液圧逃がし通路91が加圧室93に連通するため液圧逃がし通路91内に加圧室93内の正圧が伝達される。
以上で、液体噴霧容器1からの内容液の吐出が終了する。
まず、内容液が充填されている場合と同様に、回動環40を回転させることにより、ボール71がカム溝70における傾斜溝70aに沿って漸次移動し、この移動に伴いプランジャ60が最下限位置から最上限位置まで漸次上昇する。
そして、ボール71が傾斜溝70aの下端に到達すると、回動環40の回転が停止される。
すると、等圧弁80に緩衝部89が形成されていることから、プランジャ60は、この最下限位置まで下降したときに環板部65が緩衝部89に接触する。従って、プランジャ60下降時の衝突音や衝撃を抑制することができる。
従って、等圧弁80をシリンダ20に強固に固定しつつ、プランジャ60下降時の衝突音を抑制することができる。
例えば、前記実施形態では、固定具86及び押さえ脚部68をそれぞれ備えるものとしたが、押さえ脚部68が無くても良く、また、本発明の参考例では、固定具86が無くても良い。
また、変換機構75は、回動環40とプランジャ60との間に設けられ回動環40の回転動作をプランジャ60の上昇動作に変換するものであれば、前記実施形態に示したものに限られない。
更に、緩衝部89は、プランジャ60がシリンダ20内の最下限位置に位置した時に該プランジャ60に下方から当接すると共に等圧弁80に一体に形成されていれば良く、例えば容器軸O回りに複数形成された弾性片や、その他の形状で構成してもよく、その形態は前記実施形態に示したものに限定されない。
10 容器本体
20 シリンダ
21a 吸込み口
23 第3筒部(シリンダの周壁)
27 等圧孔
29 吸込弁
40 回動環
50 吐出管
51 吐出弁
56 噴霧ヘッド(噴出ヘッド)
56a 噴霧ノズル(噴出ノズル)
60 プランジャ
80 等圧弁
86 固定具
89 緩衝部
91 液圧逃がし通路
92 空気流入通路
93 加圧室
Claims (1)
- 口部を有する容器本体と、
下端の吸込み口が前記口部から容器本体内に挿入されて容器本体に固定されたシリンダと、
前記シリンダに回動可能に取り付けられた回動環と、
前記回動環に取り付けられ上部に吐出弁が設けられ下部開口が前記シリンダ内に位置する吐出管と、
前記シリンダ内に配置されると共に前記吐出管に液密に外嵌して上下摺動可能に設けられ付勢機構により下方に付勢された筒状のプランジャと、
前記回動環とプランジャとの間に設けられ回動環のシリンダに対する回転動作をプランジャのシリンダに対する上昇動作に変換する変換機構と、
前記吐出弁に連結され下方に押し下げ可能になっていて押し下げ動作により吐出弁を開弁させて噴出ノズルから内容液を噴出可能な噴出ヘッドと、
前記シリンダの内周面とプランジャの外周面との間に設けられプランジャが最下限位置に位置した時にはプランジャ内側の加圧室に連通しプランジャが最下限位置から外れて位置した時には前記加圧室から遮断される液圧逃がし通路と、
前記シリンダの内周面とプランジャの外周面との間に設けられ外気導入可能な空気流入通路と、
前記シリンダの周壁に形成され前記容器本体の内部と液圧逃がし通路とを連通する等圧孔と、
前記液圧逃がし通路と空気流入通路との間に設けられ、前記等圧孔を開閉すると共に、前記プランジャの外周面に圧接摺動して液圧逃がし通路と空気流入通路との間を開閉する等圧弁と、
を備える液体噴出容器であって、
前記シリンダとの間で前記等圧弁を上下方向に挟み等圧弁をシリンダに固定する固定具を備え、
前記等圧弁には、前記プランジャがシリンダ内の最下限位置に位置した時に該プランジャに下方から直接、当接する緩衝部が一体に形成され、
前記緩衝部は、前記固定具よりも上方に突出して形成され、
前記緩衝部は、前記固定具よりも高い軟性を具備していることを特徴とする液体噴出容器。
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