JP5448475B2 - 液体噴出容器 - Google Patents

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Description

本発明は、液体噴出容器に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような、口部を有する容器本体と、下端の吸込み口が前記口部から容器本体内に挿入されて容器本体に固定されたシリンダと、シリンダに回動可能に取り付けられた回動環と、回動環に取り付けられ上部に吐出弁が設けられ下部開口がシリンダ内に位置する吐出管と、シリンダ内に配置されると共に吐出管に液密に外嵌して上下摺動可能に設けられ付勢機構により下方に付勢された筒状のプランジャと、回動環とプランジャとの間に設けられ回動環のシリンダに対する回転動作をプランジャのシリンダに対する上昇動作に変換する変換機構と、吐出弁に連結され下方に押し下げ可能になっていて押し下げ動作により吐出弁を開弁させて噴出ノズルから内容液を噴出可能な噴出ヘッドと、シリンダの内周面とプランジャの外周面との間に設けられプランジャが最下限位置に位置した時にはプランジャ内側の加圧室に連通しプランジャが最下限位置から外れて位置した時には加圧室から遮断される液圧逃がし通路と、シリンダの内周面とプランジャの外周面との間に設けられ外気導入可能な空気流入通路と、シリンダの周壁に形成され容器本体の内部と液圧逃がし通路とを連通する等圧孔と、液圧逃がし通路と空気流入通路との間に設けられ、等圧孔を開閉すると共に、プランジャの外周面に圧接摺動して液圧逃がし通路と空気流入通路との間を開閉する等圧弁と、を備える液体噴出容器が知られている。
また、前記液体噴出容器は、シリンダとの間で等圧弁を上下方向に挟み等圧弁をシリンダに固定する固定具を更に備え、固定具は、プランジャを下方から支持する構成とされている。
ところで、この種の液体噴出容器において、容器本体に内容液が充填されていない状態で回動環を回転させて変換機構によりプランジャを上昇させた場合には、加圧室内に内容液が充填されることがないため加圧室が密閉状態にならず加圧されない。そのため、変換機構による上昇動作を終えたプランジャは、付勢機構の下方付勢力に抗することなく最下限位置まで一気に下降してしまう。そしてこの際、プランジャが固定具に衝突して衝突音が発生する。
そこで、下記特許文献1に示される液体噴出容器では、プランジャと固定具との間に緩衝用のダンパーシートを介装して衝突音を抑制している。
特許第3595016号公報
しかしながら、前述のようにダンパーシートを採用した場合には部品点数が増加することから、組み立てに手間がかかると共に製造コストがかかるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、上昇されたプランジャが最下限位置に下降した時に発生する衝突音及び衝撃を抑制した上で、容易に組み立てられ低コストで製造することができる液体噴出容器を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る液体噴出容器は、口部を有する容器本体と、下端の吸込み口が前記口部から容器本体内に挿入されて容器本体に固定されたシリンダと、前記シリンダに回動可能に取り付けられた回動環と、前記回動環に取り付けられ上部に吐出弁が設けられ下部開口が前記シリンダ内に位置する吐出管と、前記シリンダ内に配置されると共に前記吐出管に液密に外嵌して上下摺動可能に設けられ付勢機構により下方に付勢された筒状のプランジャと、前記回動環とプランジャとの間に設けられ回動環のシリンダに対する回転動作をプランジャのシリンダに対する上昇動作に変換する変換機構と、前記吐出弁に連結され下方に押し下げ可能になっていて押し下げ動作により吐出弁を開弁させて噴出ノズルから内容液を噴出可能な噴出ヘッドと、前記シリンダの内周面とプランジャの外周面との間に設けられプランジャが最下限位置に位置した時にはプランジャ内側の加圧室に連通しプランジャが最下限位置から外れて位置した時には前記加圧室から遮断される液圧逃がし通路と、前記シリンダの内周面とプランジャの外周面との間に設けられ外気導入可能な空気流入通路と、前記シリンダの周壁に形成され前記容器本体の内部と液圧逃がし通路とを連通する等圧孔と、前記液圧逃がし通路と空気流入通路との間に設けられ、前記等圧孔を開閉すると共に、前記プランジャの外周面に圧接摺動して液圧逃がし通路と空気流入通路との間を開閉する等圧弁と、を備える液体噴出容器であって、前記シリンダとの間で前記等圧弁を上下方向に挟み等圧弁をシリンダに固定する固定具を備え、前記等圧弁には、前記プランジャがシリンダ内の最下限位置に位置した時に該プランジャに下方から直接、当接する緩衝部が一体に形成され、前記緩衝部は、前記固定具よりも上方に突出して形成され、前記緩衝部は、前記固定具よりも高い軟性を具備していることを特徴とする。
この発明によれば、等圧弁に前記緩衝部が形成されていることから、回動環を回転させることで上昇したプランジャが付勢機構により最下限位置まで一気に下降しても緩衝部に接触するので、プランジャ下降時の衝突音及び衝撃を抑制することができる。
また、緩衝部が等圧弁に一体に形成されていることから部品点数を増やさずに済むので、この液体噴出容器を容易に組み立てられ低コストで製造することができる。
また、前記固定具を備えているので、等圧弁をシリンダに強固に固定することができる。また、緩衝部が固定具よりも上方に突出しているので、上昇したプランジャが付勢機構により最下限位置まで一気に下降したときに固定具に衝突するおそれが無い。
従って、等圧弁をシリンダに強固に固定しつつ、プランジャ下降時の衝突音を抑制することができる。
本発明に係る液体噴出容器によれば、上昇されたプランジャが最下限位置に下降した時に発生する衝突音を抑制した上で、容易に組み立てられ低コストで製造することができる。
本発明の一実施形態に係る液体噴出容器の非加圧時における要部の半断面図である。 図1に示す液体噴出容器のポンプアップ開始時における要部の半断面図である。 図1に示す液体噴出容器のポンプアップ終了時における要部の半断面図である。 図1に示す液体噴出容器の等圧弁近傍の部分拡大図である。 図1に示す液体噴出容器の噴出動作時における要部の半断面図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、液体噴霧容器(液体噴出容器)1は、有底筒状に形成された容器本体10を備え、容器本体10は、内部に内容液が充填された胴部11と、外周面に雄ねじが設けられた口部12とを有している。
なお、以下では、容器本体10の中心軸を容器軸Oと称し、この容器軸O方向に沿って口部12側を上側、図示しない底部側を下側と称し、この容器軸O方向に沿った方向を上下方向と称し、この容器軸Oに直交する方向を径方向と称する。
口部12には、下端の吸込み口21aがこの口部12から容器本体10内に挿入されたシリンダ20が固定されている。図示の例では、シリンダ20は、容器軸Oと同軸に配置された多段の筒状に形成され、下から順に第1筒部21、第2筒部22、第3筒部23、第4筒部24が連設されており、これら筒部は上位に位置するものに従って内径及び外径がそれぞれ大きくなっていている。
また、第4筒部24の上下方向における略中央からは、ネジ筒部25が外側下方に延びている。このネジ筒部25の内周面には雌ねじが設けられており、シリンダ20は、ネジ筒部25を容器本体10の口部12に螺合して容器本体10に固定されている。なお、口部12の上端面とネジ筒部25との間にはパッキン13が挟装されている。
第1筒部21と第2筒部22との間には、環状の弁座部26が設けられており、第3筒部(シリンダの周壁)23の下端には複数の等圧孔27が開口している。
第1筒部21の内側は、前記吸込み口21aになっていて、第1筒部21内には、下端を容器本体10の底部近傍に延ばした吸込管28が嵌着されている。また、第1筒部21の上端、即ち第2筒部22の下端には吸込弁29が取り付けられている。
吸込弁29は、弁座部26に当接離反可能な弁体29aを有し、弁体29aが弁座部26に着座して閉弁となり、弁座部26から上方に離反して開弁となる。
第2筒部22の内側には、筒状のスリーブ30が固定されている。スリーブ30は、下部を大径筒部30aとすると共に、上部を小径筒部30bとしており、小径筒部30bは、大径筒部30aよりも内径が小さくなっている。また、小径筒部30bの上端からは、シール筒部30cが上方に起立している。また、小径筒部30bの上端は、第2筒部22の上縁に掛止されており、シール筒部30cは、等圧孔27から離間して配されている。図示の例では、シール筒部30cの上端の位置は、第3筒部23の上端の位置と一致している。更に、シール筒部30cの上端部には、複数の溝部30dが容器軸O回りに間隔をあけて形成されている。なお、スリーブ30はシリンダ20の一部をなすものである。
第4筒部24のほぼ上半分の内周面には、容器軸O回りに互いに等しい間隔をあけて断面半円形の縦溝31が複数設けられており、第4筒部24の外周面には、係合突起24aが外方に突出して設けられている。
第4筒部24の外側には、容器軸Oと同軸に配置された回動環40が容器軸O回りに回動可能で上下方向に移動不能に取り付けられている。回動環40は、上端にネック筒部41を有しており、ネック筒部41の下部に、上部に吐出弁51が設けられ下部開口がシリンダ20内に位置する吐出管50が固定されている。
吐出弁51は、吐出管50の上部開口を塞ぐように取り付けられている。また、吐出弁51は、入口管52と出口管53と弁体54とスプリング55とを主要構成とし、入口管52が吐出管50に連通している。
出口管53の上端には、吐出弁51に連結され下方に押し下げ可能になっていて押し下げ動作により吐出弁51を開弁させて噴霧ノズル(噴出ノズル)56aから内容液を噴出可能な噴霧ヘッド(噴出ヘッド)56が固定されている。図示の例では、噴霧ヘッド56は、ネック筒部41に、このネック筒部41の外周面に沿って下降可能に外嵌されている。また、噴霧ヘッド56の外周面に設けられた前記噴霧ノズル56aは、噴霧ヘッド56内に設けられた通路を介して出口管53内に連通している。
スプリング55は、出口管53を上方に付勢して弁体54を閉弁位置に位置させている。この吐出弁51においては、噴霧ヘッド56を下方に押して出口管53をスプリング55の弾性に抗して押し下げると、弁体54が開弁して入口管52と出口管53とが連通し、その結果、噴霧ノズル56aが吐出管50に連通するようになっている。そして、噴霧ヘッド56から手を離すとスプリングバックして弁体54が閉弁位置に復帰するようになっている。
吐出管50は、容器軸Oと同軸に配置されていると共に先部がシリンダ20内に挿入されており、その先端がシリンダ20の第3筒部23の内側に配されている。
シリンダ20と吐出管50との間には、容器軸Oと同軸に配置された筒状のプランジャ60が吐出管50に液密に外嵌して上下摺動可能に取り付けられている。プランジャ60は、駆動筒部61とスカート部62とを備えている。
駆動筒部61は、下筒部63と、上筒部64と、これらを連結する環板部65とを有し、環板部65は下筒部63よりも若干内方に延びて、その内端縁が上下両方向に突出している。
下筒部63の外径は、前記スリーブ30の小径筒部30bの内径よりも若干小径となっている。また、下筒部63の外周面には、下方に向けて開口すると共に上下方向に延在する連通溝60aが形成されている。なお、連通溝60aは、前記外周面に1つのみ形成されていても良く、また、容器軸O回りに互いに間隔をあけて複数形成されていても良い。また以下では、下筒部63において上下方向に沿って連通溝60aが形成されている部分を下筒部63の下側部分と称し、下筒部63において前記下側部分よりも上側の部分を上側部分と称する。
また、下筒部63の内側には、スカート部62が固定されている。スカート部62は、下筒部63に内嵌固定された支持筒部66と、支持筒部66から外方に且つ下方に延びるシール脚筒部67と、支持筒部66の下方延長上に延びる複数の押さえ脚部68、とを備えている。
支持筒部66の内径は、前記環板部65の内径と同径に形成されていて、吐出管50の外径よりも僅かに大径にされている。支持筒部66の上部内縁端と環板部65の下向き内縁端との間にはゴム製のシールリング69が挟装されており、シールリング69は、駆動筒部61とスカート部62と吐出管50との間を液密にシールしつつ、吐出管50の外周面を圧接摺動するようにされている。
シール脚筒部67は、駆動筒部61の下筒部63の下方に配されていて外径が該下筒部63の外径とほぼ同径に形成されており、シール脚筒部67の下端部は、下方に向かって拡径するテーパー筒部67aにされている。テーパー筒部67aの下端外径は、前記スリーブ30の大径筒部30aの内径よりも小径で、テーパー筒部67aと大径筒部30aとの間に隙間があいている。また、前記下端外径は、小径筒部30bの内径とほぼ同径か若干大径で、テーパー筒部67aは、小径筒部30bの外周面を圧接摺動するようにされている。
押さえ脚部68は、隣り合う押さえ脚部68の間に隙間を有して形成されており、各押さえ脚部68は、プランジャ60が最下限位置に位置した時に吸込弁29の弁体29aを上から押圧し、弁座部26と協働して弁体29aの開弁を阻止するようにされている。
また、シリンダ20と吸込弁29と吐出管50とプランジャ60とによって囲まれた空間は加圧室93となっている。
前記回動環40とプランジャ60との間には、回動環40のシリンダ20に対する回転動作をプランジャ60のシリンダ20に対する上昇動作に変換する変換機構75が設けられている。以下、この変換機構75について説明する。
プランジャ60の上筒部64の外周面には、容器軸O回りに互いに間隔をあけて形成された垂直溝70bと、容器軸O回りで隣接する垂直溝70bの上端と下端とを連結する傾斜溝70aとからなる断面半円形のカム溝70が、容器軸O回りの全周に亘って設けられている。このカム溝70及びシリンダ20の縦溝31それぞれには、ボール71が回動可能に係合している。即ち、ボール71の半分はカム溝70に挿入され、残りの半分が縦溝31に挿入されている。
また、プランジャ60は、中継部材42によって回動環40に相対回転不能で上下方向に相対移動可能に連結されている。即ち、中継部材42は、外側下延筒部43と内側下延筒部44と上延筒部45とが頂板部46によって連結されて構成されており、外側下延筒部43の内周面に設けられた突起43aをシリンダ20の第4筒部24の前記係合突起24aに掛止させてシリンダ20に対して相対回転可能に取り付けられている。更に中継部材42は、上延筒部45の係合突条45aを回動環40の係合溝40aに係合することによって、回動環40と同期回転するようにされている。一方、中継部材42は、内側下延筒部44の外周面に設けた縦突条44aを駆動筒部61の上筒部64の内周面に設けた縦溝64aに係合することによって、プランジャ60に対して相対回転不能で上下方向に相対移動可能に連結されている。
プランジャ60は、中継部材42との間に介装されたスプリング(付勢機構)47によって下方に付勢されている。従って、前記ボール71は、回動環40を回動操作する間において常にシリンダ20の縦溝31の下端に係合し、カム溝70の上壁面に係合している。
以上に示した構成においては、ボール71が傾斜溝70aの上端に係合している状態で回動環40を容器本体10に対して回転させると、図2に示すように、ボール71が傾斜溝70aを相対的に下っていき、つまりプランジャ60が上昇する。この際、プランジャ60がスプリング47を弾性圧縮する。そして、図3に示すように、ボール71がカム溝70の傾斜溝70aの下端から垂直溝70bの下端に移行すると、スプリング47の弾性復元力によってプランジャ60は下降可能となる。プランジャ60が下降すると、ボール71は垂直溝70bを相対的に上昇することとなり、最終的に隣接する傾斜溝70aの上端に達する。
このようにプランジャ60が回動環40に対して相対回転不能で上下方向に相対移動可能に連繋され、シリンダ20とプランジャ60とが縦溝31とカム溝70とボール71で構成されたカム機構によって連繋されているので、回動環40を容器本体10に対して回転させることによってプランジャ60をスプリング47の弾性に抗して上昇させることができ、その後、スプリング47の弾性復元力によってプランジャ60を下降させることができる。
なお、図示の例では、中継部材42の頂板部46には、この頂板部46を貫通する複数の空気孔46aが、容器軸O回りに沿って互いに間隔をあけて形成されている。また、頂板部46の内縁部には、吐出管50の上部が掛止されている。
図1及び図4に示すように、シリンダ20の第3筒部23の上端には、等圧弁80が配置されている。図4に示すように、等圧弁80は、容器軸Oと同軸の円環状に形成されると共に下面が第3筒部23及びシール筒部30cそれぞれの上端縁に当接されて支持された弁本体84と、シール筒部30cに対して当接離反する第1弁部81と、下筒部63の外周面上を摺動する第2弁部82と、プランジャ60に対して当接離反する第3弁部83と、を備えている。また、等圧弁80は、例えば軟質樹脂やゴム等の弾性部材(弾性体)で形成されている。
図1に示すように、シリンダ20とプランジャ60との間には、等圧弁80を間に挟んで下側に液圧逃がし通路91が形成され、上側に空気流入通路92が形成されている。
液圧逃がし通路91は、プランジャ60のテーパー筒部67aがスリーブ30の大径筒部30aの側方に位置している時に加圧室93に連通し、図2及び図3に示すように、テーパー筒部67aが小径筒部30bに圧接している時に加圧室93から遮断される。即ち、液圧逃がし通路91は、プランジャ60が最下限位置に位置した時には加圧室93に連通しプランジャ60が最下限位置から外れて位置した時には加圧室93から遮断される。
また、液圧逃がし通路91は、第3筒部23に形成された前記等圧孔27を通して容器本体10の内部と連通可能となっている。
図1に示すように、空気流入通路92は、プランジャ60の駆動筒部61とシリンダ20の第4筒部24との間の隙間、カム溝70、シリンダ20の縦溝31、中継部材42の空気孔46a等を介して外部に連通して外気導入可能となっている。
第1弁部81は、弁本体84から下方に延びると共に容器軸Oと同軸の筒状をなし、下端部が前記スリーブ30のシール筒部30cの外周面に当接離反可能になっていて、シール筒部30cに着座して等圧孔27を閉塞し、シール筒部30cから離反して等圧孔27を開放するように動作する。図示の例では、第1弁部81の下端部は、シール筒部30cの外周面において、溝部30dよりも下側に位置する部分に当接離反可能となっている。そして、第1弁部81は、液圧逃がし通路91内の圧力と容器本体10内の圧力との圧力差によって動作して容器本体10内から液圧逃がし通路91への流通を阻止し、液圧逃がし通路91から容器本体10内への流通のみを許容する逆止弁として機能する。
第2弁部82は、弁本体84の内周面から径方向の内側に向けて突出する環状突部に形成されていて、図4に示すように、図示の例では、上下方向に間隔をあけて2つ形成されている。また、図1及び図2に示すように、第2弁部82は、駆動筒部61の下筒部63の上側部分の外周面に液密に圧接摺動するように形成されており、図3に示すように、下筒部63の下側部分を摺動する時には、前記連通溝63aを介して第2弁部82の上方と下方とが連通される。即ち、第2弁部82は、下筒部63の上側部分を摺動する時は閉弁状態であり、下筒部63の下側部分を摺動する時は開弁状態となる。
第3弁部83は、弁本体84において第1弁部81よりも径方向の内側から下方に延びると共に容器軸Oと同軸の筒状をなし、その先端部分が先端シール部となっている。第3弁部83の先端シール部は、図1及び図3に示すように、駆動筒部61の下筒部63の上側部分の外周面及びスカート部62におけるシール脚筒部67の外周面に液密に圧接摺動するように形成されている。また、図2に示すように、第3弁部83の先端シール部が下筒部63の下側部分を摺動する時には、前記連通溝63aを介して第3弁部83の上方と下方とが連通される。即ち、第3弁部83は、下筒部63の上側部分及びシール脚筒部67を摺動する時は閉弁状態であり、下筒部63の下側部分を摺動する時は開弁状態となる。
また、閉弁状態にある第3弁部83は、液圧逃がし通路91内の圧力と空気流入通路92内の圧力との圧力差によって開閉するようになっていて、液圧逃がし通路91から空気流入通路92への流通を阻止し、空気流入通路92から液圧逃がし通路91への流通のみを許容する逆止弁として機能する。
また、図4に示すように、図示の例では、弁本体84の外周面と第4筒部24の内周面との間には、隙間があいている。更に、弁本体84の上面には、上方に向けて位置決め筒部85が突設されている。
また、本実施形態では、シリンダ20との間で等圧弁80を上下方向に挟み等圧弁80をシリンダ20に固定する固定具86が備えられている。図示の例では、固定具86は、容器軸Oと同軸に配置された円環状に形成され、シリンダ20の内周面との間で等圧弁80を挟んでいる。また、固定具86は、第3筒部23及びシール筒部30cそれぞれの上端縁との間で等圧弁80を挟む円環状の第1固定部87と、第1固定部87の外周縁部から下方に向けて延設され弁本体84の外周面と第4筒部24の内周面との隙間に挿入された筒状の第2固定部88と、を備えている。
第1固定部87の内径は、下筒部63の外径よりも大きく、第1固定部87の外径は、第4筒部24の内径とほぼ等しくなっている。また、第1固定部87の下面には、前記位置決め筒部85に対応して形成された位置決め凹溝87aが、容器軸O回りに沿って全周に亘って形成されており、この位置決め凹溝87a内に、位置決め筒部85が挿入されている。また、第1固定部87の外周縁部の上端には、容器軸O回りの全周に亘って切り欠き部87bが形成されており、この切り欠き部87bは、第4筒部24の内周面において容器軸O回りの全域に亘って径方向の内側に向けて突設された環状突部である係止凸部24bにより上側から係止されている。
そして、本実施形態では、等圧弁80には、プランジャ60がシリンダ20内の最下限位置に位置した時にプランジャ60に下方から当接する緩衝部89が一体に形成されている。図示の例では、緩衝部89は、固定具86よりも上方に突出して形成されている。
緩衝部89は、筒状に形成されると共に、弁本体84の内周縁部から、第1固定部87と下筒部63の上側部分との間の隙間を通って上方に向けて突出している。また、緩衝部89の内周面とプランジャ60の外周面との間には、僅かに隙間があいている。そして、緩衝部89は、プランジャ60の環板部65の下面を支持している。
また、緩衝部89は、固定具86よりも高い軟性を具備している。また、本実施形態では、緩衝部89は、等圧弁80と同一の材質で形成されており、例えば軟質樹脂やゴム等の弾性部材(弾性体)で形成されている。
次に、この液体噴霧容器1の作用を説明する。始めに、容器本体10内に内容液が充填され、この液体噴霧容器1から内容液を噴霧する場合について説明する。
〈非加圧状態〉
図1に示すように、液体噴霧容器1の非使用時の状態である非加圧状態においては、吸込弁29及び吐出弁51が閉弁状態になっており、プランジャ60が最下限位置に位置して緩衝部89に下方から当接されて支持されていると共に、押さえ脚部68が吸込弁29の弁体29aを上から押圧している。また、液圧逃がし通路91は加圧室93に連通している。
等圧弁80の第1弁部81はシリンダ20におけるスリーブ30のシール筒部30cに圧接して液圧逃がし通路91と容器本体10とを遮断し、第2弁部82と第3弁部83はいずれもプランジャ60における下筒部63の上側部分に圧接して液圧逃がし通路91と空気流入通路92とを遮断している。
なお、吐出弁51については、この後、噴霧ヘッド56を押し下げない限り、閉弁状態に維持される。
〈ポンプアップ操作 − 前半〉
前記非加圧状態から回動環40を容器本体10に対して回転させると、プランジャ60がスプリング47を圧縮しながら上昇する。プランジャ60の上昇により押さえ脚部68は吸込弁29の弁体29aから離反し、弁体29aは開弁可能になる。
最下限位置からプランジャ60のテーパー筒部67aがスリーブ30の小径筒部30bに圧接する直前までのプランジャ60の移動範囲を下部移動域と称する。この下部移動域においては、等圧弁80の第2弁部82及び第3弁部83は両方ともプランジャ60の下筒部63の上側部分に液密に圧接しており、液圧逃がし通路91と空気流入通路92との間を遮断し続ける。
そして、図2に示すように、プランジャ60が下部移動域を脱して、プランジャ60のテーパー筒部67aがスリーブ30の小径筒部30bに圧接すると、それ以後のプランジャ60の上昇によって加圧室93が負圧となり、この負圧によって吸込弁29の弁体29aが弁座部26から離反して開弁し、その結果、容器本体10内の内容液が吸込管28を通り吸込み口21aから加圧室93内にポンプアップされる。
テーパー筒部67aはプランジャ60が最上限位置に至るまで、即ちポンプアップが完了するまで、スリーブ30の小径筒部30bを液密に圧接し続ける。
また、プランジャ60の下筒部63の上側部分は、等圧弁80の第2弁部82に液密に圧接されながら摺動し、その結果、液圧逃がし通路91と空気流入通路92は第2弁部82によって遮断された状態に保持される。
なお、テーパー筒部67aがスリーブ30の小径筒部30bに圧接し始めるのとほぼ同時に、等圧弁80の第3弁部83の先端シール部が下筒部63の下側部分を摺動し、第3弁部83が開弁状態になる。
内容液のポンプアップに伴い、容器本体10内は減圧されて負圧になり、この負圧によって等圧弁80の第1弁部81がスリーブ30のシール筒部30cから離反して開弁し、液圧逃がし通路91内の内容液は等圧孔27から容器本体10内に流れる。
〈ポンプアップ操作 − 後半〉
回動環40の回転によりボール71がカム溝70における傾斜溝70aの下端近傍に達すると、プランジャ60の下筒部63の上側部分が等圧弁80の第2弁部82から離脱して下筒部63の下側部分を第2弁部82が摺動すると共に、プランジャ60のスカート部62のシール脚筒部67が第3弁部83の先端シール部に圧接し始める。この位置から最上限位置までのプランジャ60の移動範囲を上部移動域と称する。
この上部移動域においては、等圧弁80の第2弁部82は開弁状態となり、第3弁部83は空気流入通路92から液圧逃がし通路91への流通を許容しその逆方向の流通を阻止する逆止弁として機能する。
ところで、前述したように液圧逃がし通路91は容器本体10内に連通しており負圧になっているので、この負圧により第3弁部83はシール脚筒部67から離反して開弁状態となる。その結果、空気流入通路92が液圧逃がし通路91及び等圧孔27を介して容器本体10内に連通し、大気がこれら通路を通って容器本体10内に流入し、容器本体10内が大気圧になる。この状態はプランジャ60が最上限位置に至るまで継続する。
そして、図3に示すように、ボール71が傾斜溝70aの下端、即ち垂直溝70bの下端に達すると、回動環40の回転は停止され、プランジャ60が最上限位置に位置することとなる。これにより、内容液のポンプアップは終了し、吸込弁29の弁体29aが弁座部26に着座して吸込弁29は閉弁する。
また、ポンプアップ終了と同時に、等圧弁80の第1弁部81がシール筒部30cに圧接して閉弁し、第3弁部83がシール脚筒部67に圧接して閉弁する。従って、この状態で万が一に液体噴霧容器1を横転させたとしても内容液が液体噴霧容器1の外へ漏洩することはない。
なお、吐出弁51が閉弁されている限り加圧室93は内容液で充填されているため密閉空間となるので、スプリング47の弾性復元力がプランジャ60に作用していても、このままではプランジャ60が下降することはない。
〈噴出操作〉
前述のように内容液をポンプアップした後、図5に示すように、噴霧ヘッド56を押し下げると、吐出弁51が開弁し、加圧室93が噴霧ノズル56aに連通して、加圧室93の密閉が破られる。その結果、スプリング47の弾性復元力によりプランジャ60が下降し、加圧室93内の内容液が噴霧ノズル56aから噴霧される。なお、プランジャ60の下降時、ボール71はカム溝70の垂直溝70bをプランジャ60に対して相対的に上昇することとなる。
プランジャ60の最下限位置への下降に伴い、液圧逃がし通路91内は負圧になるが、この負圧により等圧弁80の第3弁部83はシール脚筒部67から離反し開弁状態となるので、空気流入通路92から液圧逃がし通路91に大気が流入する。
プランジャ60が下降してその下筒部63の上側部分が等圧弁80の第2弁部82に圧接し始めると、即ちプランジャ60が上部移動域を脱すると液圧逃がし通路91は密閉されるので、それ以降はプランジャ60のテーパー筒部67aがスリーブ30の小径筒部30bから離脱するまでの間、即ち下部移動域に達するまでの間、プランジャ60の下降に伴い液圧逃がし通路91は減圧されて若干負圧化する。
〈噴出終了〉
プランジャ60のテーパー筒部67aがスリーブ30の小径筒部30bから離脱して大径筒部30aの側方に位置するようになると、即ちプランジャ60が下部移動域に入ると、液圧逃がし通路91が加圧室93に連通するため液圧逃がし通路91内に加圧室93内の正圧が伝達される。
その結果、液圧逃がし通路91内の圧力が容器本体10内の圧力よりも大きくなり、等圧弁80の第1弁部81がスリーブ30のシール筒部30cから離反し第1弁部81は開弁状態となって、加圧室93内の内容液(内圧)が液圧逃がし通路91及び等圧孔27を通って容器本体10内に流れ、これに伴い加圧室93内の圧力が急速に減圧されて、噴霧ノズル56aからの内容液の噴霧が止まる。なおこの際、プランジャ60は、環板部65が緩衝部89と接触して支持される。
以上で、液体噴霧容器1からの内容液の吐出が終了する。
次に、容器本体10に内容液が充填されていないとき、例えば内容液を使い切ったときに、非加圧状態から回動環40を容器本体10に対して回転させてポンプアップ操作する場合について説明する。
まず、内容液が充填されている場合と同様に、回動環40を回転させることにより、ボール71がカム溝70における傾斜溝70aに沿って漸次移動し、この移動に伴いプランジャ60が最下限位置から最上限位置まで漸次上昇する。
そして、ボール71が傾斜溝70aの下端に到達すると、回動環40の回転が停止される。
ここで、容器本体10に内容液が充填されていないことから、ポンプアップ操作の過程で加圧室93内が内容液で充填されることがなく加圧室93が密閉状態とならない。そのため、変換機構75による上昇動作を終えたプランジャ60は、スプリング47の弾性復元力に抗することなく最下限位置まで一気に下降する。
すると、等圧弁80に緩衝部89が形成されていることから、プランジャ60は、この最下限位置まで下降したときに環板部65が緩衝部89に接触する。従って、プランジャ60下降時の衝突音や衝撃を抑制することができる。
以上に示した液体噴霧容器1によれば、プランジャ60下降時の衝突音や衝撃を抑制することができる上、緩衝部89が等圧弁80に一体に形成されていることから部品点数を増やさずに済むので、この液体噴霧容器1を容易に組み立てられ低コストで製造することができる。
また、固定具86を備えているので、等圧弁80をシリンダ20に強固に固定することができる。また、緩衝部89が固定具86よりも上方に突出しているので、上昇したプランジャ60がスプリング47により最下限位置まで一気に下降したときに固定具86に衝突するおそれが無い。
従って、等圧弁80をシリンダ20に強固に固定しつつ、プランジャ60下降時の衝突音を抑制することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、固定具86及び押さえ脚部68をそれぞれ備えるものとしたが、押さえ脚部68が無くても良く、また、本発明の参考例では、固定具86が無くても良い
また、変換機構75は、回動環40とプランジャ60との間に設けられ回動環40の回転動作をプランジャ60の上昇動作に変換するものであれば、前記実施形態に示したものに限られない。
また、前記実施形態では、等圧弁80が第1弁部81、第2弁部82及び第3弁部83を備えるものとしたが、等圧孔27を開閉すると共に、プランジャ60の外周面に圧接摺動して液圧逃がし通路91と空気流入通路92との間を開閉するものであればこれに限られるのではない。
更に、緩衝部89は、プランジャ60がシリンダ20内の最下限位置に位置した時に該プランジャ60に下方から当接すると共に等圧弁80に一体に形成されていれば良く、例えば容器軸O回りに複数形成された弾性片や、その他の形状で構成してもよく、その形態は前記実施形態に示したものに限定されない。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 液体噴霧容器(液体噴出容器)
10 容器本体
20 シリンダ
21a 吸込み口
23 第3筒部(シリンダの周壁)
27 等圧孔
29 吸込弁
40 回動環
50 吐出管
51 吐出弁
56 噴霧ヘッド(噴出ヘッド)
56a 噴霧ノズル(噴出ノズル)
60 プランジャ
80 等圧弁
86 固定具
89 緩衝部
91 液圧逃がし通路
92 空気流入通路
93 加圧室

Claims (1)

  1. 口部を有する容器本体と、
    下端の吸込み口が前記口部から容器本体内に挿入されて容器本体に固定されたシリンダと、
    前記シリンダに回動可能に取り付けられた回動環と、
    前記回動環に取り付けられ上部に吐出弁が設けられ下部開口が前記シリンダ内に位置する吐出管と、
    前記シリンダ内に配置されると共に前記吐出管に液密に外嵌して上下摺動可能に設けられ付勢機構により下方に付勢された筒状のプランジャと、
    前記回動環とプランジャとの間に設けられ回動環のシリンダに対する回転動作をプランジャのシリンダに対する上昇動作に変換する変換機構と、
    前記吐出弁に連結され下方に押し下げ可能になっていて押し下げ動作により吐出弁を開弁させて噴出ノズルから内容液を噴出可能な噴出ヘッドと、
    前記シリンダの内周面とプランジャの外周面との間に設けられプランジャが最下限位置に位置した時にはプランジャ内側の加圧室に連通しプランジャが最下限位置から外れて位置した時には前記加圧室から遮断される液圧逃がし通路と、
    前記シリンダの内周面とプランジャの外周面との間に設けられ外気導入可能な空気流入通路と、
    前記シリンダの周壁に形成され前記容器本体の内部と液圧逃がし通路とを連通する等圧孔と、
    前記液圧逃がし通路と空気流入通路との間に設けられ、前記等圧孔を開閉すると共に、前記プランジャの外周面に圧接摺動して液圧逃がし通路と空気流入通路との間を開閉する等圧弁と、
    を備える液体噴出容器であって、
    前記シリンダとの間で前記等圧弁を上下方向に挟み等圧弁をシリンダに固定する固定具を備え、
    前記等圧弁には、前記プランジャがシリンダ内の最下限位置に位置した時に該プランジャに下方から直接、当接する緩衝部が一体に形成され、
    前記緩衝部は、前記固定具よりも上方に突出して形成され、
    前記緩衝部は、前記固定具よりも高い軟性を具備していることを特徴とする液体噴出容器。
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