JP6160895B2 - プラスチックボトル - Google Patents

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Description

本発明は、主として飲食品等の内容液を収容するプラスチックボトルに関する。
近時、飲食品等の内容液を収容するボトルとして、プラスチック製のものが一般化してきており、このようなプラスチックボトルは内容液を収容したのち積載される。
このような内容液を収容するプラスチックボトルは、全体として軽量化が求められている。また、一般に、プラスチックボトルに内容液を充填した後、内容液の比重が変化したり、内容液がプラスチックボトルの空寸部に存在する酸素を吸収したりするため、ボトル内部が減圧する現象が知られている。しかしながら、プラスチックボトルを軽量化した場合、その厚みが薄くなるため、このような減圧が生じた場合にプラスチックボトルが変形しやすくなってしまう。
特開2002−193229号公報 特開2003−285814号公報
一方、プラスチックボトルの胴部に減圧吸収パネルを設けることにより、プラスチックボトル内部の減圧を吸収する技術も知られている(特許文献1)。しかしながら、このような減圧吸収パネルを設けた場合、減圧吸収パネルの大きさの分、プラスチックボトルの容量が減少してしまうという問題がある。
また、プラスチックボトルの胴部に周状リブを等間隔に配置したものも知られているが(特許文献2)、このようなプラスチックボトルを軽量化した場合、ボトル内部の減圧を十分に吸収することは難しい。一方、周状リブを大きくすることも考えられるが、この場合、プラスチックボトルの容量が減少してしまうおそれがある。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、プラスチックボトルを軽量化した場合であっても、その容量を確保するとともに、ボトル内部の減圧による変形を防止することが可能なプラスチックボトルを提供することを目的とする。
本発明は、プラスチックボトルにおいて、口部と、肩部と、胴部と、底部とを備え、胴部は、中央部の中央水平方向溝を介して上半部と下半部とに区画され、胴部の上半部と下半部とに、それぞれ複数の水平方向溝が形成され、上半部および下半部にそれぞれ形成された複数の水平方向溝は、少なくとも2種類の深さの水平方向溝を含むことを特徴とするプラスチックボトルである。
本発明は、上半部および下半部にそれぞれ形成された複数の水平方向溝は、最大の深さをもつ第1水平方向溝と、中間の深さをもつ第2水平方向溝と、最小の深さをもつ第3水平方向溝とを含むことを特徴とするプラスチックボトルである。
本発明は、中央水平方向溝の深さは、第1水平方向溝の深さと同一であることを特徴とするプラスチックボトルである。
本発明は、中央水平方向溝、第1水平方向溝、第2水平方向溝および第3水平方向溝の開き角は、全て同一であることを特徴とするプラスチックボトルである。
本発明は、中央水平方向溝、第1水平方向溝、第2水平方向溝および第3水平方向溝の開き角は、40°〜90°であることを特徴とするプラスチックボトルである。
本発明は、胴部のうち水平方向溝が形成されていない領域は、肩部直下から底部直上まで均一の径を有することを特徴とするプラスチックボトルである。
本発明は、胴部の上半部と下半部とに形成された複数の水平方向溝は、中央水平方向溝を基準として上下対称に配置されていることを特徴とするプラスチックボトルである。
本発明によれば、胴部は、中央部の中央水平方向溝を介して上半部と下半部とに区画され、胴部の上半部と下半部とに、それぞれ複数の水平方向溝が形成され、上半部および下半部にそれぞれ形成された複数の水平方向溝は、少なくとも2種類の深さの水平方向溝を含む。このためプラスチックボトルを軽量化した場合であっても、その容量を確保するとともに、ボトル内部の減圧による変形を防止することができる。
図1は、本発明の一実施の形態によるプラスチックボトルを示す正面図。 図2は、本発明の一実施の形態によるプラスチックボトルを示す底面図。 図3(a)〜(c)は、それぞれ胴部の第1水平方向溝、第2水平方向溝および第3水平方向溝を示す垂直断面図。 図4(a)〜(b)は、それぞれプラスチックボトル内部を減圧する前と後とにおける、水平方向溝の垂直断面図。 図5は、比較例としてのプラスチックボトルを示す正面図。 図6は、比較例としてのプラスチックボトルを示す底面図。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1乃至図4は本発明の一実施の形態を示す図である。
まず、図1乃至図3により、本実施の形態によるプラスチックボトルの概要について説明する。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれプラスチックボトル10を正立させた状態(図1)における上方および下方のことをいう。
図1乃至図3に示すプラスチックボトル10は、射出成形により得られるプリフォームを準備し、このプリフォームに対して二軸延伸ブロー成形を施すことにより作製される。このようなプラスチックボトル10は、例えば450ml〜650mlの容積をもつ軽量のボトルからなっている。
プラスチックボトル10は、口部11と、口部11下方に設けられた肩部12と、肩部12下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。
このうち胴部20は、全体として円筒形状を有しており、その上下方向中央部に位置する中央水平方向溝21を介して上半部20Aと下半部20Bとに区画されている。これら上半部20Aと下半部20Bとには、それぞれ複数の水平方向溝22〜24が形成されている。
また、複数の水平方向溝22〜24は、少なくとも2種類の深さの水平方向溝を含んでいる。具体的には、水平方向溝22〜24は、最大の深さをもつ第1水平方向溝22と、中間の深さをもつ第2水平方向溝23と、最小の深さをもつ第3水平方向溝24とを含んでいる。なお、中央水平方向溝21の深さは、第1水平方向溝22の深さと同一である。
これら水平方向溝21〜24は、それぞれ胴部20の円周方向全周に延びており、その上下方向の幅は、それぞれ円周方向全周にわたって均一である。
この場合、胴部20の上半部20Aには、肩部12側から中央水平方向溝21側に向けて、第2水平方向溝23、第3水平方向溝24、第3水平方向溝24、第1水平方向溝22、第2水平方向溝23がこの順に形成されている。
一方、胴部20の下半部20Bには、底部30側から中央水平方向溝21側に向けて、第2水平方向溝23、第3水平方向溝24、第3水平方向溝24、第1水平方向溝22、第2水平方向溝23がこの順に形成されている。
このように、胴部20の上半部20Aと下半部20Bとに形成された第1水平方向溝22、第2水平方向溝23および第3水平方向溝24は、中央水平方向溝21を基準として(位置関係及び間隔の両方とも)上下対称に配置されている。これにより、プラスチックボトル10の内部が減圧した際、各水平方向溝21〜24によって、この減圧を上半部20Aと下半部20Bとで均等に吸収することができる。
なお、胴部20の上半部20Aおよび下半部20Bに形成された水平方向溝21〜24のうち、中央水平方向溝21および2本の第1水平方向溝22は、主として、プラスチックボトル10の内部が減圧した際、上下方向に収縮することにより、減圧を吸収する機能を発揮する。また、中央水平方向溝21および2本の第1水平方向溝22は、変形しやすい部分である胴部20の中央部周辺の強度を高める役割も果たしている。
中央水平方向溝21の上下に位置する2本の第2水平方向溝23は、主として、変形しやすい部分である胴部20の中央部周辺の強度を高める役割を果たす。また、この2本の第2水平方向溝23は、補助的に、上下方向に収縮することにより減圧を吸収する機能も発揮する。
4本の第3水平方向溝24は、主として、上半部20Aおよび下半部20Bのうち、上半部20Aおよび下半部20Bの中央領域周辺の強度を高め、この部分が水平方向に凹むことを防止する役割を果たす。また、この4本の第3水平方向溝24は、補助的に、上下方向に収縮することにより減圧を吸収する機能も発揮する。なお、第3水平方向溝24の深さが(例えば第1水平方向溝22又は第2水平方向溝23程度に)大きすぎないことにより、プラスチックボトル10の容量が減少することを防止することができる。
肩部12および底部30の近傍に各々設けられた2本の第2水平方向溝23は、主として、胴部20のうち比較的変形しやすい部分である肩部12および底部30周辺領域の強度を高める役割を果たす。
一方、胴部20のうち、水平方向溝21〜24が形成されていない領域は、円筒面25からなっている。すなわち、各水平方向溝21〜24同士の間には、円筒面25が形成されている。このように、胴部20は、各水平方向溝21〜24および円筒面25のみから構成されている。
この水平方向溝21〜24が形成されていない領域(円筒面25)は、肩部12の直下から底部30の直上まで均一の径を有している。これにより、プラスチックボトル10を自動販売機内で横向きに収納した際、隣接する他のプラスチックボトル10に対して広い面積で接触させることができるので、自動販売機内で胴部20が変形することを防止することができる。
一方、図2に示すように、底部30は、中央に位置する円形状の凹部31と、この凹部31から放射状に延びる放射状リブ32とを有している。なお、図2において、放射状リブ32の本数は7本であるが、これに限らず、例えば5本〜11本の範囲で設定しても良い。このように放射状リブ32を配置したことにより、底部30の強度を高め、底部30に変形が生じにくいようになっている。
次に、図3(a)〜(c)を用いて、水平方向溝21〜24の形状について更に説明する。なお、図3(a)は、中央水平方向溝21および第1水平方向溝22の垂直断面図であり、図3(b)は、第2水平方向溝23の垂直断面図であり、図3(c)は、第3水平方向溝24の垂直断面図である。
図3(a)に示すように、中央水平方向溝21および第1水平方向溝22は、複数の水平方向溝21〜24の中で最大の深さdをもつとともに最大の上下方向幅wを有している。
また、図3(b)に示すように、第2水平方向溝23は、第1水平方向溝22と第3水平方向溝24との中間の深さdをもつとともに中間の上下方向幅wを有している。なお、第2水平方向溝23の深さdは、中央水平方向溝21および第1水平方向溝22の深さdの20%〜90%とすることが好ましい。また、第2水平方向溝23の上下方向幅wは、中央水平方向溝21および第1水平方向溝22の上下方向幅wの20%〜90%とすることが好ましい。
さらに、図3(c)に示すように、第3水平方向溝24は、複数の水平方向溝21〜24の中で最小の深さdをもつとともに最小の上下方向幅wを有している。なお、第3水平方向溝24の深さdは、中央水平方向溝21および第1水平方向溝22の深さdの5%〜70%とすることが好ましい。また、第3水平方向溝24の上下方向幅wは、中央水平方向溝21および第1水平方向溝22の上下方向幅wの5%〜70%とすることが好ましい。
これら水平方向溝21〜24は、図3(a)〜(c)に示すように、断面において平坦な垂直面からなる底面41と、底面41に連接する内側湾曲面42と、内側湾曲面42に連接するとともに円筒面25に対して傾斜する側面43と、側面43と円筒面25とを連結する外側湾曲面44とを有している。
この場合、底面41の上下方向の長さLは、水平方向溝21〜24の間で全て同一となっている。底面41の上下方向の長さLを全て同一にしたことにより、側壁荷重時の応力を全体的に平均化し、より安定的に形状を維持する事が容易であるという効果が得られる。
また、水平方向溝21〜24の開き角Rは、水平方向溝21〜24の間で全て同一となっている。水平方向溝21〜24の開き角Rを全て同一にしたことにより、垂直荷重時に応力の局所集中が生じづらく、均一に負荷が掛かる為、容器全体の剛性が増すという効果が得られる。
なお、水平方向溝21〜24の開き角Rとは、図3(a)〜(c)に示すように、その垂直断面において上下の側面43によって形成される角度をいう。この水平方向溝21〜24の開き角Rは、例えば40°〜90°(40°以上90°以下をいう。以下同様)の範囲の所定角度としても良く、55°〜65°の範囲の所定角度とすることが更に好ましい。水平方向溝21〜24の開き角Rをこの範囲にした場合、減圧時に上下方向の変形が容易であり、且つ垂直荷重、側壁荷重時の強度が優れているという効果が得られる。
また胴部20の円筒面25におけるプラスチックボトル10の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば50μm〜250μm程度に薄くすることができる。さらに、プラスチックボトル10の重量についても、これに限定されるものではないが、10g〜20gとすることができる。このようにプラスチックボトル10の肉厚を薄くすることにより、プラスチックボトル10の軽量化を図ることができる。
このようなプラスチックボトル10は、合成樹脂材料を射出成形して製作したプリフォームを二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。なおプリフォーム、すなわちプラスチックボトル10の材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)を使用する事が好ましい。
また、プラスチックボトル10は、2層以上の多層成形ボトルとして形成することもできる。すなわち押し出し成形または射出成形により、例えば、中間層をMXD6、MXD6+脂肪酸塩、PGA(ポリグリコール酸)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガスバリア性及び遮光性を有する樹脂(中間層)として3層以上からなるプリフォームを押出成形後、吹込成形することによりガスバリア性及び遮光性を有する多層ボトルを形成しても良い。なお、このような中間層は、プラスチックボトル10のうち少なくとも胴部20内に設けることが好ましい。また底部30において、底部30の中央部を除く領域に中間層を設けることが好ましい。ケース落下等の衝撃を受けた際この部分がデラミ(層間剥離)を起こすおそれがあるからである。ガスバリア性及び遮光性を有する為に、多層にするだけでなく熱可塑性樹脂同士をブレンドしたブレンドボトルを形成しても良い。
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、空のプラスチックボトル10を準備し、このプラスチックボトル10内に例えば飲料等の内容液を充填する。続いて、口部11を図示しないキャップにより閉栓する。プラスチックボトル10を閉栓した後、内容液の比重が変化したり、内容液がプラスチックボトル10の空寸部(ヘッドスペース)に存在する酸素を吸収したりするため、プラスチックボトル10の内部が減圧された状態となる。このようにプラスチックボトル10の内部に負圧が生じると、プラスチックボトル10の内方に向かって応力が発生する。
これに対して本実施の形態においては、胴部20に複数の水平方向溝21〜24が形成されている。これら水平方向溝21〜24は、プラスチックボトル10の内部が減圧された際、それぞれ上下方向に変形する。
すなわち、図4(a)〜(b)に示すように、水平方向溝21〜24が上下方向に圧縮されるように変形する。なお、図4(a)はプラスチックボトル10の内部が減圧される前の水平方向溝21〜24の垂直断面図であり、図4(b)はプラスチックボトル10の内部が減圧された後の水平方向溝21〜24の垂直断面図である。
プラスチックボトル10の内部が減圧された際(図4(b))、水平方向溝21〜24の開き角Rは、減圧される前(図4(a))の開き角Rと比べて小さくなる(R>R)。また、水平方向溝21〜24の上下方向幅wは、減圧される前の上下方向幅w(w、w、w)と比べて小さくなる(w>w)。一方、水平方向溝21〜24の底面41の長さLは、減圧される前(図4(a))の底面41の長さLと比べてほとんど変化しない(L=L)。
このように水平方向溝21〜24が上下方向に変形するので、プラスチックボトル10が高さ方向に減縮する。この結果、プラスチックボトル10の体積が全体として減少し、ボトルの減圧分を吸収することができる。一方、プラスチックボトル10には、外観上大きな変形は生じない。具体的には、密閉したプラスチックボトル10に内容物を充填し、この充填した内容物をプラスチックボトル10の容量の2%抜き取った際に、胴部20の高さが1%以上低くなることが好ましい。
その後、内容液が充填されたプラスチックボトル10は、横向きにされた状態で自動販売機内に収容される。この場合、胴部20は水平方向溝21〜24によって補強されているので、自動販売機内で胴部20に変形が生じることが防止される。
また、本実施の形態においては、胴部20は、各水平方向溝21〜24および円筒面25のみから構成されているので、胴部20に減圧吸収パネルを設ける必要が無い。このため、減圧吸収パネルによってプラスチックボトル10の容量が大きく減少することもない。
なお、本実施の形態においては、胴部20の上半部20Aおよび下半部20Bは、それぞれ3種類の深さの水平方向溝21〜24を含んでいる。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部20の上半部20Aおよび下半部20Bは、それぞれ2種類又は4種類以上の深さをもつ水平方向溝21〜24を含んでいても良い。
次に本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例)
まず、図1乃至図4に示す構成からなる、容量615mlのプラスチックボトル10を作製した。
この場合、射出成形により18.3gおよび28gのPET単層プリフォームを作製し、このプリフォームに対して二軸延伸ブロー成形することにより容量615mlのプラスチックボトル10を作製した。
得られたプラスチックボトル10に水を600ml充填し、ゴム栓付のキャップにてキャッピングを行った。
その後、注射器を用いて、内容物である水を12.3mL(容量の2%)だけ抜き取り、抜き取った前後でプラスチックボトル10の全高を測定して比較した(表1)。なお、表中、全高収縮量(率)とは、プラスチックボトル10に充填された水を抜き取る前後でその全高が収縮した量(割合)を示している。
また、プラスチックボトル10の内圧を測定したまま、内容物である水を抜き取ることにより、負圧最低到達点を測定した(表2)。なお、負圧最低到達点とは、プラスチックボトル10に充填された水を抜き取ることにより、プラスチックボトル10を大気圧(約101kPa)から徐々に減圧していった際に、ボトル内の圧力波形がピークとして確認された圧力をいう。一般に、負圧最低到達点に達した場合、プラスチックボトル10の外観には、陥没変形、楕円変形、屈曲変形等の大きな変形が生じる。
(比較例)
他方、比較例として、図5および図6に示す、容量615mlのプラスチックボトル10を作製した。図5および図6に示すプラスチックボトル100は、口部111と、肩部112と、胴部120と、底部130とを備え、胴部120は水平方向溝123によって、上半部121と下半部122とに区画されている。
このうち上半部121には、円周方向全周に延びる複数の円周方向溝135が設けられている。また胴部120の下半部122には、垂直方向に延びる柱状リブ137と、柱状リブ137間に形成され、垂直方向に延びる減圧吸収パネル136とが設けられている。また胴部120の下半部122の下方部には円周方向に延びる補強リブ124が設けられている。
この場合、射出成形により18.3gおよび28gのPET単層プリフォームを作製し、このプリフォームに対して二軸延伸ブロー成形することにより容量615mlのプラスチックボトル100を作製した。
得られたプラスチックボトル100に水を600ml充填し、ゴム栓付のキャップにてキャッピングを行った。
その後、注射器を用いて、内容物である水を12.3mL(容量の2%)だけ抜き取り、抜き取った前後でプラスチックボトル100の全高を測定して比較した(表1)。
また、プラスチックボトル100の内圧を測定したまま、内容物である水を抜き取ることにより、負圧最低到達点を測定した(表2)。
Figure 0006160895
表1に示すように、実施例のプラスチックボトル10においては、密閉した容器に充填した内容物をその容量の2%だけ抜き取った際、プラスチックボトル10の全高が1%以上低くなることが判明した。一方、比較例のプラスチックボトル100においては、密閉した容器に充填した内容物をその容量の2%抜き取った際に、プラスチックボトル10の全高が1%未満しか低くならなかった。
Figure 0006160895
また、表2に示すように、実施例によるプラスチックボトル10は、比較例によるプラスチックボトル100よりも負圧最低到達点が低かった。すなわち、実施例によるプラスチックボトル10は、内部が負圧になっても大変形(陥没変形、楕円変形、屈曲変形等)が生じにくい形状であることが確認できた。
このように、実施例によるプラスチックボトル10は、比較例によるプラスチックボトル100と比べて、内部が減圧された際に大きな変形が生じることなく、高さ方向により大きく減縮した。このため、プラスチックボトル10の体積が全体として減少し、その減圧分を吸収することができると考えられる。
なお、上記については、プラスチックボトルの重量が18.3gのものと28gのものとの両方について当てはまる。
10 プラスチックボトル
11 口部
12 肩部
20 胴部
20A 上半部
20B 下半部
21 中央水平方向溝
22 第1水平方向溝
23 第2水平方向溝
24 第3水平方向溝
25 円筒面
30 底部
31 凹部
32 放射状リブ

Claims (6)

  1. プラスチックボトルにおいて、
    口部と、
    肩部と、
    胴部と、
    底部とを備え、
    胴部は、中央部の中央水平方向溝を介して上半部と下半部とに区画され、
    胴部の上半部と下半部とに、それぞれ複数の水平方向溝が形成され、
    上半部および下半部にそれぞれ形成された複数の水平方向溝は、少なくとも3種類の深さの水平方向溝を含み、
    上半部および下半部にそれぞれ形成された複数の水平方向溝は、最大の深さをもつ第1水平方向溝と、中間の深さをもつ第2水平方向溝と、最小の深さをもつ第3水平方向溝とを含み、
    胴部の上半部には、肩部側から中央水平方向溝側に向けて、第2水平方向溝、第3水平方向溝、第3水平方向溝、第1水平方向溝、第2水平方向溝がこの順に形成され、
    胴部の下半部には、底部側から中央水平方向溝側に向けて、第2水平方向溝、第3水平方向溝、第3水平方向溝、第1水平方向溝、第2水平方向溝がこの順に形成されていることを特徴とするプラスチックボトル。
  2. 中央水平方向溝の深さは、第1水平方向溝の深さと同一であることを特徴とする請求項1記載のプラスチックボトル。
  3. 中央水平方向溝、第1水平方向溝、第2水平方向溝および第3水平方向溝の開き角は、全て同一であることを特徴とする請求項1又は2記載のプラスチックボトル。
  4. 中央水平方向溝、第1水平方向溝、第2水平方向溝および第3水平方向溝の開き角は、40°〜90°であることを特徴とする請求項3記載のプラスチックボトル。
  5. 胴部のうち水平方向溝が形成されていない領域は、肩部直下から底部直上まで均一の径を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載のプラスチックボトル。
  6. 胴部の上半部と下半部とに形成された複数の水平方向溝は、中央水平方向溝を基準として上下対称に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載のプラスチックボトル。
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