JP6756464B2 - ネット付き中蓋を備えた化粧料容器、ネット付き中蓋、ネット付き中蓋の製造方法、および金型 - Google Patents

ネット付き中蓋を備えた化粧料容器、ネット付き中蓋、ネット付き中蓋の製造方法、および金型 Download PDF

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本発明は粉体やペーストなどを含む流動体からなる化粧料を収納した化粧料容器に関し、具体的には枠体にネットを張設させてなるネット付き中蓋を備えた化粧料容器に関する。またそのネット付き中蓋とその製造方法、および当該製造方法において用いられる金型にも関する。
下方を底として上方に開口する容器本体と、伸縮性のネットが張設されたネット付き中蓋とを備えた化粧料容器(以下、ネット付き化粧料容器とも言う)は、パフなどによってネットを下方に押圧すると容器本体に収納されている化粧料がネットの上面に滲み出るようになっている。そしてその滲み出た化粧料をパフに写し取る。なおこのようなネット付き化粧料容器については例えば以下の特許文献1〜4などに記載されている。
特開2005―224398号公報 特開2008―194190号公報 実開平7−43575号公報 特開平9−191930号公報
上記特許文献1〜3などに記載されている従来のネット付き化粧料容器が備える中蓋は、皿状の中蓋の底部を縁を残して開口し、その縁でネットを保持している。すなわち底部の縁にはネットがなく、化粧料を使用していくと、その縁の下方にある化粧料が残ってしまう。化粧料の粘性が高いと化粧料を無駄なく使用することができなくなる。化粧料の粘性が低い場合でも、容器本体を傾けるなどしてネットが架け渡されている中蓋の底の中央部に化粧料を寄せる必要があり化粧に際しての作業性が悪い。底部全面にネットを架け渡すことも考えられるが、この場合はネットと中蓋との接触面積が不足し、ネットを押圧したときにネットが脱落する可能性がある。なお特許文献4に記載のネット付き化粧料容器では縁の下方に化粧料の収納空間を設けず、実質的にネットの下方のみを化粧料の収納空間としているが、肉厚の枠体にネットを張設した中蓋を備え、枠体の下端を容器本体の底面に当接させて中蓋の内方を化粧料の収納空間としている。すなわち容器本体本来の化粧料収納空間を犠牲にしている。言い換えれば、化粧料の収納量が同じであれば容器が大きくなる。
そこで本発明は、化粧料の収納空間を犠牲にすることなく、底部全面にネットが架け渡された中蓋を備えて化粧料を無駄なく使用できるとともに、ネットの脱落を確実に防止できるネット付き中蓋を備えた化粧料容器、ネット付き中蓋、ネット付き中蓋の製造方法、および当該製造方法において用いる金型を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、上方に開口を備えて流動体からなる化粧料を収納するための容器本体と、前記容器本体の開口を密封する外蓋と、前記容器本体に装着される中蓋とを備え、
前記中蓋は、上下方向を軸とした扁平な中空筒状の枠体の下端側に伸縮性を有するメッシュ素材からなるネットが張設されてなり、
前記枠体は、前記容器本体の内周面に密接する外面形状を有し、
前記ネットは、周縁が前記枠体の下端から当該枠体の内周面に渡って接着されて上げ底状になっているとともに、前記枠体との接着領域では当該枠体を構成する樹脂が前記メッシュ素材の目に入り込んだ状態で固化している、
ことを特徴とするネット付き中蓋を備えた化粧料容器としている。
また本発明の範囲には、流動体からなる化粧料を収納するとともに外蓋によって密閉される化粧料容器に着脱自在に装着される中蓋も含まれ、当該中蓋は、
上下方向を軸とした中空筒状の枠体の下端側に伸縮性のあるメッシュ素材からなるネットが張設されてなり、
当該ネットは、周縁が前記枠体の下端から当該枠体の内周面に渡って接着されて上げ底状になっているとともに、前記枠体との接着領域では当該枠体を構成する樹脂が前記メッシュ素材の目に入り込んだ状態で固化している、
ことを特徴とする化粧料容器のネット付き中蓋としている。
前記ネット付き中蓋の製造方法も本発明の範囲であって、当該製造方法は、
上下方向に相対移動して前記枠体の外形に対応する筒状のキャビティを形成する複数の金型と、当該キャビティに対して上方および下方から挿入されて前記枠体の中空部を形成するための第1のコアおよび第2のコアを用い、
前記キャビティの下方に前記メッシュ素材を左右方向に架け渡した状態で前記金型を閉じるとともに、前記第1および第2のコアを当該キャビティに挿入して中空筒状のキャビティを形成する型締めステップと、
前記型締めステップにより形成された中空筒状のキャビティ内に溶融樹脂を成形する射出ステップと、
前記射出ステップにより射出された樹脂が固化した後に前記金型を開いて成形体を取り出す離型ステップと、
を含み、
前記型締めステップでは下端にフランジが形成された中空筒状のキャビティを形成するとともに、前記第1コアの上面と前記第2コアの下面とによって当該フランジ部よりも上方にて前記メッシュ素材を狭持し、
前記離型ステップでは、前記第1および第2のコアによって前記メッシュ素材を狭持させた状態で前記金型を当該第1および第2のコアに対して相対的に下方に移動させることで、前記金型と前記第1のコアとの境界で前記フランジと当該フランジの下面に接着されている前記メッシュ素材を切断する、
ことを特徴とする化粧料容器のネット付き中蓋の製造方法。
そして前記型締めステップでは、前記キャビティの外方にて前記メッシュ素材の架け渡し方向への移動を規制しつつ、当該規制領域の内側で前記キャビティを周回する環状領域にて前記メッシュ素材を上方へ押圧して当該メッシュ素材に張力を与えることとしてもよい。
本発明は前記ネット付き中蓋の製造方法において使用する金型にも及んでおり、当該金型は、
下方から上方に向かって、前記第1のコアを備えた第1の金型、前記枠体の外形に対応する筒状のキャビティが形成された第2の金型、前記第2のコアが固定された第3の金型がこの順に配置されてなり、
前記第1の金型は前記メッシュ素材を下支え支持しつつ前記金型が閉じた状態では当該メッシュ素材の左右方向への移動を規制する押圧機構と、前記メッシュ素材に張力を与えるための張設部材とを備え、
前記押圧機構は上方に開口して上下方向に延長する孔によって形成されるシリンダ部と、上方に付勢されつつ当該シリンダ部に対して上下方向に摺動可能なピストン部とから構成され、
前記張設部材は、上方に突出しつつ前記シリンダ部と前記キャビティの形成領域との間の領域にて当該キャビティを周回するように環状に配設され、
前記第2の金型は下面に前記張設部材を収納する凹部が形成されている、
ことを特徴としている。
また前記金型は上方に突出する高さが異なる複数種類の前記張設部材を着脱自在に交換可能に構成されていることとすればより好ましい。
本発明のネット付き中蓋を備えた化粧料容器によれば、化粧料の収納空間を犠牲にすることなく、底部全面にネットが架け渡された中蓋を備えて化粧料を無駄なく使用できるとともに、ネットの脱落を確実に防止することができる。なおその他の効果については以下の記載で明らかにする。
本発明の実施例に係るネット付き化粧料容器の分解図である。 上記実施例の構造を示す図である。 上記実施例を構成する中蓋の構造を示す図である。 上記中蓋を製造するための射出成型用金型の構造を示す図である。 上記中蓋の製造方法において上記金型を閉じる過程を示す図である。 上記中蓋の製造方法において上記金型を閉じた状態を示す図である。 上記中蓋の製造方法において上記閉じた金型に形成されるキャビティの形状を示す図である。 上記中蓋の製造方法において、射出成型した中蓋を取り出す際に上記金型を開く過程を示す図である。 上記中蓋を取り出すために上記金型を開けた態を示す図である。 上記中蓋の製造方法において使用されたメッシュ素材の裁断状態を示す図である。
本発明の実施例について、以下に添付図面を参照しつつ説明する。なお以下の説明に用いた図面において、同一または類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。ある図面において符号を付した部分について、不要であれば他の図面ではその部分に符号を付さない場合もある。
===化粧料容器===
図1に本発明の実施例に係るネット付き化粧料容器(以下、化粧料容器1とも言う)を示した。図1は化粧料容器1を構成要素ごとに分解したときの斜視図であり、この図に示したように化粧料容器1は椀状の容器本体4と、容器本体4の開口を密封する外蓋2と、容器本体4内に装着される中蓋3を備えている。ここで容器本体4が上方に開口していることとして上下方向を規定すると、図示した例では、容器本体4は化粧料の収納部となる下方の椀状の部位41と、その椀状の部位41の上方に連続した扁平な円筒状の首部42とから構成され,首部42の外周には雄ねじ43が形成されている。そして扁平円筒状の外蓋2の内周面にはその雄ねじに螺合する雌ねじが形成されている。また容器本体4の内周面44は円筒状に形成されている。中蓋3は外周面が容器本体4の内周面44に密着する円筒状の枠体31の下端35にメッシュ部材を用いたネット10が張設された構造を有している。また枠体31の上端33は鍔状に張り出している。
図2(A)は容器本体4に中蓋3を装着した状態を示す斜視図であり、図2(B)は容器本体4を外蓋2で密封した状態を示す斜視図である。そして図2(C)は化粧料容器1を上下方向を含む面で切断したときの縦断面図である。図2(A)に示したように、中蓋3を容器本体4内に装着すると、中蓋3の鍔状の部位の下面が容器本体4の上端面に当接する。それによって中蓋3が容器本体4内に落ち込まないようになっている。もちろん中蓋3が容器本体内に落ち込まないようにするための構造としては、枠体31の上端に鍔状の部位(以下、落下防止部34とも言う)を形成せず、例えば、容器本体4の内周面に中蓋3の下端を下支えする突起を設けるなど適宜な構造が考えられる。そして中蓋3を容器本体4に装着し、容器本体4を外蓋2で密封すれば、図2(B)に示したような外観の化粧料容器1となる。また図2(C)に示したように、中蓋3における枠体31の外周面32は容器本体4の内周面44と密接している。また中蓋3における枠体31の下端35およびネット10の下面11は容器本体4の底面45に対して上方に離間している。容器本体4の内側において、底面45からネット10の下面11までの空間が化粧料5の収納空間であり、化粧料5はその上面6がネット10の下面11に接触しないように収納される。そしてネット10の上面12を下方に押圧してネット10の下面11を化粧料5に接触させると、その化粧料5がネット10を構成するメッシュ素材の「目」を介してネット10の上面12側に滲みだしてくる。なお実施例に係る化粧料容器1では、容器本体4、外蓋2、および枠体31が樹脂の射出成形品で構成されているが、容器本体4と外蓋2については他の素材で形成されていてもよい。また中蓋3のネット10を構成するメッシュ素材は伸縮性に富む繊維を編んだものであり、繊維としては例えばPET樹脂を主体として、そのPET樹脂に伸縮性に富むウレタン樹脂を混合した樹脂などを採用することができる。
上記構成の化粧料容器1において中蓋3は本発明の本質である。図3にその中蓋3の構造をより詳細に示した。図3(A)は中蓋3を上方から見たときの斜視図であり、図3(B)は中蓋3を下方から見たときの斜視図である。また図3(C)は中蓋3の縦断面図である。図3(A)に示したように中蓋3は扁平な中空円筒状の枠体31の下端35にネット10を張設した構造を有している。しかし図3の(B)と(C)に示したように、そのネット10はその上面12の周縁部分13が枠体31の下端35にのみ接着されているのではなく、「上げ底」状となるように、周縁部分13が枠体31の下端35から内周面36に渡って接着されている。しかも実施例に係る化粧料容器1では、枠体31と接着されているネット10の周縁部分13では枠体31を構成する樹脂素材がネット10のメッシュ素材の目の中に浸潤した状態で固化している。
このように実施例に係る化粧料容器1では枠体31の内方にネット10を張設するための縁部が無く、枠体31の全開口領域を覆うようにネット10が張設されている。そのため容器本体4内の化粧料を無駄なく使用することができる。またネット10の周縁部分13が枠体31の下端35だけではなく内周面36にも接触して広い接着面積が確保されているとともに、メッシュ素材の表面だけではなく、メッシュ素材の複雑な立体構造中にも実質的に接着剤として機能する樹脂が入り込んでいる。それによってネット10が枠体31に対してより強固に固着し、ネット10を押圧したときに枠体31からネット10が剥離することを確実に防止することできるようになっている。もちろん枠体31を肉厚にする必要がなく、枠体31の下端35を容器本体4の底面に当接させる必要もない。すなわち容器本体4における化粧料の収納空間を無駄なく利用することができ、化粧料容器1が大型化することがない。
===製造方法===
実施例に係る化粧料容器において、容器本体と外蓋については一般的な射出成型技術で容易に製造可能である。一方、実施例に係る化粧料容器の特徴である中蓋については製造方法を工夫する必要がある。すなわちメッシュ素材の目の中にも枠体を構成する樹脂が入り込んだ構造を実現させることが必要となる。確かに枠体を成形する金型にメッシュ素材を架け渡しながら射出成型すれば、図3に示した形状の中蓋を製造することはできる。
しかしながら、柔らかいメッシュ素材に所定の張力(以下、テンションとも言う)を与えた状態で枠体の下端とその近傍の内周面に高い強度で固着させたり、枠体の成形後にその柔らかいメッシュ素材を精度良く切断したりする必要があるため、高品質の枠体を高い歩留まりで製造することは容易ではない。またメッシュ素材は、枠体に張設されているだけの通常状態では化粧料が漏れない程度の目の粗さであることが必要であり、かつ適当な弾力性を有してネットを押圧したときにはメッシュの目が開いて化粧料が適量取り出せるようにする必要がある。したがって射出成型時にテンションを精度良く調整する必要もある。そこで以下では、上記実施例に係る化粧料容器の中蓋をより高品質に、かつより効率的に製造するための手順やその手順において使用される金型の構造などについて説明する。
図4は実施例に係る化粧料容器を製造するための金型50の構造を示す図である。ここで図1〜図3に示した化粧料容器1や中蓋3における上下関係を金型50における上下関係にも適用すると、金型50は、最も下方にて固定された第1の金型51と、第1の金型51の上方に配置されて上下に移動可能な第2の金型52と、第2の金型53の上方に配置されて上下方向に移動可能な第3の金型53とから構成されている。金型52には、枠体の外形形状に沿う円筒状のキャビティ57が形成されており、第1の金型51は、このキャビティ57の下方に挿入されることで中蓋においてネットに対して下側の枠体中空部分を形成するための第1のコア54を備えている。なおこの第1のコア54は、第1の金型51に対して上下方向に移動可能に構成されている。また第3の金型53には枠体の上方の中空部分を形成するための第2のコア55が固定されている。
なお金型50や化粧料容器1における上下方向は相対的なものであって、化粧料容器1や中蓋3における各部位と金型50の構造や動作とを関連付けるためのものである。すなわちここで言う上下方向は、絶対的な上下方向(鉛直方向、天地方向)ではない。そして上下方向と直交する方向として、図面の紙面左右方向を金型50における左右方向とし、紙面奥行き方向を前後方向とすると、第1の金型51と第2の金型52の間には最終的に中蓋のネットになる帯状のメッシュ素材100が上下方向を法線としつつ左右方向に架け渡されている。またメッシュ素材100は左右両端のそれぞれが前後方向に回転軸を有するロール(101、102)に巻回されている。そしてメッシュ素材100は一方のロール(例えば、左方のロール101)から供給されて他方のロール(例えば、右方のロール102)によって巻き取られるようになっている。つぎに各金型(51〜53)の構造をより詳しく説明する。
第1の金型51は、金型50を閉じたときにメッシュ素材100を第2の金型53との間に狭持するための押圧機構60と、架け渡したメッシュ素材100に所定のテンションを与えるための張設部材70を備えている。押圧機構60は、例えば、第1の金型51に縦穴として形成されたシリンダ部61とそのシリンダ部61内で上下方向に摺動可能なピストン部62と、そのピストン部62を上方に付勢するスプリング63などによって構成することができる。ここに示した例では、シリンダ部61は前後方向に延長する溝状であり、左右に架け渡されたメッシュ素材100を前後方向に横断する長さにわたって形成されている。ピストン部62はその溝状のシリンダ部61の内面形状に沿う直方体状で上面は大きな摩擦係数を有する素材(ラバーなど)で形成されている。ピストン部62の下面64には上下方向に延長する円柱状のロッド65が接続されて、そのロッド65がシリンダ部61の底面66に形成された円形の孔67に挿入されている。またロッド65にはスプリング63が環装され、そのスプリング63の上端がピストン部62の下面64に当接し、下端がシリンダ部61の底面66に当接している。それによって金型50が開いている初期状態ではピストン部62が上方に付勢されてその上面が第1の金型の上面56に対して突出している。そしてピストン部62が上方から押圧されるとシリンダ部61の内面形状に沿って下方に摺動する。またシリンダ部61の底面66に開いた孔67は、下方の円筒状の中空空間68に連続しており、ロッド65の下端側がその中空空間68内に突出している。当該ロッド65の下端はシリンダ部61の底面66の孔67よりも拡径されてロッド65とその上端に接続されたピストン部62がシリンダ部61から逸脱しないようになっている。なおロッドは1本でもよいし複数本でもよい。
張設部材70は、第2の金型52における円筒状のキャビティ57の周囲を取り囲むリング状に形成され、第1の金型51の上面56に対して所定の高さで上方に突出している。そしてその突出した部分が台形状の断面形状を有している。また第2の金型52の下面58には張設部材70を収容する凹部71が上記キャビティ57を周回するように形成されている。
図5〜図9に中蓋の製造手順を示した。図5は金型50を閉じていく過程を示す図であり、図6は金型50を閉じたときの状態を示す図である。図7は閉じた金型50内に射出される溶融樹脂の形状を拡大した図であり、図8は金型50を開く過程を示す図である。そして図9は金型50を開いたときの状態を示す図である。以下図5〜図9を参照しながら中蓋の製造手順について説明すると、まず図5(A)に示したように、金型50を閉じていくとメッシュ素材100の下面103が押圧機構60のピストン部62の上面に下支えされつつ上方に付勢される。そして図5(B)に示したように、第2の金型52の下面58と第1の押圧機構60のピストン部62の上面との間にメッシュ素材100が狭持される。それによってメッシュ素材100が左右方向にずれないように規制される。つぎに図6(A)に示したように金型50を完全に閉じると第2の金型52における円筒状のキャビティ(図4:符号57)に第1および第2のコア(54、55)が挿入されて、枠体を形成するキャビティ81が形成される。またランナーからゲートに至る溶融樹脂の流路(以下、ゲート82とも言う)も形成される。なおスプールは図中奥行き方向に延長してゲート82に連絡している。
図6(B)は図6(A)における円200内を拡大した図であり、この図6(B)を参照しつつ金型50を閉じたときのキャビティ81の形状やメッシュ素材100の状態などについて説明すると、第1のコア54の位置は図4に示した初期状態から金型50を閉じた状態に至る過程では第1の金型51に対して固定されており、その上端59は第1の金型51の上面56よりも僅かに突出している。そして金型50を閉じた状態でのキャビティ81はボビン状である。すなわちキャビティ81には、上下方向を軸とした中空円筒状の射出空間の上端側に落下防止部に対応する鍔状の射出空間83が連続して形成されるとともに、下端側にも鍔状の射出空間84が形成される。そして第1コア54と第2コア55の間にメッシュ素材100が介在している。上述したように第1のコア54が第1の金型51の上面56に対して突出しているため、メッシュ素材100はキャビティ81の下端よりも上方の位置で張設される。さらに金型50を閉じると張設部材70がメッシュ素材100の下面103を下支えしつつ、第2の金型52における凹部71に収納され、押圧機構60により左右方向への移動が規制されている状態のメッシュ素材100が張設部材70により上方に押し上げられる。それによってメッシュ素材100においてキャビティ81を横断する領域には張設部材70の高さに応じたテンションが与えられる。言い換えれば、ここに示した金型50では高さが異なる張設部材70を第1の金型51に装着することでテンションを自由に調整することができるようになっている。
つぎに図7に示したように、閉じた状態の金型50のキャビティ81内にゲート82を介して溶融樹脂90を射出すると、溶融樹脂90はキャビティ81に接触しているメッシュ素材100の目にも入り込む。そして樹脂90が冷却すると、当該樹脂90は上端側に鍔状の落下防止部34を備えた枠体31の下端にも鍔状の部位(以下、下端フランジ92ともいう)が形成されたボビン状の成形体91の側面にゲートの形状の成形体(以下、ゲート成形体93とも言う)が接続された形状で固化する。また第1および第2のコア(54、55)によってメッシュ素材100が狭持されている位置はボビン状の成形体の下端フランジ92の上面85よりもさらに上方にあるため、樹脂90は下端フランジ92の下面86からボビン状の成形体91の中空円筒部分の内周面87に至る領域でメッシュ素材100の目の中に浸潤した状態で固化することになる。そして金型50を開けば最終的な成形体である中蓋が取り出せる。
図8は金型50を開く過程を示しており、図8(A)は金型50全体を示す図であり、図8(B)は図8(A)における円210内を拡大した図である。図8(A)に示したように、第1のコア54と第2のコア55によってメッシュ素材100を狭持している状態で、この第2のコア55が固定されている第3の金型53と第1のコア54とを他の金型(51、52)に対して相対的に上方に移動させる。それによってゲート成形体93がキャビティ81内で固化したボビン状の成形体(図7(B)、符号91)に対して相対移動し、図8(B)に示したように、これらの成形体(91、93)が分離する。さらに第1のコア54に対して第2の金型52が相対的に下方に摺動するため、図中白抜き矢印で示したように、双方の接触領域で剪断力が発生して下端フランジ92とともにメッシュ素材100が切断され、ボビン状の成形体が枠体31と下端フランジ92に分割される。具体的には、固化して切断しやすい樹脂からなる下端フランジ92の下面86に柔らかくて弾性に富むメッシュ素材100が接着されている。そのためメッシュ素材100が容易に下端フランジ92ごと剪断力によって切断されるのである。すなわちここに示した中蓋の製造方法では、第1のコア54と第2の金型52の接触領域でメッシュ素材100が伸びてネット部材の切断不良が発生することがない。そして金型50を開けば、図9に示したように、中蓋3が第3の金型53に保持された状態で取り出され、切断されたゲート成形体93も第3の金型53に保持された状態で第2の金型52から引き抜かれる。次の射出成形工程に移行する際には金型50からゲート成形体93を除去するとともに中蓋3を取り出し、メッシュ素材100を左右一方の方向に巻き取る。なお切断されたメッシュ素材100は枠体31の外形をかたどるように円形にくり抜かれ、図10に示したようにそのくり抜かれた円形領域104の周囲に切断された下端フランジ92が接着された状態となる。
このように上述した中蓋の製造方法によれば、枠体からメッシュ素材が剥離し難い構造の中蓋を効率的に製造することができる。そして枠体の形状に沿ってメッシュ素材を容易に切断でき、中蓋を高い歩留まりで製造することができる。また高さが異なる張設部材を各種用意しておき、第1の金型を張設部材の交換が可能な構成にしておけば、枠体に張設されるネットのテンションを自由に調整することができる。すなわち粘度の異なる化粧料に対して柔軟に対応することができる。
===その他の実施例===
上述した化粧料容器では中蓋を構成する枠体が扁平な中空円筒状であったが、角筒状であってもよい。枠体の下端側開口を塞ぐようにネットが張設されて、そのネット部材が枠体の下端面から下端側の内周面にわたって接着されていればよい。そしてその中蓋を容器本体に装着した際に、筒状の枠体の外周面が容器本体の内周面に密着すればよい。
1 化粧料容器、2 外蓋、3 中蓋、4 容器本体、10 ネット、31 枠体、
50 金型、60 押圧機構、70 張設部材、100 メッシュ素材

Claims (6)

  1. 上方に開口を備えて流動体からなる化粧料を収納するための容器本体と、前記容器本体の開口を密封する外蓋と、前記容器本体に装着される中蓋とを備え、
    前記中蓋は、上下方向を軸とした扁平な中空筒状の枠体の下端側に伸縮性を有するメッシュ素材からなるネットが張設されてなり、
    前記枠体は、前記容器本体の内周面に密接する外面形状を有し、
    前記ネットは、周縁が前記枠体の下端から当該枠体の内周面に渡って接着されて上げ底状になっているとともに、前記枠体との接着領域では当該枠体を構成する樹脂が前記メッシュ素材の目に入り込んだ状態で固化している、
    ことを特徴とするネット付き中蓋を備えた化粧料容器。
  2. 流動体からなる化粧料を収納するとともに外蓋によって密閉される化粧料容器に着脱自在に装着される中蓋であって、
    上下方向を軸とした中空筒状の枠体の下端側に伸縮性のあるメッシュ素材からなるネットが張設されてなり、
    当該ネットは、周縁が前記枠体の下端から当該枠体の内周面に渡って接着されて上げ底状になっているとともに、前記枠体との接着領域では当該枠体を構成する樹脂が前記メッシュ素材の目に入り込んだ状態で固化している、
    ことを特徴とする化粧料容器のネット付き中蓋。
  3. 請求項2に記載の前記ネット付き中蓋を製造するための方法であって、
    上下方向に相対移動して前記枠体の外形に対応する筒状のキャビティを形成する複数の金型と、当該キャビティに対して上方および下方から挿入されて前記枠体の中空部を形成するための第1のコアおよび第2のコアを用い、
    前記キャビティの下方に前記メッシュ素材を左右方向に架け渡した状態で前記金型を閉じるとともに、前記第1および第2のコアを当該キャビティに挿入して中空筒状のキャビティを形成する型締めステップと、
    前記型締めステップにより形成された中空筒状のキャビティ内に溶融樹脂を成形する射出ステップと、
    前記射出ステップにより射出された樹脂が固化した後に前記金型を開いて成形体を取り出す離型ステップと、
    を含み、
    前記型締めステップでは下端にフランジが形成された中空筒状のキャビティを形成するとともに、前記第1コアの上面と前記第2コアの下面とによって当該フランジ部よりも上方にて前記メッシュ素材を狭持し、
    前記離型ステップでは、前記第1および第2のコアによって前記メッシュ素材を狭持させた状態で前記金型を当該第1および第2のコアに対して相対的に下方に移動させることで、前記金型と前記第1のコアとの境界で前記フランジと当該フランジの下面に接着されている前記メッシュ素材を切断する、
    ことを特徴とする化粧料容器のネット付き中蓋の製造方法。
  4. 請求項3において、前記型締めステップでは、前記キャビティの外方にて前記メッシュ素材の架け渡し方向への移動を規制しつつ、当該規制領域の内側で前記キャビティを周回する環状領域にて前記メッシュ素材を上方へ押圧して当該メッシュ素材に張力を与えることを特徴とする化粧料容器のネット付き中蓋の製造方法。
  5. 請求項4に記載の製造方法において使用する金型であって、
    下方から上方に向かって、前記第1のコアを備えた第1の金型、前記枠体の外形に対応する筒状のキャビティが形成された第2の金型、前記第2のコアが固定された第3の金型がこの順に配置されてなり、
    前記第1の金型は前記メッシュ素材を下支え支持しつつ前記金型が閉じた状態では当該メッシュ素材の左右方向への移動を規制する押圧機構と、前記メッシュ素材に張力を与えるための張設部材とを備え、
    前記押圧機構は上方に開口して上下方向に延長する孔によって形成されるシリンダ部と、上方に付勢されつつ当該シリンダ部に対して上下方向に摺動可能なピストン部とから構成され、
    前記張設部材は、上方に突出しつつ前記シリンダ部と前記キャビティの形成領域との間の領域にて当該キャビティを周回するように環状に配設され、
    前記第2の金型は下面に前記張設部材を収納する凹部が形成されている、
    ことを特徴とする金型。
  6. 請求項5において、前記金型は上方に突出する高さが異なる複数種類の前記張設部材を着脱自在に交換可能に構成されていることを特徴とする金型。
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