JP6735542B2 - ポリイミドフィルム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
グラファイトシート用途で原料となるポリイミドフィルムに添加される無機粒子の役割としては、ポリイミドフィルムを焼成する際にフィルム中に分散させた無機粒子がフィルム内部から昇華するときに発生するガスにより発泡(膨れ)を生じさせることである。この膨れが生じることで、圧延処理を加えて得られたグラファイトシートの柔軟性、破断強度等の特性を改善させることが可能となる。
一方で、ポリイミドフィルム中の部分的な過度の膨れは、グラファイトシートの表面に突起欠陥を作り、外観に影響を与える。特に厚みの厚いポリイミドフィルムを原料として用いる場合は、ガス透過性が低い為、影響が生じやすくなる。
このグラファイトシートの表面突起の程度をコントロールする方法として、以下の2つの方法が知られている。
しかしながら、このような焼成条件の改善において、焼成容器全体を均一にムラ無く同一の熱履歴を加えることは困難であり、グラファイトシートの品質のバラツキや生産性に影響を及ぼす為、ポリイミドフィルム自体の改善が必要であった。
しかしながら、添加する無機粒子の最大粒子径や添加割合の制御だけではグラファイトシートの表面に生じる突起欠陥を十分に改善できないという問題があった。
したがって、本発明の目的は、表面突起が少なく外観が優れたグラファイトシート及びこのシートを得るのに有用なポリイミドフィルムを提供することである。
また、本発明の別の目的は、柔軟性、破断強度、熱拡散係数に優れたグラファイトシート及びこのシートを得るのに有用なポリイミドフィルムを提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、上記のようなポリイミドフィルム及びグラファイトシートを製造する方法を提供することである。
すなわち、特許文献6では、分散に供する無機粒子の粒子径を特定の範囲にすることで、当該粒子径をポリイミドフィルム、さらにはグラファイトシートにおいても反映でき、異常膨れを抑制できるとしている。
そのため、このような表面突起が形成される要因について調べたところ、ポリイミドフィルムにおいては、単に、無機粒子の粒子径を0.01μm以上6.0μm以下としても、無機粒子とポリアミド酸との混合やフィルムの製造工程を経るためか、ポリイミドフィルム特有の粒子の凝集が生じ、無機粒子の粒子径がフィルムにおける分散径を反映できない場合があることを突き止めた。
このような状況下、本発明者らはさらに鋭意検討を重ねた結果、無機粒子をポリアミド酸と混合する際、単に小粒子径の粒子を選択するのではなく、予め、無機粒子のスラリーをフィルター処理する(さらには、無機粒子の割合やポリアミド酸の組成を選択する)ことで、意外なことに、ポリイミドフィルムにおける無機粒子の凝集を抑制又は防止でき(換言すれば、無機粒子の粒子径を高度に反映でき)、分散径を小さく、特に、15μm以下とできること、さらには、このような分散径が15μm以下のポリイミドフィルムを用いることで、表面突起の形成を著しく抑制でき、外観に優れたグラファイトシートを効率よく得ることができることを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
[1]無機粒子が分散したポリイミドフィルムであって、無機粒子の割合がフィルム樹脂重量当たり0.05〜0.8重量%であり、無機粒子の最大分散径が15μm以下であるポリイミドフィルム。
[2]4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含む芳香族ジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物成分とを少なくとも構成成分とするポリイミドで形成されている前記[1]に記載のポリイミドフィルム。
[3]無機粒子が、フィルム樹脂重量当たり0.05〜0.5重量%の割合で含まれていることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載のポリイミドフィルム。
[4]無機粒子が、リン酸水素カルシウムを主成分とすることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
[5]フィルム厚みが25〜80μmであることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
[6]無機粒子を含むポリアミド酸溶液を用いて、前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムを製造する方法であって、無機粒子を含むスラリーを、フィルター処理した後、ポリアミド酸と混合してポリアミド酸溶液を得る工程を含む製造方法。
[7]前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムを原料として含む、表面の直径0.1mm以上の突起欠陥が3個/50cm2以下のグラファイトシート。
[8]前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムを焼成することを特徴とするグラファイトシートの製造方法。
また、本発明によれば、柔軟性、破断強度、熱拡散係数に優れたグラファイトシートを得ることができる。
本発明のポリイミドフィルムは、前駆体であるポリアミック酸(ポリアミド酸)をイミド化することによって製造される。ポリアミド酸は、ジアミン成分と酸二無水物成分とを有機溶媒中で付加重合させることにより得られる。まず、ポリアミド酸溶液について説明する。
本発明において、ジアミン成分としては芳香族ジアミン成分が好ましく、酸二無水物成分としては芳香族テトラカルボン酸二無水物成分が好ましい。
なお、芳香族ジアミン成分を4,4’−ジアミノフェニルエーテルで構成する場合、芳香族ジアミン成分全体に対する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの割合は、例えば、50〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%程度であってもよい。
なお、芳香族テトラカルボン酸二無水物成分をピロメリット酸二無水物で構成する場合、芳香族テトラカルボン酸二無水物成分に対するピロメリット酸二無水物の割合は、例えば、50〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%程度であってもよい。
本発明においては、上述の通り、ジアミン成分として、他のジアミン成分(非芳香族ジアミン成分)を含んでいてもよい。また、酸二無水物成分は、他の酸二無水物成分(脂肪族テトラカルボン酸二無水物成分などの非芳香族テトラカルボン酸無水物成分)を含んでいてもよい。
(1)先にジアミン成分全量を溶媒中に入れ、その後酸二無水物成分をジアミン成分全量と当量になるよう加えて重合する方法。
(2)先に酸二無水物成分全量を溶媒中に入れ、その後ジアミン成分を酸二無水物成分と当量になるよう加えて重合する方法。
(3)一方のジアミン成分を溶媒中に入れた後、反応成分に対して酸二無水物成分が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、もう一方のジアミン成分を添加し、続いてもう一方の酸二無水物成分を全ジアミン成分と全酸二無水物成分とがほぼ当量になるよう添加して重合する方法。
(4)一方の酸二無水物成分を溶媒中に入れた後、反応成分に対して一方のジアミン成分が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、もう一方の酸二無水物成分を添加し、続いてもう一方の芳香族ジアミン成分を全ジアミン成分と全酸二無水物成分とがほぼ当量になるよう添加して重合する方法。
(5)溶媒中で一方のジアミン成分と酸二無水物成分をどちらかが過剰になるよう反応させてポリアミック酸溶液(A)を調整し、別の溶媒中でもう一方のジアミン成分と酸二無水物成分をどちらかが過剰になるよう反応させポリアミック酸溶液(B)を調整する。こうして得られた各ポリアミック酸溶液(A)と(B)を混合し、重合を完結する方法。この時ポリアミック酸溶液(A)を調整するに際しジアミン成分が過剰の場合、ポリアミック酸溶液(B)では酸二無水物成分を過剰に、またポリアミック酸溶液(A)で酸二無水物成分が過剰の場合、ポリアミック酸溶液(B)ではジアミン成分を過剰にし、ポリアミック酸溶液(A)と(B)を混ぜ合わせこれら反応に使用される全ジアミン成分と全酸二無水物成分とがほぼ当量になるよう調整する。なお、重合方法はこれらに限定されることはなく、その他公知の方法を用いてもよい。
本発明のポリイミドフィルムに添加される無機粒子は、前記のポリイミドフィルム製造工程で接触する全ての化学物質に対して不溶であることが好ましい。
また、無機粒子スラリーは、必要に応じて、他の有機溶媒や配合剤等を含んでいてもよい。
次に、本発明のポリイミドフィルムの製造方法について説明する。
ポリイミドフィルムの製造においては、まず、ポリアミド酸と無機粒子とを混合する。
本発明においては、無機粒子スラリー(好ましくは、無機粒子を、ポリアミック酸重合に用いる有機溶媒と同一の溶媒に分散させた無機粒子スラリー)を、ポリアミック酸溶液に添加した後、脱環化脱溶媒させてポリイミドフィルムを得ることが好ましいが、ポリアミック酸重合前の有機溶媒中に無機粒子スラリーを添加した後、ポリアミック酸重合、脱環化脱溶媒を経てポリイミドフィルムを得ることなど、脱環化脱溶媒前の工程であればいかなる工程において無機粒子スラリーを添加してもよい。
本発明のポリイミドフィルム中の無機粒子(すなわち、本発明のポリイミドフィルムに分散された無機粒子)の含有量は、ポリイミドフィルム樹脂重量(すなわち、ポリイミドフィルム中のポリイミド樹脂固形分1重量)当たり、通常は0.05〜0.8重量%、好ましくは0.05〜0.55重量%、より好ましくは0.05〜0.52重量%、特に好ましくは0.05〜0.3重量%の割合である。0.05重量%以上であるとポリイミドフィルム中に分散された無機粒子がフィルム内部から昇華するときに発生するガスが多くなり、また、圧延処理を加えて得られたグラファイトシートが、柔軟性、破断強度等の特性に優れる等の観点から、好ましい。また、0.8重量%以下であるとポリイミドフィルム中の無機粒子の凝集を抑制できるため、ポリイミドフィルム焼成時の無機粒子の昇華ガスによる部分的な過度の発泡を抑制でき、また、グラファイトシート上の表面突起欠陥を低減できる等の観点から好ましい。
尚、本発明において、無機粒子の分散径とは、通常は、ポリイミドフィルムにおける、分散された無機粒子の粒子径のことであり、一次粒子径のみならず、二次粒子径(凝集粒子の粒子径)を含む。すなわち、無機粒子の最大分散径とは、ポリイミドフィルムにおける無機粒子の最大粒子径のことをいう。
本発明のグラファイトシートは、本発明のポリイミドフィルムを焼成してグラファイト化することにより得ることができる。
本発明のグラファイトシートの製造方法は、特に限定されないが、例えば、以下に説明する方法を用いることができる。
グラファイト化の焼成(以下、本加熱処理ともいう)の温度は、通常は、2000℃以上(例えば、2000〜3500℃)であり、2400℃以上(例えば、2400〜3500℃)が好ましく、2600℃以上(例えば、2600〜3500℃)がより好ましい。
また、最終焼成温度は、2700℃以上(例えば、2700〜3500℃)が好ましく、2800℃以上(例えば、2800〜3500℃)がより好ましく、3000℃近辺(例えば、3000〜3500℃)がさらに好ましい。
焼成温度が3500℃以下であれば、焼成炉の耐熱劣化が小さく、長時間の生産が可能となる。最高焼成温度が2000℃以上であれば、得られるグラファイトシートが柔軟かつ強固となる傾向がある。
焼成時の昇温速度は、特に限定されないが、例えば、1〜10℃/分程度で行われる。焼成には、公知の加熱手段を使用できる。また、焼成時間は、特に限定されない。
上述のようにして製造された本発明のグラファイトシートは、熱拡散係数が大きいため、優れた熱伝導性を有する。熱拡散係数の測定方法は、特に限定されないが、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明のグラファイトシートの熱拡散係数は、特に限定されないが、7cm2/s以上(例えば、7〜15cm2/s)が好ましい。
[ポリイミドフィルム中の無機粒子の分散径の評価]
株式会社キーエンス社製のマイクロスコープVHX−2000を用い、50cm角のポリイミドフィルム中に存在する無機粒子の最大分散粒子径を透過モードにて観察し、粒子径が15μm以上の粒子の個数を読み取った。
ブルカーAXS株式会社製の蛍光X線S2Rangerを用い、無機粒子に含まれるリンのKα線のエネルギー量からCAP(リン酸水素カルシウム)添加量を評価した。
株式会社堀場製作所社製のレーザー回析/散乱式粒度分布測定装置LA−910を用い、極性溶媒に分散させた試料を測定、解析した結果から粒子径範囲、平均粒子径、粒子径0.5〜2.5μmの全粒子中に対する占有率を読み取った。
Mitutoyo社製ライトマチック(Series318)を使用して測定した。
株式会社島津製作所社製のオートグラフAGS−Xを用い、測定温度:25℃、チャック間距離:50mm、引張速度:25mm/分、試験片:幅10mmの条件で評価した。
良好(○):10MPa以上
不良(×):10MPa未満
株式会社キーエンス社製のマイクロスコープVHX−2000を用い、50cm2のグラファイトシートの表面を観察し、Φ(直径)0.1mm以上のサイズの突起欠陥を以下の評価基準で評価した。グラファイトシートの表面突起による欠陥は好ましくは0個/50cm2であるが、3個/50cm2以下であれば良好と評価した。
尚、この突起欠陥の写真を図1に示す。
良好(○):3個/50cm2以下
不良(×):3個/50cm2超過
100mm(縦)×100mm(幅)のグラファイトシートを、縦方向の端部同士あるいは幅方向の端部同士がぴったりと重なるように折り曲げた後、シートの折り目の中央部に100gの荷重を3秒間押圧し、徐荷した後のシートを元の状態に戻し、目視により以下の評価基準で評価した。この評価方法においてシートがほぼ元の状態に戻ることを柔軟性が良好と評価した。
良好(○):シートがほぼ元の状態に戻る
不良(×):シートが部分的に変形する
NETZSCH株式会社製の熱伝導率測定装置LFA447を用い、キセノンフラッシュ法、測定温度:25℃、光源:キセノンフラッシュランプ、IR検出器:InSb検出器(液体窒素冷却)の条件でシート面方向の熱拡散係数を評価した。
良好(○):7cm2/s以上
不良(×):7cm2/s未満
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)をモル比で1:1の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中23.7重量%溶液にして重合し、4000poiseのポリアミック酸溶液を得た。
平均粒子径0.87μm、粒子径0.5〜2.5μmの粒子が全粒子中81.5体積%のリン酸水素カルシウムのN,N−ジメチルアセトアミドスラリー(スラリー中、リン酸水素カルシウムを6重量%含む)を孔の直径が5μmのカットフィルター(日本精線製金属繊維焼結フィルター)に通した後、合成例で得たポリアミック酸溶液に、ポリイミドを形成したときにポリイミド樹脂1重量当たりリン酸水素カルシウムが0.10重量%となるように前記スラリーを添加し、室温で30分間攪拌し、無機粒子をポリアミック酸溶液中に分散させた。このポリアミック酸溶液に、無水酢酸(分子量102.09)とβ−ピコリンからなる転化剤を、ポリアミック酸に対し、それぞれ2.0モル当量の割合で混合し、攪拌した。得られた混合物を、口金より回転する65℃のステンレス製ドラム上にキャストし、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて250℃×30秒、400℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ60μmのポリイミドフィルムを得た。
ポリアミック酸溶液に添加するポリイミド樹脂重量当たりのリン酸水素カルシウム添加量が0.05重量%であること以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルム得て、該ポリイミドフィルムを焼成することでグラファイトシートを作製した。
ポリアミック酸溶液に添加するポリイミド樹脂重量当たりのリン酸水素カルシウム添加量が0.50重量%であること以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルム得て、該ポリイミドフィルムを焼成することでグラファイトシートを作製した。
ポリアミック酸溶液に添加するリン酸水素カルシウムの平均粒子径が0.54μmであること以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得て、該ポリイミドフィルムを焼成することでグラファイトシートを作製した。
ポリアミック酸溶液に添加するリン酸水素カルシウムの平均粒子径が1.47μmであること以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得て、該ポリイミドフィルムを焼成することでグラファイトシートを作製した。
ドラムの回転速度、ゲルフィルムの搬送速度(製膜速度)を調整することでポリイミドフィルムの厚みを25μm、80μmとした以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得て、該ポリイミドフィルムを焼成することでグラファイトシートを作製した。
ポリアミック酸溶液に添加するポリイミド樹脂重量当たりのリン酸水素カルシウム添加量を0.55重量%とした以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルム得て、焼成することでグラファイトシートを作製した。
リン酸水素カルシウムのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを5μmカットフィルターに通さずに合成例で得たポリアミック酸溶液に添加すること以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルム得て、該ポリイミドフィルムを焼成することでグラファイトシートを作製した。
ポリアミック酸溶液に添加するポリイミド樹脂重量当たりのリン酸水素カルシウム添加量が0.02重量%であること以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルム得て、焼成することでグラファイトシートを作製した。
リン酸水素カルシウムのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを5μmカットフィルターに通さずに合成例で得たポリアミック酸溶液に添加すること以外は、実施例2と同様にしてポリイミドフィルム得て、該ポリイミドフィルムを焼成することでグラファイトシートを作製した。
また、これらの結果から、無機粒子のスラリーを、カットフィルターを用いて濾過してからポリアミド酸に添加することにより、無機粒子の凝集を抑制することができ、得られるポリイミドフィルムは粒子径15μm以上の無機粒子を含まないものとなることが確認された。そして、このようなポリイミドフィルムを用いることで、標記のような外観上優れたグラファイトシートが得られることを確認できた。
一方、比較例1及び3のように、ポリイミドフィルム中に最大粒子径が15μm以上の無機粒子が含まれていると、該ポリイミドフィルムを焼成して得られるグラファイトシートは、表面突起が顕著に増大して外観が悪いものとなることが分かった。
Claims (12)
- 無機粒子が分散したポリイミドフィルムであって、無機粒子の割合がフィルム樹脂重量当たり0.05〜0.8重量%であり、無機粒子の最大分散径が15μm以下であるグラファイトシート用ポリイミドフィルム。
- 4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含む芳香族ジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物成分とを少なくとも構成成分とするポリイミドで形成されている請求項1に記載のポリイミドフィルム。
- 無機粒子が、フィルム樹脂重量当たり0.05〜0.5重量%の割合で含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイミドフィルム。
- 無機粒子が、リン酸水素カルシウムを主成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
- フィルム厚みが25〜80μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
- 無機粒子の最大分散径が5μm以上15μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
- 無機粒子の最大分散径が13μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
- 無機粒子の最大分散径が11μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
- 無機粒子の最大分散径が10.7μm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
- 無機粒子を含むポリアミド酸溶液を用いて、請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムを製造する方法であって、無機粒子を含むスラリーを、フィルター処理した後、ポリアミド酸と混合してポリアミド酸溶液を得る工程を含む製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムを原料として含む、表面の直径0.1mm以上の突起欠陥が3個/50cm2以下のグラファイトシート。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムを焼成することを特徴とするグラファイトシートの製造方法。
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