JP6121168B2 - ポリイミドフィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリイミドフィルム及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、添加した無機粒子が露出せず、フィルム中に均一に分散した状態で表面突起を発生させて表面状態を良好に制御可能であり、フィルムの走行性が優れると共に熱処理して得られるグラファイトシートに適応可能なポリイミドフィルム及びその製造方法に関する。
ポリイミドフィルムは、耐熱性、耐寒性、耐薬品性、電気絶縁性及び機械強度等において優れた特性を有することが知られており、電線の電気絶縁材料、断熱材、フレキシブルプリント配線基板(FPC)のベースフィルム等に広く利用されてきた。近年、ポリイミドフィルムを熱処理して得られるグラファイトシートは、非常に高い熱伝導性を有するため電子機器の放熱部材として注目されている。
ポリイミドフィルムがこれらの用途に用いられる際に重要な実用特性は、フィルムの滑り性(易滑性)である。様々なフィルム加工工程において、フィルム支持体(たとえば、ロール)とフィルムとの易滑性、またフィルム同士の易滑性が確保されることにより、各工程における操作性、取り扱い性を向上させ、更にはフィルム上にシワ等の不良個所の発生が回避できるためである(特許文献1)。
また一方、ポリイミドフィルムを焼成して得られるグラファイト用途においては、無機粒子がフィルム内部から昇華するときに発生するガスにより膨れが生じる。この膨れ現象は、焼成後のグラファイトの厚みに影響を与え、例えば、特許文献2の方法で得られるグラファイトにおいてポリイミドフィルムに添加する無機粒子の粒子径が大きい場合は部分的な異常膨れが生じやすくなり、また無機粒子のフィルム樹脂重量当たりの割合が少ないと膨れが生じず焼成後の厚みが薄くなったりと、グラファイト用途として十分な放熱能力を発揮することが出来なくなったりしていた。
特に、焼成前のポリイミドフィルムの厚みが厚くなるほど無機粒子がフィルム内部から昇華するときのガス透過性の影響が大きくなり、グラファイトの部分的な膨れや焼成後の厚みに影響が生じやすくなった。部分的な膨れは、グラファイト表面に発泡現象を起こすために、外観状態も悪くなった。更に密度が低下するため、熱伝導率も悪化し、強度が弱くなり破損しやすくなった。その一方で、より厚いグラファイトシートが必要とされた。そのため、焼成前のポリイミドフィルムの厚みも必要とされ、無機粒子を添加することで得られるフィルム加工時の走行性の改善と焼成前のポリイミドフィルムを厚くすることにより得られる放熱性の高い良質なグラファイトシートの両方を得られるポリイミドフィルムは、相反する課題であった。
特開2008−106141号公報 特表2010−215441号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。したがって、本発明の目的は、無機粒子を添加することで得られるフィルム加工時の走行性の改善とポリイミドフィルムを焼成して得られる放熱性の高い良質なグラファイトシートに適用可能なポリイミドフィルム及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリイミドフィルムにおいて、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を主たる構成成分として選択するとともに、フィルム中に分散させる粒子径、含有量を選択することによって、上記課題を解決し得ることを見い出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
[1]ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を主たる構成成分とし、イミド化によって製造されるポリイミドフィルムであって、前記ポリイミドフィルム中にフィルム樹脂重量当たり0.05〜0.50重量%の割合で無機粒子が分散されており、前記無機粒子の平均粒子径が0.5〜1.5μmであり、かつ、粒子径0.5〜2.5μmの無機粒子が全粒子中80体積%以上の割合を占めることを特徴とするポリイミドフィルム。
[2]フィルム厚みが25〜80μmであることを特徴とする前記[1]に記載のポリイミドフィルム。
[3]前記無機粒子がフィルム樹脂重量当たり0.05〜0.30重量%の割合で含まれていることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載のポリイミドフィルム。
[4]前記無機粒子の平均粒子径が0.5〜1.0μmであることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
[5]無機粒子がリン酸水素カルシウムを主成分とすることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
[6]無機粒子の全粒子径が6.0μm以下の範囲内にあることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
[7]4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物からなるテトラカルボン酸二無水物成分を、極性有機溶媒中で反応させてポリアミック酸を製造し、前記ポリアミック酸を用いてフィルムに成形する際に、平均粒子径が0.5〜1.5μmであり、かつ粒子径0.5〜2.5μmの無機粒子が全粒子中80体積%以上の割合を占める粒度分布を有する無機粒子を、前記極性有機溶媒と同一の極性有機溶媒に分散させたスラリーを、前記ポリアミック酸溶液に前記無機粒子が樹脂重量当たり0.05〜0.50重量%の割合となるように添加することを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
[8]前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムを焼成して得られることを特徴とするグラファイトシート。
[9]前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムを焼成することを特徴とするグラファイトシートの製造方法。
本発明によれば、以下に説明するとおり、添加した無機粒子が露出せず、フィルム中に均一に分散した状態で表面突起を発生させて表面状態を良好に制御可能であり、フィルムの走行性が優れると共に、ポリイミドフィルムを焼成して得られる放熱性の高い良質なグラファイトシートに適用可能なポリイミドフィルムを得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明のポリイミドフィルムは、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を主たる構成成分とし、イミド化によって製造されるポリイミドフィルムであって、前記ポリイミドフィルム中にフィルム樹脂重量当たり0.05〜0.50重量%の割合で無機粒子が分散されており、前記無機粒子の平均粒子径が0.5〜1.5μmであり、かつ、粒子径0.5〜2.5μmの無機粒子が全粒子中80体積%以上の割合を占めることを特徴とする。
本発明のポリイミドフィルムは、前駆体であるポリアミック酸を用いてイミド化によって製造される。まず、ジアミン成分と酸無水物成分とを有機溶媒中で重合させることにより、ポリアミド酸溶液を得る。
本発明においては、芳香族テトラカルボン酸二無水物成分と芳香族ジアミン成分又は、この両者を主成分とする化学物質を有機溶媒中で付加重合させることによって、ワニス状ポリアミック酸を得るものであり、芳香族ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、芳香族テトラカルボン酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を、それぞれ主たる構成成分に使用する。すなわち、4、4’−ジアミノジフェニルエーテル及びピロメリット酸二無水物の2種類を必須の構成成分とし、これら2種類のみ、又はこれら2種類に加えて少量の別成分を加えることにより得られる。
本発明においては、上述の通り、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル以外に、本発明の効果を妨げない範囲で少量の他のジアミンを添加してもよい。また、ピロメリット酸二無水物以外に、本発明の効果を妨げない範囲で少量の他の酸二無水物を添加してもよい。具体的な他のジアミン及び酸二無水物としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
(1)ジアミン
パラフェニレンジアミン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、メタフェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、ベンチジン、4,4'−ジアミノジフェニルサルファイド、3,4'−ジアミノジフェニルサルファイド、3,3'−ジアミノジフェニルサルファイド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、2,6−ジアミノピリジン、ビス−(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、3,3'−ジクロロベンチジン、ビス−(4−アミノフェニル)エチルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)フェニルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、ビス−(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,4'−ジメチル−3',4−ジアミノビフェニル3,3'−ジメトキシベンチジン、2,4−ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス−(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3−ジアミノアダマンタン、3,3'−ジアミノ−1,1'−ジアミノアダマンタン、3,3'−ジアミノメチル1,1'−ジアダマンタン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4'−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサエチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N−(3−アミノフェニル)−4−アミノベンズアミド、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエート等。
(2)酸二無水物
3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−デカヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,5,6−ヘキサヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,8,9,10−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等。
また、本発明において、ポリアミック酸溶液の形成に使用される有機溶媒の具体例としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒、フェノール、o−,m−,或いはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール系溶媒は、又ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性極性溶媒を挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエン等の芳香族炭化水素の使用も可能である。
重合方法は公知のいずれの方法で行ってもよく、例えば
(1)先に芳香族ジアミン成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族テトラカルボン酸類成分を芳香族ジアミン成分全量と当量になるよう加えて重合する方法。
(2)先に芳香族テトラカルボン酸類成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族ジアミン成分を芳香族テトラカルボン酸類成分と当量になるよう加えて重合する方法。
(3)一方の芳香族ジアミン化合物を溶媒中に入れた後、反応成分に対して芳香族テトラカルボン酸類化合物が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、もう一方の芳香族ジアミン化合物を添加し、続いて芳香族テトラカルボン酸類化合物を全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ当量になるよう添加して重合する方法。
(4)芳香族テトラカルボン酸類化合物を溶媒中に入れた後、反応成分に対して一方の芳香族ジアミン化合物が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、芳香族テトラカルボン酸類化合物を添加し、続いてもう一方の芳香族ジアミン化合物を全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ当量になるよう添加して重合する方法。
(5)溶媒中で一方の芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸類をどちらかが過剰になるよう反応させてポリアミック酸溶液(A)を調整し、別の溶媒中でもう一方の芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸類をどちらかが過剰になるよう反応させポリアミック酸溶液(B)を調整する。こうして得られた各ポリアミック酸溶液(A)と(B)を混合し、重合を完結する方法。この時ポリアミック酸溶液(A)を調整するに際し芳香族ジアミン成分が過剰の場合、ポリアミック酸溶液(B)では芳香族テトラカルボン酸成分を過剰に、またポリアミック酸溶液(A)で芳香族テトラカルボン酸成分が過剰の場合、ポリアミック酸溶液(B)では芳香族ジアミン成分を過剰にし、ポリアミック酸溶液(A)と(B)を混ぜ合わせこれら反応に使用される全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ当量になるよう調整する。なお、重合方法はこれらに限定されることはなく、その他公知の方法を用いてもよい。
こうして得られるポリアミック酸溶液は、固形分を通常5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%を含有しており、また、その粘度は、ブルックフィールド粘度計による測定値であり、特に限定されないが、通常10〜2000Pa・sであり、安定した送液のために、好ましくは100〜1000Pa・sである。また、有機溶媒溶液中のポリアミック酸は部分的にイミド化されていてもよい。
本発明のフィルム表面上に突起を形成させるために樹脂に添加される無機粒子は、前記のポリイミドフィルム製造工程で接触する全ての化学物質に対して不溶である必要がある。
本発明において使用可能な無機粒子としては、SiO(シリカ)、TiO、CaHPO、Ca等を好適に挙げることができる。中でもリン酸を含むCaHPOは、フィルム内部から昇華するときに発生するガスにより良好な膨れが生じ、熱伝導性に優れた良好なグラファイトが得られるため、CaHPOを主成分とすることが特に好ましい。
無機粒子は、N,N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、N−メチルピロリドン等の極性溶媒に均一に分散させたスラリーとして使用することで、凝集を防止できるため好ましい。このスラリーは、粒子径が非常に小さいため、沈降速度が遅く安定している。また、たとえ沈降しても再攪拌することで容易に再分散可能である。
本発明において、ポリイミドフィルムの表面に突起を形成させるために添加される無機粒子は、平均粒子径が0.5μm〜1.5μmの範囲にある場合、好ましくは0.5〜1.0μmの範囲にある場合に、部分的な無機粒子の昇華ガスによる異常膨れを生じることなくグラファイトシートに適応可能とするばかりか、フィルム支持体(例えば、ロール等)とフィルムとの易滑性、またフィルム同士の易滑性が確保されることにより、各工程における操作性、取り扱い性を向上させ、更にはフィルム上にシワ等の不良個所を発生させずに使用可能とする。
逆にこれらの範囲より平均粒子径が下回ると、フィルムへの充分な易滑性が得られず、逆に上回ると、部分的な無機粒子の昇華ガスによる異常膨れを生じるため好ましくない。また、本発明で用いる焼成前のポリイミドフィルムの厚さは、25μm〜80μmが好適であり、この厚さの範囲であれば、前記粒子径範囲での無機粒子がポリイミドフィルムの表面に完全に露出することはない。焼成前のポリイミドフィルムの厚さが薄すぎると、焼成後のグラファイトシートが丸まる、グラファイトシートを平坦にしようとすると粉々になり圧延したグラファイトシートが形成できない等のおそれがある。焼成前のポリイミドフィルムの厚さが厚すぎると、グラファイトシートの表面に異常膨れが発生し、外観上好ましくない。
無機粒子の添加量は、フィルム樹脂重量当たり0.05〜0.50重量%が好ましく、0.05〜0.30重量%の割合で含まれていることがより好ましい。0.05重量%以下であるとフィルム表面の突起数も不足することによってフィルムへの充分な易滑性が得られず、搬送性が悪化し、ロールに巻いた時のフィルム巻姿も悪化するため好ましくない。また、逆に0.50重量%以上であると、フィルムの易滑性は良化するものの、無機粒子の異常凝集による粗大突起が増加し、これが結果的に焼成時の部分的な無機粒子の昇華ガスによる異常膨れを生じる原因となり、焼成後のグラファイトの熱伝導性に障害を来す又は、厚みにバラツキが生じることになるため好ましくない。
無機粒子の粒度分布については、狭い分布であること、つまり類似の大きさの粒子が全粒子に占める割合が高い方が良く、具体的には粒子径0.5〜2.5μmの粒子が全粒子中80体積%以上の割合を占めることが好ましい。この範囲を下回り0.5μm以下の粒子の占める割合が高くなると、フィルムの易滑性が低下するため好ましくない。また、無機粒子送液の際には5μmカットフィルターや20μmカットフィルターにより粗粒を除去することが可能であるが、6.0μmを超える大きさの粒子の占める割合が高くなると、フィルターの目詰まりを頻発させてしまい工程安定性を損ねる上、粒子の粗大凝集が生じやすくなるため好ましくない。そのため、無機粒子としては、全粒子径が6.0μm以下の範囲内にあることが好ましい。前記粒度分布、平均粒子径、粒子径は、堀場製作所のレーザー回析/散乱式粒度分布測定装置LA−910を用いて測定した値である。
無機粒子に起因したフィルム表面突起においては、高さ2.0μm以上の突起数が10個/40cm角以下であること、より好ましくは5個/40cm角以下、さらにより好ましくは1個/40cm角以下であることが望ましい。これよりも多いと焼成時の部分的な無機粒子の昇華ガスによる異常膨れを生じる原因となり、焼成後のグラファイトの熱伝導性に障害を来す又は、厚みにバラツキが生じることになるため好ましくない。
本発明においては、このような無機粒子を、ポリイミドフィルムの製造に使用されるポリアミック酸に用いる有機溶媒と同一の極性溶媒に分散させたスラリーを、ポリイミド製造工程中のポリアミック酸溶液に添加した後、脱環化脱溶媒させてポリイミドフィルムを得ることが好ましいが、ポリアミック酸重合前の有機溶媒中に無機粒子スラリーを添加した後、ポリアミック酸重合、脱環化脱溶媒を経てポリイミドフィルムを得ること等、脱環化脱溶媒前の工程であればいかなる工程においても無機粒子スラリーを添加することが可能である。
次に、本発明のポリイミドフィルムの製造方法について説明する。
ポリイミドフィルムを製造する方法としては、ポリアミック酸溶液をフィルム状にキャストし熱的に脱環化脱溶媒させてポリイミドフィルムを得る方法、及びポリアミック酸溶液に環化触媒及び脱水剤を混合し化学的に脱環化させてゲルフィルムを作製し、これを加熱脱溶媒することによりポリイミドフィルムを得る方法が挙げられるが、後者の方が得られるポリイミドフィルムの熱膨張係数を低く抑えることができ、フィルム面方向の配高性が高まるため、良好なグラファイトの熱伝導性や厚みを得られることから好ましい。
化学的に脱環化させる方法においては、まず上記ポリアミック酸溶液を調製する。上記ポリアミック酸溶液は、環化触媒(イミド化触媒)、脱水剤及びゲル化遅延剤等を含有することができる。
本発明で使用される環化触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチレンジアミン等の脂肪族第3級アミン、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン、及びイソキノリン、ピリジン、β−ピコリン等の複素環第3級アミン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を併用できる。なかでも複素環式第3級アミンを少なくとも一種以上使用する態様が好ましい。
本発明で使用される脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の脂肪族カルボン酸無水物、及び無水安息香酸等の芳香族カルボン酸無水物等が挙げられるが、なかでも無水酢酸及び/又は無水安息香酸が好ましい。
ポリアミック酸溶液からポリイミドフィルムを製造する方法としては、環化触媒及び脱水剤を含有せしめたポリアミック酸溶液をスリット付き口金から支持体上に流延してフィルム状に成形し、支持体上でイミド化を一部進行させて自己支持性を有するゲルフィルムとした後、支持体より剥離し、加熱乾燥/イミド化し、熱処理を行う。
上記ポリアミック酸溶液は、スリット状口金を通ってフィルム状に成形され、加熱された支持体上に流延され、支持体上で熱閉環反応をし、自己支持性を有するゲルフィルムとなって支持体から剥離される。
上記支持体とは、金属製の回転ドラムやエンドレスベルトであり、その温度は液体又は気体の熱媒、及び/又は電気ヒーター等の輻射熱により制御される。
上記ゲルフィルムは、支持体からの受熱及び/又は熱風や電気ヒーター等の熱源からの受熱により、30〜200℃、好ましくは40〜150℃に加熱されて閉環反応し、遊離した有機溶媒等の揮発分を乾燥させることにより自己支持性を有するようになり、支持体から剥離される。
上記支持体から剥離されたゲルフィルムは、通常回転ロールにより走行速度を規制しながら走行方向に延伸される。延伸は、140℃以下の温度で1.01〜1.90倍、好ましくは1.05〜1.60倍、さらに好ましくは1.10〜1.50倍の倍率で実施される。走行方向に延伸されたゲルフィルムは、テンター装置に導入され、テンタークリップに幅方向両端部を把持されて、テンタークリップと共に走行しながら、幅方法へ延伸される。
上記の乾燥ゾーンで乾燥したフィルムは、熱風、赤外ヒーター等で15秒から30分加熱される。次いで、熱風及び/又は電気ヒーター等により、250〜500の温度で15秒から30分熱処理を行う。走行方向への延伸倍率と幅方向への延伸倍率を調整しながら、ポリイミドフィルムの厚みは調整される。
次に、本発明のグラファイトシートの製造方法について説明する。
ポリイミドフィルムを所定の寸法に切断し、ポリイミドフィルムのフィルム面を水平又はフィルム面を立ててグラファイト製の保持容器に入れる。
前記保持容器にポリイミドフィルムを入れる際は、焼成時におけるポリイミドフィルムが自然変形するように、ポリイミドフィルムが前記保持容器等の支持体と接しないようにするか又は支持体に接する場合はポリイミドフィルムの自重で接するように調整する。ポリイミドフィルムを複数枚重ねて容器に入れる場合も同様に焼成時の自然変形をするように重ねる。
焼成は炭素化工程とグラファイト化工程からなり、炭素化工程ではポリイミドフィルムを真空や不活性ガス等の非酸化性雰囲気中で室温から1℃/分〜10℃/分の一定の昇温速度で1200℃〜1500℃の範囲に設けた焼成温度まで昇温させて、この焼成温度で30分〜2時間保持しポリイミドフィルムを炭素化し炭素化シートを形成する。
炭素化工程においてはポリイミドフィルムの熱分解によって炭素以外の元素を放出し炭素−炭素間の再結合が行われポリイミドフィルムが焼成・収縮する。
グラファイト化工程では炭素化シートを真空や不活性ガス等の非酸化性雰囲気中で1℃/分〜10℃/分の一定の昇温速度で2400℃〜3500℃の範囲に設けた最高温度となる焼成温度まで昇温させて、この焼成温度で30分〜2時間保持して焼成する。
このグラファイト化工程において炭素−炭素の結合がグラファイト結晶へ転化するグラファイト化が生じてグラファイトシートが形成される。また、炭素化シートがグラファイトシートとなる焼成過程でポリイミドフィルム中に均一に分散した無機粒子がフィルム内部から昇華し、発生するガスによってシートの厚みが大きくなる膨れが生じる。
グラファイト化工程の焼成温度は2400℃より小さいとポリイミドフィルムのグラファイト化が不十分であるため良質なグラファイトの結晶が形成できずに熱伝導度が小さい。また焼成温度が3500℃より大きいと焼成炉の耐熱劣化が大きく長時間の生産が難しい。
グラファイト化工程は炭素化工程後にポリイミドフィルムを室温の大気中に取り出した後行う。また炭素化工程後、降温せずにグラファイト化工程を連続して行ってもよい。
炭素化工程及びグラファイト化工程における不活性ガスは窒素又はアルゴンを用いることが好ましい。
焼成後のグラファイトシートを圧延ローラで挟み込んで圧延処理することが好ましく、この圧延処理によって焼成後のグラファイトシートの膨れで生じた厚みムラを小さくできる。また圧延処理によって焼成後のグラファイトシートの密度を大きくし熱伝導率を高めることができる。密度及び熱伝導率は、例えば、特開2010−6890号公報に記載の方法で測定できる。
本発明における各種物性の測定方法について以下に説明する。
[摩擦係数(静摩擦係数)]
フィルムの処理面同士を重ね合わせ、JIS K−7125(1999)に基づき測定した。すなわち、スベリ係数測定装置Slip Tester(株式会社テクノニーズ製)を使用し、フィルム処理面同士を重ね合わせて、その上に200gのおもりを載せ、フィルムの一方を固定、もう一方を100mm/分で引っ張り、摩擦係数を測定した。
[無機粒子の評価]
堀場製作所のレーザー回析/散乱式粒度分布測定装置LA−910を用い、極性溶媒に分散させた試料を測定、解析した結果から粒子径範囲、平均粒子径、粒子径0.5〜2.5μmの全粒子中に対する占有率を読み取った。
[フィルム厚み]
Mitutoyo製ライトマチック(Series318)を使用して測定した。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
[ポリアミック酸合成例]
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)をモル比で1:1の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中23.7重量%溶液にして重合し、4000poiseのポリアミック酸溶液を得た。
[実施例1]
無機粒子全粒子の粒子径が0.01μm以上6.0μm以下に収まっており、平均粒子径0.87μm、粒子径0.5〜2.5μmの粒子が全粒子中81.5体積%のリン酸水素カルシウムのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを合成例で得たポリアミック酸溶液に樹脂重量当たり0.15重量%添加し、十分攪拌、分散させた。このポリアミック酸溶液に無水酢酸(分子量102.09)とβ−ピコリンからなる転化剤をポリアミック酸に対し、それぞれ2.0モル当量の割合での混合、攪拌した。得られた混合物を、口金より回転する65℃のステンレス製ドラム上にキャストし、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて250℃×30秒、400℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ80μmのポリイミドフィルムを得た。
以上のように得られたポリイミドフィルムを幅250mm×600mmの寸法に切断し、グラファイト製の円筒形の有低保持容器にフィルム面を立てて入れた。続いてアルゴンガス中で5℃/分で1500℃まで昇温させて2時間保持し、更に3000℃まで昇温させて2時間保持してグラファイト化を行った。更にグラファイトシートを2つの圧延ロール間に挟み込み、加圧力0.3MPaで圧延処理を行って圧延後のグラファイトシートを作製した。
[実施例2〜4]
リン酸水素カルシウムの平均粒子径、ポリアミック酸溶液に樹脂重量当たりのリン酸水素カルシウムの添加量をそれぞれ表1のように設定した以外は実施例1と同様にしてドラムの回転速度、ゲルフィルムの搬送速度(製膜速度)を調整することで25μm、37.5μmのポリイミドフィルムを得た。
[比較例1]
ポリアミック酸溶液に添加する樹脂重量当たりのリン酸水素カルシウム添加量を0.03重量%であること以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルム得た。
[比較例2]
ポリアミック酸溶液に添加する樹脂重量当たりのリン酸水素カルシウム添加量を0.55重量%であること以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルム得て、焼成することでグラファイトシートを作製した。
[比較例3]
ポリアミック酸溶液に添加するリン酸水素カルシウムの平均粒子径が2.0μmであること以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得て、焼成することでグラファイトシートを作製した。
[比較例4]
ポリアミック酸溶液に添加するリン酸水素カルシウムの平均粒子径が0.4μmであること以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得て、焼成することでグラファイトシートを作製した。
[比較例5、6]
リン酸水素カルシウムの平均粒子径、ポリアミック酸溶液に樹脂重量当たりのリン酸水素カルシウムの添加量は実施例1と同様にしてドラムの回転速度、ゲルフィルムの搬送速度(製膜速度)を調整することで20μm、100μmのポリイミドフィルムを得た以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得て、焼成することでグラファイトシートを作製した。
実施例1〜4と比較例1〜6で得られたポリイミドフィルムの特性及び焼成、圧延後のグラファイトシートの厚み、密度及び熱伝導率を表1に示した。熱伝導率はシート面方向の熱伝導率である。
Figure 0006121168
表1に示すとおり実施例1〜4で得られたグラファイトフィルムはいずれも熱伝導率は7.0×10(W/mK)以上であった。焼成前のポリイミドフィルムの厚みが厚くなるほど無機粒子がフィルム内部から昇華するときのガス透過性の影響が大きくなり、膨れが生じるため、圧延後の密度が下がる。結果として熱伝導率は下がる傾向にある。
比較例1、3は、静摩擦係数が高くなり、滑り性の悪く、フィルム加工時にシワが入り、グラファイトシートは作製できなかった。比較例2、4及び6については、グラファイトシートの表面に異常膨れが発生し、外観上優れてはいなかった。比較例5については、ポリイミドフィルムの厚みが25μmより薄くなると焼成後のグラファイトシートが丸まってしまい、しかも焼成後のグラファイトシートを平坦にしようとすると粉々になり圧延したグラファイトシートが形成できなかった。
表1の結果から明らかな通り、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物とから主としてイミド化によって製造されるポリイミドフィルムであって粒子径が0.01〜6.0μmの範囲内にあり、かつ平均粒子径が0.5〜2.5μmである無機粒子を主体とする粉体がフィルム樹脂重量当たり0.05〜0.5重量%の割合で、フィルム中に均一に分散された本発明のポリイミドフィルムは、優れた易滑性を示すと共に熱処理して得られるグラファイトシートに適応可能で、非常に高い熱伝導性を有するため電子機器の放熱部材として好適である。
本発明のポリイミドフィルムは、優れた易滑性を示すと共に熱処理して得られるグラファイトシートに適応可能で、非常に高い熱伝導性を有するため電子機器の放熱部材として好適である。

Claims (7)

  1. ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を主たる構成成分とし、イミド化によって製造されるポリイミドフィルムであって、前記ポリイミドフィルム中にフィルム樹脂重量当たり0.05〜0.50重量%の割合で無機粒子が分散されており、前記無機粒子の平均粒子径が0.5〜1.5μmであり、粒子径0.5〜2.5μmの無機粒子が全粒子中80体積%以上の割合を占め、前記無機粒子がリン酸水素カルシウムを主成分とし、フィルム厚みが25〜80μmであることを特徴とするグラファイトシート用のポリイミドフィルム。
  2. 前記無機粒子がフィルム樹脂重量当たり0.05〜0.30重量%の割合で含まれていることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドフィルム。
  3. 前記無機粒子の平均粒子径が0.5〜1.0μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイミドフィルム。
  4. 無機粒子の全粒子径が6.0μm以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  5. 4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物からなるテトラカルボン酸二無水物成分を、極性有機溶媒中で反応させてポリアミック酸を製造し、前記ポリアミック酸を用いてフィルムに成形する際に、平均粒子径が0.5〜1.5μmであり、かつ粒子径0.5〜2.5μmの無機粒子が全粒子中80体積%以上の割合を占める粒度分布を有する無機粒子を、前記極性有機溶媒と同一の極性有機溶媒に分散させたスラリーを、前記ポリアミック酸溶液に前記無機粒子が樹脂重量当たり0.05〜0.50重量%の割合となるように添加することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムを焼成して得られることを特徴とするグラファイトシート。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムを焼成することを特徴とするグラファイトシートの製造方法。
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