JP2005089618A - ポリアミック酸およびそれを用いたポリイミドフィルム - Google Patents

ポリアミック酸およびそれを用いたポリイミドフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】表面欠点の少ないポリイミドフィルムを得るためのポリアミック酸、それから製膜されたポリイミドフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエチレングリコール換算で分子量3000以下、好ましくは2000以下の低分子量物が全ポリアミック酸の2重量%以下、好ましくは1.5重量%以下であることを特徴とするポリアミック酸、およびそのポリアミック酸からなるポリイミドを用いたポリイミドフィルムである。
【選択図】なし。

Description

本発明は低分子量物を一定の割合に規定したポリアミック酸およびそれを用いたポリイミドフィルムに関するものである。
ポリイミドフィルムはその優れた絶縁性と耐熱性からフレキシブルプリント基板用のベースフィルムとして幅広く利用されている。フレキシブルプリント基板は電子機器を小型化、軽量化するのに適していることから近年需要が増加している。それとともにさらなる小型化、軽量化が進められており、回路の高密度化、高精細化の進歩は日進月歩である。この動きに対応するため、ベースフィルムであるポリイミドフィルムに対する品質要求も高まっているのが現状である。
求められる品質のひとつとして、フィルム表面の欠点低減が挙げられる。欠点を持ったフィルムを用いてフレキシブルプリント基板を作成した場合、線間ピッチが狭いため欠点を経由してショートなどの問題を引き起こすことがある。
この欠点は異物、コンタミなど様々な要因で発生する。その要因のひとつにポリマーの低分子量物の存在が挙げられる。低分子量物は製膜の際に析出し、フィルム表面上に付着して突起状の欠点となったり、ロールに付着してフィルムにひっかき傷を残したりする場合がある。
一般にフレキシブルプリント基板のベースフィルムとして用いられるポリイミドフィルムはそのままでは不溶不融のため、溶媒に溶解するポリアミック酸を前駆体として作られている(例えば非特許文献1参照)。よって低分子量物を管理するためには、前駆体であるポリアミック酸の分子量分布を管理することが重要となる。分子量分布を測定する方法としては、サイズ排除クロマトグラフィーを挙げることができるが、ポリアミック酸はその不安定性、また多数のカルボン酸を持っているため故の電解質性のため分離カラムに吸着してしまうなどの特徴を持っており、そのままでは正確な分子量分布測定をすることは困難であった。そのため種々の測定法が提案されている(例えば非特許文献2、3参照)。しかし特殊なカラムを使用するなどの問題があったため、十分な検討を行うことが出来ず、分子量分布とフィルム欠点の関係は定量的には把握されていなかった。
「最新ポリイミド」日本ポリイミド研究会編、エヌ・ティー・エス、2002年1月28日発行 C.C.Walker et al, Jounal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol. 26, 1649-1657(1988) Patricia. M. Cotts et al, Jounal of Polymer Science: Part B: Polymer Physics, Vol. 30, 373-379(1992)
本発明はかかる従来技術の欠点を改良することをその課題とする。すなわち、ポリアミック酸の分子量分布を新たな方法で測定することにより、フィルム欠点を低減させるポリアミック酸の分子量分布を明らかにし、そのポリアミック酸を得ることである。
前記課題を解決するため、本発明者はポリアミック酸の分子量分布を正確に測定し、ある分子量以下の低分子量物の量を規定することにより欠点の少ないフィルムを得られることを見出した。すなわち本発明のポリアミック酸は下記の構成からなる。
ポリアミック酸の低分子量物をポリエチレングリコール換算で分子量3000以下の低分子量物が全ポリアミック酸の2重量%以下である。
本発明によれば、欠点の少ないポリイミドフィルムを得ることができ、このポリイミドフィルムは、銅箔などの金属箔と積層したフレキシブル回路基板用のベースフィルムや、フレキシブル印刷回路保護用カバーレイフィルムなどとして利用することが可能である。
本発明のポリアミック酸は下記一般式で表すことができるものを指す。
Figure 2005089618
ここで、式中R1およびR2はそれぞれ1種類以上の炭素数6以上の任意の基を示す。
本発明のポリアミック酸の分子量分布測定はサイズ排除クロマトグラフィーで行い、ポリエチレングリコール換算で分子量を求めたものである。カラムとしては汎用性のあるポリスチレンゲルタイプを用い、移動層としてはジメチルアセトアミドを主成分とし、臭化リチウム、リン酸を加え、ポリアミック酸の電解質的性質によるカラムへの吸着を防いでいる。また4,4'−オキシジアニリンを移動層に加えることにより、カラムに吸着しやすいジアミン類のテーリングを抑制するようにした。このことによりテーリングを抑制し再現性のある分子量分布測定が行えるようになった。
本発明のポリアミック酸はポリエチレングリコール換算で分子量3000以下の低分子量物が全ポリアミック酸の2重量%以下であることが必要である。分子量3000以下の低分子量物が2重量%より多いとポリイミドフィルムとしたときにフィルム表面上に欠点が発生することがある。分子量3000以下の低分子量物は好ましくは1.7重量%以下、更に好ましくは1.5重量%以下であると欠点が低減でき好ましい。
本発明のポリアミック酸はポリエチレングリコール換算で分子量2000以下の低分子量物が全ポリアミック酸の1.5重量%以下であることが好ましい。分子量2000以下の低分子量物が1.5重量%より多いとポリイミドフィルムとしたときにフィルム表面上に欠点が発生することがある。分子量2000以下の低分子量物は好ましくは1.0重量%以下、更に好ましくは0.7重量%以下であると欠点が低減でき好ましい。
ポリアミック酸の合成方法としては例えば、酸二無水物類とジアミン類を非プロトン性極性溶媒中で、反応させる方法が挙げられる。
酸二無水物類の好ましい例は、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3´,4´−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフロロプロパン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、より好ましくは、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
ジアミン類の好ましい例は、4,4'-オキシジアニリン、3,4'−オキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノジフェニルエタン、ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフェニルケトン、ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、ジアミノジフェニルフルオレン、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルスルフォン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルプロパン、を挙げることができる。
非プロトン性極性溶媒の好ましい例としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−,m−,又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。
本発明のポリアミック酸溶液は、固形分を5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%を含有するのが好ましい。またその粘度は安定した送液のためにブルックフィールド粘度計による測定値で10〜5000Pa・s、好ましくは、100〜1000Pa・sのものが好ましく使用される。
本発明において、ポリアミック酸を構成する酸二無水物類とジアミン類とは、それぞれの合計のモル数が大略等しくなる割合で重合されるが、その一方が10モル%の範囲内で他方に対して過剰に配合されることが好ましく、5モル%の範囲内で、他方に対して過剰に配合されることもより好ましい。
重合反応は、有機溶媒中で撹拌そして/または混合しながら、0〜80℃の温度の範囲で、10〜30時間連続して進められるのが好ましく、必要により重合反応を分割したり、温度を上下させても構わない。両原料の添加順序には特に制限はないが、ジアミン類の溶液中に酸二無水物類を添加することが好ましい。本発明で規定するポリアミック酸を得るためには全ジアミン類の合計を100モル%としたとき、酸二無水物類の添加速度を0.1〜20モル%/分の範囲にすることが必要である。複数回に分けて添加する場合もいすれの添加速度もこの範囲に入ることが必要となる。添加速度が0.1モル%/分より遅い場合は、重合系内の水分などと反応してしまい低分子量物が増加してしまう場合がある。添加速度が20モル%/分より早い場合は、重合系内の温度が局所的に上昇し副反応を促進することになり、低分子量物が増加する場合がある。好ましくは0.5〜17モル%/分、更に好ましくは1〜15モル%/分であると本発明に規定のポリアミック酸を得るのに好ましい。また重合反応中に真空脱泡することは良質なポリアミック酸溶液を製造するのにとって有効な方法である。
また重合反応の前、あるいは後に少量の末端封止剤を添加することなどによって重合反応の制御を行ってもよい。
次に、フィルムの製膜方法について説明する。
ポリイミドフィルムを製膜する方法としては、ポリアミック酸溶液をフィルム状にキャストし熱的に脱環化脱溶媒させてポリイミドフィルムを得る方法、およびポリアミック酸溶液に環化触媒及び脱水剤を混合し化学的に脱環化させてゲルフィルムを作成し、これを加熱脱溶媒することによりポリイミドフィルムを得る方法が挙げられ、いずれの方法を用いてもよく、化学的方法と熱的方法を併用しても良い。
化学的に脱環化させる方法においては、まず上記ポリアミック酸溶液を調製する。
なお、このポリアミック酸溶液は、本発明の目的を損なわないかぎりにおいて、必要に応じ酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムおよびポリイミドフィラーなどの化学的に不活性な有機フィラーや無機フィラーを、30重量%未満濃度で含有することができる。
ここで使用するポリアミック酸溶液は、予め重合したポリアミック酸溶液であっても、またフィラー粒子を含有させる際に順次重合したものであってもよい。
上記ポリアミック酸溶液は、環化触媒(イミド化触媒)、脱水剤およびゲル化遅延剤などを含有することができる。
本発明で使用される環化触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチレンジアミンなどの脂肪族第3級アミン、ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン、およびイソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどの複素環第3級アミンなどが挙げられるが、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種類のアミンを使用するのが好ましい。
本発明で使用される脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などの脂肪族カルボン酸無水物、および無水安息香酸などの芳香族カルボン酸無水物などが挙げられるが、無水酢酸および/または無水安息香酸が好ましい。
ポリアミック酸溶液からポリイミドフィルムを製造する方法としては、環化触媒および脱水剤を含有させたポリアミック酸溶液をスリット付き口金から支持体上に流延してフィルム状に成形し、支持体上でイミド化を一部進行させて自己支持性を有するゲルフィルムとした後、支持体より剥離し、加熱乾燥/イミド化し、熱処理を行う。
上記ポリアミック酸溶液は、スリット状口金を通ってフィルム状に成型され、加熱された支持体上に流延され、支持体上で熱閉環反応をし、自己支持性を有するゲルフィルムとなって支持体から剥離される。
上記支持体とは、金属製の回転ドラムやエンドレスベルトであり、その温度は液体または気体の熱媒によりおよび/または電気ヒーターなどの輻射熱により液体または気体の熱媒によりおよび/または電気ヒーターなどの輻射熱により制御される。
上記ゲルフィルムは、支持体からの受熱および/または熱風や電気ヒーターなどの熱源からの受熱により30〜200℃、好ましくは40〜150℃に加熱されて閉環反応し、遊離した有機溶媒などの揮発分を乾燥させることにより自己支持性を有するようになり、支持体から剥離される。
このとき遊離する有機溶媒とともにポリマー中の低分子量物が析出し、フィルム表面や、ロール状に付着し欠点の原因となることがある。
上記支持体から剥離されたゲルフィルムは、通常回転ロールにより走行速度を規制しながら走行方向に延伸される。延伸は、140℃以下の温度で1.05〜1.9倍、好ましくは1.1〜1.6倍、さらに好ましくは1.1〜1.5倍の倍率で実施される。走行方向に延伸されたゲルフィルムは、テンター装置に導入され、テンタークリップに幅方向両端部を把持されて、テンタークリップと共に走行しながら、幅方向へ延伸される。上記の乾燥ゾーンで乾燥したフィルムは、熱風、赤外ヒーターなどで15秒から10分加熱される。次いで、熱風および/または電気ヒーターなどにより、250〜500℃の温度で15秒から20分熱処理を行う。
その後徐冷炉においてポリイミドフィルムを徐々に冷却したのち、コアに巻き取ってフィルムロールとする。フィルムをロール状に巻き取るにあたってはフィルムの幅方向の厚みムラにより、ロールに太さムラやいわゆるゲージバンドが生じることを軽減するためにフィルムを蛇行させながら巻き取ることが好ましい。また巻き取りに当たり、フィルムの端部を切り取り、ロールの端面を揃えることも好ましく行われる。
本発明のポリイミドフィルムは3〜250マイクロメートルである事が望ましい。即ち、厚みが3マイクロメートル未満では形状を保持する事が困難となり、また250マイクロメートルを越えると屈曲性に欠けるため、フレキシブル回路基板用途には不向きである。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
[分子量分布の測定法]
ポリアミック酸の分子量分布測定は以下のように行った。
カラム: TSK−gel―GMHHR 2本(東ソー(株)製)
溶媒: ジメチルアセトアミド(0.03モル/L 臭化リチウム、0.02モル/L リン酸、0.25ミリモル/L 4,4'−オキシジアニリン)
流速: 0.8ml/min
温度: 23℃
検出器: RI検出器、UV検出器(280nm)
分子量校正: ポリエチレングリコール
[欠点の評価方法]
直射日光が差し込まないところで、フィルム平面からの垂線より45°以上傾けた位置からライトをかざして、10cm四方のフィルム表面の状態を観察し、肉眼で欠点が認識出来ないものを○、欠点が認識できるものを×とした
[実施例1]
ケミカルスターラーを備えた300mlセパラブルフラスコ中に4,4'−オキシジアニリン25.0g、N,N'−ジメチルアセトアミド196.4gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌し溶解させた。そこにピロメリット酸二無水物26.5gを添加速度1.6モル%/分で添加した。添加終了後1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物の N,N'−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)13.6gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。ここで得られたポリアミック酸溶液は250Pa・sであった。なお重合は50℃を超えないようウォーターバスで調整しながら、窒素気流下で行った。
このポリアミック酸の分子量分布を測定したところ、分子量3000以下の低分子量物は0.4重量%、分子量2000以下の低分子量物は0.2重量%であった。
このポリアミック酸溶液にベータピコリン、無水酢酸をポリアミック酸のアミド結合に1モルに対しそれぞれ1.25モルを混合して製膜ドープを得た。この混合工程は0℃以下に保って行った。この製膜ドープをガラス板上に流延塗布し、室温にて自己保持性を持つまで放置した。その後このゲルフィルムを支持枠を固定し、200℃30分、300℃20分、400℃5分で熱処理し、厚みが約25μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムを観察したが欠点は見られず○レベルであった。
[実施例2]
ピロメリット酸二無水物の添加速度を5モル%/分とした以外は実施例1と同様に重合を行った。このポリアミック酸の分子量分布を測定したところ、分子量3000以下の低分子量物は0.7重量%、分子量2000以下の低分子量物は0.5重量%であった。
このポリアミック酸溶液を用いて実施例1と同様に製膜し、このフィルムを観察したが欠点は見られず○レベルであった。
[実施例3]
ケミカルスターラーを備えた300mlセパラブルフラスコ中にパラフェニレンジアミン2.43g、N,N'−ジメチルアセトアミド196.4gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌し溶解させた。そこにピロメリット酸二無水物4.77gを添加速度1.5モル%/分で添加した。30分撹拌した後、4,4'−オキシジアニリン20.52gを添加し、撹拌溶解させた。そこに3,3',4,4'―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物12.87gを添加速度1.5モル%/分で添加した。30分撹拌後、ピロメリット酸二無水物12.13gを添加速度1.5モル%/分で添加した。30分撹拌後、ピロメリット酸二無水物の N,N'−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)13.6gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。ここで得られたポリアミック酸溶液は250Pa・sであった。なお重合は50℃を超えないようウォーターバスで調整しながら、窒素気流下で行った。
このポリアミック酸の分子量分布を測定したところ、分子量3000以下の低分子量物は0.9重量%、分子量2000以下の低分子量物は0.6重量%であった。
このポリアミック酸溶液を用いて実施例1と同様に製膜し、得られたフィルムを観察したが欠点は見られず○レベルであった。
[比較例1]
ピロメリット酸二無水物の添加速度を0.05モル%/分とした以外は実施例1と同様に重合を行った。このポリアミック酸の分子量分布を測定したところ、分子量3000以下の低分子量物は2.2重量%、分子量2000以下の低分子量物は0.8重量%であった。
このポリアミック酸溶液を用いて実施例1と同様に製膜し、得られたフィルムを観察したところ、わずかに白濁しており、欠点は×レベルであった。これはピロメリット酸二無水物の添加速度が遅かったため、重合系内の水分と反応してしまったためと考えられる。
[比較例2]
ピロメリット酸二無水物の添加速度を25モル%/分とした以外は実施例1と同様に重合を行った。このポリアミック酸の分子量分布を測定したところ、分子量3000以下の低分子量物は3.4重量%、分子量2000以下の低分子量物は1.8重量%であった。
このポリアミック酸溶液を用いて実施例1と同様に製膜し、得られたフィルムを観察したところ、白濁しており、欠点は×レベルであった。これはピロメリット酸二無水物の添加速度が早かったため、局部的に温度が上昇してしまい副反応が進んだ結果と考えられる。
本発明のポリアミック酸を用いることにより、表面欠点が少なく、より高精細なフレキシブルプリント基板のベースフィルムに好適なポリイミドフィルムを得ることができる。

Claims (3)

  1. ポリエチレングリコール換算で分子量3000以下の低分子量物が全ポリアミック酸の2重量%以下であることを特徴とするポリアミック酸。
  2. ポリエチレングリコール換算で分子量2000以下の低分子量物が全ポリアミック酸の1.5重量%以下であることを特徴とするポリアミック酸。
  3. 請求項1〜2に記載のポリアミック酸からなるポリイミドを用いて製膜することを特徴とするポリイミドフィルム。
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