JP6706822B2 - 化合物、及びこれを含む有機半導体材料 - Google Patents

化合物、及びこれを含む有機半導体材料 Download PDF

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    • C06D5/00Generation of pressure gas, e.g. for blasting cartridges, starting cartridges, rockets

Description

本発明は、テトラゾロピリジン化合物に関する。詳細には、有機半導体や医薬組成物、ガス発生剤に用いることができる新規なテトラゾロピリジン化合物に関する。
テトラゾロピリジン化合物は、医薬中間体として知られている。例えば、特許文献1には、6−クロロニコチン酸クロリドを原料としてグリシジル基を有するテトラゾロピリジン化合物を合成している。また非特許文献1には、種々の置換基を有するテトラゾロピリジン化合物が提案されている。
特表2001−526282号公報
John M. Keith、「One−Step Conversion of Pyridine N−Oxides to Tetrazolo[1,5−a]Pyridines」、Journal of Organic Chemistry、2006、71、p.9540−9543
しかしながら、上記の化合物を有機半導体材料に用いた場合の効果は知られていなかった。また、上記の化合物では、熱安定性が十分でない場合があった。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、テトラゾロピリジン化合物の中でも、特定の官能基を2個以上有するものは、LUMO準位を低く維持したままHOMO準位を引き上げることができ有機半導体材料として有用であることを見出した。そして、特定の官能基を2個以上有するテトラゾロピリジン化合物は、熱安定性に優れガス発生剤としても有用であり、さらには種々の化合物の原料としても有用な化合物となることを見出して、本発明を完成した。
すなわち本発明の化合物は、式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 0006706822
[式(1)中、R1は、水素原子、脂肪族炭化水素基、又は脂環式炭化水素基を表す。A1は、置換されていてもよい芳香族環、又はハロゲン原子を表す。mは、0〜2の整数、nは、2〜4の整数を表す。ただしm+nは4である。]
本発明の化合物は、また、式(1−I)で表される。
Figure 0006706822
[式(1−I)中、A1は、置換されていてもよい芳香族環、又はハロゲン原子を表す。]
上記化合物において、2つ以上のA1が、ハロゲン原子で置換されている芳香族環、又はハロゲン原子であることが好ましい。上記化合物において、2つ以上のA1が、ハロゲン原子であることが好ましく、2つ以上のA1が、ハロゲン原子で置換されている芳香族環であることも好ましい。
また、A1は、下記式(Ar1)〜(Ar8)から選ばれるいずれかの芳香族環であることがより好ましい。
Figure 0006706822
[式(Ar1)〜(Ar8)中、R2は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン化アルキル基を表す。R3は、水素原子、又はアルキル基を表す。p1は、0〜3の整数、p2は、0〜2の整数、p3は0〜5の整数、p4は0〜4の整数を表す。]
本発明には、下記式(2)で表される化合物に、塩基の存在下、アジド化合物を反応させる、式(1)で表される化合物の製造方法も含まれる。
Figure 0006706822
[式(2)中、R1は、水素原子、脂肪族炭化水素基、又は脂環式炭化水素基を表す。A1は、置換されていてもよい芳香族環、又はハロゲン原子を表す。mは、0〜2の整数、nは、2〜4の整数を表す。ただしm+nは4である。]
また本発明には、下記式(2−I)で表される化合物に、塩基の存在下、アジド化合物を反応させる、式(1−I)で表される化合物の製造方法も含まれる。
Figure 0006706822
[式(2−I)中、A1は、置換されていてもよい芳香族環、又はハロゲン原子を表す。]
さらに本発明には、下記式で表される化合物も包含される。
Figure 0006706822
[式(II)中、R1は、水素原子、脂肪族炭化水素基、又は脂環式炭化水素基を表す。A20は、置換されていてもよい芳香族環を表す。mは、0〜2の整数、n7は、1以上の整数、rは、1以上の整数を表す。ただし、n7またはrのいずれかは、2以上である。]
さらに、上記の化合物を含む有機半導体材料、及び、この有機半導体材料を含む有機電子デバイスも本発明の範囲に包含される。
本発明の化合物が特定の官能基を2個以上有するテトラゾロピリジン化合物であるため、LUMO準位を低く維持したままHOMO準位を引き上げることができ有機半導体材料として有用であるとともに、熱安定性が優れており、さらには種々の化合物の原料としても有用である。
図1は、化合物(Tz−6)、(Tz−8)、(Tz−9)の示差走査熱量測定の結果を表す。 図2は、化合物(Tz−11)の示差走査熱量測定の結果を表す。 図3は、化合物(Tz−1)、(Tz−7)の示差走査熱量測定の結果を表す。 図4は、化合物(Tz−14)、(Tz−15)の示差走査熱量測定の結果を表す。 図5は、化合物(Tz−3)、(Tz−4)の示差走査熱量測定の結果を表す。 図6は、化合物(Tz−2)、(Tz−16)の示差走査熱量測定の結果を表す。 図7は、化合物(Tz−3)の紫外可視吸収スペクトルを表す。 図8は、化合物(Tz−6)の紫外可視吸収スペクトルを表す。 図9は、化合物(Tz−9)の紫外可視吸収スペクトルを表す。 図10は、化合物(Tz−8)の紫外可視吸収スペクトルを表す。 図11は、化合物(Tz−1)の紫外可視吸収スペクトルを表す。 図12は、化合物(Tz−14)の紫外可視吸収スペクトルを表す。 図13は、化合物(Tz−15)の紫外可視吸収スペクトルを表す。 図14は、化合物(Tz−3)のサイクリックボルタンメトリー測定の結果を表す。 図15は、化合物(Tz−6)、(Tz−8)、(Tz−9)のサイクリックボルタンメトリー測定の結果を表す。実線が化合物(Tz−8)、破線が化合物(Tz−6)、点線が化合物(Tz−9)を表す。 図16は、化合物(Tz−1)、(Tz−14)、(Tz−15)のサイクリックボルタンメトリー測定の結果を表す。実線が化合物(Tz−1)、破線が化合物(Tz−14)、点線が化合物(Tz−15)を表す。
以下、本発明について説明する。なお、以下「式(x)で表される化合物」を、単に「化合物(x)」という場合がある。
1.化合物
本発明の化合物は、下記式(1)で表される。
Figure 0006706822
[式(1)中、
1は、水素原子、脂肪族炭化水素基、又は脂環式炭化水素基を表す。
1は、置換されていてもよい芳香族環、又はハロゲン原子を表す。
mは、0〜2の整数、nは、2〜4の整数を表す。ただしm+nは4である。]
式(1)において、mは、より好ましくは1〜2、特に好ましくは2であり、nは、より好ましくは2である。R1、A1は、それぞれ2〜5位のいずれの位置に結合していてもよく、例えば、以下の配置が挙げられる。
Figure 0006706822
[式(1−1)〜(1−11)中、R1、A1は上記と同義である。]
中でも、式(1−1)〜(1−6)が好ましく、より好ましくは式(1−1)、(1−2)、(1−4)であり、特に好ましくは式(1−1)である。
また、式(1)中、A1の全てがハロゲン原子であってもよく(下記式(1A))、A1の全てが置換されていてもよい芳香族環であってもよく(下記式(1B))、A1のいずれかがハロゲン原子、いずれかが置換されていてもよい芳香族環であってもよい(下記式(1C))。
Figure 0006706822
[式(1A)〜(1B)中、
1、mは、上記と同義である。
2は、置換されていてもよい芳香族環を表す。
1は、ハロゲン原子を表す。
n1は、2〜4の整数、n2は1〜3の整数、n3は、1〜3の整数を表す。ただし、m+n1、m+n2+n3は4以下である。]
式中、X1のハロゲン原子は、A1のハロゲン原子と同様であり、A2の置換されていてもよい芳香族環は、A1の置換されていてもよい芳香族環と同様である。
n1は、2〜3であることが好ましく2であることが特に好ましい。n2、n3は、それぞれ、1〜2であることが好ましく、1であることが特に好ましい。
さらに、化合物(1)において、2つ以上のA1が、ハロゲン原子で置換されている芳香族環、又はハロゲン原子であることが好ましい。A1がハロゲン原子で置換されている芳香族環、又はハロゲン原子であると、このハロゲン原子が起点となって多様な置換基と結合することができ、多様な化合物を合成することが容易となる。
また、2つ以上のA1がいずれもハロゲン原子であることや、2つ以上のA1が、いずれもハロゲン原子で置換されている芳香族環であることも好ましい。2つ以上のA1が、ハロゲン原子で置換されている芳香族環であると、後述する有機半導体材料として、特に有用である。
また、式(1)中、R1の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基の炭素数は、1〜30であることが好ましい。
また、R1の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい。R1の脂肪族炭化水素基は、アルキル基、或いはアルケニル基、アルキニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基のいずれであってもよく、アルキル基であることが好ましい。R1の脂肪族炭化水素基の炭素数は、1〜24であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜20である。
1の脂肪族炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、1−n−ブチルブチル基、1−n−プロピルペンチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,5−ジメチルヘキシル基、n−ノニル基、1−n−プロピルヘキシル基、2−n−プロピルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、1−メチルオクチル基、2−メチルオクチル基、6−メチルオクチル基、2,3,3,4−テトラメチルペンチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、1−n−ペンチルペンチル基、1−n−ブチルヘキシル基、2−n−ブチルヘキシル基、1−n−プロピルヘプチル基、1−エチルオクチル基、2−エチルオクチル基、1−メチルノニル基、2−メチルノニル基、3,7−ジメチルオクチル基、n−ウンデシル基、1−n−ブチルヘプチル基、2−n−ブチルヘプチル基、1−n−プロピルオクチル基、2−n−プロピルオクチル基、1−エチルノニル基、2−エチルノニル基、n−ドデシル基、1−n−ペンチルヘプチル基、2−n−ペンチルヘプチル基、1−n−ブチルオクチル基、2−n−ブチルオクチル基、1−n−プロピルノニル基、2−n−プロピルノニル基、n−トリデシル基、1−n−ペンチルオクチル基、2−n−ペンチルオクチル基、1−n−ブチルノニル基、2−n−ブチルノニル基、1−メチルデシル基、2−メチルデシル基、n−テトラデシル基、1−n−ヘプチルヘプチル基、1−n−ヘキシルオクチル基、2−n−ヘキシルオクチル基、1−n−ペンチルノニル基、2−n−ペンチルノニル基、n−ペンタデシル基、1−n−ヘプチルオクチル基、1−n−ヘキシルノニル基、2−n−ヘキシルノニル基、n−ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、1−n−オクチルオクチル基、1−n−ヘプチルノニル基、2−n−ヘプチルノニル基、n−ヘプタデシル基、1−n−オクチルノニル基、n−オクタデシル基、1−n−ノニルノニル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、2−オクチルドデシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、2−デシルテトラデシル基等が挙げられる。
1の脂環式炭化水素基は、単環、多環のいずれであってもよい。また、R1の脂環式炭化水素基は、シクロアルキル基、或いはシクロアルケニル基、シクロアルキニル基等の不飽和脂環式炭化水素基のいずれであってもよく、シクロアルキル基であることが好ましい。R1の脂環式炭化水素基の炭素数は、3〜20であることが好ましく、より好ましくは炭素数3〜14である。
1の脂環式炭化水素基としては、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基等の単環式のシクロアルキル基;ビシクロヘキシル基、ビシクロヘプチル基、ビシクロオクチル基等の多環式のシクロアルキル基等が挙げられる。
中でもR1としては、水素原子、又は脂肪族炭化水素基が好ましく、より好ましくは水素原子である。
1のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくは臭素原子である。
1の芳香族環としては、芳香族炭化水素環、芳香族複素環が挙げられる。
芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が挙げられ、ベンゼン環が好ましい。
芳香族複素環としては、下記式で表される芳香族複素環が挙げられ、中でも、チオフェン環、チアゾール環、ピリジン環、ピロール環、イミダゾール環、フラン環、オキサゾール環等が好ましい。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
Figure 0006706822
Figure 0006706822
Figure 0006706822
また、A1の芳香族環は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されていることが好ましい。このハロゲン原子としては、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、臭素原子が特に好ましい。ハロゲン原子の置換数は、1〜2であることが好ましく、1であることが特に好ましい。
1の芳香族環は、ハロゲン原子以外の置換基を有していてもよい。ハロゲン原子以外の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。前記アルキル基としては、R1の脂肪族炭化水素基として例示したアルキル基と同様の基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜24である。前記アルコキシ基としては、前記アルキル基に−O−が結合した基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜24である。さらに、前記ハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子(特に好ましくはフッ素原子)で置換された基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜4であり、具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等のペルフルオロアルキル基等が挙げられ、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
上記A1の芳香族環のうち、芳香族炭化水素環は、2位、又は5位でテトラゾロピリジンのピリジン環と結合していることが好ましく、芳香族複素環は、2位でテトラゾロピリジンのピリジン環と結合していることが好ましい。
1の芳香族環としては、具体的には、下記式で表される芳香族環が好ましい。
Figure 0006706822
[式(Ar1)〜(Ar8)中、
2は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン化アルキル基を表す。
3は、水素原子、又はアルキル基を表す。
p1は、0〜3の整数、p2は、0〜2の整数、p3は0〜5の整数、p4は0〜4の整数を表す。]
前記R2のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
2のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、R3のアルキル基としては、上記A1の芳香族環が有していてもよい置換基と同様であり、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基が好ましい。
上記式(Ar1)〜(Ar8)において、少なくとも1つのR2がハロゲン原子であることが好ましい。ハロゲン原子の置換位置は、式(Ar1)〜(Ar2)、(Ar5)〜(Ar8)では、5位であることが好ましく、式(Ar3)では4位、式(Ar4)では6位であることが好ましい。
p1、p2、p3、p4は、それぞれ、0〜2であることが好ましい。
式(Ar1)〜(Ar8)の中でも、式(Ar1)〜(Ar4)が好ましく、式(Ar1)〜(Ar4)は、それぞれ、下記式(Ar1−1)〜(Ar4−1)であることがより好ましい。
また、(Ar1−1)〜(Ar1−2)、(Ar4−1)において、X2は2位に結合していることが好ましく、(Ar3−1)において、X2は4位に結合していることが好ましい。
Figure 0006706822
[式(Ar1−1)〜(Ar4−2)中、
4は、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン化アルキル基を表す。
2は、ハロゲン原子を表す。
p5は0〜2の整数、p6は0〜1の整数、p7は0〜4の整数、p8は0〜3の整数を表す。p9は0〜3の整数、p10は0〜2の整数、p11は0〜5の整数、p12は0〜4の整数を表す。
*は結合手を表す。]
2のハロゲン原子は、上記R2のハロゲン原子と同様であり、臭素原子又はヨウ素原子が好ましく、臭素原子がより好ましい。
4は、それぞれ、上記R2のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基と同様であり、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基が好ましい。
p5、p6、p7、p8、p9、p10、p11、p12は0〜1が好ましい。
式(1)で表される化合物としては、例えば、下記式(1−I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
Figure 0006706822
表中、各式番号は、それぞれ、下記式で表される基であることを意味する。下記式中、R4は、上記と同義であり、*は結合手を表す。
Figure 0006706822
中でも、化合物(1−I−1)〜(1−I−107)がより好ましく、化合物(1−I−1)〜(1−I−16)がより好ましく、化合物(1−I−1)〜(1−I−10)がさらに好ましい。
2.製造方法
本発明の製造方法の概要は、下記スキームで表される。
Figure 0006706822
[式中、
1、A1、A2、X1、m、n、n1、n2、n3は、それぞれ上記と同義である。
3は、ハロゲン原子で置換されていない芳香族環を表す。
x1は、ハロゲン原子で置換されている芳香族環を表す。
1は、ホウ素原子、又はスズ原子を表す。
1は、脂肪族炭化水素基、水酸基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表し、複数のL1は、M1とともに環を形成していてもよい。
n4は1〜3の整数、n5は1〜3の整数を表す。
k1は、2又は3の整数を表す。]
すなわち、上記本発明の化合物(1)は、化合物(3)を酸化し(酸化工程:工程1)、必要に応じて芳香族環を付加して(芳香族環付加工程1:工程3、5、7)、化合物(2)を得て、この化合物(2)に、塩基の存在下、アジド化合物を反応させることにより製造することができる(環化工程1:工程2、4、6、8、11)。
また、上記化合物(1)が、A1がハロゲン原子で置換されている芳香族環を含む、式(1E)で表される化合物である場合化合物(1E)は、下記式(2E)で表される化合物に、塩基の存在下、アジド化合物を反応させることにより製造してもよく(環化工程1:工程11)、
Figure 0006706822
[式(1E)中、R1、Ax1、X1、m、n4、n5は、上記と同義である。]
或いは、ハロゲン原子で置換されていない芳香族環を有する化合物(2D)に、塩基の存在下、アジド化合物を反応させて(環化工程1:工程8)、ハロゲン原子で置換されていない芳香族環を有する化合物(1D)とした後、芳香族環をハロゲン原子で置換することにより製造してもよい(ハロゲン化工程:工程9)。
Figure 0006706822
[式(2D)中、R1、A3、X1、m、n4、n5は、上記と同義である。]
以下、各工程について説明する。
2−1.酸化工程(工程1)
上記化合物(3)と、酸化剤とを反応させることにより、化合物(2)を得ることができる。化合物(3)としては、例えば、下記式(3−I)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
前記酸化剤としては、メタクロロ過安息香酸等の過カルボン酸を用いることができる。前記酸化剤の量は、化合物(3A)1モルに対して、0.1モル以上、10モル以下であることが好ましく、より好ましくは0.5モル以上、5モル以下である。
酸化工程における反応溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロプロパン等のハロゲン系溶媒が好ましい。
2−2.芳香族環付加工程1(工程3、5、7)
芳香族環付加工程1では、化合物(2)と、下記式(4)
Figure 0006706822
[式(4)中、A2、M1、L1、k1は、上記と同義である。]
で表される化合物(以下、「化合物(4)」という場合がある。)とを反応させることにより、芳香族環を有する化合物(2)を製造することができる。本工程で用いられる化合物(2)としては、例えば、下記式(2−I)で表される化合物が好ましく、化合物(2A)が好ましい。表中、各式番号は、それぞれ、上記と同義である。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
複数のA1が同一のハロゲン原子である化合物(2)を用いた場合、ハロゲン原子を有せず芳香族環を有する化合物(2B)を製造することができ、複数のA1が異なるハロゲン原子である化合物(2)を用いた場合、ハロゲン原子と芳香族環とを有する化合物(2C)を製造することができる。また、複数のA1が同一のハロゲン原子である化合物(2)を用いた場合でも、化合物(4)を化合物(2)1モルに対して1.2モル未満、好ましくは1.1モル以下とすることで、化合物(2C)を製造できる。
さらに、A11が芳香族環である化合物(2)を用いた場合、2位と5位に結合する芳香族環の種類が異なる化合物(2B)を得ることができる。
上記式(4)において、L1の炭素数は、脂肪族炭化水素基、アルコキシ基としては、それぞれ、R1の脂肪族炭化水素基、R2のアルコキシ基として例示した基と同様の基が挙げられる。L1の脂肪族炭化水素基の炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。また、L1のアルコキシ基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜2がより好ましい。L1のアリールオキシ基の炭素数は、好ましくは6〜10、より好ましくは6〜10であり、具体的には、フェニルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェニレンビス(メチレンオキシ)基等が挙げられる。
k1は、M1の種類に応じて2又は3であり、M1がホウ素原子の場合2であり、M1がスズ原子の場合3である。
1がホウ素原子の場合、*−M1(L1k1としては、下記式で表される基等が挙げられる。式中、R4は、水素原子、又は、炭素数1〜4のアルキル基(好ましくは水素原子)を表す。*は結合手を表す。
Figure 0006706822
1がスズ原子の場合、*−M1(L1k1としては、下記式で表される基等が挙げられる。式中、*は結合手を表す。
Figure 0006706822
中でも、上記式(Om−1)、(Om−2)、(Om−5)、(Om−6)で表される基が好ましい。
化合物(4)としては、下記式(4−I)で表される化合物等が挙げられる。表中、各式番号は、それぞれ、上記と同義である。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
Figure 0006706822
中でも、化合物(4−I−1)〜(4−I−28)、(4−I−57)〜(4−I−84)が好ましい。
化合物(4)の量は、化合物(2)1モルに対して、1.2〜10モルであることが好ましく、より好ましくは2〜7モルである。
化合物(2)と化合物(4)とを反応させる際には、触媒を共存させてもよい。触媒としては、金属触媒が挙げられ、パラジウム系触媒、ニッケル系触媒、鉄系触媒、銅系触媒、ロジウム系触媒、ルテニウム系触媒などの遷移金属触媒が挙げられる。中でも、パラジウム系触媒が好ましい。
前記パラジウム系触媒としては、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、ヨウ化パラジウム(II)、酸化パラジウム(II)、硫化パラジウム(II)、テルル化パラジウム(II)、水酸化パラジウム(II)、セレン化パラジウム(II)、パラジウムシアニド(II)、パラジウムアセテート(II)、パラジウムトリフルオロアセテート(II)、パラジウムアセチルアセトナート(II)、ジアセテートビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)、ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)、ジクロロ[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)]パラジウム(II)、ジクロロ[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加体、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム付加体、ジクロロ[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン](3−クロロピリジル)パラジウム(II)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロ[2,5−ノルボルナジエン]パラジウム(II)、ジクロロビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、ジクロロビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)が挙げられる。これらの触媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。中でも、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、または、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が好ましい。
前記化合物(2)と触媒とのモル比(化合物(2):触媒)は、一般に1:0.0001〜1:0.5程度であり、収率や反応効率の観点から1:0.001〜1:0.4が好ましく、1:0.005〜1:0.3がより好ましく、1:0.01〜1:0.2がさらに好ましい。
前記触媒には、特定の配位子を配位させてもよい。配位子としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ(n−ブチル)ホスフィン、トリ(イソプロピル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート、ビス(tert−ブチル)メチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニル(メチル)ホスフィン、トリフェニスホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリス(2−フリル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−メチルビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N’−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジフェニルホスフィノ−2’−(N,N’−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチル)ホスフィノ−2’−(N,N’−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチル)ホスフィノビフェニル、2−(ジ−tert−ブチル)ホスフィノ−2’−メチルビフェニル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン、1,2−ビスジフェニルホスフィノエチレン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,2−エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、2,2’−ビピリジル、1,3−ジフェニルジヒドロイミダゾリリデン、1,3−ジメチルジヒドロイミダゾリリデン、ジエチルジヒドロイミダゾリリデン、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ジヒドロイミダゾリリデン、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)ジヒドロイミダゾリリデン、1,10−フェナントロリン、5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン、バトフェナントロリンが挙げられる。配位子は、一種のみを用いてもよく、二種以上を用いてもよい。
配位子を配位させる場合、触媒と配位子とのモル比(触媒:配位子)は、一般に1:0.5〜1:10程度であり、収率や反応効率の観点から1:1〜1:8が好ましく、1:1〜1:7がより好ましく、1:1〜1:5がさらに好ましい。
化合物(2)と化合物(4)とを反応させる際、さらに塩基を共存させてもよい。特に、上記M1がホウ素原子であるときは、塩基を共存させることが好ましく、M1がスズ原子であるときは、塩基を共存させなくともよい。
塩基としては、水素化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属塩化合物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属塩化合物;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リチウムtert−アミルアルコキシド、ナトリウムtert−アミルアルコキシド、カリウムtert−アミルアルコキシド等のアルコキシアルカリ金属化合物;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化金属化合物等が挙げられる。中でも、塩基としては、アルコキシアルカリ金属化合物が好ましく、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムがより好ましい。
化合物(2)と塩基とのモル比(化合物(2):塩基)は、一般に1:1〜1:10程度であり、収率や反応効率の観点から1:1.5〜1:8が好ましく、1:1.8〜1:6がより好ましく、1:2〜1:5がさらに好ましい。
反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさない溶媒を用いることができ、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒等を用いることができる。前記エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジオキサンが挙げられる。前記芳香族系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンが挙げられる。前記エステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルが挙げられる。前記炭化水素系溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンが挙げられる。前記ハロゲン系溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロプロパンが挙げられる。前記ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。前記アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル3,4,5,6−テトラヒドロ−(1H)−ピリミジンが挙げられる。また、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、スルホラン等のスルホン系溶媒を用いることができる。
これらの中でも、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。
反応溶媒の量は、化合物(2)1gに対して、一般に1mL以上、100mL以下程度であり、収率や反応効率の観点から5mL以上、80mL以下が好ましく、8mL以上、70mL以下がより好ましく、10mL以上、60mL以下がさらに好ましい。
反応温度は、反応収率を高める観点から0℃以上、200℃以下であることが好ましい。特に上記化合物(2B)を得る場合、30℃以上、180℃以下であることがより好ましく、40℃以上、150℃以下であることがさらに好ましい。また、化合物(2C)を得る場合、0℃以上、200℃以下であることが好ましく、30℃以上、180℃以下であることがより好ましい。
反応には、マイクロウェーブを使用してもよい。
2−3.環化工程1(工程2、4、6、8、11)
化合物(2)に、塩基の存在下、アジド化合物を反応させることにより、化合物(1)を得ることができる。
本工程に用いられる化合物(2)において、R1、R2は、それぞれ2〜5位のいずれかに結合していることが好ましく、例えば、以下の配置が挙げられる。
Figure 0006706822
[式(2−1)〜(2−11)中、R1、A1は上記と同義である。]
中でも、式(2−1)〜(2−6)が好ましく、より好ましくは式(2−1)、(2−2)、(2−4)であり、特に好ましくは式(2−1)である。
また、式(2)中、A1の全てがハロゲン原子であってもよく(下記式(2A))、A1の全てが置換されていてもよい芳香族環であってもよく(下記式(2B))、A1のいずれかがハロゲン原子、いずれかが置換されていてもよい芳香族環であってもよい(下記式(2C))。
Figure 0006706822
[式(2A)〜(2C)中、R1、A2、X1、m、n1、n2、n3は、それぞれ上記と同義である。]
式(2)で表される化合物としては、例えば、下記式(2−I)で表される化合物が挙げられる。表中、R3は上記と同義であり、*は結合手を表す。表中、各式番号は、それぞれ、上記と同義である。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
Figure 0006706822
上記化合物(2−I−1)〜(2−I−2)が化合物(2A)に対応し、化合物(2−I−3)〜(2−I−107)が化合物(2B)に対応し、化合物(2−I−108)〜(2−I−121)が化合物(2C)に対応する。また、A10、A11の少なくともいずれかが、式(Ar1−1−1)、(Ar1−1−2)、(Ar2−1−1)、(Ar2−1−2)、(Ar3−1−1)、(Ar3−1−2)、(Ar4−1−1)、(Ar4−1−2)等のハロゲン原子で置換された芳香族環である化合物が化合物(2D)に対応し、A10、A11のいずれもが式(Ar1−2−1)、(Ar2−2−1)、(Ar3−2−1)、(Ar3−2−2)、(Ar3−2−3)、(Ar4−2−1)等のハロゲン原子で置換されていない芳香族環である化合物が化合物(2E)に対応する。中でも、化合物(2−I−1)〜(2−I−107)が好ましく、化合物(2−I−1)〜(2−I−10)がより好ましい。
前記アジド化合物としては、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、ビス(4−ニトロフェニル)ホスホリルアジド等のジアリールホスホリルアジド;トリメチルシリルアジド(TMSA)等のトリアルキルシリルアジド;等の有機アジド化合物、およびナトリウムアジドなどの無機アジド化合物が好ましい。前記有機アジド化合物は、ポリマー担持されていてもよい。中でも、トリメチルシリルアジド等のトリアルキルシリルアジド化合物が好ましい。
特に、アジド化合物の量は、前記化合物(2)1モルに対して、0.5モル以上、10モル以下であることが好ましく、より好ましくは1モル以上、8モル以下、さらに好ましくは1モル以上、5モル以下である。アジド化合物の量がこの範囲にあると、収率や反応効率が良好である。
前記アジド化合物として、トリアルキルシリルアジド化合物を用いる場合、さらに、スルホニルハライド化合物又はリン酸ハライド化合物を共存させることが好ましい。
前記スルホニルハライド化合物としては、メタンスルホニルクロリド、エタンスルホニルクロリド、プロパンスルホニルクロリド、イソプロパンスルホニルクロリド、ブタンスルホニルクロリド、ペンタンスルホニルクロリド、ヘキサンスルホニルクロリド;等のアルキルスルホニルクロリド化合物;ベンゼンスルホニルクロリド、2−メチルベンゼンスルホニルクロリド、3−メチルベンゼンスルホニルクロリド、4−メチルベンゼンスルホニルクロリド、2−クロロベンゼンスルホニルクロリド、3−クロロベンゼンスルホニルクロリド、4−クロロベンゼンスルホニルクロリド、2−ブロモベンゼンスルホニルクロリド、3−ブロモベンゼンスルホニルクロリド、4−ブロモベンゼンスルホニルクロリド、2−ヨードベンゼンスルホニルクロリド、3−ヨードベンゼンスルホニルクロリド、4−ヨードベンゼンスルホニルクロリド、2−フルオロベンゼンスルホニルクロリド、3−フルオロベンゼンスルホニルクロリド、4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド、2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリド、3−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリド、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリド等のアリールスルホニルクロリド化合物;塩化スルフリル;等のスルホニルクロリド化合物;ノナフルオロブタンスルホン酸フルオリド、フェニルスルホン酸フルオリド等のスルホニルフルオリド化合物;等が挙げられる。中でも、スルホニルクロリド化合物が好ましく、アリールスルホニルクロリド化合物がより好ましく、4−メチルベンゼンスルホニルクロリドがさらに好ましい。
前記スルホニルハライド化合物の量は、前記化合物(2)1モルに対して、0.5モル以上、20モル以下であることが好ましく、より好ましくは1モル以上、15モル以下、さらに好ましくは1モル以上、13モル以下、特に好ましくは1モル以上、10モル以下である。スルホニルハライド化合物の量がこの範囲にあると、収率や反応効率が良好である。
前記リン酸ハライド化合物としては、ジメチルホスホリルクロリド、ジエチルホスホリルクロリド、ジプロピルホスホリルクロリド、ジイソプロピルホスホリルクロリド、ジブチルホスホリルクロリド等のジアルキルホスホリルクロリド化合物;ビス(2,2,2−トリクロロエチル)ホスホリルクロリド等のジハロゲン化アルキルホスホリルクロリド化合物;2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン;ジフェニルホスホリルクロリド、ビス(2−メチルフェニル)ホスホリルクロリド、ビス(3−メチルフェニル)ホスホリルクロリド、ビス(4−メチルフェニル)ホスホリルクロリド、ビス(3,5−ジメチルフェニル)ホスホリルクロリド、ビス(2−クロロフェニル)ホスホリルクロリド、ビス(3−クロロフェニル)ホスホリルクロリド、ビス(4−クロロフェニル)ホスホリルクロリド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ホスホリルクロリド等のジアリールホスホリルクロリド化合物;1,2−フェニレンホスホロクロリデート;等が挙げられる。中でも、ジハロゲン化アルキルホスホリルクロリド化合物、ジアリールホスホリルクロリド化合物が好ましく、ビス(2,2,2−トリクロロエチル)ホスホリルクロリド、ジフェニルホスホリルクロリドがより好ましい。
前記リン酸ハライド化合物の量は、前記化合物(2)1モルに対して、0.5モル以上、20モル以下であることが好ましく、より好ましくは1モル以上、15モル以下、さらに好ましくは1モル以上、13モル以下、特に好ましくは1モル以上、10モル以下である。リン酸ハライド化合物の量がこの範囲にあると、収率や反応効率が良好である。
アジド化合物を反応させる際に共存させる塩基としては、ピリジン;N−メチルイミダゾール、イミダゾール等のイミダゾール化合物;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属塩化合物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属塩化合物;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リチウムtert−アミルアルコキシド、ナトリウムtert−アミルアルコキシド、カリウムtert−アミルアルコキシド等のアルコキシアルカリ金属化合物;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化金属化合物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリアリルアミン、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルイミダゾール、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンなどの3級アミン;等が挙げられる。中でも、ピリジン、イミダゾール化合物、アルカリ金属塩化合物、アミンが好ましく、より好ましくはピリジン、N−メチルイミダゾール、炭酸カリウム、トリエチルアミンであり、さらに好ましくはピリジン、炭酸カリウム、トリエチルアミンである。
塩基の量は、前記化合物(2)1モルに対して、0.5モル以上、10モル以下であることが好ましく、より好ましくは1モル以上、8モル以下、さらに好ましくは1モル以上、7モル以下、特に好ましくは1モル以上、5モル以下である。
上記反応時、反応溶媒は用いないことが好ましい。反応溶媒を使用する場合、反応に影響を及ぼさない範囲で使用でき、例えば、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒等を用いることができる。前記エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフタン、メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジオキサンが挙げられる。前記芳香族系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンが挙げられる。前記エステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルが挙げられる。前記炭化水素系溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンが挙げられる。前記ハロゲン系溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロプロパンが挙げられる。前記ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。前記アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル3,4,5,6−テトラヒドロ−(1H)−ピリミジンが挙げられる。また、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、スルホラン等のスルホン系溶媒を用いることができる。
反応温度は、反応収率を高める観点から0℃以上、200℃以下であることが好ましく、30℃以上、180℃以下であることがより好ましく、40℃以上、150℃以下であることがさらに好ましい。反応温度は、マイクロウェーブを用いて調節しても良い。
2−4.ハロゲン化工程(工程9、10)
ハロゲン化は、種々の方法により行うことができ、例えば、化合物(1D)を、酸の共存下、ハロゲン化試薬と接触させることにより行うことができる。前記酸としては、酢酸等の有機酸が好ましく、ハロゲン化試薬としては、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミド、ピリジン臭素錯体塩、臭素、塩素等が好ましい。
反応溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロプロパン等のハロゲン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族系溶媒が好ましい。
3.テトラゾロピリジン多量体
本発明の化合物(1)から導かれる構造単位(以下、単に「構造単位(I)」という場合がある。)を含むテトラゾロピリジン多量体も本発明の範囲に包含される。
Figure 0006706822
[式(I)中、R1、mは、上記と同義である。A20は、A2の置換されていてもよい芳香族環の1つの水素原子を結合手とした基を表す。
n7は、1以上の整数を表す。]
上記構造単位(I)を含む化合物としては、具体的には、下記式(II)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006706822
[式(II)中、R1、A20、mは、上記と同義である。
n7は、1以上の整数を表す。
rは、1以上の整数を表す。
ただし、n7またはrのいずれかは、2以上である。]
上記式中、n7は、1又は2であることが好ましい。
rは、1又は2であることが好ましい。
化合物(II)としては、例えば、下記式で表される化合物が好ましい。
Figure 0006706822
[式(IIA)、(IIB)中、R1、A20、m、n8は上記と同義である。
n9は、2以上の整数を表し、r1は、2以上の整数を表す。]
化合物(IIA)、(IIB)としては、下記式(IIA−I)、(IIB−I)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
Figure 0006706822
表中、(ArI−1)は、下記式で表される基を意味する。*は結合手を表す。
Figure 0006706822
上記化合物(IIA)の製造方法の概要は、下記スキームで表される。
Figure 0006706822
[式中、
1、A20、m、n9、r1は、上記と同義である。
10は、ハロゲン原子を表す。
10は、ホウ素原子、又はスズ原子を表す。
10は、脂肪族炭化水素基、水酸基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表し、複数のL1は、M1とともに環を形成していてもよい。
n10は、1以上の整数を表す。
k10は、2又は3の整数を表す。]
すなわち、化合物(IIA)は、化合物(IIA3)に芳香族環を付加し(芳香族環付加工程2:工程12)、化合物(IIA2)を得て、この化合物(IIA2)に、塩基の存在下、アジド化合物を反応させることにより製造することができる(環化工程2:工程13)。また化合物(IIA)は、化合物(IIA5)に芳香族環を付加することにより製造することができる(芳香族環付加工程2:工程14)。
さらに、上記化合物(IIB)の製造方法の概要は、下記スキームで表される。
Figure 0006706822
[式中、
1、A20、m、n8、n9は、上記と同義である。
11、X12は、ハロゲン原子を表す。
11、M12は、ホウ素原子、又はスズ原子を表す。
11、L12は、脂肪族炭化水素基、水酸基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表し、複数のL11又はL12は、M11又はM12とともに環を形成していてもよい。
k11、k12は、2又は3の整数を表す。]
すなわち、化合物(IIB)は、下記3通りのルートで製造することができる。
ルート1では、化合物(IIB3)、化合物(IIB4)、化合物(IIB5)を反応させ(芳香族環付加工程3:工程15)、化合物(IIB2)を得て、この化合物(IIB2)に、塩基の存在下、アジド化合物を反応させることにより製造することができる(環化工程2:工程16)。
ルート2では、化合物(IIC)に、塩基と、ハロゲン化有機金属化合物とを反応させて化合物(IID)とした後(有機金属化合物付加工程:工程17)、この化合物(IID)と化合物(IIE)とを金属触媒の存在下、反応させることにより、製造することができる(多量体化工程1:工程18)。
ルート3では、化合物(IIC)と化合物(IIF)とを塩基及び金属触媒の存在下、反応させることにより、製造することができる(多量体化工程2:工程19)
以下、各工程について説明する。
3−1.芳香族環付加工程2(工程12、14)
芳香族環付加工程2では、化合物(IIA3)と、化合物(IIA4)
Figure 0006706822
[式中、R1、A20、M10、L10、k10は、上記と同義である。]
とを反応させることにより、化合物(IIA2)を製造することができる。本工程で用いられる化合物(IIA3)としては、上記で例示した化合物(2)のうち、ハロゲン原子で置換されている芳香族環を有する化合物(2E)が挙げられる。
さらに、化合物(IIA5)と化合物(IIA4)を反応させることにより、化合物(IIA)を製造することができる。本工程で用いられる化合物(IIA5)としては、上記で例示した化合物(1)のうち、ハロゲン原子で置換されている芳香族環を有する化合物が挙げられる。
式(IIA4)のM10、L10、k10は、式(4)のM1、L1、k1と同様であり、化合物(IIA4)としては、上記で例示した化合物(4)のうち、芳香族環がハロゲン原子で置換されていないものが挙げられる。
さらに、化合物(IIA3)又は化合物(IIA5)と(IIA4)とを反応させる際には、芳香族環付加工程1で例示した触媒と同様の触媒を同様の条件で用いることができる。前記触媒には、芳香族環付加工程1で例示した配位子と同様の特定の配位子を同様の条件で配位させてもよい。さらに化合物(IIA3)又は化合物(IIA5)と化合物(IIA2)を反応させる際、芳香族環付加工程1で例示した塩基と同様の塩基を同様の条件で共存させてもよい。
芳香族環付加工程2で用いられる反応溶媒は、芳香族環付加工程1で用いられる反応溶媒と同様であり、同様の条件で用いることができる。
さらに、芳香族環付加工程2の反応温度は芳香族環付加工程1と同様である。
3−2.芳香族環付加工程3(工程15)
芳香族環付加工程3では、化合物(IIB3)と、化合物(IIB4)とを、下記式(IIB5)
Figure 0006706822
[式中、A20、M11、L11、n8、k11は、上記と同義である。]
で表される化合物と反応させることにより、化合物(IIB2)を製造することができる。本工程で用いられる化合物(IIB3)、化合物(IIB4)は、上記化合物(2A)、又は(2C)を出発物質として、本工程により製造することができる。
化合物(IIB3)、(IIB4)としては、下記式で表される化合物が好ましい。表中、(ArI−1)は上記と同義である。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
Figure 0006706822
また式(IIB5)中、M11、L11、k11は、それぞれ、式(4)のM1、L1、k1と同様であり、化合物(IIB5)としては、下記式で表される化合物等が挙げられる。表中、(Om−1)〜(Om−6)、(ArI−1)は上記と同義である。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
化合物(IIB5)の量は、化合物(IIB3)1モルに対して、0.6〜5モルであることが好ましく、より好ましくは0.8〜3モルである。
また化合物(IIB4)の量は、化合物(IIB3)1モルに対して、0.1〜10モルであることが好ましく、より好ましくは0.5〜2モルである。
化合物(IIB3)、(IIB4)、(IIB5)を反応させる際に共存させる触媒は、芳香族環付加工程1で例示した触媒と同様であり、化合物(IIB5)と触媒とのモル比(化合物(IIB5):触媒)は、一般に1:0.0001〜1:1.0程度であり、収率や反応効率の観点から1:0.001〜1:0.8が好ましく、1:0.005〜1:0.6がより好ましく、1:0.01〜1:0.4がさらに好ましい。
前記触媒には、芳香族環付加工程1で例示した配位子を、同様の条件で配位させてもよい。また、芳香族環付加工程3では、芳香族環付加工程1で例示した塩基を、同様の条件で共存させてもよい。また本工程において、反応溶媒も芳香族環付加工程1と同様の溶媒を同様の条件で用いることができる。さらに反応温度も、芳香族環付加工程1と同様に調整できる。
3−3.環化工程2(工程13、15)
化合物(IIA2)、或いは(IIB2)に、塩基の存在下、アジド化合物を反応させることにより、化合物(IIA)、或いは化合物(IIB)を得ることができる。
前記アジド化合物としては、環化工程1で例示したアジド化合物と同様であり、同様の条件で用いることができる。さらに、アジド化合物を反応させる際に共存させる塩基も、環化工程1で例示した塩基と同様であり、同様の条件で用いることができる。また、反応溶媒、反応温度についても、環化工程1と同様の条件を採用できる。
3−4.有機金属化合物付加工程(工程16)
化合物(IIC)に、塩基とハロゲン化有機金属化合物とを反応させることにより、化合物(IID)を得ることができる。なお式(IID)において、M12はスズ原子であることが好ましい。
化合物(IIC)としては、例えば、下記式で表される化合物が好ましい。表中、(ArI−1)は、上記と同義である。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
塩基としては、アルキルリチウム、アルキル金属アミド、アルキルマグネシウム、マグネシウム錯体、水素化アルカリ金属等が挙げられる。
前記アルキルリチウムとしては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムが挙げられる。前記アルキル金属アミドとしては、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウム−2,2,6,6−テトラメチルピペリジド、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミドが挙げられる。前記アルキルマグネシウム、および、マグネシウム錯体としては、tert−ブチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルマグネシウムクロリド、リチウムクロリド錯体が挙げられる。前記水素化アルカリ金属としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムが挙げられる。中でも、位置選択性の観点から、アルキル金属アミドであることが好ましく、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドが特に好ましい。
化合物(IIC)と塩基とのモル比(化合物(IIC):塩基)は、一般に1:1〜1:5程度であり、収率や反応効率の観点から1:1.1〜1:4が好ましく、1:1.5〜1:3がより好ましく、1:1.8〜1:2.5がさらに好ましい。
また、塩基とともに化合物(IIC)に反応させるハロゲン化有機金属化合物としては、ハロゲン化アルキル錫化合物、ハロゲン化シクロアルキル錫化合物、ハロゲン化アリール錫化合物が挙げられる。ハロゲン化アルキル錫化合物としては、トリエチル錫クロリド、トリプロピル錫クロリド、トリブチル錫クロリド、トリメチル錫ブロミド、トリエチル錫ブロミド、トリプロピル錫ブロミド、トリブチル錫ブロミドが挙げられる。ハロゲン化シクロアルキル錫化合物としては、トリシクロヘキシル錫クロリド、トリシクロヘキシル錫ブロミドが挙げられる。ハロゲン化アリール錫化合物としては、トリフェニル錫クロリド、トリベンジル錫クロリド、トリフェニル錫ブロミド、トリベンジル錫ブロミドが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン化アルキル錫化合物が好ましく、トリメチル錫クロリド、トリブチル錫クロリドがより好ましい。
化合物(IIC)とハロゲン化有機金属化合物とのモル比(化合物(IIC):ハロゲン化有機金属化合物)は、一般に1:1〜1:5程度であり、収率や反応効率の観点から1:1.1〜1:4が好ましく、1:1.5〜1:3がより好ましく、1:1.8〜1:2.5がさらに好ましい。
塩基とハロゲン化有機金属化合物とのモル比(塩基:ハロゲン化有機金属化合物)は、例えば1:0.5〜1:2.0程度であり、1:0.6〜1:1.7が好ましく、1:0.7〜1:1.5がより好ましく、1:0.8〜1:1.2がさらに好ましい。
塩基とハロゲン化有機金属化合物とは、同時に化合物(IIC)と反応させてもよいが、反応収率の観点から、まず化合物(IIC)に塩基を反応させ、次いでハロゲン化錫化合物を反応させることが好ましい。反応温度は、副生成物の生成を抑制する観点から、室温以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましい。
反応溶媒としては、エーテル系溶媒、および、炭化水素系溶媒などを用いることができる。前記エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジオキサンが挙げられる。炭化水素系溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンが挙げられる。これらの中でも、テトラヒドロフランが好ましい。溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
溶媒量は、化合物(IIC)1gに対して、一般に1mL以上、70mL以下程度であり、収率や反応効率の観点から5mL以上、60mL以下が好ましく10mL以上、50mLがより好ましく、20mL以上、45mL以下がさらに好ましい。
3−5.多量体化工程2(工程17)
化合物(IID)と化合物(IIE)とを金属触媒の存在下、反応させることにより化合物(IIB)を得ることができる。
上記式(IID)中、M12、L12、k12は、それぞれ、M1、L1、k1と同様であり、M12はスズ原子であることが好ましい。*−M12(L12k12は、*−M1(L1k1と同様のであり、M1がスズ原子の場合の基として例示した基が好ましい。
前記化合物(IID)としては、具体的には、下記式で表される化合物であることが好ましい。表中、(Om−5)〜(Om−6)、(ArI−1)は、上記と同義である。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
また、化合物(IIE)としては、下記式で表される化合物が好ましい。表中、(ArI−1)は、上記と同義である。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
化合物(IID)の量は、化合物(IIE)1モルに対して、0.6〜5モルであることが好ましく、より好ましくは0.8〜4モルである。
前記触媒としては、芳香族環付加工程1で例示した触媒と同様の触媒が挙げられ、同様の条件で用いることができる。また、前記触媒には、芳香族環付加工程1で例示した配位子と同様の配位子を配位させることもでき、芳香族環付加工程1と同様の条件で用いることができる。また、反応溶媒、反応温度についても、芳香族環付加工程1と同様の条件を採用できる。
3−6.多量体化工程2(工程18)
また、化合物(IIC)と化合物(IIF)とを塩基及び金属触媒の存在下、反応させることにより、化合物(IIB)を得ることができる。
化合物(IIF)としては、下記式で表される化合物が好ましい。表中、(ArI−1)は、上記と同義である。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
化合物(IIF)は、化合物(IIC)1モルに対して、0.1〜10モルであることが好ましく、0.5〜2モルであることがより好ましい。
塩基としては、有機金属化合物付加工程で例示した塩基と同様の塩基を用いることができる。化合物(IIC)と塩基とのモル比(化合物(IIC):塩基)は、一般に1:1〜1:5程度であり、収率や反応効率の観点から1:1.1〜1:4が好ましく、1:1.5〜1:3がより好ましく、1:1.8〜1:2.5がさらに好ましい。
また金属触媒としては、パラジウム系触媒、ニッケル系触媒、鉄系触媒、銅系触媒、ロジウム系触媒、ルテニウム系触媒などの遷移金属触媒が挙げられる。中でも、銅系触媒が好ましい。
前記銅系触媒としては、銅、フッ化銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)、よう化銅(I)等、フッ化銅(II)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、よう化銅(II)等のハロゲン化銅化合物;酸化銅(I)、硫化銅(I)、酸化銅(II)、硫化銅(II)、酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、硫酸銅(II)等が挙げられ、ハロゲン化銅化合物が好ましい。これらの金属触媒には、必要に応じて、配位子を配位させてもよい。
第一工程において、化合物(IIC)と金属触媒とのモル比(化合物(IIC):金属触媒)は、一般に1:0.0001〜1:0.5程度であり、収率や反応効率の観点から1:0.001〜1:0.4が好ましく、1:0.005〜1:0.3がより好ましく、1:0.01〜1:0.2がさらに好ましい。
反応溶媒及び反応温度としては、有機金属化合物付加工程と同様の条件を採用することができる。
4.有機半導体材料
本発明の化合物(1)は、LUMO準位を低く維持したままHOMO準位を引き上げることができるとともに、熱安定性が優れ、さらには種々の官能基を付加することも容易であるため、有機半導体材料として優れており、本発明の化合物(1)を用いて得られる有機半導体材料も本発明の技術的範囲に包含される。
特に、上記化合物(1)から導かれる構造単位(I)
Figure 0006706822
[式(I)中、R1、A20、m、n7は、上記と同義である。]
は、電子受容性であり、拡張π共役系でのアクセプター性ユニットとしての機能が期待できるため、ドナー性ユニットとを組み合わせてドナー−アクセプター型半導体高分子化合物としてもよく、構造単位(I)と、ドナー性ユニットとを交互に配置することがより好ましい。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機薄膜トランジスタ素子等の有機エレクトロデバイス、有機半導体材料、光電変換素子、有機電子デバイス、太陽電池、太陽電池モジュール用途等に有用である。
前記ドナー性ユニットとしては、下記式(Dn−1)〜(Dn−12)で表される構造単位(基)が挙げられる。
Figure 0006706822
[式(Dn−1)〜(Dn−12)中、R30は、脂肪族炭化水素基を表し、R31は、水素原子又は脂肪族炭化水素基を表す。]
30の脂肪族炭化水素基としては、R1の脂肪族炭化水素基と同様であり、炭素数1〜30であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜24、さらに好ましくは炭素数1〜20である。
化合物(1)から導かれる構造単位と、上記ドナー性ユニットとを交互に配置するためには、例えば、下記式(1E)
Figure 0006706822
[式(1E)中、R1、Ax1、X1、m、n4、n5は上記と同義である。]
で表される化合物を用いることが好ましく、この化合物(1E)と、下記式(5)で表される化合物とを反応させることが好ましい。
Figure 0006706822
[式(5)中、
6は、2価の電子供与性基を表す
2は、ホウ素原子又はスズ原子を表す。
2は、脂肪族炭化水素基、水酸基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表す。
k2は、2又は3の整数を表す。]
6は、芳香族環を含む2価の電子供与性基であることが好ましく、上記式(Dn−1)〜(Dn−12)のいずれかで表される2価の基であることがより好ましい。
2、L2、k2は、それぞれ、M1、L1、k1と同様であり、*−M2(L2k2は、*−M1(L1k1と同様である。
化合物(1)と、式(5)で表される化合物とのモル比は、1:99〜99:1の範囲であることが好ましく、20:80〜80:20の範囲であることが好ましく、40:60〜60:40の範囲であることが好ましい。
カップリング用の触媒としては、上記芳香族環付加工程1で用いることができる触媒と同様の触媒を用いることができ、パラジウム系触媒、ニッケル系触媒、鉄系触媒、銅系触媒、ロジウム系触媒、ルテニウム系触媒等の金属触媒が挙げられ、中でも、パラジウム系触媒が好ましい。パラジウム系触媒のパラジウムは、0価でも2価でもよい。
パラジウム系触媒としては、上記芳香族環付加工程1で例示したパラジウム系触媒をいずれも使用でき、これらの触媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いても良い。これらの中でも、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム付加体が特に好ましい。
カップリング工程において、化合物(1)と触媒とのモル比(化合物(1):触媒)は、一般に1:0.0001〜1:0.5程度であり、収率や反応効率の観点から1:0.001〜1:0.3が好ましく、1:0.005〜1:0.2がより好ましく、1:0.01〜1:0.1がさらに好ましい。
カップリング反応の際には、触媒に特定の配位子を配位させてもよい。配位子としては、上記芳香族環付加工程1で例示した配位子がいずれも使用でき、これらの配位子のいずれかが配位した触媒を反応に用いても良い。配位子は一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いても良い。中でも、トリフェニルホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィンが好ましい。
カップリング工程において触媒に配位子を配位させる場合、触媒と配位子とのモル比(触媒:配位子)は、一般に1:0.5〜1:10程度であり、収率や反応効率の観点から1:1〜1:8が好ましく、1:1〜1:7がより好ましく、1:1〜1:5がさらに好ましい。
カップリング工程で用いられる溶媒としては、反応に影響を及ぼさない溶媒を用いることができ、例えば、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒等を用いることができる。前記エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジオキサンが挙げられる。前記芳香族系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラリンが挙げられる。前記エステル系溶媒としては酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルが挙げられる。前記炭化水素系溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカリンが挙げられる。前記ハロゲン系溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロプロパンが挙げられる。前記ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−(1H)−ピリミジノンが挙げられる。その他、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、スルホラン等のスルホン系溶媒を用いることができる。これらの中でも、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましく、クロロベンゼンが特に好ましい。溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
カップリング工程において、化合物(1)と化合物(5)で表される化合物の合計1gに対する溶媒の使用量は、一般に1mL以上、150mL以下程度であり、収率や反応効率の観点から5mL以上、100mL以下が好ましく、8mL以上、90mL以下がより好ましく、10mL以上、80mL以下がさらに好ましい。
上記本発明の有機半導体材料は、熱的安定性が高く、また電子受容性が高いため、有機電子デバイス、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機薄膜トランジスタ素子等の有機エレクトロデバイス、有機半導体材料、光電変換素子、有機電子デバイス、太陽電池、太陽電池モジュール用途等に有用である。有機電子デバイスに有用に用いられる。
本願は、2015年3月10日に出願された日本国特許出願第2015−047661号に基づく優先権の利益を主張するものである。2015年3月10日に出願された日本国特許出願第2015−047661号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
実施例1:2,5−ビス(5−ブロモチオフェニル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−1)、(Tz−2))
工程1:2,5−ジブロモピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
300mLナスフラスコに2,5−dibromopyridine(11.8g、50mmol)、メタクロロ過安息香酸(mCPBA)(18.5g、75mmol)、および無水ジクロロメタン(100mL)を入れ、室温で2日撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え有機層をジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=5:1)を用いて精製し2,5−dibromopyridine N−oxide(白色固体)を6.74g(収率53%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.23 (dd, J = 2.1, 8.7 Hz, 1H), 7.52 (d, J =8.7 Hz, 1H), 8.50 (d, J = 2.1 Hz, 1H).
工程3:2,5−(ジチオフェン−2−イル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
耐圧試験管に2,5−dibromopyridine N−oxide(500mg、2mmol)、2−(Tributylstannyl)thiophene(1.79g、4.8mmol)、Pd(PPh(165mg、0.14mmol)、および無水トルエン(4mL)を入れ、マイクロウェーブ反応装置を用い180℃で20分撹拌した。反応終了後、溶媒を濃縮しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl/Hexane/AcOEt=2:1:1)を用いて精製し2,5−(dithiophen−2−yl)pyridine N−oxide(黄色固体)を450mg(収率88%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.14 (dd, J = 4.0, 5.0 Hz, 1H), 7.22 (dd, J = 4.0, 5.0 Hz, 1H), 7.39 (dd, J =1.0, 4.0 Hz, 1H), 7.41 (dd, J =1.0, 5.0 Hz, 1H), 7.52 (dd, J =1.9, 8.6 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 1.0, 5.0 Hz, 1H), 7.85 (dd, J = 1.0, 4.0 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.61 (d, J = 1.9 Hz, 1H).
工程4:ジチオフェニルテトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−1))
Figure 0006706822
ねじ口試験管に2,5−(dithiophen−2−yl)pyridine N−oxide(390mg、1.5mmol)、DPPA(1.6mL、7.5mmol)、および無水ピリジン(0.24mL、3.0mmol)を入れ、窒素雰囲気下、120℃で24時間撹拌した。反応液は直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH=20:1)を用いて精製しジチオフェニルテトラゾロピリジン(黄色固体)を198mg(収率46%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.25 (m, 1H), 7.29 (dd, J = 4.0, 5.0 Hz, 1H), 7.51 (dd, J = 1.0, 5.0 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 1.0, 5.0 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.39 (dd, J = 1.0, 4.0 Hz, 1H), 8.41 (dd, J = 1.0, 4.0 Hz, 1H).
工程9:2,5−ビス(5−ブロモチオフェニル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−2))
Figure 0006706822
ねじ口試験管にジチオフェニルテトラゾロピリジン(30mg、0.1mmol)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(36mg、0.2mmol)、無水クロロホルム2mL)、および酢酸(0.4mL)を入れ、窒素雰囲気下60℃で24時間撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え中和し有機層をジクロロメタンで抽出し,無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH=20:1)を用いて精製し対応するブロモ化体(黄色固体)を37mg(収率84%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.19 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.25 (m, 1H), 7.47 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 4.0 Hz, 1H).
実施例2:工程14:テトラゾロピリジン5量体の合成(化合物(Tz−3))
Figure 0006706822
ねじ口試験管に臭素化したジチエニルテトラゾロピリジン(133mg、0.3mmol)、2−Hexyl−5−(tributylstannyl)thiophene(411mg、0.9mmol)、Pd(PPh(35mg、0.03mmol)、および無水トルエン(10mL)を入れ、120℃で60分撹拌した。反応終了後、溶媒を濃縮しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH=20:1)を用いて精製し、テトラゾロピリジン5量体(赤色固体)を53mg(収率27%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.90 (t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.28-1.45 (m, 12H), 1.65-1.75 (m, 4H), 2.77-2.86 (m, 4H), 6.72 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.74 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.46 (d, J =7.8 Hz, 1H), 7.77 (d, J =7.8 Hz, 1H), 8.24(d, J =3.9 Hz, 1H), 8.29 (d, J =3.9 Hz, 1H)
実施例3:テトラゾロピリジン6量体の合成1(化合物(Tz−4))
工程5:5−ブロモ−2−(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
ねじ口試験管に2,5−dibromopyridine N−oxide(3.0g、12mmol)、2−Hexyl−5−(tributylstannyl)thiophene(5.48g、12mmol)、Pd(PPh34(1.38g、1.2mmol)、および無水トルエン(48mL)を入れ、120℃で16時間加熱撹拌した。反応終了後、溶媒を濃縮しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH=50:1)を用いて精製し5−bromo−2−(5−hexylthiophen−2−yl)pyridine N−oxide(A)(黄色固体)を2.61g(収率64%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.27-1.40 (m, 6H), 1.58-1.68 (m, 2H), 2.86 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.39 (dd, J = 1.8, 8.8 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.73 (dd, J =8.8 Hz, 1H), 8.43 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
工程15:ピリジン−N−オキシド6量体の合成
Figure 0006706822
ねじ口試験管に5,5’−ditributylstannyl−2,2’−bithiophene(58mg、0.078mmol)、5−bromo−2−(5−hexylthiophen−2−yl)pyridine N−oxide(A)(53mg、0.156mmol)、Pd(PPh(9mg、0.008mmol)、および無水トルエン(2mL)を入れ、マイクロウェーブ反応装置を用いて180℃で20分間加熱撹拌した。反応終了後、溶媒を濃縮しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=1:1)を用いて精製しピリジン−N−オキシド6量体(橙色固体)を74mg(収率100%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.85-0.92 (m, 6H), 1.23-1.43 (m, 12H), 1.64-1.78 (m, 4H), 2.78-2.91 (m, 4H), 6.78 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.18(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 1.9, 8.7 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.52 (d, J = 1.9 Hz, 1H).
工程16:テトラゾロピリジン6量体の合成(化合物(Tz−4))
Figure 0006706822
ねじ口試験管にピリジン−N−オキシド6量体(74mg、0.11mmol)、DPPA(600mg、2.2mmol)、および無水ピリジン(71μL、0.88mmol)を入れ、窒素雰囲気、120℃で24時間撹拌した。反応液は直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH=20:1)をおよび分取GPC(CHCl)により精製することにより、テトラゾロピリジン6量体(赤色固体)を7mg(収率8%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) 0.90 (m, 6H), 1.30-1.37 (m, 8H), 1.38-1.45 (m, 4H), 1.72-1.79 (m, 4H), 2.91 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 6.94 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.05 (m, 1H),7.43 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 4.0 Hz, 1H).
実施例4:2−(チオフェン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−5))
工程1:2−ブロモピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
原料を2,5−dibromopyridineから2−bromopyridineへと変更し、反応時間を3日とした以外は実施例1の工程1と同様にして合成を行った。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.11 (td, J = 1.4, 8.0 Hz, 1H), 7.25 (td, J = 1.9, 6.4 Hz, 1H), 7.67 (dd, J =1.9, 8.0 Hz, 1H), 7.67 (dd, J =1.4, 6.4 Hz, 1H).
工程3:2−(チオフェン−2−イル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
耐圧試験管に2−Bromopyridine N−oxide(174mg、1mmol)、2−(Tributylstannyl)thiophene(560mg、1.5mmol)、Pd(PPh34(116mg、0.1mmol)、および無水トルエン(2mL)を入れ、マイクロウェーブ反応装置を用い180℃で20分撹拌した。反応終了後、溶媒を濃縮しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=1:1)を用いて精製し2−(Thiophen−2−yl)pyridine N−oxide(白色固体)を117mg(収率66%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.14 (td, J = 2.0, 7.0 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 4.0, 5.0 Hz, 1H), 7.32 (td, J =1.3, 8.0 Hz, 1H), 7.58 (d, J =5.0 Hz, 1H), 7.86 (dd, J =1.0, 4.0 Hz, 1H), 7.95 (dd, J = 2.0, 8.0 Hz, 1H), 8.32 (d, J = 7.0 Hz, 1H).
工程4:2−(チオフェン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−5))
Figure 0006706822
実施例1の工程4と同様にして合成を行った(白色固体、41mg、41%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.29 (dd, J = 3.8, 5.0 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 0.9, 7.1 Hz, 1H), 7.65 (dd, J = 1.2, 5.0 Hz, 1H), 7.72 (dd, J = 7.1, 8.9 Hz, 1H), 7.97 (dd, J = 0.9, 8.9 Hz, 1H), 8.39 (dd, J = 1.2, 3.8 Hz, 1H).
実施例5:2,5−ジフェニルテトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−6))
工程3:2,5−ジフェニルピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
ねじ口試験管に2,5−dibromopyridine N−oxide(250mg、1mmol)、フェニルボロン酸(366mg、3.0mmol)、Pd(PPh(115mg、0.1mmol)、2MKCO水溶液(3mL)およびTHF(6mL)を入れ、60℃で24時間撹拌した。反応終了後、有機層をジクロロメタンを用いて、抽出し溶媒を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=1:2)を用いて精製し2,5−diphenylpyridine N−oxide(白色固体)を311mg(収率100%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.42-7.54 (m, 8H), 7.59 (d, J =8.0 Hz, 2H), 7.85 (d, J =8.0 Hz, 2H).
工程4:2,5−ジフェニルテトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−6))
Figure 0006706822
実施例1の工程4と同様にして合成を行った(白色固体、55mg、40%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.47-7.64 (m, 6H), 7.91 (d,J = 7.2 Hz, 1H), 8.03-8.07 (m, 2H), 8.16-8.20 (m, 2H).
実施例6:5−ブロモ−2−(チオフェン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−7))
工程5:5−ブロモ−2−(チオフェン−2−イル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
2−(Tributylstannyl)thiopheneを1当量とした以外は実施例1の工程3と同様にして、5−bromo−2−(5−hexylthiophen−2−yl)pyridine N−oxideを合成した(黄色固体、1.98g、77%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.21 (t, J = 4.6 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 1.8, 8.8 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.47 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
工程6:5−ブロモ−2−(チオフェン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−7))
Figure 0006706822
実施例1の工程4と同様にして5−ブロモ−2−(チオフェン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成を行った(淡黄色固体、10mg、10%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.30 (dd, J = 4.0, 5.0 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.67 (dd, J = 1.2, 5.0 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.39 (dd, J = 1.2, 4.0 Hz, 1H).
実施例7:2,5−ビス(4−メトキシフェニル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−8))
工程3:2,5−ビス(4−メトキシフェニル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
2−(Tributylstannyl)thiopheneを2当量用いる代わりに、2−(Tributylstannyl)−4−methoxybenzeneを3当量用いた以外は実施例1の工程3と同様にして合成を行った(白色固体、335mg、100%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.87 (s, 6H), 7.01 (d, J = 7.8 Hz, 4H), 7.45 (br s, 2H), 7.52 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.86 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.55 (s, 1H).
工程4:2,5−ビス(4−メトキシフェニル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−8))
Figure 0006706822
実施例1の工程4と同様にして2,5−ビス(4−メトキシフェニル)テトラゾロピリジンの合成を行った(白色固体、111mg、92%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.90 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 7.09 (d, J= 8.8 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.17 (d, J = 8.8 Hz, 2H).
実施例8:2,5−ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−9))
工程3:2,5−ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
フェニルボロン酸(366mg、3.0mmol)の代わりに4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸を用い、反応条件を60℃で24時間撹拌する代わりに、マイクロウェーブを用いて130℃で20分加熱撹拌に変更した以外は実施例5の工程3と同様にして、2,5−ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリジン−N−オキシドを合成した(白色固体、208mg、100%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.55 (d, J =1.2 Hz, 2H), 7.72 (d, J =8.0 Hz, 2H), 7.77 (t, J =7.2 Hz, 4H), 7.99 (d, J =8.0 Hz, 2H), 8.62 (t, J =1.2 Hz, 1H).
工程4:2,5−ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−9))
Figure 0006706822
実施例1の工程4と同様にして合成を行った(白色固体、134mg、82%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.50 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.89 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 8.00 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.20 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 8.32 (d, J = 8.2 Hz, 2H).
実施例9:2,5−ビス(ピペリジン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−10))
工程3:2,5−ビス(ピペリジン−2−イル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
2−(Tributylstannyl)thiopheneを2.4当量用いる代わりに、2−(Tributylstannyl)Pyridineを3.0当量用い、触媒の量を変更した以外は実施例1の工程3と同様にして合成を行った(白色固体、237mg、63%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.33-7.39 (m, 2H), 7.74-7.78 (m, 1H), 7.81-7.88 (m, 2H), 8.02 (dd, J = 1.9, 8.7 Hz, 4H), 8.32 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.75 (m, 1H), 8.98(d, J = 1.8 Hz, 1H), 9.01 (d, J = 8.2 Hz, 1H)
工程4:2,5−ビス(ピペリジン−2−イル)テトラゾロピリジン(化合物(Tz−10))
Figure 0006706822
実施例1の工程4と同様にして合成を行った(淡黄色固体、66mg、44%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.30 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 7.36 (dd, J = 4.9, 7.6 Hz, 1H), 7.49 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.88 (td, J = 1.6, 7.6 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.45 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.56 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.72 (br d, J = 4.9Hz, 1H), 8.79 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.89 (d, J = 6.8 Hz, 1H).
実施例10:2,5−ビス(ピペリジン−4−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−11))
工程3:2,5−ビス(ピペリジン−4−イル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
フェニルボロン酸の代わりに、4−ピリジンボロン酸を用い、反応条件を60℃で24時間撹拌する代わりに、マイクロウェーブを用いて130℃で20分加熱撹拌に変更した以外は実施例5の工程3と同様にして、合成を行った(白色固体、107mg、43%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.51 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 7.60 (br d, 2H), 7.81 (d, J= 6.2 Hz, 2H), 8.64 (s, 1H), 8.76-8.82 (m, 4H).
工程4:2,5−ビス(ピペリジン−4−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−11))
Figure 0006706822
実施例1の工程4と同様にして合成を行った(白色固体、75mg、50%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.59 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 8.11 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.19 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 8.86 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 8.92 (d, J = 6.2 Hz, 2H).
実施例11:2−(ピペリジン−2−イル)−5−(ピペリジン−4−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−12))
工程5:5−ブロモ(2−ピペリジン−2−イル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
2−(Tributylstannyl)Pyridineを3.0当量用いる代わりに1.0当量用い、マイクロウェーブ装置を用いず120℃で18時間加熱撹拌に変更した以外は実施例9の工程3と同様にして合成を行った(白色固体、337mg、67%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.32-7.38 (m, 1H), 7.36 (dd, J = 4.9, 7.6 Hz, 1H), 7.79-7.86 (m, 1H), 8.12 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.46 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 8.71 (d, J =4.9 Hz, 1H), 8.88 (d, J = 8.0 Hz, 1H).
工程3:2−(ピペリジン−2−イル)−5−(ピペリジン−4−イル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸を3当量用いる代わりに4−ピリジンボロン酸を1.5当量用いた以外は実施例8の工程3と同様にして合成を行った(白色固体、165mg、55%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.36-7.41 (m, 1H), 7.52 (d, J = 6.3 Hz, 2H),7.60 (dd,J = 1.8, 8.4 Hz, 1H), 7.86 (td, J = 1.7, 7.8 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 8.5 Hz, 1H),8.62 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.74-8.79 (m, 1H), 8.98 (d, J = 8.2 Hz, 1H).
工程4:2−(ピペリジン−2−イル)−5−(ピペリジン−4−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−12))
Figure 0006706822
実施例1の工程4と同様にして合成を行った(白色固体、84mg、56%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.47-7.52 (m, 1H), 7.95 (td, J = 1.8, 8.0 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.37 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.82-8.85 (m, 1H), 7.86 (td, J = 1.7, 7.8 Hz, 3H), 9.02 (d, J = 7.9 Hz, 1H).
実施例12:2−(ピペリジン−4−イル)−5−(ピペリジン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−13))
工程5:5−ブロモ(2−ピペリジン−2−イル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
フェニルボロン酸の代わりに4−ピリジンボロン酸を用い、反応時間を24時間撹拌する代わりに、17時間加熱撹拌に変更した以外は実施例5の工程3と同様にして、合成を行った(白色固体、466mg、46%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.34 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.48 (dd, J = 1.6, 8.2 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 8.49 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.76 (d, J = 6.3 Hz, 1H).
工程3:2−(ピペリジン−2−イル)−5−(ピペリジン−4−イル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
2−(Tributylstannyl)Pyridineを3当量用いる代わりに2.0当量用いた以外は実施例9の工程3と同様にして合成を行った(白色固体、186mg、47%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.36-7.40 (m, 1H), 7.58 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.75 (d,J = 7.9 Hz, 1H), 7.82-7.87 (m, 3H), 8.01 (dd, J = 1.6, 8.3 Hz, 1H), 8.74-8.76 (m, 1H), 8.78 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 9.00 (d, J = 1.7 Hz, 1H).
工程4:2−(ピペリジン−4−イル)−5−(ピペリジン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−13))
Figure 0006706822
実施例1の工程4と同様にして合成を行った(白色固体、45mg、30%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.35 (td, J = 1.5, 7.0 Hz, 1H), 7.54 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 8.6 Hz, 1H),8.56 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.77 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 8.92 (d, J = 6.9 Hz, 1H).
実施例13:2−(チオフェン−2−イル)−5−(ピリジン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成工程3:2−(チオフェン−2−イル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリジン−N−オキシドの合成(化合物(Tz−14))
Figure 0006706822
実施例12の工程3と同様にして合成を行った(淡黄色固体、347mg、73%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.24-7.26 (m, 1H), 7.32-7.35 (m, 1H), 7.61 (dd, J = 1.0, 5.0 Hz, 1H), 7.72 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 7.82 (td, J = 1.7, 7.7 Hz, 1H), 7.92 (dd, J = 1.0, 4.0 Hz, 1H), 7.98-8.05 (m, 3H), 8.71-8.75 (m, 1H), 8.97 (d, J = 1.0Hz, 1H).
工程4:2−(ピペリジン−4−イル)−5−(ピペリジン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−14))
Figure 0006706822
実施例1の工程4と同様にして合成を行った(淡黄色固体、70mg、63%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.25-7.26 (m, 1H), 7.28-7.32 (m, 1H), 7.67 (dd, J = 1.0, 5.0 Hz, 1H), 7.70 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 7.93 (td, J = 1.8, 7.8 Hz, 1H), 8.44 (dd, J = 1.0, 4.0 Hz, 1H), 8.76 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.81 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 9.14 (d, J = 8.2 Hz, 1H).
実施例14:2−(ピリジン−2−イル)−5−(チオフェン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成工程3:2−(ピリジン−2−イル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリジン−N−オキシドの合成(化合物(Tz−15))
Figure 0006706822
実施例6の工程5と同様にして合成を行った(淡黄色固体、138mg、27%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.15 (dd, J = 4.0, 5.0 Hz, 1H), 7.32-7.37 (m, 1H), 7.42-7.45 (m, 2H), 7.55 (dd, J= 1.8, 8.6 Hz, 1H), 7.84 (td, J = 1.8, 7.8 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.61 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 8.71-8.74 (m, 1H), 8.96 (d, J= 8.2 Hz, 1H).
工程4:2−(ピペリジン−4−イル)−5−(ピペリジン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−15))
Figure 0006706822
実施例1の工程4と同様にして合成を行った(淡黄色固体、73mg、57%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.27 (dd, J = 4.0, 5.0 Hz, 1H), 7.43-7.47 (m, 1H), 7.55 (dd, J = 1.4, 5.3 Hz, 1H), 7.97 (td, J = 1.8, 7.8 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.26 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.48 (dd, J = 1.0, 4.0 Hz, 1H), 8.80-8.83(m, 1H), 8.99 (d, J = 8.2 Hz, 1H).
実施例15:テトラゾロピリジン6量体の合成2(化合物(Tz−4)、化合物(Tz−16))
工程3:2−(チオフェン−2−イル)−5−(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
2−(Tributylstannyl)thiopheneを2.4当量用いる代わりに、2−(Tributylstannyl)−5−hexylthiopheneを1.5当量用い、反応温度及び時間を変更したこと以外は実施例1の工程3と同様にして、合成した(橙色固体、2.56g(92%))。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) 0.89 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.30-1.36 (m, 4H), 1.38-1.44 (m, 2H), 1.70-1.79 (m, 2H), 2.83 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.80 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 7.19-7.27 (m, 2H), 7.45 (dd, J= 2.0, 8.7 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 1.0, 5.0 Hz, 1H), 7.83 (dd, J = 1.0, 4.0 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.54 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
工程4:2−(チオフェン−2−イル)−5−(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成(化合物(Tz−16))
Figure 0006706822
実施例1の工程4と同様にして、合成を行った(橙色固体、590mg(22%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) 0.90 (m, 3H), 1.30-1.37 (m, 4H), 1.38-1.45 (m, 2H), 1.72-1.79 (m, 2H), 2.91 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.94 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.05 (m, 1H),7.43 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 4.0 Hz, 1H).
工程19:ピリジン−N−オキシド6量体の合成(化合物(Tz−4))
Figure 0006706822
2−(チオフェン−2−イル)−5−(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)テトラゾロピリジン(110mg、0.3mmol)およびテトラヒドロフラン(3mL)を加え−78℃に冷却して、ジイソプロピルアミン(1.65eq)及びn−ブチルリチウム(1.5eq)より調製したリチウムジイソプロピルアミドを滴下して30分撹拌した。その後、CuCl2(2eq)を加え0℃に昇温して4時間撹拌した。反応終了後、溶媒を濃縮しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH=30:1)を用いて精製し、テトラゾロピリジン6量体(赤色固体)を得た。
実施例16:テトラゾロピリジン6量体の合成3
工程3:2−(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)−5−(ヘキシルチオフェン−2−イル)ピリジン−N−オキシドの合成
Figure 0006706822
2−(Tributylstannyl)thiopheneを2.4当量用いる代わりに1.0当量用い、反応温度及び時間を変更したこと以外は実施例1の工程3と同様にして、合成した(黄色固体、2.56g(5.9mmol))。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) 0.90 (m, 3H), 1.30-1.37 (m, 4H), 1.38-1.45 (m, 2H), 1.72-1.79 (m, 2H), 2.87 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.13 (dd, J =4.0, 5.0 Hz, 1H), 7.38 (m, 2H), 7.47 (dd, J = 1.8, 8.7 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.57 (d, J = 1.7 Hz, 1H).
工程3:2−(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)−5−(チオフェン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成
Figure 0006706822
実施例1の工程4と同様にして、合成を行った(黄色固体、530mg(23%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) 0.90 (m, 3H), 1.30-1.37 (m, 4H), 1.38-1.45 (m, 2H), 1.72-1.79 (m, 2H), 2.91 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.94 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.05 (m, 1H),7.43 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 4.0 Hz, 1H).
工程17:2−(5−トリブチルスタンニルチオフェン−2−イル)−5−(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成
Figure 0006706822
2−(チオフェン−2−イル)−5−(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)テトラゾロピリジン(110mg、0.3mmol)にテトラヒドロフラン(5mL)を加え−78℃に冷却して、ジイソプロピルアミン(1.65当量)、n−ブチルリチウム(1.5当量)より調製したリチウムジイソプロピルアミドを加え、−78℃で30分反応した。次いで、塩化トリブチルスズ(2当量)を加えて0℃で4時間反応した。反応終了後、室温まで昇温し、精製して目的とする化合物を得た(黄色固体、133mg、66%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) 0.91 (m, 12H), 1.07-1.80 (m, 26H), 2.88 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.21 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 8.47 (d, J = 3.5 Hz, 1H).
工程9:2−(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)−5−(5−ブロモチオフェン−2−イル)テトラゾロピリジンの合成
Figure 0006706822
2−(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)−5−(チオフェン−2−イル)テトラゾロピリジン(38mg、0.1mmol)、N−ブチルスクシンイミド(1.0当量)、及びテトラヒドロフランを加えて、−10℃で6時間反応した。反応終了後、室温まで昇温し、精製して目的とする化合物(黄色固体、48mg、100%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) 0.91 (m, 3H), 1.30-1.37 (m, 4H), 1.38-1.45 (m, 2H), 1.72-1.79 (m, 2H), 2.92 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.25 (d, J = 4.0 Hz, 1H).
工程18:ピリジン−N−オキシド6量体の合成(化合物(Tz−4))
Figure 0006706822
2−(5−トリブチルスタンニルチオフェン−2−イル)−5−(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)テトラゾロピリジン(67mg、0.1mmol)、2−(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)−5−(5−ブロモチオフェン−2−イル)テトラゾロピリジン(48mg、0.1mmol)、Pd(PPh(6mg、0.005mmol)、およびトルエン(10mL)、DMF(1mL)を入れ、窒素雰囲気下、120℃で60分撹拌したのち、精製しテトラゾロピリジン6量体(赤色固体)を得る。
示差走査熱量測定
得られた化合物(Tz−1)、(Tz−2)、(Tz−3)、(Tz−4)、(Tz−6)、(Tz−7)、(Tz−8)、(Tz−9)、(Tz−11)、(Tz−14)、(Tz−15)、(Tz−16)について、示差走査熱量測定装置(島津製作所社製、「DSC−60」)を用いて示差走査熱量測定を行った。結果を図1〜6に示す。
熱重量分析測定
化合物(Tz−3)について、熱重量分析装置(島津製作所社製、「TGA−50」)を用いて熱重量分析測定を行った。その結果本発明の化合物は、いずれも熱安定性に優れ、ガス発生剤として有用であることが明らかになった。
紫外可視吸収スペクトル測定
化合物(Tz−1,1.44×10-5M)、(Tz−3,8.21×10-6M)、(Tz−6,1.86×10-5M)、(Tz−8,7.83×10-6M)、(Tz−9,2.70×10-5M)、(Tz−14,4.53×10-5M)、(Tz−15,1.47×10-5M)の各濃度のジクロロメタン溶液を調製し、紫外・可視分光装置(島津製作所社製、「UV-3100PC」)、および、光路長1cmのセルを用いて紫外可視吸収スペクトル測定を行った。結果を図7〜13に示す。
サイクリックボルタンメトリー
化合物(Tz−1)、(Tz−3)、(Tz−6)、(Tz−8)、(Tz−9)、(Tz−14)、(Tz−15)について、サイクリックボルタンメトリー測定装置(BAS社製、「CV-620C voltammetric analyzer」)を用い、溶媒としてo−ジクロロベンゼン/MeCN(5:1)混合溶媒を用いて、サイクリックボルタンメトリー測定を行った。結果を図14〜16に示す。また、得られた数値を表25に示す。
Figure 0006706822
密度汎関数法によるシミュレーション
下記式で表される化合物について、それぞれ、密度汎関数法によるシミュレーションを行って、LUMO準位、HOMO準位を計算した。結果を表26に示す。
Figure 0006706822
Figure 0006706822
上記サイクリックボルタンメトリー測定、及びシミュレーションにより、本発明の化合物は、比較例の化合物(Tz−5)、(Tz−20)と比較して、LUMO準位を低く維持したままHOMO準位を引き上げることができており、有機半導体材料として有用であることが明らかになった。
FET測定
上記化合物(Tz−3)を、10mg/mLの濃度となるようにクロロホルムに溶解し、ODTS(オクタデシルトリクロロシラン)処理したSiO2/Si基板にスピンコート(1000rpm、1分)することで、ボトムゲート−ボトムコンタクト型のFET素子を作製し、FET測定を行った。チャンネル長さは5μmとした。次に、得られた素子を80℃、120℃、150℃、180℃の各温度で1時間アニールし、同様の方法でFET特性の評価を行った。得られた数値を表27に示す。
Figure 0006706822
上記の結果から、本発明の化合物は、ON/OFF比が高いものであり、半導体材料として有用であることが明らかになった。また本発明の化合物は、示差走査熱量分析測定の結果からも、200℃以上に加熱しても、分解することなく安定に存在しており、かつ、180℃まで加熱した場合でも、電子移動度がほとんど低下していないことから、素子としての熱安定性も良好であることが明らかになった。
本発明の化合物は、熱的安定性が高く、また電子受容性が高いため、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機薄膜トランジスタ素子等の有機エレクトロデバイス、有機半導体材料、光電変換素子、有機電子デバイス、太陽電池、太陽電池モジュール等に有用である。

Claims (13)

  1. 式(1−1)で表される化合物。
    Figure 0006706822

    [式(1−1)中、
    1は、水素原子、脂肪族炭化水素基、又は脂環式炭化水素基を表す。
    1は、置換されていてもよい芳香族環、又はハロゲン原子を表す。]
  2. 式(1−I)で表される化合物。
    Figure 0006706822

    [式(1−I)中、
    1は、置換されていてもよい芳香族環、又はハロゲン原子を表す。]
  3. 2つ以上のA1が、ハロゲン原子で置換されている芳香族環、又はハロゲン原子である請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 2つ以上のA1が、ハロゲン原子である請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  5. 2つ以上のA1が、ハロゲン原子で置換されている芳香族環である請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  6. 1が、下記式(Ar1)〜(Ar8)から選ばれるいずれかの芳香族環である請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
    Figure 0006706822

    [式(Ar1)〜(Ar8)中、
    2は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン化アルキル基を表す。
    3は、水素原子、又はアルキル基を表す。
    p1は、0〜3の整数、p2は、0〜2の整数、p3は0〜5の整数、p4は0〜4の整数を表す。]
  7. 下記式(2−1
    Figure 0006706822

    [式(2−1)中、
    1は、水素原子、脂肪族炭化水素基、又は脂環式炭化水素基を表す。
    1は、置換されていてもよい芳香族環、又はハロゲン原子を表す。]
    で表される化合物に、塩基の存在下、アジド化合物を反応させる式(1−1
    Figure 0006706822

    [式(1−1)中、R1 1 、上記と同義である。]
    で表される化合物の製造方法。
  8. 下記式(2−I)
    Figure 0006706822

    [式(2−I)中、
    1は、置換されていてもよい芳香族環、又はハロゲン原子を表す。]
    で表される化合物に、塩基の存在下、アジド化合物を反応させる式(1−I)
    Figure 0006706822

    [式(1−I)中、A1は上記と同義である。]
    で表される化合物の製造方法。
  9. 下記式で表される化合物。
    Figure 0006706822

    [式(II)中、
    1は、水素原子、脂肪族炭化水素基、又は脂環式炭化水素基を表す。
    20は、置換されていてもよい芳香族環を表す。
    mは、0〜2の整数、n7は、1以上の整数、rは、1以上の整数を表す。
    ただし、n7またはrのいずれかは、2以上である。]
  10. 式(1)で表される化合物。
    Figure 0006706822

    [式(1)中、
    1 は、水素原子、脂肪族炭化水素基、又は脂環式炭化水素基を表す。
    1 は、置換されていてもよい芳香族環、又はハロゲン原子を表し、2つ以上のA 1 が、ハロゲン原子で置換されている芳香族環である。
    mは、0〜2の整数、nは、2〜4の整数を表す。ただしm+nは4である。]
  11. 請求項1〜6、9、または10のいずれかに記載の化合物を含む有機半導体材料。
  12. 式(1)で表される化合物を含む有機半導体材料。
    Figure 0006706822

    [式(1)中、
    1 は、水素原子、脂肪族炭化水素基、又は脂環式炭化水素基を表す。
    1 は、置換されていてもよい芳香族環、又はハロゲン原子を表す。
    mは、0〜2の整数、nは、2〜4の整数を表す。ただしm+nは4である。]
  13. 請求項11または12に記載の有機半導体材料を含む有機電子デバイス。
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