JP6029897B2 - 発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、発光効率に優れた発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子は、自発光型で視野角が広く、消費電力が少ないという利点を有しているため、例えば、液晶ディスプレイに代わる次世代の表示装置はもとより、照明装置等、幅広い分野での展開が期待されている。
発光素子は、通常、基材、背面電極層、発光層及び表面電極層をこの順に備えてなり、発光層で発生した光は、基材側から取り出される場合と、表面電極層側から取り出される場合とがある。
発光層からの光が表面電極層側から取り出される場合の発光素子では、例えば、背面電極層はクロム等の金属からなり、表面電極層は酸化インジウムスズ(ITO)等の光透過性及び導電性を有する材料からなる。そして、発光層で発生した光は、直接表面電極層に向かって、この表面電極層を通過して取り出されるものと、一度背面電極層に向かって、ここで反射してから表面電極層に向かい、この表面電極層を通過して取り出されるものとがある。
ここで、背面電極層がクロム等からなる場合には、光の吸収率が比較的大きいため、背面電極層で反射される光の量が大きく減少し、利用できる反射光の強度が低下して、発光素子の発光効率が低下してしまう。そして、発光効率が低い発光素子では、十分な発光輝度を得るために、電流量を増加させる必要があり、消費電力が増加すると共に、発光素子の耐久性が低下してしまう。そこで、背面電極層の光反射率を向上させる試みがなされており、例えば、銀又は銀を含む合金により構成された背面電極層を用いた発光素子が開示されている(特許文献1参照)。
特開2003−77681号公報
しかし、特許文献1に記載の発光素子は、背面電極層をスパッタリング法で形成しており、工業的プロセスでは、この工程でパーティクル(微細粒子)の発生が避けられず、その結果、このパーティクルの混入により、背面電極層表面の平滑性が低下して、発光効率が十分に向上しないという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、発光層からの光を表面電極層側から取り出す形態で、発光効率及び発光輝度に優れる発光素子を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、基材、密着層、背面電極層、発光層及び表面電極層をこの順に備えてなる発光素子であって、前記密着層が、下記一般式(3)で表される化合物を用いて形成されたものであ、前記背面電極層の表面粗さが170nm未満であることを特徴とする発光素子を提供する。
Figure 0006029897
(式中、R11は炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシアルキル基又はアルキルカルボニル基であり;R12は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であり;R13は炭素数1〜10のアルキレン基であり;R14は炭素数1〜5のアルキレン基であり、該アルキレン基中の1個以上のメチレン基はカルボニル基で置換されていてもよく;Zはアミノ基、メルカプト基又は炭素数6〜12のアリール基であり;m1は2又は3であり、複数個のR11は互いに同一でも異なっていてもよく;m2及びm3はそれぞれ独立に0又は1であり、ただし、Zがアミノ基である場合には、少なくともm2は1である。)
本発明によれば、発光層からの光を表面電極層側から取り出す形態で、発光効率及び発光輝度に優れる発光素子が提供される。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の概略構成を例示する断面図である。
本発明に係る発光素子は、基材、密着層、背面電極層、発光層及び表面電極層をこの順に備えてなる発光素子であって、前記密着層が、下記一般式(3)で表される化合物(以下、「化合物(3)」と略記することがある)を用いて形成されたものであるか、又はラテックス及びポリビニルアルコールを含有する材料を用いて形成されたものであり、前記背面電極層の表面粗さが170nm未満であることを特徴とする。
Figure 0006029897
(式中、R11は炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシアルキル基又はアルキルカルボニル基であり;R12は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であり;R13は炭素数1〜10のアルキレン基であり;R14は炭素数1〜5のアルキレン基であり、該アルキレン基中の1個以上のメチレン基はカルボニル基で置換されていてもよく;Zはアミノ基、メルカプト基又は炭素数6〜12のアリール基であり;m1は2又は3であり、複数個のR11は互いに同一でも異なっていてもよく;m2及びm3はそれぞれ独立に0又は1であり、ただし、Zがアミノ基である場合には、m2及びm3の少なくとも一方は1である。)
なお、本明細書において「表面粗さ」とは、算術平均粗さ(Ra)を意味し、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、以下の式によって求められた値をナノメートル(nm)単位で表示したものである。以下、この表面粗さを「表面粗さRa」と記載することがある。
Figure 0006029897
本発明に係る発光素子は、発光層からの光が表面電極層側から取り出されるものであり、前記密着層を備えていることで、背面電極層としてスパッタリング法ではなく、原料化合物が配合されてなる液状の組成物(背面電極層形成用組成物)の付着及び加熱によって形成されたものを備えることが可能となる。その結果、スパッタリング法で発生するようなパーティクル(微細粒子)の、背面電極層への混入が回避され、背面電極層表面の平滑性が向上して、発光効率及び発光輝度に優れた発光素子となる。
本発明に係る発光素子は、前記密着層及び背面電極層以外は、公知の発光素子と同様の構成とすることができ、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)として好適である。
以下、図面を参照しながら、本発明について説明する。
図1は、本発明に係る発光素子の概略構成を例示する断面図である。
ここに示す発光素子1は、基材101、密着層102、背面電極層103、発光層108及び表面電極層109をこの順に備える。また、発光素子1は、背面電極層103と発光層108との間に、背面電極層103側からバッファ層104、絶縁層105、正孔注入層106及び正孔輸送層107をこの順に備え、これら各層が積層されて構成されている。背面電極層103は、密着層102上の一部に積層され、背面電極層103上にはバッファ層104が積層されている。そして、絶縁層105は、密着層102、背面電極層103及びバッファ層104を被覆するように、密着層102上に積層され、さらにバッファ層104の一部が、正孔注入層106に接触するように、開口部105aを有している。表面電極層109は、発光層108上に積層されており、発光層108側から半透過性電極層109a及び透明電極層109bがこの順に積層されて、構成されている。
[基材]
基材101は、ガラス、樹脂等の絶縁性を有する材質からなる。前記樹脂としては、ポリカーボネート(PC);アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂);ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリイミド等が例示できる。
基材101は、厚さが10μm〜5mmであることが好ましく、50〜200μmであることがより好ましい。
基材101は、単層からなるものでもよいし、二層以上の複数層からなるものでもよい。基材101が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが異なっていてもよい。そして、複数層が互いに異なる場合、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。ここで、複数層が互いに異なるとは、各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なることを意味する。
なお、基材101が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材101の厚さとなるようにするとよい。
[密着層]
密着層102は、化合物(3)を用いて形成されたものであるか、又はラテックス及びポリビニルアルコールを含有する材料を用いて形成されたものである。
次に、化合物(3)について説明する。
(化合物(3))
化合物(3)は、前記一般式(3)で表される。
式中、R11は炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシアルキル基又はアルキルカルボニル基である。
11における前記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよい。
直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基が例示できる。
環状のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基が例示できる。
11における前記アルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状であることが好ましく、炭素数が1〜3であることが好ましい。
11における前記アルコキシアルキル基としては、これを構成するアルコキシ基が、R11としての前記アルキル基が酸素原子に結合してなる1価の基であり、前記アルコキシ基が結合しているアルキレン基が、R11としての前記アルキル基から1個の水素原子を除いてなる基であるものが例示できる。ただし、前記アルコキシ基及びアルキレン基の合計の炭素数(前記アルコキシアルキル基の炭素数)は2〜5である。
11における前記アルコキシアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状であることが好ましく、炭素数が3以下であることが好ましく、メトキシメチル基又は2−メトキシエチル基であることがより好ましい。
11における前記アルキルカルボニル基としては、R11としての前記アルキル基がカルボニル基(−C(=O)−)の炭素原子に結合してなる1価の基が例示できる。ただし、カルボニル基の炭素原子に結合しているアルキル基の炭素数は1〜4(前記アルキルカルボニル基の炭素数は2〜5)である。
11における前記アルキルカルボニル基は、直鎖状又は分枝鎖状であることが好ましく、炭素数が3以下であることが好ましく、メチルカルボニル基(アセチル基)又はエチルカルボニル基であることがより好ましい。
式中、R12は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基である。
12における前記アルキル基としては、R11における前記アルキル基と同じのものが例示でき、R11と互いに同一でもよいし、異なっていてもよい。
12における前記アリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−トルイル基、m−トルイル基、p−トルイル基、キシリル基(ジメチルフェニル基)等が例示できる。また、これらアリール基の、1個以上の水素原子がアルキル基及び/又はアルコキシ基で置換されたものでもよい。ここで、水素原子が置換される前記アルキル基としては、R11における前記アルキル基と同じのものが例示でき、水素原子が置換される前記アルコキシ基としては、R11における前記アルキル基が酸素原子に結合してなる1価の基が例示できる。そして、これらアルキル基及び/又はアルコキシ基で置換されている場合、前記アリール基は、これらアルキル基及び/又はアルコキシ基も含めて、炭素数が12以下である。
12における前記アリール基は、単環状であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
式中、R13は炭素数1〜10のアルキレン基であり、本発明において前記「アルキレン基」は、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
13における前記アルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキル基から1個の水素原子を除いてなる2価の基が例示でき、かかるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
13における前記アルキレン基は、炭素数が1〜7であることが好ましく、炭素数が1〜5であることがより好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(メチルエチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1−エチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、1−メチル−2−エチルエチレン基、n−プロピルエチレン基等が例示できる。
式中、R14は炭素数1〜5のアルキレン基であり、R13における前記アルキレン基のうち、炭素数が1〜5のものと同じであり、炭素数が1〜3であることが好ましい。
また、R14における前記アルキレン基は、メチレン基であるか、又はメチレン基が2〜5個連結して構成されるが、アルキレン基を構成するこれらメチレン基(−CH−)のうちの1個以上は、カルボニル基(−C(=O)−)で置換されていてもよい。カルボニル基で置換されるメチレン基の数は、前記アルキレン基中のメチレン基の総数に依存し、特に限定されず、例えば、R14はカルボニル基のみで構成されていてもよいし、カルボニル基であってもよく、1個以上のアルキレン基と1個以上のカルボニル基とが混在したものでもよい。そして、通常は、R14中のカルボニル基の数は、2個以下であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
式中、Zはアミノ基(−NH)、メルカプト基(−SH)又は炭素数6〜12のアリール基である。
Zにおける前記アリール基としては、R12における前記アリール基と同じものが例示でき、R12と互いに同一でもよいし、異なっていてもよい。
式中、m1は2又は3であり、複数個のR11は互いに同一でも異なっていてもよい。
また、m2及びm3はそれぞれ独立に0又は1である。ただし、Zがアミノ基である場合には、m2及びm3の少なくとも一方は1である(m2及びm3が共に0になることはない)。
特に好ましい化合物(3)としては、R11及びR12が炭素数1〜3のアルキル基であり、R13が炭素数1〜5のアルキレン基であり、R14が炭素数1〜3のアルキレン基又はカルボニル基であり、Zがアミノ基、メルカプト基又はフェニル基であるものが例示できる。このような化合物(3)としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン((CHO)Si(CHNH(CHNH)、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン((CHO)Si(CH)(CHNH(CHNH)、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン((CHCHO)Si(CHNHC(=O)NH)、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン((CHO)Si(CHNHC)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン((CHO)Si(CHSH)、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン((CHO)Si(CH)(CHSH)が例示できる。
化合物(3)は、シランカップリング剤であり、市販品を用いてもよいし、公知の手法で合成したものを用いてもよい。
密着層102の形成に用いる化合物(3)は、一種のみでもよいし二種以上でもよく、二種以上である場合、その組み合わせ及び比率は特に限定されない。
次に、ラテックス及びポリビニルアルコールを含有する材料について説明する。
前記ラテックスは、公知のものでよく、特に限定されないが、好ましいものとしてスチレン・ブタジエン共重合体を主成分とするSBR系ラテックス;メタクリル酸メチル・ブタジエン共重合体を主成分とするMBR系ラテックス等が挙げられる。
前記ポリビニルアルコールは、公知のものでよく、特に限定されないが、後述する密着層形成工程において、密着層形成用組成物のにじみをより抑制できる点から、中間ケン化又は部分ケン化されたポリビニルアルコールであることが好ましい。ここで、「中間ケン化されたポリビニルアルコール」とは、ケン化度が91〜98%程度のポリビニルアルコールを意味し、「部分ケン化されたポリビニルアルコール」とは、ケン化度が70〜90%程度のポリビニルアルコールを意味する。
前記材料において、ラテックス及びポリビニルアルコールは、いずれも一種のみでもよいし二種以上でもよく、二種以上である場合、その組み合わせ及び比率は特に限定されない。
前記材料において、ラテックス及びポリビニルアルコールの含有量の比率(ラテックスの含有量:ポリビニルアルコールの含有量、質量比)は、10:1〜1:3であることが好ましい。
密着層102は、厚さが100〜5000nmであることが好ましい。
[背面電極層]
背面電極層103は、陽極層又は陰極層を構成し、これを形成するための原料化合物が配合されてなる液状の組成物(背面電極層形成用組成物)の付着及び加熱によって形成されたものである。ここで、加熱は、前記組成物中の溶媒成分の除去や、前記原料化合物の反応等、背面電極層103の形成に必要な工程である。
背面電極層103は、光の吸収率が低い金属からなるもの又は前記金属を主成分とするものが好ましく、前記金属としては銀(Ag)が例示できる。
背面電極層103が銀からなるもの又は銀を主成分とするものである場合、前記組成物は、銀形成材料が配合されてなる銀インク組成物である。
前記銀形成材料は、金属銀を生成する化合物であることが好ましく、下記一般式(1)で表されるβ−ケトカルボン酸銀(以下、「β−ケトカルボン酸銀(1)」と略記することがある)であることがより好ましい。すなわち、前記組成物(銀インク組成物)は、β−ケトカルボン酸銀(1)が配合されてなる銀インク組成物であることが好ましい。
次に、β−ケトカルボン酸銀(1)について説明する。
Figure 0006029897
(式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」若しくは「(RO)CY−」で表される基であり;
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基であり;
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
(β−ケトカルボン酸銀(1))
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」若しくは「(RO)CY−」で表される基である。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状(脂肪族環式基)のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、前記脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれでもよい。そして、前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜6であることが好ましい。Rにおける好ましい前記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が例示できる。
Rにおける直鎖状又は分枝鎖状の前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、1−プロピルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、5,5−ジメチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基が例示できる。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
Rにおける前記アルケニル基としては、ビニル基(エテニル基、−CH=CH)、アリル基(2−プロペニル基、−CH−CH=CH)、1−プロペニル基(−CH=CH−CH)、イソプロペニル基(−C(CH)=CH)、1−ブテニル基(−CH=CH−CH−CH)、2−ブテニル基(−CH−CH=CH−CH)、3−ブテニル基(−CH−CH−CH=CH)、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換された基が例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が例示できる。また、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての置換基が同一であってもよいし、すべての置換基が異なっていてもよく、一部の置換基のみが異なっていてもよい。
Rにおけるフェニル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基(−OH)、シアノ基(−C≡N)、フェノキシ基(−O−C)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるYは、それぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子である。そして、一般式「R−CY−」及び「CY−」においては、それぞれ複数個のYは、互いに同一でも異なっていてもよい。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基(C−)であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Rは、上記の中でも、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、又はフェニル基であることが好ましい。
一般式(1)において、Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基(C−CH−)、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基(C−O−CH=CH−)、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基である。
Xにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Xにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
Xにおけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
XにおけるRは、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基(CS−)、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基(ビフェニル基、C−C−)である。Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜10である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。また、Rにおけるフェニル基及びジフェニル基の前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、Xにおいて隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
一般式(1)において、2個のXは、2個のカルボニル基で挟まれた炭素原子と二重結合を介して1個の基として結合していてもよく、このようなものとしては式「=CH−C−NO」で表される基が例示できる。
Xは、上記の中でも、水素原子、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、又はベンジル基であることが好ましく、少なくとも一方のXが水素原子であることが好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、2−メチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、アセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−エチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、プロピオニル酢酸銀(CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、イソブチリル酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−n−ブチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCHCHCH)−C(=O)−OAg)、2−ベンジルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、又はベンゾイル酢酸銀(C−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましい。これらβ−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表されるものの中でも、加熱(焼成)処理により形成された金属銀において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。原料や不純物が少ない程、例えば、形成された金属銀同士の接触が良好となり、導通が容易となり、抵抗率が低下する。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、好ましくは60〜210℃、より好ましくは60〜200℃という低温で分解し、金属銀を形成する。
また、還元剤等を使用することで、より低温で分解し、金属銀を形成する。ここで、好ましい還元剤としては、ギ酸、シュウ酸等が例示できる。
背面電極層103の形成に用いるβ−ケトカルボン酸銀(1)は、一種のみでもよいし二種以上でもよく、二種以上である場合、その組み合わせ及び比率は特に限定されない。
背面電極層103は、厚さが50〜1000nmであることが好ましい。
背面電極層103は、前記組成物の付着及び加熱によって形成されたものとすることで、表面の平滑性が高くなる。
[発光層]
発光層108は、電流の注入により光を発生するものであり、例えば、8−キノリノールアルミニウム錯体(Alq)等の低分子発光材料や、ポリパラフェニレンビニレン等の高分子発光材料を用いて形成され、イオンドーパント・界面活性材(例えば、米国特許第5682043号明細書、米国特許第5895717号明細書及び米国特許第6284435号明細書参照)、酸化物ナノ粒子(例えば、SiO)等の発光効率を高める材料を含有させることができ、その厚さは10〜100nmであることが好ましい。
発光層108は、単層からなるものでもよいし、二層以上の複数層からなるものでもよい。ここで、発光層108が「複数層からなる」とは、基材101の場合と同様のことを意味する。
[表面電極層]
表面電極層109は、背面電極層103が陽極層を構成する場合には陰極層を構成し、背面電極層103が陰極層を構成する場合には陽極層を構成する。そして、表面電極層109は、発光層108で発生した光に対して半透過性を有する半透過性電極層109aと、発光層108で発生した光に対して透過性を有する透明電極層109bと、を備える。
半透過性電極層109aは、発光層108で発生した光を、背面電極層103との間で反射(多重反射)させるためのものである。すなわち、半透過性電極層109aと背面電極層103とで、発光層108で発生した光を共振させる共振器の共振部を構成している。このように共振器を構成することで、発光層108で発生した光が多重干渉を起こし、一種の狭帯域フィルタとして作用することにより、取り出される光のスペクトルの半値幅が減少し、色純度を向上させることができる。そのためには、狭帯域フィルタのピーク波長と、取り出したい光のスペクトルのピーク波長とを一致させるようにすることが好ましい。すなわち、背面電極層103及び半透過性電極層109aで生じる反射光の位相シフトをΦ(rad)、背面電極層103及び半透過性電極層109a間の光学的距離をL、表面電極層109側から取り出したい光のスペクトルのピーク波長をλとした場合、Lは、下記式(A)の関係を満たすことが好ましく、下記式(A)を満たす正の最小値であることが好ましい。なお、下記式(A)において、L及びλは「nm」等の共通の単位であればよい。
2L/λ+Φ/2π=q (qは整数) ・・・・(A)
半透過性電極層109aは、例えば、マグネシウム(Mg)及び銀の合金(マグネシウム・銀合金、MgAg合金)等からなり、マグネシウム・銀合金は、マグネシウムと銀との質量比(マグネシウムの質量:銀の質量)が9.5:0.5〜8.5:1.5であるものが好ましく、9:1であるものがより好ましい。
半透過性電極層109aの厚さは、1〜30nmであることが好ましい。
透明電極層109bは、半透過性電極層109aの電気抵抗を下げるためのものであり、発光層108で発生した光に対して十分な透光性を有する導電性材料からなる。
前記導電性材料としては、室温で成膜しても良好な導電性が得られる点から、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)及び酸素を含む化合物(酸化インジウムスズ、ITO)が好ましい。
透明電極層109bの厚さは、100〜300nmであることが好ましい。
[バッファ層]
バッファ層104は、背面電極層103と発光層108との間の密着性を向上させたり、導電性、導イオン性を高めるものであり、また、背面電極層103が空気中の酸素又は硫黄成分と反応することを防止すると共に、背面電極層103を形成後の製造工程において、背面電極層103を保護する保護膜としても機能する。
バッファ層104は、仕事関数が背面電極層103と発光層108との間にある材質からなる。このような材質としては、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、シリコン(Si)等の金属;これら金属の少なくとも1種を含む合金;これら金属又は合金の酸化物若しくは窒化物;ITO等の透明導電性材料が例示できる。
バッファ層104の厚さは、構成材料の光の透過率及び導電率に応じて、適宜選択することが好ましい。例えば、酸化クロム(III)(Cr)等の導電率がさほど高くない酸化物や窒化物等により構成する場合には、1〜10nm程度と薄い方が好ましい。また、導電率が高く、光の透過率が低い金属により構成する場合にも、同様に、1〜10nm程度と薄い方が好ましい。一方、導電率及び光の透過率がともに高いITO等により構成する場合には、1〜90nm等、数nm〜数十nm程度にまで幅広く設定できる。
[絶縁層]
絶縁層105は、背面電極層103と表面電極層109との間の絶縁性を確保するとともに、発光素子1の発光部を所望の形状に調節するものである。絶縁層105の正孔注入層106へ向けての開口部105aの形状により、発光部の形状が決定され、通常は、開口部105aに対応した領域で、発光層108が発光する。
絶縁層105は、例えば、二酸化ケイ素(SiO2 )等の絶縁性を有する材質からなる。
絶縁層105の厚さは、例えば、400〜800nmであることが好ましい。
[正孔注入層]
正孔注入層106は、発光層108への正孔注入効率を高めるものであり、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、PEDOT/PSS等からなり、その厚さは10〜50nmであることが好ましい。
[正孔輸送層]
正孔輸送層107は、発光層108への正孔注入効率を高めるものであり、ビス[(N−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジン(α−NPD)等からなり、その厚さは5〜40nmであることが好ましい。
[その他の構造]
発光素子1は、例えば、表面電極層109上にパッシベーション膜(図示略)を備え、さらに素子全体が封止基板(図示略)により封止されて、構成される。
発光素子1は、背面電極層103及び表面電極層109間に所定の電圧が印加されることで、発光層108に電流が注入され、正孔と電子との再結合により、主として発光層108側の界面において発光が生じる。
発光素子1は、密着層102を備えていることで、背面電極層103の表面の平滑性が高く、発光効率及び発光輝度に優れる。その理由は、以下のとおりである。
すなわち、発光素子1において、発光層108で発生した光には、直接表面電極層109に向かって、表面電極層109を通過して取り出されるものと、一度背面電極層103に向かって、ここで反射してから表面電極層109に向かい、表面電極層109を通過して取り出されるものとがある。ここで、背面電極層103は、光の吸収率が低く、またスパッタリング法ではなく、液状の組成物の付着及び加熱によって形成されたものであることで、表面の平滑性が高いので、背面電極層103で反射される光の量の減少が抑制され、利用できる反射光の強度が高く、発光効率が高い。
発光素子1は、背面電極層103の表面粗さが170nm未満であり、好ましくは160nmとすることができる。そして、発光素子1は、例えば、発光効率を5.7cd/A以上とすることができる。また、発光素子1は、電流量を増加させなくても、十分な発光輝度が得られ、例えば、電流密度が4mA/cmでの駆動条件における発光輝度を230cd/m以上とすることができる。
発光素子1の発光輝度は、例えば、輝度計(例えば、コニカミノルタ社製「CS−100A」等)を用いて測定できる。
また、発光素子1の発光効率は、例えば、電流計で測定した単位面積あたりの駆動電流(電流密度)で発光輝度を除することにより求められる。
発光素子1は、密着層102及び背面電極層103を形成する工程以外は、公知の発光素子の場合と同様の工程により製造でき、例えば、以下に示す方法で製造できる。
[密着層形成工程]
まず、基材101上に、密着層102を形成する。
密着層102は、例えば、密着層102を形成するための原料が配合されてなる密着層形成用組成物を調製し、これを基材101上に付着させて、必要に応じて加熱処理を行い、乾燥させることで形成できる。このとき、加熱処理は乾燥を兼ねて行ってもよい。
まず、密着層形成工程における前記原料として、化合物(3)を用いる場合について、説明する。この場合、密着層形成用組成物としては、化合物(3)及び溶媒が配合されてなる液状のものが例示できる。
密着層形成用組成物の調製に用いる前記溶媒は、化合物(3)を著しく劣化させない限り、特に限定されず、好ましいものとしては、エタノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)等の炭素数が2以上のアルコールが例示できる。
前記溶媒は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
密着層形成用組成物における化合物(3)の含有量は、1〜50質量%であることが好ましく、3〜30質量%であることがより好ましい。下限値以上であることで、密着層102をより効率的に形成でき、上限値以下であることで、前記組成物の取り扱い性がより向上する。
密着層形成用組成物は、化合物(3)及び溶媒以外に、その他の成分が配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。
密着層形成用組成物において、配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率(配合比)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
前記その他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
密着層形成用組成物中の成分は、すべて溶解していてもよいし、一部又はすべてが溶解していなくてもよいが、溶解していない成分は、均一に分散されていることが好ましい。
密着層形成用組成物は、化合物(3)、及び化合物(3)以外の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜30℃であることが好ましい。
液状の密着層形成用組成物は、例えば、印刷法、塗布法、浸漬法等の公知の方法で基材101上に付着させることができる。
前記印刷法としては、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法等が例示できる。
前記塗布法としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法が例示できる。
密着層形成工程においては、基材101上に付着させる化合物(3)の量を調節することで、密着層102の厚さを調節できる。この場合、基材101上に付着させる密着層形成用組成物の量、又は密着層形成用組成物の化合物(3)の含有量を調節すればよい。
基材101上に付着させた密着層形成用組成物の加熱処理の条件は、前記組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよく、例えば、化合物(3)の反応と、溶媒の除去(乾燥)とが、円滑に進むように調節することが好ましい。通常は、加熱温度が50〜180℃であることが好ましく、80〜160℃であることがより好ましい。加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、3〜60分間であることが好ましく、5〜30分間であることがより好ましい。
次に、密着層形成工程における前記原料として、ラテックス及びポリビニルアルコールを含有する材料を用いる場合について、説明する。この場合、密着層形成用組成物としては、ラテックス及びポリビニルアルコールを含有する水溶液が例示できる。
前記水溶液は、化合物(3)を用いた密着層形成用組成物の場合と同様の方法で、基材101上に付着させることができる。
付着後の前記水溶液は、含有成分が硬化しないように乾燥させることで、密着層102を形成できる。すなわち、この場合の密着層102は、ラテックス及びポリビニルアルコールを主成分として含有する樹脂層である。
[背面電極層形成工程]
密着層102を形成後は、密着層102上に背面電極層103を形成する。
背面電極層103は、例えば、背面電極層103を形成するための原料化合物が配合されてなる背面電極層形成用組成物を調製し、これを密着層102上に付着させて、加熱処理することで形成できる。以下、β−ケトカルボン酸銀(1)を用いて背面電極層103を形成する場合について説明するが、β−ケトカルボン酸銀(1)以外の原料化合物を用いた場合も、同様に行うことができる。
β−ケトカルボン酸銀(1)を用いて背面電極層103を形成する場合には、背面電極層形成用組成物として、β−ケトカルボン酸銀(1)が配合されてなる銀インク組成物を用いる。
銀インク組成物において、β−ケトカルボン酸銀(1)中の銀の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。このような範囲であることで、背面電極層103は品質により優れたものとなる。前記銀の含有量の上限値は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すると25質量%であることが好ましい。
(アミン化合物、アンモニウム塩)
前記銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀(1)以外に、さらにアミン化合物及び/又はアンモニウム塩が配合されてなるものでもよい。そして、前記アミン化合物及び/又はアンモニウム塩は、炭素数が2〜25であることが好ましい。
炭素数2〜25のアミン化合物は、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンのいずれでもよい。また、炭素数2〜25のアンモニウム塩とは、かかる炭素数の第四級アンモニウム塩である。前記アミン化合物及びアンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン又はアンモニウム塩を形成している窒素原子の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
前記第一級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいモノアルキルアミン、モノアリールアミン、モノ(ヘテロアリール)アミン、ジアミン等が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示でき、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−プロピルアミン、n−ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、tert−ブチルアミン、n−オクタデシルアミン(ステアリルアミン)、シクロヘキシルアミンが例示でき、n−プロピルアミン、n−ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、tert−ブチルアミンがより好ましい。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が例示でき、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、芳香族環骨格を構成する原子として、ヘテロ原子を有するものであり、前記ヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ホウ素原子が例示できる。また、芳香族環骨格を構成する前記へテロ原子の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよい。2個以上である場合、これらへテロ原子は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、これらへテロ原子は、すべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみが異なっていてもよい。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜4個有する単環状のものとしては、ピロリル基、ピロリニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピペリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペラジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは、アミノ基を2個有していればよく、2個のアミノ基の位置関係は特に限定されない。好ましい前記ジアミンとしては、前記モノアルキルアミン、モノアリールアミン又はモノ(ヘテロアリール)アミンにおいて、アミノ基(−NH)を構成する水素原子以外の1個の水素原子が、アミノ基で置換されたものが例示できる。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミンが例示できる。
前記第二級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいジアルキルアミン、ジアリールアミン、ジ(ヘテロアリール)アミン等が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。また、ジアリールアミン一分子中の2個のアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基と同様であり、6〜12員環であることが好ましい。また、ジ(ヘテロアリール)アミン一分子中の2個のヘテロアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記第三級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいトリアルキルアミン、ジアルキルモノアリールアミン等が例示できる。
前記トリアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、トリアルキルアミン一分子中の3個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、3個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部のみが異なっていてもよい。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルモノアリールアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記第四級アンモニウム塩としては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいハロゲン化テトラアルキルアンモニウム等が例示できる。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部のみが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラドデシルアンモニウムブロミドが例示できる。
ここまでは、主に鎖状のアミン及びアンモニウム塩について説明したが、前記アミン化合物及びアンモニウム塩は、アミン又はアンモニウム塩を形成している窒素原子が環骨格(複素環骨格)の一部であるようなヘテロ環化合物であってもよい。すなわち、前記アミン化合物は環状アミンでもよく、前記アンモニウム塩は環状アンモニウム塩でもよい。この時の環(アミン又はアンモニウム塩を形成する窒素原子を含む環)骨格は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されず、脂肪族環及び芳香族環のいずれでもよい。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンが例示できる。
前記第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン及び第四級アンモニウム塩において、「置換基で置換されていてもよい水素原子」とは、アミン又はアンモニウム塩を形成している窒素原子に結合している水素原子以外の水素原子である。この時の置換基の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよく、前記水素原子のすべてが置換基で置換されていてもよい。置換基の数が複数の場合には、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、複数個の置換基はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみが異なっていてもよい。また、置換基の位置も特に限定されない。
前記アミン化合物及びアンモニウム塩における前記置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、トリフルオロメチル基(−CF)等が例示できる。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基としてアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は置換基として好ましくは炭素数が1〜5のアルキル基を有する、炭素数が3〜7の環状のアルキル基が好ましく、このようなモノアルキルアミンとして、具体的には、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。また、これらモノアルキルアミンが、さらに置換基としてハロゲン原子を有するものも好ましく、このようなモノアルキルアミンとしては、2−ブロモベンジルアミンが例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基が置換基を有する場合、かかるアリール基は、置換基としてハロゲン原子を有する、炭素数が6〜10のアリール基が好ましい。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基として水酸基又はアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、このようなジアルキルアミンとして、具体的には、ジエタノールアミン、N−メチルベンジルアミンが例示できる。
前記アミン化合物は、2−エチルヘキシルアミン、2−フェニルエチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−プロピルアミン、tert−ブチルアミン、エチレンジアミン、N−メチル−n−ヘキシルアミン、n−オクタデシルアミン、シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N−メチルベンジルアミン又はN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンであることが好ましい。
本発明においては、アミン化合物のみを使用してもよいし、アンモニウム塩のみを使用してもよく、アミン化合物及びアンモニウム塩を併用してもよいが、アミン化合物のみを使用することが好ましい。
前記アミン化合物及びアンモニウム塩は、いずれも一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物において、アミン化合物及びアンモニウム塩の総配合量は、β−ケトカルボン酸銀(1)の配合量1モルあたり1〜10モルであることが好ましく、1.5〜7モルであることがより好ましい。下限値以上であることで、銀インク組成物の安定性がより向上し、上限値以下であることで、銀層の品質がより向上する。
(アルコール)
前記銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀(1)以外に、さらにアルコールが配合されてなるものでもよい。
前記アルコールは、下記一般式(2)で表されるアセチレンアルコール類(以下、「アセチレンアルコール(2)」と略記することがある)であることが好ましい。
Figure 0006029897
(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。)
式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
R’及びR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。R’及びR’’における前記アルキル基としては、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
R’及びR’’におけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、シアノ基、フェノキシ基等が例示でき、Rにおけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基と同様である。そして、置換基の数及び位置は特に限定されず、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R’及びR’’は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
好ましいアセチレンアルコール(2)としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オールが例示できる。
銀インク組成物において、アセチレンアルコール(2)の配合量は、β−ケトカルボン酸銀(1)の配合量1モルあたり0.03〜0.7モルであることが好ましく、0.04〜0.3モルであることがより好ましい。下限値以上であることで、銀インク組成物の安定性がより向上し、上限値以下であることで、銀層の品質がより向上する。
前記アルコールは、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀(1)、アミン化合物及び/又はアンモニウム塩、並びにアルコール以外の、その他の成分が配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。例えば、後述する還元剤を前記その他の成分として用いることもできる。
銀インク組成物において、配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率(配合比)は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
前記その他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物中の成分は、すべて溶解していてもよいし、一部又はすべてが溶解していなくてもよいが、溶解していない成分は、均一に分散されていることが好ましい。
銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀(1)、及びβ−ケトカルボン酸銀(1)以外の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜30℃であることが好ましい。
銀インク組成物は、密着層形成用組成物と同様の方法で、密着層102上に付着させればよい。このように、背面電極層103は、スパッタリング法以外の汎用性のある方法で形成できるので、低コストで且つ高い生産性で発光素子1を製造できる。
背面電極層形成工程においては、密着層102に付着させるβ−ケトカルボン酸銀(1)の量を調節することで、背面電極層103の厚さを調節できる。この場合、密着層102に付着させる銀インク組成物の量、又は銀インク組成物のβ−ケトカルボン酸銀(1)の含有量を調節すればよい。
密着層102上に付着させた銀インク組成物の加熱(焼成)処理の条件は、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよい。通常は、加熱温度が60〜210℃であることが好ましく、70〜180℃であることがより好ましい。加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、0.2〜12時間であることが好ましく、0.4〜10時間であることがより好ましい。β−ケトカルボン酸銀(1)は、例えば、酸化銀等のその他の金属銀形成材料とは異なり、当該分野で公知の還元剤等を用いなくても、低温で分解する。そして、このような分解温度を反映して、前記銀インク組成物は、上記のように、その他のものより極めて低温で金属銀を形成できる。そして、還元剤を用いることで、さらに低温で金属銀を形成できる。
銀インク組成物の加熱処理の方法は特に限定されず、例えば、電気炉による加熱、感熱方式の熱ヘッドによる加熱等で行うことができる。また、銀インク組成物の加熱処理は、大気下で行ってもよいし、不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。そして、常圧下及び減圧下のいずれで行ってもよい。
[バッファ層形成工程]
背面電極層103を形成後は、背面電極層103上にバッファ層104を形成する。
バッファ層104は、例えば、高周波スパッタリング法により形成(成膜)できる。このとき、例えば、圧力を0.3Pa、出力を10Wとし、スパッタガスとしてアルゴン(Ar)ガス又は窒素(N)ガス等の不活性ガスを用い、この不活性ガス雰囲気下で成膜することが好ましい。背面電極層103が金属銀からなる場合、金属銀は反応性が高いので、酸素(O)ガス雰囲気下等で成膜すると、背面電極層103も酸化されてしまうからである。したがって、バッファ層104を、例えば、酸化クロム等の酸化物からなるものとする場合には、クロムターゲット等の金属ターゲットを用いて、酸素ガス雰囲気下で成膜するのではなく、酸化クロム等の酸化物ターゲットを用いて、不活性ガス雰囲気下で成膜することが好ましい。
上記で形成した背面電極層103及びバッファ層104は、例えば、硝酸、リン酸及び酢酸の混合液を用いたリソグラフィー技術を適用して、選択的にエッチングすることにより、図1に示すように所定の形状にパターニングできる。
[絶縁層形成工程]
背面電極層103及びバッファ層104のパターニング後は、各層が形成された基材101上の全面(すなわち、密着層102の露出された表面、背面電極層103の露出された表面、及びバッファ層104の露出された表面)に、例えば、化学的気相成長法(CVD法)により、絶縁層105を形成(成膜)し、例えば、リソグラフィー技術を適用して、絶縁層105のうち、発光領域に対応する部分を選択的に除去して、開口部105aを形成する。
[正孔注入層形成工程、正孔輸送層形成工程、発光層形成工程、半透過性電極層形成工程]
絶縁層105を形成後は、例えば、蒸着法により、正孔注入層106、正孔輸送層107、発光層108及び半透過性電極層109aを順次形成(成膜)する。このとき、これらの形成予定領域に対応した開口部を有する金属製エリアマスクを用い、発光部、すなわち絶縁層105の開口部105aに対応させて、これらの層を形成する。ただし、開口部105aのみに高精度に蒸着させることは困難であり、開口部105a全体を覆い、絶縁層105の縁にかかるようにして形成してもよい。
[透明電極層形成工程]
半透過性電極層109aを形成後は、半透過性電極層109a上に透明電極層109bを形成する。
透明電極層109bは、例えば、上記と同様の金属製エリアマスクを用いて、直流スパッタリング法により形成(成膜)できる。スパッタガスとしては、例えば、アルゴン及び酸素の混合ガス(Ar:O=1000:5、体積比)を用い、圧力を0.3Pa、出力を40Wとして、スパッタリングすることができる。
以上の工程を行うことで、図1に示す発光素子1が得られる。
本発明に係る発光素子は、図1に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、一部構成が変更されたものでもよい。例えば、少なくとも基材101、密着層102、背面電極層103、発光層108及び表面電極層109がこの順に積層された構成であればよい。そして、表面電極層109は、半透過性電極層109aを備えず、透明電極層109bのみからなるものでもよい。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
[実施例1]
上記で説明した製造方法により、図1に示す発光素子を製造した。ただし、基材、密着層、背面電極層、発光層及び表面電極層がこの順に積層され、バッファ層、絶縁層、正孔注入層及び正孔輸送層を備えていない発光素子とした。また、表面電極層は、透明電極層のみからなる(半透過性電極層を備えていない)ものとした。
基材としては、PETフィルムを用いた。
密着層は、化合物(3)として信越シリコーン社製「KBM603」が配合されてなる液状の密着層形成用組成物を用いて形成した。
背面電極層は、銀インク組成物を背面電極層形成用組成物として用い、これをインクジェット印刷法により密着層上に塗布し、加熱処理することにより、金属銀からなる層として形成した。ここで、銀インク組成物としては、表1に示すように、2−メチルアセト酢酸銀(0.190モル)、2−エチルヘキシルアミン(0.929モル、2−メチルアセト酢酸銀に対して4.9倍モル)、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(0.019モル、2−メチルアセト酢酸銀に対して0.1倍モル)が配合されてなる銀インク組成物(1)を用いた。
発光層は、スパッタリング法により、2−メトキシ,5−(2’−エチル−ヘキソキシ)−1,4−フェニレン−ビニレン)(MEH−PPV)を用いて形成した。
表面電極層(透明電極層)は、スパッタリング法により、ITOからなる層として形成した。
得られた発光素子は、表2に示すように、表面粗さRaが11.5nmであり、電流密度が4mA/cmでの駆動条件における発光輝度が307cd/mであり、発光効率が7.68cd/Aであった。なお、ここで表面粗さRaは、ハイブリッド顕微鏡(キーエンス社製「VN−8010」)を用いて測定し、発光輝度は、輝度計(例えば、コニカミノルタ社製「CS−100A」等)を用いて測定した。
[実施例2]
銀インク組成物として、表1に示すように、2−メチルアセト酢酸銀(0.190モル)、2−エチルヘキシルアミン(0.428モル、2−メチルアセト酢酸銀に対して2.25倍モル)、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(0.019モル、2−メチルアセト酢酸銀に対して0.1倍モル)が配合されてなる銀インク組成物(2)を用い、スクリーン印刷法により、背面電極層を形成したこと以外は、実施例1と同様に、発光素子を製造及び評価した。
評価結果を表2に示す。
[実施例3]
銀インク組成物として、表1に示すように、2−メチルアセト酢酸銀(0.190モル)、2−エチルヘキシルアミン(0.428モル、2−メチルアセト酢酸銀に対して2.25倍モル)、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(0.0079モル、2−メチルアセト酢酸銀に対して0.042倍モル)が配合されてなる銀インク組成物(3)を用い、スクリーン印刷法により、背面電極層を形成したこと以外は、実施例1と同様に、発光素子を製造及び評価した。
評価結果を表2に示す。
[実施例4]
銀インク組成物として、表1に示すように、2−メチルアセト酢酸銀(0.190モル)、2−エチルヘキシルアミン(0.428モル、2−メチルアセト酢酸銀に対して2.25倍モル)が配合されてなる銀インク組成物(4)を用い、スクリーン印刷法により、背面電極層を形成したこと以外は、実施例1と同様に、発光素子を製造及び評価した。
評価結果を表2に示す。
[実施例5]
スクリーン印刷法に代えて、フレキソ印刷法により背面電極層を形成したこと以外は、実施例2と同様に、発光素子を製造及び評価した。
評価結果を表2に示す。
[比較例1]
密着層を形成せず、2−メチルアセト酢酸銀が配合されてなる前記銀インク組成物に代えて、以下に示す銀ペーストを用い、これをスクリーン印刷法により基材上に塗布し、加熱処理することにより、背面電極層を形成したこと以外は、実施例1と同様に、発光素子を製造及び評価した。
前記銀ペーストは、平均粒径が1μmのフレーク状銀粉と、バインダーとして前記フレーク状銀粉に対して0.5質量%のフェノール樹脂と、主溶媒としてγ−ブチロラクトンと、を混合し、ここにさらにグルタミン酸ジメチル65質量%とコハク酸ジメチル35質量%の混合溶媒(シグマアルドリッチ社製「DBE−9」)を添加して、前記フレーク状銀粉の含有量が65質量%であり、25℃での粘度が46Pa・sとなるように調節することで調製した。
前記銀ペーストの粘度は、CBC社製振動式粘度計「VM−10A」を用いて測定した。
評価結果を表2に示す。
Figure 0006029897
Figure 0006029897
これらの結果より、本発明に係る発光素子は、背面電極層の表面粗さRaが170nm未満であり、発光効率及び発光輝度に優れることが確認できた。
本発明は、発光素子として、表示装置、照明装置等の分野で利用可能である。
1・・・発光素子、101・・・基材、102・・・密着層、103・・・背面電極層、108・・・発光層、109・・・表面電極層

Claims (1)

  1. 基材、密着層、背面電極層、発光層及び表面電極層をこの順に備えてなる発光素子であって、
    前記密着層が、下記一般式(3)で表される化合物を用いて形成されたものであ
    前記背面電極層の表面粗さが170nm未満であることを特徴とする発光素子。
    Figure 0006029897
    (式中、R11は炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシアルキル基又はアルキルカルボニル基であり;R12は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であり;R13は炭素数1〜10のアルキレン基であり;R14は炭素数1〜5のアルキレン基であり、該アルキレン基中の1個以上のメチレン基はカルボニル基で置換されていてもよく;Zはアミノ基、メルカプト基又は炭素数6〜12のアリール基であり;m1は2又は3であり、複数個のR11は互いに同一でも異なっていてもよく;m2及びm3はそれぞれ独立に0又は1であり、ただし、Zがアミノ基である場合には、少なくともm2は1である。)
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