JP6689926B2 - 硫酸エステルの生成方法 - Google Patents
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Description
マニホールドを備えた反応フラスコ内に200mlのトルエン、75gのエチレングリコール(1.2mol)及び80g(2mol)の水酸化ナトリウムを投入し、還流温度まで昇温して反応させた。このとき、マニホールド内で水が絶えず分留されていることが観察された。20時間後に反応を終了させ、反応系の溶媒を蒸発・乾燥させることでナトリウムエチレングリコキシドを取得し、107.3gを計量して次に備えた。
マニホールドを備えた反応フラスコ内に、200mlのトルエン、100g(1.31mol)の1,3−プロパンジオール及び110gのナトリウムメトキシド(2.04mol)を投入し、還流により反応系内の低沸点物質が分離されるまで攪拌・昇温した。そして、15時間後にゆっくりと降温させてから、200mlのジクロロメタンを加えてナトリウム塩懸濁液とし、次に備えた。
窒素ガスで保護しつつ、55gの水素化ナトリウム(2.3mol)と200mlのテトラヒドロフランの懸濁液を調製した。続いて、微還流下で125g(1.2mol)の1,2−ペンタンジオールと200mlのテトラヒドロフランの混合液をゆっくりと滴下することで、ガス発生排出系を常時存在させた。これを10時間攪拌し、ガスが発生しなくなった時点でナトリウム塩懸濁液を取得して次に備えた。
反応フラスコ内に200mlのトルエン、80g(1.29mol)のエチレングリコール及び108gのナトリウムメトキシド(2.00mol)を投入し、攪拌しながら還流温度まで昇温してメタノールを除去し続けた。そして、15時間後に蒸発・乾燥させ、残留物を迅速に無水の2000mlオートクレーブに移し、窒素ガスで保護しながら800mlのジクロロメタンを添加した。続いて、−10〜0℃まで降温してから、ゆっくりと129.0gのフッ化スルフリルを導入し、約1時間で導入を完了した後、2時間保温反応させた。反応完了後、窒素ガスで1時間バブリングし、濾過してから、濾液を乾燥するまで減圧析出した。次に、粗生成物に250mlのn−ヘキサン、0.5gの15−クラウン−5、0.5gの18−クラウン−6を加え、室温で1h攪拌した。そして、濾過後に乾燥させて淡褐色の粉末状固体を100.2g取得した。なお、GC含量は99.9%であった。
反応フラスコ内に、200mlのキシレン、81.2gのエチレングリコール及び110gの水酸化カリウムを投入し、還流状態の約130〜140℃となるまで攪拌した。そして、20時間後に溶媒が蒸発・乾燥してから400mlの無水アセトニトリルを補充し、均一な懸濁液となるまで攪拌した。続いて、窒素ガスに置換してから反応系を密閉し、130gのフッ化スルフリルと400mlのアセトニトリルからなる混合液中に懸濁液を連続的に添加した。添加は反応系の温度を−15〜−5℃に維持しながら約1時間で完了し、1時間保温した。反応が終了すると、窒素ガスを用いて反応系をバブリングし、不溶物を濾過した。そして、濾液を60℃下で乾燥するまで減圧析出し、取得した固体を0.6gの15−クラウン−5及び0.5gの18−クラウン−6を含有する250mlのn−ヘキサン溶液中において室温で1時間攪拌した。次に、これを濾過して乾燥させることで、白色系粉末を106.3g取得した。なお、GC含量>99.9%、カリウムイオン6ppm、塩素イオン<1ppmであった。
Claims (10)
- nは0又は1から選択され、
及び/又は、MはNa及びKから選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の硫酸エステルの生成方法。 - R1は、H、メチル基又はプロピル基から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の硫酸エステルの生成方法。
- R2〜R6は水素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の硫酸エステルの生成方法。
- 更に、
A1)フッ化スルフリルと式IIの化合物とのモル比は1〜3:1であり、
A2)式IIの化合物とフッ化スルフリルの反応における反応溶媒は、芳香族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ハロゲン化アルキル系溶媒、エーテル系溶媒、ニトリル系溶媒のうちの1又は複数の組み合わせから選択され、
A3)式IIの化合物とフッ化スルフリルの反応における反応温度は−70℃〜30℃であり、
A4)式IIの化合物とフッ化スルフリルの反応は密閉条件下で実施され、
A5)フッ化スルフリルと式IIの化合物は一定量ずつ混合・反応させ、
A6)式IIの化合物とフッ化スルフリルの反応はガスによる保護を条件として実施され、
A7)式IIの化合物とフッ化スルフリルの反応における後処理では、反応系を昇温させ、生成物中のフッ化スルフリルを除去してから固液分離し、液体を濃縮することで析出物を取得する、というA1)〜A7)のうちの1又は複数を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の硫酸エステルの生成方法。 - 更に、
B1)フッ化スルフリルと式IIの化合物とのモル比は1.2〜2:1であり、
B2)式IIの化合物とフッ化スルフリルの反応における反応溶媒は、ジクロロメタン、ジクロロエタン、エーテル、メチルtert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロパンニトリルのうちの1又は複数の組み合わせから選択され、
B3)式IIの化合物とフッ化スルフリルの反応における反応温度は−30℃〜−5℃であり、
B4)式IIの化合物とフッ化スルフリルの反応は、窒素ガス及び/又は希ガスによる保護を条件として実施され、
B5)式IIの化合物とフッ化スルフリルの反応における後処理では、更に、析出物を再結晶及び/又は懸濁させる、というB1)〜B5)のうちの1又は複数を含むことを特徴とする請求項6に記載の硫酸エステルの生成方法。 - 前記再結晶及び/又は懸濁では金属イオンキレート剤を添加し、前記金属イオンキレート剤はクラウンエーテルから選択されることを特徴とする請求項7に記載の硫酸エステルの生成方法。
- 前記式IIの化合物は、式IIIの化合物とアルカリ金属物質を反応させて生成し取得され、反応方程式は下記で表され、
前記アルカリ金属物質中のアルカリ金属元素は、Li、Na、Kから選択され、
C1)前記アルカリ金属物質は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属単体、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩のうちの1又は複数の組み合わせから選択され、
C2)式IIIの化合物とアルカリ金属物質中のアルカリ金属元素とのモル比は0.5〜3:1であり、
C3)式IIIの化合物とアルカリ金属物質の反応における反応温度は70〜150℃であり、
C4)式IIIの化合物とアルカリ金属物質の反応は、反応溶媒の存在を条件として実施される、というC1)〜C4)のうちの1又は複数を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の硫酸エステルの生成方法。 - 更に、
D1)前記アルカリ金属水酸化物は、水酸化リチウム、水酸化リチウム一水和物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのうちの1又は複数の組み合わせから選択され、
D2)前記アルカリ金属アルコキシドは、メトキシリチウム、ナトリウムメトキシド、メトキシカリウム、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシドのうちの1又は複数の組み合わせから選択され、
D3)前記アルカリ金属単体は、単体ナトリウム、単体リチウム、単体カリウムのうちの1又は複数の組み合わせから選択され、
D4)前記アルカリ金属酸化物は、酸化ナトリウム、酸化カリウムのうちの1又は複数の組み合わせから選択され、
D5)前記アルカリ金属水素化物は、水素化ナトリウム、水素化リチウムのうちの1又は複数の組み合わせから選択され、
D6)前記アルカリ金属炭酸塩は、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウムのうちの1又は複数の組み合わせから選択され、
D7)前記反応溶媒は芳香族炭化水素系溶媒から選択され、
D8)アルカリ金属物質をアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩から選択する場合には、式IIIの化合物とアルカリ金属物質を反応させ、反応過程において、反応系で生成された低沸点成分を加熱により除去し、
D9)アルカリ金属物質がアルカリ金属水素化物、アルカリ金属単体である場合には、アルカリ金属物質を含有する反応溶媒に式IIIの化合物を一定量ずつ加えて反応させる、というD1)〜D9)のうちの1又は複数を含むことを特徴とする請求項9に記載の硫酸エステルの生成方法。
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