JP6625774B1 - 中空パッケージ構造およびその製造方法、ならびに半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

中空パッケージ構造およびその製造方法、ならびに半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板と枠体との接着性を向上させた半導体装置等に用いられる中空パッケージ構造、およびその製造方法を提供する。【解決手段】半導体素子を搭載するための基板201と、基板201の上部に接着された枠体30とを有し、枠体30が、基板201上に中空部80をなし、基板201の枠体30との接着部に、微細凹凸部を有する中空パッケージ構造10。また、基板201と枠体30とを接着する基板201側の接着部に、微細凹凸部を設ける微細凹凸加工工程と、微細凹凸部に対応する位置に枠体30を接着する枠体接着工程とを有する中空パッケージ構造10の製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、中空パッケージ構造およびその製造方法に関する。また、本発明は中空パッケージ構造を用いる半導体装置およびその製造方法に関する。
半導体装置等では、基板上にダイボンディング、ワイヤボンディングを行い、モールディングが行われている。このモールディングは、チップやワイヤの周囲にまで樹脂等が充填された中実型のものが広く採用されている。しかしながら、中実型のモールディングを行うと、チップ周辺の封入樹脂等により、チップの性能が低下する場合がある。このため、チップ周辺に中空部が設けられた中空パッケージが採用される場合もある。
例えば、特許文献1、2は、樹脂周壁と樹脂蓋とから中空パッケージを構成した半導体装置等に関する。また、特許文献3は、モールド成形されたリードフレームのバリ取り方法等に関する。
近年、情報通信分野の技術発展に伴い、携帯基地局パワーアンプ用のように、高周波数帯の信号が扱われるようになっている。このような高周波数帯にとっては、低ロス、高利得となる中空構造が適している。このような中空構造とするにあたって、より気密性が高い構造を保持することも求められる。
特開2002−76158号公報 特開2003−258141号公報 特開平9−246299号公報
中空パッケージは、中空部を形成した状態で基板と枠体とを接合させるための嵌合部などの形状を設けて一体化させる。例えば、特許文献1、2では、基板となる放熱板の凸部や凹部に、枠体となる樹脂周壁が嵌合するように成形されている。なお、このような樹脂周壁は、例えばモールド成形で設けられるが、モールド成形するときに生じたバリを特許文献3のようにバリ取りすることも求められる。このバリ取りによって、基板と枠体との接着性が低下する場合もある。
しかしながら、チップが固定される基板の放熱性等を向上させるために従来と異なる基板等を用いるとき、基板の形状を成形する条件設定等を新たに検討する必要が生じる。また、基板が複数の材質を積層したものの場合、積層状態を維持して嵌合可能な形状等に成形することが難しい場合がある。
一方で、積層等された状態で板状となっている平滑な基板に、枠体を接着させようとすると、基板と枠体との接合面も平滑なものとなる。この状態では、基材と枠体の材質が異なることから、引張り力などの応力を受けたときに、これらの材料間の応力分布が異なるものとなる。そして、各材料の界面が起点となって局所剥離・部分剥離あるいは全面剥離が生じやすくなる場合がある。
かかる状況下、本発明は、半導体装置等に用いられる中空パッケージ構造において基板と枠体との接着性を向上させることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 半導体素子を搭載するための基板と、前記基板の上部に接着された枠体とを有し、前記枠体が、前記基板上に中空部をなし、前記基板の前記枠体との接着部に、微細凹凸部を有する中空パッケージ構造。
<2> 前記微細凹凸部が、閉曲線状の溝部を2本以上有し、かつ、前記2本の閉曲線状の溝部の間に閉曲線状および/または斜線状の微細凹凸部を有する前記<1>記載の中空パッケージ構造。
<3> 前記微細凹凸部が、前記基板と前記枠体との接着部に対応する第一の微細凹凸部と、前記第一の微細凹凸部の外周側に第二の微細凹凸部および/または内周側に第三の微細凹凸部とを有する前記<1>または<2>記載の中空パッケージ構造。
<4> 前記第一の微細凹凸部が、線幅が5〜50μmであり、深さが10〜100μmである前記<3>記載の中空パッケージ構造。
<5> 前記第二の微細凹凸部および/または第三の微細凹凸部が、閉曲線状であり、線幅が、5〜50μmであり、深さが、10〜100μmである周状凹部を1以上有する前記<3>または<4>記載の中空パッケージ構造。
<6> 前記<1>〜<5>のいずれかに記載の中空パッケージ構造の基板に配置された半導体素子と、前記基板上の前記中空部を覆う蓋部と、を有する半導体装置。
<7> 基板と枠体とを接着する基板側の接着部に、微細凹凸部を設ける微細凹凸加工工程と、前記微細凹凸部に対応する位置に枠体を接着する枠体接着工程とを有する中空パッケージ構造の製造方法。
<8> 前記枠体接着工程で接着される枠体が、前記基板上にモールド成形された枠体であり、前記枠体接着工程で接着された枠体のバリ取りを行う仕上げ工程を有する前記<7>記載の中空パッケージ構造の製造方法。
<9> 前記<7>または<8>に記載の中空パッケージ構造の前記枠体内側の前記基板上の中空部に半導体素子を配置して固定する半導体素子固定工程と、前記半導体素子を覆うように前記枠体の開口部を覆う蓋部を設ける封止工程と、を有する半導体装置の製造方法。
本発明によれば、中空部を有する中空パッケージ構造の基板と枠体とが安定して接着される。
本発明に係る中空パッケージ構造の概要図である。 基板の微細凹凸部の実施形態を示す概要図である。 基板の微細凹凸部の他の実施形態を示す概要図である。 基板の微細凹凸部の他の実施形態を示す部分拡大図である。 基板の微細凹凸部の他の実施形態を示す概要図である。 基板の微細凹凸部の他の実施形態を示す部分拡大図である。 基板の微細凹凸部の観察例を示す図である。 本発明に係る中空パッケージ構造の製造方法のフロー図である。 本発明に係る半導体装置の製造方法のフロー図である。 実施例の中空パッケージ構造の微細凹凸部の概要図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
[本発明の中空パッケージ構造]
本発明の中空パッケージ構造は、半導体素子を搭載するための基板と、前記基板の上部に接着された枠体とを有し、前記枠体が、前記基板上に中空部をなし、前記基板の前記枠体との接着部に、微細凹凸部を有する。本発明の中空パッケージ構造は、中空部を有する中空パッケージ構造の基板と枠体とが強固に接着される。これにより気密性が高い中空構造の半導体装置等のパッケージとして利用できる。これは、微細凹凸部を有する基板に枠体を接着させることで、枠体を形成する部材や接着材等が微細凹凸部に入り込んだり、基板の微細凹凸部が枠体を形成する部材や接着材等に入り込んでアンカー効果が生じることによると考えられる。
[本発明の中空パッケージ構造の製造方法]
本発明の中空パッケージ構造の製造方法は、基板と枠体とを接着する基板側の接着部に、微細凹凸部を設ける微細凹凸加工工程と、前記微細凹凸部に対応する位置に枠体を接着する枠体接着工程とを有する。以下、本発明の中空パッケージ構造の製造方法を、単に「本発明の製造方法」と呼ぶ場合がある。本発明の製造方法によれば、基板と枠体とが強固に接着された中空パッケージ構造を得ることができる。
なお、本願において本発明の中空パッケージ構造の製造方法により本発明の中空パッケージ構造を得ることもでき、本願においてそれぞれに対応する構成は相互に利用することができる。
本発明者らは、中空パッケージ構造の基板を放熱板等へ変更するにあたって、中空パッケージ構造の設計を検討した。従来、中空パッケージ構造の基板は銅や銅複合材板等が用いられており、単一素材で比較的成形しやすいことから基板に大きな凸部や凹部を有する形状として、これらと嵌合するような枠体をモールド成形等する手法が一般的であった。これにより、嵌合部により基板と枠体とは強固に接合するものとなっていた。
しかし、放熱板の種類を変更すると、放熱板の成形性が低く、大きな凸部や凹部を有する形状に嵌合させるといった構造としにくい場合がある。また、放熱板としての機能を高めるために複数の素材等を積層する構成とすると、積層状態を維持したまま形状を大きく加工することが難しい場合がある。このような状態で、基板と枠体とを接合させると、基板と枠体との界面の接着性が低く、接着直後に剥離したり、枠体をモールド成形等したときのバリ取りなどの仕上げ工程で剥離してしまう場合があることが分かった。
このような基板と枠体との接合を検討した結果、基板と枠体とを接着させるときの基板側の接着部に微細な凹凸部を加工しておくことで、基板と枠体との接着性が向上することが分かった。
[中空パッケージ構造10、半導体装置11]
図1は本発明に係る中空パッケージ構造および半導体素子を搭載した半導体装置の概要を示す斜視図である。図1(a)は中空パッケージ構造10を示す図である。図1(b)は中空パッケージ構造10に半導体素子50を搭載したものである。図1(c)は半導体装置11を示す図である。
図1(a)に示すように半導体装置11は、基板201と、枠体30とを有する。さらに、枠体30にはめ込まれたリード40を有する。基板201の上部に枠体30は接着されている。また、枠体30は筒状であり、その開口部の一端が基板201に接して接着されており、基板201の上部に中空部が得られる。基板201の表面には、後述するような微細凹凸部が設けられており、枠体30はこの微細凹凸部が設けられた接着部で基板201と接着している。
図1(b)に示すように、基板201には半導体素子50が搭載される。搭載された半導体素子50は、中空パッケージ構造10のリード40とワイヤ60で電気的に接続される。
図1(c)に示すように、図1(b)で半導体素子50が搭載された後、枠体30の基板201と接する方の他端側の開口部に蓋70を接着させる。これにより、基板201と、枠体30と、蓋70との中に中空部80が形成される。半導体装置11は、この中空部80内に、半導体素子50が搭載されたものである。
[基板201]
基板201は、半導体素子50を搭載するための基板である。また、基板201は詳しくは後述する微細凹凸部を有する。この基板201は、半導体装置11に用いられる各種部材を用いることができる。基板201は、半導体素子50と直接接触したり、近接した配置となるため、半導体素子50を使用することで発熱が生じたとき、その熱が熱伝導する。この熱伝導を効率よく放熱することで半導体素子50の過熱を防止することができる。このため、基板201は、放熱性が高い部材を用いることが好ましい。基板201は、例えば、金属部材や、グラファイトなどを金属で被覆した複合部材などを用いることができる。金属部材の金属としては、銅や銅複合材などを用いることができる。銅は、安価な金属材の中でも、特に高い熱伝導と電気伝導を示す。さらに、基板には、ダイボンド材(AuSn)や、実装の為の半田材に対する濡れ性を向上させるためにNi/Auなどのめっき処理を行って用いてもよい。
基板201の形状は半導体素子を搭載することができる任意の形状とすることができる。平面視したとき方形などの多角形状や円状などの板状部材や、これらの周囲に適宜凹凸や貫通孔などを設けた形状としてもよい。特に、半導体素子50等を搭載することができればその形状は特に制限はないが、例えば各辺や直径が0.5〜50mm程度であり、厚さ0.1〜3mm程度の板状部材などを用いることができる。多角形状や略円形の板状の形状は、部材形状の加工が行いやすく、複層構造を有する複合部材であっても複層構造を維持した設計としやすい。基板201の大きさは、半導体装置11の種類に応じて、適宜設計することができる。
中空パッケージ構造10の基板201は、グラファイトを芯材の層としてその周囲を銅で被覆した積層構造を有する部材である。また、基板201は、幅20mm長さ10mmの長方形状で厚さ0.2mmの板状部材である。
[枠体30]
枠体30は、基板201の上部に接着される。枠体30は、基板201の接着部に接着される。枠体30は、筒状などの、両端が開口された中空の柱状部材である。枠体30の形状は、半導体装置11の種類等に応じて適宜設計される。基板201の形状と対応したものとすることができ、例えば、基板201が方形の場合、枠体30も中空の直方体状とすることができる。枠体30の一方の開口部が、基板201の接着部に接着される。枠体30の他方の開口部は、半導体素子等を搭載した後、蓋部70と接着される。枠体30の両端の開口部を閉じても、その内部に中空部80が生じる半導体装置11とすることができる。
枠体30は、樹脂やセラミック、金属等を用いて成形したものを用いることができる。これらの枠体は予め枠体の形状を成形しておいたものを接着部材で基板201上に取り付けてもよい。または、枠体30は、基板201上に、モールド成形等で成形してもよい。枠体30は、リード40をリードフレームなどを用いて、基板201に近接するように配置し、樹脂を用いてリードフレームを一体化しながら枠体30を成形することができるモールド成形により成形することが好ましい。枠体30の樹脂は、モールド成形に用いられるエポキシ樹脂などの各種樹脂を用いることができる。
枠体30は、半導体装置11の種類等に応じて、適宜その形状や大きさを設計することができる。平面視したときの外周として、基板201と同様に設計することができる。また、中空部を設けるときの壁の厚さは、半導体装置11の大きさに応じて、例えば0.5mm〜3mmとすることができる。また、壁の厚さは、基板201側から蓋70側に向けて均一なものとしてもよいし、次第に太くなったり細くなったりするようなテーパー状としてもよい。
枠体30の高さは、半導体素子50の大きさなどに応じて適宜設計され、1.5mm以上や3mm以上とすることができる。枠体30の高さの上限は半導体装置11の大きさ等に応じて適宜設計することができ、例えば、50mm以下や、30mm以下、10mm以下などとすることができる。
中空パッケージ構造10の枠体30は、基板201と対応したものであり、平面視したときの外周が幅20mm長さ10mmの長方形状であり、また、高さが5mmであり、厚み1〜3mmの板状部で四方を囲み内部が中空の柱状である。リード40よりも下部は厚いものとし、リード40よりも上部は薄いものとした。これにより、リード40は、下段の枠体上に載せた状態となる。中空パッケージ構造10の枠体30は、基板201上に、エポキシ樹脂をモールド成形することで成形された部材である。
中空パッケージ構造10は、枠体30に固定されたリード40を有する。このリード40は、中空パッケージ構造10に搭載される半導体素子50を中空パッケージ構造10の外部と導通するためのものである。銅や鉄、またこれらや種々の金属との合金などの金属素材などの薄板を、加工して作られる。リード40は、中空パッケージ構造10の内外を導通することができればリード40以外の構成とすることもできる。例えば、リード40に代えて、基板201に複数の表面電極と、対応する裏面電極と、これらに対応するビアを設けて、導通するものとしてもよい。半導体装置11の内部の気密性や水密性をより優れたものとするためには、リードフレームの周囲を、枠体30を形成する樹脂で覆い、枠体30と一体化させたリード40とすることが好ましい。
中空パッケージ構造10のリード40は、銅合金系のリードフレームを基板201の上部に配置した状態で、枠体30をモールド成形するとき、その周囲を被覆するようにモールド成形したものである。枠体30の下部は厚いものとなっており、枠体30の上部と段差があるものとなっている。この枠体30の下段の上にリード40の一部が配置され、枠体30の下段はリード40を支えている。これにより、リード40にワイヤ60を接続しやすくなる。
半導体素子50は中空パッケージ構造10に搭載される半導体素子である。半導体素子50は、例えば、LED等の光半導体素子、トランジスタやダイオード等の能動素子、抵抗やコンデンサ等の受動素子、太陽電池、圧電素子、水晶振動子、セラミック発振子、また、MOS−FETや、LDMOS、GsAs−HFET、GaAs−HBT、GaN−HFET等を用いることができる。特に、小型化に有効である一方で、チップチャネル温度の上昇が生じやすく、高利得、低ロスが求められる、GaN系の高周波・高出力デバイスなどが適している。半導体装置11の半導体素子50は1つであるが、半導体装置の種類に応じて、複数の半導体素子を配置するものであってもよい。半導体装置11の半導体素子50は、高周波デバイスである。
ワイヤ60は、半導体素子50と中空パッケージ構造10の導電手段であるリード40とを電気的に接続する部材である。ワイヤ60は、直径が10μm〜1mm程度の細線であり、金や、アルミニウム、銅などの材料が用いることができる。半導体装置11のワイヤ60は、直径50μmの金のワイヤである。
蓋70は、基板201上の中空部80を覆う部材である。この蓋70は、基板201に接着されている枠体30の開口部を閉じる。蓋70は、半導体素子50やワイヤ60などの中空パッケージ構造内の部材を配置した後に設けることができる。蓋70は、板状部材やドーム状部材などを用いることができる。また、枠体30の開口部に合わせてその縁と同様の外周の部材を用いることができる。
蓋70は、接着部(図示せず)を介して枠体30と接着させることができる。この接着部は接着材が硬化したものであり、接着材にはパッケージ構造に用いられる各種接着材を用いることができる。例えば、合成樹脂系の接着材や、低融点ガラスなどを用いることができる。
半導体装置11の蓋70は、エポキシ樹脂製の幅20mm長さ10mmの長方形状で厚さ0.2mmの板状部材である。この蓋70が、枠体30や蓋70との接着性に優れるエポキシ樹脂系の接着材を用いて枠体30に接着されている。
中空パッケージ構造10は、枠体30を基板201上に配置して枠体30により中空部をなす。また、中空パッケージ構造10に蓋70を設けることで内部が中空部80である半導体装置11となる。また、中空部80は、半導体装置11の一部に開口部等を有して周囲とガス交換等できるものとしてもよいし、基板や、枠体、蓋を接着部材等で接着させて、気密性が高い状態としてもよい。中空部80は、周囲の空気としたり、素子の劣化を防止するために窒素等の不活性ガスを充填したり、半導体素子50の機能に適したガスを充填したものとしてもよい。
半導体装置11の中空部80は、空気であり、半導体装置11の内外は開口部や孔がなく気密性が高い構成である。
半導体装置11は、半導体素子50の種類や組み合わせ等に応じた半導体装置として用いられる装置である。半導体装置11は、基板201や、枠体30、蓋70、また適宜リード40のアウターリードによる外径を有する。例えば、平面視したとき多角形状や円状などで各辺や直径が0.5〜50mm程度であり、高さが2.5mm〜50mm程度である。
[微細凹凸部]
本発明の中空パッケージ構造に用いる基板は、微細凹凸部を有する。微細凹凸部は、基板と枠体とを接着する部分である接着部の基板側に設けられる微細な凹凸を伴う部分である。微細凹凸部はマイクロテクスチュアとも呼ばれる表面を微細に加工する技術により設けることもできる。この微細凹凸部は、0.1μm〜500μm程度の幅や深さ、高さで基板の表面が加工された部分である。微細凹凸部を設けて接着させることで、基板と枠体との接着性が向上するため、本発明は基板の設計自由度も向上にも有用である。
微細凹凸部は、種々の形状とすることができるが、例えば、閉曲線状の溝部を2本以上有するものとすることができる。この閉曲線は、枠体が中空部を有する柱状であるが、この中空を囲う枠体の周壁に沿う閉曲線である。例えば、枠体が、円筒状の場合、枠体の円筒の外周よりも狭く、枠体の周壁の厚みに応じた径を有する円状である。また、この閉曲線は溝部として設けることが好ましい。溝部は、基板表面を削る加工により設けることができ加工しやすく、かつ、モールド成形等される枠体の樹脂や、接着部材が侵入しやすい。さらに、バリ取り等を行うときの洗浄液等が基板と枠体との界面に侵入しようとするとき、この溝部に捕捉(トラップ)されてさらに内部にまで侵入して、剥離等が生じることを防止できる。
また、この閉曲線状の溝部は2本以上有することが好ましい。閉曲線状の溝部が複数本あることでより強固な接着となる。また、2本以上あることで、それぞれ内側と外側の閉曲線が、枠体の内側から基板と枠体との界面への洗浄液等の侵入を防止する部分と、枠体の外側からの基板と枠体との界面への侵入を防止する部分として機能する。閉曲線状の溝部は、3本以上が好ましく、4本以上がより好ましい。また、加工できる範囲で、6本以上や、9本以上としてもよい。過剰に溝部を設けることが難しい場合があるため、20本以下や、18本以下の上限を設けてもよい。この溝部は、線幅が5〜50μmであり、深さが10〜100μmとすることができる。
また、2本の閉曲線状の溝部の間には、閉曲線状および/または斜線状の微細凹凸部を有することが好ましい。この微細凹凸部は、特に基板と枠体との接着に大きく寄与し、さらに、その周りの2本の閉曲線状の溝部により、洗浄液の侵入などを防止して、安定した接着を維持できる。
微細凹凸部は、基板と枠体との接着部に対応する第一の微細凹凸部と、第一の微細凹凸部の外周側に第二の微細凹凸部および/または内周側に第三の微細凹凸部とを有するものとすることが好ましい。このような微細凹凸部を有することで、第一の微細凹凸部は基板と枠体との接着性に大きく寄与する。さらに、第二の微細凹凸部や第三の微細凹凸部は、基板と枠体との接着界面に仮に外部から液などが侵入しても、それらの液などを捕捉し、第一の微細凹凸部周辺への侵入を防止する。また、第一の微細凹凸部と同様に第二の微細凹凸部および/または第三の微細凹凸部も接着性に寄与する。これにより、接着性がより強固なものとなり、さらに、界面に液などが侵入する恐れがある、洗浄工程などを行っても、安定した接着状態を維持することができる。
第一の微細凹凸部は、基板と枠体との接着部に対応する位置の基板上に設けられた微細凹凸部である。第一の微細凹凸部は、微細な凹凸であれば様々なパターンのものとすることができる。例えば、点を規則的または不規則に多数設けたドット柄状のものや、線を長さ方向や幅方向に沿って設けたり、対角線状に設けたり、格子状等の模様状にすることもできる。第一の微細凹凸部の、各凹凸部は、幅が5〜50μmであり、深さや高さが10〜100μmの凹部や凸部であることが好ましい。また、レーザー加工などの走査しながら凹凸を形成するとき、連続する線状の溝部とすることが生産性の観点から好ましい。
第二の微細凹凸部は、第一の微細凹凸部よりも内側に設けられる微細凹凸部である。また、第三の微細凹凸部は、第一の微細凹凸部よりも外側に設けられる微細凹凸部である。第二の微細凹凸部および第三の微細凹凸部は、基板と枠体との界面から侵入した液等が第一の微細凹凸部周辺まで侵入することを防止する。このため、全周を覆うことが好ましく、第二の微細凹凸部および第三の微細凹凸部は閉曲線状であることが好ましい。また、第二の微細凹凸部および第三の微細凹凸部は、線幅が5〜50μmであることが好ましい。また、深さや高さが、10〜100μmの凹部や凸部であることが好ましい。特に液だまりとして機能するように、周状凹部であることが好ましい。
基板は、第二の微細凹凸部および第三の微細凹凸部を、それぞれ、1以上の閉曲線状の周状凹部として有することが好ましい。この周状の凹部は、第二の微細凹凸部および第三の微細凹凸部がそれぞれ、2本以上有することが好ましく、3本以上有することが好ましい。その本数の上限は特に定めなくてもよいが、枠体の周壁の厚さに対応する接着部の広さに応じて過剰に設けることが難しい場合があるため、8本以下や、6本以下のような上限を設けてもよい。
[基板201、202、203]
これらの微細凹凸部の具体例を、図2〜6の基板201〜203を例に説明する。図2〜6は、微細凹凸部を有する基板201(図2)、基板202(図3、4)、基板203(図5、図6)を説明するための平面図である。
[基板201]
図2は基板201の平面図である。基板201と枠体30とは、接着部211の領域で接して接着する。この接着部211に、基板201は、第一の微細凹凸部221、第二の微細凹凸部231、第三の微細凹凸部241の3本の周状の微細凹凸部を有する。これにより、基板201が板状部材であり、枠体30と嵌合するような構造でない、平面状の接着部による接着状態であっても安定した接着が可能となる。また、洗浄等を行うとき、第二の微細凹凸部231と第三の微細凹凸部241はそれぞれ、内側からと外側からの液の侵入を捕捉する溝となる。
基板201の第三の微細凹凸部241、第一の微細凹凸部221、第二の微細凹凸部231は、それぞれ、基板201の長さと幅よりも約0.16mm、約0.95mm、約1.7mmその辺が内側になるように設けられ、各閉曲線の角部は弧を描く略方形である。また線幅約20μmであり、深さ約20μmの溝状である。
[基板202]
図3は基板202の平面図である。また、図4は、基板202の領域A1(図3参照)の部分拡大図である。基板201に代え基板202に、枠体30を接着させて中空パッケージ構造10と同様に中空パッケージ構造とすることができる。基板202と枠体30とは、接着部212の領域で接して接着する。この接着部212に、基板202は、微細凹凸部222、微細凹凸部232、微細凹凸部242の周状の微細凹凸部を有する。微細凹凸部が、3本ずつの溝部を有し合計9本の溝部を有することで、基板202と枠体30とはより安定した接着ができる。また、洗浄等を行うとき、微細凹凸部232と微細凹凸部242はそれぞれ、内側からと外側からの液の侵入をより捕捉して、微細凹凸部222側への侵入を防止する。
基板202の微細凹凸部242の溝は、枠体の外側の縦横の長さよりも約0.16mmずつその辺が内側になるように設けられ、微細凹凸部232の溝は、枠体の内側の縦横の長さよりも約0.16mmずつその辺の外側になるように設けられ、微細凹凸部222は、微細凹凸部242と232に挟まれた領域に、約0.16mmピッチで設けられる。各閉曲線の角部は弧を描く略方形である。微細凹凸部222、232、242のそれぞれの溝部は、線幅約20μmであり、深さ約20μmの溝状であり、このような溝部を3本ずつ有する。
[基板203]
図5は基板203の平面図である。また、図6は、基板203の領域A2(図5参照)の部分拡大図である。基板201に代え基板203に、枠体30を接着させて中空パッケージ構造10と同様に中空パッケージ構造とすることができる。基板203と枠体30とは、接着部213の領域で接して接着する。この接着部213に、基板203は、微細凹凸部223の不連続の線が多数設けられた微細凹凸部を有する。また、基板203は、微細凹凸部233、微細凹凸部243の、それぞれ3本の周状の微細凹凸部を有する。このような微細凹凸部とすることで、基板203と枠体30とはより安定した接着ができる。また、洗浄等を行うとき、微細凹凸部233と微細凹凸部243はそれぞれ、内側からと外側からの液の侵入をより捕捉して、微細凹凸部223側への侵入を防止する。
基板203の微細凹凸部243の溝は、枠体の外側の縦横長さよりも約0.16mmずつその辺の内側になるように設けられ、微細凹凸部233の溝は、枠体の内側の縦横長さよりも約0.15mmずつ外側になるように設けられ、閉曲線の角部は弧を描く略方形である。微細凹凸部233、243のそれぞれの溝部は、線幅約20μmであり、深さ約20μmの溝状であり、このような溝部を3本ずつ有する。また、微細凹凸部223の溝部は、微細凹凸部243と233に挟まれた領域に、基板203の対角線上に沿う直線状に設けられている。
[溝部]
図7は、基板に設けられる微細凹凸部の典型的な溝形状を説明するための図である。図7(a)は、平面視したときの拡大図であり、表面の微小形状を観察した結果を合わせて示すものである。図7(b)は、基板の断面形状を顕微鏡観察した像である。この溝は、溝部分への変曲点間である幅が約20mmであり、溝部の最も深い深さが20mmであり、溝の底方向に向かって先鋭状の溝である。このような溝を微細凹凸部として設けることで、接着性向上や、界面に侵入した液の捕捉等を行うことができる。
[中空パッケージ構造の製造方法S10]
図8(a)は中空パッケージ構造の製造方法S10のフローの一例を示す図である。中空パッケージ構造の製造方法S10は、枠体をモールド成形で成形するものであり、仕上げ工程を行う製造方法である。中空パッケージ構造の製法方法S10は、基板に微細凹凸部を設ける凹凸加工工程S11と、基板上に枠体を成形する枠体成形工程S12と、枠体を硬化させる枠体硬化工程S13と、枠体のバリ取りを行う仕上げ加工工程S14を有する。これにより、基板と枠体との接着性に優れた中空パッケージ構造を得ることができる。
[凹凸加工工程S11]
凹凸加工工程S11は、基板に微細凹凸部を設ける工程である。この微細凹凸部は、基板と枠体とを接着する基板側の接着部に設ける。微細凹凸部は、例えば、マイクロテクスチュア技術を用いてレーザー光照射により設けることができる。また、微細凹凸に相当する金型を基板と接触させて押圧することで転写するプレス加工により設けることもできる。
レーザー光照射による微細凹凸部を設ける場合、パルスレーザーを微細凹凸部として加工する形状に合わせて走査しながら加工する照射することができる。たとえば、パルスレーザーで加工される略円状の溝の径よりも狭い間隔でパルスレーザーを照射する位置を移動させながら繰り返しパルスレーザーを照射して線状の溝を設けながら、周状の閉曲線など所定の形状となるまでレーザー照射する。このパルスレーザーは、パルス幅がピコ秒レベルのピコ秒レーザーや、フェムト秒レベルのフェムト秒レーザーである短パルス化したレーザー照射であることが好ましい。このような短パルス化したレーザー照射の場合、溝周辺の凹凸のムラが少ない均一な溝をもうけることができ、安定した接着性向上や、液等の捕捉効果が生じる。これらよりもパルス幅が大きいレーザー照射の場合、基板厚みが十分でないとき表層を貫通する孔が生じたり、溝周辺に意図せぬ凸部が生じるようなムラが発生する場合がある。
[枠体成形工程S12]
枠体成形工程S12は、凹凸加工工程S11により微細凹凸部を設けた基板上に枠体を成形する工程である。この枠体の成形は、枠体をエポキシ樹脂等の樹脂をモールド成形する工程である。枠体を成形するにあたっては、基板上の所定の位置にリードフレームを配置した状態で、基板上に中区部を有する柱状の枠体の型を配置して、枠体を成形するための樹脂を流し込む。これにより、型に沿ってリードフレームを包埋するように一体化しながら、枠体が基板上にモールド成形されることで基板と枠体とが接着する。なお、モールド成形に代え、予め中空部を有する柱状に成形された枠体を、微細凹凸部に対応する位置配置して、接着部材を介して枠体を接着させてもよい。
[枠体硬化工程S13]
枠体硬化工程S13は、モールド成形された枠体を、硬化する工程である。このキュアやキュアリングともよばれ硬化は、UV等の活性線照射による硬化や加熱硬化など、モールド成形する樹脂に種類に応じて行われる。
[仕上げ加工工程S14]
仕上げ加工工程S14は、基板上に硬化された枠体の仕上げ処理を行う工程である。仕上げ加工工程S14では、モールド成形により成形した枠体が過剰にはみ出した状態のいわゆるバリ取りを行う。図8(b)は、仕上げ加工工程の一例であり、バリ取りのより詳しいフローである。この仕上げ加工工程S14は、レーザー処理工程S141と、電解処理工程S142と、高水圧処理工程S143と、洗浄工程S144と、めっき工程S145を有する。
レーザー処理工程S141は、枠体のバリ部分にレーザーを照射することで、バリを切断したり熱処理する工程である。
電界処理工程S142は、枠体を電解処理することで、基板上などに誤って付着している樹脂を浮かして取り除く。電解処理は、バリが生じた部分等を電解液に接触させた状態で電圧をかけることでバリを除去する。
高水圧処理工程S143は、水や、水に各種研磨剤等の薬剤を混合したものをスプレーノズル等を用いてバリに吹き付けることでバリを除去する工程である。
洗浄工程S144は、これらのバリ処理により残存する樹脂等の異物や電解液、薬剤等を洗浄して取り除く工程である。この後、適宜ガス等を吹き付けて、洗浄液も除去することでバリ取りなどの仕上げ加工工程が完了し、清浄な中空パッケージ構造を得ることができる。
めっき工程S145は、ダイボンド材や半田等への接着性向上などのために、露出しているリード部分などをNi/Auメッキなどでめっきする工程である。
これらのバリ取り工程等の順序も枠体の樹脂の種類等に応じて、適宜順序を変更したり一部の工程のみを行ったり、他の工程を採用してもよい。また、例えば特許第2760339号公報のばり取り方法などを参照して行うことができる。
中空パッケージ構造の製造方法S10は、さらに、中空パッケージ構造の種類等に応じて他の工程を有するものとしてもよい。製造された中空パッケージ構造は、半導体装置の製造などに用いられる。
[半導体装置の製造方法S20]
図9は半導体装置の製造方法S20のフローの一例を示す図である。半導体装置の製造方法S20は、ワイヤボンディングで半導体装置を導通するものであり、リードフレームが残った状態の中空パッケージ構造を用いて、最後にリードフレームを取り除く製造方法である。半導体装置の製法方法S20は、中空パッケージ構造に半導体素子を搭載して固定する素子固定程S21と、半導体素子を中空パッケージ構造のインナーリードとワイヤボンディングするワイヤ固定工程S22と、開口部分に蓋を設けて封止する蓋封止工程S23と、所定のアウターリードを残して余分なリードフレーム部分を除去するリード処理工程S24を有する。これにより、半導体素子が中空部を有するパッケージ内に搭載された半導体装置を得ることができる。
素子固定工程S21は、半導体素子を中空パッケージ構造の基板上の所定の位置に配置して固定する工程である。半導体素子は適宜接着部材等を用いて基板に接着させてもよい。
ワイヤ固定工程S22は、半導体素子と中空パッケージ構造のインナーリードとをワイヤボンディングして電気的に接続できる状態とする工程である。
蓋封止工程S23は、半導体素子を固定し、ワイヤボンディングを行った後、半導体素子を覆うように中空パッケージ構造の開口部となっている、枠体の開口部分に蓋を取り付ける工程である。蓋の形状に成形された板状部材等を中空パッケージ構造の開口部に配置して、適宜接着部材等を介して取付けて封止する。
リード処理工程S24は、所定のアウターリードを残してリードフレームの過剰な部分を切断する工程である。この切断を完了することで半導体装置が得られる。この半導体装置は、アウターリードを介して半導体素子と電気的に接続して、半導体素子の種類等に応じた所定の機能を奏する半導体装置となる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[中空パッケージ構造の部材]
以下の部材を用いて中空パッケージ構造10に準じる形状の中空パッケージ構造を作成した。
・基板
幅20mm、長さ10mm、厚み1mmの板状部材を基板として用いた。この基板は内部がグラファイト放熱板であり、その周囲を銅で被覆し、さらにNi/Auメッキを施したものである。この基板に後述する微細凹凸部等を適宜設けて中空パッケージの製造および評価試験を行った。
・枠体
外周部を基板と同様に幅20mm、長さ10mmの方形として、基板上に成形したとき、厚み2mm、高さ1.7mmの周壁をなすように中空部を有する柱状の部材とした。この枠体は、基板上にエポキシ樹脂を用いたモールド成形により成形した。
・リード
銅によるリードフレームを基板に配置して枠体を成形することで枠体にリードを包埋させて一体化させたリードとした。
[製造例1]
基板に、図10(a)に示すような微細凹凸部を設けて、中空パッケージ構造(1)を製造した。この中空パッケージ構造(1)に用いた基板の微細凹凸部は、ピコ秒レーザーを照射する装置を用いて、線幅16μm、深さ21μmの溝状のものとした。また、平面視したとき略方形であり、幅8.0mm、長さ18mmとした。すなわち、基板の辺から1mm内側に設けた。なお、角部は弧を描く形状とした。
[製造例2]
基板に、図10(b)に示すような微細凹凸部を設けて、中空パッケージ構造(2)を製造した。この中空パッケージ構造(2)に用いた基板の微細凹凸部は、ピコ秒レーザーを照射する装置を用いて、線幅18μm、深さ19μmの溝状のものとした。第一の微細凹凸部のそれぞれの中央の閉曲線状の溝は、枠体の外側の縦横の長さと幅よりも約0.16mmずつその辺が内側になるように設けられ、第二の微細凹凸部の溝は、枠体の内側の縦横の長さよりも約0.16mmずつその辺の外側になるように設けられ、第三の微細凹凸部は、微細凹凸部242と232に挟まれた領域に、約0.16mmピッチで設けられる。
[製造例3]
微細凹凸部を設けずに平坦なままで基板を用いて、中空パッケージ構造(3)を製造した。
[評価]
・接着直後の接着試験(初期試験)
基板上に枠体を成形・硬化した「中空パッケージ構造(バリ取りなし)」の枠体と基板の接着性をグロスリーク試験により評価した。
・バリ取り処理後の接着試験(バリ取り試験)
基板上に枠体を成形・硬化した後、電解バリ取りを行った「中空パッケージ構造(バリ取りあり)」の枠体と基板の接着性をグロスリーク試験により評価した。
・温度サイクル試験
基板と枠体とを接着させた後、「−65℃に30分静置し、その後、直ちに昇温して150℃に30分静置」を1サイクルとして、100サイクル行う温度サイクル試験により中空パッケージ構造に過酷試験を行った。この温度サイクル試験を、中空パッケージ構造(バリ取りなし)と、中空パッケージ構造(バリ取りあり)のそれぞれに行い、グロスリーク試験を行った。
・グロスリーク試験
(前処理)評価前に、中空パッケージ構造を、125℃で24時間熱処理し、30℃・60%RHの恒温恒湿槽で192時間処理し、IRリフローを260℃で3サイクル行う前処理を行った。
(グロスリーク試験)グロスリーク試験は、125℃に加熱したフッ素系不活性液体「フロリナート(登録商標)」に液面下5cm以上の深さとなるように、中空パッケージ構造を浸漬して、気泡の発生有無を評価した。気泡が発生する場合、基板と枠体との界面に空隙が生じており、リークが生じる状態で気密性が不足するため、接着性が「不良」とした。気泡が発生しない場合、接着性が「良好」とした。
[製造例1の中空パッケージ構造(1)の接着性評価]
中空パッケージ構造(1)は、バリ取りなしの初期試験、また温度サイクル試験後のいずれもグロスリーク試験を行っても、グロスリークが生じず、接着性は良好であった。
電界バリ取りを行うと、温度サイクル試験前の状態で、グロスリーク試験時の不良率が25%であり、さらに電解バリ取り後に温度サイクル試験を行ったものは不良率が100%であった。
[製造例2の中空パッケージ構造(2)の接着性評価]
中空パッケージ構造(2)は、バリ取りなしの初期試験、また温度サイクル試験後のいずれもグロスリーク試験を行っても、グロスリークが生じず、接着性は良好であった。
また、電界バリ取りを行っても、温度サイクル試験前の状態で、グロスリーク試験時の不良率は0%であり、さらに電解バリ取り後に温度サイクル試験を行ったものも不良率が0%であった。
[製造例3の中空パッケージ構造(2)の接着性評価]
中空パッケージ構造(3)は、バリ取りなしの初期試験でもグロスリーク試験後に不良であり、接着性が低かった。
以上のように、中空パッケージ構造(1)のように微細凹凸部を設けることで、中空パッケージ構造(3)よりも、基板と枠体との接着性が向上することが確認された。さらに、中空パッケージ構造(2)のような微細凹凸部を設けることで、接着性低下が生じやすいバリ取りや、温度サイクル試験のような過酷試験を行っても非常に安定した接着性を維持することができることが確認された。
本発明の中空パッケージ構造は、低雑音や高利得が求められるような半導体装置に特に適しており、より性能に優れた半導体装置の提供に寄与するものであり、産業上有用である。
10 中空パッケージ構造
11 半導体装置
201、202、203 基板
211、212、213 接着部
221、222、223 第一の微細凹凸部
231、232、233 第二の微細凹凸部
241、242、243 第三の微細凹凸部
30 枠体
40 リード
50 半導体素子
60 ワイヤ
70 蓋
80 中空部

Claims (7)

  1. 半導体素子を搭載するための基板と、前記基板の上部に接着された枠体とを有し、前記枠体が、前記基板上に中空部をなし、前記基板の前記枠体との接着部に、微細凹凸部を有し、
    前記枠体が、前記基板上にモールド成形されることで前記基板と接着した枠体であり、
    前記微細凹凸部が、前記基板と前記枠体との接着部に対応する第一の微細凹凸部と、前記第一の微細凹凸部の外周側に第二の微細凹凸部および内周側に第三の微細凹凸部とを有し、
    前記第二の微細凹凸部および第三の微細凹凸部が、いずれも、前記中空部を囲むように閉曲線状であり、線幅が5〜50μmであり、深さが10〜100μmである中空パッケージ構造。
  2. 前記第一の微細凹凸部が、線幅が5〜50μmであり、深さが10〜100μmであ請求項記載の中空パッケージ構造。
  3. 請求項1または2に記載の中空パッケージ構造の基板に配置された半導体素子と、前記基板上の前記中空部を覆う蓋部と、を有する半導体装置。
  4. 基板と枠体とを接着する基板側の接着部に、微細凹凸部を設ける微細凹凸加工工程と、前記微細凹凸部に対応する位置にモールド成形され、前記基板上に中空部をなす枠体を接着する枠体接着工程とを有し、
    前記微細凹凸部が、前記基板と前記枠体との接着部に対応する第一の微細凹凸部と、前記第一の微細凹凸部の外周側に第二の微細凹凸部および内周側に第三の微細凹凸部とを有し、前記第二の微細凹凸部および第三の微細凹凸部が、いずれも、前記中空部を囲むように閉曲線状であり、前記枠体接着工程で接着される枠体が、前記基板上にモールド成形されることで前記基板と接着した枠体であり、
    前記枠体接着工程で接着された枠体のバリ取りを行う仕上げ工程を有する中空パッケージ構造の製造方法。
  5. 前記第一の微細凹凸部が、線幅が5〜50μmであり、深さが10〜100μmであり、
    前記第二の微細凹凸部および第三の微細凹凸部が、線幅が5〜50μmであり、深さが10〜100μmである周状凹部を1以上有する請求項に記載の中空パッケージ構造の製造方法。
  6. 前記微細凹凸加工工程により設ける微細凹凸部をレーザー光照射により設ける請求項4または5に記載の中空パッケージ構造の製造方法。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の中空パッケージ構造の前記枠体内側の前記基板上の中空部に半導体素子を配置して固定する半導体素子固定工程と、前記半導体素子を覆うように前記枠体の開口部を覆う蓋部を設ける封止工程と、を有する半導体装置の製造方法。
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