JP6604348B2 - 極低炭素鋼の溶製方法 - Google Patents
極低炭素鋼の溶製方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6604348B2 JP6604348B2 JP2017045205A JP2017045205A JP6604348B2 JP 6604348 B2 JP6604348 B2 JP 6604348B2 JP 2017045205 A JP2017045205 A JP 2017045205A JP 2017045205 A JP2017045205 A JP 2017045205A JP 6604348 B2 JP6604348 B2 JP 6604348B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- decarburization
- molten steel
- oxygen
- concentration
- treatment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Description
例えば、特許文献1には、真空脱ガス装置による上吹きランスを用いた脱炭処理として、脱炭反応の促進とCOガスの2次燃焼による溶鋼の温度降下の防止とを両立する技術が開示されている。また、特許文献2には、真空脱ガス装置による上吹きランスを用いた脱炭処理として、排ガス中のCO濃度から、上吹きランスからの送酸の停止タイミングを最適化する方法が開示されている。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、スプラッシュの発生を抑え、且つ脱炭速度を向上させることができる極低炭素鋼の溶製方法を提供することを目的としている。
<極低炭素鋼の溶製方法>
本発明の一実施形態に係る極低炭素鋼の溶製方法について説明する。本実施形態では、真空脱ガス装置を用いて、溶鋼に脱炭処理を含む精錬処理を施すことで、炭素濃度が100ppm(0.01wt%)以下の極低炭素鋼を溶製する。
はじめに、図1を参照して真空脱ガス装置1の構成について説明する。図1に示すように、真空脱ガス装置1は、RH方式の脱ガス装置であり、取鍋2に収容された溶鋼3に対して脱ガス処理や脱炭処理といった精錬処理を行う装置である。溶鋼3は、予め転炉等の精錬装置において、脱炭処理を含む一次精錬処理が施される。
真空槽11は、内面に耐火物がライニングされた略円筒状の容器である。真空槽11は、鉛直方向下側の端に上昇側浸漬管12a及び下降側浸漬管12bが接続され、上部にダクト13及び副原料投入管14が接続される。
ダクト13は、真空排気装置(不図示)に接続され、真空排気装置によって真空槽11の内部の気圧を低くすることができるように構成される。
上吹きランス15は、長手方向(図1の紙面に対する上下方向)に延在する酸素供給路が内部に形成され、下端にはノズルが設けられる。また、上吹きランス15の真空槽11の外に配された上端側は、酸素供給装置(不図示)及び昇降装置(不図示)に接続される。このような構成の上吹きランス15は、酸素供給装置を介して送られる酸素ガスを、下端のノズルから真空槽11内の溶鋼3に向けて噴射する。この上吹きランス15から酸素ガスを溶鋼3に噴射する処理を、送酸ともいう。また、上吹きランス15の下端から、真空槽11内の溶鋼3の表面(浴面)までの高さを、ランス高さという。さらに、上吹きランス15は、昇降装置が駆動することで、ランス高さを自在に調整可能に構成される。
次に、極低炭素鋼の溶製方法について説明する。本実施形態では、真空脱ガス装置1による精錬処理に先立ち、真空脱ガス装置1による処理前、つまり転炉等による一次精錬処理後の溶鋼3の酸素濃度を測定する。そして、溶鋼3の酸素濃度が400ppm(0.0004wt%)以上である場合には、真空脱ガス装置1を用いた下記の溶製方法で極低炭素鋼を溶製する。
このうち、第1の脱炭処理工程では、処理前の酸素濃度が400ppm以上の溶鋼3を、減圧下で環流することで溶鋼3の脱炭処理を行う。また、第1の脱炭処理工程では、上吹きランス15から酸素ガスを噴射させずに溶鋼3の環流を行う。このような脱炭処理では、溶鋼3中の酸素と炭素とが反応することでCOガスが発生する。そして、発生したCOガスが溶鋼3から真空槽11内へと排出されることで、溶鋼3中の炭素が除去される。なお、第1の脱炭処理工程では、溶鋼3の酸素濃度が250ppm以上400ppm未満となるまで脱炭処理が行われる。
なお、真空脱ガス装置1による処理前の溶鋼3の酸素濃度が400ppm未満である場合には、精錬処理が開始し溶鋼3が環流した後、第1の脱炭処理工程を行わずに第2の脱炭処理工程のみを脱炭処理として行う。つまり、処理が開始されると、従来の溶製方法と同様に、送酸しながら脱炭処理を行う。そして、溶鋼3の炭素濃度が目標濃度となると、上記の方法と同様に脱酸処理が行われる。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
(1)本発明の一態様に係る極低炭素鋼の溶製方法は、真空槽11内の溶鋼3に酸素ガスを噴射する上吹きランス15を備えた真空脱ガス装置1を用いて極低炭素鋼を溶製する際に、真空脱ガス装置1による精錬処理前の酸素濃度が400ppm以上である溶鋼3に対して、精錬処理の初めに、上吹きランス15から酸素ガスを噴射させずに、溶鋼3の酸素濃度が250ppm以上400ppm未満となるまで溶鋼3を環流させて脱炭する第1の脱炭処理工程と、第1の脱炭処理工程の後、4m以上のランス高さで上吹きランス15から酸素ガスを噴射させながら、溶鋼3を環流させて脱炭する第2の脱炭処理工程と、を備える。
上記(2)の構成によれば、脱炭処理が施された炭素濃度に基づいて酸素ガスの使用量を決定する。このため、精錬処理前の高い炭素濃度に基づいて酸素ガスの使用量を決定する方法に比べ、必要な酸素量の推定精度を高めることができるため、酸素ガスの使用量を削減することができる。また、酸素濃度が低下した状態で送酸を行うことで酸素歩留が上昇して酸素ガスの使用量を削減することができ、精錬処理に掛かる時間を短縮することができる。
図3は、比較例2における、処理時間に対する排ガスの流量及び成分のトレンドを示すグラフである。図3から分かるように、送酸が行われる処理開始から2分以降で、COガス濃度が低下し、CO2濃度が増加している。これは、上吹きランス15から噴射された酸素が、溶鋼3中の炭素と反応せずに脱炭に伴い発生するCOガスと反応し、脱炭に寄与していないことを示す。また、比較例2における、1分間あたりの平均の脱炭量は、7.3kg/minとなり、送酸をしない比較例1よりも低下することが確認された。
また、実施例及び比較例3では、100ppm以下の目標炭素濃度となるまで脱炭処理を行い、その後、脱酸処理を行うことで極低炭素鋼を溶製した。なお、脱炭処理と脱酸処理とに掛かる時間の合計を処理時間とし、脱酸処理に掛かる時間を実施例と比較例3とで同じ長さとした。
表1に、実施例及び比較例3における、真空脱ガス装置1での処理時間、酸素ガスの使用量及び酸素歩留の平均値を示す。酸素歩留は、酸素ガスの使用量と、溶鋼3中の酸素量と、溶鋼3の脱炭量とから算出される、使用した酸素ガスが脱炭に寄与した割合を示す。
また、酸素ガスの使用量は、比較例3に対して実施例の方が少なくなることが確認できた。これは、実施例と比較例3とでは、酸素ガスの使用量を決定する時期が異なることが影響していると考えられる。比較例3では、処理前の溶鋼3の炭素濃度に基づいて酸素ガスの使用量を決定する。このような方法では、推定する脱炭量が多いため、脱炭に必要な酸素ガスの量の推定精度にばらつきが生じる。特に、真空脱ガス装置1による脱炭処理では、脱炭量や脱炭効率を推定する際に、脱炭反応への影響の推定が難しいスラグ中の酸素等の不明分があるため、酸素ガスによる脱炭量を精度よく推定することが難しい。このため、比較例3のように通常は、安定した操業を行うため、操業の実績等からばらつきの中で脱炭の効率が最も低い条件を用いて酸素ガスの使用量を決定する。つまり、比較例3では、平均的に見た場合、酸素ガスの使用量が過剰な条件で処理が行われることとなる。これに対して、実施例では、第1の脱炭処理工程の後半の溶鋼3の炭素濃度、つまり比較例3よりも脱炭が進んだ低い炭素濃度に基づいて、酸素ガスの使用量を算出している。このため、実施例では、比較例3に比べて推定する脱炭量が少なくなり、脱炭に必要な酸素ガスの量を精度よく推定することができる。なお、実施例1では、さらに、第1の脱炭処理工程における実際の脱炭効率も考慮して、必要な酸素ガスの量を推定することで、より高い精度で必要な酸素ガスの量を推定することができる。この脱炭効率は、処理前の炭素濃度と、第1の脱炭処理工程で測定した炭素濃度から算出することができる。
以上のように本発明に掛かる極低炭素鋼の溶製方法によれば、スプラッシュの発生を抑え、且つ脱炭速度を向上させることができる。また、酸素ガスの使用量を低減でき、処理時間を短くすることができる。
11 真空槽
12a 上昇側浸漬管
12b 下降側浸漬管
13 ダクト
14 副原料投入管
15 上吹きランス
2 取鍋
3 溶鋼
Claims (2)
- 真空槽内の溶鋼に酸素ガスを噴射する上吹きランスを備えた真空脱ガス装置を用いて、前記溶鋼を精錬処理することで極低炭素鋼を溶製する際に、
前記真空脱ガス装置による前記精錬処理前の酸素濃度が400ppm以上である前記溶鋼に対して、前記精錬処理の初めに、前記上吹きランスから前記酸素ガスを噴射させずに、前記溶鋼の酸素濃度が250ppm以上400ppm未満となるまで前記溶鋼を環流させて脱炭する第1の脱炭処理工程と、
前記第1の脱炭処理工程の後、4m以上のランス高さで前記上吹きランスから前記酸素ガスを噴射させながら、前記溶鋼を環流させて脱炭する第2の脱炭処理工程と、
を備えることを特徴とする極低炭素鋼の溶製方法。 - 前記第1の脱炭処理工程では、前記溶鋼の炭素濃度を測定し、
前記第2の脱炭処理工程では、前記第1の脱炭処理工程で測定される前記炭素濃度に基づいて、前記酸素ガスの使用量を決定することを特徴とする請求項1に記載の極低炭素鋼の溶製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017045205A JP6604348B2 (ja) | 2017-03-09 | 2017-03-09 | 極低炭素鋼の溶製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017045205A JP6604348B2 (ja) | 2017-03-09 | 2017-03-09 | 極低炭素鋼の溶製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018150566A JP2018150566A (ja) | 2018-09-27 |
JP6604348B2 true JP6604348B2 (ja) | 2019-11-13 |
Family
ID=63679506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017045205A Active JP6604348B2 (ja) | 2017-03-09 | 2017-03-09 | 極低炭素鋼の溶製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6604348B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112609043A (zh) * | 2020-12-11 | 2021-04-06 | 北京首钢股份有限公司 | 一种rh精炼过程快速增氧脱碳方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0741825A (ja) * | 1993-07-14 | 1995-02-10 | Nkk Corp | 真空脱ガス設備の上吹ランス装置 |
JP4085898B2 (ja) * | 2003-06-27 | 2008-05-14 | Jfeスチール株式会社 | 低炭素高マンガン鋼の溶製方法 |
JP5061535B2 (ja) * | 2006-08-31 | 2012-10-31 | Jfeスチール株式会社 | Rh真空脱ガス装置における溶鋼の精錬方法 |
JP4844552B2 (ja) * | 2007-12-26 | 2011-12-28 | Jfeスチール株式会社 | 低炭素高マンガン鋼の溶製方法 |
-
2017
- 2017-03-09 JP JP2017045205A patent/JP6604348B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018150566A (ja) | 2018-09-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6838419B2 (ja) | 高窒素低酸素鋼の溶製方法 | |
JP5904237B2 (ja) | 高窒素鋼の溶製方法 | |
JP6604348B2 (ja) | 極低炭素鋼の溶製方法 | |
JP5428447B2 (ja) | Rh真空脱ガス装置における溶鋼の精錬方法 | |
JP6124022B2 (ja) | 低炭素高マンガン鋼の溶製方法 | |
JP5614306B2 (ja) | マンガン含有低炭素鋼の溶製方法 | |
JP5509876B2 (ja) | 低炭素高マンガン鋼の溶製方法 | |
KR101361867B1 (ko) | 고청정도 강의 용제 방법 | |
JP6372540B2 (ja) | 真空脱ガス装置および真空脱ガス処理方法 | |
KR101366977B1 (ko) | 진공 탈가스 시스템을 이용하는 잉곳 기술에 의한 극저탄소강의 제조방법 | |
JP5831194B2 (ja) | マンガン含有低炭素鋼の溶製方法 | |
JP4844552B2 (ja) | 低炭素高マンガン鋼の溶製方法 | |
JP5217478B2 (ja) | 極低炭素鋼の溶製方法 | |
JP4085898B2 (ja) | 低炭素高マンガン鋼の溶製方法 | |
JP5505432B2 (ja) | 極低硫低窒素鋼の溶製方法 | |
JP5621618B2 (ja) | マンガン含有低炭素鋼の溶製方法 | |
JP2002363636A (ja) | Rh真空脱ガス装置における溶鋼の精錬方法 | |
JP2018083983A (ja) | 真空脱ガス方法及び真空脱ガス装置 | |
JP2019014944A (ja) | 鋼の溶製方法 | |
JP4035904B2 (ja) | 清浄性に優れた極低炭素鋼の製造方法 | |
JP6028750B2 (ja) | マンガン含有低炭素鋼の溶製方法 | |
JP2000239733A (ja) | 高清浄度鋼の溶製方法 | |
JP5463797B2 (ja) | 高マンガン極低炭素鋼の溶製方法 | |
JP2007031807A (ja) | 極低炭素鋼の溶製方法 | |
JP2018131641A (ja) | 低窒素鋼の溶製方法及びガス吹き付け装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181024 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190628 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190709 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190806 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190917 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190930 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6604348 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |