JP6124022B2 - 低炭素高マンガン鋼の溶製方法 - Google Patents

低炭素高マンガン鋼の溶製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6124022B2
JP6124022B2 JP2014193956A JP2014193956A JP6124022B2 JP 6124022 B2 JP6124022 B2 JP 6124022B2 JP 2014193956 A JP2014193956 A JP 2014193956A JP 2014193956 A JP2014193956 A JP 2014193956A JP 6124022 B2 JP6124022 B2 JP 6124022B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
oxygen
manganese
molten steel
steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014193956A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016065274A (ja
Inventor
勇輔 藤井
勇輔 藤井
中井 由枝
由枝 中井
内田 祐一
祐一 内田
三木 祐司
祐司 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2014193956A priority Critical patent/JP6124022B2/ja
Publication of JP2016065274A publication Critical patent/JP2016065274A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6124022B2 publication Critical patent/JP6124022B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、減圧下での脱炭精錬時に炭素を含有するマンガン合金(以降、単に「炭素含有マンガン合金」ともいう)を溶鋼中に添加して低炭素高マンガン鋼を溶製する方法に関するものである。
マンガン(Mn)は、鋼に固溶しあるいは鋼の焼き入れ性を高めることで、鋼を高強度化する有用な元素である。また、不可避的不純物として鋼中に残留する硫黄(S)と結合してMnSを形成し、FeSによる鋼の熱間脆性を防止する等の効果を有する。そのため、マンガンは、ほぼ全ての鉄鋼材料に添加されている。
さらに、近年では、鋼構造物の軽量化を目的として、高い引張強さと高い加工性とを両立させた低炭素高マンガン鋼が開発され、ラインパイプ用の厚鋼板や自動車用の薄鋼板などとして、広く使用されている。ここで、本発明における上記低炭素高マンガン鋼とは、炭素濃度が0.05mass%以下で、マンガン濃度が0.5mass%以上の鋼のことをいうものとする。
ところで、上記のようなマンガン含有鋼を溶製する際、Mn濃度を高めるために溶鋼中に添加するマンガン源としては、マンガン鉱石の他に、炭素含有量が7.5mass%以下の高炭素フェロマンガンFMnH、炭素含有量が2.0mass%以下の中炭素フェロマンガンFMnM、炭素含有量が1.0mass%以下の低炭素フェロマンガンFMnL等の、炭素含有量が2.0mass%以下のシリコンマンガンSiMn等のマンガン合金、炭素含有量が0.01mass%以下の金属マンガンMMnEなどが用いられているが、マンガン鉱石を除いて、炭素含有量が低くなるほど原料価格は上昇する。そこで、製造コストの低減を目的として、マンガン源としては、安価なマンガン鉱石や高炭素フェロマンガンを用いてマンガン含有鋼を溶製する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、転炉から取鍋に溶鋼を出鋼する際、高炭素フェロマンガンを投入して溶鋼中のマンガン濃度を調整し、次いで、真空脱ガス槽内の溶鋼に対して酸素ガスを上吹きして脱炭処理し、溶鋼中の炭素を酸化・除去する高マンガン鋼の溶製方法が提案されている。
また、特許文献2には、炭素濃度が0.0050mass%以下の鋼を脱ガス設備で溶製する際、真空脱炭処理時間の20%が経過するまでの間に、炭素含有量が0.5〜9mass%のマンガン合金を添加し、マンガン合金中の炭素を酸化・除去することで溶鋼中のマンガン成分を調整する低炭素鋼の溶製方法が提案されている。
また、特許文献3には、炭素を含有するマンガン系合金鉄を溶鋼中に吹き込み添加(インジェクション添加)しながら溶鋼に真空脱炭処理を施すことで、溶鋼中のマンガン成分を調整する、炭素濃度が0.05mass%以下、マンガン濃度が0.3mass%以上である低炭素高マンガン鋼の溶製方法が提案されている。
特開平04−088114号公報 特開平01−301815号公報 特開2011−153328号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示の技術を用いて低炭素高マンガン鋼を溶製する場合、溶鋼中のマンガン濃度は、転炉での溶銑の脱炭精錬時に転炉内にマンガン鉱石を投入して還元したり、転炉からの出鋼時あるいは真空脱ガス精錬時に高炭素のマンガン合金を溶鋼中に添加したりすることで、所定の値まで上昇させることは可能であるが、多量のマンガン源を添加する必要があるため、溶鋼温度の低下や溶鋼中の炭素濃度の上昇を招くという問題がある。
本発明は、従来技術における上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、真空脱ガス精錬における脱炭精錬時に、炭素の含有量が高くて安価なマンガン合金を添加しても、溶鋼中の炭素濃度の大きな上昇や、溶鋼の大きな温度低下を招くことがない低炭素高マンガン鋼の溶製方法を提案することにある。
発明者らは、上記課題の解決に向けて、鋭意検討を重ねた。その結果、減圧下での脱炭精錬時に、炭素を高濃度で含有するマンガン合金を溶鋼中に添加して低炭素高マンガン鋼を溶製する際、上記マンガン合金を上吹きランスから供給するとともに、上記上吹きランスの先端に火炎を形成し、該火炎で上記マンガン合金を加熱かつ脱炭して溶鋼中に添加することで、溶鋼中の炭素濃度の大きな上昇や、溶鋼の大きな温度低下を招くことなく低炭素高マンガン鋼を溶製することができることを見出し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、ランスの軸中心に設けられた、溶鋼に吹き付ける酸素が通る通路と、その通路の先端において上記酸素を噴出するノズルからなり、かつ、粉体副原料を搬送ガスによって搬送する粉体・キャリアガス通路と、その先端において粉体副原料を溶鋼に添加する粉体・キャリアガス噴出孔を有する中心孔と、酸素含有ガスと燃料とで火炎を形成することができるバーナーからなる上吹きランスを備えた真空脱ガス装置を用いて鋼を溶製する方法において、上記中心孔先端のノズルから炭素含有マンガン合金を搬送用ガスとともに噴出すると同時に、上記周囲孔先端のバーナーで形成した火炎で上記炭素含有マンガン合金を加熱し、脱炭して溶鋼中に上吹き添加することを特徴とする低炭素高マンガン鋼の溶製方法を提案する。
本発明の上記低炭素高マンガン鋼の溶製方法は、酸素含有ガスの供給速度をG(Nm/min)、燃料の供給速度をF(Nm/min)、上記燃料の供給速度Fに対する該燃料が完全燃焼するのに必要な酸素含有ガスの供給速度Gの化学量論比を(G/F)stとしたとき、上記G、Fおよび(G/F)stが下記(1)式;
0.5≦(G/F)/(G/F)st≦3.0 ・・・(1)
を満たすように上吹きランスから酸素含有ガスと燃料を供給することを特徴とする。
また、本発明の低炭素高マンガン鋼の溶製方法は、酸素含有ガスの供給速度をG(Nm/min)、炭素含有マンガン合金の供給速度をS(kg/min)としたとき、上記Sに対するGの比(G/S)が下記(2)式;
0.1≦G/S≦0.5 ・・・(2)
を満たすように上吹きランスから酸素含有ガスと炭素含有マンガン合金を供給することを特徴とする。
また、本発明の低炭素高マンガン鋼の溶製方法は、上記周囲孔先端のバーナーで形成した火炎の温度を1500℃以上とすることを特徴とする。
本発明によれば、高炭素フェロマンガンなどの炭素を高濃度で含有する安価なマンガン合金をマンガン源として用いても、溶鋼添加時の熱ロスを軽減できるとともに、マンガン合金鉄中の炭素による溶鋼の炭素濃度の上昇を抑制することができるので、低炭素高マンガン鋼を従来に比較して安価に溶製することが可能となる。
RH真空脱ガス装置の概要を説明する縦断面図である。 本発明に用いる上吹きランスの構造を説明する例図である。 マンガン合金の脱炭に及ぼすバーナーの火炎温度の影響を示すグラフである。
高炉から排出(出銑)した溶銑は、溶銑鍋やトーピードカーなどの溶銑搬送用容器に受銑した後、脱炭精錬を行う転炉に搬送する。上記溶銑に対しては、特に、品質要求の厳しい用途向けの溶銑に対しては、搬送途中の転炉前の段階で脱硫や脱燐などを行う溶銑予備処理を施すことがあるが、本発明の低炭素高マンガン鋼の溶製方法においても、成分規格上、溶銑予備処理が必要でない場合でも、転炉での脱炭精錬に安価なマンガン源としてマンガン鉱石を添加するときには、マンガン鉱石の歩留まりを向上する観点から、溶銑予備処理(特に脱燐処理)を施すことが好ましい。
続く転炉における脱炭精錬では、転炉内の溶銑に対してマンガン源としてマンガン鉱石を添加し、必要に応じて少量の生石灰などの造滓剤を添加し、さらに、酸素を上吹きおよび/または底吹きして溶銑を脱炭し、あるいはさらに脱燐および/または脱硫して鋼(溶鋼)とする。
転炉での脱炭精錬を終了した溶鋼は、その後、取鍋などの溶鋼搬送容器に排出(出鋼)するが、本発明において重要なことは、転炉から出鋼する際、溶鋼にAlやSi等の脱酸材を添加しない、すなわち、未脱酸状態で出鋼することである。これは、次工程で行う真空脱炭処理には、溶鋼中の酸素濃度を高くしておく必要があるからである。ここで、上記真空脱炭処理とは、RH真空脱ガス装置などの真空脱ガス設備を用いて、未脱酸状態の溶鋼を高真空下で脱炭する、あるいは、真空下で酸素ガスなどの酸素源を溶鋼に添加して脱炭する処理のことをいう。
なお、上記の転炉における脱炭精錬時には、マンガン鉱石や高炭素フェロマンガン等、高炭素濃度で安価なマンガン源を使用するため、出鋼後の溶鋼中の炭素濃度は必然的に高くなる。また、出鋼時に高炭素フェロマンガンなどの安価なマンガン合金を添加することもある。しかし、そのような場合でも、転炉から出鋼した真空脱炭処理前の溶鋼中の炭素濃度は、0.2mass%以下に抑えることが好ましい。溶鋼中の炭素濃度が0.2mass%を超えると、次工程の真空脱炭処理に長時間を要するため、生産性が低下したり、真空脱炭処理時間の延長による溶鋼温度の低下を補償するため、出鋼温度を高くする必要が生じ、これに起因した鉄歩留まりの低下や耐火物損耗量の増大などによって製造コストが上昇したりするためである。
上記転炉から出向された溶鋼は、その後、RH真空脱ガス装置やDH真空脱ガス装置、VOD炉などの真空脱ガス設備に搬送し、真空脱炭処理を施す。ここで、上記真空脱ガス設備の中で最も一般的なものはRH真空脱ガス装置であるため、以下の説明では、RH真空脱ガス装置を用いた低炭素高マンガン鋼の溶製方法について説明する。
図1は、一般的なRH真空脱ガス設備の縦断面図を示したものである。このRH真空脱ガス設備は、溶鋼1を収容する取鍋2と、溶鋼2を真空下で脱ガス処理する脱ガス部3から構成されている。上記脱ガス部3は、溶鋼1を内部に導入して脱ガス処理する真空槽4と、それに接続する図示されていない排気設備とからなる。真空槽4の上部側面には排気設備につながる排気口7、および、合金原料(成分調整材)や媒溶材等の副原料を添加する投入口(シュート)8が設けられている。
また、上記真空槽4の下部には、2本の浸漬管5および6が配設されており、そのうちの一方の浸漬管(図1では5)には、溶鋼1に環流を起こさせる環流ガスを浸漬管5内に吹込む配管10が接続されている。そして、脱ガス処理を行う際には、上記2本の浸漬管を取鍋内の溶鋼中に浸漬させ、真空槽4内を図示されていない排気設備で排気し、取鍋2内の溶鋼1を真空槽4内に吸引すると同時に、上記配管10を介して浸漬管5内に環流ガス(Arガス等の不活性ガス)を供給し、浸漬管5内を気泡として上昇させる。これにより、浸漬管5内の溶鋼が環流ガスとともに上昇して真空脱ガス槽内に勢いよく流入し、脱ガス処理された後、他方の浸漬管(図1では6)を通って取鍋内に戻る溶鋼の環流が形成され、脱ガス処理が進行する。
さらに、上記真空槽4の上部には、上方から真空槽4内に挿入する形で上吹きランス9が設置されている。この上吹きランス9は、そのランスの軸中心に設けられた中心孔と、その中心孔の周囲に設けられた複数の周囲孔を有する複合ランスである。上記上吹きランス9は、水冷されており、そのための冷却水を供給・排出するための図示されていない冷却水給排水管と連結されている。
本発明に用いて好適な複合ランスの1例について、図2を用いて具体的に説明する。
図2の複合ランスにおいて、中心孔は、図示のない酸素供給設備と連結されており、その酸素供給設備から供給される酸素が通る通路11と、その通路11の先端(ランス先端)において上記酸素を音速以上の速度で噴出して溶鋼浴の表面に吹き付けるノズル12からなる。なお、上記ノズル12は、ランス長さ方向で内径が等しいストイレートノズルとしてもよいが、酸素を高速で噴出する観点から、図2に示したように、通路径を局部的に狭めたスロート部13を有するラバールノズルを採用するのが好ましい。また、上記中心孔は、マンガン合金やマンガン鉱石、脱硫剤等の粉体副原料を貯蔵している図示のないホッパーとも連結されており、上記粉体副原料を搬送ガス(キャリアガス)によって粉体・キャリアガス通路16を介して搬送し、粉体・キャリアガス噴出孔17から溶鋼に添加することが可能となっている。なお、上記酸素としては、一般的には純酸素が、また、搬送ガスとしては、一般にArガスや窒素ガス等の不活性ガスが用いられる。
一方、上記中心孔の周囲に設けられた複数の周囲孔は、図示されていない燃料供給管や、燃料を燃焼させる支燃性ガスである酸素含有ガスを供給する配管と連結されており、上記燃料や酸素含有ガスが通る通路14と、その通路の先端において上記燃料を燃焼させて火炎を形成するバーナー15からなる。上記通路14は、通常、二重管構造となっていて、例えば、内管は燃料が通る通路(燃料通路)、外管は酸素含有ガスが通る通路(酸素含有ガス通路)となっている。つまり、別々に搬送された燃料と酸素含有ガスが、通路先端のバーナー15で混合して燃焼し、ランスの先端に火炎を形成するように構成されている。上記周囲孔の孔数は6〜12の範囲であることが好ましく、また、そのうちの1つを点火用のパイロットバーナーとして用いてもよい。なお、上記複数の周囲孔は、スリット状としてもよい。
ここで、上記燃料としては、プロパンガスや天然ガスなどの炭化水素系の気体燃料、重油や灯油などの炭化水素系の液体燃料、コークスや石炭などの炭素系の固体燃料のうちのいずれか1種以上が用いられるが、液体燃料や固体燃料を用いる場合には、乾溜したり、部分酸化したりあるいは水素分解して、気体状態として供給する必要がある。
また、上記酸素含有ガスとしては、中心孔から噴出する酸素と同じ純酸素が一般的に用いられるが、支燃性であれば純酸素に限定されるものではなく、例えば、酸素富化空気、空気などを用いることもできる。
上記のようなRH真空脱ガス装置を用いて低炭素高マンガン鋼を溶製する場合には、未脱酸状態の溶鋼1を真空下で脱炭処理する(以降、この処理を「リムド処理」とも称する)と同時に、このリムド処理中に、上吹きランス9からマンガン合金を上吹き添加するが、この際、本発明においては、上記マンガン合金を、上吹きランス9先端のバーナー15で形成した火炎で加熱すると同時に、マンガン合金中の炭素を脱炭して溶鋼の浴面に吹き付けて添加する必要がある。
具体的には、上吹きランス9に設けられた周囲孔の燃料通路と酸素含有ガス通路14を介してランス先端のバーナー15に燃料と酸素含有ガスを供給し、点火することによってバーナー部に火炎を形成すると同時に、ランス軸心部に設けた粉体・キャリアガス通路16の先端の噴出孔17から、搬送ガスとともに粉体状のマンガン合金を噴出し、その噴出したマンガン合金を上記バーナー部に形成した火炎で加熱すると同時に、上記火炎中でマンガン合金中に高い濃度で含有している炭素を酸化し、除去(脱炭)することが重要である。これにより、高炭素のマンガン合金を使用しても、低炭素のマンガン合金を添加したときと同じとなり、添加される高炭素のマンガン合金による溶鋼中の炭素濃度の上昇を抑制することができる。なお、マンガン合金の添加を開始する際には、予め、バーナーに火炎を形成しておくことが好ましい。
ここで、上記効果を効果的に発現させるためには、バーナー部に形成する火炎条件を適正に制御することが重要であり、具体的には、火炎を形成するための酸素含有ガスの供給速度をG(Nm/min)、燃料の供給速度をF(Nm/min)、上記燃料の供給速度Fに対する該燃料が完全燃焼するのに必要な酸素含有ガスの供給速度Gの化学量論比を(G/F)stとしたとき、上記G、Fおよび(G/F)stが下記(1)式;
0.5≦(G/F)/(G/F)st≦3.0・・・(1)
を満たすように酸素含有ガスと燃料を供給することが重要である。
上記(1)式中の(G/F)/(G/F)stの値が0.5未満では、供給される酸素量が少ないため、バーナー部に形成される火炎が還元性となり、マンガン合金中に含まれる炭素の酸化・除去が進行しなくなる。一方、(G/F)/(G/F)stの値が3.0を超えると、供給される酸素量が過剰となるため、マンガン合金中の炭素の酸化・除去は促進されるものの、マンガン合金中のMnまでもが酸化されるようになり、Mn歩留りが低下してしまうからである。なお、(G/F)/(G/F)stの値は、より好ましくは1.0〜2.5の範囲である。
さらに、マンガン合金中に高い濃度で含有している炭素を、より効果的に酸化・除去するためには、中心孔先端のノズルから溶鋼中に添加するマンガン合金の供給速度と、周囲孔先端のバーナー部に供給される酸素含有ガスの供給速度との関係を適正化すること、具体的には、酸素含有ガス供給速度をG(Nm/min)、炭素含有マンガン合金の供給速度をS(kg/min)としたとき、上記Sに対するGの比(G/S)が下記(2)式;
0.1≦G/S≦0.5 ・・・(2)
を満たすように上吹き複合ランスから酸素含有ガスとマンガン合金を供給することが重要である。
上記(2)式中のG/Sが、0.1未満では、マンガン合金に対する酸素量が不足し、マンガン合金中に含まれる炭素の酸化・除去が進行しなくなる。一方、G/Sが0.5を超えると、マンガン合金に対する酸素量が過剰となるため、マンガン合金中の炭素の酸化・除去は促進されるものの、マンガン合金中のMnまでもが酸化されるようになり、Mn歩留りが低下してしまうからである。
また、マンガン合金中に高い濃度で含有している炭素を、さらに効果的に酸化・除去するためには、マンガン合金を加熱するバーナー部に形成される火炎の温度も重要である。
図3は、溶鋼を用いないラボ実験にて、上吹きランス先端のバーナーの火炎温度を種々に変えて、中心孔から噴出するマンガン合金を加熱し、ランス下方位置に設置した取鍋容器に向かって上吹き添加したときのマンガン合金中の炭素濃度を測定した結果を示したものである。なお、この実験では、マンガン合金としては炭素を7.5mass%含有する高炭素フェロマンガンを、その搬送ガスにはArガスを、火炎を形成する燃料にはプロパンガスを、酸素含有ガスには純酸素を用いた。
この図から、火炎温度の上昇とともにバーナー加熱後の高炭素FeMn中の炭素濃度は減少しており、特に火炎温度を1500℃以上とすることでマンガン合金中の炭素を効率よく酸化・除去できることがわかる。より好ましい火炎温度は1700℃以上である。
なお、上記のリムド処理においては、上吹きランスの中心孔先端のノズルからマンガン合金を加熱・脱炭して添加した後、さらに、上記ノズルから純酸素を音速以上の速度で溶鋼浴面上に吹き付けることによって、溶鋼の脱炭を促進したり、溶鋼を加熱したりしてもよい。なお、上記脱炭処理や昇温処理時には、バーナーは使用しないので、燃料通路や酸素含有ガス通路に窒素ガスやArガス等の不活性ガスを流して、スプラッシュの付着によるバーナーの閉塞を防止するのが好ましい。
次いで、上記リムド処理を所定時間行い、溶鋼中のC濃度が成分規格値以下の所定の値に達したなら、原料投入口8から溶鋼1にAlやSi等の強脱酸剤を添加して溶鋼中の溶存酸素を除去(脱酸)し、リムド処理を終了する。なお、リムド処理終了後の溶鋼温度が、例えば連続鋳造工程等の次工程から要求される温度よりも低い場合には、さらに原料投入口から溶鋼中にAlを添加し、前述した上吹きランスから溶鋼の浴表面に酸素を吹き付け(送酸)、Alを燃焼させることによって溶鋼温度を上昇させてもよい。
上記に説明した本発明によれば、真空脱ガス設備を用いて低炭素高マンガン鋼を溶製する際、マンガン源として高炭素フェロマンガンなどの炭素を高濃度で含有する安価なマンガン合金を使用しても、真空脱炭処理(リムド処理)における溶鋼温度の低下や、溶鋼中の炭素濃度の上昇を抑制することができるだけでなく、マンガンの酸化ロスをも抑制することができるので、低炭素高マンガン鋼を従来よりも低コストで溶製することが可能となる。
なお、上記した本発明の鋼の溶製方法についての説明では、真空脱ガス設備としてRH真空脱ガス装置を用いる例を説明したが、上記方法に準じることで、DH真空脱ガス装置やVOD炉等他の真空脱ガス設備を用いて低炭素高マンガン鋼を安価に溶製することができる。
高炉から出銑し、脱硫および脱燐する溶銑予備処理を施した溶銑を350トン転炉で脱炭精錬して溶鋼とした後、上記溶鋼をRH真空脱ガス装置で二次精錬して低炭素高マンガン鋼を溶製する実験を行った。
上記実験では、転炉において溶銑を脱炭精錬した溶鋼は、未脱酸のまま取鍋に出鋼した。転炉から出鋼した溶鋼の成分は、RH到着時で、Cが0.028〜0.031mass%、Siが0.05mass%以下、Mnが0.09〜0.12mass%、Pが0.03mass%以下、Sが0.003mass%以下、Oが0.03〜0.08mass%の範囲であった。なお、上記転炉の脱炭精錬では、マンガン源として、マンガン鉱石を添加した。
次いで、上記出鋼した未脱酸状態の溶鋼は、取鍋に容れたままRH真空脱ガス装置に搬送し、真空下で溶鋼を環流しながら、Mn濃度の調整のためのマンガン源として高炭素フェロマンガンを添加するとともに、Cを成分規格から要求される所定の濃度まで低減する脱炭精錬(リムド処理)を施した。
なお、マンガン源として添加した上記の高炭素フェロマンガンは、Cが約7mass%で、Mnが約75mass%のものを用い、ランスから搬送ガス(Arガス)とともに添加する場合は粒度が3mm以下のものを、副原料投入口から添加する場合は粒度が5〜20mmのものを用い、いずれの場合も添加速度は100〜500kg/minとした。
また、上吹きランス先端のバーナーに火炎を形成する場合には、燃料としてLPGを7Nm/min(一定)、酸素含有ガスとして純酸素を20〜55Nm/minの範囲で変えて供給し、火炎の形成条件および火炎温度を変化させた。
また、リムド処理における環流ガス(Arガス)の流量は1.5Nm/min、真空槽の到達真空度は6.7kPa(各条件で一定)とした。
また、リムド処理後の溶鋼の目標成分は、C:0.002〜0.02mass%、Mn:0.3〜1.2mass%とし、リムド処理時に脱酸に必要な溶鋼中の酸素が不足している場合には、上吹きランス先端のノズルから酸素を溶鋼浴表面に吹き付け(送酸)ながら脱炭を行った。また、リムド処理後、Mn濃度が低すぎた場合には、炭素含有量が0.01mass%以下の金属マンガンを添加してMn濃度の調整を行った。
上記のようにしてリムド処理を完了した溶鋼は、引き続き、RH真空脱ガス装置で、真空下で溶鋼を環流させながら、溶鋼にAlやSi等の脱酸材を添加して脱酸した後、各種合金成分を添加して成分規格に適合した成分組成に調整するキルド処理を施し、低炭素高マンガン鋼を溶製した。
なお、上記実験では、リムド処理における、高炭素フェロマンガンの添加量および添加方法、高炭素フェロマンガンのバーナーでの加熱の有無、バーナーで形成する火炎条件((G/F)/(G/F)st)および火炎温度、周囲孔から供給する酸素含有ガスの供給速度Gと中心孔から供給する高炭素フェロマンガンの供給速度Sとの比(G/S)を表1に示したように変化させ、リムド処理時の脱炭速度、リムド処理後の溶鋼成分(C,Mn)、Mn歩留りおよびリムド処理前後の溶鋼温度の変化を調査した。
上記実験条件および実験結果について表1にまとめて示した。なお、上記表1中に記載した脱炭速度は、RH到着時からリムド処理終了までの総脱炭量(高炭素フェロマンガンから持ち込まれる炭素を含む)をリムド処理時間で割った平均の脱炭速度のことである。また、溶鋼温度差は、RH到着時とリムド処理終了時の温度差のことであり、プラスの場合は溶鋼温度が上昇、マイナスの場合は溶鋼温度が低下したことを示している。
Figure 0006124022
表1から、以下のことがわかる。
まず、No.10,11は、高炭素フェロマンガンを加熱することなく副原料投入口(図1の8)から真空槽内へ添加した例であり、非加熱の高炭素FeMn添加に伴う顕熱負荷によって、溶鋼温度が20℃以上低下しており、脱炭速度は0.0007〜0.0009mass%/minであった。
また、No.8,9は、高炭素フェロマンガンをバーナーの火炎で加熱せずにランス(図1の9)から溶鋼浴に上吹き添加した例であり、上記No.10,11と同様、非加熱の高炭素FeMn添加に伴う顕熱負荷による溶鋼の温度低下が大きく、脱炭速度も0.0008〜0.0010mass%/minと低位であった。
これに対して、No.1〜7は、高炭素FeMnを上吹きランスの先端に形成した火炎で加熱して溶鋼浴に上吹き添加した例であり、これらの例では、溶鋼温度がいずれも7℃以上上昇している。これは、高炭素FeMnを加熱して添加したことで、温度ロスが低減できたためと考えられる。
中でも、No.1〜4は、脱炭速度が0.0014〜0.0018mass%/minで、No.8〜11に比べて高位であった。これは、バーナーの火炎中でバーナーから供給された酸素と高炭素FeMn中の炭素が反応し、高炭素FeMn中の炭素が脱炭されたためであると考えられる。
しかし、(G/F)/(G/F)stの値が3超えであるNo.7は、脱炭速度は0.0014mass%/minと高位であるが、Mn歩留は66.7%で、No.1〜6に比べて低位であった。これは、高炭素FeMnに対する酸素の量が過剰であったため、バーナーの火炎中で高炭素FeMn中の炭素の酸化(脱炭)は促進されるものも、マンガンも酸化されたためであると考えられる。
一方、(G/F)/(G/F)stの値が0.5未満であるNo.6は、脱炭速度が0.0010mass%/minとNo.1〜4に比べて低位であった。これは、高炭素FeMnに対する酸素の量が不足して還元性の火炎となったため、脱炭が十分に進行しなかったためであると考えられる。
また、No.5も、脱炭速度が0.0013mass%/minとNo.1〜4に比べて比較的低位であった。これは火炎温度が低かったため、火炎中での脱炭が十分に進行しなかったためであると考えられる。
また、No.12〜16は、高炭素FeMnの添加量に対する酸素ガス量の比(G/S)を変化させた例である。
G/Sの値が0.1未満であるNo.12は、脱炭速度が0.0009mass%/minと、No.13〜16に比べて低位であった。これは、高炭素FeMn添加量に対して酸素の供給量が少なく、火炎内で十分に高炭素FeMnの脱炭が進行しなかったためと考えられる。
一方、G/Sの値が0.5超えであるNo.16は、Mn歩留が70.0%と、No.12〜15に比べて低位であった。これは過剰な酸素の供給により高炭素FeMn中のマンガンが酸化されたためであると考えられる。
以上の結果から、本発明に適合する条件でランス先端のバーナーに火炎を形成し、炭素含有マンガン合金を加熱・酸化して上吹き添加することにより、溶鋼温度の低下を抑制し、脱炭速度を高めることができるため、低炭素高マンガン鋼を効率的かつ低コストで溶製することができることがわかる。
1:溶鋼
2:取鍋
3:脱ガス部
4:真空槽
5,6:浸漬管
7:排気口
8:副原料投入口(シュート)
9:上吹きランス
10:環流ガス供給配管
11:酸素通路
12:ノズル
13:スロート部
14:燃料・酸素含有ガス通路
15:バーナー
16:粉体・キャリアガス通路
17:粉体・キャリアガス噴出孔

Claims (4)

  1. ランスの軸中心に設けられた、溶鋼に吹き付ける酸素が通る通路と、その通路の先端において上記酸素を噴出するノズルからなり、かつ、粉体副原料を搬送ガスによって搬送する粉体・キャリアガス通路と、その先端において粉体副原料を溶鋼に添加する粉体・キャリアガス噴出孔を有する中心孔と、
    酸素含有ガスと燃料とで火炎を形成することができるバーナーからなる上吹きランスを備えた真空脱ガス装置を用いて鋼を溶製する方法において、
    上記中心孔先端のノズルから炭素含有マンガン合金を搬送用ガスとともに噴出すると同時に、上記周囲孔先端のバーナーで形成した火炎で上記炭素含有マンガン合金を加熱し、脱炭して溶鋼中に上吹き添加することを特徴とする低炭素高マンガン鋼の溶製方法。
  2. 酸素含有ガスの供給速度をG(Nm/min)、燃料の供給速度をF(Nm/min)、上記燃料の供給速度Fに対する該燃料が完全燃焼するのに必要な酸素含有ガスの供給速度Gの化学量論比を(G/F)stとしたとき、上記G、Fおよび(G/F)stが下記(1)式を満たすように上吹きランスから酸素含有ガスと燃料を供給することを特徴とする請求項1に記載の低炭素高マンガン鋼の溶製方法。
    0.5≦(G/F)/(G/F)st≦3.0 ・・・(1)
  3. 酸素含有ガスの供給速度をG(Nm/min)、炭素含有マンガン合金の供給速度をS(kg/min)としたとき、上記Sに対するGの比(G/S)が下記(2)式を満たすように上吹きランスから酸素含有ガスと炭素含有マンガン合金を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の低炭素高マンガン鋼の溶製方法。
    0.1≦G/S≦0.5 ・・・(2)
  4. 上記周囲孔先端のバーナーで形成した火炎の温度を1500℃以上とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の低炭素高マンガン鋼の溶製方法。
JP2014193956A 2014-09-24 2014-09-24 低炭素高マンガン鋼の溶製方法 Active JP6124022B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014193956A JP6124022B2 (ja) 2014-09-24 2014-09-24 低炭素高マンガン鋼の溶製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014193956A JP6124022B2 (ja) 2014-09-24 2014-09-24 低炭素高マンガン鋼の溶製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016065274A JP2016065274A (ja) 2016-04-28
JP6124022B2 true JP6124022B2 (ja) 2017-05-10

Family

ID=55805152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014193956A Active JP6124022B2 (ja) 2014-09-24 2014-09-24 低炭素高マンガン鋼の溶製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6124022B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017203591A1 (ja) 2016-05-24 2017-11-30 オリンパス株式会社 無線通信端末、無線通信システム、無線通信方法、およびプログラム
JP6756248B2 (ja) * 2016-11-25 2020-09-16 日本製鉄株式会社 加熱用バーナ、ラジアントチューブ、および鋼材の加熱方法
CN111394644A (zh) * 2020-04-24 2020-07-10 南京钢铁股份有限公司 一种低温用高锰奥氏体钢快速合金化工艺
CN113385647A (zh) * 2021-06-15 2021-09-14 山西太钢不锈钢股份有限公司 一种高碳高锰钢立弯式板坯连铸方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2219247C2 (ru) * 1998-08-28 2003-12-20 Фоест-Альпине Индустрианлагенбау ГмбХ Способ получения металлического расплава и многофункциональная фурма для получения металлического расплава (варианты)
JP5509876B2 (ja) * 2010-01-26 2014-06-04 Jfeスチール株式会社 低炭素高マンガン鋼の溶製方法
JP5831194B2 (ja) * 2011-12-14 2015-12-09 Jfeスチール株式会社 マンガン含有低炭素鋼の溶製方法
CN104169442B (zh) * 2012-03-15 2015-12-30 杰富意钢铁株式会社 钢液的真空精炼方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016065274A (ja) 2016-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5382275B1 (ja) 溶鋼の真空精錬方法
JP6343844B2 (ja) 真空脱ガス設備における溶鋼の精錬方法
JP6124022B2 (ja) 低炭素高マンガン鋼の溶製方法
JP5904237B2 (ja) 高窒素鋼の溶製方法
JP2011208170A (ja) マンガン含有低炭素鋼の溶製方法
JP6269550B2 (ja) 高マンガン鋼の溶製方法
JP5614306B2 (ja) マンガン含有低炭素鋼の溶製方法
JP5509876B2 (ja) 低炭素高マンガン鋼の溶製方法
TWI685577B (zh) 高錳鋼的冶煉方法
JP6547734B2 (ja) 低硫鋼の製造方法
JP4844552B2 (ja) 低炭素高マンガン鋼の溶製方法
JP6323688B2 (ja) 溶鋼の脱硫方法
JP4085898B2 (ja) 低炭素高マンガン鋼の溶製方法
JP2013124385A (ja) マンガン含有低炭素鋼の溶製方法
JP5621618B2 (ja) マンガン含有低炭素鋼の溶製方法
JP6939733B2 (ja) 減圧下での溶鋼の精錬方法
JP6028750B2 (ja) マンガン含有低炭素鋼の溶製方法
JP2006152368A (ja) 低炭素高マンガン鋼の溶製方法
JP2007031807A (ja) 極低炭素鋼の溶製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170321

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6124022

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250