JP5061535B2 - Rh真空脱ガス装置における溶鋼の精錬方法 - Google Patents

Rh真空脱ガス装置における溶鋼の精錬方法 Download PDF

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本発明は、真空槽内に設置した昇降可能な上吹きランスから真空槽内の溶鋼に向けて酸素ガスを吹き付けて行う、RH真空脱ガス装置における溶鋼の精錬方法に関するものである。
自動車外装用薄鋼板、缶用薄鋼板、家庭電化製品用薄鋼板など、多くの用途に使用されている薄鋼板に対して、年々その加工性の向上がユーザーから要求されている。一方、製造過程においては、冷間圧延後の薄鋼板に施される焼鈍は、従来のバッチ焼鈍から連続焼鈍へと急速に転換されている。このような状況から、薄鋼板用の鋼は、炭素含有量が0.01〜0.1質量%の低炭素鋼から、炭素含有量が0.01質量%以下の加工性に優れた極低炭素鋼に急激に転換されつつある。
高炉で溶製された溶銑から極低炭素鋼を溶製するには、先ず、転炉で溶銑に脱炭精錬を施して溶銑から溶鋼を溶製し、次いで、この溶鋼に真空脱ガス設備による減圧下での脱炭精錬を施して溶製している。これら溶鉄及び溶鋼の脱炭反応は、「[C]+[O]→CO(g)」の反応式によって表されることが知られている。ここで、[C]は、溶銑中或いは溶鋼中の炭素、[O]は、溶銑中或いは溶鋼中の溶存酸素、CO(g)は、COガスである。
転炉における大気圧下での脱炭精錬では、脱炭反応によって生成するCOガスの分圧が1気圧(1013hPa)であり、従って、転炉脱炭精錬によって炭素濃度を極低炭素鋼の炭素濃度レベルである0.01質量%以下にまで脱炭しようとすると、溶存酸素濃度を極めて高いレベル以上(およそ0.24質量%以上)にする必要がある。溶存酸素をこのような高い濃度レベルにすると、鉄の酸化が激しくなり、転炉における鉄歩留まりは大幅に低下してしまう。また、供給する酸素と鉄とが反応して鉄酸化物が形成されることから、転炉において溶存酸素濃度をこのような高い濃度にすることは、実際には極めて困難であり、そこで、前述したように、極低炭素鋼を溶製する場合には、脱ガス設備を利用し、生成するCOガスの分圧を下げ、上記反応式を進行させている。
脱ガス設備における溶鋼の脱炭精錬では、溶鋼がおよそ0.002質量%以上の溶存酸素を確保している限り、熱力学的には上記反応式にそって脱炭反応が進行するが、溶存酸素が高いほど脱炭反応は促進され、また、脱炭反応の進行に伴って溶存酸素は消耗し、溶存酸素濃度が低下して脱炭反応は滞るので、脱炭反応を促進させるために、真空槽内に設置した上吹きランスから酸素ガスを減圧下の溶鋼湯面に向けて吹き付けて脱炭精錬する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。酸素ガスを供給することにより、溶鋼中の溶存酸素が確保され、脱炭反応は促進される。また、脱炭反応により生成するCOガスが、上吹きランスから供給される酸素ガスによって燃焼(この燃焼を「二次燃焼」という)してCO2 ガスとなり、この燃焼熱によってスプラッシュの真空槽側壁への付着が抑制されるという効果も発揮される。
これらの理由から、真空脱ガス設備においては昇降可能な上吹きランスから酸素ガスを吹き付けて行う脱炭精錬が広く行われるようになった。
しかし、一方で、上吹きランスから酸素ガスを吹き込むことにより、真空槽の側壁耐火物の損耗、特に局部的な損耗が従来に比べて著しくなるという問題が発生した。この問題は、酸素ガス供給量を増大した場合、並びに、上吹きランスからの酸素ガスジェットに起因するスピッティングによる槽内地金付着を防止する目的で、つまり溶鋼湯面における酸素ガスジェットの動圧を低くしてスピッティングを抑制する目的で、上吹きランスの先端と真空槽内溶鋼湯面との距離を大きくした場合に、特に顕著であることが分かった。尚、上吹きランスの先端と真空槽内溶鋼湯面との距離を「ランス高さ」と称す。
従来、上吹きランスを有していながら耐火物の損耗防止を可能とするRH真空脱ガス装置として、特許文献2には、真空槽の上蓋を貫通して挿入され、上下動可能に設けられた上吹きランスにおいて、前記上吹きランスを鉛直方向に対して5〜50度の角度で旋回させる機構と、任意の位置でその旋回を停止させる機構と、を備えた上吹きランスが開示されている。特許文献2によれば、二次燃焼ゾーンの範囲を調整できるので、真空槽内壁の耐火物の溶損防止が可能であるとしているが、この技術では、上吹きランスを旋回させる機能が必要であり、設備費が高価になり、また、二次燃焼ゾーンの位置を真空槽の中心に対して偏心させることによって耐火物の損耗を抑制しており、旋回機能を備えていない通常の上吹きランスには、特許文献2の技術は適用することができない。
また、特許文献3には、RH真空脱ガス装置において、昇降自在な上吹きランスを介して酸素ガスを溶鋼湯面に上吹きするに当たり、上吹きランスの中心軸を上昇側浸漬管の内径の領域内に位置させて酸素ガスを噴射させる方法が開示されている。特許文献3によれば、上昇側浸漬管内径の領域内にのみ酸素ガスを噴射するので、上吹き酸素ガスによる環流の乱れが抑制され、真空槽の敷を構成する耐火物の溶損が減少するとしているが、真空槽の側壁耐火物の損耗に関しては何ら記載していない。尚、特許文献3では上吹きランスを真空槽に対して偏心させているので、偏心させた側の真空槽側壁耐火物の損耗が顕著になる恐れが高い。
特開平1−246314号公報 特開平7−41825号公報 特開平9−143546号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、RH真空脱ガス装置の真空槽の上蓋を貫通する、昇降可能な上吹きランスから、真空槽内の溶鋼に向けて酸素ガスを吹き付けて溶鋼を精錬するに当たり、脱炭反応速度の低下などの支障を来すことなく、真空槽側壁の耐火物の損耗を従来に比べて抑制することのできる、RH真空脱ガス装置における溶鋼の精錬方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。そして、上吹きランスからの酸素ガスジェットの広がりと真空槽側壁耐火物の損傷位置とを対比した結果、上吹きランスからの酸素ガスジェットが直接側壁耐火物に衝突することによって側壁耐火物の損傷が進行することを確認した。従って、上吹きランスからの酸素ガスジェットが直接側壁耐火物には当たらずに溶鋼湯面に当たるように、上吹きランスのランス高さなどを調整することにより、真空槽側壁耐火物の局部的な損傷を防止することができ、真空槽側壁耐火物の寿命を延長することが可能になるとの知見を得た。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、本発明に係るRH真空脱ガス装置における溶鋼の精錬方法は、上吹きランスから真空槽内の溶鋼湯面に向けて酸素ガスを吹き付けながら溶鋼を精錬するに際し、真空槽内の溶鋼湯面から上吹きランス先端までの距離であるランス高さと、上吹きランスから吹き込む酸素ガスの上吹きランス中心線に対する広がり角度と、真空槽内溶鋼湯面位置における上吹きランス中心位置から真空槽側壁の耐火物表面までの距離とが、下記の(1)式の関係を満足する範囲内となるようにこれらを調整するとともに、溶鋼湯面における酸素ガスの動圧が2kPa以下となるように酸素ガスを供給することを特徴とするものである。但し、(1)式において、Hは、ランス高さ(m)、Rは、真空槽内溶鋼湯面位置における上吹きランス中心位置から真空槽側壁の耐火物表面までの距離(m)、θは、上吹きランスから吹き込む酸素ガスの上吹きランス中心線に対する広がり角度(deg.)である。
H≦(R−0.2)/tanθ……(1)
本発明によれば、酸素ガスジェットが真空槽の側壁耐火物に直接当たらないようにしながら上吹きランスから酸素ガスを吹き込むので、真空槽側壁耐火物の局部的な損傷が防止され、真空槽側壁耐火物の損傷を抑制することができ、また、そのときの溶鋼湯面における酸素ガスの動圧を2kPa以下に制御しているので、スピッティングによる真空槽内の地金付着をも防止することができる。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明を適用したRH真空脱ガス装置の概略図であり、上吹きランスを介して真空槽内の溶鋼湯面に向けて酸素ガスを吹き付け、溶鋼の精錬を実施している状況を示す図である。
尚、RH真空脱ガス装置において上吹きランスから酸素ガスを供給して行う処理としては、溶鋼中の炭素を酸素で除去する減圧下での溶鋼脱炭精錬、溶鋼中に添加したAlを酸素ガスで燃焼して溶鋼温度を上昇させる溶鋼昇熱処理、溶鋼中から発生するCOガスを酸素ガスで二次燃焼させて側壁耐火物に付着した地金を溶解する付着地金溶解処理などが挙げられる。尚、前述したように、減圧下での溶鋼脱炭精錬においては、脱炭反応で生成するCOガスが上吹きランスから供給される酸素ガスによって二次燃焼するので、付着地金溶解処理が同時に行われる。
図1に示すように、RH真空脱ガス装置1は、上部槽6及び下部槽7からなる真空槽5と、下部槽7の下部に設けられた上昇側浸漬管8及び下降側浸漬管9とを備え、上部槽6には、排気装置(図示せず)と接続するダクト11と、真空槽5の内部の溶鋼3に合金鉄や金属Alなどを投入する原料投入口12と、真空槽5の上蓋を貫通し、真空槽5の内部を上下方向に移動可能な上吹きランス13とが備えられ、また、上昇側浸漬管8には環流用ガス吹込管10が設けられている。環流用ガス吹込管10からは環流用ガスとしてArガスが上昇側浸漬管8の内部に吹き込まれる構造となっている。上吹きランス13の先端には、酸素ガスを真空槽5の内部に向けて吹き付けるための1基のラバールノズル(図示せず)が、上吹きランス13の軸心部に、上吹きランス13の軸心方向を向いて設置されている。
ここで、ラバールノズルとは、その断面が縮小する部分(「絞り部」という)と拡大する部分(「スカート部」という)の2つの円錐体で構成された末広がり形状のノズルであり、絞り部からスカート部に遷移する部位であって最も狭くなった部位はスロートと呼ばれていて、酸素ガスなどの気体を、絞り部、スロート、スカート部の順に通し、スカート部先端から超音速または亜音速のジェットとして噴射させる末広がりのノズルである。尚、絞り部及びスカート部は円錐体である必要はなく、内径が曲線的に変化する曲面で構成してもよく、また、絞り部はスロートと同一の内径であるストレート状の円筒形としてもよい。
RH真空脱ガス装置1では、溶鋼3を収納する取鍋2を真空槽5の直下に搬送し、取鍋2を昇降装置(図示せず)によって上昇させ、上昇側浸漬管8及び下降側浸漬管9を取鍋2に収容された溶鋼3に浸漬させる。そして、環流用ガス吹込管10から上昇側浸漬管8の内部にArガスを環流用ガスとして吹き込むとともに、真空槽5の内部をダクト11に連結される排気装置(図示せず)にて排気して真空槽5の内部を減圧する。真空槽5の内部が減圧されると、取鍋2に収容された溶鋼3は、環流用ガス吹込管10から吹き込まれるArガスとともに上昇側浸漬管8を上昇して真空槽5の内部に流入し、その後、下降側浸漬管9を介して取鍋2に戻る流れ、所謂、環流を形成してRH真空脱ガス精錬が施される。取鍋2の内部には、転炉や電気炉などの前工程の精錬で発生したスラグ4が一部混入し、溶鋼3の湯面を覆っている。
このRH真空脱ガス精錬中に、上吹きランス13から酸素ガスを、真空槽5の内部の溶鋼3に向けて吹き付けて供給し、溶鋼3に、前述した溶鋼脱炭精錬、溶鋼昇熱処理、付着地金溶解処理などを施す。溶鋼脱炭精錬においては溶鋼3の溶存酸素濃度を高める必要があるので、脱炭精錬を開始する前、溶鋼3は未脱酸或いは半脱酸の状態とすることが好ましい。溶鋼昇熱処理の場合は、溶鋼中にAlが存在する状態となるまで溶鋼3にAlを添加して脱酸した後に、溶鋼昇熱処理を開始する。付着地金溶解処理は、通常、溶鋼3が未脱酸の状態で実施するが、プロパンガスなどの燃焼ガスを吹き込む場合には、溶鋼3はどのような脱酸状態であっても構わない。
上吹きランス13から酸素ガスを供給するに当たって、図1に示すように、真空槽内の溶鋼湯面位置における上吹きランス13の中心位置から真空槽側壁の耐火物表面までの距離をR(単位:m)、上吹きランス13から吹き込む酸素ガスの上吹きランス中心線に対する広がり角度をθ(単位:deg.)、ランス高さをH(単位:m)としたときに、ランス高さ(H)、距離(R)及び広がり角度(θ)が、下記の(1)式の関係を満足するように、ランス高さ(H)、距離(R)、広がり角度(θ)のうちの1つまたは2つ以上を調整する。
H≦(R−0.2)/tanθ……(1)
但し、距離(R)及び広がり角度(θ)は操業中には変えられないので、操業中に変える場合は、ランス高さ(H)を調整することになる。広がり角度(θ)の異なるラバールノズルを用いた場合には、使用するラバールノズルの広がり角度(θ)に応じてランス高さ(H)を調整する。
つまり、本発明においては、(1)式に示すように、ランス高さ(H)、距離(R)、広がり角度(θ)の3つの操業条件のうちの少なくとも1種の操業条件を調整して、真空槽内の溶鋼湯面位置において、真空槽5の側壁から少なくとも0.2m以上離れた位置に上吹きランス13からの酸素ガスジェットを衝突させる必要がある。
本発明者等は、真空槽5の側壁からの距離が0.2m未満の位置に上吹きランス13からの酸素ガスジェットを衝突させると、溶鋼湯面に当たった酸素ガスが反射して真空槽5の側壁に衝突し、その部位が局部的に損傷することを確認している。当然ながら、上吹きランス13からの酸素ガスジェットが直接真空槽5の側壁に衝突した場合は、衝突した範囲が局部的に損傷することを確認している。ここで、真空槽内の溶鋼湯面位置は、真空槽5の内部圧と大気圧との圧力差により決まる位置であり、図1に示すように、真空槽内の溶鋼湯面で最も低い位置とする。これよりも高い位置は、溶鋼3の流動やArガス気泡の影響を受けており、圧力差により決まる位置とは異なる。
また、本発明においては、上記の(1)式を満足させることで、ランス高さ(H)が比較的小さくなる。換言すれば、上吹きランス13からの酸素ガスジェットの減衰が少なくなり、溶鋼湯面における酸素ガスの動圧が高くなる傾向になる。溶鋼湯面における酸素ガスの動圧が高くなると、スピッティングによる真空槽内の地金付着が激しくなることから、これを防止するために、本発明においては、酸素ガスジェットの溶鋼湯面における動圧を2kPa以下に制御する必要がある。動圧は、酸素ガスジェットの速度及び密度の関数で表される。
溶鋼湯面における酸素ガスジェットの動圧は、上吹きランス13に供給する酸素ガスの供給圧力に影響されるので、酸素ガスの供給圧力を調整することで、酸素ガスジェットの溶鋼湯面における動圧を2kPa以下に制御することができる。
以上説明したように、本発明によれば、上吹きランス13から真空槽内の溶鋼湯面に向けて吹き込まれる酸素ガスが真空槽5の側壁耐火物に直接当たらないようにして、上吹きランス13から酸素ガスを吹き込むので、真空槽側壁耐火物の局部損傷を防止することができ、また、そのときの溶鋼湯面における酸素ガスの動圧を2kPa以下に制御しているので、スピッティングによる真空槽内の地金付着を同時に防止することができる。
尚、図1に示す上吹きランス13は真空槽5の中心位置に設置されており、上吹きランス13と真空槽側壁との距離は何れの方向も同一であるが、上吹きランス13が真空槽5に中心に対して偏心して設置されている場合には、偏心した側の真空槽側壁との距離が短くなる。従って、上吹きランス13を偏心して設置した場合には、この最も短い距離の方向に存在する真空槽5の側壁から少なくとも0.2m以上離れた位置に、上吹きランス13からの酸素ガスジェットを衝突させるようにすればよい。
真空槽の内径、つまり上吹きランスの中心位置から真空槽側壁の耐火物表面までの距離(R)が1.1m、上吹きランスから吹き込まれる酸素ガスの広がり角度(θ)が8deg.であるRH真空脱ガス装置を用い、酸素ガス供給量を2500Nm3 /Hrの一定条件として、ランス高さ(H)を8m(水準1)、6m(水準2)、4m(水準3)の3水準とし、溶鋼の脱炭精錬を実施した。酸素ガスジェットの溶鋼湯面における動圧は、水準1、水準2及び水準3で、それぞれ0.4kPa、2.0kPa、2.7kPaであった。
これらの条件でそれぞれ100ヒートの脱炭精錬を実施し、極低炭素鋼を製造した。100ヒートの脱炭精錬終了後、真空槽内側壁耐火物の損傷状況を調査した。
その結果、水準1では真空槽内側壁耐火物の局部損傷が観察された。また、水準3では、真空槽側壁への地金付着が激しく、精錬中における付着地金の溶鋼中への落下により、溶鋼中炭素濃度が規格から外れるトラブルが発生し、安定した脱炭精錬が困難であった。これに対して、本発明の範囲内である水準2では耐火物の局部損傷は観察されず、また、真空槽側壁への地金付着も観察されなかった。
従来、真空槽内側壁耐火物の局部損傷により真空槽の寿命が決まっていたが、本発明によって局部損傷が発生しなくなり、真空槽の寿命が約20%向上した。
本発明を適用したRH真空脱ガス装置の概略図である。
符号の説明
1 RH真空脱ガス装置
2 取鍋
3 溶鋼
4 スラグ
5 真空槽
6 上部槽
7 下部槽
8 上昇側浸漬管
9 下降側浸漬管
10 環流用ガス吹込管
11 ダクト
12 原料投入口
13 上吹きランス

Claims (1)

  1. 上吹きランスから真空槽内の溶鋼湯面に向けて酸素ガスを吹き付けながら溶鋼を精錬するに際し、真空槽内の溶鋼湯面から上吹きランス先端までの距離であるランス高さと、上吹きランスから吹き込む酸素ガスの上吹きランス中心線に対する広がり角度と、真空槽内溶鋼湯面位置における上吹きランス中心位置から真空槽測壁の耐火物表面までの距離とが、下記の(1)式の関係を満足する範囲内となるようにこれらを調整するとともに、溶鋼湯面における酸素ガスの動圧が2kPa以下となるように酸素ガスを供給することを特徴とする、RH真空脱ガス装置における溶鋼の精錬方法。
    H≦(R−0.2)/tanθ……(1)
    但し、(1)式において、各記号は以下を表している。
    H:ランス高さ(m)
    R:真空槽内溶鋼湯面位置における上吹きランス中心位置から真空槽測壁の耐火物表面までの距離(m)
    θ:上吹きランスから吹き込む酸素ガスの上吹きランス中心線に対する広がり角度(deg.)
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