JP2002285224A - 転炉吹錬方法および転炉用吹錬ランス - Google Patents
転炉吹錬方法および転炉用吹錬ランスInfo
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- JP2002285224A JP2002285224A JP2001084066A JP2001084066A JP2002285224A JP 2002285224 A JP2002285224 A JP 2002285224A JP 2001084066 A JP2001084066 A JP 2001084066A JP 2001084066 A JP2001084066 A JP 2001084066A JP 2002285224 A JP2002285224 A JP 2002285224A
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- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、耐火物ダメージを伴わない条件下
で効果的に火点面積を拡大し、ソフトブロー化によって
ダスト、スプラッシュ、スピッティングの発生を抑制で
きる技術を提供する。 【解決手段】 転炉ランスに、中心孔と、傾斜を持つ6
カ所の周囲孔を設置し、火点と耐火物の距離を0.4m
以上とし、火点のオーバーラップ率を30%以下としつ
つ、火点最外周円内における火点の総面積率を75%以
上とする。
で効果的に火点面積を拡大し、ソフトブロー化によって
ダスト、スプラッシュ、スピッティングの発生を抑制で
きる技術を提供する。 【解決手段】 転炉ランスに、中心孔と、傾斜を持つ6
カ所の周囲孔を設置し、火点と耐火物の距離を0.4m
以上とし、火点のオーバーラップ率を30%以下としつ
つ、火点最外周円内における火点の総面積率を75%以
上とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は上吹き転炉、上底吹
き転炉、AODなどの上吹き機能を有する転炉型精錬容
器における、脱炭、脱燐、脱珪などの送酸処理を実施す
るに際し、歩留り向上を実現するための吹錬方法および
吹錬用ランスに関する。
き転炉、AODなどの上吹き機能を有する転炉型精錬容
器における、脱炭、脱燐、脱珪などの送酸処理を実施す
るに際し、歩留り向上を実現するための吹錬方法および
吹錬用ランスに関する。
【0002】
【従来の技術】転炉型の反応容器を用いて、吹錬を実施
する場合には、過度なハードブロー条件に起因するダス
トの発生やスピッティング、スプラッシュ増加を防止す
ることから、ソフトブロー化が指向されてきており、一
般に100t規模以上の処理を行う上吹きランスは、日
本鉄鋼協会編第3版鉄鋼便覧II製銑・製鋼468頁に詳
しく記されているように多孔ノズルの使用が行われてき
た。一方で、多孔化を行うに当たり、火点のオーバーラ
ップ率が増加した場合には、森ら:鉄と鋼70(198
4)S244に示されるようにスピッティングの発生量
が増加することから、オーバーラップ率が少なく、か
つ、火点面積を広く確保することが重要になる。火点面
積の拡大とオーバーラップ率を小さくすることを目的と
して、特開平6−57320に示すように傾斜角度の異
なる2種類のラバールノズルを円周方向に交互に配置す
る上吹きランスが提案されている。この上吹きランスで
は、二種類の角度の火点を交互に配置して火点のオーバ
ーラップ率を少なくすることによって、火点面積を効果
的に広げてソフトブロー化を図ることを手段としてい
る。
する場合には、過度なハードブロー条件に起因するダス
トの発生やスピッティング、スプラッシュ増加を防止す
ることから、ソフトブロー化が指向されてきており、一
般に100t規模以上の処理を行う上吹きランスは、日
本鉄鋼協会編第3版鉄鋼便覧II製銑・製鋼468頁に詳
しく記されているように多孔ノズルの使用が行われてき
た。一方で、多孔化を行うに当たり、火点のオーバーラ
ップ率が増加した場合には、森ら:鉄と鋼70(198
4)S244に示されるようにスピッティングの発生量
が増加することから、オーバーラップ率が少なく、か
つ、火点面積を広く確保することが重要になる。火点面
積の拡大とオーバーラップ率を小さくすることを目的と
して、特開平6−57320に示すように傾斜角度の異
なる2種類のラバールノズルを円周方向に交互に配置す
る上吹きランスが提案されている。この上吹きランスで
は、二種類の角度の火点を交互に配置して火点のオーバ
ーラップ率を少なくすることによって、火点面積を効果
的に広げてソフトブロー化を図ることを手段としてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開平6
−57320に記載されたランスでは、Sakai et.al.:1
994 Steelmaking Conference proceedings p.61. Fig.1
右上にも示されるような火点配置になることから、同F
ig.1左上の4孔ノズルの場合よりランス直下の浴面
から火点の最外周位置までの距離が著しく遠くなること
から、火点−耐火物間の距離が近くなり、耐火物温度が
上昇し、炉体ダメージが大きくなるという欠点があっ
た。
−57320に記載されたランスでは、Sakai et.al.:1
994 Steelmaking Conference proceedings p.61. Fig.1
右上にも示されるような火点配置になることから、同F
ig.1左上の4孔ノズルの場合よりランス直下の浴面
から火点の最外周位置までの距離が著しく遠くなること
から、火点−耐火物間の距離が近くなり、耐火物温度が
上昇し、炉体ダメージが大きくなるという欠点があっ
た。
【0004】本発明は、火点面積を、オーバーラップ面
積を小さくしたまま広く維持でき、かつ、火点と耐火物
の距離をダメージの少なくなる範囲で有効に広げること
ができ、かつ、ソフトブロー効果による歩留まり向上効
果の大きい転炉吹錬方法および、転炉吹錬用ランスの提
供を目的とする。
積を小さくしたまま広く維持でき、かつ、火点と耐火物
の距離をダメージの少なくなる範囲で有効に広げること
ができ、かつ、ソフトブロー効果による歩留まり向上効
果の大きい転炉吹錬方法および、転炉吹錬用ランスの提
供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の手段は以下の通りである。 (1)中心孔と周囲に6孔を有する7孔ランス1を用
い、火点5の最外周位置7を耐火物位置4より0.4m
以上離し、火点のオーバーラップ率を総火点面積の30
%以下とし、火点の総面積が火点の最外周を囲む円の面
積の75%以上とすることを特徴とする転炉吹錬方法。 (2) (1)の方法において、送酸時の上吹き最大流
量時のノズル入り側絶対圧値が、該ノズルの適正膨張絶
対圧の1.2〜1.8倍となることを特徴とする転炉吹
錬方法。 (3) 火点5の最外周位置7を耐火物位置4より0.
4m以上離し、火点のオーバーラップ率を総火点面積の
30%以下とし、火点の総面積が火点の最外周を囲む円
の面積の75%以上とすることが可能で、中心孔と周囲
に6孔を有する7孔であることを特徴とする転炉用吹錬
ランス。 (4)送酸時の上吹き最大流量時のノズル入り側絶対圧
値が、該ノズルの適正膨張絶対圧の1.2〜1.8倍と
する機能を有することを特徴とする(3)記載の転炉吹
錬用ランス。
の本発明の手段は以下の通りである。 (1)中心孔と周囲に6孔を有する7孔ランス1を用
い、火点5の最外周位置7を耐火物位置4より0.4m
以上離し、火点のオーバーラップ率を総火点面積の30
%以下とし、火点の総面積が火点の最外周を囲む円の面
積の75%以上とすることを特徴とする転炉吹錬方法。 (2) (1)の方法において、送酸時の上吹き最大流
量時のノズル入り側絶対圧値が、該ノズルの適正膨張絶
対圧の1.2〜1.8倍となることを特徴とする転炉吹
錬方法。 (3) 火点5の最外周位置7を耐火物位置4より0.
4m以上離し、火点のオーバーラップ率を総火点面積の
30%以下とし、火点の総面積が火点の最外周を囲む円
の面積の75%以上とすることが可能で、中心孔と周囲
に6孔を有する7孔であることを特徴とする転炉用吹錬
ランス。 (4)送酸時の上吹き最大流量時のノズル入り側絶対圧
値が、該ノズルの適正膨張絶対圧の1.2〜1.8倍と
する機能を有することを特徴とする(3)記載の転炉吹
錬用ランス。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1に基づ
いて説明する。図1(a)はランス1のノズル2を下か
ら見た図、図1(b)は図1aのA−A矢視断面を模式
的に示した図である。(水冷構造はこの図からは省略し
ている)ランス1には中心孔とその周囲に傾斜角θの6
孔のノズル2が配置されており、計7孔構造になってい
る。ランスノズル2はラバールノズル構造であり、通常
は各ノズルとも同一のスロート径dtおよび出口径de
となっている。(各ノズルのスロート径と出口径は本発
明では必ずしも同一である必要はない。) また、図2は、図1で示したランス1を用いて吹錬を行
う場合に浴面に投影される火点5を模式的に示したもの
である。このときの火点面8の広がりを厳密に評価する
ためには、ポテンシャルコア長さや高温下で二次燃焼を
伴うフレーム内の流速分布を正確に見積もり、浴面にお
ける噴流衝突位置における衝突ガス流速分布と火点と定
義される臨界ガス流速を規定することが必要になるが、
発明者らの検討の結果、耐火物への影響などをマクロに
評価するためには、実用上、図3に示されるように、ノ
ズル内部を起点として20度で広がる円錐形状であっ
て、該円錐の面が浴面と衝突する幾何学的な面積で定義
することができることが明らかになったので、本発明に
よる火点配置は、上記手法によって定義する。
いて説明する。図1(a)はランス1のノズル2を下か
ら見た図、図1(b)は図1aのA−A矢視断面を模式
的に示した図である。(水冷構造はこの図からは省略し
ている)ランス1には中心孔とその周囲に傾斜角θの6
孔のノズル2が配置されており、計7孔構造になってい
る。ランスノズル2はラバールノズル構造であり、通常
は各ノズルとも同一のスロート径dtおよび出口径de
となっている。(各ノズルのスロート径と出口径は本発
明では必ずしも同一である必要はない。) また、図2は、図1で示したランス1を用いて吹錬を行
う場合に浴面に投影される火点5を模式的に示したもの
である。このときの火点面8の広がりを厳密に評価する
ためには、ポテンシャルコア長さや高温下で二次燃焼を
伴うフレーム内の流速分布を正確に見積もり、浴面にお
ける噴流衝突位置における衝突ガス流速分布と火点と定
義される臨界ガス流速を規定することが必要になるが、
発明者らの検討の結果、耐火物への影響などをマクロに
評価するためには、実用上、図3に示されるように、ノ
ズル内部を起点として20度で広がる円錐形状であっ
て、該円錐の面が浴面と衝突する幾何学的な面積で定義
することができることが明らかになったので、本発明に
よる火点配置は、上記手法によって定義する。
【0007】このとき、耐火物のダメージを低位に抑制
するためには、火点の最外周位置7を耐火物内壁面4よ
りも0.4m以上離した配置にする必要があり、複数の
火点5が重なるオーバーラップ面積は、全火点面積の3
0%以下とすることでキャビティーオーバーラップによ
る悪影響を抑制することができる。ここでの火点最外周
位置7とは、ランス直下の位置から最も遠い火点の位置
であり、必ずしも図2に示されるような6つの円の最外
位置が同じ距離となる配置である必要はない。また、キ
ャビティーオーバーラップ面積とは、中心孔と周囲孔の
オーバーラップ、隣り合う周囲孔のオーバーラップ面積
の総和であり、隣り合う周囲孔と中心孔の三重ラップが
ある場合は、三重ラップ部もオーバーラップ面積に加え
る。耐火物と火点の位置が0.4m未満の状態では、通
常2000℃以上になる高温火点やその上部のフレーム
からの輻射熱によって耐火物損耗が激しく、安定な吹錬
が困難なこと、また、キャビティーオーバーラップ率が
30%を超える場合には、前述の公知文献等でも記され
ているように、噴流同士の干渉に起因するスプラッシュ
による悪影響が大きくなるため、歩留り向上効果が小さ
くなる。火点と耐火物距離には上限は設けないが、通常
では4m以上になることはなく、また、オーバーラップ
率の下限値は0%の完全分離でも良い。
するためには、火点の最外周位置7を耐火物内壁面4よ
りも0.4m以上離した配置にする必要があり、複数の
火点5が重なるオーバーラップ面積は、全火点面積の3
0%以下とすることでキャビティーオーバーラップによ
る悪影響を抑制することができる。ここでの火点最外周
位置7とは、ランス直下の位置から最も遠い火点の位置
であり、必ずしも図2に示されるような6つの円の最外
位置が同じ距離となる配置である必要はない。また、キ
ャビティーオーバーラップ面積とは、中心孔と周囲孔の
オーバーラップ、隣り合う周囲孔のオーバーラップ面積
の総和であり、隣り合う周囲孔と中心孔の三重ラップが
ある場合は、三重ラップ部もオーバーラップ面積に加え
る。耐火物と火点の位置が0.4m未満の状態では、通
常2000℃以上になる高温火点やその上部のフレーム
からの輻射熱によって耐火物損耗が激しく、安定な吹錬
が困難なこと、また、キャビティーオーバーラップ率が
30%を超える場合には、前述の公知文献等でも記され
ているように、噴流同士の干渉に起因するスプラッシュ
による悪影響が大きくなるため、歩留り向上効果が小さ
くなる。火点と耐火物距離には上限は設けないが、通常
では4m以上になることはなく、また、オーバーラップ
率の下限値は0%の完全分離でも良い。
【0008】また、火点総面積とは火点の非オーバーラ
ップ面積とオーバーラップ面積の和であり、火点の最外
周を囲む円の面積の75%以上まで拡大することによ
り、効果的な歩留り低減効果が得られる。火点面積率の
上限は設定しないが、ランスのノズル間距離およびラン
ス高さから幾何学的上限値は容易に計算できる。これ
ら、火点の最外周位置やオーバーラップ率、最外周面積
内の火点総面積は、周囲孔のランス内の位置や角度、操
業中のランス高さをパラメータに適宜選択することがで
きる。
ップ面積とオーバーラップ面積の和であり、火点の最外
周を囲む円の面積の75%以上まで拡大することによ
り、効果的な歩留り低減効果が得られる。火点面積率の
上限は設定しないが、ランスのノズル間距離およびラン
ス高さから幾何学的上限値は容易に計算できる。これ
ら、火点の最外周位置やオーバーラップ率、最外周面積
内の火点総面積は、周囲孔のランス内の位置や角度、操
業中のランス高さをパラメータに適宜選択することがで
きる。
【0009】火点の総面積を火点の最外周を囲む円の面
積の75%以上とし、同時に火点のオーバーラップ率を
総火点面積の30%以下とするためには、火点面8の円
形を細密充填で配置することが必要であり、そのために
は、図2からも明らかなように中心孔と周囲に6孔を有
する7孔ランスを用いた配置が最適配置となる。
積の75%以上とし、同時に火点のオーバーラップ率を
総火点面積の30%以下とするためには、火点面8の円
形を細密充填で配置することが必要であり、そのために
は、図2からも明らかなように中心孔と周囲に6孔を有
する7孔ランスを用いた配置が最適配置となる。
【0010】更に望ましい方法は、ダストやスプラッシ
ュ、スピッティング等による歩留り低下を抑制するため
には、ランスに設置されるラバールノズルのスロート面
積と出口面積の比を、操業中の最も送酸速度の高く、メ
タルロスに最も影響のある時期においてソフトブローを
維持できる条件に設計することである。即ち、送酸時の
上吹き最大流量時のノズル入り側絶対圧値P0(MP
a)が、該ノズルの適正膨張絶対圧Pop(MPa)の
とき、P0/Popを1.2〜1.8とすることであ
る。ここで、P0(MPa)は上吹き送酸速度F(Nm
3/h)とノズルスロ―ト面積St(mm2)と流量係数
ε(通常は0.9〜1.0の範囲内)から(1)式で計
算される。P0/Popの下限値1.2未満では、適正
膨張に近づきハードブローになることから、また、1.
8を超える条件では高圧になりすぎて不適正膨張条件に
置いてもハードブローになり、何れも単位火点面積あた
りの衝突ガス流速が高くなって歩留まりロス抑制効果が
比較的小さくなる。 P0=F/(5.81×ε×St) ・・・(1) Popは、ノズル出口面積Se(mm2)とノズルスロ
―ト面積St(mm2)、ノズル出口雰囲気絶対圧Pe
(Pa)から(2)式で計算される。Peは通常の大気
圧精錬では0.1MPaである。 Se/St=0.259×(Pe/Pop)-5/7 ×{1−(Pe/Pop)2/7}-1/2・・・(2)
ュ、スピッティング等による歩留り低下を抑制するため
には、ランスに設置されるラバールノズルのスロート面
積と出口面積の比を、操業中の最も送酸速度の高く、メ
タルロスに最も影響のある時期においてソフトブローを
維持できる条件に設計することである。即ち、送酸時の
上吹き最大流量時のノズル入り側絶対圧値P0(MP
a)が、該ノズルの適正膨張絶対圧Pop(MPa)の
とき、P0/Popを1.2〜1.8とすることであ
る。ここで、P0(MPa)は上吹き送酸速度F(Nm
3/h)とノズルスロ―ト面積St(mm2)と流量係数
ε(通常は0.9〜1.0の範囲内)から(1)式で計
算される。P0/Popの下限値1.2未満では、適正
膨張に近づきハードブローになることから、また、1.
8を超える条件では高圧になりすぎて不適正膨張条件に
置いてもハードブローになり、何れも単位火点面積あた
りの衝突ガス流速が高くなって歩留まりロス抑制効果が
比較的小さくなる。 P0=F/(5.81×ε×St) ・・・(1) Popは、ノズル出口面積Se(mm2)とノズルスロ
―ト面積St(mm2)、ノズル出口雰囲気絶対圧Pe
(Pa)から(2)式で計算される。Peは通常の大気
圧精錬では0.1MPaである。 Se/St=0.259×(Pe/Pop)-5/7 ×{1−(Pe/Pop)2/7}-1/2・・・(2)
【0011】ノズル出口面積Se(mm2)、ノズルス
ロ―ト面積St(mm2)とノズル出口直径de(m
m)、ノズルスロ―ト直径dt(mm)とは、円周率を
π、ノズル孔数は7孔であることから(3)式、(4)
式の関係がある。 Se=7×π×(de/2)2 ・・・ (3) St=7×π×(dt/2)2 ・・・ (4)
ロ―ト面積St(mm2)とノズル出口直径de(m
m)、ノズルスロ―ト直径dt(mm)とは、円周率を
π、ノズル孔数は7孔であることから(3)式、(4)
式の関係がある。 Se=7×π×(de/2)2 ・・・ (3) St=7×π×(dt/2)2 ・・・ (4)
【0012】また、ここで送酸時の上吹き最大流量時と
は、処理中において最も酸素流量の多い時を指すが、送
酸速度切り替え時のオーバーシュートのような一瞬の流
量増加時に上記条件が満たされた場合などでは、処理ト
ータルの歩留り向上には寄与しないことから、処置トー
タル時間の内、10%以上の一定時間持続、または、合
計時間が10%以上になるように断続する条件を満たす
酸素流量で最も高酸素流量である時間とする。
は、処理中において最も酸素流量の多い時を指すが、送
酸速度切り替え時のオーバーシュートのような一瞬の流
量増加時に上記条件が満たされた場合などでは、処理ト
ータルの歩留り向上には寄与しないことから、処置トー
タル時間の内、10%以上の一定時間持続、または、合
計時間が10%以上になるように断続する条件を満たす
酸素流量で最も高酸素流量である時間とする。
【0013】また、上記歩留り向上を実現するための操
業方法の他に、上記操業を可能とする機能を持つランス
も本発明に属する。
業方法の他に、上記操業を可能とする機能を持つランス
も本発明に属する。
【0014】
【実施例】本発明の効果を検証するために、上底吹き転
炉を用いて脱炭処理実験を行った。溶銑の初期炭素濃度
および温度は4〜4.5質量%、1270〜1320℃
で、処理後には0.03〜0.07質量%、1630〜
1660℃であった。歩留りロス量の評価には、排ガス
冷却水中のダスト濃度を2分毎に測定して、冷却水量と
のマスバランスで測定したダスト発生起因による歩留り
ロス量と、転炉の炉下より処理後に改修した粒鉄量の測
定によるスプラッシュ、スピッティング起因の歩留りロ
ス量を足し合わせてトータルメタルロス量とし、出鋼量
に対する歩留りロスの割合を求めた。 (歩留まりロス%=メタルロスton/出鋼量ton×
100)
炉を用いて脱炭処理実験を行った。溶銑の初期炭素濃度
および温度は4〜4.5質量%、1270〜1320℃
で、処理後には0.03〜0.07質量%、1630〜
1660℃であった。歩留りロス量の評価には、排ガス
冷却水中のダスト濃度を2分毎に測定して、冷却水量と
のマスバランスで測定したダスト発生起因による歩留り
ロス量と、転炉の炉下より処理後に改修した粒鉄量の測
定によるスプラッシュ、スピッティング起因の歩留りロ
ス量を足し合わせてトータルメタルロス量とし、出鋼量
に対する歩留りロスの割合を求めた。 (歩留まりロス%=メタルロスton/出鋼量ton×
100)
【0015】ランス1は、中心孔と15度の周囲孔を6
孔配置したラバールノズル2を用い、浴面3からのラン
スギャップを3.0m一定とした。耐火物の内径は4.
0mであるのに対して前記の幾何学的火点配置より評価
した火点最外周円の直径は3.04mであり、このとき
の火点最外周位置7と耐火物4の距離は0.48m、ラ
ップ面積率は28%、火点最外周円内の火点総面積率は
83%であった。
孔配置したラバールノズル2を用い、浴面3からのラン
スギャップを3.0m一定とした。耐火物の内径は4.
0mであるのに対して前記の幾何学的火点配置より評価
した火点最外周円の直径は3.04mであり、このとき
の火点最外周位置7と耐火物4の距離は0.48m、ラ
ップ面積率は28%、火点最外周円内の火点総面積率は
83%であった。
【0016】耐火物ダメージに関する予備試験では、ラ
ンスギャップを3.5mした場合(耐火物と火点距離
0.25m)には、処理後の観察結果より耐火物の赤熱
が激しく安定操業が困難であることが分かっている。
ンスギャップを3.5mした場合(耐火物と火点距離
0.25m)には、処理後の観察結果より耐火物の赤熱
が激しく安定操業が困難であることが分かっている。
【0017】ラバールノズルの設計圧力は、0.6MP
aとし、処理中の送酸圧力は0.9MPa(適正圧力の
1.5倍)で吹錬を行った。
aとし、処理中の送酸圧力は0.9MPa(適正圧力の
1.5倍)で吹錬を行った。
【0018】10チャージの試験操業の結果、出鋼量に
対する歩留りロスは2.1%であり、通常操業(4孔1
5度ランス設計圧0.9MPa使用)での歩留りロスの
平均である3.2%の3割以上の大幅低減が実現でき
た。
対する歩留りロスは2.1%であり、通常操業(4孔1
5度ランス設計圧0.9MPa使用)での歩留りロスの
平均である3.2%の3割以上の大幅低減が実現でき
た。
【0019】また、設計圧力を0.9MPa(適正圧力
の1.0倍)としたノズルを用いた場合でも歩留りロス
は2.3%であり、通常操業よりも低位であった。
の1.0倍)としたノズルを用いた場合でも歩留りロス
は2.3%であり、通常操業よりも低位であった。
【0020】(比較例)比較例として、同様の実験を1
0度と15度の二種類の傾斜角のノズルを交互に配置し
た6孔ノズルを用いた試験を行った。ランスギャップや
送酸圧力等は実施例と同じ3.0mであり、このランス
を用いた場合には、火点最外周直径は3.04m、ラッ
プ面積率は19%であるが、火点最外周円に占める火点
面積率は、本発明で規定した範囲より小さい72%であ
る。
0度と15度の二種類の傾斜角のノズルを交互に配置し
た6孔ノズルを用いた試験を行った。ランスギャップや
送酸圧力等は実施例と同じ3.0mであり、このランス
を用いた場合には、火点最外周直径は3.04m、ラッ
プ面積率は19%であるが、火点最外周円に占める火点
面積率は、本発明で規定した範囲より小さい72%であ
る。
【0021】10chの試験の結果、歩留りロスは2.
7%であり、4孔ノズルの通常操業よりも低位の歩留り
ロスであったが、火点面積率が低いことに起因して、実
施例よりも歩留りロスが多かった。
7%であり、4孔ノズルの通常操業よりも低位の歩留り
ロスであったが、火点面積率が低いことに起因して、実
施例よりも歩留りロスが多かった。
【0022】
【発明の効果】本発明により、ダスト発生、スピッティ
ング、スプラッシュに起因する歩留りロスを、耐火物ダ
メージ等を伴わず効果的に低減することが可能になっ
た。
ング、スプラッシュに起因する歩留りロスを、耐火物ダ
メージ等を伴わず効果的に低減することが可能になっ
た。
【図1】本発明のランスの模式図。
【図2】浴面状の火点配置の模式図。
【図3】火点面積の幾何学的評価の説明図。
1 ランス 2 ノズル 3 浴面 4 耐火物内壁面 5 火点 6 火点オーバーラップ位置 7 火点最外周位置 8 火点面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 雄司 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 熊倉 政宣 大分市大字西ノ州1番地 新日本製鐵株式 会社大分製鐵所内 Fターム(参考) 4K013 CA04 CA16 CC04 FA00 4K070 AB13 AB16 BA07 BB02 CF02 DA05 EA08 EA15
Claims (4)
- 【請求項1】 中心孔と周囲に6孔を有する7孔ランス
を用い、火点の最外周位置を耐火物位置より0.4m以
上離し、火点のオーバーラップ率を総火点面積の30%
以下とし、火点の総面積が火点の最外周を囲む円の面積
の75%以上とすることを特徴とする転炉吹錬方法。 - 【請求項2】 送酸時の上吹き最大流量時のノズル入り
側絶対圧値が、該ノズルの適正膨張絶対圧の1.2〜
1.8倍となることを特徴とする請求項1記載の転炉吹
錬方法。 - 【請求項3】 火点の最外周位置を耐火物位置より0.
4m以上離し、火点のオーバーラップ率を総火点面積の
30%以下とし、火点の総面積が火点の最外周を囲む円
の面積の75%以上とすることが可能で、中心孔と周囲
に6孔を有する7孔であることを特徴とする転炉用吹錬
ランス。 - 【請求項4】 送酸時の上吹き最大流量時のノズル入り
側絶対圧値が、該ノズルの適正膨張絶対圧の1.2〜
1.8倍とする機能を有することを特徴とする請求項3
記載の転炉吹錬用ランス。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001084066A JP2002285224A (ja) | 2001-03-23 | 2001-03-23 | 転炉吹錬方法および転炉用吹錬ランス |
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JP2001084066A JP2002285224A (ja) | 2001-03-23 | 2001-03-23 | 転炉吹錬方法および転炉用吹錬ランス |
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---|---|
JP2002285224A true JP2002285224A (ja) | 2002-10-03 |
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ID=18939794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001084066A Pending JP2002285224A (ja) | 2001-03-23 | 2001-03-23 | 転炉吹錬方法および転炉用吹錬ランス |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2002285224A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR20170117168A (ko) | 2015-03-30 | 2017-10-20 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 상저취 전로의 조업 방법 |
WO2019004157A1 (ja) | 2017-06-30 | 2019-01-03 | Jfeスチール株式会社 | 転炉の操業監視方法および転炉の操業方法 |
KR102318509B1 (ko) * | 2020-05-14 | 2021-10-28 | 주식회사 포스코 | 랜스 장치 및 정련 방법 |
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- 2001-03-23 JP JP2001084066A patent/JP2002285224A/ja active Pending
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