JP5553179B2 - 転炉脱炭精錬におけるスピッティング低減法 - Google Patents

転炉脱炭精錬におけるスピッティング低減法 Download PDF

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Description

本発明は、上底吹き転炉において吹錬を行う際に発生するスピッティングを低減する方法に関する。
上底吹き転炉では、酸素上吹きランスから高速噴流の酸素ガスを溶銑の表面に吹き付けて精錬を実施している。酸素ガスが吹き付けられた溶銑の表面には、酸素ガスの圧力による凹み(「キャビティ」と称す)が形成される。このキャビティは「火点」とも呼ばれている。また、高速噴流の酸素ガスの吹付けにより、溶銑の表面から溶銑および溶融スラグの液滴が飛散する現象、所謂、スピッティングが発生し、飛散した溶銑およびスラグの一部は、転炉の炉口や炉内側壁に地金として付着し、一部は、ダストとして炉外へ散逸する。
付着した地金は操業を続けるにつれて成長し、その大きさがある限度以上になると、溶銑およびスクラップの炉内への装入の障害になるばかりでなく、吹錬中に地金が浴内へ落下したりすることで浴の成分組成や温度の変動を来たし、操業に大きな支障をもたらす。このような付着地金を適切に除去しないと、その付着地金の下側の耐火物まで損傷する危険性もある。また、ダストは、回収されて鉄源として再使用されるものの、回収工程において酸化してしまうことにより再度の還元剤が必要となり効率的ではない上に、ダストを回収するための費用を必要とする。
そこで、スピッティングの発生を軽減するための改善がこれまでにも精力的に行われてきた。
先ず、酸素上吹きランスの具体的な改善方法としては、ガス噴射ノズルの多孔化、ガス噴射ノズルの大径化、さらにはガス噴射ノズルの傾斜角度の拡大といった改善方法が代表的である。しかしながら、これらいずれの改善方法にも限界がある。
すなわち、現在一般的に使用されている酸素上吹きランスのノズル孔数は4から7程度であり、これ以上に孔数を増加させても、スピッティングのさらなる抑制効果は期待できないと言われている。これは、孔数の増加に伴って隣り合うノズル孔同士の間隔が狭くなるため、各ノズル孔から噴出した酸素ガス噴流が浴面に到達する前に集合・合体し、あたかも1つのノズル孔から噴出した噴流のような挙動を示すことによる。
ノズル孔の大径化については、スピッティングが明らかに低減される範囲までノズル孔を拡大すると、酸素ガス噴流が弱くなり過ぎ、脱炭反応効率が低下するという問題を生ずる。
さらに、ノズル傾斜角度の拡大化については、酸素上吹きランスへの地金付着を回避するために操業時の酸素上吹きランスの先端から溶銑浴面までの距離(以下「ランス高さ」とも称す)をある程度大きくする必要があることから、自ずと限界がある。例えば、ノズル傾斜角度の大きい上吹きランスを用いた操業では、酸素ガス噴流と炉壁耐火物とが近接することになり、炉壁耐火物の損耗が増加する恐れがある。
このように、従来の技術、特に酸素上吹きランスの改善によってスピッティングの発生を完全に防止することは、困難である。
そこで、特許文献1には、底吹き羽口と火点との位置関係を最適化して底吹きを改善することによりスピッティングを低減する発明が開示されている。
この発明は、酸素上吹きランスの複数のノズルからの酸素ジェットの中心軸が鋼浴面と衝突する点の直下の炉底上の点を結んでできる平面の内側だけに底吹き羽口を配置した上底吹き転炉を用いることによって、上吹き酸素噴流の運動エネルギーを底吹きガスの運動エネルギーにより相殺してスピッティングを低減するものである。
特開平5−98331公報
上述のように、上吹き酸素噴流の運動エネルギーを底吹きガスの運動エネルギーで相殺させるためには、底吹き羽口と火点との位置関係に加えて、底吹きガス流量についても考慮すべきである。例えば、底吹き羽口が1本である場合と4本である場合とでは、羽口1本当たりのガス流量に大きな差異があるため、全く異なる浴面流動が生じる。よって、各底吹き羽口からの底吹きガスがスピッティングの発生源であるキャビティに及ぼす影響も大きく異なるはずである。しかしながら、特許文献1には、底吹き羽口を設置する領域しか開示されていない。
すなわち、上吹きランスの多孔ノズルからの酸素ジェットの中心軸が浴面と衝突する点との関係を考慮しつつ、底吹き羽口の数および配列を最適化することにより、より優れたスピッティング低減効果を得られる可能性があると考えられる。
本発明の目的は、酸素上吹きランスと底吹き羽口を有する上底吹き転炉を用いて吹錬を行う際に発生するスピッティングを低減する方法を提供することであり、具体的には、酸素上吹きランスの複数のノズルからの酸素ジェットの中心軸が浴面と衝突する点との関係を考慮した上で、適切な底吹き羽口の数および配列の条件を定めて、スピッティングを効果的に低減する方法を提供することである。
スピッティングは、キャビティの周囲から発生する。そこで、本発明者らは、キャビティの周囲の浴面付近の流動状態がスピッティングの発生に影響すると考えて鋭意検討を重ねた結果、キャビティとの位置関係において、スピッティングの低減に有効な領域に底吹き羽口を設置した上で、底吹き羽口の数を酸素上吹きランスのノズルの設置数と同数とすること、さらには、上底吹き転炉の炉底の中心から各底吹き羽口の中心を結ぶ線分の方向と、炉底の中心から上吹き噴流と溶銑静止浴面の交点直下を結ぶ線分の方向とを一致させることによって、スピッティングをより効果的に抑制できることを知見した。
酸素上吹きランスは、その中心軸上に設置することがある1孔を除き、通常4〜6個程度の酸素吹き出しノズル(本明細書では単に「ノズル」という)を有しており、それらの4〜6個程度の各ノズルの中心軸はランス中心軸に対して同じ角度θを有して傾斜して配置されている。酸素上吹きランスと鋼浴面との距離をHとすると、各ノズルから噴射される酸素噴流は、鋼浴面中心からHtanθの位置で該浴面と衝突し、これにより、キャビティが生じる。鋼浴面に衝突した後の酸素は浴中の炭素と反応してCOガスを生成し、そのCOガスがキャビティ外周付近から上方へ噴出するため、キャビティ外周部分の溶鋼はCOガスに引きずられて上方へ流れる。この上吹き噴流による激しい浴面流動によって千切れたキャビティ外周部の溶鋼が、スピッティングとなる。なお、転炉脱炭吹錬の進行に伴い溶銑は溶鋼へと連続的に変化して行くものなので、本明細書において単に「溶鋼」というとき、それは「溶銑ないし溶鋼」を意味している。
一方、底吹き羽口から吹き込まれるガスも激しい上昇流を形成し、その上昇流が上吹き酸素による上昇流と干渉する。この干渉の仕方によってはスピッティングが激しく増加する。これを回避するためには、特許文献1に開示されるように、底吹き羽口を上吹き酸素と鋼浴面の各衝突点を直線で結んでできる平面の内側に設けることが確かに有効である。
一例として、図1に、上底吹き転炉1において、中心軸上以外に4個のノズルを設けた酸素上吹きランス4で酸素ガスを上吹きするとともに4本の底吹き羽口2−1〜2−4でガスを底吹きした場合の、炉底3における底吹き羽口2−1〜2−4および炉底中心Xを、4個のノズルからの上吹き酸素噴流と静止浴面との各衝突点(本明細書で「火点中心」と言うことがある。)5−1〜5−4の炉底3への投影位置とともに、平面図を用いて示す。
また、図1に示した炉底3の中心Xおよび各火点の中心5−1〜5−4の炉底への投影位置と共に、図2(a)には、上底吹き転炉1−1において中心軸上以外にノズルを4個設けた酸素上吹きランス(図1に破線により示す酸素上吹きランス4と同じであるので、図2(a)〜図2(c)では省略する)で酸素ガスを上吹きするとともに3本の底吹き羽口2−1〜2−3でガスを底吹きした場合の、炉底3における底吹き羽口2−1〜2−3を示し、図2(b)には、上底吹き転炉1−2において酸素上吹きランス4で酸素ガスを上吹きするとともに5本の底吹き羽口2−1〜2−5でガスを底吹きした場合の、炉底3における底吹き羽口2−1〜2−5を示し、さらに、図2(c)には、上底吹き転炉1−3において酸素上吹きランス4で酸素ガスを上吹きするとともに6本の底吹き羽口2−1〜2−6でガスを底吹きした場合の、炉底3における底吹き羽口2−1〜2−6を示す。
なお、図1、2において、○印は4個のノズルからの上吹き酸素噴流と静止浴面との各衝突点(火点中心)5−1〜5−4の炉底への投影位置を示し、□印は底吹き羽口2−1〜2−6の位置を示し、●印は炉底の中心Xを示す。
4個のノズルからの上吹き酸素噴流と静止浴面との衝突点(火点中心)5−1〜5−4を結ぶ円6の半径R(m)は、具体的に炉底3の中心Xから各ノズルの中心軸と溶銑静止浴面との交点直下の炉底までの距離とし、酸素上吹きランス4の先端から溶銑静止浴面までの距離H(m)と、酸素上吹きランス4の中心軸と各ノズルの中心軸とがなす角θとから、R=Htanθにより算出される値とする。
また、底吹き羽口の数がN個である場合の各底吹き羽口の中心Bと炉底3の中心Xとの距離をそれぞれrとする。
さらに、酸素上吹きランスの中心軸上以外に配置されるノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとが同数の場合(n/N=1、図1参照)に、各ノズルの中心軸と静止浴面との交点直下の炉底3の位置をPとし、さらに、各位置Pとの距離が最も小さい底吹き羽口の中心位置をBとしたときに、線分PXと線分BXとがなす角をα(°)とする。
本発明で用いる上底吹き転炉1は、酸素上吹きランス4の中心軸上以外に配置されるノズルの設置数nを一般的な4〜6個(図1は4個の場合を示す)として、底吹き羽口の設置数Nをそれと同数の4〜6個(図1は4個の場合を示す)とし、各ノズルからの酸素噴流と鋼浴との衝突点は同一の円6の円周上に位置する。そして、特許文献1が示す平面内で、さらに限定された範囲にノズルの設置数と同数の底吹き羽口を設置することによりスピッティングを大幅に低減できる。
本発明は、酸素上吹きランスと底吹き羽口を有する上底吹き転炉を用いる溶銑の脱炭吹錬に際してスピッティングを低減する方法であって、図1に例示するように、底吹き羽口2−1〜2−4を、上底吹き転炉1の炉底3に、炉底3の中心Xと各底吹き羽口2−1〜2−4の中心とを結ぶ線分が互いに等角度となるように4〜6個並べて設置しておくとともに、酸素上吹きランス4を、酸素上吹きランス4の中心軸に対して各ノズルの中心軸が同一の角度をなしているノズルであって、底吹き羽口2−1〜2−4の設置数と同数のノズルを先端に備えるように、かつ、酸素上吹きランス4の中心軸と前記各ノズルの中心軸とがなす角度、および酸素上吹きランス4の先端から溶銑静止浴面までの距離が、底吹き羽口2−1〜2−4の全部について(1)式:0.3≦r/R≦0.9、および(2)式:R=Htanθを満たすように、かつ、炉底3の中心Xとノズルの中心軸および溶銑静止浴面の交点直下の炉底とを結ぶ線分と、炉底3の中心Xとノズルの中心軸および溶銑静止浴面の交点直下の炉底に最も近い底吹き羽口の中心とを結ぶ線分とがなす角度α が、底吹き羽口2−1〜2−4の全部について(3)式:−10°≦α ≦10°を満足するように調整して、吹錬することを特徴とする溶銑の脱炭吹錬時のスピッティングを低減する方法である。
ただし、(1)式および(2)式において、r:上底吹き転炉1の炉底3の中心Xから各底吹き羽口の中心までの距離(m)、R:上底吹き転炉1の炉底3の中心Xから各ノズルの中心軸と溶銑静止浴面との交点直下の炉底Pまでの距離(m)、H:酸素上吹きランス4の先端から溶銑静止浴面までの距離(m)、θ:酸素上吹きランス4の中心軸と各ノズルの中心軸とがなす角度(°)である。
3)式における角度αは、線分PXと線分BXとがなす角度(°)であり、線分PXと線分BXとが一致する場合に0°であり、任意の一の方向にずれる場合に正の値をとり、これとは反対の方向へずれる場合に負の値をとることとする。
本発明により、上底吹き転炉において吹錬を行う際に発生するスピッティングを低減することが可能になる。
図1は、上底吹き転炉において、中心軸上以外にノズルを4個設けた酸素上吹きランスで酸素ガスを上吹きするとともに底吹き羽口4本でガスを底吹きした場合の炉底においての、各上吹き酸素噴流と浴面との衝突点(火点中心)の直下、各底吹き羽口および炉底の中心をそれぞれ示す説明図である。 図2(a)は、上底吹き転炉において中心軸上以外にノズルを4個設けた酸素上吹きランスで酸素ガスを上吹きするとともに3本の底吹き羽口でガスを底吹きした場合に、炉底における、各上吹き酸素噴流と浴面との衝突点(火点中心)の直下、各底吹き羽口および炉底中心を示す説明図であり、図2(b)は、上底吹き転炉において中心軸上以外にノズルを4個設けた酸素上吹きランスで酸素ガスを上吹きするとともに5本の底吹き羽口でガスを底吹きした場合に、炉底における、各上吹き酸素噴流と浴面との衝突点(火点中心)の直下、各底吹き羽口および炉底中心を示す説明図であり、さらに、図2(c)は、上底吹き転炉において中心軸上以外にノズルを4個設けた酸素上吹きランスで酸素ガスを上吹きするとともに6本の底吹き羽口でガスを底吹きした場合に、炉底における、各上吹き酸素噴流と浴面との衝突点(火点中心)の直下、各底吹き羽口および炉底中心を示す説明図である。 図3(a)は、ノズルの設置数n=4の酸素上吹きランスを用いたときの、ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)とスピッティング発生量Spとの関係を、底吹き無しの場合のスピッティング発生量Spを基準値1とし、他の条件でのスピッティング発生量Spをその相対値としてまとめて示すグラフであり、図3(b)は、ノズルの設置数n=5の酸素上吹きランスを用いたときの、ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)とスピッティング発生量Spとの関係を、底吹き無しの場合のスピッティング発生量Spを基準値1とし、他の条件でのスピッティング発生量Spをその相対値としてまとめて示すグラフであり、さらに、図3(c)は、ノズル数n=6の酸素上吹きランスを用いたときの、ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)とスピッティング発生量Spとの関係を、底吹き無しの場合のスピッティング発生量Spを基準値1とし、他の条件でのスピッティング発生量Spをその相対値としてまとめて示すグラフである。 図4(a)は、ノズル設置数n=4かつ底吹き羽口の設置数N=4の条件において、比(r/R)がスピッティング発生量Spに及ぼす影響を調べた結果をまとめて示すグラフであり、図4(b)は、ノズルの設置数n=5かつ底吹き羽口の設置数N=5の条件において、比(r/R)がスピッティング発生量Spに及ぼす影響を調べた結果をまとめて示すグラフであり、さらに、図4(c)は、ノズルの設置数n=6かつ底吹き羽口の設置数N=6の条件において、比(r/R)がスピッティング発生量Spに及ぼす影響を調べた結果をまとめて示すグラフである。
本発明を実施するための形態を説明する。
本発明では、酸素上吹きランスと底吹き羽口を有する上底吹き転炉を用いて溶銑を脱炭吹錬し、溶鋼を製造する際に発生するスピッティングを低減する。
溶銑の種類は特に問わないが、炭素が3.5質量%以上含有されているものとする。溶銑とスクラップとを主原料として併用する場合もあるが、主原料中の溶銑比率が90質量%以上であれば、本発明の技術的範囲に影響を及ぼすことはない。脱炭吹錬後に製造される溶鋼に関しても、溶鋼中炭素濃度が0.30質量%以下であること以外には、特に制限はない。
本発明では、脱炭吹錬時間(上吹き酸素の供給時間)も、通常の6〜15分間の範囲としてよいが、スピッティング低減を目的とする本発明の効果が発揮され易いのは、6〜10分間の高速吹錬時である。対応する上吹き酸素流量は、一般に対象溶鋼トン当たりで2.5〜6.0Nm/minであるが、高速吹錬時には4.0〜6.0Nm/minとなる。底吹き攪拌ガスの流量は、N、ArやCOの場合には対象溶鋼トン当たりで0.02〜0.30Nm/minであるが、COを用いる場合にはそれらの1/2の流量が適当である。
脱炭吹錬では、酸素上吹きランスの先端に、ノズルの中心軸が酸素上吹きランスの中心軸に対し同一の角度θで傾斜して配置される酸素吹き出しノズルを4〜6個(図1は4個の場合を示す)有する酸素上吹きランスを用いる。この角度θは、通常8〜15°であり、角度θで上吹き酸素噴流の中心軸が拡がって、その中心軸と静止浴面とが衝突する点を中心として吹錬中に火点が形成される。
角度θで設置されている4〜6個のノズル以外にも、酸素上吹きランスの先端のランスの中心軸上に、上記4〜6個のノズルと同径以下のノズル(図示しない)を1個有していてもよい。このような中心軸上のノズルから噴出される酸素噴流は、角度θを有する4〜6個のノズルから噴出される酸素噴流が形成する火点の拡がりに、殆ど影響を及ぼさないからである。
このような、先端にノズルの中心軸がランスの中心軸に対し同一の角度θであるノズルを4〜6個有し、さらに中心軸上にノズルを0〜1個有する酸素上吹きランスは、溶銑の脱炭吹錬において慣用されるものである。
本発明では、酸素上吹きランスの先端から溶鋼静止浴面までの距離H(m)に対し、Htanθで計算される距離R(m)を、炉底に設置する底吹き羽口の位置との関係で管理する。なお、酸素上吹きランスの中心軸は、通常、図1に示すように、上底吹き転炉1の炉底3の中心Xを通るものである。
以下、「図1に示した転炉1を用いて本発明を実施する形態」を例にとってさらに説明する。
本発明で用いる上底吹き転炉1は、炉底3に4〜6個(図1では4個の場合を示す)の底吹き羽口2−1〜2−4を有しており、その底吹き羽口2−1〜2−4の設置数は、上記した酸素上吹きランスの中心軸に対し角度θを有するノズル4−1〜4−4の設置数と一致している。
その各底吹き羽口2−1〜2−4の炉底3での位置(煉瓦上面での位置)は、いずれも、上底吹き転炉1の炉底3の中心Xから上記したHtanθで計算される距離R(m)を半径とする円6の内側に存在し、その各底吹き羽口2−1〜2−4の炉底3での位置と炉底3の中心Xとの距離r(m)と、距離R(m)との関係が底吹き羽口の全部について0.3≦r/R≦0.9を満たすようにして吹錬する。
距離rの値は、各底吹き羽口2−1〜2−4毎に異なっていても構わないが、炉底3の中心Xと上吹き酸素噴流の中心軸が静止浴面と衝突する点直下の炉底Pとを結ぶ線分PXと、炉底3の中心X、および衝突する点直下に最も近い炉底3の底吹き羽口の中心Bを結ぶ線分BXとのなす角度αが、底吹き羽口の全部について−10°≦α≦10°の関係を満たすようにすることが、スピッティングの低減効果を一層高めることができるので好ましい。
一般に、炉底3の底吹き羽口の位置は、上底吹き転炉1の使用を開始した後では変更が容易でないので、従来の操業における酸素上吹きランス4の使用状況(ノズルの設置数や距離R等)を勘案して、0.3≦r/R≦0.9を満たすことができるように築炉時に設置しておく。距離Rの値は、上底吹き転炉1の使用開始後でも、酸素上吹きランス4の変更(角度θが異なる酸素上吹きランスへの変更)や、酸素上吹きランス4および湯面間距離Hの調整等によって、柔軟に調整することができる。
また、底吹き羽口の配列は、酸素上吹きランス4の中心軸に対して角度θを有するノズルを4〜6個有する酸素上吹きランス4を複数の転炉で共通して用いることができるように、炉底3の中心Xと各底吹き羽口2の中心Bとを結ぶ線分BXが互いに等角度となるように並べておく。各ノズルからの酸素吹き出し方向も酸素上吹きランス4の軸中心に対して等角度となるように設置しておけば、上記の角度αの調整が容易になるからである。
次に、本発明に係る諸要件を調査検討した内容に関して、以下に詳細に説明する。
(1)共通する調査条件
上底吹き転炉内に炭素を3.8質量%有する溶銑2tをそれぞれ装入し、上吹き酸素流量を8.0Nm/minとするとともに底吹きAr流量を0.50Nm/minとして、9〜10分間の脱炭吹錬を行い、炭素濃度が0.3質量%以下の溶鋼を製造した。使用した上底吹き転炉の浴面の半径は1.0mである。
酸素上吹きランスのノズルの設置数nは通常よく用いられている4〜6とし、酸素上吹きランスの中心軸に対するノズルの中心軸の傾斜角度θは15°のものを用いた。この酸素上吹きランスは、その中心軸上にはノズルを設けられていないものである。酸素上吹きランスの先端と浴面との間の距離Hを0.5mとした場合には、上吹き酸素噴流の中心軸と浴面との衝突位置は、酸素上吹きランスの軸中心から約0.134m離れた位置であったこととなる。
底吹き羽口の設置数Nは、図1、2に示したように3〜6本として、ノズルの設置数nや、酸素上吹きランスの先端と鋼浴面との間の距離Hを変更して、吹錬中の上底吹き転炉内へ鉄製の箱を装入して採取した飛散溶鉄の重量をスピッティング発生量として、その変化との関係を調べた。
(2)ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)がスピッティング量Spに及ぼす影響
酸素上吹きランスの先端と鋼浴面との間の距離Hを0.5mと一定にし、各底吹き羽口の炉底での位置と炉底の中心との距離r(m)と、距離R=0.134mとの比(r/R)が0.30〜0.90となる範囲で、ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)がスピッティング量Spに及ぼす影響を調査検討した。
ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとが同じである場合、すなわち、比(n/N)が1の場合(図1に示す上底吹転炉1参照)には、炉底の中心と各底吹き羽口の中心Bとを結ぶ線分BXと、炉底の中心Xと各上吹き酸素噴流の中心軸が静止溶湯面と衝突する点直下の炉底Pとを結ぶ線分PXとがなす角度αは0°になるようにしてある。
先ず、ノズルの設置数n=4の酸素上吹きランスを用いたときの、ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)とスピッティング発生量Spとの関係を、底吹き無しの場合のスピッティング発生量Spを基準値1とし、他の条件でのスピッティング発生量Spをその相対値として図3(a)にグラフにまとめて示す。
図3(a)にグラフで示すように、比(r/R)が0.60である場合、底吹き羽口の設置数Nが6、5、3(比(n/N)がそれぞれ0.67、0.80、1.33)のときには、スピッティング発生量Spは0.91〜0.97と不芳であった。これに対し、底吹き羽口の設置数Nが4で、比(n/N)が1の場合には、スピッティング発生量Spは0.58となり、他の場合に比べて約2/3に著しく改善された。
また、比(r/R)が0.30または0.90の場合でも、底吹き羽口の設置数Nが4で、スピッティング発生量Spはそれぞれ0.62と0.55であり、比(r/R)が0.60の場合と同等のレベルに改善された。
次に、ノズルの設置数n=5、6の酸素上吹きランスをそれぞれ用いたときの、ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)とスピッティング発生量Spとの関係を、図3(a)と同様に、それぞれ図3(b)、図3(c)にグラフにまとめて示す。
図3(b)、図3(c)にグラフで示すように、ノズル設置数n=5、6のいずれの場合であっても、ノズル設置数n=4の場合と同様に、比(r/R)が0.30〜0.90の範囲で、ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)が1の条件において、他の条件に比べてスピッティング発生量Spが約2/3に減少していることが分かった。
以上の調査検討の結果、ノズルの設置数nが4〜6の場合には、比(r/R)が0.30〜0.90の範囲で、ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)を1とすれば、スピッティング発生量Spの低減に有効であることが確認された。
(3)ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)が1の場合に、比(r/R)がスピッティング発生量Spに及ぼす影響
ノズルの設置数nが4〜6の条件で、ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)を1としたときに、比(r/R)がスピッティング発生量Spに及ぼす影響を調査検討した。
先ず、ノズル設置数n=4かつ底吹き羽口の設置数N=4の条件において、比(r/R)がスピッティング発生量Spに及ぼす影響を調べた結果を、図4(a)にグラフにまとめて示す。
炉底での4個の底吹き羽口の中心位置Bと炉底の中心Xとの距離rが全て同一の場合、図3(a)にも示したように、比(r/R)が0.3〜0.9の範囲でスピッティング発生量Spは約0.6と良好であった(図4(a)の◆印参照)。
また、炉底での4個の底吹き羽口の中心位置Bと炉底の中心Xとの距離rが全て同一でなくとも、各羽口についての比(r/R)がいずれも0.3〜0.9の場合には、スピッティング発生量Spは0.62と良好であった(図4(a)の◇印参照。横軸の数値は、各羽口についての比(r/R)の平均値)。
これに対し、炉底での4個の底吹き羽口の中心位置Bと炉底の中心Xとの距離rが全て同一であっても、比(r/R)が0.20または0.95の場合には、スピッティング発生量Spはそれぞれ0.95と0.96と不芳であった(図4(a)の▲印参照)。
次に、ノズルの設置数n=5、6の条件においても、ノズルの設置数n=4の条件と同様に比(r/R)がスピッティング発生量Spに及ぼす影響を調べた結果を、それぞれ図4(b)と図4(c)にグラフにまとめて示す。
図4(b)にグラフで示すように、炉底での5個の底吹き羽口の中心位置Bと炉底の中心Xとの距離rが全て同一である場合、図3(b)にも示したように、比(r/R)が0.3〜0.9の範囲でスピッティング発生量Spは約0.6と良好であった(図4(b)◆印参照)。
また、炉底での5個の底吹き羽口の中心位置Bと炉底の中心Xとの距離rが全て同一でなくとも、比(r/R)が0.3〜0.9の場合にはスピッティング発生量Spは0.62と良好であった(図4(b)の◇印参照。横軸の数値は、各羽口についての比(r/R)の平均値)。
これに対し、炉底での5個の底吹き羽口の中心位置Bと炉底の中心Xとの距離rが全て同一であっても、比(r/R)が0.20または0.95の場合には、スピッティング発生量Spはそれぞれ0.95と0.96と不芳であった(図4(b)の▲印参照)。
さらに、図4(c)に示すように、炉底での6個の底吹き羽口の中心位置Bと炉底の中心Xとの距離rが全て同一である場合、図3(c)にも示したように、比(r/R)が0.3〜0.9の範囲でスピッティング発生量Spは約0.6と良好であった(図4(c)の◆印参照)。
また、炉底での6個の底吹き羽口の中心位置Bと炉底の中心Xとの距離rが全て同一でなくとも、比(r/R)が0.3〜0.9の場合にはスピッティング発生量Spは0.62と良好であった(図4(c)の◇印参照。横軸の数値は、各羽口についての比(r/R)の平均値)。
これに対し、炉底での6個の底吹き羽口の中心位置Bと炉底の中心Xとの距離rが全て同一であっても、比(r/R)が0.20または0.95の場合、スピッティング量Spはそれぞれ0.95と0.96と不芳であった(図4(c)の▲印参照)。
以上の調査検討の結果、ノズルの設置数nが4〜6において、ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)を1とした場合にあっても、各羽口に関して比(r/R)が0.30〜0.90の範囲から外れた条件では、スピッティング発生量Spの低減効果が失われてしまうことが分かった。
(4)炉底の中心Xとノズルの中心軸および溶銑静止浴面の交点直下の炉底Pとを結ぶ線分PXと、炉底の中心Xとノズルの中心軸および溶銑静止浴面の交点直下の炉底Pに最も近い底吹き羽口の中心Bとを結ぶ線分BXとがなす角度αがスピッティング発生量Spに及ぼす影響
従来の上底吹き転炉を用いた吹錬では、底吹き羽口の設置位置を、炉底の中心Xとノズルの中心軸および溶銑静止浴面の交点直下の炉底Pとを結ぶ線分PXと、炉底の中心とノズルの中心および溶銑静止浴面の交点直下の炉底Pに最も近い底吹き羽口の中心Bとを結ぶ線分BXとがなす角度αを用いて管理した例は、ない。
しかし、本発明を完成させるための調査で、ノズルの設置数nが4〜6において、ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)が1とし、かつ、比(r/R)が0.3〜0.9の範囲とした条件であっても、角度αがスピッティング発生量Spに影響を及ぼしている可能性が見出された。
そこで、表1〜3にノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)を1とし、かつ、比(r/R)を0.60とした条件で、角度αを0°〜±15°の範囲で変更して、角度αがスピッティング発生量Spに及ぼす影響を調査した結果を示す。
表1は、酸素上吹きランスのノズルの設置数、および底吹き羽口の設置数がいずれも4であり、比(r/R)=0.6とした場合の結果である。角度α〜αをそれぞれ0°、10°、5°、−5°としたとき、スピッティング発生量Spは底吹き無しの場合に比べて半減していた。
Figure 0005553179
表2は、酸素上吹きランスのノズルの設置数、および底吹き羽口の設置数がいずれも5であり、比(r/R)=0.6とした場合の結果である。角度α〜αをそれぞれ5°、−10°、0°、10°、5°、−5°としたとき、スピッティング発生量Spは底吹き無しの場合に比べて半減していた。
Figure 0005553179
表3は、酸素上吹きランスのノズル数、および底吹き羽口の設置数がいずれも6であり、比(r/R)=0.6とした場合の結果である。比(r/R)=0.3〜0.9で角度α〜αをそれぞれ−5°、5°、0°、−10°、10°、0°としたとき、スピッティング発生量Spは底吹き無しの場合に比べて半減していた。
Figure 0005553179
これらのことから、角度αが底吹き羽口毎にそれぞれ異なる場合にも、比(n/N)=1.0、かつ比(r/R)=0.6で、角度αが−10°以上10°以下を満足すれば、スピッティングの低減効果が得られることが分かった。
一方、表4〜6は、それぞれノズルの設置数4〜6、比(n/N)=1.0で、比(r/R)=0.6とした場合の結果であるが、全羽口に関して角度αを15°としたときのスピッティング発生量Spはそれぞれ0.84、0.84、0.87であり、底吹き無しの場合よりはスピッティング発生量Spは大きく減少しているものの、角度αが−10°以上10°以下である表1〜3の結果に比べてスピッティング発生量Spの減少量は小さかった。
Figure 0005553179
Figure 0005553179
Figure 0005553179
したがって、ノズルの設置数nが4〜6において、ノズルの設置数nと底吹き羽口の設置数Nとの比(n/N)を1とし、かつ、比(r/R)を0.60とした条件であっても、さらに、全羽口に関して角度αを−10°以上10°以下とすることによって、スピッティングの低減効果が一層高まることがわかった。
この調査結果は、図3〜4に示した結果に基づき、比(r/R)が0.3〜0.9の範囲で当て嵌まると考えられる。
次に、本発明を、実施例を参照しながらより具体的に説明する。
本発明を、300t規模の上底吹き転炉を用いて実施した。その際、主原料には質量濃度でC:4.4〜4.5%、Si:0.2〜0.5%、Mn:0.2〜0.4%、P:0.100〜0.120%を含有する溶銑約260tと、スクラップ約20tとを用い、上吹き酸素流量を溶銑1トン当たり3.0〜5.0Nm/min、底吹きAr流量を同じく0.2〜0.3Nm/minとして、質量濃度でC:0.05〜0.08%、Si≦0.01%、Mn:0.1〜0.2%、P:0.015〜0.025%の溶鋼を製造し、スピッティング発生量を、吹錬10回当たりの炉口地金付着量(kg)で評価した。
[本発明例1]
本発明例1では、底吹き羽口は、図2(c)に示すように炉底3の中心Xから600mmの位置に6個設置し、それに合わせて、酸素上吹きランスは、その中心軸に対して各ノズルの中心軸が同一の角度15°をなすノズルをランス先端に6個備えたものを選び、酸素上吹きランスの先端から溶銑静止浴面までの距離Hが0.3≦r/Htan15°≦0.9の条件を満たすべく、2500〜3500mmの範囲で調整して吹錬した。
なお、本発明例1においては、本発明において(3)式で管理する角度αを、6本の全ノズルについて15°とした。
[本発明例2]
本発明例2では、本発明例1の操業に続いて同一の上底吹き転炉で脱炭吹錬したが、その開始前に酸素上吹きランスを交換して、本発明において(3)式で管理する角度αを、6本の全ノズルについて0°となるように調整した。
[比較例1]
比較例1では、本発明例2の操業に続いて同一の上底吹き転炉で脱炭吹錬したが、その開始前に6本の底吹き羽口のうちの1本を詰めて5本とした。酸素上吹きランスは、交換しなかったので、本発明において(3)式で管理する角度αを、6本の全ノズルのうち5本に関して0°に調整したままとした。
結果を表7にまとめて示す。
Figure 0005553179
表7に示すように、本発明例1、2の上底吹き転炉の炉口部への付着地金量は、10チャージ吹錬した後の実測値でそれぞれ260kg、200kgであり、比較例1の310kgよりも大幅に低減されていた。
これらの結果から、酸素上吹きランスのノズルの設置数と底吹き羽口の設置数とを一致させた上で、比(r/R)を0.3以上0.9以下の範囲で脱炭吹錬することによってスピッティングを減少でききることが確認された。
さらに、角度αを−10°以上10°以下に調整することによって、スピッティングを一層減少させることができることも確認された。
1、1−1、1−2、1−3 上底吹き転炉
2−1〜2−6 底吹き羽口
3 炉底
4 酸素上吹きランス
5−1〜5−4 ノズルからの上吹き酸素噴流と静止浴面との衝突点(火点の中心位置)
6 ノズルからの上吹き酸素噴流と静止浴面との衝突点を結ぶ円
X 炉底の中心
R 円6の半径
H 酸素上吹きランスの先端から溶銑静止浴面までの距離
θ 酸素上吹きランスの中心軸と各ノズルの中心軸とがなす角度
ノズルの中心軸と静止浴面との交点直下の炉底の位置
位置Pとの距離が最も小さい底吹き羽口の中心
底吹き羽口の中心と炉底の中心との距離
n ノズルの設置数
N 底吹き羽口の設置数
α 線分PXと線分BXとがなす角度

Claims (1)

  1. 酸素上吹きランスと底吹き羽口を有する上底吹き転炉を用いる溶銑の脱炭吹錬に際してスピッティングを低減する方法であって、
    記底吹き羽口、前記上底吹き転炉の炉底に、該炉底の中心と前記各底吹き羽口の中心とを結ぶ線分が互いに等角度となるように4〜6個並べて設置しておくとともに、
    前記酸素上吹きランスを、該酸素上吹きランスの中心軸に対して各ノズルの中心軸が同一の角度をなしているノズルであって、前記底吹き羽口の設置数と同数のノズルを先端に備えるように、かつ、
    前記酸素上吹きランスの中心軸と前記各ノズルの中心軸とがなす角度、および該酸素上吹きランスの先端から溶銑静止浴面までの距離が、前記底吹き羽口の全部について下記(1)式および(2)式を満たすように、かつ、
    前記炉底の中心と前記ノズルの中心軸および溶銑静止浴面の交点直下の炉底とを結ぶ線分と、該炉底の中心と前記ノズルの中心軸および溶銑静止浴面の交点直下の炉底に最も近い底吹き羽口の中心とを結ぶ線分とがなす角度が、前記底吹き羽口の全部について下記(3)式を満足するように調整して、吹錬すること
    を特徴とする溶銑の脱炭吹錬時のスピッティングを低減する方法。
    0.3≦r/R≦0.9 ・・・・・(1)
    R=Htanθ ・・・・・・(2)
    ただし、(1)式および(2)式において、
    :前記上底吹き転炉の炉底の中心から前記各底吹き羽口の中心までの距離(m)
    R:前記上底吹き転炉の炉底の中心から前記各ノズルの中心軸と溶銑静止浴面との交点直下の炉底までの距離(m)
    H:前記酸素上吹きランスの先端から溶銑静止浴面までの距離(m)
    θ:前記酸素上吹きランスの中心軸と前記各ノズルの中心軸とがなす角度(°)
    である。
    −10°≦α ≦10° ・・・・・(3)
    ただし、(3)式において、α :前記角度である。
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