JP6358454B2 - 上底吹き転炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炉壁耐火物の損耗とダストの発生を抑制しようとするときに有効な上底吹き転炉の操業方法に関する。
上底吹き転炉の操業、とくに脱炭精錬に当たっては、生産性の向上を図るために、単位時間当たりの酸素ガス供給量を増やした操業が行なわれる。ただし、酸素ガスの供給量を増やすことは、鉄分がダストとして飛散し易くなることを意味しており、それが周辺の機器あるいは炉側壁や炉口付近に付着する現象がある。このダストは、炉内で発生する気泡が溶鉄浴面から粒鉄を伴って離脱することによって発生するもの(いわゆる「バブルバースト」)と、鉄原子が蒸発することによって発生するもの(いわゆるヒューム)とに大別され、脱炭精錬が進行するにつれて、その発生割合は変化することが知られている。
なお、前記脱炭精錬において、溶銑は、その中の炭素が脱炭反応が進行するにつれて次第に減少するため、最終的には溶鋼となるが、溶銑の段階と溶鋼の段階を明確に区別することができないので、以下では溶銑と溶鋼を総称して「溶鉄」と言う。
飛散したダスト(鉄分)は、いずれの原因で発生したものであっても回収され、再び鉄源として再利用される。しかし、ダストからの鉄分の回収は、作業費が嵩むことや、上底吹き転炉の稼働率の低下を招くという問題がある。そのため、従来、上底吹き転炉の脱炭精錬時における操業では、ダストの発生を抑制することが検討されている。
例えば、特許文献1には、上吹きランスの各ランスノズルから噴射される酸素ジェットが溶鉄浴面に衝突することによって形成される2000℃を超える高温反応領域(いわゆる「火点」)に着目した技術が開示されている。即ち、互いに隣り合う火点同士が重なり合う状態をオーバーラップ率という指標値で定義し、その値が20%以下となるように上吹きランスからの酸素ジェットの噴射角度を調整することによって、ダスト発生を抑制する方法である。
また、特許文献2には、中心孔を含めて7孔を有する上吹き多孔ランスを用いて、オーバーラップ率を30%以下とするとともに、火点の最外周で囲まれる面積に占める火点の総面積の割合を75%以下となるように上吹きランスからの酸素ジェットの噴射角度を調整することによって、ダストを抑制する技術が開示されている。
これらの技術は、上吹きランスから噴射される酸素ジェットの相互干渉を抑制することによって、バブルバーストに起因するダストの発生を抑えるものである。しかしながら、ヒユームに起因するダストを抑えるために有効な技術とは言えない。
一方、脱炭精錬において、上底吹き転炉内に収容された溶鉄は、上吹きランスから噴射される酸素ジェットや底吹き羽口から供給される攪拌用ガス(たとえば不活性ガス、酸化性ガス等)によって揺動することが知られている。その溶鉄の揺動は、ダスト(とりわけバブルバーストに起因するダスト)の飛散を助長する。従って、溶鉄の揺動や炉体の振動を抑えることは、ダストの発生を抑えるために重要と言えるのである。また、炉体の振動の抑制は、設備故障を防止する効果もある。
特許文献3には、上吹きランスから噴射される酸素ジェットによって形成される火点と、底吹き羽口から供給される攪拌用ガスが浮上する領域とが重複しないように、酸素ジェットの噴射角度を20〜30°の範囲に調整することによって、炉体の振動を抑える技術が開示されている。しかし、酸素ジェットの噴射角度を過剰に増加させると、上底吹き転炉の耐火物が損耗し易くなる。
なお、溶鉄や溶融スラグの飛散(いわゆるスロッピング)は、バブルバーストやヒュームに起因するダストと同様に、炉壁や炉口付近に付着し、それが堆積すると、上底吹き転炉の操業に支障を来たすので、防止しなければならない。
特許文献4には、複数の火点で形成される円の内側に底吹き羽口を配置することによって、スピッティングを抑制する技術が開示されている。しかし、高温の火点が炉壁の近くに配置されるので、上底吹き転炉の炉壁耐火物が損耗し易くなる。
特開昭60-165313号公報 特開2002-285224号公報 特開昭58-16013号公報 特開2013-142189号公報
本発明の目的は、従来技術が抱えている前述の問題点を解消し、上底吹き転炉における脱炭精錬期の操業において、炉体の振動およびダストの発生を抑制し、しかも炉壁耐火物の損耗を抑制することができる上底吹き転炉の操業方法を提案することにある。
発明者らは、特許文献1〜4に開示された技術をさらに改善するために、複数個のランスノズル(酸素ジェット噴射用ノズル)を有する上吹きランス(以下、「上吹き多孔ランス」の例で述べる)からの酸素ジェット同士の相互干渉、および上吹き多孔ランスからの酸素ジェットによって形成される火点と、底吹き羽口から供給される攪拌用ガス浮上領域との相互干渉とに着目して、検討を重ねた。その結果、上底吹き転炉の炉壁耐火物の損耗を抑制し、かつダストの発生を抑制するには、
(a)上底吹き転炉内に収容された溶鉄表面に、上吹き多孔ランスからの、とくに酸素ジェットを噴射するランスノズル(例えば、ラバールノズル、ストレートノズル等)や噴射角度等の個数を適正にすること、および
(b)上吹き多孔ランスからの酸素ジェットによって形成される火点と、底吹き羽口から供給される攪拌用ガス浮上領域とが望ましくは互いに干渉しないように配置することなど、
が有効であることを見い出した。
即ち、本発明は、複数個の酸素ガス噴射用ランスノズルを有する上吹き多孔ランスを用い、そのランスノズルからの酸素ジェットを該上吹き多孔ランスの中心軸に対して傾斜させたノズル傾角θ(°)で噴射するとともに、炉底にはn個の底吹き羽口を配設して、その底吹き羽口からは攪拌用ガスを吹き込む上底吹き転炉の操業に当たり、上記上吹き多孔ランスから噴射される上吹き酸素ジェットが溶鉄浴面に衝突して形成される火点と、底吹き羽口から溶鉄中に吹き込まれて浮上し溶鉄浴面に形成される攪拌用ガス浮上領域との位置関係について、前記上底吹き転炉内の溶鉄浴面における前記上吹き多孔ランスの中心軸に対して垂直な平面内で、該上吹き多孔ランスの中心軸がその平面と交差する点をランス中心点LCとし、前記ランスノズルから噴射される酸素ジェットの噴射方向が前記平面と交差する点をジェット噴射点GJとし、そして、該底吹き羽口の中心軸が前記平面と交差する点を羽口中心点MCとするとき、下記(1)式で示す干渉度(IR)が、0.7以下であることを特徴とする上底吹き転炉の操業方法である。
IR=Σ〔(rt/rbi)×(90-φi)/90〕/n ・・・(1)
ただし、
IR:干渉度、
n:2以上の整数、
φ:前記ランス中心点LCとジェット噴射点GJを結ぶ線と、前記ランス中心点LCと前記羽口中心点MCを結ぶ線とがなす角度(°)、
:前記ランス中心点LCと前記ジェット噴射点GJとの距離(m)、
:前記底吹き羽口のそれぞれの前記羽口中心点MCと前記ランス中心点LCとの距離(m)、
なお、φ、rbiはそれぞれi番目(i:1〜n)の前記底吹き羽口のときに求められる角度(°)、距離(m)である。
また、本発明の前記操業方法においては、
(1)前記干渉度(IR)は、前記ランスノズルと前記底吹き羽口との位置関係を示す前記角度φが最小のときに、(IR)≦0.70を満足していること、
(2)前記干渉度(IR)が0.46以下であること、
(3)前記ランスノズルは、ラバールノズルまたはストレートノズルであること、
(4)前記上吹き多孔ランスは、2〜5個のランスノズルを有すること、
(5)前記上底吹き転炉は、前記上吹きランスと前記底吹き羽口との組み合わせを、前記干渉度(IR)を満足するように配置して操業すること、
がより、好ましい実施形態である。
本発明によれば、上底吹き転炉を用いて脱炭精錬を行なうに当たって、ダストの発生を抑制して鉄歩留りの向上を図ることができる他、炉体の振動を抑制して炉壁耐火物の損耗を効果的に防止できる。
本発明を適用する上吹き多孔ランスと上底吹き転炉の関係を模式的に示す斜視図である。 干渉度と平均ダスト発生速度との関係を示すグラフである。 干渉度と耐火物損耗指数との関係を示すグラフである。
図1は、本発明を適用する上吹き多孔ランスと底吹き羽口との関係を模式的に示す図である。上吹き多孔ランス1は、複数個の酸素ガス噴射用ランスノズル2を有しており、それぞれのランスノズル2からは酸素ジェット3を噴射することができる。図1中のz軸は、上吹き多孔ランス1の中心軸であり、溶鉄浴面はこの軸に直交(z=0)している。従って、上吹き多孔ランス1下端と溶鉄浴面との距離hがランス高さとなる。そして、上吹き多孔ランス1の中心軸に対して垂直な平面(以下、「xy平面」という)がx軸とy軸とで規定される溶鉄浴面である。上吹き多孔ランス1の中心軸がxy平面と交差する点は、座標軸の原点に相当するが、以下、これをランス中心点LCと言う。
なお、図1には2個のランスノズル2を設けた例を示しているが、このランスノズル2の個数については、限定的なものではなく、2個〜5個程度とすることが好ましい。
上吹き多孔ランス1から噴射される酸素ジェット3は、上吹き多孔ランス1の中心軸に対して傾斜した角度(以下、「ノズル傾角θ(°)」という)の方向に噴射される。その酸素ジェット3がxy平面と交差する点は火点(即ち、酸素ジェットが溶鉄浴面に衝突することによって形成される2000℃を超えるような高温反応領域)4の中心点に相当する。以下、この点をジェット噴射点GJと言う。上吹き多孔ランス1に設けられる複数個のランスノズル2はいずれも、全て同じ方向ノズル傾角θを有する。従って、上吹き酸素ジェット3もまた同じ角度で噴射される。
一方、上底吹き転炉(図示せず)は、複数個(即ち、i=1〜n個)の底吹き羽口5が配設される。ただし、図1は1個のみを例示しており、以下これをi番目の底吹き羽口5として説明する。また、底吹き羽口5から供給される攪拌用ガスは、気泡となって溶鉄中を浮上し、その気泡が密集した領域6(以下、「攪拌用ガス浮上領域」という)が出現する。
例えば、底吹き羽口5の中心軸がxy平面と交差する点を羽口中心点MCとしたとき、図1中ではi番目の羽口中心点MCをMCiのように示す。
そして、ランス中心点LCとジェット噴射点GJを結ぶ線と、ランス中心点LCと羽口中心点MCを結ぶ線とがなす角度φ(°)とするとき、図1中において、i番目の底吹き羽口5との角度は、φi(°)となる。
さらに、ランス中心点LCとジェット噴射点GJとの距離(m)をrtとする。なお、この距離rは、複数個のランスノズル2のノズル傾角θは全て同じであるから、各ランスノズル2毎に規定される距離rtも同じである。
一方、ランス中心点LCと羽口中心点MCとの距離(m)はrとする。ただし、図1中ではi番目の底吹き羽口5についての距離rであることを示すために、rbiと表記している。
以下に、図1を参照して、本発明に係る上底吹き転炉の操業方法の一例について説明する。
発明者らは、上吹き多孔ランス1から酸素ジェット3を噴射すると同時に、底吹き羽口5から攪拌用ガスを供給することができる実験用の上底吹き転炉(容量:5ton)を用いて、溶鉄の脱炭精錬の実験を行ない、上吹き多孔ランス1と底吹き羽口5の配置、とくに両者の干渉度(IR)がダストの発生量や耐火物の損耗量に及ぼす影響を調査した。
上吹き多孔ランス1は、3重管構造の水冷方式のものを使用し、その先端部には上吹き多孔ランス1の中心軸に対してノズル傾角θで傾斜した方向へ酸素ジェット3を噴射することのできるランスノズル2を複数個、同一円周上に等間隔に配設した。なお、ランスノズル2の形状、寸法は表1に示すとおりである。そして、この実験では、酸素ジェット3として酸素ガス(流量:m/分(Normal)を使用し、攪拌用ガスとしてアルゴンガスを使用した。また、ランス高さhは400mmとし、酸素ジェット3の噴射は、溶鉄中の炭素濃度が4.0mass%の時点で開始し、0.05mass%に減少した時点で停止した。
Figure 0006358454
この実験における上吹き多孔ランス1と底吹き羽口5との関係を示す組み合わせは、表2、表3、表4、表5に示すとおりである。表2、表3中に示した干渉度(IR)とは、上吹き多孔ランス1から噴射される上吹き酸素ジェット3が溶鉄浴面に衝突して形成される火点4と、底吹き羽口5から溶鉄中に吹き込まれて浮上して溶鉄浴面に形成される攪拌用ガス浮上領域6との位置関係を示す、下記(1)式で算出される値である。
IR=Σ〔(rt/rbi)×(90-φi)/90〕/n ・・・(1)
ただし、
IR:干渉度、
n:2以上の整数、
φ:前記ランス中心点LCとジェット噴射点GJを結ぶ線と、前記ランス中心点LCと前記羽口中心点MCを結ぶ線とがなす角度(°)、
:前記ランス中心点LCと前記ジェット噴射点GJとの距離(m)、
:前記底吹き羽口のそれぞれの前記羽口中心点MCと前記ランス中心点LCとの距離(m)、
なお、φ、rbiは、それぞれi番目(i:1〜n)の前記底吹き羽口のときに求められる角度(°)、距離(m)である。
Figure 0006358454
Figure 0006358454
Figure 0006358454
Figure 0006358454
このようにして脱炭精錬の実験を行ないながら、排ガス中のダスト濃度を測定し、下記の(2)式を用いてダスト発生速度(kg/〔分・溶鉄ton〕)を算出した。なお、(2)式中のダスト発生速度、排ガス中のダスト濃度、排ガス流量は、実験の各水準毎の平均値を用いた。その平均ダスト発生速度と前記干渉度(IR)の関係を図2に示す。
平均ダスト発生速度(kg/〔分・溶鉄ton〕)=
[排ガス中のダスト濃度(kg/m(Normal))×[排ガス流量(m(Normal)/〔分・溶鉄ton〕)] ・・・(2)
図2から明らかなように、干渉度(IR)の低下、即ち、火点4と攪拌用ガス浮上領域6との干渉(係わりの度合)が少なくなるにつれて、ダストの発生速度が減少し、その干渉度(IR)が0.70を下回ると、この実験における該干渉度(IR)の最大値0.95での平均ダスト発生速度を下回っていた。また、この干渉度(IR)が0.46以下の領域では平均ダスト発生速度が、実験の干渉度範囲での平均ダスト発生速度の最大値の1/2以下と大幅に減少している。
なお、上記干渉度(IR)が、1.0のときとは、火点4と攪拌用ガス浮上領域6とが完全に重なった状態であることを意味している。
実験が終了した後、実験の各水準毎にスラグ中のMgO濃度(mass%)を測定し、下記の(3)式を用いて耐火物損耗指数を算出した。なお、(3)式から明らかなように、水準18の耐火物損耗指数は1.0となる。その耐火物損耗指数と干渉度(IR)の関係を図3に示す。
耐火物損耗指数=実験終了後のスラグ中のMgO濃度(mass%)/
水準18の実験終了後のスラグ中のMgO濃度(mass%) ・・・(3)
図3から明らかなように、干渉度(IR)が耐火物損耗指数に与える影響は小さく、むしろノズル傾角θの方が影響が大きい。即ち、ノズル傾角θが23°の上吹き多孔ランス1を用いた脱炭精錬では、ノズル傾角θが14°の上吹き多孔ランス1を用いた脱炭精錬よりも耐火物損耗指数が増加、即ち、耐火物の損耗が進行しやすいことが分かった。
これらの実験結果から、本発明では、干渉度(IR)を0.70以下、好ましくは0.46以下に限定することとした。
即ち、前述した(1)式で算出される干渉度(IR)を小さい値にするためには、底吹き羽口5を上吹き多孔ランス1から遠ざけた位置に配置する(即ち、距離rbiをそれぞれ大きくする)、あるいは火点4と攪拌用ガス浮上領域6とを遠ざけた位置に配置する(即ち、角度φiをそれぞれ大きくする)ことが有効であることもわかった。
また、前記ノズル傾角θが大きすぎると、火点4の領域が上底吹き転炉の内壁に近づき、耐火物の損耗を助長するという問題が生じるので、ノズル傾角θは23°未満とすることが好ましい。
上吹き多孔ランス1に設けるランスノズル2の個数は5個(いわゆる5孔)以下が好ましい。その理由は、ランスノズル2の個数を減らすことによって、火点4の大きさを小さくすることができる。その結果、底吹き羽口5の配置は、自由度を高めることができ、ひいては前記角度φを容易に拡大できる。実験で用いた上吹き多孔ランス1と底吹き羽口配列の組み合わせにおいて、干渉度(IR)を最も小さくできる上吹き多孔ランス1は、ノズル個数:4と5だけ(表2、3、4、5参照)であり、ノズル個数:6孔の上吹き多孔ランス1では干渉度(IR)≦0.46を満足するような配置が得られなかったことからも、ノズル個数:5以下の上吹き多孔ランス1を使用することが好ましいことがわかる。
実際の上底吹き転炉(容量350ton)を用いて、溶鉄の脱炭精錬を行なう上底吹き転炉の操業実験を行なった。使用した上吹き多孔ノズルのランスノズルの配置、上底吹き転炉の底吹き羽口の配置は表6に示すとおりである。ランスノズルは、いずれもラバールノズルを使用し、水準A、Bで使用したランスノズルのスロート径は82.8mm、出口径は87.1mmである。水準C、Dで使用したランスノズルのスロート径は74.0mm、出口径は77.8mmである。水準E、Fで使用したランスノズルのスロート径は67.6mm、出口径は71.1mmである。これらのランスノズルは、いずれも適正膨張圧力を0.33MPaとして設計されたものである。
Figure 0006358454
この操業実験に当たっては、まず、鉄スクラップを上底吹き転炉内に装入し、次いで、予め脱リン処理を施した溶鉄(温度1260〜1280℃)を上底吹き転炉に装入し、その後、上吹き多孔ランスから酸素ジェットを溶鉄浴面に噴射しながら、底吹き羽口からは攪拌用ガスを供給し、さらに、造滓材として炉内スラグの塩基度が2.5となる量の生石灰を投入し、溶鉄中の炭素濃度が0.05mass%に低減するまで脱炭精錬を行なった。溶鉄の成分は表7に示すとおりである。なお、塩基度は、下記の(4)式で算出される値である。
塩基度=[mass%CaO]/[mass%SiO] ・・・(4)
[mass%CaO]:炉内スラグ中のCaO濃度
[mass%SiO]:炉内スラグ中のSiO濃度
Figure 0006358454
酸素ジェットは酸素ガスを使用し、攪拌用ガスはアルゴンガスを使用した。酸素ジェットと攪拌用ガスの流量、およびランス高さは表8に示すとおりである。
Figure 0006358454
このようにして脱炭精錬を行ない、精錬に要する時間(分)、吹き止め時のスラグ中のT.Fe(mass%)、ダスト発生速度、耐火物損耗指数を調査した。その結果を表9に示す。使用した上吹き多孔ランスと底吹き羽口の配置から算出した干渉度(IR)は表9に示すとおりである。これらの値は、各水準毎に3チャージずつ脱炭精錬を行なった平均値である。また、ダスト発生速度は水準Fのダスト発生速度を1とする相対値、耐火物損耗指数は水準Fの耐火物損耗指数を1とする相対値として示す。
Figure 0006358454
表9に示す結果から明らかなように、発明例(水準A、B)は、比較例(水準C、D、E、F)に比べて、精錬時間や吹き止め時のスラグ中のT.Feは同等であるが、ダスト発生速度を大幅に低減できた。特に水準Aは、耐火物の損耗も抑制できた。
1 上吹き多孔ランス
2 ランスノズル
3 酸素ジェット
4 火点
5 底吹き羽口
6 攪拌用ガス浮上領域

Claims (5)

  1. 複数個の酸素ガス噴射用ランスノズルを有する上吹き多孔ランスを用い、そのランスノズルからの酸素ジェットを該上吹き多孔ランスの中心軸に対して傾斜させたノズル傾角θ(°)で噴射するとともに、炉底にはn個の底吹き羽口を配設して、その底吹き羽口からは攪拌用ガスを吹き込む上底吹き転炉の操業に当たり、
    上記上吹き多孔ランスから噴射される上吹き酸素ジェットが溶鉄浴面に衝突して形成される火点と、底吹き羽口から溶鉄中に吹き込まれて浮上し溶鉄浴面に形成される攪拌用ガス浮上領域との位置関係について、
    前記上底吹き転炉内の溶鉄浴面における前記上吹き多孔ランスの中心軸に対して垂直な平面内で、該上吹き多孔ランスの中心軸がその平面と交差する点をランス中心点LCとし、前記ランスノズルから噴射される酸素ジェットの噴射方向が前記平面と交差する点をジェット噴射点GJとし、そして、該底吹き羽口の中心軸が前記平面と交差する点を羽口中心点MCとするとき、
    下記(1)式で示す干渉度(IR)が、0.7以下であることを特徴とする上底吹き転炉の操業方法。

    IR=Σ〔(rt/rbi)×(90-φi)/90〕/n ・・・(1)
    ただし、
    IR:干渉度、
    n:2以上の整数、
    φ:前記ランス中心点LCとジェット噴射点GJを結ぶ線と、前記ランス中心点LCと前記羽口中心点MCを結ぶ線とがなす角度(°)、
    :前記ランス中心点LCと前記ジェット噴射点GJとの距離(m)、
    :前記底吹き羽口のそれぞれの前記羽口中心点MCと前記ランス中心点LCとの距離(m)、
    なお、φ、rbiはそれぞれi番目(i:1〜n)の前記底吹き羽口のときに求められる角度(°)、距離(m)である。
  2. 前記干渉度(IR)が0.46以下であることを請求項1に記載の上底吹き転炉の操業方法。
  3. 前記ランスノズルは、ラバールノズルまたはストレートノズルであることを特徴とする請求項1または2に記載の上底吹き転炉の操業方法。
  4. 前記上吹き多孔ランスは、2〜5個のランスノズルを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の上底吹き転炉の操業方法。
  5. 前記上底吹き転炉は、前記上吹きランスと前記底吹き羽口との組み合わせを、前記干渉度(IR)を満足するように配置して操業することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の上底吹き転炉の操業方法。
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