JP2006348331A - 溶融金属精錬用上吹きランス及び溶融金属の吹錬方法 - Google Patents

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良平 竹濱
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Abstract

【課題】 上吹きランスから酸素含有ガスを吹き付けて溶融金属を酸化精錬するに当たり、二次燃焼率を高めるとともに発生する二次燃焼熱を効率良く溶融金属に着熱させることができる溶融金属精錬用上吹きランスを提供する。
【解決手段】 上記課題は、その先端に、鉛直斜め下方に向けて酸素含有ガスを噴出するための3個以上のラバールノズル4と、鉛直斜め下方に向けて酸素含有ガスを噴出するための3個以上のストレートノズル8とが、それぞれ同一個数で且つ円周方向に交互に配置され、これらのノズルを介して溶融金属に向けて酸素含有ガスを供給して溶融金属を酸化精錬する溶融金属精錬用上吹きランス1であって、ラバールノズルの傾斜角(θ1 )とストレートノズルの傾斜角(θ2 )とが下記の(1)式を満たす溶融金属精錬用上吹きランスによって解決される。
θ2 −θ1 >10° …(1)
【選択図】 図3

Description

本発明は、溶銑などの溶融金属に酸素含有ガスを供給して溶融金属に酸化精錬を施すための上吹きランス、並びに、この上吹きランスを使用した溶融金属の吹錬方法に関するものである。
溶銑などの溶融金属の精錬プロセスにおいては、溶融金属中の不純物を除去するために上吹きランスから酸素含有ガスを供給して不純物を酸化除去する精錬が広く実施されている。例えば、高炉−転炉法による製鉄プロセスにおいては、溶銑中の炭素、珪素、燐などの不純物を除去するために、上吹きランスを用いた酸化精錬が行われている。近年では、溶銑段階で予め脱珪処理や脱燐処理を実施し、溶銑中の珪素及び燐を或る程度除去(「溶銑予備処理」という)した後、この溶銑を転炉に装入して転炉で脱炭精錬を実施する製鋼方法が発展し、実用化されている。
しかしながら、これら溶銑予備処理を前提とした製鋼方法では、溶銑段階における処理工程が増えるために、溶銑からの放熱量の増加や、各処理毎に生成し処理後には排出されるスラグへの熱ロスなどによって溶銑の温度低下を招き、その後の精錬工程における溶銑の熱余裕度の低下を引き起こしている。つまり、溶銑の熱余裕度が低くなるために、溶銑による鉄スクラップの溶解能力が制約され、生産能力の上方弾力性を確保することが困難になっている。
これらの問題を解決する手段として、溶銑中の炭素の酸化に伴い発生するCOガスと酸素とが反応してCO2 ガスとなる際に発生する熱(「二次燃焼熱」という)を有効利用する方法が提案されており、これを実施する方法として、上吹きランス先端と溶銑浴面との間の距離(「ランス高さ」という)を大きくする方法が知られている。しかし、ランス高さを大きくして二次燃焼率(二次燃焼率=CO2×100/(CO2 +CO))を増加させても、二次燃焼の領域が炉内の上部となってしまうため、二次燃焼熱の溶銑への着熱は少なく、着熱効率は低下してしまう。そこで、ランス高さを大きくしなくても二次燃焼率を高めるべく、様々な上吹きランスが提案されている。
例えば、特許文献1には、二次燃焼用酸素供給ノズルの開口部と浴面との距離が、吹錬用酸素ノズルの開口部と浴面との距離の2〜3倍となるように、上吹きランスの側面に二次燃焼用酸素供給ノズルを配置し、この二次燃焼用酸素供給ノズルからランス中心軸に対して25〜40°の角度で下向きに酸素ガスを吹き付けて炉口の付着地金を溶解する方法が開示されている。しかしながら、この方法は炉口付近における二次燃焼熱の利用を目的としたものであり、前述したように二次燃焼率は高くても溶湯への着熱効率は低下する。溶銑への着熱を図るには、炉口付近まで到達する大量のスラグを生成させ、このスラグを着熱媒体とする必要があるが、このような大量のスラグを生成させる精錬は現実的ではない。
特許文献2には、主孔ノズルの周囲に2孔以上の副孔ノズルを設け、副孔ノズルを主孔ノズルに対して30°以上90°未満に傾斜させ、主孔ノズルからのガス流速を音速以上、副孔ノズルからのガス流速を50m/秒以上とし、副孔ノズルからのガスを主孔ノズルからのガスに衝突させて二次燃焼を促進させる方法が開示されている。この方法によって二次燃焼率が向上する可能性はあるものの、主孔ノズルからの精錬用酸素ジェットに向かって副孔ノズルから二次燃焼用酸素ガスを吹き付けるため、主孔ノズルからの酸素ジェットが副孔ノズルからのガス噴出の影響を受け、主孔ノズルからの酸素ジェットの動圧が低下するなどして精錬能が低下する恐れがある。
また、特許文献3には、下方外側を向いて配置された複数の酸素ガス吐出用ノズルを有する上吹きランスにおいて、少なくとも1つの酸素ガス吐出用ノズルの出口開口面を、噴出される酸素ガスがランスの下方中心側に向かうように、吐出用ノズルの中心軸に対して傾斜させた上吹きランスが開示されている。特許文献3によれば、炉内の二次燃焼が最適化され、炉口の地金溶解と耐火物溶損抑制の双方が達成されるとしているが、精錬反応領域と二次燃焼領域との分離がなされていないため、特許文献2と同様に酸素ジェットの精錬能に支障を来す恐れがある。
特開平6−248323号公報 特開平10−130712号公報 特開平10−287909号公報
以上説明したように、上吹きランスを介して酸素含有ガスを溶融金属浴面に向けて吹き付け、溶融金属を酸化精錬するに当たり、二次燃焼率を高めると同時に、発生する二次燃焼熱を効率良く溶融金属に着熱させることのできる上吹きランス及び吹錬方法が切望されているにも拘わらず、未だ有効な手段は提案されていないのが現状である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上吹きランスから酸素含有ガスを吹き付けて溶融金属を酸化精錬するに当たり、二次燃焼率を高めるとともに発生する二次燃焼熱を効率良く溶融金属に着熱させることができ、その結果、熱余裕度の向上を可能とする溶融金属精錬用上吹きランスを提供すること、及び、それを用いた溶融金属の吹錬方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る溶融金属精錬用上吹きランスは、その先端に、鉛直斜め下方に向けて酸素含有ガスを噴出するための3個以上のラバールノズルと、鉛直斜め下方に向けて酸素含有ガスを噴出するための3個以上のストレートノズルとが、それぞれ同一個数で且つ円周方向に交互に配置され、これらのノズルを介して溶融金属に向けて酸素含有ガスを供給して溶融金属を酸化精錬する溶融金属精錬用上吹きランスであって、前記ラバールノズルの傾斜角(θ1 )と前記ストレートノズルの傾斜角(θ2 )とが下記の(1)式を満たすことを特徴とするものである。
Figure 2006348331
第2の発明に係る溶融金属精錬用上吹きランスは、第1の発明において、前記ラバールノズルの傾斜角(θ1 )が8°以上であることを特徴とするものである。
第3の発明に係る溶融金属精錬用上吹きランスは、第1または第2の発明において、前記ストレートノズルの傾斜角(θ2 )が70°以下であることを特徴とするものである。
第4の発明に係る溶融金属精錬用上吹きランスは、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記ラバールノズルへの酸素含有ガスの供給径路と前記ストレートノズルへの酸素含有ガスの供給径路とが同一径路であって、前記ストレートノズルのノズル出口部断面積の合計が、前記ラバールノズルのスロート部断面積の合計とストレートノズルのノズル出口部断面積の合計との総和に対して10%以上40%以下であることを特徴とするものである。
第5の発明に係る溶融金属の吹錬方法は、第1ないし第4の何れか1つに記載の溶融金属精錬用上吹きランスを用いて、溶銑の脱珪処理、溶銑の脱燐処理のうちの少なくとも1種の処理を実施することを特徴とするものである。
第6の発明に係る溶融金属の吹錬方法は、第1ないし第4の何れか1つに記載の溶融金属精錬用上吹きランスを用いて、予備脱燐処理の施された溶銑の脱炭処理を実施することを特徴とするものである。
第7の発明に係る溶融金属の吹錬方法は、第5または第6の発明において、処理中のスラグ量が溶銑トン当たり50kg以下であることを特徴とするものである。
第8の発明に係る溶融金属の吹錬方法は、第5ないし第7の発明の何れかにおいて、前記溶融金属精錬用上吹きランスの中心軸部の位置には、精錬剤を搬送用ガスとともに供給するための粉体吹き込み用ノズルが配置されており、該粉体吹き込み用ノズルからの搬送ガスの流出速度を音速以下として精錬剤を搬送用ガスとともに溶融金属に向けて供給することを特徴とするものである。
本発明に係る上吹きランスによれば、ラバールノズルを介して超音速で酸素含有ガスのジェットを噴射すると同時に、ストレートノズルを介して音速以下の流速で酸素含有ガスを、ラバールノズルからのジェットと合体しないようにして、このジェットの外側に噴射するので、ラバールノズルから供給される酸素含有ガスと溶融金属中の炭素との反応によって生成したCOガスは、ストレートノズルから供給された酸素含有ガスによって効率的に二次燃焼する。また、二次燃焼の位置が溶融金属の浴面の近くで起こるので、二次燃焼熱を効率良く溶融金属に着熱させることができる。その結果、上吹きランスから酸素含有ガスを供給して行う酸化精錬において溶融金属の熱余裕度を高めることが可能となり、次工程の精錬が安定する、当該精錬または次工程において多量のスクラップの溶解が可能となるなど、工業上有益な効果がもたらされる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明は、上吹きランスから溶銑、溶鋼などの溶融金属に向けて、酸素ガス、空気、酸素富化空気、Ar−酸素混合ガスなどの酸素含有ガスを吹き付け、溶融金属を酸化精錬する技術に関するものである。先ず、本発明に至った検討結果について、転炉における溶銑の予備脱燐処理を例として説明する。
転炉内の溶銑に上吹きランスから酸素ガスを吹き付けて溶銑の脱燐精錬を行う場合、溶銑中の炭素も供給される酸素ガスと反応してCOガスが生成する。このCOガスの生成を伴う脱炭反応(2C+O2 =2CO)による燃焼熱よりも、生成したCOガスをCO2ガスにまで燃焼させる反応(2CO+O2 =2CO2 )による燃焼熱、つまり二次燃焼熱の方が大きいため、溶銑の熱余裕度を高める手段として、二次燃焼率を高め、発生する二次燃焼熱を溶銑に着熱させる技術が従来から検討されている。二次燃焼率を高める手段として、前述したように、従来、上吹きランスの先端つまり酸素供給ノズルの先端と溶銑浴面との距離(=ランス高さ)を大きくする方法が知られている。しかし、ランス高さを大きくすることにより、二次燃焼領域が浴面よりもかなり離れた上方位置になってしまうため、二次燃焼率は増大しても着熱効率が低下し、溶銑の熱余裕度の向上には至らないという問題があった。但し、この方法によって二次燃焼率は向上することから、本発明者等は、ランス高さを大きくすることによって二次燃焼率が増加する機構について詳細に検討した。その結果、二次燃焼に利用される酸素ガスの流速が或る程度低下した時点で、酸素ガスと炉内のCOガスとの反応が起こることを確認した。
そこで、ランス高さを大きくせずとも二次燃焼率を高める手段として、つまり、溶銑の浴面近傍で二次燃焼を促進させる手段として、ランス先端に設置する酸素ガス噴出用ノズルを多孔化し、酸素ガス噴流の流速を低下させることを検討した。検討の結果、ノズルの孔数を6孔以上とすることで酸素ガスの流速を二次燃焼が起こりうる範囲まで低下させることが可能なことを見出した。ノズル孔数が5孔以下では流速を十分に低下させることができず二次燃焼を促進させることはできなかった。しかしながら、ノズルを多孔化しただけでは二次燃焼率は十分には増加せず、課題を解決するには至らなかった。
そこで、本発明者等は多孔型ランスからの酸素ジェットの挙動を詳細に検討した。その結果、各々のノズルからの酸素ジェットは幾何学的には干渉しないように設計されているものの、浴面に衝突する以前の雰囲気の巻き込み或いは酸素ジェットの減衰により、各々のノズルからの各々の酸素ジェットが影響を及ぼし合い、酸素ジェットの軌跡がランスの中心軸方向に偏向し、部分的に合体して浴面に到達していることが明らかとなった。酸素ジェットが合体すると、ジェットの動圧の低下が少なくなり、多孔化による酸素ガス噴出流速の低速化が期待できなくなる。また、炉内のCOガスの濃度分布を調査した結果、COガスは精錬用酸素ジェットの近傍にはほとんど存在せず、精錬用酸素ジェットよりも炉壁側の離れた位置に多く分布していることが明らかとなった。これらから、二次燃焼率を高めるためには、少なくとも二次燃焼用の酸素ガス噴流と精錬用の酸素ジェットとを合体させずに分離する必要のあること、更に、二次燃焼用の酸素ガスをCOガスが多く存在している炉壁側に供給する必要のあることが分かった。
また、二次燃焼率を高める目的で酸素ガス流速を低下させた場合、浴面への酸素供給が不十分となり、精錬能率が低下する懸念があった。そこで、精錬用酸素ガスを供給するためのノズルと二次燃焼用酸素ガスを供給するためのノズルとで、ノズル形状を変更することにした。つまり、6孔以上のノズルのうちで、主に精錬用酸素ガスを供給するノズルは、浴面への酸素ガスの到達を目的としてラバールノズル形状とし、主に二次燃焼用酸素ガスを供給するノズルは、多孔化による流速の低下に加えて更に流速を低下させて二次燃焼を促進させることを目的として、ストレートノズル形状とすることにした。これにより、精錬能率を低下することなく、二次燃焼率を増加できることが分かった。尚、ラバールノズルから噴射される酸素ガスはラバールノズルの形状に基づき理想的に膨張して超音速となるが、ストレートノズルから噴射される酸素ガスは膨張が不足して超音速になることはない。つまり、ストレートノズルから噴射される酸素ガスは吐出流速が遅いことから二次燃焼を促進させることができる。
更に、二次燃焼を促進させるためには、主に精錬用酸素ガスを供給するラバールノズルと、主に二次燃焼用酸素ガスを供給するストレートノズルとを、ランス中心軸を中心とした円周方向で交互に配置する必要のあることも分かった。つまり、左右をラバールノズルで囲まれた位置にストレートノズルを配置することで、精錬用酸素ガスによって生成したCOガスと二次燃焼用酸素ガスとが効率良く反応し、二次燃焼率を高めることが可能となることが分かった。ラバールノズル及びストレートノズルを偏って配置した場合には、ラバールノズルが偏って配置された位置では二次燃焼が起こりにくくなり、一方、ストレートノズルが偏って配置された位置では二次燃焼が過剰になり、二次燃焼熱による炉体耐火物の局部的な損耗を起こし、操業阻害を引き起こす可能性がある。
これらの検討結果に基づき、ラバールノズルとストレートノズルとをランスの中心軸を中心として円周方向の等角度の間隔で等間隔の位置に交互に配置するとともに、ラバールノズルの傾斜角(θ1 )及びストレートノズルの傾斜角(θ2 )を変化させた小型試験ランスを製作し、水モデル試験装置を用いてラバールノズルからの酸素ジェットとストレートノズルからの酸素ガス噴流との合体に及ぼすノズル傾斜角の影響を試験・調査した。そして、この調査結果に基づき、ラバールノズルからの酸素ジェットとストレートノズルからの酸素ガス噴流とが合体しない条件を定めた。ここで、傾斜角とは上吹きランスの中心軸線と各ノズルの吐出方向中心線とのなす角度である。
この試験では、ストレートノズルからの酸素ガス噴流の浴面(水面)における衝突位置を把握するために、ピトー管を用いてストレートノズルからの噴流の圧力分布を測定した。即ち、ランス中心軸からストレートノズルからの噴流位置の方向に向かって圧力分布を測定し、圧力が最大になる位置(これを「測定ピーク位置」と称す)を衝突位置として求めた。そして、ストレートノズルの設置位置及び傾斜角(θ2 )から幾何学的に定まる噴流の衝突位置(これを「幾何学的位置」と称す)と、求めた「測定ピーク位置」とを比較し、両者のズレの大小に基づき、ストレートノズルからの噴流に及ぼすラバールノズルからの酸素ジェットの影響を把握した。具体的には、図1に示すように、ランス中心軸から幾何学的位置までの距離(L0 )及びランス中心軸から測定ピーク位置までの距離(Li )を測定し、測定した両者の比(Li /L0 )の大小でラバールノズルからの酸素ジェットの影響を把握した。両者の比(Li /L0 )が小さいほど、ラバールノズルからの酸素ジェットの影響が大きく、ストレートノズルからの噴流がランスの中心軸方向に偏向し、逆に、両者の比(Li /L0 )が1に近づくほどラバールノズルからの酸素ジェットの影響がなく、ストレートノズルからの噴流は幾何学的位置に近づくことを示している。図1は、この測定方法の概要を示す図である。図1中の符号1は上吹きランス、符号8はストレートノズルを表している。また、表1に、試験ランスの条件及び測定結果を示す。
Figure 2006348331
表1に記載した、ストレートノズルの傾斜角(θ2 )からラバールノズルの傾斜角(θ1 )を差し引いた差分(θ2 −θ1)を横軸とし、測定ピーク位置と幾何学的位置との比(Li /L0 )を縦軸とした、差分(θ2 −θ1 )と比(Li /L0 )との関係を図2に示す。図2に示すように、ノズル孔数及びラバールノズルの傾斜角(θ1 )に拘わらず、差分(θ2 −θ1)が10°を超える場合に、ストレートノズルからの噴流は偏向しにくく、合体せずにランス中心軸から離れた位置に到達することが明らかとなった。つまり、二次燃焼用の酸素ガス噴流と精錬用の酸素ジェットとを合体させずに分離するためには、ラバールノズルの傾斜角(θ1)とストレートノズルの傾斜角(θ2 )とが、前述した(1)式を満たす必要のあることが明らかとなった。尚、二次燃焼率の向上効果は、ラバールノズルとストレートノズルとが円周方向に交互に配置されていればよく、必ずしも等角度の間隔で且つ等間隔に配置しなくても十分に効果を得ることができるが、ランスの冷却水供給径路の構造などを考慮すると、等角度の間隔で且つ等間隔に配置することが好ましい。
更に検討を加えた結果、主に精錬用酸素ガスを供給するラバールノズルの傾斜角(θ1 )は8°以上とすることが好ましいことが分かった。傾斜角(θ1)が8°未満になると、隣り合うラバールノズルからの酸素ジェットが互いに重なりあい、浴面への衝突圧が大きくなるため、鉄飛散が多くなり操業阻害及び生産性の悪化につながる。特に操業の安定性を優先させる場合には、ラバールノズルの傾斜角(θ1)は12°程度以上とすることが望ましい。また、主に二次燃焼用の酸素ガスを供給するストレートノズルの傾斜角(θ2 )は、ラバールノズルの傾斜角(θ1)に応じて前述した(1)式を満足した上で、70°以下とすることが好ましいことが分かった。傾斜角(θ2 )が70°を超えると、ストレートノズルからの噴流が炉壁近傍にまで到達し、二次燃焼によって炉体耐火物を損耗させる恐れがあるからである。炉体耐火物の損耗を防止して操業の安定性を重視するならば、傾斜角(θ2)は60°以下が望ましい。
各ノズルへの酸素ガスの供給径路としては、酸素ガスのラバールノズルへの供給径路とストレートノズルへの供給径路とをそれぞれ独立して設け、独立して制御することが酸素ジェットの流速制御の観点からは望ましいが、この場合には供給配管の増加やランス構造が複雑化して設備費が高くなることから、各々の供給径路を兼用して、ラバールノズルとストレートノズルとを共通で制御するようにしてもよい。供給径路を兼用してもほぼ同程度の効果が得られるとともに設備費が安価であり、却って好ましい場合もある。但し、この場合には、各ノズルの断面積に応じて噴出流量が決まるので、各々のノズルからの流出流量を制御する観点から、ストレートノズルのノズル出口部断面積の合計が、ラバールノズルのスロート部断面積の合計とストレートノズルのノズル出口部断面積の合計との総和に対して10%以上40%以下となるようにすることが好ましい。ストレートノズルのノズル出口部断面積の合計が10%未満の場合には、精錬用酸素ガス流量に対して二次燃焼用酸素ガス流量が少な過ぎ、二次燃焼率を高めることができず、一方、40%を越える場合には、二次燃焼用酸素ガス流量が多くなり過ぎて二次燃焼により炉体耐火物を損耗させる恐れがあるとともに、精錬用酸素ガスが少な過ぎて、精錬の能率が低下する恐れもある。ラバールノズルとストレートノズルへの供給径路が独立している場合にも、上記と同様の理由により、ストレートノズルからの噴出流量を、ストレートノズル及びラバールノズルからの流量の総和の10%以上40%以下となるように制御することが好ましい。
次ぎに、これらの検討結果から得られた本発明に係る上吹きランスについて図面に基づき説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る上吹きランスの概略断面図、図4は、図3のX−X’矢視による概略図、図5は、図3に示すラバールノズルの概略拡大断面図である。
図3及び図4に示すように、本発明に係る上吹きランス1は、円筒状のランス本体2と、このランス本体2の下端に溶接などにより接続されたランスノズル3とで構成されており、そして、ランス本体2は、外管9、中管10、内管11からなる同心円状の3種の鋼管、即ち三重管で構成され、銅製のランスノズル3には、主として精錬用酸素含有ガスを吹き付けるための鉛直斜め下向き方向を向いた3つのラバールノズル4が設置され、そして、隣り合うラバールノズル4の間には主として二次燃焼用酸素含有ガスを吹き付けるための3つのストレートノズル8が設置されている。ラバールノズル4及びストレートノズル8は、それぞれが同心円状に配置され、且つラバールノズル4とストレートノズル8との間隔が等間隔になるように交互に配置されている。図では、ラバールノズル4及びストレートノズル8ともに3個づつ配置されているが、本発明においてはラバールノズル4及びストレートノズル8が同数である限り、3個以上の幾つであっても構わない。
外管9と中管10との間隙、及び、中管10と内管11との間隙は、上吹きランス1を冷却するための冷却水の流路となっており、上吹きランス1の上部に設けられた給水継手(図示せず)から供給された冷却水は、中間10と内管11との間隙を通ってランスノズル3の部位まで至り、ランスノズル3の部位で反転して外管9と中管10との間隙を通って上吹きランス1の上部に設けられた排水継手(図示せず)から排出される。この場合に給排水の径路を逆としてもよい。また、内管11の内部はラバールノズル4及びストレートノズル8への酸素含有ガスの供給流路となっており、上吹きランス1の上端部から内管11の内部に供給された酸素含有ガスは、内管11の内部を通り、ラバールノズル4及びストレートノズル8から噴出される。
ラバールノズル4は鉛直方向に対して傾斜角(θ1 )の角度で傾斜し、ストレートノズル8は鉛直方向に対して傾斜角(θ2 )の角度で傾斜している。そして、ストレートノズル8から噴出される二次燃焼用の酸素含有ガスとラバールノズル4から噴出されるジェットとが合体しないようにするため、ストレートノズル8の傾斜角(θ2)とラバールノズル4の傾斜角(θ1 )とが前述した(1)式を満足するように、つまり傾斜角(θ2 )から傾斜角(θ1)を差し引いた差分(θ2 −θ1 )が10°を超える値になるように、ラバールノズル4およびストレートノズル8は設置されている。
この場合、前述したように、隣り合うラバールノズル4から噴射されるジェットの合体を防止するために、ラバールノズル4の傾斜角(θ1 )は、8°以上、望ましくは12°以上とすることが好ましく、また、ストレートノズル8の傾斜角(θ2)は、(1)式の関係を満足した上で、更に、70°以下、望ましくは60°以下とすることが好ましい。更に、ラバールノズル4から供給される精錬用酸素含有ガスの流量と、ストレートノズル8から供給される二次燃焼用酸素含有ガスの流量との比率を調整するために、ストレートノズル8のノズル出口部断面積の合計が、ラバールノズル4のスロート6の断面積の合計とストレートノズル8のノズル出口部断面積の合計との総和に対して10%以上40%以下となるようにすることが好ましい。
主に酸化精錬用の酸素含有ガスを供給するためのラバールノズル4は、図5に示すように、その断面が縮小する部分と拡大する部分の2つの円錐体で構成された形状であり、縮小部分は絞り部5、拡大部分はスカート部7、絞り部5からスカート部7に遷移する部位であって最も狭くなった部位はスロート6と呼ばれている。内管11の内部を通ってきた酸素含有ガスは、絞り部5、スロート6、スカート部7を順に通って、超音速または亜音速のジェットとして噴射される。図5中のDtはスロート径、Deは出口径であり、スカート部7の広がり角度θは通常10°以下である。スロート径Dt及び出口径Deは、操業条件に基づいて理論式により最適な形状が定められる。
尚、図5に示すラバールノズル4では、絞り部5及びスカート部7が円錐体であるが、絞り部5及びスカート部7は円錐体である必要はなく、内径が曲線的に変化する曲面で構成してもよく、また、絞り部5はスロート6と同一の内径であるストレート状の円筒形としてもよい。絞り部5及びスカート部7を、内径が曲線的に変化する曲面で構成する場合には理想的な流速分布が得られるが、ノズルの加工が極めて困難であり、一方、絞り部5をストレート状の円筒形とした場合には、理想的な流速分布とは若干解離するが、使用には全く問題とならず、且つ、ノズルの加工が極めて容易となる。本発明ではこれら全ての末広がりのノズルをラバールノズル4と称することとする。
また、図3では、上吹きランス1は三重管構造であるが、内管11の内側に更に1つの鋼管を配置した四重管構造とし、ラバールノズル4及びストレートノズル8への酸素含有ガスの供給流路を別々としてもよい。また更に、上吹きランス1から搬送用ガスとともに粉体状の精錬剤を吹き付ける精錬の場合には、上吹きランス1を四重管構造とした上でランスノズル3の中心軸部に粉体吹き込み用ノズル(図示せず)を配置し、この粉体吹き込み用ノズルを介して搬送用ガスとともに粉体状の精錬剤を溶融金属に向けて吹き付ければよい。
このようにして構成される本発明に係る上吹きランス1を用い、転炉、取鍋などの保持容器に収容された溶銑、溶鋼などの溶融金属に向けて、酸素、空気、酸素富化空気、Ar−酸素混合ガスなどの酸素含有ガスを吹き付け、溶融金属を酸化精錬する。酸化精錬としては、上吹きランス1から溶融金属に向けて酸素含有ガスを吹き付け、これによりCOガスの生成する精錬であるならば溶融金属の種類及び精錬の種類に拘わらず適用することができ、例えば、溶銑の脱炭吹錬、溶銑の予備脱燐処理、溶銑の脱珪処理、コークスなどの炭材の燃焼熱を利用した鉄スクラップの溶解処理、溶銑の存在下で行うCr鉱石の溶融還元処理などを実施することができる。特に、後工程における熱余裕度を確保するという観点から、溶銑の脱炭吹錬、溶銑の予備脱燐処理、溶銑の脱珪処理が好適である。この場合、保持容器内のスラグ量が多い場合には、二次燃焼熱でスラグをも加熱する必要が生じることに起因する溶銑への着熱量の低下、及び、酸素ジェットがスラグによって遮断されることによる精錬能率の低下などの悪影響が生ずることから、スラグ量が少ない場合に、本発明の効果が大きくなる。本発明の効果が顕著になるスラグ量の条件は、副原料の添加量及びスラグ分析値から計算されるスラグ量換算で溶銑トン当たり50kg以下の場合であり、特に効果が顕著となるのは30kg以下の場合である。
また、上吹きランス1から搬送用ガスとともに粉体状の精錬剤を吹き付ける精錬の場合には、ランスノズル3の中心軸部に設置した粉体吹き込み用ノズルを介して音速以下の速度で精錬剤を溶融金属に向けて吹き付ければよい。吹き付ける粉体状の精錬剤としては、溶銑の脱炭吹錬では、温度調整用の鉄鉱石や合金鉄代替のMn鉱石などの金属酸化物、溶銑の予備脱燐処理では、脱燐用フラックスであるCaO含有物質、溶銑の予備脱珪処理ではスラグの塩基度調整用のCaO含有物質や溶銑中炭素濃度を高めるための炭素含有物質などを使用することができる。複数の精錬剤を同時に吹き付けることもできる。このようにすることにより、ラバーノズル4からの酸素ジェットへの影響が抑えられ、上記の効果を享受することができる。但し、搬送用ガスの流速が音速以上になると、ラバールノズル4からの酸素ジェットとの相互干渉が強くなり、鉄飛散を増大させるなどの弊害が生ずるので、注意する必要がある。
ここで、本発明に係る上吹きランス1を備えた転炉型精錬設備を用いて溶銑の予備脱燐処理を実施する方法を具体的に説明する。図6に、使用する転炉型精錬設備の概略断面図を示す。図6に示すように、転炉型精錬設備12には、その内部に溶銑13を収容し溶銑13の脱燐精錬を実施するための転炉本体15と、転炉本体15の内部に挿入され、上下方向の移動が可能である、転炉本体15の内部へ酸素ガスを供給するための本発明に係る上吹きランス1と、転炉本体15の炉口を覆い、転炉本体15から発生するガスを集塵機(図示せず)へ導入するためのフード18と、脱燐用フラックスとしての生石灰28を収容するためのホッパー19と、脱燐剤としてのミルスケール及び鉄鉱石などの酸化鉄29を収容するためのホッパー20と、ホッパー19及びホッパー20に接続し、ホッパー19から切り出される生石灰28及びホッパー20から切り出される酸化鉄29を搬送して転炉本体15の内部へ添加するための添加装置23と、添加装置23に接続し、フード18を貫通した、添加装置23によって添加された生石灰28及び酸化鉄29を転炉本体15の内部に導入するためのシュート24と、主に鉄スクラップを転炉本体15の内部に供給するためのスクラップシュート25と、を備えている。
上吹きランス1には、流量調整弁27を備えた酸素ガス配管26が接続されており、酸素ガスが酸素ガス配管26を介して任意の流量で上吹きランス1から転炉本体15の内部へ供給されるようになっている。ホッパー19には生石灰28の添加量を調整するための切出装置21が設けられ、ホッパー20には酸化鉄29の添加量を調整するための切出装置22が設けられており、また、転炉本体15には、その底部に、窒素ガスまたはArガスなどの攪拌用ガスを吹き込むための複数の底吹き羽口17が設けられ、また、その側壁上部には、脱燐処理した溶銑13を出湯するための出湯口16が設けられている。スクラップシュート25は、クレーンによって吊り上げられて移動すると共に傾斜して鉄スクラップを転炉本体15の内部に供給するものであるが、図6ではクレーンを省略している。尚、上吹きランス1は、ラバールノズル4及びストレートノズル8への酸素ガス供給径路を共通とした三重管構造のものと、ラバールノズル4及びストレートノズル8への酸素ガス供給径路を独立とした四重管構造のものと、ラバールノズル4及びストレートノズル8への酸素ガス供給径路を共通とするが、ランスノズル3の中心部に粉体吹き込み用ノズルを備えた四重管構造のものとの3種類を使用することが可能である。
このように構成される転炉型精錬設備12において、先ず、必要に応じてスクラップシュート25を介して転炉本体15の内部に鉄スクラップを装入した後、溶銑13を転炉本体15の内部に装入する。用いる溶銑13としてはどのような組成であっても処理することができ、予め脱硫処理や脱珪処理が施されていてもよい。因みに、脱燐処理前の溶銑13の主な化学成分は、炭素:3.8〜5.0質量%、珪素:0.3質量%以下、硫黄:0.05質量%以下、燐:0.08〜0.2質量%程度である。但し、炉内に生成するスラグ14が多くなると脱燐効率が低下するので、スラグ14の生成量を抑えて脱燐効率を高めるために、予め脱珪処理を施して溶銑13の珪素濃度を0.1質量%以下に低減しておくことが好ましい。溶銑温度は1200〜1350℃の範囲であれば、何ら問題なく脱燐処理することができる。
次いで、脱燐用フラックスである生石灰28を投入する。生石灰28は、添加装置23及びシュート24を介して上置き添加することもできるし、上吹きランス1から粉体状の生石灰を搬送用ガスとともに吹き付けてもよい。生石灰28は溶融してスラグ14を形成し、生成したスラグ14が脱燐反応で生ずるP25 を吸収することで、脱燐反応が効率的に行なわれる。生石灰28に蛍石、アルミナなどの滓化促進剤を混合してもよい。但し、本発明においては二次燃焼によってスラグ14の温度が上昇し、滓化性がよくなるので、生石灰28のみであっても十分に滓化し、滓化促進剤を用いなくても十分に脱燐処理することができる。特に、スラグ14から溶出するフッ素による環境汚染を防止するために、蛍石などのフッ素含有物質は滓化促進剤として使用しないことが好ましい。
底吹き羽口17から窒素ガスなどの非酸化性ガスまたはArガスなどの希ガスを攪拌用ガスとして溶銑13に吹き込みながら、上吹きランス1から溶銑13の浴面に向けて脱燐剤としての酸素ガスを吹き付けて脱燐処理を実施する。酸素ガスの供給量は、溶銑13の燐濃度や珪素濃度に応じて適宜設定すればよい。但し、ラバールノズル4への酸素ガス径路とストレートノズル8への酸素ガス径路とが独立した上吹きランス1を使用した場合には、ストレートノズル8からの流量が、ラバールノズル4からの流量とストレートノズル8からの流量との和に対して10%以上40%以下になるように調整することが好ましい。尚、脱燐剤として酸素ガスのみを使用することによって溶銑13の温度が高くなり過ぎる場合には、脱燐剤として酸化鉄29を添加することができる。酸化鉄29はそれ自体の温度を上げる必要があることから、冷却剤としても機能する。生成するスラグ14の塩基度(Ca/SiO2 )は、スラグ14の脱燐能を高めるために1.5以上とすることが好ましい。また、スラグ14の量は、溶銑トン当たり50kg以下、望ましくは30kg以下に調整することが好ましい。
そして、所定量の脱燐剤(酸素ガス及び酸化鉄29)を供給したならば、脱燐剤の供給を停止して脱燐処理を終了する。処理終了後、転炉本体15を傾動させて生成したスラグ14を排出した後、溶銑13を出湯口16から取鍋などの保持容器(図示せず)に出湯し、溶銑13を収容した保持容器を次工程に搬送する。
溶銑13などの溶融金属を、本発明の上吹きランス1を用いてこのようにして吹錬することにより、上吹きランス1のラバールノズル4から超音速で酸素含有ガスが噴射すると同時に、ストレートノズル8から音速以下の速度で酸素含有ガスが、ラバールノズル4からのジェットと合体しないようにしてこのジェットの外側に噴射するので、ラバールノズル4から供給される酸素含有ガスと溶融金属との反応によって生成したCOガスは、ストレートノズル8から供給された酸素含有ガスによって効率的に二次燃焼し、また、二次燃焼の位置が溶融金属の浴面の近くで起こるので、二次燃焼熱を効率良く溶融金属に着熱させることができる。その結果、上吹きランス1から酸素含有ガスを供給して行う酸化精錬において溶融金属の熱余裕度を高めることが可能となる。
以下、容量が300トンの図6に示す転炉型精錬設備を用いて溶銑の脱燐処理を実施した本発明例(本発明例1〜20)を比較例(比較例1〜8)とともに説明する。上吹きランスとしては、ラバールノズル及びストレートノズルへの酸素ガス供給径路を共通とした三重管構造のものと、ラバールノズル及びストレートノズルへの酸素ガス供給径路を独立とした四重管構造のものと、ラバールノズル及びストレートノズルへの酸素ガス供給径路を共通とするが、ランスノズルの中心部に粉体吹き込み用ノズルを備えた四重管構造のものの3種類を使用した。
先ず、転炉本体にスクラップシュートを介して鉄スクラップを装入し、次いで溶銑装入鍋を介して溶銑を装入した。溶銑及び鉄スクラップの装入量は合計で約300トンとし、溶銑と鉄スクラップとの配合比率は、処理後の溶銑温度が1340〜1360℃の範囲になるように、操業条件に応じて設定した。溶銑と鉄スクラップとの配合比率は後述する表2に示す。脱燐処理前の溶銑の主な化学成分は、炭素:4.0〜5.0質量%、珪素:0.1質量%以下、硫黄:0.05質量%以下、燐:0.08〜0.2質量%であった。炉内に生成するスラグが多くなると脱燐効率が低下するので、スラグの生成量を抑えて脱燐効率を高めるために、本実施例では、予め溶銑に脱珪処理を施して溶銑の珪素濃度を0.1質量%以下に低減した。処理前の溶銑温度は1250〜1320℃であった。
脱燐用フラックスである生石灰は、シュートを介して主に上置き添加したが、上吹きランスから窒素ガスとともに粉体状の生石灰を吹き付ける操業(本発明例20)も実施した。本実施例では、生石灰の滓化を促進させるための滓化促進剤は使用せず、生石灰のみを脱燐用フラックスとして添加した。
底吹き羽口から窒素ガスを0.05〜0.15Nm3 /min・tの供給量で溶銑に吹き込みながら、上吹きランスから溶銑の浴面に向けて脱燐剤としての酸素ガスを吹き付けて脱燐処理を実施した。酸素ガスの供給量は、ラバールノズルからの流量とストレートノズルからの流量との和が1.0〜3.0Nm3/min・tの範囲とし、ラバールノズルへの酸素ガス径路とストレートノズルへの酸素ガス径路とが独立した上吹きランスを使用した場合には、ストレートノズルからの流量が、ラバールノズルからの流量とストレートノズルからの流量との和に対して20%になるように調整した。尚、本実施例では、主に精錬用酸素ガスを供給するノズルを「ノズル1」、主に二次燃焼用酸素ガスを供給するノズルを「ノズル2」とも表示する。また、脱燐剤として酸化鉄を使用することもできるが、本実施例では鉄スクラップを使用したので、酸化鉄は添加せずに脱燐処理した。
スラグの分析値から計算されるスラグの塩基度(Ca/SiO2 )は2.0〜3.5の範囲であり、炉内のスラグ量は生石灰の添加量に基づくCaOバランスにより算出した。処理後の溶銑温度は、1340〜1360℃の範囲に調整した。また、処理中はガス分析装置を用いて排ガスの組成を分析し、二次燃焼率を測定した。二次燃焼率の測定には、二次燃焼領域から排ガスを採取することが好ましいが、高温であることからガスの採取が困難である場合には、炉口付近の排ガスを採取し、巻き込んだ空気の窒素ガス分及び酸素ガス分を補正し、二次燃焼率を算出しても構わない。着熱効率は、脱炭反応及び二次燃焼による発熱量と排ガスによる排出熱量との熱バランスから算出した。
また、比較のために、主に二次燃焼用酸素ガスを供給するためのノズル2の設置されていない上吹きランスを用いた例(比較例1〜2)、ノズル2がラバールノズル形状である上吹きランスを用いた例(比較例3)、主に精錬用酸素ガスを供給するためのノズル1がストレート形状である上吹きランスを用いた例(比較例4)、ノズル1とノズル2とが交互に設置されていない上吹きランスを用いた例(比較例5)、ノズル2の傾斜角(θ2 )とノズル1の傾斜角(θ1 )との差分(θ2−θ1 )が10°以下の吹きランスを用いた例(比較例6〜8)も実施した。
本発明例1〜20及び比較例1〜8における操業条件及び操業結果を表2に示す。尚、表2において、「ノズル2の断面積割合」とは、「ノズル2の断面積×100/(ノズル1の断面積+ノズル2の断面積)」であり、ノズル1とノズル2との酸素ガス供給径路が共通の場合に限り、その値を記している。「溶銑配合率」とは、溶銑及び鉄スクラップの合計装入量における溶銑量の割合であり、低いほど多量の鉄スクラップを添加したことになる。生石灰添加方法の欄の「上置き」とは、塊状の生石灰を、シュートを介して投入した場合であり、「投射」とは上吹きランスの中心軸部の粉体吹き込み用ノズルから粉体状の生石灰を、窒素ガスを搬送用ガスとして吹き付けて添加した場合である。また、「耐火物状況」とは、二次燃焼熱による炉体の損耗を評価したもので、激しい損耗が観察された場合を×、やや損耗が観察された場合を△、二次燃焼の影響が認められなかった場合を○で表示し、「鉄ロスindex 」とは、スピッティング及びダストの発生量を評価したもので、これらの発生量が多いほど大きい値となっている。二次燃焼率及び着熱効率は処理中の平均値を表している。
Figure 2006348331
表2に示すように、本発明例においては二次燃焼率が高く、着熱効率も良好な結果であった。その結果、鉄スクラップを多量に添加することが可能であった。以下、詳細に本発明例及び比較例の結果を述べる。
比較例1〜2は、ノズル孔数が少ないために二次燃焼率を高めることができなかった。比較例3は、ノズルを全てラバールノズルとしたために、酸素ジェットの流速を低下することができず、二次燃焼率を高めることができなかった。比較例4は、ノズルを全てストレートノズルとしたために、二次燃焼率は高いものの、精錬用酸素ガスが浴面に十分到達しておらず、処理後の溶銑中燐濃度が高くなってしまった。比較例5は、ラバールノズルとストレートノズルとを交互に配置していないため、二次燃焼率は高いものの、ストレートノズルの偏った配置に起因して転炉耐火物に偏った損耗が確認された。比較例6〜8は、ストレートノズルの傾斜角(θ2 )とラバールノズルの傾斜角(θ1 )との差分(θ2−θ1 )が10°以下であるために、精錬用酸素ガスと二次燃焼用酸素ガスとの分離が不十分となり、差分(θ2 −θ1)が10°を超える操業に比較して二次燃焼率が低位であった。このように、比較例においては二次燃焼率を高めることができなかったために鉄スクラップの添加量は少なく、更に鉄スクラップの添加量がやや多かった場合には処理後の燐濃度の悪化や耐火物損耗などの弊害が見られる結果となった。
これに対して本発明例1〜20においては、ラバールノズルとストレートノズルとを交互に各々3孔以上配置し、傾斜角の差分(θ2 −θ1 )を10°より大きくしているので、比較例1〜8に比べて二次燃焼率が向上し、着熱効率も良好な結果であり、多量の鉄スクラップを添加することが可能であった。但し、本発明例にあっても操業条件を変えることによって以下の事象が判明した。
ラバールノズルの傾斜角(θ1 )を8°よりも小さくした本発明例8〜9では、二次燃焼率及び着熱効率に対する特性は十分であったが、スピッティングやダストの発生量はやや多かった。スピッティングやダストの発生量を抑制するためには、ラバールノズルの傾斜角(θ1)を8°以上にすることが好ましいことが分かった。ストレートノズルの傾斜角(θ2 )が70°を超える範囲とした本発明例10〜11では、二次燃焼率は高かったが、やや炉体耐火物に損耗傾向が認められた。二次燃焼熱の炉体耐火物への影響を抑制するためには、ストレートノズルの傾斜角(θ2)を70°以下とすることが好ましいことが分かった。
本発明例12〜13は、酸素ガスの供給径路を共通とし、ストレートノズルの断面積割合を10%よりも小さくしたために、二次燃焼用酸素ガスがやや少なくなり、二次燃焼率は若干低くなった。高い二次燃焼率を得るためには、ストレートノズルの断面積割合を10%以上とすることが好ましいことが分かった。一方、本発明例14〜15は、酸素ガスの供給径路を共通とし、ストレートノズルの断面積割合を40%よりも大きくしたために、二次燃焼率は極めて高くなったが、若干着熱効率が低下し、また炉体耐火物にもやや損耗が観察された。また更に、精錬用酸素ガスが少なくなるために、処理後の溶銑中燐濃度が高めになった。これらを抑制するためには、ストレートノズルの断面積割合を40%以下とすることが好ましいことが分かった。
炉内のスラグ量が溶銑トン当たり50kgを超えた本発明例16〜17では、やや着熱効率の低下が認められた。また、スラグ量が多くなることから鉄ロスも若干多くなった。これに対して、炉内のスラグ量が溶銑トン当たり30kg以下である本発明例18〜19では、20%を超える高い二次燃焼率であるにも拘わらず、高い着熱効率を得ることができた。また、スラグ量が少ないので鉄ロスも減少傾向であった。これらから、炉内のスラグ量は溶銑トン当たり50kg以下、望ましくは30kg以下とすることが好ましいことが分かった。
本発明例20は、上吹きランスの中心軸部に粉体吹き込み用ノズルを設け、亜音速の窒素ガスを搬送用ガスとして粉体状の生石灰を溶銑に吹き付けて脱燐処理した例であり、粉体吹き込み用ノズルから生石灰を吹き込むことによる影響はなく、高い二次燃焼率及び着熱効率をえることができた。
このように、本発明によって二次燃焼率を高めることができ、また着熱効率も良好であり、溶銑の脱燐処理において熱余裕度を向上させることができた。熱余裕度の向上により、多量のスクラップの溶解が可能となり、生産性を高めることが可能となる。
ストレートノズルからの噴流の偏向量を調査する方法を示す概要図である。 ノズルの傾斜角の差分(θ2 −θ1 )と比(Li /L0 )との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る上吹きランスの概略断面図である。 図3のX−X’矢視による概略図である。 図3に示すラバールノズルの概略拡大断面図である。 本発明で使用した転炉型精錬設備の概略断面図である。
符号の説明
1 上吹きランス
2 ランス本体
3 ランスノズル
4 ラバールノズル
5 絞り部
6 スロート
7 スカート部
8 ストレートノズル
9 外管
10 中管
11 内管
12 転炉型精錬設備
13 溶銑
14 スラグ
15 転炉本体
16 出湯口
17 底吹き羽口
18 フード
19 ホッパー
20 ホッパー
21 切出装置
22 切出装置
23 添加装置
24 シュート
25 スクラップシュート
26 酸素ガス配管
27 流量調整弁
28 生石灰
29 酸化鉄

Claims (8)

  1. その先端に、鉛直斜め下方に向けて酸素含有ガスを噴出するための3個以上のラバールノズルと、鉛直斜め下方に向けて酸素含有ガスを噴出するための3個以上のストレートノズルとが、それぞれ同一個数で且つ円周方向に交互に配置され、これらのノズルを介して溶融金属に向けて酸素含有ガスを供給して溶融金属を酸化精錬する溶融金属精錬用上吹きランスであって、前記ラバールノズルの傾斜角(θ1 )と前記ストレートノズルの傾斜角(θ2 )とが下記の(1)式を満たすことを特徴とする溶融金属精錬用上吹きランス。
    θ2 −θ1 >10° …(1)
  2. 前記ラバールノズルの傾斜角(θ1 )が8°以上であることを特徴とする、請求項1に記載の溶融金属精錬用上吹きランス。
  3. 前記ストレートノズルの傾斜角(θ2 )が70°以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の溶融金属精錬用上吹きランス。
  4. 前記ラバールノズルへの酸素含有ガスの供給径路と前記ストレートノズルへの酸素含有ガスの供給径路とが同一径路であって、前記ストレートノズルのノズル出口部断面積の合計が、前記ラバールノズルのスロート部断面積の合計とストレートノズルのノズル出口部断面積の合計との総和に対して10%以上40%以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の溶融金属精錬用上吹きランス。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の溶融金属精錬用上吹きランスを用いて、溶銑の脱珪処理、溶銑の脱燐処理のうちの少なくとも1種の処理を実施することを特徴とする、溶融金属の吹錬方法。
  6. 請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の溶融金属精錬用上吹きランスを用いて、予備脱燐処理の施された溶銑の脱炭処理を実施することを特徴とする、溶融金属の吹錬方法。
  7. 処理中のスラグ量が溶銑トン当たり50kg以下であることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の溶融金属の吹錬方法。
  8. 前記溶融金属精錬用上吹きランスの中心軸部の位置には、精錬剤を搬送用ガスとともに供給するための粉体吹き込み用ノズルが配置されており、該粉体吹き込み用ノズルからの搬送ガスの流出速度を音速以下として精錬剤を搬送用ガスとともに溶融金属に向けて供給することを特徴とする、請求項5ないし請求項7の何れか1つに記載の溶融金属の吹錬方法。
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