JP4218234B2 - 転炉吹錬方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素を用いて溶銑を酸化精錬する転炉の吹錬方法に関し、詳しくは、高炭素域でのダストや鉄飛散の発生量の低減と、低炭素域での鉄酸化の低減とを同時に達成することのできる転炉吹錬方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶銑を用いた転炉吹錬においては、上吹き酸素又は底吹き酸素により、主として脱炭を目的とした酸化精錬が行われている。近年、大量の溶銑をより短時間に精錬し、高い生産性を得ようとするニーズが従来にも増して高まっているばかりでなく、大量の鉄鉱石及びMn鉱石等を添加した炉内直接還元や、大量の鉄スクラップの炉内溶解等のために、より多くの酸素源が必要となり、大量の酸素を短時間に安定して吹き込みつつ、高精度の成分制御を可能とする技術が必要になっている。又、溶銑の脱燐や脱硫を目的とする溶銑予備処理プロセスの発達により、転炉吹錬で発生するスラグ量は大幅に減少し、従来プロセスとは異なった要素が多く発生する等、これらの状況に対処するために早急な転炉吹錬方法の最適化が急務となっている。
【0003】
上吹きランスによる酸化精錬では、酸素は、上吹きランス先端に設置された、ラバールノズルと呼ばれる末広がりのノズルから超音速又は亜音速のジェットとして転炉内に供給される。この場合、脱炭反応等の反応効率を低下させないようにするため、通常、酸素の供給量(以下「送酸速度」という)が比較的多い、吹錬の初期から中期までの高炭素域(およそC>0.6mass%)における精錬条件に基づいてラバールノズルの形状が設計されている。換言すれば、送酸速度が大きい場合に、吹き付けられる酸素はラバールノズルにより適正に膨張して超音速化されるようになっており、逆に、吹錬末期の低炭素域(およそC≦0.6mass%)に相当する送酸速度が小さい場合には、酸素はラバールノズル内で過剰に膨張して、超音速化が阻害されるようになっている。
【0004】
高生産性を目的として送酸速度を更に増大させた転炉吹錬に、このような設計思想に基づくラバールノズルを用いた場合には、上吹きランスから供給される酸素ジェットの噴出流速は更に増加し、転炉内の溶湯表面に到達するジェット流速が増大して溶湯湯面の乱れは一層激しくなる。従来のようなスラグ量の多い(およそ溶鋼トン当たり50kg以上)吹錬においては、酸素ジェットのスラグ層の貫通を確実にさせるためには、この設計思想が必須であった。
【0005】
しかしながら、近年のようなスラグ量の少ない吹錬においては、このような設計思想の必要性は低くなってきており、却って、ジェット流速の増大に伴う湯面の乱れは、スラグ量の少ない吹錬下ではスピッティングやスプラッシュ等の激しい溶湯飛散をもたらし、炉口やフード、上吹きランス、更には排ガス設備といった部位への地金付きを増加させ、操業に悪影響を与えると共に、鉄歩留まりの低下による生産性の悪化をもたらす。又、飛散に伴う鉄ダストの発生も著しく増加し、ダスト発生の観点からも鉄歩留まりの低下をもたらす。
【0006】
こうした操業状況の悪化を抑制するために、ラバールノズルの孔径や傾角等の上吹きランス形状のハード面を適正化しつつ、上吹きランスの先端と浴面との距離(以下「ランス高さ」と記す)や送酸速度等の操業条件を制御した対策が多数提案されている。例えば特開平6−228624号公報には、上吹きランスの形状を適正化すると共に、送酸速度及びランス高さをラバールノズルの形状に合わせて適正範囲内に制御した吹錬方法が開示されている。しかし、同号公報のように高流量化した際の鉄飛散やダストを抑制する目的で、ラバールノズルの構造やランス高さの変更を行う場合には、上吹きランスから噴出される酸素ジェットの軌跡及び幾何学的形状が大きく変化するので、不必要な2次燃焼が生じたり、反応界面積の変動に起因して反応効率が悪化するという2次的な悪影響が発生する。又、物理的若しくは操業的にランス高さの変更等が困難な場合には、この方法では対処することができない。
【0007】
一方、吹錬末期の低炭素域においては、供給された酸素は脱炭反応だけでなく鉄の酸化にも消費されるため、鉄の酸化を抑えて脱炭酸素効率を高める目的で送酸速度を低減させている。この場合、送酸速度はラバールノズルの適正流量値から大きく外れるために、ラバールノズルの最大の効果が得られず、不必要に酸素ジェットが減衰し、主にスラグ中のT.Feの増加に見られるように、脱炭反応効率の低下が生じる。又、酸素ジェットの非定常な乱れも大きくなり、精錬反応の安定化並びに定常化が得られず、吹錬終了時の成分ばらつきも大きくなる。尚、T.Feとはスラグ中の全ての鉄酸化物(FeOやFe23 )の鉄分の合計値である。
【0008】
これらの現象を抑制する目的で、吹錬末期における反応効率の向上及び安定化を指向してランス高さを更に低下させ、溶湯湯面での酸素ジェットの動圧を高めた吹錬方法が採られることがあるが、この場合、吹錬末期には送酸速度も大きく低下しているため、ランス高さを相当な低位に維持する必要が生じ、鉄飛散による上吹きランスへの鉄付着等の悪影響が無視できず、歩留まりの低下及び操業性の悪化をもたらす。又、ランス高さの低下により、酸素ジェットの浴面への衝突面積が小さくなるため、反応界面積が減少してしまい、T.Feの低減に関して大きな効果を得ることは困難となる。
【0009】
この問題を改善するために、特開平10−30110号公報には、ラバールノズルのスロート径と送酸速度とで決定されるラバールノズルの適正膨張出口径Dに対し、高炭素域では0.85D〜0.94Dの出口径を有する上吹きランスを用い、低炭素域では0.96D〜1.15Dの出口径を有する上吹きランスを用いた転炉吹錬方法が開示されている。又、同一のラバールノズルを使用しても、送酸速度とラバールノズルのノズル背圧Pとを変更することにより、適正膨張出口径Dに対して出口径を上記の範囲に変更できるとしている。
【0010】
しかしながら、この吹錬方法では、精錬の制御を確実に行うためには形状の異なる2種類以上の上吹きランスを使用しなければならず、設備上並びに操業上の煩雑さが無視できない。又、同一の上吹きランスを使用した場合には、高炭素域及び低炭素域の双方で最適範囲にとどめることが必要であり、ラバールノズルの設計が複雑になると共に、特に、吹錬初期から中期の高炭素域においては吹錬時間の短縮や高生産性を目的として高い送酸速度を確保し、且つ、吹錬末期においては送酸速度を低く保持したい場合には、上記範囲を逸脱してしまう。即ち、送酸速度の調整幅が限定されてしまい、炉内状況に応じて送酸速度を自由に変更できない等の問題点が生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、送酸速度の調整幅が広く、炉内状況に応じて送酸速度を自由に変更することが可能であり、且つ、高炭素域での高送酸速度時の鉄飛散やダスト発生を低減し、更に、吹錬末期での低送酸速度時の鉄酸化を抑制すると共に反応の安定化を向上させることができる転炉吹錬方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために、ラバールノズルの設計条件、特にラバールノズルのノズル背圧Pに着目して鋭意研究を行った。その結果、吹錬末期における低い送酸速度の条件に基づいて低いノズル背圧Pでラバールノズルを設計すること、即ち吹錬末期の低い送酸速度及び低いノズル背圧Pの条件でラバールノズルを最適化することにより、上記課題を解決することができるとの知見を得た。以下、検討結果を説明する。
【0013】
酸素吹錬中の転炉内挙動は、その反応挙動の違いから高炭素域(C>0.6mass%)と低炭素域(C≦0.6mass%)とに大別される。高炭素域では、供給される酸素はほぼ全量脱炭に費やされ、反応は酸素の供給律速であり、高い送酸速度で吹錬が行われる。一方、低炭素域では、酸素の供給律速から炭素の移動律速に変わり、酸素の一部が鉄の酸化にも費やされるので、鉄の酸化を抑制して脱炭酸素効率を高めるために送酸速度を低減させている。
【0014】
このとき、高炭素域での吹錬では、鉄飛散やダスト発生を低減させるために、高い送酸速度を維持したまま、溶湯湯面での酸素ジェットの動圧は低くする必要がある。但し、不必要な2次燃焼の回避並びに脱炭酸素効率の高位維持のため、幾何学的な酸素ジェットの形状及び軌跡はできるだけ同条件に保持する必要がある。一方、低炭素域では、脱炭酸素効率を高めるために送酸速度を低減させるが、これに伴って酸素ジェットの動圧も大幅に低下するため、そのままでは脱炭酸素効率の低下、即ち鉄の酸化増大をもたらす。又、その悪化度合いは送酸速度を低くするほど大きくなる。そのため、浴面での酸素ジェットの動圧を可能な限り高く維持したいが、ランス高さを低下させて酸素ジェットの動圧を増大させることは、浴面からの輻射による上吹きランス先端の損耗や浴面からの鉄飛散に起因する上吹きランスへの地金付きを著しく増大させるために限界がある。このように高炭素域と低炭素域とでは相反する要求があり、しかも、ランス高さ等の操業条件の変更は可能な限り避けて対処する必要がある。
【0015】
そこで、形状の異なる種々のラバールノズルについて、酸素ジェットの噴出流速とノズル背圧Pとの関係を調査した。その結果、理論的に求められる最適なノズル背圧Pにおいて、理論値に近い噴出流速が得られることが分かった。酸素ジェットの噴出流速とノズル背圧Pとの関係を調査した結果の一例を図1に示す。図1において、破線は理論値を示し、●印は、ノズル背圧Pが382kPa (3.9kgf /cm2 )の時に吹き付けられる酸素が最も適正に膨張して超音速化されるように設計された、即ち、設計ノズル背圧Poが382kPa であるラバールノズルAでの測定値であり、又、○印は、設計ノズル背圧Poが598kPa (6.1kgf /cm2 )であるラバールノズルBでの測定値である。
【0016】
尚、ラバールノズルにおいて、ノズル背圧P(kPa )は、ラバールノズル1孔当たりの送酸速度Fh(Nm3 /hr)及びラバールのスロート径Dt(mm)と下記の(1)式に示す関係があり、(1)式に示すようにノズル背圧Pは送酸速度に比例する。ここで、ラバールノズル1孔当たりの送酸速度Fhは、ラバールノズルのスロート径Dtの総断面積に対する個々のラバールノズルスロート径Dtの断面積の比と、送酸速度Fとを乗算することにより求めることができ、通常、複数個のラバールノズルを設置する場合には、各ラバールノズルのスロート径Dtを実質的に同一とするので、送酸速度Fをラバールノズルの設置個数で除算することにより求めることができる。又、本発明におけるノズル背圧P,Poは絶対圧(真空の状態を圧力0とし、それを基準として表示される圧力)で表示した圧力である。
【0017】
【数3】
Figure 0004218234
【0018】
図1に示すように、ラバールノズルの形状に拘わらず、噴出流速は、ノズル背圧Pの増加に伴って増大するが、ラバールノズルBで例示するように、設計ノズル背圧Poに達するまでは理論値と比較して減衰しており、この減衰量はノズル背圧Pと設計ノズル背圧Poとの差が大きいほど大きくなる。そして、ノズル背圧Pが設計ノズル背圧Poに近づくにつれて理論値からの減衰は低減し、設計ノズル背圧Poではほぼ理論値どおりの超音速が得られる。ノズル背圧Pを設計ノズル背圧Poを越えて更に増大していくと、噴出流速は増大するが、ラバールノズルAで例示するように、理論値に対する減衰量がノズル背圧Pの増加と共に大きくなり、噴出流速は緩やかに増加する。この現象、即ち設計ノズル背圧Poを越えた領域での噴出流速の減衰度合いが大きくなる現象は、設計ノズル背圧Poが低いラバールノズルほど大きく、特に、設計ノズル背圧Poが490kPa (5kgf /cm2 )近傍以下のラバールノズルで大きくなることが分かった。
【0019】
更に、ノズルAで観察されるように、設計ノズル背圧Poが低いラバールノズルでは、設計ノズル背圧Po(この場合382kPa )以下のノズル背圧Pにおいては噴出流速の理論値との差が小さいことが分かった。この傾向は設計ノズル背圧Poが低いほど顕著であり、種々検討の結果、設計ノズル背圧Poを490kPa 以下とすれば、理論値からの減衰が抑制されることが判明した。即ち、設計ノズル背圧Poを490kPa 以下としてラバールノズルを設計することにより、設計ノズル背圧Po以下のノズル背圧Pにおける噴出流速の理論値からの減衰を抑えることが可能であることが分かった。
【0020】
即ち、吹錬末期における酸素ジェットの動圧を増大させるためには、吹錬末期の低炭素域における低い送酸速度及び低いノズル背圧P、特に490kPa 以下のノズル背圧Pに基づいて設計すれば、理論値に近い、高い酸素ジェット動圧が吹錬末期に得られるとの知見を得た。
【0021】
又、吹錬末期の低炭素域での送酸速度に基づいて設計したラバールノズルを用いて高炭素域を高送酸速度で吹錬する場合には、前述した図1に示すラバールノズルAに例示するように、噴出流速の増加が抑えられ、高送酸速度に基づいて設計されたラバールノズルに比べて噴出流速が低下し、酸素ジェットのエネルギーが低位に維持される。そして、高送酸速度域における噴出流速の理論値からの低減度合いは、図1に示すラバールノズルAに例示するように、操業時のノズル背圧Pを490kPa 以下と低くして設計したラバールノズルを用いた場合に大きいとの知見が得られた。更に、このラバールノズルにおいては、ノズル背圧Pが設計ノズル背圧Poよりも極めて高い領域(高送酸速度域)に至っても減衰効果を持続しつつ送酸することができるので、送酸速度の上限を設定する必要はなく、従って、幅広い送酸速度での吹錬が可能であるとの知見も得られた。
【0022】
この場合に、吹錬の初期から中期の高炭素域における送酸速度を、吹錬末期の低炭素域における送酸速度の1.8倍以上とすることで、噴出流速の減衰効果が大きくなり、高炭素域でのダスト発生の抑制効果が大きくなることが分かった。但し、図1に示すノズルBのように、設計ノズル背圧Poが490kPa を越えるラバールノズルでは減衰効果は小さく、ダスト発生の抑制効果はさほど期待できない。即ち、設計ノズル背圧Poを490kPa 以下としたラバールノズルを使用する必要があることが分かった。
【0023】
これらの調査結果から、吹錬の初期から中期の高炭素域における溶湯湯面での酸素ジェットの動圧を低減し、且つ、吹錬末期の低炭素域における酸素ジェットの動圧を増大させるためには、高炭素域の送酸速度に基づいてラバールノズルを設計するのではなく、吹錬末期の低炭素域における低い送酸速度及び低いノズル背圧P、特に490kPa 以下のノズル背圧Pに基づいて設計すれば、吹錬の初期から中期においてはダスト発生が抑制され、吹錬末期においては理論値に近い、高い酸素ジェット動圧が得られるとの知見を得た。但し、ラバールノズルの設計に当たっては、設計の際に用いる設計ノズル背圧Poは、実際の操業時のノズル背圧Pに等しいことが理想的であるが、実操業では両者を常に一致させることは困難な場合が多い。しかしながら、鋭意研究の結果、操業時の実際のノズル背圧Pに対する設計ノズル背圧Poの比(Po/P)が0.85〜1.15の範囲であれば、噴出流速の制御が可能であり、十分低位にT.Feを制御可能であることが分かった。
【0024】
ここで、転炉吹錬用ランスのラバールノズルにおいては、設計上、設計ノズル背圧Po(kPa )と、雰囲気圧Pe(kPa )と、ラバールノズルのスロート径Dt(mm)と、ラバールノズルの出口径De(mm)とは、下記の(2)式の関係を満足している。ここで、雰囲気圧Peとは、ラバールノズルの外部の雰囲気圧、換言すれば、転炉内のガス雰囲気圧力であり、絶対圧で表示した圧力である。
【0025】
【数4】
Figure 0004218234
【0026】
従って、設計ノズル背圧Poを490kPa 以下としたラバールノズルにおいては、設計ノズル背圧Po=490kPa 、雰囲気圧Pe=101kPa (大気圧)を上記の(2)式に代入することにより、ラバールノズルの出口径Deとスロート径Dtとの比(De/Dt)は、一義的に下記の(3)式により定まることになる。
【0027】
【数5】
Figure 0004218234
【0028】
ここで、通常の転炉脱炭吹錬、即ち溶鋼量が50トン以上の商業用転炉吹錬においては、高炭素域におけるノズル背圧Pは980kPa 近傍以上であることが多く、吹錬末期の低炭素域においても490kPa を越えるノズル背圧Pで操業している。これは、従来のようなスラグ量が多い場合(およそ溶鋼トン当たり50kg以上)においては、酸素ジェットがスラグを貫通するに十分なノズル背圧Pが必要であったためである。換言すれば、設計ノズル背圧Poが490kPa 以下のラバールノズルは、スラグ量が溶鋼トン当たり50kg未満の転炉吹錬において、その効果を如何なく発揮する。尚、小型の試験転炉においては、このような問題は考慮する必要はなく、設備上も低圧設計になっており、本発明の対象とするところではない。
【0029】
図2は、設計ノズル背圧Poと、高炭素域における同一送酸速度での1吹錬当たりのダスト発生量との関係を示す図であり、図2からも明らかなように、設計ノズル背圧Poを490kPa 以下としたラバールノズルを用いることにより、高送酸速度域における噴出流速の増加が抑制され、ダスト発生量は低位安定していることが分かる。一方、設計ノズル背圧Poが490kPa を越えるラバールノズルを用いた吹錬では、ダスト発生の抑制が不十分であることが分かる。尚、図2は後述する実施例に示す転炉を用い、設計ノズル背圧Poが285〜765kPa である種々のラバールノズルを用い、送酸速度等の操業条件を同一条件として高炭素域で溶銑を吹錬した試験から得られた結果である。
【0030】
この試験において、どのラバールノズルにおいても高送酸速度側の上限は確認されず、如何なる送酸速度であっても吹錬可能であった。従って、490kPa 以下の設計ノズル背圧Poで設計すれば、高炭素域での送酸速度に拘わらず、ダストの低減効果が得られ、高酸素域及び低酸素域での送酸速度を自由に採ることが可能であることが分かった。
【0031】
このように、低いノズル背圧Pに基づきラバールノズルを設計することで、ダスト低減効果が得られ、更に、高いノズル背圧Pで設計していた従来のラバールノズルと比較して、吹錬末期の低送酸速度域でのノズル背圧Pが設計ノズル背圧Poに近づくため、吹錬末期での酸素ジェットの最適化が達成される。当然ではあるが、吹錬末期のノズル背圧Pを設計ノズル背圧Poに合致させれば、酸素ジェットの最適化は最大となる。
【0032】
本発明は上記検討結果に基づきなされたもので、第1の発明に係る転炉吹錬方法は、その先端にラバールノズルが設置された上吹きランスを用い、溶湯の炭素濃度の低下する吹錬末期に送酸速度を低下させて吹錬する転炉吹錬方法において、吹錬末期の炭素濃度0.6 mass %以下の低炭素域での送酸速度F(Nm3 /hr)から定まるラバールノズル1孔当たりの送酸速度Fh(Nm3/hr)と、ラバールノズルのスロート径Dt(mm)とから、上記の(1)式により定まるノズル背圧P(kPa )に対し、その比(Po/P)が0.85〜1.15の範囲で且つ490kPa 以下となる設計ノズル背圧Po(kPa )と、雰囲気圧Pe(kPa )と、前記スロート径Dt(mm)とから、上記の(2)式により定まる出口径De(mm)を有するラバールノズルを備えた上吹きランスを用いて吹錬することを特徴とするものである。
【0033】
第2の発明に係る転炉吹錬方法は、第1の発明において、前記上吹きランスが複数個のラバールノズルを有し、その内の一部のラバールノズルが前記(1)式並びに(2)式により定まる出口径De(mm)を有していることを特徴とするものである。
【0037】
の発明に係る転炉吹錬方法は、第1の発明又は第2の発明において、吹錬末期の炭素濃度0.6 mass %以下の低炭素域ではノズル背圧Pを490kPa 以下として吹錬することを特徴とするものである。
【0038】
の発明に係る転炉吹錬方法は、第1の発明ないし第の発明の何れかにおいて、吹錬の初期から中期における炭素濃度0.6 mass %超えの高炭素域での送酸速度を吹錬末期の炭素濃度0.6 mass %以下の低炭素域での送酸速度の1.8倍以上とすることを特徴とするものである。
【0039】
の発明に係る転炉吹錬方法は、第1の発明ないし第の発明の何れかにおいて、転炉内のスラグ量が溶鋼トン当たり50kg未満であることを特徴とするものである。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面を参照して説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る上吹きランスの概略断面図、図4は、図3に示すラバールノズルの概略拡大断面図である。
【0043】
図3に示すように、上吹きランス1は、円筒状のランス本体2と、このランス本体2の下端に溶接等により接続されたランスノズル3とで構成されており、そして、ランス本体2は、外管8、中管9、内管10の同心円状の3種の鋼管、即ち三重管で構成され、銅製のランスノズル3には、鉛直下向き方向又は鉛直斜め下向き方向にラバールノズル4が設置されている。
【0044】
外管8と中管9との間隙、及び、中管9と内管10との間隙は、上吹きランス1を冷却するための冷却水の流路となっており、上吹きランス1の上部に設けられた給水継手(図示せず)から供給された冷却水は中管9と内管10との間隙を通ってランスノズル3の部位まで至り、ランスノズル3の部位で反転して外管8と中管9との間隙を通って上吹きランス1の上部に設けられた排水継手(図示せず)から排出される。給排水の経路を逆としても良い。又、内管10の内部はラバールノズル4への酸素の供給流路となっており、上吹きランス1の上端部から内管10内に供給された酸素は、内管10を通り、ラバールノズル4から転炉(図示せず)内に噴出される。
【0045】
ラバールノズル4は、図4に示すように、その断面が縮小する部分と拡大する部分の2つの円錐体で構成され、縮小部分を絞り部5、拡大部分をスカート部7、絞り部5からスカート部7に遷移する部位である、最も狭くなった部位をスロート6と呼び、1個ないし複数個のラバールノズル4がランスノズル3に設けられている。ランス本体2の内部を通ってきた酸素は、絞り部5、スロート6、スカート部7を順に通って、超音速又は亜音速のジェットとして転炉内に供給される。図4中のDtはスロート径、Deは出口径であり、スカート部7の広がり角度θは通常10度以下である。
【0046】
尚、図4に示すラバールノズル4では絞り部5及びスカート部7が円錐体であるが、ラバールノズルとしては絞り部5及びスカート部7は円錐体である必要はなく、内径が曲線的に変化する曲面で構成しても良く、又、絞り部5はスロート6と同一の内径であるストレート状の円筒形としても良い。絞り部5及びスカート部7を、内径が曲線的に変化する曲面で構成する場合には、ラバールノズルとして理想的な流速分布が得られるが、ノズルの加工が極めて困難であり、一方、絞り部5をストレート状の円筒形とした場合には、理想的な流速分布とは若干解離するが、転炉吹錬で使用には全く問題とならず、且つ、ノズルの加工が極めて容易となる。本発明ではこれら全ての末広がりのノズルをラバールノズルと称する。
【0047】
本発明においては、このように構成されるラバールノズル4の形状を吹錬に先立ち、以下に示す2つの手順によって決定する。
【0048】
第1のラバールノズル4の形状を決める方法は、以下のように行う。先ず、吹錬末期の低炭素域における上吹きランス1からの送酸速度F(Nm3 /hr)から、1つのラバールノズル4での送酸速度Fh(Nm3 /hr)を求める。ここで、吹錬末期の低炭素域とは溶湯中の炭素濃度が0.6mass%以下の範囲であり、送酸速度Fとは炭素域がこの範囲における送酸速度であり、炭素濃度が0.6mass%以下の範囲において送酸速度を変化させる場合には、その内の任意の送酸速度とする。但し、溶湯中の炭素濃度が0.6mass%以下の範囲において送酸速度を様々に変える場合には、その内の送酸速度の代表値や加重平均値等としても良い。
【0049】
送酸速度Fh(Nm3 /hr)とラバールノズル4のスロート径Dt(mm)とから、前述した(1)式によりノズル背圧P(kPa )を定める。ここで、ノズル背圧Pとは、ランス本体2内、即ちラバールノズル4の入側の酸素の圧力である。
【0050】
そして、このようにして定めたノズル背圧Pに対する比(Po/P)が0.85〜1.15の範囲となり、且つ、その値が490kPa 以下となる設計ノズル背圧Poを決定し、この設計ノズル背圧Po(kPa )と、雰囲気圧Pe(kPa )と、スロート径Dt(mm)とを用いて、前述した(2)式により出口径De(mm)を求める。このとき、設計ノズル背圧Poが490kPa を越えてしまう場合には、設計ノズル背圧Poが490kPa 以下となるように、送酸速度Fh又はスロート径Dt若しくは両者を変更する。ここで、雰囲気圧Peは、通常の転炉吹錬では大気圧である。
【0051】
又、第2のラバールノズル4の形状を決める方法は、以下のように行う。即ち、設計ノズル背圧Poが490kPa 以下のラバールノズル4では、ラバールノズル4の出口径Deとスロート径Dtとの比(De/Dt)は、一義的に前述の(3)式を満足する。従って、出口径Deとスロート径Dtとの比(De/Dt)を(3)式を満足する任意の値に設定し、そして、吹錬末期の低炭素域における上吹きランス1からの送酸速度F(Nm3 /hr)から、1つのラバールノズル4での送酸速度Fh(Nm3 /hr)を求め、求めた送酸速度Fh(Nm3 /hr)と、490kPa 以下の条件下のノズル背圧Pとを用いて、前述した(1)式によりラバールノズル4のスロート径Dtを定める。スロート径Dtを定めることにより、出口径Deも自ずと定まる。
【0052】
このようにして形状を決定したラバールノズル4を有するランスノズル3を製作し、ランス本体2の下端に接続して上吹きランス1を構成する。ランスノズル3が複数個のラバールノズル4を有している場合には、その内の一部のラバールノズル4のみを上記のようにして決定した形状としても良い。但し、この場合には、目的とする効果は若干低下する。
【0053】
そして、この上吹きランス1を用いて、高炉等で製造された溶銑を転炉内で吹錬する。この吹錬において、吹錬末期の低炭素域では、酸素ジェットの動圧低下を抑えるために、ノズル背圧Pを490kPa 以下として吹錬することが好ましい。この場合、溶湯の炭素濃度が0.6mass%になったならば、直ちにノズル背圧Pを490kPa 以下にする必要はなく、上記の送酸速度Fhを求めた送酸速度に変更する時期に合わせて実施すれば良い。但し、吹錬末期の低炭素域においてノズル背圧Pを490kPa を越える値としても、従来ランスに比較して酸素ジェットの動圧低下を抑えることができる。これは、本発明のラバールノズル4では設計ノズル背圧Poが490kPa 以下と低いため、吹錬末期に送酸速度を下げた場合には、ノズル背圧Pが設計ノズル背圧Poに近づくためである。
【0054】
一方、吹錬の初期から中期における高炭素域(C>0.6mass%)では、送酸速度及びノズル背圧Pに拘わることなく、この上吹きランス1を用い、高送酸速度及び高ノズル背圧P等の精錬反応に見合った任意の条件で吹錬することが可能である。但し、酸素ジェットの噴出流速を効率良く減衰させるために、高炭素域での送酸速度を、低炭素域での送酸速度の1.8倍以上とすることが好ましい。
【0055】
転炉吹錬の際の炉内スラグ量が少ない場合には、スラグに覆われる溶湯の比率が低下し、高炭素域におけるダストや鉄飛散の発生量が増大する。本発明のラバールノズル4は高炭素域でのダストや鉄飛散の発生を抑制する効果が強く、従って、炉内スラグ量が溶鋼トン当たり50kg未満、望ましくは30kg以下の吹錬に本発明を適用することにより、その効果をより一層発揮させることができる。
【0056】
転炉内の溶銑をこのようにして吹錬することにより、吹錬末期における酸素ジェットの噴出流速を最適化すること、即ち、吹錬末期の酸素ジェットの動圧を理論値に近い値まで増大させることが可能となり、鉄の酸化を抑制することができると共に、高炭素域の高送酸速度領域での噴出流速を低下することができ、酸素ジェットエネルギーの低位維持がもたらされ、鉄飛散やダスト発生を軽減することができる。そのため、吹錬全体での鉄歩留まりを向上することができ、操業の安定化が達成される。
【0057】
又、本発明では、低炭素域での送酸速度に対して高炭素域での送酸速度を任意に設定することが可能であり、即ち、幅広い送酸速度の調整幅で吹錬することが可能であり、そのため、炉内状況に応じて送酸速度を自由に変更することができるという利点も有している。
【0058】
【実施例】
[実施例]
容量が250トンで、酸素を上吹きし、攪拌用ガスを底吹きする上底吹き複合吹錬用転炉内に約250トンの溶銑を装入し、主として脱炭吹錬を行った。用いた溶銑は、転炉前工程である溶銑予備処理設備にて脱硫処理及び脱燐処理が施された溶銑である。転炉内には石灰系フラックスを添加し、少量のスラグ(溶鋼トン当たり50kg未満)を生成させている。転炉々底に設置した羽口からは、溶湯攪拌を目的としてアルゴン又は窒素を毎分10Nm3 程度吹き込んだ。上方から転炉内に挿入された上吹きランスから、吹錬初期から中期にわたっては、ノズル背圧Pが853kPa (8.7kgf /cm2 )、送酸速度Fが60000Nm3 /hrの条件で送酸し、溶湯の炭素濃度が0.6mass%以下となった吹錬末期には、ノズル背圧Pが480kPa (4.9kgf /cm2 )、送酸速度Fが34000Nm3 /hrの条件で送酸した。
【0059】
用いた上吹きランスは、ラバールノズルが5個設置された5孔ノズルタイプであり、吹錬末期の送酸条件によりその形状を決定した。即ち、送酸速度Fhが6800Nm3 /hr 、ノズル背圧Pが480kPa の条件から、(1)式によりスロート径Dtを55mmとし、又、設計ノズル背圧Poを422kPa (4.3kgf /cm2 )(Po/P=0.88)として、設計ノズル背圧Poが422kPa 、雰囲気圧Peが101kPa (大気圧)、スロート径Dtが55mmの条件から、(2)式により出口径Deを62mmとした。
【0060】
5孔のラバールノズルを全てこの形状として吹錬し、吹錬中は乾式のダスト測定装置を用いて排ガス中のダスト量を測定した。又、吹錬終了時には転炉内のスラグを採取して、スラグ中のT.Feを調査した。100ヒートを越える吹錬結果から、このランスを用いた吹錬におけるダスト発生量は溶鋼トン当たり8kgであり、又、吹錬を炭素量が0.05mass%で吹き止めた際のスラグ中のT.Feは12mass%であった。
【0061】
[比較例1]
実施例と同一の転炉を用い、溶銑予備処理を施した溶銑を5孔ノズルタイプの上吹きランスにより実施例と同一条件で吹錬した。但し、ラバールノズルの形状は、吹錬の初期から中期にわたる送酸条件によりその形状を決定した。即ち、送酸速度Fhが12000Nm3 /hr 、ノズル背圧Pが853kPa (8.7kgf /cm2 )の条件から、(1)式によりスロート径Dtを55mmとし、又、設計ノズル背圧Poを853kPa (Po/P=1.0)として、設計ノズル背圧Poが853kPa 、雰囲気圧Peが101kPa (大気圧)、スロート径Dtが55mmの条件から、(2)式により出口径Deを74mmとした。このように、スロート径Dtは実施例と同一であったが、出口径Deは実施例と大幅に異なっていた。
【0062】
5孔のラバールノズルを全てこの形状として吹錬し、吹錬中は乾式のダスト測定装置を用いて排ガス中のダスト量を測定した。又、吹錬終了時には転炉内のスラグを採取して、スラグ中のT.Feを調査した。100ヒートを越える吹錬結果から、このランスを用いた吹錬におけるダスト発生量は溶鋼トン当たり13kgであり、又、吹錬を炭素量が0.05mass%で吹き止めた際のスラグ中のT.Feは19mass%であり、ダスト低減及びT.Fe低減効果ともに実施例と比較して少なかった。
【0063】
[比較例2]
実施例と同一の転炉を用い、溶銑予備処理を施した溶銑を5孔ノズルタイプの上吹きランスにより吹錬した。送酸条件は、吹錬初期から中期にわたっては、ノズル背圧Pが853kPa (8.7kgf /cm2 )、送酸速度Fが60000Nm3 /hrの条件で送酸し、溶湯の炭素濃度が0.6mass%以下となった吹錬末期には、ノズル背圧Pが520kPa (5.3kgf /cm2 )、送酸速度Fが34000Nm3 /hrの条件で送酸した。その他は実施例と同一とした。
【0064】
ラバールノズルの形状は、吹錬末期の送酸条件によりその形状を決定した。即ち、送酸速度Fhが6800Nm3 /hr 、ノズル背圧Pが520kPa (5.3kgf/cm2 )の条件から、(1)式によりスロート径Dtを53mmとし、又、設計ノズル背圧Poを520kPa (Po/P=1.0)として、設計ノズル背圧Poが520kPa 、雰囲気圧Peが101kPa (大気圧)、スロート径Dtが53mmの条件から、(2)式により出口径Deを62mmとした。このように、スロート径Dtは実施例と異なっていたが、出口径Deは実施例と同一であった。
【0065】
5孔のラバールノズルを全てこの形状として吹錬し、吹錬中は乾式のダスト測定装置を用いて排ガス中のダスト量を測定した。又、吹錬終了時には転炉内のスラグを採取して、スラグ中のT.Feを調査した。100ヒートを越える吹錬結果から、このランスを用いた吹錬におけるダスト発生量は溶鋼トン当たり12kgであり、又、吹錬を炭素量が0.05mass%で吹き止めた際のスラグ中のT.Feは13mass%であった。このように、吹錬末期のノズル背圧Pを490kPa 以上とし、その条件で設計したラバールノズルを用いた場合には、吹錬末期の鉄の酸化は抑制されるが、高炭素域での反応が支配的となるダスト発生に関しては効果が少なかった。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、広い送酸速度の調整幅を確保することが可能であり、且つ、転炉吹錬の末期における送酸が最適化され、鉄の酸化を抑制することが可能になると共に、高炭素域の高送酸速度領域での噴出流速を低下することができるので、高炭素域でのダスト発生も抑制することが可能となり、その結果、吹錬全体での鉄歩留まりを大幅に向上することができ且つ操業の安定化が達成され、工業上極めて有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸素ジェットの噴出流速とノズル背圧Pとの関係を示す図である。
【図2】設計ノズル背圧Poと1吹錬当たりのダスト発生量との関係を示す図である。
【図3】本発明で用いた上吹きランスの概略断面図である。
【図4】本発明で用いたラバールノズルの概略断面図である。
【符号の説明】
1 上吹きランス
2 ランス本体
3 ランスノズル
4 ラバールノズル
5 絞り部
6 スロート
7 スカート部

Claims (5)

  1. その先端にラバールノズルが設置された上吹きランスを用い、溶湯の炭素濃度の低下する吹錬末期に送酸速度を低下させて吹錬する転炉吹錬方法において、吹錬末期の炭素濃度0.6 mass %以下の低炭素域での送酸速度F(Nm3 /hr)から定まるラバールノズル1孔当たりの送酸速度Fh(Nm3/hr)と、ラバールノズルのスロート径Dt(mm)とから、下記の(1)式により定まるノズル背圧P(kPa )に対し、その比(Po/P)が0.85〜1.15の範囲で且つ490kPa 以下となる設計ノズル背圧Po(kPa )と、雰囲気圧Pe(kPa )と、前記スロート径Dt(mm)とから、下記の(2)式により定まる出口径De(mm)を有するラバールノズルを備えた上吹きランスを用いて吹錬することを特徴とする転炉吹錬方法。
    Figure 0004218234
    Figure 0004218234
  2. 前記上吹きランスが複数個のラバールノズルを有し、その内の一部のラバールノズルが前記(1)式並びに(2)式により定まる出口径De(mm)を有していることを特徴とする請求項1に記載の転炉吹錬方法。
  3. 吹錬末期の炭素濃度0.6 mass %以下の低炭素域ではノズル背圧Pを490kPa 以下として吹錬することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の転炉吹錬方法。
  4. 吹錬の初期から中期における炭素濃度0.6 mass %超えの高炭素域での送酸速度を吹錬末期の炭素濃度0.6 mass %以下の低炭素域での送酸速度の1.8倍以上とすることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の転炉吹錬方法。
  5. 転炉内のスラグ量が溶鋼トン当たり50kg未満であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の転炉吹錬方法。
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