JPH10176212A - 溶鋼の排出時におけるスラグ流出防止方法 - Google Patents

溶鋼の排出時におけるスラグ流出防止方法

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JPH10176212A
JPH10176212A JP33785696A JP33785696A JPH10176212A JP H10176212 A JPH10176212 A JP H10176212A JP 33785696 A JP33785696 A JP 33785696A JP 33785696 A JP33785696 A JP 33785696A JP H10176212 A JPH10176212 A JP H10176212A
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molten steel
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Yoshihiko Higuchi
善彦 樋口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容器内の溶鋼を排出口から排出する際、排出口
直上の溶鋼面上にあるスラグを取鍋内に流出することを
防止し、清浄性の良い鋼を製造する方法を提供する。 【解決手段】容器内の溶鋼を排出する際、排出口直上の
溶鋼面上にあるスラグに対し、スラグ表面とのなす角度
αが20〜90゜に設定されたノズルを用いてガス流速
100〜1000m/secで高圧ガスを吹き付けるこ
とを特徴とする溶鋼の排出時におけるスラグ流出防止方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器内の溶鋼を排
出する際、溶鋼とともに、スラグが取鍋内に流出するの
を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、製鋼工場の転炉などの精錬炉
で生成するスラグが取鍋内に流出すると、復燐および非
金属介在物の原因となる酸化物の生成という二つの問題
が生ずる。
【0003】一つ目の問題の複燐は、スラグ中の酸化燐
(P25)が、溶鋼の脱酸剤として添加されるAl等に
よって還元され、溶鋼中に戻ることによって起こる。
【0004】もう一つの問題の酸化物の生成は、出鋼の
際、取鍋内にスラグが流出すると溶鋼の再酸化源とな
り、溶鋼中の脱酸元素(例えばAl)とスラグ中の酸化
鉄などとが反応し、酸化生成物であるAl23が溶鋼中
に残り鋼中の非金属介在物になることである。この非金
属介在物は鋼の品質を悪化させるとともに、金属Alな
どの合金添加歩留まりの低下をもたらす。特に、低炭素
鋼では、転炉において溶鋼が低炭素濃度レベルになるま
で吹酸するため、スラグ中の酸化鉄濃度が高くなり、ス
ラグの流動性が高くなることから、出鋼時にスラグが取
鍋に流出しやすくなる。したがって、転炉から取鍋内に
スラグが流出するのを防止する技術が必要となる。
【0005】従来、転炉等から出鋼する際、取鍋内にス
ラグが流出するのを防止する方法としては、出鋼口の下
側からガス噴射ノズルより、高圧ガスジェット流を出鋼
末期に精錬炉内のスラグ中に噴出するスラグカット装置
が用いられている。しかし、この方法ではスラグカット
の時期が早すぎると、転炉内に溶鋼が無駄に残留して出
鋼歩留まりが低下する。また、スラグカットの時期が遅
すぎると、取鍋内にスラグが流出してしまう。したがっ
て、出鋼歩留まりとスラグ流出防止を両立させるスラグ
カットの適正な時期を見いだすのは困難であった。その
ほか、転炉の出鋼口直上の溶鋼中に、溶鋼とスラグとの
中間の比重を有するスラグボールと称すボールを浮遊さ
せ、スラグが流出する出鋼末期にスラグボールによって
出鋼口を閉鎖し、スラグの流出を防止する方法も試みら
れているが、一般的に転炉のスラグは硬いため出鋼口の
閉鎖が困難であり、スラグの流出を確実に防止すること
はできない。
【0006】一方、精錬炉の出鋼口から流出したスラグ
を取鍋内から取り除く方法としては、真空ポンプで吸引
する方法があるが、スラグが硬い場合には吸引ができな
い。このとき強引にスラグを吸引しようとすると、大規
模な真空吸引設備が必要となりコスト高になるという問
題が発生する。
【0007】また、ドラッガーによりスラグを機械的に
掻き出す方法もあるが、円形状の取鍋の表面にあるスラ
グを掻き板を使用して掻き出すため、スラグの掻き出し
に長時間を必要とする。そのため、操業のサイクルタイ
ムが延長し、生産性が低下したり溶鋼の温度が低下す
る。
【0008】これらの問題点を解決するために、次のよ
うな技術が開示されている。
【0009】特開平1−201410号公報では、精錬
炉の出鋼口周辺に不活性ガスの供給管を設け、溶鋼を出
鋼する際、出鋼末期にガス供給管より精錬炉内の溶鋼に
不活性ガスを吹き込み、精錬炉内の溶鋼の表面にある溶
融スラグを出鋼口から遠ざけて、取鍋に流出させない方
法が開示されている。
【0010】しかし、このように出鋼口の周辺でガス吹
き込みを行うと、溶鋼とスラグが撹拌混合され、溶鋼と
スラグとを混合したまま溶鋼を取鍋に排出することにな
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、容器
内の溶鋼を排出口から排出する際、溶鋼とともにスラグ
が取鍋内へ流出することを防止する方法を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次のスラ
グの流出防止方法にある。
【0013】容器内の溶鋼を排出する際、排出口直上の
溶鋼面上にあるスラグに対し、スラグ表面とのなす角度
αが20〜90゜に設定されたノズルを用いてガス流速
100〜1000m/secで高圧ガスを吹き付けるこ
とを特徴とする溶鋼の排出時におけるスラグ流出防止方
法。
【0014】以下に課題を解決するための手段につい
て、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0015】図1は、上底吹転炉の吹錬時における状況
を示す縦断面模式図、図2は、上底吹転炉の出鋼時の本
発明の実施状況を示す縦断面模式図である。
【0016】図1に示すように、転炉はその形式(上吹
転炉、底吹転炉、上底吹転炉)を問わないが、一例とし
て、上底吹転炉を示す。
【0017】スラグの流出は、図2に示すように、転炉
1を傾動して転炉1の上部側壁に設けた出鋼口8から溶
鋼2aを流出する出鋼作業を行う時に起きる。その際、
炉内の溶鋼2aの上面に存在するスラグ3は出鋼の初
期、および、末期に出鋼流とともに炉外の取鍋13に流
出してしまう。
【0018】そこで、以下の方法を用いることにより転
炉の出鋼流とともにスラグが取鍋内に流出するのを防止
する。
【0019】本発明方法は図2に示すように、作業床2
1に設けた移動台車18上に、ランス10を設置し、転
炉の傾動に合わせて、移動台車18を移動させつつ、ラ
ンス10の傾斜角度を調整しながら、出鋼口直上の溶鋼
面上にあるスラグ3に対して、高圧ガスを吹き付けるこ
とにより、スラグを取鍋13内に流出させないようにす
る方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】従来、転炉の出鋼口からガスを吹
き込んだり、取鍋内に流出したスラグを吸引する方法は
すでに公知であったが、転炉の溶鋼面上のスラグをガス
を利用して除去するような技術はなかった。
【0021】そこで、発明者等は発想を転換し、転炉傾
動時に出鋼口の直上にある溶鋼面上のスラグを周辺に退
避させれば、溶鋼の排出流とともにスラグが取鍋内に流
出しないのではないかと考えた。
【0022】そして、その手段として、スラグの上面か
ら窒素の高圧ガスを吹き付ける方法について実験を行っ
た結果、次のことが判明した。
【0023】《実験1》吹錬終了後の転炉内の溶鋼表面
上のスラグを対象に、ガス吹き込みランスのノズル傾斜
角度α(以下、ただ単にノズル角度αという)を45゜
の一定条件で、ノズルのガス流速(以下、ただ単にガス
流速という)を種々変化させて行った実験結果を図3お
よび図4に示す。図3は、ガス流速とスラグの流出指数
との関係、図4は、ガス流速と転炉耐火物損傷量指数と
の関係を示している。
【0024】ここでいうガス流速とは、ガス流量 (N
3/min)をガス吹き付けノズルの断面積(m2)で
割った値である。
【0025】また、スラグの流出指数とは、転炉出鋼口
から溶鋼とともに取鍋内に流れ出たスラグ厚さを測定し
て、ガス吹き付けしない場合の取鍋内スラグ厚みに対す
るガス吹き付け実施時の取鍋内スラグ厚みの比で表し、
ガス吹き付けしない場合の取鍋内スラグ厚みを1.0と
して指数化したものである。なおスラグ厚みは、取鍋上
方から鉄棒を挿入し、溶鋼に侵入した部分が溶けるまで
保持し、引き上げた鉄棒の残存長さと、鉄棒に付着した
スラグの距離で測定した。
【0026】また転炉耐火物損傷量指数とは、転炉の出
鋼口近傍1m2の耐火物損傷(溶損、スポーリング等)
状況を炉口付近から遠隔式の距離計で耐火物の残存厚み
を測定し、1チャージ当たりの耐火物の損傷量を計算で
求め、ガス流速が80m/secでの値を基準として、
このときの転炉耐火物損傷量を1.0として指数化した
ものである。
【0027】耐火物は、吹き付けノズルのガスジェット
流が溶鋼を貫通し、直接耐火物表面にまで到達して物理
的に損傷する。またガスジェット流が耐火物の表面に到
達しなくとも、ジェット流により誘起される溶鋼流動に
よっても耐火物が溶損され損傷が起こる。
【0028】図3からわかるように、ガス流速が50m
/sec以下ではスラグ流出指数は、ガス吹き付けをし
ない場合と同じであり、出鋼口からのスラグ流出防止の
効果は見られない。また、ガス流速が100m/sec
以上ではガス吹き付けをしない場合の50%以下のスラ
グの流出指数であり、スラグ流出防止効果は顕著であ
る。しかし、ガス流速が1000m/sec以上になる
と図4に示すように、転炉耐火物の損傷が大きくなり好
ましくない。
【0029】図4からは、ガス流速の増加とともに耐火
物損傷量指数は増加することがわかる。特に、ガス流速
が1000m/secを超えると耐火物損傷量指数は著
しく大きくなり、転炉の耐火物の寿命が大幅に低下し好
ましくないことがわかる。
【0030】《実験2》転炉にてガス流速を250m/
secの一定条件で、ランスの角度を変えて、ノズル角
度αを10〜110゜の範囲で変化させて行った実験結
果を図5および図6に示す。図5はノズル角度αとスラ
グの流出指数との関係、図6はノズル角度αと転炉炉口
からのスラグと溶鋼の飛散状況指数との関係を示してい
る。
【0031】ここでいう炉口からのスラグと溶鋼の飛散
状況指数とは、各出鋼時において炉口から飛散したスラ
グと溶鋼の状況を目視により、飛散大を4、飛散中を
3、飛散小を2、飛散微小を1、および飛散無しを0、
の5段階にランク付けした。なお、ランス角度αが90
゜での飛散状況を1.0として指数化したものである。
【0032】図5からわかるように、ノズル角度αが2
0゜以下ではガス吹き付けしない場合のスラグ流出指数
の50%にも満たない量であり、スラグ流出防止効果は
ほとんどないといえる。
【0033】図6で、ノズル角度αが90゜以上になる
と、炉口からスラグと溶鋼の飛散が多くなることを示し
ている。これは、出鋼歩留まりの低下とともに安全作業
上からも好ましくない。
【0034】なお、ガス吹き付けランス10は、その先
端に単孔あるいは多孔のノズル10a を有する。この各
々の噴出孔はストレート型、末広形状のラバール型(ガ
ス流速が音速より速いノズル)、またはスリット形状の
ものでも良い。転炉出鋼時に、このガス吹き付けノズル
10aからガスを溶鋼2a の上面に存在するスラグ3に
斜めに吹き付け、スラグ3を吹き飛ばす。このガス吹き
付けランス10はその使用雰囲気温度により、溶損の心
配がなければ金属単体製のものでも良い。また、使用雰
囲気温度が高い場合はランス周囲に耐火物で被覆すれば
よい。被覆の方法は、吹き付け法、あるいは、キャスタ
ブルの流し込み法、など適当な手法を用いれば良い。
【0035】吹き付けガスとしては、低窒素鋼も溶製で
きる不活性ガス、例えば、アルゴンガスが望ましい。転
炉では出鋼時は溶鋼中の酸素濃度が高く、窒素ガスを用
いても吸窒速度が遅いから窒素ガスでも良い。空気は、
溶鋼中の炭素と反応して沸騰したり、溶鋼中のFeやM
nと反応してFeおよびMn歩留まりの低下などの問題
が発生しない範囲であれば使用できる。
【0036】また、スラグの融点が高く、スラグの表面
が固化した場合は、ガスの吹き付けエネルギーではスラ
グ表面を割ることができない。したがって、このような
場合は、棒状のものを突き入れスラグを割ってやること
が望ましい。あるいは、ガス吹き付けランス10そのも
のおよびスラグ割り専用のランスを突き入れて、ガスで
撹拌するとスラグが割れてガス吹き付けができるように
なる。
【0037】ガス吹き付けノズルの高さは0.1〜2m
とすることが望ましい。0.1m未満では、吹き込みガ
スのジェット流により、スラグあるいは溶鋼の跳ね返り
で飛散したものがノズル10aに付着し、閉塞あるいは
溶損を引き起こすためである。ノズルの高さが2mを超
えるとジェット流の勢いが減衰し、スラグを除去して溶
鋼の裸面を出すことができず、スラグ流出防止効果がで
ない。
【0038】図7にガス流速とノズル角度αの相関図を
示す。座標のA点はノズル角度αが90゜でガス流速が
350m/sec、座標のB点はノズル角度αが55゜
でガス流速が100m/sec、座標のC点はノズル角
度αが20゜でガス流速が350m/sec,座標のD
点はノズル角度αが55゜でガス流速が1000m/s
ecである。
【0039】図7より、本発明のガス流速およびノズル
角度αを前記のように限定した理由を整理して以下に説
明する。
【0040】ガス流速が100m/sec未満では、ガ
スの吹き付け力が弱く溶鋼面上のスラグを排除できない
ので、その下限は100m/secとした。一方、ガス
流速が1000m/secを超えると、ガスジェット流
が強すぎて溶鋼がスラグ面上に飛散し、出鋼歩留まりの
低下を招く。また、ガスのジェット流によりできる溶鋼
のくぼみ2b が大きくなり、転炉の炉体壁に到達する場
合があり、炉体壁の耐火物の損傷が起こるので好ましく
ないので、その上限は1000m/secとした。した
がって、ガス流速の範囲を100〜1000m/sec
に限定した。なお、好ましい範囲は200m/sec〜
600m/secである。
【0041】次にノズル角度αについては、ノズル角度
αが20゜未満では、ガスのジェット流がスラグの表面
をかすめるだけで実質的にスラグを排除し、溶鋼の裸面
を露出させることができないので、その下限を20゜と
した。。一方、ノズル角度αが90゜を超えるえると、
炉口の方向にランスが傾斜し、ガスジェット流で飛散し
たスラグと溶鋼が炉口から吹き出し、出鋼歩留まりの低
下とともに安全に作業ができないので、その上限を90
゜とした。したがって、ノズル角度αの範囲を20〜9
0゜に限定した。なお、好ましい範囲は、40゜〜70
゜である。
【0042】ガス流速およびノズル角度αの最も好まし
い範囲は、図7の座標A、B、C、D各点の範囲内であ
る。
【0043】本発明方法は、鋼の溶解炉、精錬炉からの
排出のみならず溶鋼の鋳造用取鍋等からの排出時にも使
用できることは、いうまでもない。
【0044】
【実施例】上吹転炉で脱炭吹錬終了後転炉を傾動し、炉
の側壁に設けた出鋼口から1650℃の溶鋼を取鍋に排
出した後、前述した方法で取鍋内のスラグ厚みと炉体の
耐火物損傷状況を測定した。その後、本発明の効果を確
認するため、鋼の内質に起因する疵として、圧延後の亜
鉛メッキ鋼板製品の表面疵発生状況を追跡調査した。
【0045】《実施例1》転炉の出鋼時に炉口から出口
形状が円形で、長さ500mm、径25mm、単孔のラ
バール型ノズルを有するランスを用いて、ノズル角度α
を45°の一定にセットした後、ガス流速を80〜11
00m/secの範囲で7段階にて窒素ガスを出鋼末期
の6分間スラグ面上に吹き付けた。その際炉口からのス
ラグと溶鋼の飛散状況も前述の方法で測定した。その結
果を表1に示す。
【0046】表1に示すように、ガス流速が本発明で定
める範囲内で製造された本発明例1〜5は、本発明で定
める範囲の下限から外れる比較例1に比べ、取鍋内スラ
グ厚みは1/3〜1/5少なく、スラグ流出防止効果が
十分発揮されている。製品疵の発生率も比較例1に比べ
1/4〜1/5に低減した。一方、比較例1の取鍋内ス
ラグ厚みは、100mmあり溶鋼の排出とともにスラグ
が取鍋内に流出していたことがわかる。製品疵の発生率
も本発明例1〜5に比べ4〜5倍多い。また、本発明で
定める範囲の上限から外れる比較例2では、取鍋内スラ
グ厚み、製品疵発生率とも本発明例1〜5と同程度では
あったが、炉体損傷指数が本発明例1〜5の5倍あり、
転炉寿命の低下をきたし操業に適さない。
【0047】《実施例2》転炉出鋼時に上記と同じラン
スを用いて、ノズル角度αを10〜110゜範囲内で8
段階にそれぞれセットした後、ガス流速を250m/s
ecと一定にし、窒素ガスを出鋼末期の6分間スラグ面
に吹き付けた。その結果を表2に示す。
【0048】表2に示すように、ノズル角度αが本発明
で定める範囲内により製造された本発明例1〜5は、本
発明で定める範囲の下限から外れる比較例1、2に比
べ、取鍋内スラグ厚みは1/3〜1/5と少なく、製品
疵の発生率は1/3〜1/5と低減したので、スラグ流
出防止効果が発揮されたといえる。一方、本発明で定め
る範囲の下限から外れる比較例1、2では取鍋内スラグ
厚みは100mm、90mmあり、溶鋼の排出とともに
スラグが流出していたことがわかる。製品疵の発生率は
本発明例1〜5に比べ5倍多く発生している。
【0049】また、本発明で定める範囲の上限から外れ
る比較例3では、取鍋内スラグおよび耐火物損傷量指数
とも本発明例1〜5と同程度であったが、ノズルが炉口
の方向に向いてしまいそのため炉口からスラグと溶鋼が
吹きだし、安全に出鋼作業が継続できなくなり、ガス吹
き込みを中止した。したがって、スラグの取鍋内厚みは
本発明例1〜5と同じになった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明の方法を用いることにより、転炉
等炉の出鋼時に溶鋼流とともにスラグが取鍋内へ流出す
ることを防止し、清浄性の良い鋼を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】上底吹転炉の吹錬時における状況を示す縦断面
模式図である。
【図2】上底吹転炉の出鋼時の本発明の実施状況を示す
縦断面模式図である。
【図3】ガス流速とスラグの流出指数との関係図であ
る。
【図4】ガス流速と転炉耐火物損傷量指数との関係図で
ある。
【図5】ノズル角度αとスラグの流出指数との関係図で
ある。
【図6】ノズル角度αとスラグと溶鋼の飛散状況指数と
の関係図である。
【図7】ガス流速とノズル角度αの相関図である。
【符号の説明】
1:転炉、 2:溶銑、2a:
溶鋼 2b:溶鋼のくぼみ、
3:スラグ、 4:底吹羽口、
5:底吹ガス供給口、 6:ラバールラン
ス、7:酸素吹き付け、 8:出鋼口、
9:排気系 10:吹き付けラン
ス、10a:ノズル 11:スラグ
面吹き付け、12:出鋼流、 1
3:取鍋、14:溶鋼、 15:
炉口、16:耐火物、 17:昇降
装置、18:移動台車、 19:ガス
配管、20:防熱板、 21:作業
床。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器内の溶鋼を排出する際、排出口直上の
    溶鋼面上にあるスラグに対し、スラグ表面とのなす角度
    αが20〜90゜に設定されたノズルを用いてガス流速
    100〜1000m/secで高圧ガスを吹き付けるこ
    とを特徴とする溶鋼の排出時におけるスラグ流出防止方
    法。
JP33785696A 1996-12-18 1996-12-18 溶鋼の排出時におけるスラグ流出防止方法 Pending JPH10176212A (ja)

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