JPH11140525A - 炉口及び炉内側壁地金の付着を抑制する転炉吹錬方法及び転炉用ランス装置 - Google Patents

炉口及び炉内側壁地金の付着を抑制する転炉吹錬方法及び転炉用ランス装置

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JPH11140525A
JPH11140525A JP30732297A JP30732297A JPH11140525A JP H11140525 A JPH11140525 A JP H11140525A JP 30732297 A JP30732297 A JP 30732297A JP 30732297 A JP30732297 A JP 30732297A JP H11140525 A JPH11140525 A JP H11140525A
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metal
furnace
oxygen
nozzle
converter
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JP30732297A
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Ryo Kawabata
涼 川畑
Satoshi Kodaira
悟史 小平
Hideshige Tanaka
秀栄 田中
Ichiro Kikuchi
一郎 菊地
Kanji Hide
寛治 日出
Shigeru Inoue
茂 井上
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Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転炉炉口付着の地金のみならず炉内側壁付着
の地金も、効率よく溶解除去したり付着を抑制すると共
に、炉内耐火物の溶損の抑制ないし防止をする。 【解決手段】 地金溶解用酸素ノズルを外周に設けたラ
ンスを炉口から挿入し、上吹き及び/又は底吹き酸素で
吹錬する際に、地金溶解用酸素ノズルから吐出された酸
素ガスの炉内壁部における噴流の中心流速の水平成分U
h,max を、(1) 及び(2) 式で算出した値が2 〜40m/s
ecの範囲になるように制御する。Uh,ma x =U
0 {(de 0 )/(0.404 ・R)}sinθ----(1)
、ここで、U0 =740 {(1 −(1.033 /
0 2/7 1/2 ----(2) 、U0 :地金溶解用酸素のノ
ズル噴出流速、de :ノズル出口径、P0 :ノズル出口
前圧力、R:炉内半径、θ:ノズル吐出孔の鉛直に対す
る取付け角度。地金溶解用酸素ノズルを着脱可能な構造
とし、地金付着状況に応じてノズルの個数・諸元をきめ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転炉の炉口及び/又
は炉内側壁に付着した地金を溶解すると共に、吹錬中に
地金が転炉の炉口及び/又は炉内側壁に付着するのを抑
制する転炉吹錬方法及び転炉用ランス装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】転炉吹錬において、吹錬中に発生するス
ピッティングやスロッピングにより飛散した溶鋼及びス
ラグの一部は、炉口にいわゆる地金として付着する。付
着した地金はヒ−トを続けるにつれ成長し、その大きさ
がある限度以上になると溶銑及びスクラップ装入の障害
になるばかりでなく、吹錬中の落下等により操業に大き
な支障を与える。よって炉口に付着した地金は操業に支
障をきたす大きさ以上になる前に除去する必要がある。
【0003】炉口地金を除去する伝統的方法としてス
クラップシュ−トを炉口地金部にぶつけ物理的に除去す
る方法(先行技術1)がある。しかしながらこの方法は
転炉非吹錬時に実施するため非製鋼時間の増大を招き転
炉生産性を著しく阻害する。又、スクラップシュ−トを
炉口地金部に直接ぶつけるため、その衝撃で炉口レンガ
の脱落をおこす危険性がある。
【0004】上記物理的な除去方法以外にも吹錬中に
発生する排ガスを2次燃焼させ炉口地金を溶解除去する
方法が種々提案されている。例えば特開平4-084346号公
報に開示された方法(先行技術2)がある。これは酸素
底吹き転炉において、通常吹錬1チャージにき、スラグ
レス吹錬を1チャージ程度の割合で行い、上吹ランスか
ら酸素ガスを炉内に導入し、炉口近傍の地金を溶解する
方法であり、さらに炉内スラグ生成量が20kg/t-steel
以下が地金除去に効果があるとしている。
【0005】更に、例えば特開平6-248323号公報は、
吹錬中に、吹錬用主ランスの側壁に設けた吹錬用ランス
軸に対してθ=25〜40°の範囲内の角度で下向きに
取付けられた2次燃焼用酸素供給ノズルから湯面に向け
て2次燃焼用酸素を吹き付け、転炉排ガスを炉内で燃焼
させて炉口に付着した地金を除去する方法(先行技術
3)を開示している。
【0006】特開昭61−139616号公報は、転
炉精錬中に、吹錬用ノズル及び炉口地金溶解用ノズルを
備えた吹錬用ランスを用いて、炉口地金溶解用ノズルか
ら転炉炉口に向けて空気を噴射させることにより炉口地
金を溶解・除去する方法(先行技術4)を開示してい
る。
【0007】また、特開平9−3519号公報は、転
炉精錬中に、吹錬用酸素ノズル、2次燃焼用ノズル及び
ランス地金溶解用ノズルを備えた吹錬用ランスを用い
て、2次燃焼用ノズルからは水平乃至下向きに酸素を噴
射させることにより炉口地金を溶解除去し、またランス
地金溶解用ノズルから少量の酸素を噴射させることによ
り、ランス自身に付着した地金を溶解除去する方法(先
行技術5)を開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1には、上述した生産性低下や炉体レンガ破損の危険
性がある。また、先行技術2、3及び5によれば炉口に
付着した地金は除去される。しかしながら、炉口耐火物
に損傷を与えずに付着地金を除去するのは難しい。即
ち、炉口耐火物に損傷を与えない範囲の運動エネルギー
の酸素ガスで炉口地金を効率よく溶かすように、酸素ガ
スの供給条件を調節することが困難である。
【0009】これに対して、先行技術4によれば、炉口
地金溶解用の酸素源として空気を用いるので、酸素を噴
射させる場合よりも噴射量が増加し、炉口耐火物の金物
の溶損を防止することができる。しかしながら、空気中
の酸素濃度が低いので、炉口地金の溶解に時間を要し効
率が悪い。
【0010】一方、転炉による溶銑の予備脱リン吹錬を
行なった場合、転炉の炉口のみでなく炉内側壁にも地金
が付着し易い。転炉による溶銑の予備脱リン吹錬は、最
近の転炉精錬技術の進歩により、転炉の主原料である溶
銑の脱炭精錬を行なう前に、予め溶銑中リン濃度を下げ
てから使用することにより、転炉における精錬工程を総
合的に効率化する技術である。このような新しい転炉技
術を完成するためには、精錬炉としての転炉の炉内状況
を良好に管理することが重要である。
【0011】そこで、本発明者等は、上述した転炉の炉
口地金に関する上記問題に加えて、更に炉内側壁に付着
する地金の溶解除去あるいは付着抑制技術の開発が転炉
操業上極めて重要であることに着眼した。
【0012】従って、この発明が解決しようとする課題
は、従来問題となっている転炉炉口に付着した地金のみ
ならず、炉内側壁に付着した地金をも、効率よく溶解除
去し、また、新たな地金の付着を抑制すると共に、炉内
耐火物の溶損の抑制ないし防止をもすることができる技
術を開発することにある。こうして、この発明の目的
は、転炉型精錬炉での溶銑を主原料とした上吹き酸素及
び/又は吹き酸素による吹錬において、炉内耐火物の損
耗を抑制しつつ、地金が転炉の炉口及び/又は炉内側壁
に付着するのを抑制し、あるいはまた、上記場所に付着
した地金を溶解除去することができる転炉吹錬方法及び
転炉用ランス装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、地金が付
着する部位の炉口及び炉内側壁部における、地金溶解用
ノズルから噴射された酸素ガスの噴流の中心流速の水平
方向成分が大きいほど地金溶解速度が大きく、しかしそ
の反面、この部位の耐火物の損耗も大きくなることに着
眼した。そして、炉口及び炉内側壁部における上記酸素
ガス噴流の中心流速の水平方向成分(本明細書におい
て、「酸素噴流の流速水平成分」という)が適切な範囲
内に入る条件で地金溶解用酸素を供給すれば、炉内耐火
物の損耗を抑制しつつ地金の溶解速度を大きくすること
が可能であることを知見した。更に、地金付着のない部
位の炉内耐火物の損耗を防止し、しかも酸素ガスを効果
的に使用するためには、地金が付着している部位主体に
地金溶解用酸素が供給されることが有効であることを確
認した。
【0014】図1は、炉口及び炉内側壁部における酸素
噴流の流速水平成分Uh,max (m/sec)と付着地金
の溶解速度指数との関係(図1、(a))、及び、上記
流速水平成分Uh,max と炉内側壁耐火物の損耗速度指数
との関係(図1、(b))を示すグラフである。ここ
で、Uh,max は、地金溶解用酸素ガスのノズルからの噴
出流速及び圧力、ノズルの取付け角度、並びにノズル出
口径を用いて算出されたものである。
【0015】このように、地金の溶解速度は、酸素噴流
の流速水平成分Uh,max の増加につれて急激に上昇し、
h,max が2m/sec以上になると溶解速度の上昇効
果が発揮され、Uh,max が10m/sec以上になると
溶解速度の上昇が顕著になる。一方、Uh,max が大きく
なるにつれて耐火物の損耗も大きくなり、Uh,max が4
0m/secを超えると耐火物損耗は急激に大きくな
る。従って、酸素噴流の流速水平成分Uh,max を、2〜
40m/secの範囲内に、望ましくは10〜40m/
secの範囲内に限定すべきである。
【0016】この発明は、上記知見に基づきなされたも
のである。請求項1記載の発明は、炉口及び炉内側壁地
金の付着を抑制する転炉吹錬方法は、溶銑を主な鉄源と
した原料を転炉型精錬炉に装入し、外周に地金溶解用酸
素ノズルを設けたランスを上記精錬炉の炉口から挿入
し、上記原料を上吹き酸素及び/又は底吹き酸素により
吹錬する方法において、上記地金溶解用酸素ノズルから
酸素ガスを吐出させ、この吐出された酸素ガスの、上記
精錬炉の炉口及び炉内側壁部における噴流の中心流速の
水平成分Uh,max を、下記Uh,max の算定式(1)及び
(2)式を用いて求められた値が2〜40m/secの
範囲内になるように制御することに特徴を有するもので
ある。
【0017】上記(1)及び(2)式は下記の通りであ
る: Uh,max =U0 {(de 0 )/(0.404・R)}sinθ --------------(1) ここで、U0 =740{(1−(1.033/P0 2/7 1/2 --------------(2) 但し、 U0 :地金溶解用酸素ガスのノズルからの噴出流速(m
/min) de :地金溶解用酸素ガスのノズル出口径(mm) P0 :地金溶解用酸素ガスのノズル出口前圧力(絶対
圧)(kgf/cm2 ) R :炉内半径(mm) θ :地金溶解用酸素ガスのノズル吐出孔の鉛直に対す
る取付け角度(度) 請求項2記載の炉口及び炉内側壁地金の付着を抑制する
転炉吹錬方法は、請求項1記載の発明において、上吹き
ランスとして、吹錬が終了し、出鋼後排滓した後に炉口
及び炉内側壁に地金が付着している位置及び/又は地金
の付着量を測定・観察し、この地金の付着位置及び/又
は付着量に応じて、上吹きランスに配備する地金溶解用
酸素ノズルの位置を定め、こうして定められた位置に地
金溶解用酸素ノズルが配備された上吹きランスを用いる
ことに特徴を有するものである。
【0018】請求項3記載の炉口及び炉内側壁地金の付
着を抑制する転炉用ランス装置は、溶銑を主な鉄源とし
た原料を転炉型精錬炉に装入し、精錬炉に装入された原
料を上吹き酸素又は上底吹き酸素で吹錬するときに用い
られる上吹き酸素ランスにおいて、上記上吹き酸素ラン
スは、下端に吹錬用酸素ノズルが設けられ、外周面に精
錬炉口及び炉内側壁部に付着した地金を溶解するための
地金溶解用酸素ノズルが複数個設けられており、そし
て、上記地金溶解用酸素ノズルは、上記上吹き酸素ラン
スに対して着脱可能な構造となっていることに特徴を有
するものである。
【0019】なお、この明細書の請求項において、炉口
及び炉内側壁地金の付着を抑制するとは、炉口及び/又
は炉内側壁に付着した地金を溶解すること、及び、炉口
及び/又は炉内側壁に地金が付着するのを抑制すること
の両方を意味するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】図2は、この発明の転炉吹錬方法
の実施に使用する転炉型精錬炉及び転炉用ランスの例を
示す概略縦断面である。1は転炉、2は上吹きランス、
3は炉口地金、そして4は炉内側壁地金である。いま、
炉口地金3及び炉内側壁地金4が付着した転炉1を用い
た精錬において、地金3、4を地金溶解用酸素6で溶解
しつつ溶銑9を脱炭精錬する転炉吹錬方法、及び転炉用
ランス装置について説明する。
【0021】転炉1に溶銑9が主体の原料を装入し、造
滓材10を添加した後、上吹きランス2の下端に設けら
れた吹錬用酸素ノズル5から吹錬用酸素ガス6を噴出さ
せて溶銑9を脱炭精錬する。溶銑中CとO2 ガスとの反
応により溶銑9が脱炭され、多量のCOガスが発生す
る。一方、上吹きランス2の外周に設けられた地金溶解
用酸素ノズル7から地金溶解用酸素8を噴出させる。地
金溶解用酸素8は地金溶解用酸素ノズル7から鉛直に対
して角θで吐出され、下方からの上記COガスの上昇流
により流れ方向を曲げられて炉内側壁地金4に衝突す
る。その結果、炉内側壁地金4は地金溶解用酸素8で溶
解される。通常はこの溶解が進行すると炉内耐火物11
の損耗が始まる。しかしながら、この発明においては、
上記衝突点における地金溶解用酸素8噴流の流速水平成
分を2〜40m/secの範囲内で操業するので、炉内
耐火物11の損耗は抑制される。
【0022】なお、この発明においては、地金溶解用酸
素ガスの軌跡は溶鋼面に衝突しないようにすることが必
要である。図2では炉内側壁地金4を溶解する場合につ
いてのみ説明したが、炉口地金3の溶解についても、地
金溶解用酸素ノズル7の配置(高さ位置、段数)、地金
溶解用酸素8の吹出し角θ、あるいは上吹きランス2の
高さ位置の適切な選定により行なうことができる。同図
では、地金溶解用酸素ノズル7の個数・配置が同一高さ
に8個を3段にわたり設けた場合であり(計24孔)。
地金溶解用酸素ノズル7の個数・配置の選定は、炉内の
地金付着状況に応じて決める。地金付着状況の測定・観
察は、吹錬を終了し出鋼後炉内スラグ10を排滓した後
に目視観察、あるいはポータブルAGA等で行なう。
【0023】上吹きランス2に設けられた地金溶解用酸
素ノズル7は、着脱・交換可能な構造、例えば、ねじ込
み式にしておく。一方、地金付着の測定・観察を、炉内
円周方向及び高さ方向、並びに付着量について行ない、
地金3、4付着が発生している位置に応じて地金溶解用
酸素ノズル7の諸元を決める。そして、上記地金の付着
位置及び量に応じてノズル7を着脱・交換する。例え
ば、地金付着の多い部位に対応する位置には出口径の大
きなノズルに交換・装着し、これに対して地金付着のな
い部位に対応する位置のノズルは取り外してメクラ蓋を
する。こうすることにより地金付着のない部位の耐火物
損耗を防止することができ、また地金を有効に溶解でき
る。更に、酸素ガスの節減にもなる。
【0024】
【実施例】この発明を実施例により更に詳細に説明す
る。試験方法は、300t転炉に溶銑及びスクラップ、
並びに造滓材を所定量装入し、上吹きランスで脱炭精錬
をした。用いた設備は図2に示したものに準じる。上吹
きランスとして、下端に吹錬用酸素ノズルを配し、下端
から同一高さの外周面に地金溶解用酸素ノズルを等間隔
に8孔を1段配した8孔×1段型のもの、及び、同じく
地金溶解用酸素ノズルを等間隔に8孔を等間隔に3段に
わたり配した8孔×3段型のものの2種の内いずれかを
用いた。そして、ノズルの形状及び諸元、並びにノズル
の取付け角を種々変えた。また、地金溶解用酸素の送酸
速度、及びノズル出口前圧力を各種に設定した。但し、
上記地金溶解用酸素ノズル及び酸素ガスに関する諸元及
び条件の設定は、前記(1)式で算出される地金溶解用
酸素噴流の炉口及び炉内側壁部における流速水平成分U
h,max が、本発明の範囲内(2〜40m/sec)、又
はその範囲外の値になるよう調節した。なお、精錬炉は
同一転炉を使用し、装入原料及び添加造滓材の種類及び
量、並びに吹錬条件をヒート間で一定にした。
【0025】表1に、本発明の範囲内にある実施例1〜
5、及びその範囲外にある比較例1及び2の試験条件を
示す。なお、同表にはUh,max 、及びU0 (地金溶解用
酸素ガスのノズルからの噴出流速)の値を前記(1)及
び(2)式から算出して示した。
【0026】
【表1】
【0027】各試験ヒート終了後、炉口及び炉内側壁に
付着していた地金の位置と量との測定、及び、炉内耐火
物の損耗状態を測定し、当該ヒート開始前の値と比較
し、それぞれ地金溶解指数、及び耐火物溶損指数を求め
た。表1にこれら指数を併記した。
【0028】上記試験結果より、Uh,max が本発明の範
囲よりも大きい比較例1のヒートでは、耐火物の溶損が
大きく、一方、Uh,max が本発明の範囲よりも小さい比
較例2のヒートでは、地金溶解の速度が遅く、いずれの
場合もこの発明の目的が十分に達成されなかった。これ
に対して、Uh,max が本発明の範囲内にある実施例1〜
5のヒートにおいてはいずれも、耐火物の溶損を抑えつ
つ地金の溶解が促進され、この発明の目的が十分に達成
されたことがわかる。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
転炉型精錬炉の炉口及び炉内側壁に付着した地金を溶解
すること、及び、上記地金の付着を抑制することが容易
となり、従来、非精錬時間中に行なっていた炉口付着地
金の除去作業が不要となる。また、転炉炉内耐火物の損
耗を抑制することができる。こうして、転炉の生産性が
大幅に向上する。このような転炉吹錬方法及び転炉の上
吹きランス装置を提供することができ、工業上有用な効
果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転炉の炉口及び炉内側壁部における酸素噴流の
流速水平成分と、地金の溶解速度指数及び炉内側壁耐火
物の損耗速度指数との関係を示すグラフである。
【図2】この発明の転炉吹錬方法の実施に使用する設備
例を示す概略縦断面である。
【符号の説明】
1 転炉 2 上吹きランス 3 炉口地金 4 炉内側壁地金 5 吹錬用酸素ノズル 6 吹錬用酸素ガス 7 地金溶解用酸素ノズル 8 地金溶解用酸素 9 溶銑 10 スラグ 11 炉内耐火物 12 底吹きノズル 13 底吹きガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 一郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 日出 寛治 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 井上 茂 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶銑を主な鉄源とした原料を転炉型精錬
    炉に装入し、外周に地金溶解用酸素ノズルを設けたラン
    スを前記精錬炉の炉口から挿入し、前記原料を上吹き酸
    素及び/又は底吹き酸素により吹錬する方法において、
    前記地金溶解用酸素ノズルから酸素ガスを吐出し、この
    吐出された酸素ガスの前記精錬炉の炉口及び炉内側壁部
    における噴流の中心流速の水平成分Uh,max を、下記U
    h,maxの算定式(1)及び(2)式を用いて求められた
    値が2〜40m/secの範囲内になるように制御する
    ことを特徴とする、炉口及び炉内側壁地金の付着を抑制
    する転炉吹錬方法。 Uh,max =U0 {(de 0 )/(0.404・R)}sinθ --------------(1) ここで、U0 =740{(1−(1.033/P0 2/7 1/2 --------------(2) 但し、 U0 :地金溶解用酸素ガスのノズルからの噴出流速(m
    /min) de :地金溶解用酸素ガスのノズル出口径(mm) P0 :地金溶解用酸素ガスのノズル出口前圧力(絶対
    圧)(kgf/cm2 ) R :炉内半径(mm) θ :地金溶解用酸素ガスのノズル吐出孔の鉛直に対す
    る取付け角度(度)
  2. 【請求項2】 前記上吹きランスとして、吹錬が終了し
    た後に前記炉口及び炉内側壁部に地金が付着している位
    置及び/又は前記地金の付着量を測定・観察し、前記地
    金の付着位置及び/又は付着量に応じて、前記上吹きラ
    ンスに配備する前記地金溶解用酸素ノズルの位置を定
    め、こうして定められた位置に地金溶解用酸素ノズルが
    配備された上吹きランスを用いることを特徴とする、請
    求項1記載の炉口及び炉内側壁地金の付着を抑制する転
    炉吹錬方法。
  3. 【請求項3】 溶銑を主な鉄源とした原料を転炉型精錬
    炉に装入し、前記精錬炉に装入された前記原料を上吹き
    酸素又は上底吹き酸素で吹錬するときに用いられる上吹
    き酸素ランスにおいて、前記上吹き酸素ランスは、下端
    に吹錬用酸素ノズルが設けられ、外周面に前記精錬炉内
    に付着した地金を溶解するための地金溶解用酸素ノズル
    が複数個設けられており、そして、前記地金溶解用酸素
    ノズルは、前記上吹き酸素ランスに対して着脱可能な構
    造となっていることを特徴とする、炉口及び炉内側壁地
    金の付着を抑制する転炉用ランス装置。
  4. 【請求項4】 前記上吹き酸素ランスにおける前記地金
    溶解用酸素ノズルの着脱可能な構造は、ねじ込み構造で
    あることを特徴とする、請求項3記載の炉口及び炉内側
    壁地金の付着を抑制する転炉用ランス装置。
JP30732297A 1997-11-10 1997-11-10 炉口及び炉内側壁地金の付着を抑制する転炉吹錬方法及び転炉用ランス装置 Pending JPH11140525A (ja)

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