JP3402133B2 - 精錬用上吹きランスおよび精錬方法 - Google Patents

精錬用上吹きランスおよび精錬方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、製鋼用転
炉において精錬用ガスを溶融金属に吹き付けるために使
用する上吹きランスとそれを用いた精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属の上吹きまたは上底吹き精錬炉
では、酸化性ガスジェットを上吹きランスから溶融金属
浴に吹き付け、溶融金属中の炭素(C)をC +1/2 O2
COなる脱炭反応により除去して、所定のC含有量の溶融
金属に精錬する。酸化性ガスが吹き付けられると溶融金
属浴は局部的に凹み、激しい酸化反応が起きる。この凹
みをキャビティという。
【0003】近年、鉄鋼業の製鋼工程では溶銑予備処理
の普及により、転炉の精錬工程ではスラグ量の減少が可
能となり、スロッピング(フォーミングしたスラグが炉
口から溢れ出る現象)が低減されたことで、プロセスの
高能率化のため高速吹錬が指向されている。
【0004】しかし、転炉では高速の酸素をランスで上
吹きをするため、溶鋼を覆うスラグ量が少なくなるとス
ピッティング(上吹きジェットにより溶鋼が飛散する現
象)が増加して炉口への地金付着やダスト発生が助長さ
れ、操業上のトラブルや歩留低下の問題を生ずる。
【0005】スピッティングを低減するためには、酸素
ジェットが鋼浴面に衝突するときのエネルギーを分散さ
せる目的でランスの多孔化が有効であり、製鋼用転炉に
おいては多孔ランスを用いるのが一般的である。通常多
孔ランスのノズルはランス中心軸に対して外向き傾斜角
θをつけて配置されている。このθは5 〜30°程度の範
囲である。すなわち、θが0 °に近いと多孔化の意味が
なくなり、θが30°を超えるとキャビティが転炉の内壁
に近づき、耐火物を著しく損耗するおそれがある。
【0006】多孔ランスでは各ノズルに対応するキャビ
ティの重なりが問題となる。すなわち、キャビティの重
なりがある程度以上になるとスピッティング量が著しく
増加する現象がみられる。
【0007】この問題を解決する手段として、特開昭6
0−165313号公報、特開平6−57320号公報
には、キャビティの重なりが小さくなるようノズル孔傾
斜角を定める方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開昭60−1653
13号公報記載の方法はキャビティの重なりが小さくな
るようにノズルを広角化するものである。しかしなが
ら、ノズルを広角化しすぎると脱炭反応で発生するCOガ
スの二次燃焼率が大きくなるため、吹錬末期における脱
炭反応の酸素効率が著しく低下する。すなわち、スラグ
中のトータルFe(T.Fe)の増加によって歩留が低下
し、吹錬時間が長くなることによって耐火物の損耗が増
大するなどの問題が生じてしまう。
【0009】これに対し、特開平6−57320号公報
記載の方法は傾斜角度が異なる2種類のノズルを同心円
上に交互に配置し、キャビティの重なりを小さくするも
のである。この場合、傾斜角の小さい方のノズルからの
酸素ジェットはCOガスの二次燃焼にほとんど寄与しない
ため上記問題は回避できる。
【0010】しかし、本発明者らの実験結果によれば、
特開平6−57320号公報に記載のランスを使用して
も、ランスからの送酸速度(流量)が溶鋼トンあたり3
Nm3/min 以上の場合はスピッティングを抑制するには十
分でないことが判明した。(以下、溶鋼トンあたり酸素
流量を Nm3/min・ton と記す)本発明の課題は、上吹き
ランスの酸素流量が、3Nm3/min・ton 以上となる高速吹
錬条件において、スピッティングを効果的に抑制できる
精錬用上吹きランスとそれを用いた精錬方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らはスピッティ
ング低減を目標に様々な形状のランスを検討した結果、
次のような知見を得た。
【0012】a.キャビティの重なりを避けるため外側
ノズルの傾斜角を大きくしすぎると、COガスの二次燃
焼が増大し、反応効率の低下や耐火物損耗の問題を生じ
る。 b.ジェットによって飛散する溶鋼液滴のうち、炉口へ
の地金付着やダストロスとして問題となるものは、鉛直
に近い方向に飛散するものが主体である。
【0013】c.鋼浴面に衝突するジェットの進入角が
鉛直に近いほど、鉛直に近い方向に飛散する液滴が増加
する。特開平6−57320号公報に開示されているよ
うに、2種類の傾斜角のノズルを有する多孔ランスで
は、問題となるような溶鋼液滴の飛散は傾斜角の小さい
ノズルに起因するものが主体である。
【0014】d.内側ノズルの同方位の外側に、内側ノ
ズルより傾斜角が大きい外側ノズルを配置することによ
り、鉛直に近い方向に飛び出す液滴を少なくすることが
できる。
【0015】本発明者らは前記の知見に基づき、図1に
示すような精錬用上吹きランスおよびこれを用いた精錬
方法を想到した。すなわち本発明の要旨とするところ
は、下記の(1) および(2) の通りである。
【0016】(1) 円周上に外向き傾斜角θ1 で配置され
て溶融金属へ精錬用ガスを噴出するための3つ以上の
形の内側ノズルと、円周上に外向き傾斜角θ 2 でランス
中心軸からみて前記内側ノズルと同方位に配置されて前
記溶融金属へ精錬用ガスを噴出するための同数の円形の
外側ノズルとを先端部に有し、前記外向き傾斜角θ 2
前記外向き傾斜角θ 1 よりも大きいとともに、前記外向
き傾斜角θ 1 および前記外向き傾斜角θ 2 は、前記内側
ノズルおよび前記外側ノズルそれぞれのジェットによる
キャビティの重なり面積を該内側ノズルのジェットによ
るキャビティの面積の50%以下とする角度であることを
特徴とする精錬用上吹きランス。
【0017】(2) 前記(1) 項に記載の精錬用上吹きラン
スを用い、同方位に配置された内側ノズルのジェットと
外側ノズルのジェットによるキャビティの重なり面積
が、内側ノズルのジェットによるキャビティの面積の50
%以下であることを特徴とする精錬方法。
【0018】なお、本発明の実施の態様において、ノズ
ル傾斜角は好ましくはθ1 は7 °〜14°、θ2 は10°〜
25°、さらに好ましくは、θ1 は8 °〜12°、θ2 は12
°〜17°の範囲にある。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明者らはまず水モデル実験に
よって2つのジェットによって生じるキャビティ重なり
の方向とスピッティングの関係について検討した。
【0020】図2は縮尺1/20の水モデル実験の概略
図である。ランス1にはA、B、Cの3種用意してそれ
ぞれ実験した。Aのランスは本発明のランス(6孔)を
想定したもので、ランス1の先端にノズル2と3を同一
方位に開口して配置した。水モデル実験では噴出方向を
1方向のみとし、他の方向(120 °240 °方向)は盲と
した。内側ノズル2の傾斜角θ1 =10°、外側ノズル3
の傾斜角θ2 =15°である。
【0021】Bのランスは特開昭60−165313号
公報に開示された技術に対応するもので、ノズルを円周
上に6つ配置している。ノズル傾斜角θはいずれも15°
である。ただし、水モデル実験に用いたランスは0 °お
よび60°方向のみ開口し、他の方向( 120°,180°,240
°,300°方向)は盲とした。
【0022】Cのランスは特開平6−57320号公報
に開示された技術に対応するもので、2種の傾斜角のノ
ズルを円周上に6つ配置している。ノズル傾斜角は10°
および15°である。ただし、実験に用いたランスは0
°、60°方向のみ開口し、他の方向( 120°,180°,240
°,300°方向)は盲とした。ランス高さはA、B、Cの
ランスいずれも135 mmである。使用したガスは圧空であ
る。
【0023】水モデル試験では水面から300 mmの高さで
動圧測定用のプローブ10を下向きに配置し、スプラッ
シュ8の動圧を動圧センサ11で測定し、ある閾値以上
のものを弁別してその数をカウンタ12で計数した。プ
ローブ10を前記の高さで水平面内で走査し、飛散した
スプラッシュの分布を測定した。
【0024】図3は水モデル実験のスプラッシュの分布
をあらわしたものである。同図(a)はAのランスに対応
し、同図(b) はBのランス、同図(c) はCのランスに対
応する。同図では2つのキャビティ重なりの中心直上で
のカウント数を1カウントとして、各点におけるカウン
ト数を指数化し、0.8 カウント以上の等カウント線9を
描いている。
【0025】同図からわかるように、Aのランスの場
合、ランス中心から見て円周方向に長い繭型の飛散分
布、Bのランスの場合、ランス中心から見て半径方向に
長いひょうたん型の飛散分布、Cのランスの場合は半径
方向に対して傾斜したひょうたん型になっている。この
理由は、キャビティが重なった部分から発生し飛散した
スプラッシュはジェットに押し戻されるが、交点方向に
はジェットの壁が薄いので自由に飛散しうるためと推定
できる。また、ジェットが傾斜して鋼浴面に突入するた
め、等カウント線はキャビティ重なりの中心より外側
(ランスから遠い方向)にずれている。
【0026】同図(a) 、(b) 、(c) を比較すると、ラン
ス中心であるC点近傍に到達するスプラッシュの量は
(a) の方が(b) および(c) よりも少ないことがわかる。
すなわち、転炉においても本発明に係るA型のランスの
方がB、C型のランスより炉口方向に飛散するスピッテ
ィング量を少なくできることがわかる。
【0027】次に、本発明者らは内側ノズルと外側ノズ
ルが形成するキャビティの配置を検討するため、実炉で
ノズル傾斜角を種々変えたランスを用い、スピッティン
グ量、耐火物の溶損量を調査した。
【0028】図1は本発明の上吹きランス先端の要部を
6孔ランスを例に示した概略図で、同図(a) は縦断面
図、同図(b) はA−A矢視平面図である。ランス1には
傾斜角θ1 の3つの内側ノズル2が同心円上に配置され
ており、傾斜角がθ2 (>θ1 )の3つの外側ノズル3
がランス1の中心と内側ノズル2とを結ぶ線の延長線
上、つまり内側ノズル2と同方位に配置されている。こ
こで、内側ノズル2と外側ノズル3の出口の中心とラン
ス軸心との距離をr1 、r2、ノズルのスロート径をd
t1、dt2、ノズルの出口径をde1、de2とする。
【0029】図4はジェットの広がりを示す図であり、
ノズル2または3によって溶融金属浴面4上に生成する
キャビティ5または6の位置関係を模式的に示す縦断面
図である。
【0030】図5は溶融金属浴面4上で同方位に配置さ
れた内側ノズル2と外側ノズル3に対応する内側キャビ
ティ5および外側キャビティ6の重なりを示す説明図で
ある。なお、キャビティ重なり面積は図5のように平面
への投影図で考える。
【0031】図4に示すように、内側ノズル2または外
側ノズル3から超音速で噴出したジェットには、長さX
c の超音速コア7が存在する、その後、遷移域を経て完
全な乱流に発達し、広がり角2φ=約20°で広がる。こ
こで、超音速コア長さXc は下記実験式(1)より算出
される。
【0032】
【数1】
【0033】ここで、P0 はランス前の圧力(kgf/c
m2 )、de はノズル出口径(mm)である。ランス先端か
ら溶融金属浴面までの距離を示すランス高さH0 (mm)の
とき、図4に示す位置関係から、下式(2)に示す直径
i のキャビティが形成される。このキャビティの中心
とランス中心直下Cとの距離Ri は下式(3)によって
算出できる。
【0034】
【数2】
【0035】
【数3】
【0036】ここで、iはノズルの番号でこの場合は、
ノズル2、3に対応して1と2である。キャビティの重
なり面積率Sr が50%を超えるとスピッティングロスが
著しく増加する。そこで、本発明ではこのSr が50%以
下となるようにノズル傾斜角θ 1 、θ2 を定める。Sr
の下限は特に制限はなく、0 %であってもよい。
【0037】図5に示す位置関係において、内側ノズル
2に対応するキャビティ5の中心と、内側キャビティ5
および外側キャビティ6の重なりの交点を結ぶ直線がな
す角をγ(rad )とすると、2つのキャビティの重なり面
積と、内側キャビティ5の面積に対する比Sr (キャビ
ティの重なり面積率)は次式(4)で示される。
【0038】
【数4】
【0039】ここで、γは次式(5)で表される。
【0040】
【数5】
【0041】本発明のランスを上底吹き転炉プロセスに
適用する例を説明する。本発明のランスは、鉛直に近い
方向への溶鋼液滴の飛散を抑制するために、内側ノズル
の同方位に、内側ノズルより傾斜角が大きい外側ノズル
を配置したものである。後述の実施例で示すように、こ
の2つのノズルに対応するキャビティの、重なり面積率
r が小さいほどスピッティングは低減される。
【0042】しかし、キャビティの重なり面積率Sr
小さくするために外側ノズルの傾斜角を大きくしすぎる
と、発生するCOガスの2次燃焼が助長され、反応効率
の低下にともなって歩留低下の問題や耐火物損耗の問題
を生じる。
【0043】また、ランス高さH0 を小さくすれば、キ
ャビティを鋼浴面の中心近くに形成させることが可能で
あるが、溶鋼飛散によるランスの溶損や熱変形が発生し
やすく、ランス寿命を短くすることになる。また、ラン
ス高さH0 が大きすぎると、ジェットの広がりが大きく
なり、外側ノズルの傾斜角を大きくしすぎたのと同様、
COガスの2次燃焼や耐火物損耗の問題を生ずる。
【0044】上記外側ノズルに関する問題を回避するた
めに、例えば、内径6 mの転炉で、270 ton/ch、送酸速
度60,000Nm3/hrの吹錬を行う場合のランス条件の適正範
囲は下記の通りである。
【0045】θ2 ≦ 20 ° 2 m≦H0 ≦3 m ただし、θ2 は外側ノズルの傾斜角、H0 はランス高さ
である。
【0046】本発明のランスは上底吹き転炉プロセスに
使用するのが最適であるが、これに限らず上吹きランス
を使用する製鋼プロセスにも適用できる。その他AOD
炉や銅精錬炉のような上吹きの精錬用ランスを用いるあ
らゆるプロセスに適用可能である。
【0047】
【実施例】溶鋼量270 ton/chの上底吹き転炉において、
本発明の上吹きランスを用いて低炭素鋼を溶製し、スピ
ッテイングロス量の調査を実施した。その際、炉壁耐火
物の損耗量も調査した。
【0048】吹錬はすべて脱りん銑を用いたレススラグ
吹錬であり、上吹き酸素流量は60,000Nm3/hr、底吹きガ
スとしてCO2 を2000Nm3/hr吹き込んだ。ランスは実施
例、 比較例とも6孔とし、ノズルのスロート径は内側ノ
ズル、外側ノズルともφ46mmとした。
【0049】本発明のノズルの出口位置は内側ノズル、
外側ノズルをそれぞれランス中心からの距離r1 =160
mm、r2 =240 mmで、同心円上に、かつ外側ノズルを内
側ノズルと同方位に配置した。
【0050】比較例1、2のランスは、特開平6−57
320号公報に開示された2種類の傾斜角を持つノズル
を同一円周上に交互に配置したもので、その円周半径は
r=240 mmである。比較例3、4および実施例では、2
種類の傾斜角のノズルが同方位に配置されたランスを使
用した。
【0051】また、ランス高さは、全条件で2.7 m一定
で操業した。表1に実施例、比較例のランスによるスピ
ッティングロスと炉壁耐火物損耗状況を示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1においてキャビティの重なり面積率S
r は、前記の(5)式で計算したものである。スピッテ
ィングロスは比較例1を基準として、これに対する増減
を重量%で示し、また、炉壁耐火物の損耗は比較例1の
場合を基準として相対比較したものである。
【0054】表1から明らかなように、2種類のノズル
傾斜角の組み合わせが同一で、これらの配置を同一円周
上に配置したもの(比較例1及び2)と内側と外側の同
方位に配置したもの(本発明例1及び4)を比較する
と、後者の方が重なり面積率が大きいのにもかかわら
ず、スピッティングロスは少なかった。
【0055】また、2種類の傾斜角のノズルが同方位に
配置されたランスのうち、内側ノズルの傾斜角θ1 が同
一である例を比較すると、外側ノズルの傾斜角θ2 が大
きくなるに伴いキャビティの重なり面積率が小さくな
り、スピッティングロス量が減少した。また、外側ノズ
ルの傾斜角θ2 が18°以上のランスでは、炉壁耐火物の
損耗は若干悪化したが操業上問題とならない程度であっ
た。
【0056】図6は2種類の傾斜角のノズルが同方位に
配置されたランス(比較例3、4及び本発明例)におけ
るスピッティングロス量をキャビティの重なり面積率で
整理したものを示す。同図から明らかなように、スピッ
ティングロス量はキャビティの重なり面積率に大きく依
存しており、キャビティの重なり面積率が50%を超える
とスピッティングロス量は比較例1よりも増加した。
【0057】これより、角度の異なる2種類のノズルが
同方位に配置されたランスはキャビティの重なり面積率
が50%以下となるようノズル傾斜角を決定することが必
要であることがわかった。
【0058】
【発明の効果】溶融金属浴面に精錬用ガスを吹き付ける
精錬プロセスにおいて、本発明のランスを使用すること
により、耐火物損耗に悪影響を及ぼすことなくスピッテ
ィングを大幅に低減することができる。これにより、精
錬歩留まりの向上および炉口地金付着等の操業トラブル
の回避が達成され、生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の上吹きランスの先端部を6孔ランスを
例にとって示した図であり、同図(a) は縦断面図、同図
(b) はA−A矢視平面図である。
【図2】2つのキャビティの干渉によるスプラッシュを
検討する水モデル実験の模式図である。
【図3】スプラッシュの分布を示す説明図である。同図
(a) は本発明の場合、同図(b)は同一傾斜角のノズルを
同一円周上に配置した場合、同図(c) は2種の傾斜角の
ノズルを同一円周上に配置した場合を示す。
【図4】本発明の上吹きランスによるキャビティの位置
関係を示す縦断模式図である。
【図5】本発明のランスによるキャビティの重なりを示
す説明図である。
【図6】キャビティの重なり面積率とスピッティングロ
ス量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ランス 7 超音速コア 2 内側ノズル 8 スプラッシュ 3 外側ノズル 9 等カウント線 4 溶融金属浴面 10 プローブ 5 内側キャビティ 11 動圧センサ 6 外側キャビティ 12 カウンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−165508(JP,A) 特開 平9−41018(JP,A) 特開 平6−57320(JP,A) 特開 平9−256022(JP,A) 特開 昭62−218509(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 5/00 - 5/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周上に外向き傾斜角θ1 で配置され
    溶融金属へ精錬用ガスを噴出するための3つ以上の円形
    内側ノズルと、円周上に外向き傾斜角θ 2 でランス中
    心軸からみて前記内側ノズルと同方位に配置されて前記
    溶融金属へ精錬用ガスを噴出するための同数の円形の
    側ノズルとを先端部に有し、前記外向き傾斜角θ 2 は前
    記外向き傾斜角θ 1 よりも大きいとともに、前記外向き
    傾斜角θ 1 および前記外向き傾斜角θ 2 は、前記内側ノ
    ズルおよび前記外側ノズルそれぞれのジェットによるキ
    ャビティの重なり面積を該内側ノズルのジェットによる
    キャビティの面積の50%以下とする角度であることを特
    徴とする精錬用上吹きランス。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の精錬用上吹きランスを
    用い、同方位に配置された内側ノズルのジェットと外側
    ノズルのジェットによるキャビティの重なり面積が、内
    側ノズルのジェットによるキャビティの面積の50%以下
    であることを特徴とする精錬方法。
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