JP6171776B2 - 溶銑の精錬方法 - Google Patents

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本発明は、上底吹き転炉型精錬容器において溶銑を精錬する方法に関する。
上底吹き転炉型精錬容器にて、溶銑を脱りん、あるいは、脱炭吹錬を行う際には、脱珪や脱りんの精錬反応を促進するために、生石灰や石灰石等のCaO含有物質を添加する。生石灰や石灰石そのものの融点は約2600℃と非常に高いため、転炉精錬において、溶銑温度ではそれらのCaO含有物質は単体では溶融せず、他の副原料や溶銑成分の酸化によって生じたスラグと混ざり合う中で反応して滓化していく。
生石灰や石灰石等のCaO含有物質の滓化速度は、溶銑中のPやMnの精錬挙動に大きな影響を及ぼすため、非常に重要である。
そのため、例えば特許文献1のように、生石灰を粉体にして上吹きランスから酸素とともに高温の火点(酸素ガスの圧力による溶銑表面の凹み、キャビティとも称す)へ向けて上吹きする方法などが開発されてきた。生石灰や石灰石等のCaO含有物質を粉体にすることにより表面積が増加して滓化が速くなるため、CaO含有物質を粉体にしてランスから吹付けることは有効である。
この際、高速噴流の酸素ガスの吹付けにより、溶銑の表面から溶銑および溶融スラグの液滴が飛散する現象、所謂、スピッティングが発生し、飛散した溶銑およびスラグの一部は、転炉の炉口や炉内側壁に地金として付着し、一部はダストとして炉外へ逸脱する。転炉の炉口や炉内側壁に付着した地金は、操業を続けるにつれて成長するため、操業に大きな支障をもたらす。一方、ダストは、回収されて鉄源として再使用されるものの、回収工程において酸化してしまうことにより再度の還元剤が必要となり効率的ではない上に、ダストを回収するための費用を必要とする。
このため、これまでにもスピッティングの発生を軽減するための改善が精力的に行われてきた。先ず、上吹きランスの具体的な改善方法としては、ガス噴射ノズルの多孔化、ガス噴射ノズルの大径化といったものが代表的である。しかし、これらの改善方法には限界がある。すなわち、現在一般的に使用されている上吹きランスのノズル孔数は4孔から8孔程度であり、これ以上に孔数を増加させても、さらなるスピッティング抑制効果は期待できないと言われている。これは、孔数の増加に伴い、隣り合うノズル孔同士の間隔が狭くなるため、各ノズル孔から噴出した酸素ガス噴流が浴面に到達する前に集合・合体し、あたかも1つのノズル孔から噴出した噴流のような挙動を示すことによる。これを回避するにはノズル傾斜角度の拡大が必要であるが、酸素ジェットが炉壁に近付き過ぎると耐火物が著しく損耗してしまうため、ノズル傾斜角度の拡大にも限度がある。また、ノズル孔の大径化に関しても、スピッティングが明らかに低減する程度にノズル孔を大径化すると、酸素ガス噴流が弱くなり過ぎ、脱炭反応効率が低下する。
本出願人は、特許文献2により、ランスの先端形状を複雑にせずにジェットの流速分布を平滑化できる溶融金属精錬用上吹きランス(以下、「ねじれランス」という)に係る特許発明を提案した。
図1(a)は、通常の多孔ランス1の先端部を示す概要図であり、図1(b)はねじれランス1の先端部を示す概要図である。図1(a)及び図1(b)において、符号1はランスであり、符号2はノズルである。
通常の多孔ランス1では、図1(a)に示すように各ノズル2は、その中心軸の延長がランス1の中心軸上の1点で交わるように、傾斜して配置されるのに対し、ねじれランス1では、図1(b)に示すように各ノズル2は、その中心軸の延長が相互にねじれた位置関係となるように、傾斜して配置される。
特許文献2には、6孔のねじれランス1において、ランス1の中心軸から半径方向のジェットの動圧分布を調査し、ランス中心からみて動圧が最大となる方位と、そこから30°ずれた隣接するノズル2との境界に相当する方位(最も動圧が小さくなる方位)で、各方位でのピーク動圧値が近い値になるような、すなわち円周方向の動圧変動が小さくなるような相互にねじれた位置関係の範囲が提案されており、このねじれランス1によってスピッティング量を低減できることが開示されている。特許文献2により提案されたねじれランス1によれば、各ノズル2の噴出方向が互いに適切にねじれた位置関係にあるように各ノズル2を配置することによって、円周方向の動圧変動が小さくなり、スピッティングが確かに低減される。
特開2011−12286号公報 特開2000−1714号公報 特開2011−1585号公報
特許文献1により開示された方法には、CaO含有物質を粉体にすることにより、その粉体の製造や粉体供給装置の設置、さらにはキャリアガスのコストが増加するという課題がある。
また、本発明者らは、特許文献2により開示されたねじれランス1によるスピッティングの抑制効果をさらに高めるべく水モデル実験を行って鋭意検討を重ねた結果、ねじれランス1から噴出されるジェットの動圧を高めると浴が旋回し、その旋回流の速度が大きいほどスピッティングがさらに減少することを新たに知見した。しかし、特許文献2には、浴を効率良く旋回させる条件は開示も示唆もされていない。
本発明の目的は、粉体のCaO含有物質を使用せずに塊状のCaO含有物質を使用しても、CaO含有物質の滓化速度を高めることが可能な溶銑の精錬方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ねじれランスから酸素を溶銑に吹付ける際に、ランス形状、および上吹き条件をいずれも特定の条件とすることによって、溶銑、およびその上にあるスラグに旋回流を発生させてスラグの攪拌強度が高めることができ、これにより、粉体のCaO含有物質を使用せずに塊状のCaO含有物質を使用しても、CaO含有物質の滓化速度を高めることができることを知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
本発明は、上底吹き転炉型精錬容器を用いて、酸素を上吹きして溶銑を精錬する方法において、上吹きランスには、同一円周上に等間隔で配置された3孔以上のノズルを有し、かつ、ランス中心軸がz軸、ノズルの出口位置がx軸上となるように定めたxyz直交座標系において、xy平面への該ノズル軸の投影がx軸となす角度をねじれ角γとしたとき、ねじれ角γが下記(1)式を満足する上吹きランスを用い、かつ、下記(2)式および(3)式を満足する上吹き条件で吹錬することを特徴とする、溶銑の精錬方法である。
10<γ<100 ・・・・・・・(1)
0.08<L/L<0.8 ・・・・・・・(2)
1.2<Q<6.0 ・・・・・・・(3)
ただし、(1)〜(3)式において、γ:ねじれ角(deg)、L:浴深(mm)、L:凹み深さ(mm)、Q:溶銑1トンあたりの上吹き酸素流量(Nm/min)である。
本発明に係る溶銑の精錬方法によれば、溶銑、およびその上にあるスラグに旋回流を確実に発生させてスラグの攪拌強度を高めることができ、これにより、粉体のCaO含有物質を使用せずに塊状のCaO含有物質を使用しても、CaO含有物質の滓化速度を高めることができる。
図1(a)は通常の多孔ランスの先端部を示す概要図であり、図1(b)はねじれランスの先端部を示す概要図である。 図2は、ねじれランスの先端部の例を示す概要図であり、図2(a)はねじれランスの平面図、図2(b)は図2(a)におけるb−b断面のyz平面への投影図、図2(c)は図2(a)のc−c断面のxz平面への投影図である。
本発明を、添付図面を参照しながら説明する。
本発明では、基本的に、上底吹き転炉型精錬容器を用いて、上吹きランスから酸素を上吹きして溶銑を精錬する。
この際、本発明では、上吹きランスには、同一円周上に等間隔で配置された3孔以上のノズルを有し、かつ、ランス中心軸がz軸、ノズルの出口位置がx軸上となるように定めたxyz直交座標系において、xy平面への該ノズル軸の投影がx軸となす角度をねじれ角γとしたときに、ねじれ角γが(1)式:10<γ<100を満足する上吹きランスを用いるとともに、(2)式:0.08<L/L<0.8、および(3)式:1.2<Q<6.0を満足する上吹き条件で吹錬することにより、溶銑、およびその上にあるスラグに旋回流を与えることができる。この理由を説明する。なお、(1)〜(3)式において、γ:ねじれ角(deg)、L:浴深(mm)、L:凹み深さ(mm)、Q:溶銑1トンあたりの上吹き酸素流量(Nm/min)である。
図2は、ねじれランス1の先端部の例を示す概要図であり、図2(a)はねじれランス1の平面図、図2(b)は図2(a)におけるb−b断面のyz平面への投影図、図2(c)は図2(a)のc−c断面のxz平面への投影図である。なお、説明し易いように、図2(a)中のノズルAのみを抽出して図2(b)、図2(c)に示す。すなわち、図2(a)において、ランス中心軸がz軸となり、同一円周上に等間隔で配置された3孔以上の孔(周縁孔)であるノズルAの出口位置がx軸上となるxyz直交座標系を用いて、説明する。なお、図2(a)〜図2(c)における符号2i,2jはそれぞれノズル2の入側,出側を示し、符号3は小径ノズルを示す。
それぞれのノズルは、ランス中心軸上に設置することがある小径ノズルを除き、図2に示すように、ランス中心軸がz軸、ノズルの出口位置がx軸上となるように定めたxyz直交座標系において、xy平面への該ノズル軸の投影がx軸となす角度γを付与してある。この角度γをねじれ角と呼ぶ。また、z軸と平行で、かつ該ノズルの出口位置を通る直線と該ノズル軸とのなす角をノズルの傾斜角と呼ぶ。
本発明に係るねじれランス1は、ノズルのひねりに相当するねじれ角γ、及びノズルの外側方向の傾斜に相当する傾斜角βを有する6つのノズル2(そのうちでx軸上にある一つの孔を「ノズルA」と称する。)が、ランス軸の周りに等間隔で軸対象に配置されている。
ノズル軸がz軸上の1点で交わる通常の多孔ランス(図1(a)により示されるランス1が例示される。)を同図の角度に適用すると、ねじれ角γは0°であり、ノズル傾斜角βは通常のランス(すなわちねじれ構造を有していないランス)におけるノズルの角度に相当する。
溶銑に旋回流を付与する方法は、ガスの底吹きによる方法は例えば特開昭58−117815号公報に記載され、ガスの横吹きによる方法は例えば特開平9−31517号公報に記載されている。しかし、これらの方法は、ガス吹込みのためにノズルの改造や新設が必要となり、コストが嵩む。
そこで、本発明者らは、上吹きランスからの酸素ジェットによって旋回流の付与が可能か否かを、まず水モデル実験によって検討した。
旋回流を発生させるため、ランスには、直径3.0mmでノズル傾斜角が25°のノズルが同一円周上に等間隔で配置された5孔であり、かつ、それぞれのノズルは、図2に示すように、ランス中心軸がz軸、ノズルの出口位置がx軸上となるように定めたxyz直交座標系において、xy平面への該ノズル軸の投影がx軸となす角度γを付与したねじれランスを用いた。角度γをねじれ角と呼ぶ。なお、ノズルの傾斜角とは、z軸と平行で、かつ該ノズルの出口位置を通る直線と、該ノズル軸のなす角のことを指す。
転炉型水モデル容器に40lの水を装入し、上記のねじれランスを用いて圧縮空気を水に吹付ける実験を行い、水浴の様子を観察した。
圧縮空気の流量を45Nm/hに設定し、ランス高さを150mmに設定し、ねじれ角γを0°,30°,60°,90°,120°の条件で上吹きによる水浴の様子を観察した。
その結果、ねじれ角γが0°である場合を除いて、水浴に旋回流が発達することが確認できた。
旋回流をプロペラ流速計で測定すると、ねじれ角γが90°の場合において最も大きな旋回流が生じ、ねじれ角γが90°以下ではねじれ角γが大きいほど旋回流が発達し、90°以上ではねじれ角γを大きくすると逆に旋回流が発達し難くなることがわかった。
次に、ランス高さの影響について調査した。
ねじれ角γが30°であるねじれランスを用いて、ランス先端と水浴との間の距離を変えることによりジェットによる浴の凹み深さを変えて上吹きを行い、生じる旋回流を測定した。
その結果、浴の凹みが深いほど、旋回流が大きくなることがわかった。浴の凹みが深いほど、上吹きジェットの運動量が水浴に伝わり易くなるためと考えられる。
以上より、ねじれ角γを付与したランスを用いることにより旋回流が発達し、ねじれ角γが大きく、また、ジェットによる凹み深さが大きいほど、旋回流の流速が大きくなることが明らかとなった。
次に、転炉実験にて、旋回流を付与して生石灰の滓化が促進される条件について検討した。
2.5t上底吹き転炉にて、溶銑2.0tを装入し、約15mm径の塊状の生石灰を26.0kg添加した後、ねじれ角γを付与したねじれランスで脱りん吹錬を行い、処理後のスラグを採取して、未滓化CaO濃度等を分析し、塊状の生石灰の滓化率を調査する実験を行った。
溶銑は、温度1300℃,[%C]=4.2質量%,[%Si]=0.4質量%,[%Mn]=0.3質量%,[%P]=0.1質量%,[%S]=0.001質量%の条件にて転炉に装入し、浴深は385mmとなった。
ランスには、直径5.4mmでノズル傾斜角が18°のノズルが同一円周上に等間隔で配置された5孔ランスで、かつ、ねじれ角γを付与したねじれランスを使用した。
脱りん吹錬の総送酸量は32.0Nmとし、送酸速度と吹錬時間は実験によって変えた。
まず、送酸速度4.0Nm/min、ランス高さ400mmにて、ねじれ角γを変えた実験を行った。
その結果、ねじれ角γが90°以下では、ねじれ角γが大きいほど生石灰の滓化率が向上した。また、ねじれ角γが90°以上では、ねじれ角γが小さいほど生石灰の滓化率が向上した。特に、ねじれ角γが10°より大きく、かつ100°未満である範囲において、顕著な生石灰の滓化効果が得られた。
次に、送酸速度4.0Nm/min、ねじれ角γが30°の条件にて、ランス高さを変更して比(L/L)の異なる条件にて上記実験を実施した。なお、比(L/L)におけるLは、下記式によって求めた。
v×d=0.73(L+h)L1/2
ここで、v:ノズル先端での見掛け噴射速度の鉛直成分(m/s)、d:ノズル直径(mm)、L:凹み深さ(mm)、h:溶銑浴面からのランス高さ(mm)である。
その結果、比(L/L)が大きいほど、生石灰の滓化率が大きくなった。比(L/L)が大きいほど、溶銑、およびスラグに旋回流が発達し、生石灰の滓化が促進されるためと考えられる。その効果は、比(L/L)が0.08を超えた場合においてより顕著であった。
ただし、比(L/L)が大き過ぎる場合、酸素ジェットが炉底に衝突することで炉底が損傷する恐れがあるため、比(L/L)は0.8未満が望ましい。
さらに、ねじれ角γが30°で、比(L/L)が0.1の条件にて、2.2〜10.0Nm/minの範囲で送酸速度を変えて同じ実験を行った結果、送酸速度が大きくなるほど滓化率が向上する結果が得られた。
この結果との比較で、ねじれ角γが0°の場合、送酸速度が大きいほど滓化率が小さくなる。これは、吹錬時間が長いほど、滓化が進んでいることを示しているが、ねじれ角γを付与した場合に逆の傾向がみられたのは、送酸速度が大きいほど旋回流が大きくなり、滓化が促進し易くなっていると考えられる。
ねじれ角γを付与した場合に、滓化率が顕著に向上するのは、送酸速度が溶銑1トンあたり1.2Nm/minより大きい条件であった。
また、送酸速度が大きくなり過ぎた場合、スロッピング等の操業阻害トラブルの発生頻度が高くなるため、送酸速度は6.0Nm/min未満であることが望ましい。
なお、ノズルの傾斜角は、溶銑への旋回流の付与が容易であり、かつ火点が炉壁に過度に近づくのを防ぐために、15°以上30°以下であることが望ましい。
また、上記の条件は、塊状の生石灰を塊状の石灰石に変えても同様に成り立つことが確認された。
本発明の効果を、下記の溶銑脱りん吹錬、および脱りん銑の脱炭吹錬により検証した。
(1)溶銑脱りん吹錬
2.5t上底吹き転炉にて、溶銑2.0tを装入し、約15mm径の塊状の生石灰を26.0kg添加した後、総送酸量32Nmを上吹きする脱りん吹錬を行った。
溶銑は、温度1300℃,[%C]=4.2質量%,[%Si]=0.4質量%,[%Mn]=0.3質量%,[%P]=0.1質量%,[%S]=0.001質量%の条件にて転炉に装入し、浴深Lは385mmであった。
ランスには、直径5.0mmでノズル傾斜角が18°のノズルが同一円周上に等間隔で配置された5孔ランスで、かつ、実施例ではねじれ角γを付与したねじれランスを使用した。
結果を表1にまとめて示す。
Figure 0006171776
表1に示すように、実施例1〜4では、比較例1と比べて、塊状の生石灰の滓化率が向上し、その結果、脱りん結果も改善された。これは、ねじれ角γを付与したねじれランスから上吹きした酸素ジェットによって、溶銑、およびスラグに旋回流が生じ、塊状の生石灰の滓化が促進されたためと考えられる。
(2)脱りん銑の脱炭吹錬
2.5t上底吹き転炉にて、脱りん銑2.0tを装入し、約15mm径の塊状の生石灰を50.0kg、硅石12.0kg、MgO粒5.0kgを添加した後、総送酸量83Nmを上吹きする脱炭吹錬を行った。
脱りん銑は、温度1300℃,[%C]=3.8質量%,[%Si]=0.02質量%,[%Mn]=0.05質量%,[%P]=0.02質量%,[%S]=0.001質量%の条件にて転炉に装入し、浴深Lは385mmであった。
ランスには、直径5.0mmでノズル傾斜角が18°のノズルが同一円周上に等間隔で配置された5孔ランスで、かつ、実施例ではねじれ角γを付与したねじれランスを使用した。
結果を表2にまとめて示す。
Figure 0006171776
表2に示すように、実施例5〜8では、比較例2と比べて、塊状の生石灰の滓化率が向上し、その結果、脱りん結果も改善された。これは、ねじれ角γを付与したランスから上吹きした酸素ジェットによって、溶銑、およびスラグに旋回流が生じ、塊状の生石灰の滓化が促進されたためと考えられる。
1 ランス
2 ノズル
2i ノズルの入側
2j ノズルの出側
3 小径ノズル

Claims (1)

  1. 上底吹き転炉型精錬容器を用いて、酸素を上吹きして溶銑を精錬する方法において、
    上吹きランスには、同一円周上に等間隔で配置された3孔以上のノズルを有し、かつ、ランス中心軸がz軸、ノズルの出口位置がx軸上となるように定めたxyz直交座標系において、xy平面への該ノズル軸の投影がx軸となす角度をねじれ角γとしたとき、
    前記ねじれ角γが下記(1)式を満足する上吹きランスを用い、かつ
    下記(2)式および(3)式を満足する上吹き条件で吹錬すること
    を特徴とする、溶銑の精錬方法。
    10<γ<100 ・・・・・・・(1)
    0.08<L/L<0.8 ・・・・・・・(2)
    1.2<Q<6.0 ・・・・・・・(3)
    ただし、γ:ねじれ角(deg)、L:浴深(mm)、L:凹み深さ(mm)、Q:溶銑1トンあたりの上吹き酸素流量(Nm/min)である。
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