JP6721129B2 - 転炉吹錬用上吹きランスおよび溶銑の精錬方法 - Google Patents

転炉吹錬用上吹きランスおよび溶銑の精錬方法 Download PDF

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Description

本発明は、製鋼用転炉において精錬用ガスおよび粉体を溶銑浴面に吹き付けて吹錬する際に用いる転炉吹錬用上吹きランス、およびその転炉吹錬用上吹きランスを用いた溶銑の精錬方法に関する。
例えば、酸素上吹き転炉製鋼法における予備脱りん精錬において、溶鉄の表面に生石灰等の粉体を酸素ジェットと共に吹き付ける方法が用いられている。このとき、酸素ジェットと溶銑との衝突面、いわゆる火点に粉体を吹き込むことによって、滓化が促進され反応効率が向上する。よって、この方法では、粉体をできる限り高速度で吹き込み、着実に火点に到達させる必要がある。
ただし、粉体吹き込み速度を増加させると、粉体によるノズルの摩耗が問題となる。ノズルの摩耗が進行してノズルを冷却する冷却水の流路に穴が開き、冷却水漏れが起こると重大な操業阻害となり、生産性の低下を招く。また、ノズルの摩耗が著しくなると精錬挙動が変化し、吹錬制御が困難になるという問題もある。予備脱りん精錬に限らず、予備脱りん精錬を施されていない溶銑や予備脱りん精錬を施された溶銑に対して脱炭精錬を施す際においても、上吹きランスから生石灰や鉱石等の粉体を吹き込む際には同様の課題がある。
そこで、この課題を解決するために、例えば、特許文献1ではノズル孔の内面に電気めっきによる硬質クロムめっきを施すことで摩耗を抑制する方法が開示されている。しかしながら、ここで開示されている方法は、ノズルの耐摩耗性は向上するものの粉体のノズル孔内面への衝突自体は抑制されない。また、ノズル孔内へ硬質クロムめっきを施すことは簡易な方法とは言い難い。
さらに、実操業ではスピッティング抑制の観点から、ジェットの動圧を分散させるため、ノズルに傾斜角を付与して多孔化するのが一般的である。そこで、粉体によるノズルの摩耗は、ノズルの配置やノズル傾斜角度にも大きく依存すると考えられる。例えば、単孔ノズルを用いれば酸素ガスとともにノズル内を通過する粉体の大半は、たとえ粉体がガス流れに乗らずに直進したとしても、ノズル内壁に衝突しないと推定でき、摩耗し難いと考えられる。一方、多孔ノズルの場合はランス内管の軸方向に対してノズル内壁が角度を持つため、粉体がガス流れに乗らなければ確実にノズル内壁に衝突するため、摩耗しやすいと考えられる。したがって、ノズルの材質によらず、かつ多孔ランス構造を前提とした粉体によるノズル摩耗抑制技術が必要と考えられる。
多孔ランス構造を前提とした技術として、例えば、特許文献2には、上吹きランスから粉体を吹き込むに際し、ノズルスロート部の横断面積の総和とランス内管流路の横断面積との比を調整して、粉体がノズル部を通過する際の分布を変える方法が記載されている。しかし、その方法はスピッティングの抑制を目的としていて、ノズル摩耗抑制との関係は記載されていない。また、ランス内管の軸方向に対してノズル内壁が角度を持つため、粉体がノズル部を通過する際の分布を変えることができたとしても、やはり、前述のように、粉体がノズル内壁に衝突する可能性が高く、ノズル孔の摩耗を抑制することは困難であると考えられる。
特開2003−213318号公報 特開2012−251199号公報
本発明は前述の問題点を鑑み、ランス内管の軸方向に対してノズル内壁が角度を持つ多孔ノズルを有し、これらのノズル孔の摩耗を抑制できる転炉吹錬用上吹きランスおよびその転炉吹錬用上吹きランスを用いた溶銑の精錬方法を提供することを目的とする。
上吹きランスから酸素含有ガスとともに粉体副原料を上吹きする場合、通常は、上吹きランスの上端部において酸素含有ガスの配管と粉体副原料の配管とが接続されており、そこで酸素含有ガスと粉体副原料とが混合される。そして、酸素含有ガス及び粉体副原料の混合体は、1本のランス内管の内部を通って、ランス内管の先端に接続されるノズル部の1個又は2個以上の噴出孔(ノズル孔)から噴出される。
本発明者らは、ランス内管の軸方向に対してノズル内壁が角度を持つ多孔ノズル、つまりランス内管が有する酸素含有ガス及び粉体副原料の流路の中心軸に対してノズル孔の中心軸が傾斜している多孔ノズルを有する上吹きランスを用いる場合、ノズル孔とランス内管の流路との接合位置により粉体挙動を制御し、ノズル摩耗を抑制することを検討した。以下、ランス内管流路の内壁面において、ランス内管の流路とノズル孔との境界部で区切られた仮想のランス内管の流路の内壁面を「境界面」と表現する。
図1は、1つのノズルに対し、ランス中心軸を含み、かつ上記した境界面を二等分する断面を示している。図1において、境界面上でランスの最も下流側の点を通り、ランス中心軸に垂直な直線を直線Aと定義する。そして、その直線A上でノズル孔を横断する線分を横断線分Bと定義する。さらに、ランス内管の流路の範囲内でランス中心軸に垂直な横断面へ横断線分Bを投影したときに横断面上に投影される線分を線分Cと定義する。本発明者らは、横断線分Bの長さL0と線分Cの長さLとの比L/Lが下記(1)式を満たすことによって、ノズル摩耗を抑制できることを見出した。また、多孔ノズルを有する上吹きランスの場合は、ランス中心軸から傾斜しているすべてのノズルで下記(1)式を満たすものとする。
0.19≦L/L≦0.82 ・・・(1)
本発明は、以下の通りである。
[1]溶銑を上底吹き転炉に装入し、上吹きランスから酸素含有ガスと共に粉体副原料を溶銑に吹き付けて吹錬する際に用いる転炉吹錬用上吹きランスであって、
前記酸素含有ガスおよび前記粉体副原料の流路を有するランス内管と、
該ランス内管の前記流路に連通して延設される2孔以上のノズル孔を有するノズル部とを有し、
前記ノズル孔のノズル中心軸が、前記流路のランス中心軸に対して傾斜しており、前記ノズル孔がそれぞれ、以下の(1)式を満たすことを特徴とする転炉吹錬用上吹きランス。
0.19≦L/L≦0.82 ・・・(1)
ここで、L0:前記ランス中心軸を含み、かつ前記ランス内管の流路と前記ノズル孔との境界面を二等分する断面において、前記境界面上でランスの最も下流側の点を通り、前記ランス中心軸に垂直な直線上で前記ノズル孔を横断する線分の長さ
L:前記ランス内管の流路の範囲内で前記ランス中心軸に垂直な横断面へ前記横断する線分を投影したときに前記横断面上に投影される線分の長さ
[2]上記[1]に記載の転炉吹錬用上吹きランスを用いて吹錬を行う溶銑の精錬方法であって、
溶銑を上底吹き転炉に装入し、前記転炉吹錬用上吹きランスから酸素含有ガスと共に粉体副原料を前記溶銑に吹き付けて吹錬することを特徴とする溶銑の精錬方法。
本発明によれば、酸素含有ガスおよび粉体副原料を上吹きすることによるノズルの摩耗を抑制でき、精錬用ランスの耐摩耗寿命を長くすることが可能となる。
図1は、横断線分Bの長さLと線分Cの長さLとを説明するための図である。 図2は、多孔ランスの先端部分の断面概略図である。 図3は、L/Lの違いによる摩耗係数の変化を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る転炉吹錬用上吹きランスは、酸素含有ガスと共に粉体副原料を転炉に装入した溶銑に吹き付けて吹錬する際に用いられる。
図2は、多孔ランスの先端部分の断面概略図である。例202は、本発明に係る上吹きランス1の先端部分の断面概略図であり、図1の例102と対応している。つまり例202に示す断面は、ランス中心軸2dを含み、かつ且つ境界面4を二等分する断面である。一方、図2の例201は、第1の比較例である上吹きランス5の先端部分の断面概略図であり、図1の例101と対応している。つまり、図2の例201に示す断面は、ランス中心軸6dを含み、かつ且つ境界面8を二等分する断面である。さらに、図2の例203は、第2の比較例である上吹きランス9の先端部分の断面概略図であり、図1の例103と対応している。つまり、図2の例203に示す断面は、ランス中心軸10dを含み、かつ且つ境界面12を二等分する断面である。なお、図2に示す例では、2孔の多孔ランスについて、説明しやすいように一方の孔を省略して図示されている。また、図2の例204〜206は、それぞれ図2の例201〜203のランス内管の流路の範囲内におけるA−A断面図を示している。また、図2に示す例では、説明を簡略化するため、図2の例202のノズル中心軸3c、図2の例201のノズル中心軸7cおよび図2の例203のノズル中心軸11cの傾斜角θは同じであるものとする。また、図2に示す例では図示していないが、上吹きランス(ランス内管およびノズル部)の内壁面と外壁面との間には、上吹きランスを冷却する冷却水の流路が設けられている。
図2の例202に示すように、上吹きランス1はランス内管2およびノズル部3を備える。
ランス内管2は主にスチール製であり、転炉型精錬容器に収容された溶銑に吹き付ける酸素含有ガス(以下、単に「ガス」と称する場合がある。)及び粉体副原料(以下、単に「粉体」と称する場合がある。)の混合体の流路2aを有する。流路2aは、ノズル部3に至るまで、ほぼ均一の内径を有する管状となっており、ガス及び粉体の進行方向に対して、流路2aの断面積が急激に変化しないような形状となっている。
なお、図2の例202に示すように、境界面4は、流路2aの内壁面2bにおいて、流路2aとノズル孔3aとの境界部2cで区切られた仮想のランス内管2の流路2aの内壁面である。また、図2の例205に示すように、ランス内管2の流路2aの範囲内でランス中心軸2dに垂直な横断面13に境界面4を投影すると、境界線2c′で囲まれた投影面14が形成される。境界線2c′は、境界部2cを横断面13に投影した線である。
ノズル部3は主に銅製であり、ノズル孔3aを有する。ノズル孔3aの形状は、円筒形(ストレートノズル)であってもよく、いわゆるラバール形(ラバールノズル)であってもよい。ノズル孔3aは、図2の例202に示すように、ランス内管2の流路2aの端部で、境界部2cを介して流路2aと連通して延設されている。流路2aとノズル孔3aとが接合する位置は、図1に示す線分Cの長さLと横断線分Bの長さLとの関係が前述した(1)式を満たすような位置である。これは以下のような着想に基づいて得られた知見である。
ランス内管の流路をガスと共に通過し、ノズル孔から噴出される粉体は大別すると、「ノズル孔内に侵入する以前に流路の内壁面と衝突する粉体」と「流路の内壁面に衝突せずにノズル孔内に直接侵入する粉体」とに分けられる。本発明者らが2.5t規模の転炉による粉体上吹き実験時のランス摩耗実態と、流動解析により得られたガス及び粉体挙動とを照合した結果、「流路の内壁面に衝突せずにノズル孔内に直接侵入する粉体」の挙動と摩耗挙動とが類似していた。以上から、本発明者らはノズル部の形状を変更することにより「流路の内壁面に衝突せずにノズル孔内に直接侵入する粉体」の割合を減少させれば、粉体によるノズル内壁面における摩耗が抑制されると考えた。
まず、ランス内管の流路をガスと粉体とが流路の中心軸方向に対して均一に流れると仮定する。その場合、ランス内管の流路とノズル部のノズル孔との境界面をランス内管の流路の横断面へ投影したとき、その投影面上の線分Cの長さLを小さくすれば、ノズル孔を通過する全粉体の内に占める「流路の内壁面に衝突せずにノズル孔内に直接侵入する粉体」の割合が減少し、ノズル孔の内壁面に衝突する粉体の量が低減するため、ノズル摩耗が抑制される可能性がある。
一方で、投影面上の線分Cの長さLを0もしくは過剰に小さくしてしまうと、線分Cの長さLがノズル孔3aにおける横断線分Bの長さLに比べて遥かに小さくなってしまう。その結果、ガスおよび粉体の流れに偏流が生じ、「流路の内壁面に衝突せずにノズル孔内に直接侵入する粉体」がノズル孔の内壁面に衝突し、逆に摩耗を招く可能性も考えられる。
例えば、図2の例201に示す上吹きランス5では、ノズル孔7aと流路6aとの境界面8が流路6aの側面に位置する。このため、図2の例204に示すように、ランス中心軸6dに垂直な横断面15へ境界面8を投影した場合、投影面の面積はほぼ0である。つまり、図1の例101に示すように、線分Cそのものが存在しないため、L=0となる。この場合、「流路の内壁面に衝突せずにノズル孔内に直接侵入する粉体」の割合は低減されるものの、図2の例201に示すような偏流が生じ、図2の例203とは異なるメカニズムで、図2の例201のようにノズル孔の上側の内壁面7bが摩耗すると考えられる。つまり、偏流が生じることにより、ノズル孔7a内においてガスおよび粉体の速度が加速し、特にノズル孔7aの出口付近において内壁面7bが摩耗しやすくなってしまう。
また、図2の例203に示す上吹きランス9においては、流路10aとノズル孔11aとの境界部10cで区切られた境界面12は、流路10aの最も下流側の内壁面10bに位置する。したがって、ランス中心軸10dに垂直な横断面16に境界面12を投影した場合、境界線10c′に囲まれた投影面17は楕円形となる。なお、境界線10c′は、境界部10cを横断面16に投影した線である。このため、「ランス内管の流路の内壁面に衝突せずにノズル孔内に直接侵入する粉体」が、ノズル孔11aに多量に進入する。進入した粉体はノズル孔11aの内壁面11bに衝突するため、内壁面11bは摩耗しやすい。
このように、本実施形態に係る上吹きランス1の場合、投影面14の面積が図2の例203に示す上吹きランス9の投影面17の面積より小さく、線分Cの長さLが短い。したがって、図2の例202に示す上吹きランス1のようにノズル孔3aが流路2aと連通している場合、「流路の内壁面に衝突せずにノズル孔内に直接侵入する粉体」の割合は、図2の例203に示す上吹きランス9より低減される。
また、図2の例202に示すノズル孔3aは、ノズル中心軸3cが流路2aのランス中心軸2dに対して傾斜するように、ランス内管2の流路2aに連通している。傾斜角θは10°未満ではランスから噴出されるジェット同士が合体し易くなってスピッティングが増加しやすく、また傾斜角θが30°を超えると火点と炉壁間距離が短くなり過ぎて炉壁耐火物の溶損が促進されてしまうため、傾斜角θは10〜30°が望ましい。また、ランス内管2のランス中心軸2dがZ軸、ノズル孔3aの出口位置がX軸上となるように定めたXYZ直交座標系において、ノズル孔3aのひねりに相当するYZ平面へのノズル軸の投影とZ軸とがなす角度、およびノズルの外側方向の傾斜に相当するXZ平面へのノズル軸の投影がZ軸となす角度を設けて、ノズル孔3aのノズル中心軸3cがランス中心軸2dに対してねじれる方向に傾斜していてもよい。
次に本発明者らは、前述の仮説に基づいてL/Lの好適な範囲を見出すために、粉体摩耗抑制を指向したノズル形状について耐摩耗試験を行った。
(1)共通する調査条件
本発明者らは、ランス内管の径を20mm、ノズル孔数を4、スロート径を5.1mm、ノズル傾斜角を20°とし、ランス中心軸を含み、かつ且つ境界面を二等分する断面において、境界面上でランスの最も下流側の点を通り、ランス中心軸に垂直な直線上でノズル孔を横断する横断線分Bの長さLを固定値とした。一方、ランス内管の流路の範囲内でランス中心軸に垂直な横断面へ横断線分Bを投影したときに横断面上に投影される線分Cの長さLを変更して、粉体によるノズル孔の内壁面の摩耗を評価した。スロート径とは、ノズル部のノズル孔において断面積が最小となるときの直径とし、酸素含有ガスとして酸素ガスを、粉体副原料として生石灰粉を用いた。酸素ガス流量が3.0Nm/minの条件下で、粒径5〜200μmの生石灰粉を5.5kg/minでのべ20時間断続的に供給し、ノズル孔にガスおよび粉体を通過させる試験を実施した。
(2)L/Lと摩耗試験後のノズル摩耗量との関係
図3に、各ノズルにおけるL/Lと摩耗試験後のノズル摩耗量との関係を示す。L/Lが小さくなるほどノズル摩耗量が減少したが、特にL/L<0.2の領域ではL/Lが小さくなるほど、それまでと反対方位のノズル孔の内壁面の摩耗量が増加した。概ね、0.19≦L/L≦0.82である場合は、L/L=1.0の場合と比較してノズルの摩耗量が半分以下となった。以上の検討により、本発明を実施するのに好適な範囲は(1)式に示す通り、0.19≦L/L≦0.82であることが判明した。また、より確実に摩耗を抑えるために、好ましくは0.35≦L/L≦0.70である。
次に、溶銑の精錬方法について説明する。
本発明に係る溶銑の精錬方法は、主に純酸素ガスである酸素含有ガスと共に粉体副原料を転炉に装入した溶銑に吹き付けて溶銑を精錬する際に、前述した本発明に係る転炉吹錬用上吹きランスを用いる。本発明に係る溶銑の精錬方法において、転炉に装入する溶銑は予備処理されているかどうかを問わない。また、精錬実施後の溶銑の成分も問わず、その精錬がいわゆる溶銑予備脱燐処理であってもよいし、その精錬によって溶鋼を製造してもよい。さらに、粉体副原料は生石灰、石灰石、カルシウムフェライト等の脱燐剤に限られず、ボーキサイトやルチル鉱石等の滓化促進材、鉄鉱石やMn鉱石等の鉱石類、あるいはこれらの混合物であってもよい。
酸素含有ガスの吹付け流量および粉体副原料の粒径、添加量は、当該溶銑の精錬目的に応じて粉体副原料の搬送および吹付けが安定して行われれば良い。
本発明に係る転炉吹錬用上吹きランスは、いかなる条件においても従来の上吹きランスを用いるよりも粉体供給に伴うノズル摩耗の問題を抑制し、安定操業に寄与すると共にランス交換の頻度を低減して、生産性の向上に貢献することができる。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
300t規模の上底吹き転炉で溶銑予備脱りん吹錬を行った。その際の主原料には、質量濃度でC:4.4〜4.5%、Si:0.2〜0.5%、Mn:0.2〜0.4%、P:0.100〜0.130%を含有する溶銑を約260t、スクラップを約20t用いた。上吹き酸素流量を溶銑1t当たり3.0Nm/minとし、粉体副原料として粒径5〜200μmの生石灰粉体を上吹き速度900kg/min、底吹きCO流量を0.25Nm/minとした。この脱りん吹錬により、質量濃度でC:3.6〜3.8%、Si≦0.01%、Mn:0.1〜0.2%、P:0.015〜0.025%の溶銑を製造した。この試験では、ノズル摩耗により、ランス内部の冷却水の流路に穴が開き、水漏れが生ずるまでの吹錬回数とL/Lとの関係を調査した。
上吹きランスの条件は、ランス内管の径を180mm、スロート径を45mm、ノズル孔数を4、ノズル傾斜角を20°で固定し、L/Lを変えた上吹きランスを製作し、吹錬に用いた。以下の表1に、L/Lおよび摩耗指数を示す。ここで、摩耗指数とは、比較例1の上吹きランスを吹錬に用いて前記の水漏れが生ずるまでの吹錬回数を1として指数化した値である。
Figure 0006721129
まず、比較例1および2について述べる。比較例1に比べて比較例2の方が摩耗指数は小さかった。これは比較例2の上吹きランスの方がL/Lが小さいためと考えられる。次に実施例1〜4について述べる。実施例1〜4の摩耗指数は比較例1に比べて半分以下であった。これはL/L≦0.82を満足し、「ランス内管壁面に衝突せずにノズル孔内に直接侵入する粉体」の割合が減少したためと考えられる。また、実施例2は実施例1よりもL/Lが小さいが、実施例1の摩耗指数と大きな差異は見られなかった。また、実施例1および2はそれぞれ実施例3および4よりもさらに摩耗が抑えられた。
一方、比較例3は実施例1〜4よりも摩耗指数が大きかった。これはL/Lを0.19よりも小さくしたことにより、ノズル孔内のガスおよび粉体の流れに偏りが生じたためと考えられる。
以上より、0.19≦L/L≦0.82とすることで粉体によるノズル孔の内壁面の摩耗を抑制でき、さらに0.35≦L/L≦0.70とすることで、内壁面の摩耗をより抑制できることが確認された。
本発明によれば、酸素含有ガスおよび粉体副原料を上吹きすることによるノズルの摩耗を抑制でき、精錬用ランスの耐摩耗寿命を長くすることが可能となる。そのため、工業的価値が大きい。

Claims (2)

  1. 溶銑を上底吹き転炉に装入し、上吹きランスから酸素含有ガスと共に粉体副原料を溶銑に吹き付けて吹錬する際に用いる転炉吹錬用上吹きランスであって、
    前記酸素含有ガスおよび前記粉体副原料の流路を有するランス内管と、
    該ランス内管の前記流路に連通して延設される2孔以上のノズル孔を有するノズル部とを有し、
    前記ノズル孔のノズル中心軸が、前記流路のランス中心軸に対して傾斜しており、前記ノズル孔がそれぞれ、以下の(1)式を満たすことを特徴とする転炉吹錬用上吹きランス。
    0.19≦L/L≦0.82 ・・・(1)
    ここで、L:前記ランス中心軸を含み、かつ前記ランス内管の流路と前記ノズル孔との境界面を二等分する断面において、前記境界面上でランスの最も下流側の点を通り、前記ランス中心軸に垂直な直線上で前記ノズル孔を横断する線分の長さ
    L:前記ランス内管の流路の範囲内で前記ランス中心軸に垂直な横断面へ前記横断する線分を投影したときに前記横断面上に投影される線分の長さ
  2. 請求項1に記載の転炉吹錬用上吹きランスを用いて吹錬を行う溶銑の精錬方法であって、
    溶銑を上底吹き転炉に装入し、前記転炉吹錬用上吹きランスから酸素含有ガスと共に粉体副原料を前記溶銑に吹き付けて吹錬することを特徴とする溶銑の精錬方法。
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